JP2016108074A - エレベータの群管理制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のエレベータが設置されたビル内において、高精度の交通需要予測に基づいて、低コストで輸送効率を向上させた制御を行うことが可能なエレベータの群管理制御装置を提供する。【解決手段】実施形態によればエレベータの群管理制御装置は、ビル内交通需要予測演算部と割当て号機決定部と制御指令出力部とを有する。ビル内交通需要予測演算部は、各階床の使用電力量情報に基づいて各階床の交通需要予測情報を演算する。割当て号機決定部は、乗場呼びが登録されると、エレベータの運転状況情報と演算された各階床の交通需要予測情報とに基づいて、乗場呼び操作階の交通需要予測情報に対応可能であり、且つ、当該乗場呼び操作階に到着するまでの時間が短いエレベータを、当該乗場呼びに応答させるエレベータとして決定する。制御指令出力部は、乗場呼びに応答させるとして決定したエレベータに、乗場呼びに応答させるための指令を出力する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、エレベータの群管理制御装置に関する。
従来、エレベータの制御においては、時間帯や曜日により異なるビル内の交通需要に対応するため、制御盤や乗りかご内のスイッチ等を管理者が操作することで、適切な運行方式に切り替えられている。
しかし上述したような制御においては、交通需要の増減が発生するであろうと予測される時間帯や曜日に合わせて運行方式を切り替えるものであり、実際の交通需要の変化に対応した制御が行われない場合がある。また、運行方式を切り替えるためには管理者による操作が必要であり、手間がかかるという問題もあった。
そこで、各階床のエレベータホールへ通じる通路にカメラ装置を設置することで、エレベータ利用者の通過人数を計数し、この計数したエレベータ利用者の人数に基づいて交通需要の変化を判断してエレベータの運行方式を切り替えることで、実際の交通需要に対応した制御が可能になる。
特開2007−31110号公報
しかし、各階床の通路にカメラ装置を設置するにはコストがかかるとともに、設置する手間がかかるという問題があった。また、通路を通過する人がエレベータの利用者であるか否かを判断することができず、交通需要の判断精度が低くなってしまうという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、複数のエレベータが設置されたビル内において、高精度の交通需要予測に基づいて、低コストで輸送効率を向上させた制御を行うことが可能なエレベータの群管理制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための実施形態によればエレベータの群管理制御装置は、ビル内交通需要予測演算部と割当て号機決定部と制御指令出力部とを有する。ビル内交通需要予測演算部は、各階床の使用電力量情報に基づいて各階床の交通需要予測情報を演算する。割当て号機決定部は、乗場呼びが登録されると、エレベータの運転状況情報と演算された各階床の交通需要予測情報とに基づいて、乗場呼び操作階の交通需要予測情報に対応可能であり、且つ、当該乗場呼び操作階に到着するまでの時間が短いエレベータを、当該乗場呼びに応答させるエレベータとして決定する。制御指令出力部は、乗場呼びに応答させるとして決定したエレベータに、乗場呼びに応答させるための指令を出力する。
第1実施形態によるエレベータの群管理制御装置を利用したエレベータシステムの構成を示す全体図。 第1実施形態によるエレベータの群管理制御装置で実行される交通需要予測情報演算処理の動作を示すフローチャート。 第1実施形態によるエレベータの群管理制御装置で実行される割当て号機決定処理の動作を示すフローチャート。 第1実施形態によるエレベータの群管理制御装置で乗場呼びが登録されたときの、建物内の状況を示す説明図。 第1実施形態によるエレベータの群管理制御装置で使用電力量が急変したときの、建物内の状況を示す説明図。 第2実施形態によるエレベータの群管理制御装置を利用したエレベータシステムの構成を示す全体図。 第2実施形態によるエレベータの群管理制御装置で実行される待機階設定処理の動作を示すフローチャート。 第2実施形態によるエレベータの群管理制御装置で乗場呼びが登録されたときの、建物内の状況を示す説明図。 第2実施形態によるエレベータの群管理制御装置で使用電力量が急変したときの、建物内の状況を示す説明図。 第3実施形態によるエレベータの群管理制御装置を利用したエレベータシステムの構成を示す全体図。 第3実施形態によるエレベータの群管理制御装置で実行される交通需要予測情報演算処理の動作を示すフローチャート。 第4実施形態によるエレベータの群管理制御装置を利用したエレベータシステムの構成を示す全体図。 第4実施形態によるエレベータの群管理制御装置で実行される交通需要確認処理の動作を示すフローチャート。 第5実施形態によるエレベータの群管理制御装置を利用したエレベータシステムの構成を示す全体図。 第5実施形態によるエレベータの群管理制御装置で実行される割当て号機決定処理の動作を示すフローチャート。 第5実施形態によるエレベータの群管理制御装置で実行される待機階設定処理の動作を示すフローチャート。
《第1実施形態》
本発明の第1実施形態では、ビル内の階床ごとの使用電力量またはその変化量に基づいて、各階床の交通需要を予測し、これに基づいて群管理制御を行う群管理制御装置について説明する。
〈第1実施形態によるエレベータシステムの構成〉
本実施形態による群管理制御装置を利用したエレベータシステムの構成について、図1を参照して説明する。
本実施形態によるエレベータシステム1は、7階建てのビル内に設置されたA号機エレベータ10A、B号機エレベータ10B、およびC号機エレベータ10Cの3台のエレベータと、1階〜7階それぞれのエレベータ乗場に設置された乗場呼び登録ボタン20−1A〜20−7Aおよび20−1B〜20−7Bと、1階〜7階それぞれにおいて利用される、照明、空調、PC等の複数の設備機器30−1A〜30−7A、30−1B〜30−7B・・・による使用電力量を計測するビル設備使用電力量計測装置40と、A号機エレベータ10A〜C号機エレベータ10Cの運転を制御する群管理制御装置50とを備える。本実施形態においては、1階〜7階の乗場呼び登録ボタン20−1A〜20−7Aを総括して乗場呼び登録ボタン20Aと記載し、1階〜7階の乗場呼び登録ボタン20−1B〜20−7Bを総括して乗場呼び登録ボタン20Bと記載するものとする。また、1階〜7階の設備機器30−1A〜30−7A、30−1B〜30−7B・・・を総括して設備機器30と記載するものとする。
A号機エレベータ10Aは、乗りかご11Aと、1階〜7階の各階床のエレベータ乗場に設置された乗場ドア12−1A〜12−7Aと、A号機エレベータ10A内の機器の動作を制御する制御盤13Aとを有する。乗りかご11Aは、行き先階登録ボタンを含むかご内操作盤111Aと、かごドア112Aと、底部に設置され乗りかご11Aにかかる荷重量を検知する荷重センサ113Aとを有する。制御盤13Aは、行き先階登録ボタンの操作によるかご呼びを登録するかご呼び登録部131Aと、A号機エレベータ10Aの運転状況情報(現在位置情報、目的階、運転方向、かご呼び登録情報、乗場呼び割当て状況、かご内荷重量情報等)を所定時間間隔で群管理制御装置50に出力するエレベータ運転情報出力部132Aと、かご呼び登録部131Aに登録されたかご呼びの情報および群管理制御装置50から出力される制御指令に基づいてA号機エレベータ10A内の機器の動作を制御するエレベータ運行制御部133Aとを有する。B号機エレベータ10BおよびC号機エレベータ10Cも、A号機エレベータ10Aと同様の構成を有する。
本実施形態においては、1階〜7階の乗場ドア12−1A〜12−7Aを総括して乗場ドア12Aと記載し、乗場ドア12−1B〜12−7Bを総括して乗場ドア12Bと記載し、乗場ドア12−1C〜12−7Cを総括して乗場ドア12Cと記載するものとする。
また本実施形態において、各階床のエレベータ乗場には、乗場ドア12Aと乗場ドア12Bとの間の乗場呼び登録ボタン20Aと、乗場ドア12Bと乗場ドア12Cとの間の乗場呼び登録ボタン20Bとの2個の乗場呼び登録ボタンが設置されているが、これより少ない台数(1個)で設置してもよいし、さらに多い台数(3個以上)で設置してもよい。
群管理制御装置50は、エレベータ号機情報保持部501と、エレベータ運転情報管理部502と、ビル設備使用電力量入力部503と、ビル内交通需要予測演算部504と、乗場呼び登録部505と、割当て号機決定部506と、エレベータ制御指令出力部507とを有する。
エレベータ号機情報保持部501は、A号機エレベータ10A〜C号機エレベータ10Cそれぞれの、乗りかごの定員、定格速度、用途等の号機情報を保持する。エレベータ運転情報管理部502は、A号機エレベータ10Aの制御盤13A、B号機エレベータ10Bの制御盤13B、およびC号機エレベータ10Cの制御盤13Cからそれぞれのエレベータの運転状況情報を取得するとともに、エレベータ号機情報保持部501に保持された各エレベータの号機情報を取得し、割当て号機決定部506に送出する。ビル設備使用電力量入力部503は、ビル設備使用電力量計測装置40で計測されたビル内の各階床の設備機器30による使用電力量情報を入力する。ビル内交通需要予測演算部504は、ビル設備使用電力量入力部503から入力された各階床の使用電力量情報に基づいて、各階床の単位時間当たりのエレベータ利用人数の予測情報で示される各階床の交通需要予測情報を演算し、割当て号機決定部506に送出する。乗場呼び登録部505は、乗場呼び登録ボタン20A、20Bでの操作情報を取得し、これに基づいて階床ごとの乗場呼びを登録する。割当て号機決定部506は、乗場呼び登録部505に乗場呼びが登録されると、エレベータ運転情報管理部502から送信された各エレベータの運転状況情報および号機情報と、ビル内交通需要予測演算部504で演算された各階床の交通需要予測情報とに基づいて、登録された乗場呼び操作階の交通需要予測情報に対応可能であり、且つ、当該乗場呼び操作階に到着するまでの時間が短いエレベータを、当該乗場呼びに応答させる割当て号機として決定する。エレベータ制御指令出力部507は、割当て号機決定部506で決定された割当て号機の制御盤に、当該乗場呼びへの応答指令を出力する。
〈第1実施形態によるエレベータシステムの動作〉
次に、本実施形態によるエレベータシステム1の動作について説明する。本実施形態においてエレベータ号機情報保持部501には、A号機エレベータ10A、B号機エレベータ10B、およびC号機エレベータ10Cの号機情報として、3台ともに同一規格(定員20人、定格速度60/分、一般用用途)であることを示す情報が保持されている。そして、群管理制御装置50のエレベータ運転情報管理部502において、各エレベータ10A〜10Cの制御盤13A〜13Cからそれぞれのエレベータの運転状況情報が所定時間間隔で取得されるとともに、エレベータ号機情報保持部501に保持された各エレベータの号機情報が取得されている。また、ビル設備使用電力量計測装置40で計測された、ビル内の各階床の設備機器30による各階床の使用電力量情報が、ビル設備使用電力量入力部503から所定時間間隔で入力されている。
これらの情報が取得されている状態で、群管理制御装置50のビル内交通需要予測演算部504において実行される処理について、図2のフローチャートを参照して説明する。
まず、ビル設備使用電力量計測装置40からビル設備使用電力量入力部503に入力された、各階床の使用電力量情報が所定時間間隔で取得される(S1)。
次に、取得された各階床の使用電力量情報に基づいて、各階床の交通需要予測情報が演算される(S2)。各階床の交通需要予測情報は単位時間当たりのエレベータ利用人数で示され、使用電力量が多い程、エレベータの利用人数が増加すると予測して演算される。
演算された交通需要予測情報に基づいて、乗場呼び登録に対して割当て号機決定部506で実行される処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。
まず、乗場呼び登録ボタン20Aまたは20Bの操作により、乗場呼び登録部505にいずれかの階床、例えば4階および6階における乗場呼びが登録されると(S11の「YES」)、ビル内交通需要予測演算部504から各階床の交通需要予測情報が取得されるとともに、エレベータ運転情報管理部502から各エレベータの運転状況情報および号機情報が取得される。取得された交通需要予測情報および運転状況情報について、図4を参照して説明する。
ここでは、取得された交通需要予測情報において、6階の使用電力量が他階と比較して少ないため6階の交通需要(乗車需要)が「2人」であり、4階の使用電力量が他階と比較して多いため4階の交通需要(乗車需要)が「12人」であり、それ以外の階床の使用電力量は中程度であるため交通需要が「6人」であることが示されている。
また、取得された運転状況情報において、A号機エレベータ10Aの乗りかご11Aが現在「1階」にいて上方向に走行中であり、乗りかご11A内に5人が乗車中であることが示されている。また、B号機エレベータ10Bの乗りかご11Bが現在「3階」にいて上方向に走行中であり、乗りかご11B内に15人が乗車中であることが示されている。また、C号機エレベータ10Cの乗りかご11Cが現在「2階」にいて上方向に走行中であり、乗りかご11C内に10人が乗車中であることが示されている。
次に、取得されたこれらの情報に基づいて、登録された乗場呼び操作階の交通需要に対応可能であり、且つ、当該乗場呼び操作階に到着するまでの時間が短い乗りかごのエレベータが、当該乗場呼びに応答させる割当て号機として決定される(S12)。
例えば、4階の乗場登録呼びに対しては、4階の交通需要が「12人」であり、B号機の乗車人数が15人であり、C号機の乗車人数が10人であることから、B号機またはC号機を割り当てるとかご内人数が定員の20人を超過してしまう。そのため、4階への予測到着時間は長い(4階までの距離が長い)が、乗車需要に対応可能なA号機が割当て号機として決定される。また6階の乗場登録呼びに対しては、A〜C号機の全号機が6階からの乗車需要「2人」に対応できるため、予測到着時間が最も短い(6階までの距離が短い)B号機エレベータ10Bが、割当て号機として決定される。
そして、エレベータ制御指令出力部507から、割当て号機として決定されたA号機エレベータ10Aの制御盤13Aに4階の乗場呼びへの応答指令が出力され、また、B号機エレベータ10Bの制御盤13Bに6階の乗場呼びへの応答指令が出力される(S13)。応答指令を取得した各制御盤13Aおよび13Bでは、取得した指令に基づいて、エレベータ運行制御部133Aおよび133Bによりエレベータの動作が制御され、乗りかご11Aが4階に移動され、乗りかご11Bが6階に移動される。
図2に戻り、ステップS3において、各階床の交通需要が演算されてから、いずれかの階床で使用電力量が大きく変化した場合、例えば使用電力量が4階で急減し、5階で急増した場合には(S3の「YES」)、該当階の使用電力量の変化量に基づいて、各階床の交通需要予測情報が演算される(S4)。このように演算された交通需要予測情報に基づいて、乗場呼び登録に対して割当て号機決定部506で実行される処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。
まず、乗場呼び登録部505にいずれかの階床、例えば4階で乗場呼びが登録されると(S11の「YES」)、ビル内交通需要予測演算部504から各階床の交通需要予測情報が取得されるとともに、エレベータ運転情報管理部502から各エレベータの運転状況情報および号機情報が取得される。取得された交通需要予測情報および運転状況情報について、図5を参照して説明する。
ここでは、取得された交通需要予測情報において、4階の使用電力量が急減し、4階から退出する在館者が急増すると予測されることから4階の交通需要(乗車需要)が「30人」に増加され、5階の使用電力量が急増し、これから5階に向かう利用者が急増すると予測されることから5階の交通需要(降車需要)が「30人」に増加されたことが示されている。
また、取得された運転状況情報において、A号機エレベータ10Aの乗りかご11Aが現在「7階」にいて下方向に出発する直前であり、乗りかご11A内に5人が乗車中であることが示されている。また、B号機エレベータ10BおよびC号機エレベータ10Cの乗りかご11Cは共に現在「1階」におり、乗りかご11Bおよび11C内に乗車している人はなく、無方向待機中であることが示されている。
次に、取得されたこれらの情報に基づいて、4階の乗場登録呼びに応答させる割当て号機が決定される(S12)。
例えば、4階の乗場登録呼びに対し、A号機エレベータ10A〜C号機エレベータ10Cの中の1台だけでは4階の乗車需要に対応できないと判断され、2台のエレベータが割当て号機として決定される。割り当てる2台の組み合わせとしては、A号機とB号機、A号機とC号機、または、B号機とC号機の3通りがある。また、4階までの乗りかごの走行距離はA号機エレベータ10A、B号機エレベータ10B、C号機エレベータ10Cともに同一である。ここで、A号機は4階に到着するまでに降車需要の多い5階を通るためA号機には5階のかご呼びが登録され5階に停止し、4階への予測到着時間が遅くなる可能性があると考えられる。そこで、B号機エレベータ10BおよびC号機エレベータ10Cの2台が、当該4階の乗場呼び登録に対する割当て号機として決定される。
そして、エレベータ制御指令出力部507から、割当て号機として決定されたB号機エレベータ10Bの制御盤13BおよびC号機エレベータ10Cの制御盤13Cに、4階の乗場呼びへの応答指令が出力される(S13)。応答指令を取得した各制御盤13B、13Cでは、取得した指令に基づいて、エレベータ運行制御部133B、133Cによりエレベータの動作が制御され、乗りかご11Bおよび11Cが4階に移動される。
図2に戻り、使用電力量が大きく変化して電力変化量からの交通需要予測情報に基づいて制御が行われた後(S4)、使用電力量の変化が小さくなり(S3の「NO」)、前回使用電力量が大きく変化してから所定時間以上経過したとき(S5の「YES」)には、使用電力量が安定したと判断し、ステップS2に戻って通常通りに各階床の使用電力量から新たな交通需要予測情報が演算される。また、前回使用電力量が大きく変化してから所定時間以上が経過していないとき(S5の「NO」)には、ステップS3に戻り、所定時間が経過するまではステップS4で演算された交通需要予測情報に基づいて各エレベータの運転が制御される。
以上の第1実施形態によれば、ビル内の階床ごとの使用電力量またはその変化量に基づいて、各階床の交通需要を予測し、これに基づいて群管理制御を行うことにより、カメラ等の機器を新たに設置することなく、低コストで輸送効率の高いエレベータ制御を行うことができる。
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態では、第1実施形態で説明した群管理制御装置が有する機能に加え、ビル内の階床ごとの使用電力量またはその変化量に基づいて、エレベータが無方向待機状態となったときの待機階を設定する機能を有する群管理制御装置について説明する。
〈第2実施形態によるエレベータシステムの構成〉
本実施形態による群管理制御装置を利用したエレベータシステム2の構成について、図6を参照して説明する。
本実施形態によるエレベータシステム2は、群管理制御装置50内に待機階設定部508を有する他は、第1実施形態によるエレベータシステム1の構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
待機階設定部508は、エレベータ運転情報管理部502から送信された各エレベータの運転状況情報および号機情報と、ビル内交通需要予測演算部504で演算された交通需要予測情報とに基づいて、乗りかご11A〜11Cの少なくとも1台が乗り捨てられ無方向待機状態となったときの、待機階を設定する。
エレベータ制御指令出力部507はさらに、待機階設定部508で新たに設定された待機階に乗りかごを移動させて待機させるための待機階変更指令を、該当するエレベータの制御盤に出力する。
〈第2実施形態によるエレベータシステムの動作〉
次に、本実施形態によるエレベータシステム2の動作について説明する。本実施形態において待機階設定部508には、待機階のデフォルト設定として、乗り捨てられ無方向待機状態となった号機順に、1階、4階、7階に移動し、待機する情報が保持されている。つまり、待機階としての優先度が、1階、4階、7階の順に高い状態で設定されている。
このように待機階が設定されている状態で、群管理制御装置50のビル内交通需要予測演算部504において第1実施形態のステップS2のように各階床の使用電力量から演算された交通需要予測情報に基づいて、待機階設定部508で待機階が設定されるときの処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、各階床の新たな交通需要予測情報が算出されると(S21の「YES」)、当該交通需要予測情報がビル内交通需要予測演算部504から取得されるとともに、エレベータ運転情報管理部502から各エレベータの運転状況情報および号機情報が取得される。取得された交通需要予測情報および運転状況情報について、図8を参照して説明する。
ここでは、取得された交通情報において、7階の使用電力量が他階と比較して少ないため7階の交通需要(乗車需要)が「2人」であり、5階の使用電力量が他階と比較して多いため5階の交通需要(乗車需要)が「12人」であり、それ以外の階床の使用電力量は中程度であるため交通需要が「6人」であることが示されている。
また、取得された運転状況情報において、3台ともに乗り捨てられて無方向待機状態であり、A号機エレベータ10Aの乗りかご11Aが7階で待機し、B号機エレベータ10Bの乗りかご11Bが4階で待機し、C号機エレベータ10Cの乗りかご11Cが1階で待機していることが示されている。
次に、取得されたこれらの情報に基づいて、新たな待機階が決定される(S22)。例えば、7階は交通需要が小さいため待機階から除外され、7階で待機していた号機を他の階床へ移動させ、5階は交通需要が大きいため5階が最も優先度が高い待機階として設定される。
このように待機階が設定されたことにより、待機階の優先度は5階、1階、4階の順に高くなり、図8に示すように、エレベータ制御指令出力部507からA号機エレベータ10Aの制御盤13Aに、乗りかご11Aを7階から5階に移動させて待機させるための待機階変更指令が出力される(S23)。待機階変更指令を取得した制御盤13Aでは、取得した指令に基づいて、エレベータ運行制御部133Aによりエレベータの動作が制御され、乗りかご11Aが7階から5階に移動され、待機状態となる。また、B号機エレベータ10Bの乗りかご11BおよびC号機エレベータ10Cの乗りかご11Cは、それぞれ4階、1階における待機状態が継続される。
他の例として、第1実施形態のステップS4のように、使用電力量が大きく変化した階床の電力変化量に基づいて、待機階設定部508で待機階が設定されるときの処理について、図7のフローチャートに沿って説明する。
まず、各階床の新たな交通需要予測情報が算出されると(S21の「YES」)、当該交通需要予測情報がビル内交通需要予測演算部504から取得されるとともに、エレベータ運転情報管理部502から各エレベータの運転状況情報および号機情報が取得される。取得された交通需要予測情報および運転状況情報について、図9を参照して説明する。
ここでは、取得された交通需要予測情報において、3階の使用電力量が急減し、3階から退出する在館者が急増すると予測されることから3階の交通需要(乗車需要)が「30人」に増加され、5階の使用電力量が急増し、これから5階に向かう利用者が急増すると予測されることから5階の交通需要(降車需要)が「30人」に増加されたことが示されている。
また、取得された運転状況情報において、3台ともに乗り捨てられて無方向待機状態であり、A号機エレベータ10Aの乗りかご11Aが7階で待機し、B号機エレベータ10Bの乗りかご11Bが4階で待機し、C号機エレベータ10Cの乗りかご11Cが1階で待機していることが示されている。
次に、取得されたこれらの情報に基づいて、新たな待機階が決定される(S22)。例えば、乗車需要が急増する3階が最も待機階としての優先度が高く、待機台数も2台として設定される。また、5階の降車需要が急増すると予測されたことから、基準階である1階が待機階として設定され、5階への交通需要が強化される。
このように待機階が設定されたことにより、待機階の優先度は3階、1階の順に高くなり、待機対数は3階に2台、1階に1台となり、図9に示すように、エレベータ制御指令出力部507からA号機エレベータ10Aの制御盤13Aに、乗りかご11Aを7階から3階に移動させて待機させるための待機階変更指令が出力され、B号機エレベータ10Bの制御盤13Aに、乗りかご11Bを4階から3階に移動させて待機させるための待機階へこう指令が出力される(S13)。待機階変更指令を取得した制御盤13Aおよび制御盤13Bでは、取得した指令に基づいて、エレベータ運行制御部133Aおよびエレベータ運行制御部133Bによりエレベータの動作が制御され、乗りかご11Aが7階から3階に移動されるとともに乗りかご11Bが4階から3階に移動され、待機状態となる。また、C号機エレベータ10Cの乗りかご11Cは、1階における待機状態が継続される。
以上の第2実施形態によれば、第1実施形態により実行される制御に加え、ビル内の階床ごとの使用電力量またはその変化量に基づいて、エレベータが無方向待機状態となったときの待機階を設定することにより、さらに効率のよい群管理制御を行うことができる。
《第3実施形態》
本発明の第3実施形態では、第1実施形態または第2実施形態で説明した群管理制御装置が有する機能に加え、予め設定された各階床の在館人数を考慮して各階床の交通需要情報を演算する機能を有する群管理制御装置について説明する。
第1実施形態および第2実施形態においては各階床の使用電力量のみに基づいて各階床の交通需要情報を演算するため、ある単位電力量当たりのエレベータ利用人数が固定値(例えば、「1kwあたり1人のエレベータ利用者がいる」とする)で予め設定されており、これに基づいて各階床の交通需要情報が演算される。この場合の交通需要の予測演算には各階床の元々の在館人数反映されていないため、いずれの階床においても一定量的にしか交通需要を予測することができない。
これに対し本実施形態においては、例えば3階の在館人数が100人であり、5階の在館人数が300であることが予め設定されている場合には、3階に関しては「1kw当たり1人のエレベータ利用者がいる」として判断され、5階に関しては「1kw当たり3人のエレベータ利用者がいる」として判断され、単位電力量当たりのエレベータ利用人数を階床毎に算出してより実態に沿った精度の高い交通需要情報を演算することができる。
〈第3実施形態によるエレベータシステムの構成〉
本実施形態による群管理制御装置を利用したエレベータシステム3の構成について、図10を参照して説明する。
本実施形態によるエレベータシステム3は、群管理制御装置50内に各階床在館人数設定部509を有する他は、第2実施形態によるエレベータシステム2の構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
各階床在館人数設定部509は、ビル内の各階床の通常時の在館人数を予め設定する。ビル内交通需要予測演算部504は、ビル設備使用電力量入力部503から入力された各階床の使用電力量情報および各階床在館人数設定部509で設定された各階床の在館人数に基づいて各階床の交通需要予測情報を演算し、割当て号機決定部506に送出する。
〈第3実施形態によるエレベータシステムの動作〉
次に、本実施形態によるエレベータシステム3の動作について説明する。本実施形態において各階床在館人数設定部509には、3階以外の階床(1階、2階、および4階〜7階)は在館人数が300人であり、3階は在館人数が100人として設定されているものとする。
このように在館人数が設定されている状態で、群管理制御装置50のビル内交通需要予測演算部504において実行される処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。
まず、各階床在館人数設定部509に設定された、各階床の在館人数情報が取得される(S31)。また、ビル設備使用電力量計測装置40からビル設備使用電力量入力部503に入力された、各階床の使用電力量情報が所定時間間隔で取得される(S32)。
次に、取得された各階床の在館人数情報と使用電力量情報とに基づいて、各階床の交通需要予測情報が演算される(S33)。各階床の交通需要情報が演算される際は、3階以外の階床に関しては、「1kw当たり3人のエレベータ利用者がいる」として交通需要情報が演算され、3階に関しては、「1kw当たり1人のエレベータ利用者がいる」として交通需要情報が演算される。
その後、ステップS34〜S36で実行される処理、演算された交通需要情報に基づいて実行される乗場呼び登録に対する乗りかごの割当て処理および待機階の設定処理が行われるときの群管理制御装置50の動作については、第1実施形態または第2実施形態で説明した処理と同様であるため、詳細な説明は要略する。
以上の第3実施形態によれば、第1実施形態または第2実施形態により実行される制御に加え、予め各階床の在館人数を予め設定しておくことにより、単位電力量当たりのエレベータ利用人数を階床毎に算出して、より実態に沿った精度の高い交通需要情報を演算することができる。
《第4実施形態》
本発明の第4実施形態では、第1実施形態〜第3実施形態で説明した群管理制御装置が有する機能に加え、交通需要予測情報に沿って実際に交通需要が発生しているかを確認し、予測と実際の交通需要が乖離していたときには実際の交通需要に基づいて制御を行うように修正を行う群管理制御装置について説明する。
〈第4実施形態によるエレベータシステムの構成〉
本実施形態による群管理制御装置を利用したエレベータシステム4の構成について、図12を参照して説明する。
本実施形態によるエレベータシステム4は、群管理制御装置50内にビル内交通需要確認部510を有する他は、第2実施形態によるエレベータシステム2の構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
ビル内交通需要確認部510は、エレベータ制御指令出力部507から乗場呼び登録に対する応答指令または待機階変更指令が出力された後、一定期間のA号機エレベータ10A、B号機エレベータ10B、およびC号機エレベータ10Cの運転状況情報(各階床の乗場呼び発生回数、かご呼び登録個数、および各乗りかごのかご内荷重情報等)をエレベータ運転情報管理部502から取得し、取得した情報に基づいて各階床での乗降者数や各階床でのエレベータ利用回数等の、各階床における当該期間の実際の交通需要情報を演算する。
割当て号機決定部506は、ビル内交通需要予測演算部504で演算された交通需要予測情報と、ビル内交通需要確認部510で算出された実際の交通需要情報とが乖離しているときには、実際の交通需要情報に基づいて、乗場呼びに応答させる割当て号機を再決定する。
待機階設定部508は、ビル内交通需要予測演算部504で演算された交通需要予測情報と、ビル内交通需要確認部510で算出された実際の交通需要情報とが乖離しているときには、実際の交通需要情報に基づいて待機階を再設定する。
エレベータ制御指令出力部507は、登録された乗場呼びに対して応答させるエレベータを、再決定された割当て号機に変更するための割当て号機変更指令を、該当する制御盤に出力する。またエレベータ制御指令出力部507は、既に設定された待機階を、再設定された待機階に変更するための待機階変更指令を、該当する制御盤に出力する。
〈第4実施形態によるエレベータシステムの動作〉
次に、本実施形態によるエレベータシステム4の動作について説明する。本実施形態において、交通需要予測情報の演算処理、割当て号機決定処理、および待機階設定処理については、第1〜第3実施形態のいずれかにおいて説明した動作と同様であるため、詳細な説明は省略する。
これらの処理が実行されている状態で、ビル内交通需要確認部510、割当て号機決定部506、待機階設定部508、およびエレベータ制御指令出力部507で実行される処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。
まず、ビル内交通需要確認部510において、階床の乗場呼び発生回数、かご呼び登録個数、および各乗りかごのかご内荷重情報等が、エレベータ運転情報管理部502から取得され、所定時間間隔で実際の交通需要情報が算出される(S41)。
実際の交通需要情報が所定時間間隔で算出されている状態で、乗場呼び登録に対する応答指令がエレベータ制御指令出力部507から出力されると、指令出力後の一定期間の実際の交通需要情報がビル内交通需要確認部510から取得され、当該応答指令出力時の交通需要予測情報と、取得した実際の交通需要情報とが乖離しているか否かが判定される(S42、S43、S44)。ここで、応答指令出力時の交通需要予測情報と実際の交通需要情報とに乖離があったとき(S44の「YES」)には、実際の交通需要情報に基づいて、割当て号機が再決定される(S45)。そして、登録された乗場呼びに対して応答させるエレベータを、再決定された割当て号機に変更するための割当て号機変更指令が、エレベータ制御指令出力部507から該当する制御盤に出力される(S46)。
また、実際の交通需要情報が算出されている状態で、待機階変更指令がエレベータ制御指令出力部507から出力されると、指令出力後の一定期間の実際の交通需要情報がビル内交通需要確認部510から取得され、当該待機階変更指令出力時の交通需要予測情報と、取得した実際の交通需要情報とが乖離しているか否かが判定される(S42、S43、S44)。ここで、待機階変更指令出力時の交通需要予測情報と実際の交通需要情報とに乖離があったとき(S44の「YES」)には、実際の交通需要情報に基づいて、待機階が再設定される(S45)。そして、既に設定された待機階を、再設定された待機階に変更するための待機階変更指令が、エレベータ制御指令出力部507から該当する制御盤に出力される(S46)。
以上の第4実施形態によれば、第1実施形態、第2実施形態、または第3実施形態により実行される制御に加え、交通需要予測情報に基づいて決定された乗場呼びへの応答指令、または待機階変更指令が出力された後に、当該交通需要予測情報が実際の交通需要情報と乖離しているか否かを確認し、乖離していた場合には実際の交通需要情報に基づいた指令内容に切り替えることにより、より実態に沿った精度の群管理制御を行うことができる。
《第5実施形態》
本発明の第5実施形態では、第1実施形態〜第4実施形態で説明した制御に加え、所定の階床に設定された特有の情報を考慮して制御を行う群管理制御装置について説明する。
〈第5実施形態によるエレベータシステムの構成〉
本実施形態による群管理制御装置を利用したエレベータシステム5の構成について、図14を参照して説明する。
本実施形態によるエレベータシステム5は、群管理制御装置50内に階床情報設定部511を有する他は、第2実施形態によるエレベータシステム2の構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
階床情報設定部511は、ビル内の各階床の用途やテナント属性、利用者属性等の各階床特有の情報を設定する。
割当て号機決定部506は、乗場呼び登録部505に乗場呼びが登録されると、エレベータ運転情報管理部502から送信された各エレベータの運転状況情報および号機情報と、ビル内交通需要予測演算部504で演算された交通需要予測情報と、階床情報設定部511で設定された階床情報とに基づいて、乗場呼びに応答させる割当て号機を決定する。
待機階設定部508は、エレベータ運転情報管理部502から送信された各エレベータの運転状況情報および号機情報と、ビル内交通需要予測演算部504で演算された交通需要予測情報と、階床情報設定部511で設定された階床情報とに基づいて、乗りかごが無方向待機状態となったときの待機階を設定する。
〈第5実施形態によるエレベータシステムの動作〉
次に、本実施形態によるエレベータシステム5の動作について説明する。本実施形態において階床情報設定部511には、7階が役員室の所在する階床である情報が設定されている。
本実施形態において、群管理制御装置50のビル内交通需要予測演算部504において第1実施形態のステップS2のように各階床の使用電力量から演算された交通需要予測情報に基づいて、割当て号機決定部506で実行される処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
まず、乗場呼び登録ボタン20Aまたは20Bの操作により、乗場呼び登録部505に7階における乗場呼びが登録されると(S51の「YES」)、ビル内交通需要予測演算部504から7階の交通需要予測情報が取得されるとともに、エレベータ運転情報管理部502から各エレベータの運転状況情報および号機情報が取得され、さらに階床情報設定部511に設定された7階の階床情報が取得される。
次に、取得されたこれらの情報に基づいて、7階の交通需要に対応可能であり、7階に到着するまでの時間が短く、且つ、7階の階床情報に対応可能なエレベータが、当該乗場呼びに応答させる割当て号機として決定される(S52)。
ここで、7階の階床情報により、7階にある役員室から役員が退出すると予測して、他の人と乗り合わせがないように乗りかごを7階に直行運転させ、その号機に対しては、かご呼びによる行先階に到着するまでは、他階床の乗場呼びには応答させないようにする(いわゆるVIP運転)ことが可能なエレベータを、当該7階の階床情報に対応可能なエレベータとして判定する。
そして、エレベータ制御指令出力部507から、割当て号機として決定されたエレベータの制御盤に当該乗場呼びへの応答指令が出力される(S53)。
また、第1実施形態のステップS4のように、使用電力量が大きく変化した階床の電力変化量に基づいて割当て号機が決定される際にも、同様に各階床の階床情報を考慮するようにしてもよい。
また、第1実施形態のステップS2のように各階床の使用電力量から演算された交通需要予測情報に基づいて、待機階設定部508で待機階が設定されるときの処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。
まず、各階床の新たな交通需要予測情報が算出されると(S51の「YES」)、当該交通需要予測情報がビル内交通需要予測演算部504から取得されるとともに、エレベータ運転情報管理部502から各エレベータの運転状況情報および号機情報が取得され、さらに階床情報設定部511に設定された各階の階床情報が取得される。
次に、取得されたこれらの情報に基づいて、新たな待機階が決定される(S52)。ここでは、7階において交通需要が増加すると予測されて待機階として決定する際には、上述したようにVIP運転が可能なエレベータが7階に待機するエレベータとして決定される。
そして、待機するエレベータとして決定されたエレベータの制御盤に、エレベータ制御指令出力部507から、待機階変更指令が出力される(S53)。
また、第1実施形態のステップS4のように、使用電力量が大きく変化した階床の電力変化量に基づいて待機階が決定される際にも、同様に各階床の階床情報を考慮するようにしてもよい。
以上の第5実施形態によれば、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、または第4実施形態により実行される制御に加え、ビル内の階床ごとに設定された特有の情報を考慮して制御を行うことにより、さらに利便性の高い群管理制御を行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1〜5…エレベータシステム、10A〜10C…エレベータ、12A〜12C…乗場ドア、13A〜13C…制御盤、20A、20B…乗場呼び登録ボタン、30…設備機器、40…ビル設備使用電力量計測装置、50…群管理制御装置、111A〜111C…かご内操作盤、112A〜111C…かごドア、113A〜111C…荷重センサ、131A〜131C…かご呼び登録部、132A〜132C…エレベータ運転情報出力部、133A〜133C…エレベータ運行制御部、501…エレベータ号機情報保持部、502…エレベータ運転情報管理部、503…ビル設備使用電力量入力部、504…ビル内交通需要予測演算部、505…乗場呼び登録部、506…割当て号機決定部、507…エレベータ制御指令出力部、508…待機階設定部、509…階床在館人数設定部、510…ビル内交通需要確認部、511…階床情報設定部

Claims (8)

  1. ビル内の複数のエレベータを群管理する群管理制御装置において、
    前記複数のエレベータの運転状況情報を取得するエレベータ運転情報管理部と、
    前記ビル内の各階床の使用電力量情報を入力する使用電力量入力部と、
    前記使用電力量入力部から入力された各階床の使用電力量情報に基づいて、各階床の単位時間当たりのエレベータ利用人数の予測情報で示される各階床の交通需要予測情報を演算するビル内交通需要予測演算部と、
    前記ビル内のいずれかの階床のエレベータ乗場で登録操作された乗場呼びを登録する乗場呼び登録部と、
    前記乗場呼び登録部に乗場呼びが登録されると、前記エレベータ運転情報管理部で取得された前記複数のエレベータの運転状況情報と、前記ビル内交通需要予測演算部で演算された各階床の交通需要予測情報とに基づいて、登録された乗場呼び操作階の交通需要予測情報に対応可能であり、且つ、当該乗場呼び操作階に到着するまでの時間が短いエレベータを、当該乗場呼びに応答させるエレベータとして決定する割当て号機決定部と、
    前記割当て号機決定部で決定された、前記乗場呼びに応答させるエレベータに、前記乗場呼びに応答させるための指令を出力する制御指令出力部と
    を備えることを特徴とするエレベータの群管理制御装置。
  2. 前記ビル内交通需要予測演算部は、前記使用電力量入力部から入力された使用電力量情報が急減または急増した階床の、エレベータ利用人数が増加すると予測して、当該階床の交通需要予測情報を演算する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの群管理制御装置。
  3. 前記エレベータ運転情報管理部で取得された前記複数のエレベータの運転状況情報と、前記ビル内交通需要予測演算部で演算された各階床の交通需要予測情報とに基づいて、前記複数のエレベータのいずれかの乗りかごが乗り捨てられ無方向待機状態となったときの待機階を設定する待機階設定部をさらに備え、
    前記制御指令出力部は、前記待機階設定部で設定された待機階に待機させるための指令を、対応するエレベータに出力する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータの群管理制御装置。
  4. 各階床の通常時の在館人数情報を予め設定する各階床在館人数設定部をさらに備え、
    前記ビル内交通需要予測演算部は、前記使用電力量入力部から入力された各階床の使用電力量および前記各階床在館人数設定部で設定された各階床の在館人数情報に基づいて、各階床の交通需要予測情報を演算する
    ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のエレベータの群管理制御装置。
  5. 前記制御指令出力部から指令が出力された後、一定期間の前記複数のエレベータの運転状況情報を前記エレベータ運転情報管理部から取得し、取得した情報に基づいて、各階床における当該一定期間の実際の交通需要情報を演算するビル内交通需要確認部をさらに備え、
    前記割当て号機決定部は、前記ビル内交通需要予測演算部で演算された交通需要予測情報と、前記ビル内交通需要確認部で演算された実際の交通需要情報とが乖離しているときには、実際の交通需要情報に基づいて、前記乗場呼びに応答させるエレベータを再決定する
    ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のエレベータの群管理制御装置。
  6. 前記制御指令出力部から指令が出力された後、一定期間の前記複数のエレベータの運転状況情報を前記エレベータ運転情報管理部から取得し、取得した情報に基づいて、各階床における当該一定期間の実際の交通需要情報を演算するビル内交通需要確認部をさらに備え、
    前記待機階設定部は、前記ビル内交通需要予測演算部で演算された交通需要予測情報と、前記ビル内交通需要確認部で演算された実際の交通需要情報とが乖離しているときには、実際の交通需要情報に基づいて、前記待機階を再設定する
    ことを特徴とする請求項3に記載のエレベータの群管理制御装置。
  7. 前記ビル内の各階床特有の情報を設定する階床情報設定部をさらに備え、
    前記割当て号機決定部は、前記乗場呼び登録部に乗場呼びが登録されると、前記エレベータ運転情報管理部で取得された前記複数のエレベータの運転状況情報と、前記ビル内交通需要予測演算部で演算された各階床の交通需要予測情報と、前記階床情報設定部に設定された各階床特有の情報とに基づいて、前記乗場呼びに応答させるエレベータを決定する
    ことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載のエレベータの群管理制御装置。
  8. 前記ビル内の各階床特有の情報を設定する階床情報設定部をさらに備え、
    前記待機階設定部は、前記エレベータ運転情報管理部で取得された前記複数のエレベータの運転状況情報と、前記ビル内交通需要予測演算部で演算された各階床の交通需要予測情報と、前記階床情報設定部に設定された各階床特有の情報とに基づいて、前記待機階を設定する
    ことを特徴とする請求項3または6に記載のエレベータの群管理制御装置。
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