JP2016109173A - 合成樹脂製保持器および玉軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速回転域で使用したときに異常発熱と保持器摩耗が生じにくく、また軸受回転中に保持器の振動による異音が生じにくい合成樹脂製保持器を提供する。
【解決手段】合成樹脂製の2枚の環状体10の各対向面11に、玉軸受の玉5を収容する複数のポケット12が周方向に間隔をおいて形成された合成樹脂製保持器において、各ポケット12の周方向両端部には、玉5の外周に沿う第1凹球面25が形成され、各ポケット12の軸方向両端部には、玉5のピッチ円Pよりも外径側で玉5の外周に沿う第2凹球面26と、玉5のピッチ円よりも内径側で玉5の外周に沿って保持器6の半径方向に延びる円筒面27とが形成されている構成を採用する。
【選択図】図6
【解決手段】合成樹脂製の2枚の環状体10の各対向面11に、玉軸受の玉5を収容する複数のポケット12が周方向に間隔をおいて形成された合成樹脂製保持器において、各ポケット12の周方向両端部には、玉5の外周に沿う第1凹球面25が形成され、各ポケット12の軸方向両端部には、玉5のピッチ円Pよりも外径側で玉5の外周に沿う第2凹球面26と、玉5のピッチ円よりも内径側で玉5の外周に沿って保持器6の半径方向に延びる円筒面27とが形成されている構成を採用する。
【選択図】図6
Description
この発明は、合成樹脂製保持器、およびその合成樹脂製保持器を用いた玉軸受に関する。
一般に、玉軸受は、内輪と、外輪と、内輪と外輪の間に周方向に間隔をおいて組み込まれた複数の玉と、その玉を保持する保持器とからなる。そして、モータ用の玉軸受では、剛性の高い金属製保持器を採用したものが多かったが、近年においては、金属製保持器よりも静粛性が高く軽量な合成樹脂製保持器を採用したものが多くなってきている。
合成樹脂製保持器として、軸方向に対向する2枚の合成樹脂製の環状体からなり、その2枚の環状体の各対向面に、玉を収容する複数のポケットが周方向に間隔をおいて形成されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の合成樹脂製保持器は、各ポケットの周方向両端部に、グリースを溜める矩形断面のグリース溜りが形成され、各ポケットの軸方向両端部に、玉の外周に沿う凹球面が形成されている。ポケットの軸方向両端部に玉の外周に沿う凹球面が形成されたこの合成樹脂製保持器を、高速回転するモータ用の玉軸受に使用した場合、軸受の異常発熱や保持器の異常摩耗が生じることがあった。
ここで、軸受の異常発熱や保持器の異常摩耗の原因は、次のように考えられる。すなわち、合成樹脂製保持器が高速回転したとき、合成樹脂製保持器には大きな遠心力が作用する。このとき、合成樹脂製保持器が遠心力で拡径変形すると、保持器の拡径変形に伴って保持器のポケットも外径側に移動するので、内径側のポケット隙間(ポケット内面と玉の隙間)が減少する。また、合成樹脂製保持器が遠心力で拡径変形すると、保持器のポケットが周方向に引き伸ばされるので、ポケットの軸方向の幅が狭まり、軸方向のポケット隙間が減少する。これらの現象が同時に起きることで、保持器のポケットの軸方向両端部(特に内径側の部分)が玉に干渉し、軸受の異常発熱や保持器の異常摩耗が生じる。
このような軸受の異常発熱や保持器の異常摩耗を防止するため、本願の出願人は、特許文献2に記載の合成樹脂製保持器を提案している。
特許文献2の合成樹脂製保持器は、玉軸受の玉を収容する各ポケットの周方向両端部に、玉の外周に沿った凹球面を形成するとともに、各ポケットの軸方向両端部に、玉の外周に沿って保持器の半径方向に延びる円筒面を形成している。この合成樹脂製保持器は、ポケットの軸方向両端部が、保持器の半径方向に延びる円筒面とされているので、保持器が拡径変形することにより保持器のポケットが外径側に移動する現象と、保持器のポケットが周方向に引き伸ばされることによりポケットの軸方向の幅が狭まる現象とが同時に起きたときに、保持器のポケットの軸方向両端部が玉に干渉しにくい。
本願の発明者らは、特許文献2のように、ポケットの軸方向両端部が円筒面とされた合成樹脂製保持器を試作し、その保持器を玉軸受に組み込んで評価を行なったところ、軸受回転中に保持器が振動して異音を生じるおそれがあることが分かった。
この発明が解決しようとする課題は、高速回転域で使用したときに異常発熱と保持器摩耗が生じにくく、また軸受回転中に保持器の振動による異音が生じにくい合成樹脂製保持器を提供することである。
本願の発明者らは、ポケットの軸方向両端部が円筒面とされた合成樹脂製保持器を玉軸受に組み込んで玉軸受を回転させたときに、保持器が振動して異音を生じる原因を調査した。その結果、玉の自転運動がグリースを介して保持器に伝達することが原因で、保持器の振動が生じることが分かった。すなわち、ポケットの軸方向両端部を円筒面としたときに、内輪と外輪の間の軸受空間に封入された潤滑用のグリースが、保持器のポケットの円筒面と玉の外周面との間に過剰に侵入し、そのグリースを介して保持器が自転中の玉の表面に引きずられ、保持器の振動が生じることが分かった。
かかる知見に基づき、この発明では、上記の課題を解決する手段として、以下の構成の合成樹脂製保持器を提供する。
軸方向に対向する合成樹脂製の2枚の環状体を有し、その2枚の環状体の各対向面に、玉軸受の玉を収容する複数のポケットが周方向に間隔をおいて形成された合成樹脂製保持器において、
前記各ポケットの周方向両端部には、前記玉の外周に沿う第1凹球面が形成され、
前記各ポケットの軸方向両端部には、前記玉のピッチ円よりも外径側で前記玉の外周に沿う第2凹球面と、前記玉のピッチ円よりも内径側で前記玉の外周に沿って保持器の半径方向に延びる円筒面とが形成されていることを特徴とする合成樹脂製保持器。
軸方向に対向する合成樹脂製の2枚の環状体を有し、その2枚の環状体の各対向面に、玉軸受の玉を収容する複数のポケットが周方向に間隔をおいて形成された合成樹脂製保持器において、
前記各ポケットの周方向両端部には、前記玉の外周に沿う第1凹球面が形成され、
前記各ポケットの軸方向両端部には、前記玉のピッチ円よりも外径側で前記玉の外周に沿う第2凹球面と、前記玉のピッチ円よりも内径側で前記玉の外周に沿って保持器の半径方向に延びる円筒面とが形成されていることを特徴とする合成樹脂製保持器。
このようにすると、保持器のポケットの第2凹球面が玉のピッチ円よりも外径側で玉の外周に沿っているので、保持器のポケットと玉の外周面との間の隙間の大きさが玉のピッチ円の外径側で小さく抑えられ、保持器のポケットと玉の外周面との間にグリースが過剰に侵入するのを防止することができる。そのため、軸受回転中に保持器がグリースを介して自転中の玉の表面に引きずられる現象を防止することができ、保持器の振動による異音を防止することができる。また、保持器のポケットの軸方向両端部に、玉のピッチ円よりも内径側で玉の外周に沿って保持器の半径方向に延びる円筒面が形成されているので、保持器が拡径変形することにより保持器のポケットが外径側に移動する現象と、保持器のポケットが周方向に引き伸ばされることによりポケットの軸方向の幅が狭まる現象とが同時に起きたときに、保持器のポケットの軸方向両端部が玉に干渉するのを防止することができる。そのため、高速回転域で使用したときに、保持器と玉の干渉による異常発熱や保持器摩耗が生じない。
前記第2凹球面は、玉の進行方向と平行な円筒状底面を挟んで周方向両側に分割して形成すると好ましい。
このようにすると、玉の遅れまたは進みにより、玉がポケットの周方向両端部の第1凹球面に接触するときに、玉がポケットの軸方向両端部の第2凹球面に接触するのを防止することができる。そのため、2枚の環状体を離反させる方向の軸方向分力が生じにくく、保持器の耐久性を確保することができる。
前記第2凹球面は、前記第1凹球面の曲率半径よりも大きい曲率半径をもつように形成すると好ましい。
このようにすると、玉の遅れまたは進みにより、玉がポケットの周方向両端部の第1凹球面に接触するときに、玉がポケットの軸方向両端部の第2凹球面に接触するのを防止することができる。そのため、2枚の環状体を離反させる方向の軸方向分力が生じにくく、保持器の耐久性を確保することができる。
また、この発明では、上記の合成樹脂製保持器を用いた玉軸受として、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪の間に形成される環状空間の軸方向両側を塞ぐように内輪と外輪の間に組み込まれたシール部材と、前記環状空間内に封入された潤滑用のグリースと、前記環状空間内に周方向に間隔をおいて組み込まれた複数の玉と、その玉を保持する上記の合成樹脂製保持器とを有するものを提供する。
この発明の合成樹脂製保持器は、保持器のポケットの第2凹球面が玉のピッチ円よりも外径側で玉の外周に沿っているので、保持器のポケットと玉の外周面との間の隙間の大きさが玉のピッチ円の外径側で小さく抑えられ、保持器のポケットと玉の外周面との間にグリースが過剰に侵入するのを防止することができる。そのため、軸受回転中に保持器がグリースを介して自転中の玉の表面に引きずられる現象を防止することができ、保持器の振動による異音を防止することができる。また、保持器のポケットの軸方向両端部に、玉のピッチ円よりも内径側で玉の外周に沿って保持器の半径方向に延びる円筒面が形成されているので、保持器が拡径変形することにより保持器のポケットが外径側に移動する現象と、保持器のポケットが周方向に引き伸ばされることによりポケットの軸方向の幅が狭まる現象とが同時に起きたときに、保持器のポケットの軸方向両端部が玉に干渉するのを防止することができる。そのため、高速回転域で使用したときに、保持器と玉の干渉による異常発熱や保持器摩耗が生じない。
図1に、この発明の実施形態の合成樹脂製保持器を用いた玉軸受を示す。この玉軸受は、内輪1と、外輪2と、内輪1と外輪2の間に形成される環状空間3の軸方向両側を塞ぐように内輪1と外輪2の間に組み込まれた一対のシール部材4と、環状空間3に周方向に間隔をおいて組み込まれた複数の玉5と、玉5を保持する保持器6とを有する。
内輪1の外周には、周方向に延びる断面円弧状の軌道溝7が設けられている。外輪2の内周にも、周方向に延びる断面円弧状の軌道溝8が設けられている。玉5は、内輪1の軌道溝7と外輪2の軌道溝8の両者に転がり接触している。
一対のシール部材4は、玉5と保持器6を間にして軸方向に対向するように組み付けられている。各シール部材4の外周は、外輪2の軌道溝8の溝肩に形成されたシール溝9に固定されている。各シール部材4の内周は内輪1の外周に摺接している。シール部材4は、内輪1と外輪2の間の環状空間3内に封入された潤滑用のグリース(図示せず)が玉軸受の外部に漏れるのを防止している。グリースは、鉱油や合成油などのベースオイルと、このベースオイル中に分散してベースオイルを半固体の状態にする増ちょう剤とを含む半固体の潤滑剤である。
保持器6は、軸方向に対向する2枚の環状体10からなる。図2に示すように、2枚の環状体10の各対向面11には、玉5を収容する複数のポケット12が周方向に等間隔に形成されている。
各環状体10は、合成樹脂を射出成形して形成されている。2枚の環状体10は同一形状であり、同一の金型で成形することが可能である。各環状体10を形成する合成樹脂は、ポリアミド(例えばPA46)である。ポリアミドに代えて、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等を採用することも可能である。また、各環状体10を形成する合成樹脂には、強度を高めるために、ガラス繊維が20〜30重量%添加されている。ガラス繊維に代えて、カーボン繊維、アラミド繊維等の繊維を添加することも可能である。
図5に示すように、各環状体10は、ポケット12の内面を形成する弧状のポケット壁部13と、隣り合うポケット壁部13同士を連結する平板状の連結板部14とからなる。ポケット壁部13は、環状体10の周方向に等間隔に配置されている。各ポケット壁部13は、軸方向に凹に湾曲した弧状に形成されている。
連結板部14は、2枚の環状体10を結合したときに面接触する合わせ面15を有する。合わせ面15の中央には、軸方向に突出する結合爪16と、もう一方の環状体10の結合爪16を受け入れるように形成された結合孔17とが設けられている。結合爪16は、結合孔17の内面に形成された段部18に係合する鈎部19を有する。これにより、2枚の環状体10を軸方向に近づけて結合爪16を結合孔17に挿入したときに、鈎部19と段部18が係合し、その係合によって結合爪16が結合孔17から抜け止めされ、2枚の環状体10が結合するようになっている。
連結板部14は、合わせ面15の一端に軸方向に突出する突出壁部20を有し、合わせ面15の他端に収容凹部21を有する。収容凹部21は、2枚の環状体10を結合したときに他方の環状体10の突出壁部20を受け入れる部分である。この突出壁部20および収容凹部21を連結板部14に設けることによって、2枚の環状体10を結合したときの環状体10の合わせ目が、ポケット12の軸方向中央からずれた位置にくるようになっている。これにより、軸受回転中、玉5の遅れまたは進みにより玉5が連結板部14に接触するときに、2枚の環状体10の合わせ目の位置に接触するのを防止することができるので、玉5を安定して保持することが可能となる。
突出壁部20と収容凹部21は、2枚の環状体10を結合した状態で、突出壁部20と収容凹部21の間に周方向および軸方向の隙間22,23が生じる大きさとされている。具体的には、2枚の環状体10を結合した状態で、突出壁部20のポケット12に面する側とは反対側の側面と収容凹部21の内面との間に周方向の隙間22が形成され、突出壁部20の軸方向の先端と収容凹部21の内面との間に軸方向の隙間23が形成されている。これにより、環状体10を射出成形した後の収縮差により突出壁部20と収容凹部21が干渉するのを防止することができ、2枚の環状体10の連結板部14の合わせ面15同士を確実に密着させることが可能となっている。
図3に示すように、各ポケット12の周方向両端部には、玉5の外周に沿う第1凹球面25が形成されている。第1凹球面25は、玉5のピッチ円Pと直交する領域をもつ部分凹球面であり、玉5を間に挟んで玉5の進行方向の前後に対向して配置されている。第1凹球面25の曲率半径は、玉5の半径よりもわずかに大きい。玉5のピッチ円Pは、各玉5の中心を共通して通る仮想の円である。
図3、図4に示すように、各ポケット12の軸方向両端部には、玉5のピッチ円Pよりも外径側で玉5の外周に沿う第2凹球面26と、玉5のピッチ円Pよりも内径側で玉5の外周に沿う円筒面27とが形成されている。第2凹球面26は、玉5のピッチ円Pよりも外径側部分を間に挟んで軸方向に対向して配置された部分凹球面である。円筒面27は、玉5のピッチ円Pよりも内径側部分を間に挟んで軸方向に対向して配置されている。円筒面27は、その筒軸方向が保持器6の半径方向となるように形成された部分円筒面であり、玉5の外周に沿って保持器6の半径方向に延びている。
第2凹球面26は、その径方向内端が玉5のピッチ円Pとほぼ同じ位置となるように形成されている。また、円筒面27は、ポケット壁部13の内面の玉5のピッチ円Pよりも内径側の領域から、玉5のピッチ円Pよりも外径側の領域のうちの第2凹球面26を挟んだ周方向の両側の部分にわたって形成されている。
図5に示すように、円筒面27の半径は、第1凹球面25の曲率半径よりもわずかに大きい。第1凹球面25の周囲には、第1凹球面25と円筒面27の間を接続する平坦面28(図4参照)が形成されている。弧状のポケット壁部13の底部に相当する位置に円筒状底面29が形成されている。円筒状底面29は、その筒軸方向が玉5の進行方向(すなわち保持器6の周方向)となるように形成された部分円筒面である。第2凹球面26は、この円筒状底面29を挟んで周方向両側に分割して形成されている。円筒状底面29の幅は、玉5の進行方向の前後一対の第1凹球面25の間での玉5の動き代と同程度の微小な幅とされている。第2凹球面26の曲率半径は、第1凹球面25の曲率半径と同じか、それよりもわずかに大きく設定されている。
この玉軸受は、dmn値(玉軸受の回転数(rpm)と玉5のピッチ円径(mm)との積)が100万を超える高速回転域で使用した場合、保持器6も高速回転し、保持器6に大きな遠心力が作用する。このとき、保持器6が遠心力で拡径変形すると、その拡径変形に伴ってポケット12も外径側に移動する。また、保持器6が遠心力で拡径変形すると、保持器6のポケット12が周方向に引き伸ばされるので、ポケット12の軸方向の幅が狭まる。
ここで、仮に、ポケット壁部13の内面の玉5のピッチ円Pよりも内径側の領域を円筒面27としたこの実施形態の保持器6にかえて、ポケット壁部13の内面の玉5のピッチ円Pよりも外径側の領域と内径側の領域を全域にわたって凹球面とした従来の保持器を使用した場合、ポケット12の軸方向両端部(特に、玉5のピッチ円Pよりも内径側の部分)が玉5に干渉し、軸受の異常発熱や保持器の異常摩耗が生じる可能性がある。
これに対し、この実施形態の保持器6は、保持器6のポケット12の軸方向両端部に、玉5のピッチ円Pよりも内径側で玉5の外周に沿って保持器6の半径方向に延びる円筒面27が形成されているので、保持器6が拡径変形することにより保持器6のポケット12が外径側に移動する現象と、保持器6のポケット12が周方向に引き伸ばされることによりポケット12の軸方向の幅が狭まる現象とが同時に起きたときに、保持器6のポケット12の軸方向両端部が玉5に干渉するのを防止することができる。そのため、高速回転域で使用したときに、保持器6と玉5の干渉による軸受の異常発熱や保持器6の異常摩耗が生じない。
また、この実施形態の保持器6は、保持器6のポケット12の第2凹球面26が玉5のピッチ円Pよりも外径側で玉5の外周に沿っているので、保持器6のポケット12と玉5の外周面との間の隙間の大きさが玉5のピッチ円Pの外径側で小さく抑えられ、保持器6のポケット12と玉5の外周面との間にグリースが過剰に侵入するのを防止することができる。そのため、軸受回転中に保持器6のポケット壁部13の内面がグリースを介して自転中の玉5の表面に引きずられる現象を防止することができ、保持器6の振動による異音を防止することができる。
また、この実施形態の保持器6は、玉5の進行方向と平行な円筒状底面29を挟んで周方向両側に第2凹球面26を分割しているので、玉5の遅れまたは進みにより、玉5がポケット12の周方向両端部の第1凹球面25に接触するときに、玉5がポケット12の軸方向両端部の第2凹球面26に接触するのを防止することができる。そのため、2枚の環状体10を離反させる方向の軸方向分力が生じにくく、保持器6の耐久性を確保することができる。
この実施形態では、円筒状底面29を挟んで周方向両側に第2凹球面26を分割したが、円筒状底面29を設けずに、弧状のポケット壁部13の底部に相当する位置を周方向にまたがってひとつながりに第2凹球面26を形成してもよい。この場合、第2凹球面26は、第1凹球面25の曲率半径よりも大きい曲率半径をもつように形成すると好ましい。このようにすると、玉5の遅れまたは進みにより、玉5がポケット12の周方向両端部の第1凹球面25に接触するときに、玉5がポケット12の軸方向両端部の第2凹球面26に接触するのを防止することができる。そのため、2枚の環状体10を離反させる方向の軸方向分力が生じにくく、保持器6の耐久性を確保することができる。
上記実施形態では、2枚の環状体10を結合爪16と結合孔17とで結合した合成樹脂製保持器6を例に挙げて説明したが、この発明は、2枚の環状体10の連結板部14同士をリベット等の別部材で結合した合成樹脂製保持器にも適用することが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 内輪
2 外輪
3 環状空間
4 シール部材
5 玉
6 保持器
10 環状体
11 対向面
12 ポケット
25 第1凹球面
26 第2凹球面
27 円筒面
29 円筒状底面
P 玉のピッチ円
2 外輪
3 環状空間
4 シール部材
5 玉
6 保持器
10 環状体
11 対向面
12 ポケット
25 第1凹球面
26 第2凹球面
27 円筒面
29 円筒状底面
P 玉のピッチ円
Claims (4)
- 軸方向に対向する合成樹脂製の2枚の環状体(10)を有し、その2枚の環状体(10)の各対向面(11)に、玉軸受の玉(5)を収容する複数のポケット(12)が周方向に間隔をおいて形成された合成樹脂製保持器において、
前記各ポケット(12)の周方向両端部には、前記玉(5)の外周に沿う第1凹球面(25)が形成され、
前記各ポケット(12)の軸方向両端部には、前記玉(5)のピッチ円(P)よりも外径側で前記玉(5)の外周に沿う第2凹球面(26)と、前記玉(5)のピッチ円よりも内径側で前記玉(5)の外周に沿って保持器(6)の半径方向に延びる円筒面(27)とが形成されていることを特徴とする合成樹脂製保持器。 - 前記第2凹球面(26)は、玉(5)の進行方向と平行な円筒状底面(29)を挟んで周方向両側に分割して形成されている請求項1に記載の合成樹脂製保持器。
- 前記第2凹球面(26)は、前記第1凹球面(25)の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する請求項1または2に記載の合成樹脂製保持器。
- 内輪(1)と、外輪(2)と、前記内輪(1)と前記外輪(2)の間に形成される環状空間(3)の軸方向両側を塞ぐように内輪(1)と外輪(2)の間に組み込まれたシール部材(4)と、前記環状空間(3)内に封入された潤滑用のグリースと、前記環状空間(3)内に周方向に間隔をおいて組み込まれた複数の玉(5)と、その玉(5)を保持する請求項1から3のいずれかに記載の合成樹脂製保持器(6)とを有する玉軸受。
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