JP2016109287A - 車両用パワーユニットにおけるクラッチ機構用潤滑構造 - Google Patents

車両用パワーユニットにおけるクラッチ機構用潤滑構造 Download PDF

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Abstract

【課題】クラッチ機構を覆うクラッチカバーにレリーズロッドが回動自在に支持され、クラッチ機構の断・接を切替えるリフターピースがレリーズロッドの回動に応じて入力軸の軸方向に移動するようにした車両用パワーユニットにおいて、加工工数および部品点数の増大を回避しつつ簡単な構造でクラッチ機構にオイルを供給可能とする。【解決手段】クラッチカバー40の内壁に、レリーズロッド55の下部を回動自在に挿入する有底の支持筒部61が、レリーズロッド55との間にオイル流通路62を形成するとともにそのオイル流通路62の上端を開放するようにして一体に設けられ、オイル流通路62からクラッチ機構26側へのオイルの流通を可能としたリフターピース56のレリーズロッド55側の端部を軸方向移動可能に嵌合させる嵌合孔63が、支持筒部61内に通じるようにして支持筒部61の下部に設けられる。【選択図】 図4

Description

本発明は、クランクシャフトを回転自在に支持するクランクケースを有する内燃機関と、前記クランクシャフトと平行に延びる入力軸を有して前記クランクケース内に収容される変速機と、前記クランクシャフトおよび前記入力軸間の動力伝達を断・接するようにして前記クランクケースの外方で前記入力軸と同軸に配置されるクラッチ機構と、前記クラッチ機構を覆って前記クランクケースに結合されるクラッチカバーと、該クラッチカバーに回動自在に支持されるレリーズロッドならびに該レリーズロッドの回動に応じて前記入力軸の軸方向に移動して前記クラッチ機構の断・接を切替えるリフターピースで構成されるクラッチレリーズ機構とを備える車両用パワーユニットに関し、特に、クラッチ機構用潤滑構造の改良に関する。
クラッチ機構に、オイルポンプに通じる専用のオイル通路を介して潤滑用のオイルを供給するようにした車両用パワーユニットが、特許文献1等で知られている。
特開2009ー270701号公報
ところで、車両に搭載される内燃機関の高出力・高回転化に対応してクラッチ機構を適切に機能させるために、クラッチ機構のより効果的な潤滑が求められているが、上記特許文献1で開示されたものでは、クラッチカバーに、変速機を潤滑するためのオイル通路の他にクラッチ機構を潤滑するための専用のオイル通路が設けられており、加工工数が多くなるだけでなく、部品点数の増大も招いている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、加工工数および部品点数の増大を回避しつつ簡単な構造でクラッチ機構にオイルを供給し得るようにした車両用パワーユニットにおけるクラッチ機構用潤滑構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、クランクシャフトを回転自在に支持するクランクケースを有する内燃機関と、前記クランクシャフトと平行に延びる入力軸を有して前記クランクケース内に収容される変速機と、前記クランクシャフトおよび前記入力軸間の動力伝達を断・接するようにして前記クランクケースの外方で前記入力軸と同軸に配置されるクラッチ機構と、前記クラッチ機構を覆って前記クランクケースに結合されるクラッチカバーと、該クラッチカバーに回動自在に支持されるレリーズロッドならびに該レリーズロッドの回動に応じて前記入力軸の軸方向に移動して前記クラッチ機構の断・接を切替えるリフターピースで構成されるクラッチレリーズ機構とを備える車両用パワーユニットにおいて、前記クラッチカバーの内壁に、上下方向に延びる前記レリーズロッドの下部を回動自在に挿入する有底の支持筒部が、前記レリーズロッドとの間にオイル流通路を形成するとともにそのオイル流通路の上端を開放するようにして一体に設けられ、前記オイル流通路から前記クラッチ機構側へのオイルの流通を可能とした形状に形成される前記リフターピースの前記レリーズロッド側の端部を軸方向移動可能に嵌合させる嵌合孔が、前記支持筒部内に通じるようにして前記支持筒部の下部に設けられることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記レリーズロッドが、その軸方向両端部に比べて細径となる中央細径部を有するように形成され、その中央細径部の長手方向中間部が前記支持筒部の上端開口縁部に対応する位置に配置されることを第2の特徴とする。
本発明は、第2の特徴の構成に加えて、前記支持筒部の上端開口縁部が、前記クラッチカバーの内壁に連なるクラッチカバー側縁部と、該クラッチカバー側縁部よりも下方に配置されて前記クラッチ機構側に配置されるクラッチ機構側縁部とから成ることを第3の特徴とする。
本発明は、第1〜第3の特徴の構成のいずれかに加えて、前記クラッチカバーの内壁に、前記支持筒部よりも上方で前記レリーズロッドの外周の一部を収容する窪み部が形成され、その窪み部の両側側面のうち車両前進時の前記入力軸の回転方向に対向する側に臨む一方の側面に連なる突出壁部が、前記クラッチカバーの内壁から突出するようにして該クラッチカバーに一体に設けられることを第4の特徴とする。
本発明は、第4の特徴の構成に加えて、前記クラッチカバーが、前記クラッチ機構を軸方向外側から覆うようにして椀状に形成されるクラッチ機構保護部と、少なくとも上方に延びるようにして前記クラッチ機構保護部から外側方に延出する延出部とを一体に有し、前記レリー前記リフターピースの前記円筒部が前記端壁部を一端側に有した有底の円筒状に形成され、この円筒部の他端部に前記端壁部との間に前記オイル通路を形成する仕切キャップが装着されるズロッドを挿入するようにして前記窪み部に連なる挿入孔を形成する突部が前記延出部の上部に一体に形成されることを第5の特徴とする。
本発明は、第1〜第5の特徴の構成のいずれかに加えて、前記レリーズロッドに、前記リフターピースを係合させる係止凹部と、前記レリーズロッドの軸方向に延びるとともに下端部を前記係止凹部に開口する軸孔と、前記レリーズロッドの外周および前記軸孔間にわたるようにして前記レリーズロッドの径方向に延びる連通孔とが設けられることを第6の特徴とする。
本発明は、第6の特徴の構成に加えて、前記連通孔が、前記オイル流通路に前記連通孔の外端を通じさせるようにして前記支持筒部の上端開口縁部よりも下方で前記レリーズロッドに設けられることを第7の特徴とする。
本発明は、第7の特徴の構成に加えて、前記支持筒部の上端開口縁部および前記嵌合孔間に配置されるベアリングが、前記レリーズロッドおよび前記支持筒部間に介装され、前記連通孔が前記ベアリングよりも上方に配置されることを第8の特徴とする。
本発明は、第1〜第8の特徴の構成のいずれかに加えて、前記リフターピースが、前記レリーズロッド側の一端部に端壁部を有するとともに内部にクラッチ機構用オイル通路を有して円筒状に形成される円筒部と、前記レリーズロッドに回転可能に係合する円盤状の係合部と、前記円筒部よりも小径にして前記係合部および前記端壁部の中央部間を結ぶ中実の棒状である首部とを一体に有するように形成され、前記端壁部に、前記クラッチ機構用オイル通路側に向かうにつれて相互に近接するように傾斜した複数のオイル流入孔が設けられることを第9の特徴とする。
本発明は、第9の特徴の構成に加えて、前記クラッチ機構が、前記クランクシャフト側から動力が伝達されるクラッチアウタに係合する複数の駆動摩擦板と、前記入力軸に連動、連結されるクラッチインナに係合して複数の前記駆動摩擦板間に重合配置される複数の被動摩擦板とを備え、軸方向で前記駆動摩擦板および前記被動摩擦板のいずれかに対応する部分で前記リフターピースの前記円筒部に、該円筒部の径方向に延びるオイル噴出孔が設けられることを第10の特徴とする。
本発明は、第10の特徴の構成に加えて、前記入力軸が、前記変速機にオイルを供給する変速機用オイル通路を同軸に有するようにして円筒状に形成され、前記リフターピースの前記円筒部がその一端部に前記端壁部を有して有底円筒状に形成され、前記円筒部の前記端壁部とは反対側の他端部が前記入力軸に嵌合され、前記端壁部との間に前記クラッチ機構用オイル通路を形成するとともに該クラッチ機構用オイル通路を前記変速機用オイル通路とは隔絶する仕切キャップが、前記円筒部の前記他端部に装着されることを第11の特徴とする。
さらに本発明は、第1〜第11の特徴の構成のいずれかに加えて、前記リフターピースの前記レリーズロッド側の端部と、前記支持筒部の下部との間には、前記リフターピースを囲繞する環状のシール部材が介装されることを第12の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば、クラッチカバーの内壁に一体に設けられる有底の支持筒部内に、上端を開放したオイル流通路を支持筒部との間に形成するようにして上下方向に延びるレリーズロッドの下部が挿入され、オイル流通路からクラッチ機構側へのオイルの流通を可能としたリフターピースのレリーズロッド側の端部を嵌合させる嵌合孔が支持筒部の下部に設けられるので、レリーズロッドを支持筒部で確実に保持しつつ、回転作動中のクラッチ機構から飛散するオイルをオイル流通路内に回収して貯留し、支持筒部およびリフターピース間の潤滑や、クラッチ機構の潤滑にオイル流通路内のオイルを再利用することができる。しかも上下方向に長いオイル流通路内での高低差を有効に利用して支持筒部およびリフターピース間の潤滑や、クラッチ機構の潤滑を促進することができる。さらにクラッチ機構専用のオイル通路をクラッチカバーに設けることが不要であり、加工工数および部品点数の増大を回避しつつ簡単な構造でクラッチ機構にオイルを供給することができる。
また本発明の第2の特徴によれば、レリーズロッドが有する中央細径部の長手方向中間部が支持筒部の上端開口部に対応する位置にあるので、レリーズロッドの軽量化を図りつつ、支持筒部の上端開口部内周およびレリーズロッドの外周間の間隔を大きくして、オイル流通路内へのオイルの流入性の向上を図るとともに、オイル流通路内のオイル滞留量を増やすことができる。
本発明の第3の特徴によれば、支持筒部の上端開口縁部のうちクラッチ機構側に配置されるクラッチ機構側縁部を低くすることで、オイル流通路内にオイルをより流入し易くすることができる。
本発明の第4の特徴によれば、支持筒部よりも上方で前記レリーズロッドの外周の一部を収容するようにしてクラッチカバーの内壁に形成される窪み部の両側側面のうち車両前進時の前記入力軸の回転方向に対向する側に臨む一方の側面に、クラッチカバーの内壁から突出する突出壁部が連なるので、クラッチ機構から飛散するオイルを突出壁部に衝突させることで、窪み部からオイル流通路内にオイルを導くようにしてオイル流通路へのオイル流入量を増やすことができる。
本発明の第5の特徴によれば、レリーズロッドを挿入するようにして窪み部に連なる挿入孔を形成する突部が、椀状に形成されるクラッチ機構保護部から少なくとも上方に延びる延出部の上部に一体に形成されるので、突出壁部をより上方に長くしてオイル回収効率を高めることができる。
本発明の第6の特徴によれば、リフターピースを係合させる係止凹部に下端部を開口する軸孔を有するようにレリーズロッドが形成されることによってレリーズロッドの軽量化を図ることができる。また軸孔に、レリーズロッドの径方向に延びて該レリーズロッドの外周に外端を開口する連通孔の内端が連通するので、レリーズロッド内にもオイルを滞留させてオイルの滞留量を増大することができるとともに、リフターピース側へのオイル流通経路を形成することができる。
本発明の第7の特徴によれば、連通孔の外端がオイル流通路に通じるので、オイル流通路から連通孔を介して軸孔内にオイルを効率よく流入させ、リフターピース側へのオイル供給を効率的に行うことができる。
本発明の第8の特徴によれば、レリーズロッドおよび支持筒部間に介装されるベアリングよりも上方に連通孔が配置されるので、ベアリングを潤滑するためのオイルを確保して該ベアリングを潤滑しつつ、オイル流通路内で連通孔よりも上方にあるオイルをリフターピースおよびクラッチ機構側の潤滑に利用することができる。
本発明の第9の特徴によれば、リフターピースが、内部にクラッチ機構用オイル通路を有する円筒部と、レリーズロッドに係合する円盤状の係合部と、円筒部の一端部の端壁部および係合部の中央部間を結ぶ首部とを一体に有し、首部を中実の棒状として強度を確保しつつ、円筒部内のクラッチ機構用オイル通路にレリーズロッド側からのオイルを導くことができ、しかも端壁部に設けられる複数のオイル流入孔がクラッチ機構用オイル通路側に向かうにつれて相互に近接するように傾斜しているので、オイル流入孔の径を確保することができる。
本発明の第10の特徴によれば、クラッチ機構における駆動摩擦板および被動摩擦板に軸方向で対応するオイル噴出孔が、リフターピースの円筒部に、該円筒部の径方向に延びるようにして設けられるので、駆動摩擦板および被動摩擦板側に向けてオイルを噴出するようにして、クラッチ機構の効果的な潤滑が可能となる。
本発明の第11の特徴によれば、リフターピースの前記円筒部が有底円筒状に形成され、変速機用オイル通路を同時に有する入力軸に前記円筒部の他端部が嵌合され、その円筒部の他端部に、変速機用オイル通路からクラッチ機構用オイル通路を隔絶する仕切キャップが装着されるので、クラッチ機構に供給されるオイル量を充分に確保することができる。
さらに本発明の第12の特徴によれば、リフターピースの前記レリーズロッド側の端部が、支持筒部の下部に環状のシール部材を介して嵌合されるので、レリーズロッドからリフターピースに供給されるオイル量の漏れを抑え、充分な量のオイルをリフターピース側に導くことができる。
自動二輪車に搭載されたパワーユニットの右側面図である。 パワーユニットの拡大右側面図である。 図2の3−3線断面図である。 図3の4矢示部拡大図である。 図4の5−5線に沿うクラッチカバーの断面図である。 クラッチカバーを内方側から見た斜視図である。
本発明の実施の形態について、添付の図1〜図6を参照しながら説明する。なお以下の説明で、前後、左右および上下は、自動二輪車に乗車した乗員から見た方向を言うものとする。
先ず図1において、車両である自動二輪車には、後輪WRを駆動する動力を発揮するようにして前輪WFおよび前記後輪WR間に配置されるパワーユニットPが搭載される。
図2および図3を併せて参照して、前記パワーユニットPの一部を構成する内燃機関Eは、車幅方向に延びるクランクシャフト11を回転自在に支持するクランクケース12と、該クランクケース12の前側上部に結合されてわずかに後上がりに延びるシリンダボディ13と、該シリンダボディ13の上部に結合されるシリンダヘッド14と、該シリンダヘッド14を上方から覆うようにしてシリンダヘッド14の上部に結合されるヘッドカバー15とを備えて単気筒に構成される。前記クランクケース12は、前記クランクシャフト11の軸線と直交する平面に沿う結合面16で結合されるようにした左側および右側クランクケース半体17,18から成る。
前記シリンダボディ13が有するシリンダボア19には、前記クランクシャフト11にコネクティングロッド21を介して連接されるピストン20が摺動自在に嵌合される。また前記クランクシャフト11は、左側クランクケース半体17との間に第1のメタル軸受22を介在させて該左側クランクケース半体17を回転自在に貫通するとともに、右側クランクケース半体18との間に第2のメタル軸受23を介在させて該右側クランクケース半体18を回転自在に貫通する。
前記パワーユニットPは、前記内燃機関Eに加えて、該内燃機関Eの回転動力を段階的に変速するようにして前記クランクケース12内に収容される変速機25と、該変速機25および前記クランクシャフト11間の動力伝達を断・接するクラッチ機構26と、前記クランクシャフト11の動力を前記クラッチ機構26側に伝達する一次歯車減速機構27と、該一次歯車減速機構27および前記クラッチ機構26間に設けられるダンパゴム28とを備える。
前記変速機25は、前記クランクシャフト11からの回転動力が入力されるようにして前記クランクシャフト11と平行に延びる入力軸29と、該入力軸29と平行に延びる出力軸30との間に、選択的に確立可能な複数変速段の歯車列が設けられて成り、この実施の形態では、第1速用歯車列G1、第2速用歯車列G2、第3速用歯車列G3、第4速用歯車列G4、第5速用歯車列G5および第6速用歯車列G6が、前記入力軸29および前記出力軸30間に設けられる。
前記入力軸29は、変速機25に潤滑用のオイルを供給するための変速機用オイル通路31を同軸に有して円筒状に形成されており、この入力軸29の左端部は前記左側クランクケース半体17に第1のボールベアリング32を介して回転自在に支持される。また前記入力軸29は前記右側クランクケース半体18を回転自在に貫通するものであり、この入力軸29および前記右側クランクケース半体18間にシール付きの第2のボールベアリング33が介装される。また前記出力軸30は、前記左側クランクケース半体27を回転自在に貫通し、この出力軸30および前記左側クランクケース半体17間には、環状の第1のシール部材34と、その第1のシール部材34よりも内方に配置される第3のボールベアリング35とが介装される。さらに前記出力軸30の右端部は、前記右側クランクケース半体18にシール付きの第4のボールベアリング36を介して回転自在に支持される。
前記左側クランクケース12から外方に突出した前記出力軸30の突出端部には、駆動スプロケット37が固定されており、この駆動スプロケット37には、前記後輪WRに動力を伝達するためのドライブチェーン(図示せず)が巻き掛けられる。
前記右側クランクケース半体18には、前記クランクケース12から右側方に突出するホルダ38の周縁部が複数のボルト39で結合され、そのホルダ38に、クラッチカバー40が複数のボルト41で結合され、前記右側クランクケース半体28と、前記ホルダ38および前記クラッチカバー40とでクラッチ室42が形成される。
図4を併せて参照して、前記クラッチ室42には、前記一次歯車減速機構27および前記クラッチ機構26が収容されるものであり、前記一次歯車減速機構27は、前記右側クランクケース半体18から突出したクランクシャフト11の右端部に固定される一次駆動歯車43と、該一次駆動歯車43に噛合して前記入力軸29に相対回転自在に支持される一次被動歯車44とから成る。前記一次歯車減速機構27に対応する部分で前記入力軸29の外周には、該入力軸29の軸線に沿う方向を一定として円筒状のスリーブ45が嵌装されており、このスリーブ45の外周と、前記一次被動歯車44の内周との間に第1のニードルベアリング46が介装される。
前記クラッチ機構26は、多板式に構成されるものであり、前記一次被動歯車44にダンパゴム28を介して連動、連結されるクラッチアウタ47と、前記入力軸29に連動、連結されるクラッチインナ48と、前記クラッチアウタ47に相対回転不能に係合される複数枚の駆動摩擦板49と、それらの駆動摩擦板49間に重合配置されて前記クラッチインナ48に相対回転不能に係合される複数枚の被動摩擦板50と、複数枚ずつの前記駆動摩擦板49および前記被動摩擦板50のうちクラッチインナ48の軸方向に沿う一端に配置される摩擦板である駆動摩擦板49に対向して配置されるようにして前記クラッチインナ48に一体に形成される受圧板51と、複数枚ずつの前記駆動摩擦板49および前記被動摩擦板50を前記受圧板51との間に挟む押圧板52と、前記駆動摩擦板49および前記被動摩擦板50を前記受圧板51との間で圧着する側に前記押圧板52を付勢するばね付勢力を発揮する複数個のクラッチばね53とを備える。
前記クラッチアウタ47は、前記一次被動歯車44と反対側に開放した椀状に形成されており、前記ダンパゴム28を介して前記一次被動歯車44に連結される。また複数枚の駆動摩擦板49の外周部が、軸方向の移動を可能とするとともに相対回転を不能としてクラッチアウタ47の内周に係合される。
前記クラッチインナ48は、前記クラッチアウタ47内に同軸に配置されるようにして円筒状に形成され、複数枚の被動摩擦板50の内周部が軸方向の移動を可能とするとともに相対回転を不能として該クラッチインナ48の外周に係合される。
このようなクラッチ機構26による動力伝達の断・接は、上下方向に延びるようにして前記クラッチカバー40に回動自在に支持されるレリーズロッド55と、該レリーズロッド55の回動に応じて前記入力軸29の軸方向に移動するリフターピース56とで構成されるクラッチレリーズ機構57によって切替えられるものであり、前記クラッチカバー40から上方に突出した前記レリーズロッド55の外端部に固定されるレバー58に、自動二輪車の乗員によるクラッチ切替え操作力が入力される。
前記押圧板52の中央部内面は、スラストベアリング59を介して前記リフターピース56に支持されており、このリフターピース56で押されることで前記押圧板52が前記クラッチばね53のばね力に抗して前記受圧板51から離反する側に変位するのに応じて前記クラッチ機構26は遮断状態となり、前記リフターピース56への操作力作用が解除されるのに応じて、前記押圧板52が前記クラッチばね53のばね力によって前記受圧板51に近接する側に変位するのに応じて前記クラッチ機構26が動力伝達状態となる。
図5および図6を併せて参照して、前記クラッチカバー40の内壁には、前記レリーズロッド55の下部を回動自在に挿入する有底の支持筒部61が、前記レリーズロッド55との間にオイル流通路62を形成するとともにそのオイル流通路62の上端を開放するようにして一体に設けられる。また前記支持筒部61の下部には、前記オイル流通路62から前記クラッチ機構26側へのオイルの流通を可能とした形状に形成される前記リフターピース56の前記レリーズロッド55側の端部を軸方向移動可能に嵌合させる嵌合孔63が、前記支持筒部61内に通じるようにして設けられる。
前記レリーズロッド55は、その軸方向両端部に比べて細径となる中央細径部55aを有するように形成されており、その中央細径部55aの長手方向中間部が前記支持筒部61の上端開口縁部64に対応する位置に配置される。
しかも前記支持筒部61の上端開口縁部64は、前記クラッチカバー40の内壁に連なるクラッチカバー側縁部64aと、該クラッチカバー側縁部64aよりも下方に配置されて前記クラッチ機構26側に配置されるクラッチ機構側縁部64bとから成る。
また前記クラッチカバー40の内壁には、前記支持筒部61よりも上方で前記レリーズロッド55の外周の一部を収容する窪み部65が形成され、その窪み部65の両側側面65a,65bのうち車両前進時の前記入力軸29の回転方向67に対向する側に臨む一方の側面65aに連なる突出壁部66が、前記クラッチカバー40の内壁から突出するようにして該クラッチカバー40に一体に設けられる。
しかも前記クラッチカバー40は、前記クラッチ機構26を軸方向外側から覆うようにして椀状に形成されるクラッチ機構保護部40aと、少なくとも上方に延びるようにして前記クラッチ機構保護部40aから外側方に延出する延出部40bとを一体に有するものであり、この実施の形態では、前記クラッチ機構保護部40aの後方および上方に延出するように前記延出部40bが形成され、この延出部40bの上部には、前記窪み部65に連なる挿入孔68を形成する突部69が前記延出部40bの上部に一体に形成される。
また前記レリーズロッド55に、前記リフターピース56を係合させる係止凹部71と、前記レリーズロッド55の軸方向に延びて下端部を前記係止凹部71に開口するとともに上端部を閉じた軸孔72と、前記レリーズロッド55の外周および前記軸孔72間にわたるようにして前記レリーズロッド55の径方向に延びる複数の連通孔73とが設けられ、前記連通孔73が、前記オイル流通路62に該連通孔73の外端を通じさせるようにして前記支持筒部61の上端開口縁部64よりも下方で前記レリーズロッド55に設けられる。
前記支持筒部61の上端開口縁部64および前記嵌合孔63間に配置されるベアリングである第2のニードルベアリング74が、前記レリーズロッド55および前記支持筒部61間に介装され、前記連通孔73が前記第2のニードルベアリング74よりも上方に配置される。前記第2のニードルベアリング74を下方から受けるために、前記嵌合孔63よりも上方位置で前記支持筒部61の内面には内向き鍔部61aが一体に形成される。また前記挿入孔68内で前記突部69および前記突部69間には、第3のニードルベアリング75と、その第3のニードルベアリング75よりも外方に配置される環状の第2のシール部材76が介装される。
ところで前記リフターピース56は、前記レリーズロッド55側の一端部に端壁部56aを有するとともに内部にクラッチ機構用オイル通路77を有して円筒状に形成される円筒部56bと、前記レリーズロッド55に回転可能に係合する円盤状の係合部56cと、前記円筒部56bよりも小径にして前記係合部56cおよび前記端壁部56aの中央部間を結ぶ中実の棒状である首部56dと、前記クラッチ機構26の前記押圧板52との間に前記スラストベアリング59を介在させるようにして前記円筒部56bの中間部外周から半径方向外方に張り出す外向き鍔部56eとを一体に有するように形成され、前記端壁部56aに、前記クラッチ機構用オイル通路77側に向かうにつれて相互に近接するように傾斜した複数のオイル流入孔78が設けられる。
また軸方向で前記クラッチ機構26の前記駆動摩擦板49および前記被動摩擦板50に対応する部分で前記リフターピース56の前記円筒部56bには、該円筒部56bの径方向に延びる複数のオイル噴出孔79が設けられる。
ところで前記円筒部56bは、その一端部に前記端壁部56aを有して有底円筒状に形成され、前記円筒部56bの前記端壁部56aとは反対側の他端部は、変速機用オイル通路31を同軸に有する前記入力軸29に嵌合され、前記端壁部56aとの間に前記クラッチ機構用オイル通路77を形成するとともに該クラッチ機構用オイル通路77を前記変速機用オイル通路31とは隔絶する仕切キャップ80が、前記円筒部56bの前記他端部に装着される。
前記リフターピース56の前記入力軸29への嵌合によって、前記リフターピース56は前記入力軸29とともに回転するが、前記レリーズロッド55の下部には、前記係合部56cを回転可能に係合させる係止凹部71と、前記首部56dが挿入される挿入スリット81とが形成されており、入力軸29とともに回転する前記リフターピース56が前記レリーズロッド55の下部に回転可能に係合されることになる。
さらに前記リフターピース56の前記レリーズロッド55側の端部と、前記支持筒部61の下部との間には、前記リフターピース56を囲繞する環状の第3のシール部材82が介装される。
次にこの実施の形態の作用について説明すると、クラッチカバー40の内壁に、上下方向に延びるレリーズロッド55の下部を回動自在に挿入する有底の支持筒部61が、前記レリーズロッド55との間にオイル流通路62を形成するとともにそのオイル流通路62の上端を開放するようにして一体に設けられ、前記オイル流通路62からクラッチ機構26側へのオイルの流通を可能とした形状に形成されるリフターピース56の前記レリーズロッド55側の端部を軸方向移動可能に嵌合させる嵌合孔63が、前記支持筒部61内に通じるようにして前記支持筒部61の下部に設けられるので、レリーズロッド55を支持筒部61で確実に保持しつつ、回転作動中のクラッチ機構26から飛散するオイルをオイル流通路62内に回収して貯留し、支持筒部61およびリフターピース56間の潤滑や、オイル流入孔76およびオイル噴出孔79を介してクラッチ機構26の潤滑にオイル流通路62内のオイルを再利用することができる。しかも上下方向に長いオイル流通路62内での高低差を有効に利用して支持筒部61およびリフターピース56間の潤滑や、クラッチ機構26の潤滑を促進することができる。またクラッチ機構26専用のオイル通路をクラッチカバー40に設けることが不要であり、加工工数および部品点数の増大を回避しつつ簡単な構造でクラッチ機構26にオイルを供給することができる。
また前記レリーズロッド55が、その軸方向両端部に比べて細径となる中央細径部55aを有するように形成され、その中央細径部55aの長手方向中間部が前記支持筒部61の上端開口縁部64に対応する位置に配置されるので、レリーズロッド55の軽量化を図りつつ、支持筒部61の上端開口部内周およびレリーズロッド55の外周間の間隔を大きくして、オイル流通路62内へのオイルの流入性の向上を図るとともに、オイル流通路62内のオイル滞留量を増やすことができる。
また前記支持筒部61の上端開口縁部64が、前記クラッチカバー40の内壁に連なるクラッチカバー側縁部64aと、該クラッチカバー側縁部64aよりも下方に配置されて前記クラッチ機構26側に配置されるクラッチ機構側縁部64bとから成るので、支持筒部61の上端開口縁部64のうちクラッチ機構26側に配置されるクラッチ機構側縁部64bを低くすることで、オイル流通路62内にオイルをより流入し易くすることができる。
また前記クラッチカバー40の内壁に、前記支持筒部61よりも上方で前記レリーズロッド55の外周の一部を収容する窪み部65が形成され、その窪み部65の両側側面65a,65bのうち車両前進時の前記入力軸29の回転方向67に対向する側に臨む一方の側面65aに連なる突出壁部66が、前記クラッチカバー40の内壁から突出するようにして該クラッチカバー40に一体に設けられるので、クラッチ機構26から飛散するオイルを突出壁部66に衝突させることで、窪み部65からオイル流通路62内にオイルを導くようにしてオイル流通路62へのオイル流入量を増やすことができる。
また前記クラッチカバー40が、前記クラッチ機構26を軸方向外側から覆うようにして椀状に形成されるクラッチ機構保護部40aと、少なくとも上方に延びるようにして前記クラッチ機構保護部40aから外側方に延出する延出部40bとを一体に有し、前記レリーズロッド55を挿入するようにして前記窪み部65に連なる挿入孔68を形成する突部69が前記延出部40bの上部に一体に形成されるので、突出壁部66をより上方に長くしてオイル回収効率を高めることができる。
また前記レリーズロッド55に、前記リフターピース56を係合させる係止凹部71と、前記レリーズロッド55の軸方向に延びて下端部を前記係止凹部71に開口するととも上端を閉じる軸孔72と、前記レリーズロッド55の外周および前記軸孔72間にわたるようにして前記レリーズロッド55の径方向に延びる連通孔73とが設けられるので、レリーズロッド55の軽量化を図ることができ、レリーズロッド55内にもオイルを滞留させてオイルの滞留量を増大することができるとともに、リフターピース56側へのオイル流通経路を形成することができる。
また前記連通孔73が、前記オイル流通路62に前記連通孔73の外端を通じさせるようにして前記支持筒部61の上端開口縁部64よりも下方で前記レリーズロッド55に設けられるので、オイル流通路62から連通孔73を介して軸孔72内にオイルを効率よく流入させ、リフターピース56側へのオイル供給を効率的に行うことができる。
また前記支持筒部61の上端開口縁部64および前記嵌合孔63間に配置される第2のニードルベアリング74が、前記レリーズロッド55および前記支持筒部61間に介装され、前記連通孔73が前記第2のニードルベアリング74よりも上方に配置されるので、第2のニードルベアリング74を潤滑するためのオイルを確保して第2のニードルベアリング74を潤滑しつつ、オイル流通路62内で連通孔73よりも上方にあるオイルをリフターピース56およびクラッチ機構26側の潤滑に利用することができる。
また前記リフターピース56が、前記レリーズロッド55側の一端部に端壁部56aを有するとともに内部にクラッチ機構用オイル通路77を有して円筒状に形成される円筒部56bと、前記レリーズロッド55に回転可能に係合する円盤状の係合部56cと、前記円筒部56bよりも小径にして前記係合部56cおよび前記端壁部56aの中央部間を結ぶ中実の棒状である首部56dとを一体に有するように形成され、前記端壁部56aに、前記クラッチ機構用オイル通路77側に向かうにつれて相互に近接するように傾斜した複数のオイル流入孔78が設けられるので、首部56dを中実の棒状として強度を確保しつつ、円筒部56b内のクラッチ機構用オイル通路77にレリーズロッド55側からのオイルを導くことができ、しかも端壁部56aに設けられる複数のオイル流入孔78がクラッチ機構用オイル通路77側に向かうにつれて相互に近接するように傾斜しているので、オイル流入孔78の径を確保することができる。
また前記クラッチ機構26が、前記クランクシャフト11側から動力が伝達されるクラッチアウタ47に係合する複数の駆動摩擦板49と、前記入力軸29に連動、連結されるクラッチインナ48に係合して複数の前記駆動摩擦板49間に重合配置される複数の被動摩擦板50とを備えており、軸方向で前記駆動摩擦板49および前記被動摩擦板50に対応する部分で前記リフターピース56の前記円筒部56bに、該円筒部56bの径方向に延びるオイル噴出孔79が設けられるので、駆動摩擦板49および被動摩擦板50側に向けてオイルを噴出するようにしてクラッチ機構26の効果的な潤滑が可能となる。
また変速機25の入力軸29が、前記変速機25にオイルを供給する変速機用オイル通路31を同軸に有するようにして円筒状に形成され、前記リフターピース56の前記円筒部56bがその一端部に前記端壁部56aを有して有底円筒状に形成され、前記円筒部56bの前記端壁部56aとは反対側の他端部が前記入力軸29に嵌合され、前記端壁部56aとの間に前記クラッチ機構用オイル通路77を形成するとともに該クラッチ機構用オイル通路77を前記変速機用オイル通路31とは隔絶する仕切キャップ80が、前記円筒部56bの前記他端部に装着されるので、クラッチ機構26に供給されるオイル量を充分に確保することができる。
さらに前記リフターピース56の前記レリーズロッド55側の端部と、前記支持筒部61の下部との間には、前記リフターピース56を囲繞する環状の第3のシール部材82が介装されるので、レリーズロッド55からリフターピース56に供給されるオイル量の漏れを抑え、充分な量のオイルをリフターピース56側に導くことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
11・・・クランクシャフト
12・・・クランクケース
25・・・変速機
26・・・クラッチ機構
29・・・入力軸
31・・・変速機用オイル通路
40・・・クラッチカバー
40a・・・クラッチ機構保護部
40b・・・延出部
47・・・クラッチアウタ
48・・・クラッチインナ
49・・・駆動摩擦板
50・・・被動摩擦板
55・・・レリーズロッド
55a・・・中央細径部
56・・・リフターピース
56a・・・端壁部
56b・・・円筒部
56c・・・係合部
56d・・・首部
57・・・クラッチレリーズ機構
61・・・支持筒部
62・・・オイル流通路
63・・・嵌合孔
64・・・支持筒部の上端開口縁部
64a・・・クラッチカバー側縁部
64b・・・クラッチ機構側縁部
65・・・窪み部
65a,65b・・・窪み部の側面
66・・・突出壁部
67・・・回転方向
68・・・挿入孔
69・・・突部
71・・・係止凹部
72・・・軸孔
73・・・連通孔
74・・・ベアリングである第2のニードルベアリング
77・・・クラッチ機構用オイル通路
78・・・オイル流入孔
79・・・オイル噴出孔
80・・・仕切キャップ
82・・・シール部材である第3のシール部材
E・・・内燃機関
P・・・パワーユニット

Claims (12)

  1. クランクシャフト(11)を回転自在に支持するクランクケース(12)を有する内燃機関(E)と、前記クランクシャフト(11)と平行に延びる入力軸(29)を有して前記クランクケース(12)内に収容される変速機(25)と、前記クランクシャフト(11)および前記入力軸(29)間の動力伝達を断・接するようにして前記クランクケース(12)の外方で前記入力軸(29)と同軸に配置されるクラッチ機構(26)と、前記クラッチ機構(26)を覆って前記クランクケース(12)に結合されるクラッチカバー(40)と、該クラッチカバー(40)に回動自在に支持されるレリーズロッド(55)ならびに該レリーズロッド(55)の回動に応じて前記入力軸(29)の軸方向に移動して前記クラッチ機構(26)の断・接を切替えるリフターピース(56)で構成されるクラッチレリーズ機構(57)とを備える車両用パワーユニットにおいて、前記クラッチカバー(40)の内壁に、上下方向に延びる前記レリーズロッド(55)の下部を回動自在に挿入する有底の支持筒部(61)が、前記レリーズロッド(55)との間にオイル流通路(62)を形成するとともにそのオイル流通路(62)の上端を開放するようにして一体に設けられ、前記オイル流通路(62)から前記クラッチ機構(26)側へのオイルの流通を可能とした形状に形成される前記リフターピース(56)の前記レリーズロッド(55)側の端部を軸方向移動可能に嵌合させる嵌合孔(63)が、前記支持筒部(61)内に通じるようにして前記支持筒部(61)の下部に設けられることを特徴とする車両用パワーユニットにおけるクラッチ機構用潤滑構造。
  2. 前記レリーズロッド(55)が、その軸方向両端部に比べて細径となる中央細径部(55a)を有するように形成され、その中央細径部(55a)の長手方向中間部が前記支持筒部(61)の上端開口縁部(64)に対応する位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用パワーユニットにおけるクラッチ機構用潤滑構造。
  3. 前記支持筒部(61)の上端開口縁部(64)が、前記クラッチカバー(40)の内壁に連なるクラッチカバー側縁部(64a)と、該クラッチカバー側縁部(64a)よりも下方に配置されて前記クラッチ機構(26)側に配置されるクラッチ機構側縁部(64b)とから成ることを特徴とする請求項2に記載の車両用パワーユニットにおけるクラッチ機構用潤滑構造。
  4. 前記クラッチカバー(40)の内壁に、前記支持筒部(61)よりも上方で前記レリーズロッド(55)の外周の一部を収容する窪み部(65)が形成され、その窪み部(65)の両側側面(65a,65b)のうち車両前進時の前記入力軸(29)の回転方向(67)に対向する側に臨む一方の側面(65a)に連なる突出壁部(66)が、前記クラッチカバー(40)の内壁から突出するようにして該クラッチカバー(40)に一体に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用パワーユニットにおけるクラッチ機構用潤滑構造。
  5. 前記クラッチカバー(40)が、前記クラッチ機構(26)を軸方向外側から覆うようにして椀状に形成されるクラッチ機構保護部(40a)と、少なくとも上方に延びるようにして前記クラッチ機構保護部(40a)から外側方に延出する延出部(40b)とを一体に有し、前記レリーズロッド(55)を挿入するようにして前記窪み部(65)に連なる挿入孔(68)を形成する突部(69)が前記延出部(40b)の上部に一体に形成されることを特徴とする請求項4に記載の車両用パワーユニットにおけるクラッチ機構用潤滑構造。
  6. 前記レリーズロッド(55)に、前記リフターピース(56)を係合させる係止凹部(71)と、前記レリーズロッド(55)の軸方向に延びるとともに下端部を前記係止凹部(71)に開口する軸孔(72)と、前記レリーズロッド(55)の外周および前記軸孔(72)間にわたるようにして前記レリーズロッド(55)の径方向に延びる連通孔(73)とが設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用パワーユニットにおけるクラッチ機構用潤滑構造。
  7. 前記連通孔(73)が、前記オイル流通路(62)に前記連通孔(73)の外端を通じさせるようにして前記支持筒部(61)の上端開口縁部(64)よりも下方で前記レリーズロッド(55)に設けられることを特徴とする請求項6に記載の車両用パワーユニットにおけるクラッチ機構用潤滑構造。
  8. 前記支持筒部(61)の上端開口縁部(64)および前記嵌合孔(63)間に配置されるベアリング(74)が、前記レリーズロッド(55)および前記支持筒部(61)間に介装され、前記連通孔(73)が前記ベアリング(74)よりも上方に配置されることを特徴とする請求項7に記載の車両用パワーユニットにおけるクラッチ機構用潤滑構造。
  9. 前記リフターピース(56)が、前記レリーズロッド(55)側の一端部に端壁部(56a)を有するとともに内部にクラッチ機構用オイル通路(77)を有して円筒状に形成される円筒部(56b)と、前記レリーズロッド(55)に回転可能に係合する円盤状の係合部(56c)と、前記円筒部(56b)よりも小径にして前記係合部(56c)および前記端壁部(56a)の中央部間を結ぶ中実の棒状である首部(56d)とを一体に有するように形成され、前記端壁部(56a)に、前記クラッチ機構用オイル通路(77)側に向かうにつれて相互に近接するように傾斜した複数のオイル流入孔(78)が設けられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両用パワーユニットにおけるクラッチ機構用潤滑構造。
  10. 前記クラッチ機構(26)が、前記クランクシャフト(11)側から動力が伝達されるクラッチアウタ(47)に係合する複数の駆動摩擦板(49)と、前記入力軸(29)に連動、連結されるクラッチインナ(48)に係合して複数の前記駆動摩擦板(49)間に重合配置される複数の被動摩擦板(50)とを備え、軸方向で前記駆動摩擦板(49)および前記被動摩擦板(50)に対応する部分で前記リフターピース(56)の前記円筒部(56b)に、該円筒部(56b)の径方向に延びるオイル噴出孔(79)が設けられることを特徴とする請求項9に記載の車両用パワーユニットにおけるクラッチ機構用潤滑構造。
  11. 前記入力軸(29)が、前記変速機(25)にオイルを供給する変速機用オイル通路(31)を同軸に有するようにして円筒状に形成され、前記リフターピース(56)の前記円筒部(56b)がその一端部に前記端壁部(56a)を有して有底円筒状に形成され、前記円筒部(56b)の前記端壁部(56a)とは反対側の他端部が前記入力軸(29)に嵌合され、前記端壁部(56a)との間に前記クラッチ機構用オイル通路(77)を形成するとともに該クラッチ機構用オイル通路(77)を前記変速機用オイル通路(31)とは隔絶する仕切キャップ(80)が、前記円筒部(56b)の前記他端部に装着されることを特徴とする請求項10に記載の車両用パワーユニットにおけるクラッチ機構用潤滑構造。
  12. 前記リフターピース(56)の前記レリーズロッド(55)側の端部と、前記支持筒部(61)の下部との間には、前記リフターピース(56)を囲繞する環状のシール部材(82)が介装されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の車両用パワーユニットにおけるクラッチ機構用潤滑構造。
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