JP2016107911A - 鉄道車両用台車 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速走行安定性と曲線通過性能確保を両立し、常に快適な乗り心地が維持しつつ、万一、軸箱の支持剛性の切り換えがフェールした場合でも、乗り心地の悪化を最小限にとどめ、高速走行と曲線走行を安全な状態で走行できるようにする。【解決手段】軸箱4と台車枠9に、中央に凹部17が形成された第2軸ゴム13とロッド23を上下に対向するよう配置し、ロッド23を第2軸ゴム13に近接する第1の位置に駆動し、第2軸ゴム13の凹部17中央に配置した第2内筒14を内部に進入させ、第2軸ゴム13による水平方向の剛性を高める。ロッド23を第2軸ゴム13から離脱する第2の位置に駆動し、第2内筒14を軸ゴムの凹部から離脱させ、第2軸ゴム13による水平方向の剛性を低下させるアクチュエータ22を備え、このアクチュエータ22が非作動の際は、ロッド23が第1の位置と第2の位置の中間位置に位置するよう、ロッド23を支持する第1戻しばね24と第2戻しばね25を配置する。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道車両用台車、特にその軸箱支持装置に関するものである。
鉄道車両では高速走行時に輪軸、台車等が激しく左右、ヨー方向に振動する蛇行動と呼ばれる自励振動が発生し、不安定な状態になることがある。このため、高速走行時に安定な状態を保つために、輪軸、台車を硬めに支持することにより、安定な状態を保ち、走行安定性を維持する必要がある。
一方、鉄道車両が曲線を走行する場合には、車輪とレールの間に左右方向に生じる力である横圧が発生する。過大な横圧は、車輪およびレールの摩耗を促進し、車輪レール間のきしみ等による振動・騒音の発生を招き、さらに最悪な状態では軌道破壊、脱線を引き起こす可能性も否定できない。
そのため、車輪レールの保守費を削減し、快適性を確保し、安全性を確保する観点から横圧を低減し、曲線通過性能を向上させることが望ましい。このためには、曲線通過時に輪軸および台車を曲線の接線方向に向けて、曲線の変化に沿うようにスムーズに走行させるため、輪軸、台車を柔らかめに支持することにより操舵性能を向上させ、横圧を低減し、軌道に対する負荷を低減した状態で走行する必要がある。
このように、鉄道車両では、高速走行時と曲線走行時とで、輪軸および台車の適正な支持状態が異なるので、高速走行安定性と曲線通過性能はトレードオフの関係となり、これを克服するため、台車サスペンションの最適設計が必要となる。
こうしたトレードオフの関係を克服するため、特許文献1の輪軸の支持方法、特許文献2の軸箱支持装置が知られている。
特許第3254137号公報 特開2003−63395号公報
特許文献1の輪軸の支持方法では、同一車両の4つの輪軸を前から柔剛剛柔の順番で支持することにより、走行安定性を保ちつつ、曲線通過性能を向上するものである。
しかしながら、このような構成で、最高速度をさらに高めようとすると、柔支持の影響で走行安定性が低下し、限界が生じる場合がある。また、台車枠と軸箱間の上下方向を、ゴムで支持しているため、高速走行時にはゴムの上下方向の動剛性が高くなり、上下方向の振動伝達率が大きくなり、上下方向の乗り心地が悪くなる可能性がある。さらに、輪軸の支持剛性を切り換えるアクチュエータがフェールした場合に剛支持状態となり、この状態で急曲線を通過すると横圧の増大を招くおそれが生じる。
特許文献2の軸箱支持装置では2つの円筒積層ゴムを配置することにより、軽量化・台車長の短縮を図り、さらに円筒積層ゴムの剛性を調整することにより、軸箱支持剛性を十分に確保することを課題とするものである。これを実現するため、円筒積層ゴムに粘性流体を封入し、電磁弁により流路を切換え、高速走行時には動的な剛性が高くなるように、在来線の曲線通過時には動的な剛性が低くなるように切り換えるようにしている。
しかし、円筒積層ゴムのゴム部内に粘性流体を封入する構造のため、油もれ等によりフェールした場合、粘性流体を封入した円筒積層ゴムの剛性が低下し、軸箱支持装置の十分な前後支持剛性を確保できないおそれが生じる。
そこで、本発明の目的は、これらの課題に対して、高速走行安定性と曲線通過性能の確保を両立し、常に快適な乗り心地が維持しつつ、万一、軸箱の支持剛性の切り換えがフェールした場合でも、乗り心地の悪化を最小限にとどめ、高速走行と曲線走行を両立できるような軸箱支持前後剛性の初期値に設定されるようにすることにより、信頼性の高い鉄道車両用台車の軸箱支持装置を実現することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の鉄道車両用台車においては、軸箱と台車枠間を軸ばねを介して上下方向に支持する軸箱支持装置を備えた鉄道車両用台車において、前記軸箱と前記台車枠に中央部に凹部が形成された軸ゴムとロッドを上下に対向するよう配置し、前記ロッドを、前記軸ゴムに近接する第1の位置に駆動することにより、前記軸ゴムの凹部中央に配置した内筒を内部に進入させ、前記軸ゴムによる前記軸箱と前記台車枠間の水平方向の剛性を高めるとともに、前記ロッドを、前記軸ゴムから離脱する第2の位置に駆動することにより、前記内筒を前記軸ゴムの凹部から離脱させ、前記軸ゴムによる前記軸箱と前記台車枠間の水平方向の剛性を低下させるアクチュエータを備え、前記アクチュエータが非作動の際は、前記ロッドが前記第1の位置と前記第2の位置の中間位置に位置するよう、前記ロッドを支持する戻しばねを具備するようにした。
本発明によれば、高速走行、曲線走行などの走行状態に応じて、軸箱支持剛性を切り換え、適正な値に設定することができるため、走行安定性の向上と、確実な横圧低減により、曲線通過性能の向上を両立することができる。
その上で、アクチュエータがフェール状態を含め、非作動となった場合には、戻しばねにより、ロッドを中立位置に戻し、高速走行安定性を大幅に低下させることなく、しかも、曲線通過時の横圧を過度に増大させないような適切な軸箱支持剛性を確保することが可能となる。
これにより、万一、アクチュエータがフェールした場合でも、高速走行安定性と曲線通過安全性を確保し、運行速度と安全性能の維持を両立させた状態での走行を実現することができる。
本発明では、ゴム支持でなく、高速走行時に動剛性が増加しないコイルばね等の軸ばねで上下方向を支持する方式であるため、高速走行時の振動伝達率の増大を抑制し、上下乗心地を大きく悪化させることもない。
本発明ではロッドと内筒の中央部形成されたテーパー状の凹部からなる機構により、軸箱と台車枠間の前後方向を拘束して力を伝達して、軸箱を前後方向に支持する方式であるため、信頼性の高い状態で軸箱支持剛性を確保することができる。
図1は、本発明による実施例1において、軸箱支持装置の剛支持状態となった際の詳細構造を示す図である。 図2は、本発明による実施例1において、軸箱支持装置が柔支持状態となった際の詳細構造を示す図である。 図3は、本発明による実施例1において、軸箱支持装置が中立状態(フェール状態)となった際の詳細構造を示す図である。 図4は、本発明による実施例1の軸箱支持装置を搭載した鉄道車両用台車のシステム構成図である。 図5は、本発明による実施例1において、軸ゴムの垂直たわみと水平荷重(水平方向の反発力)の関係を示す図である。 図6は、本発明による実施例1において、軸ばねを固定軸箱支持装置のみに配置した変形例の詳細構造を示す図である。 図7は、本発明による実施例1において、軸箱支持装置の軸ばねを独立させて配置した変形例の詳細構造を示す図である。 図8は、本発明による実施例2の軸箱支持装置を示す図である。 図9は、本発明による実施例3の軸箱支持装置を示す図である。 図10は、本発明による実施例4の軸箱支持装置を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態である実施例について説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1を、図1〜図4を用いて説明する。図1〜図3は、本実施例における箱支持装置の詳細構造を示す図であり、図4は、本実施例の軸箱支持装置を搭載した鉄道車両用台車システムのシステム構成図である。
軸箱支持装置1は、図4に示す鉄道車両用台車システムの台車2に配置され、台車2は、主として台車枠3、軸箱4、輪軸5、軸箱支持装置1、空気ばね6により構成される。輪軸5は、軸受けを介して回転可能な状態で軸箱4に支持されており、軸箱4と台車枠3の間は軸箱支持装置1により結合されている。台車枠3と車体7との間は空気ばね6により弾性支持されており、この軸箱支持装置1は制御装置8に接続されている。
図1に軸箱支持装置1の詳細構造を示す。軸箱支持装置1は、軸箱支持剛性が切り換え可能な切換軸箱支持装置10と、軸箱支持剛性が固定された固定軸箱支持装置30とから構成され、台車枠3の側梁9と軸箱4とが、並列に配置された切換軸箱支持装置10と固定軸箱支持装置30により結合される。
固定軸箱支持装置30は、主として、軸ばね32、第1軸ゴム33、側梁9の下面に結合された第1内筒34、軸ばね座35により構成される。軸ばね32は、例えばコイルばねからなり、軸箱4と側梁9との間を、主として上下方向に弾性支持する。第1軸ゴム33は、例えば、円筒積層ゴムより構成され、軸箱4と側梁9との間を、軸ばね座35と第1内筒34を介して、主として、前後方向と左右方向の水平方向に弾性支持する。ここで、固定軸箱支持装置30の第1軸ゴム33は、円錐ゴム、ロールゴム等で構成し、弾性支持するようにしてもよい。
切換軸箱支持装置10は、軸ばね部11、切換装置21により構成される。軸ばね部11は、軸ばね12、第2軸ゴム13、第2内筒14、下側軸ばね座15、上側軸ばね座16により構成される。
また、軸ばね12は、例えば、コイルばねにより構成され、軸箱4と側梁9との間を、下側軸ばね座15と上側軸ばね座16を介して、主として上下方向に弾性支持する。
切換装置21は、アクチュエータ22、ロッド23、第1戻しばね24および第2戻しばね25から構成される。ロッド23の上部には、ばね受け用フランジが設けられており、第1戻しばね24により下方に向けて弾圧され、第2戻しばね25により上方に向けて弾圧されるようになっている。
第2内筒14は、第1内筒34とは異なり、側梁9とは独立しており、ロッド23の下部の先端は、第2内筒14の中央部に形成されたテーパー状の凹部17に嵌合するように、先端に向けて先細となるテーパー状の形状をしている。
アクチュエータ22は、図4で後述する制御装置8に接続されており、制御装置8からの指令により、ロッド23を上方に移動させる駆動力、そして、下方に移動させる駆動力を発生させて、その位置を切り換える。そして、フェール状態を含め、非作動状態では、自由に上下動できるよう、ロッド23をフリー状態とするものである。したがって、アクチュエータ22が非作動の際は、第1戻しばね24による下向きの弾圧力とロッド23の質量の和と、第2戻しばね25による上向きの弾圧力が釣り合う位置で静止することになる。
釣り合う位置は、図1に示すロッド23が下端に位置する状態と、図2に示すロッド23が上端に位置する状態の中間の状態であり、図3に示すように、中立な位置でロッド23は静止する。
アクチュエータ22は、ロッド23を上向き及び下向きに駆動するとともに、非作動時、ロッド22をフリー状態とすることができるものであれば、電磁駆動、空気圧駆動、油圧駆動等のいずれの方式でも構成してもよい。
なお、アクチュエータ22に、ロッド23の上下位置を計測する位置センサを設置し、この情報を用いてアクチュエータ22を駆動することにより、ロッド23の上下方向の位置決め精度を向上することができる。また、ロッド23の上下位置を計測する位置センサの情報を、制御装置8(図4参照。)に伝送することにより、ロッド23の上下位置を把握することが可能となる。これにより、制御装置8からの指令に基づいて、切換装置21が正常に動作しているか、あるいは、制御装置8の指令に反し、切換装置21が上側あるいは下側に静止している異常な状態、すなわちフェール状態になっているかを検出することができ、フェール状態の場合、アクチュエータ22を確実に非作動に切り換えることができる。
第2軸ゴム13のゴムは、例えば、垂直断面構造を台形とすることにより、図5に示すように、第2内筒14の押圧による第2軸ゴム13の垂直たわみに対して、第2軸ゴム13の水平荷重が非線形な特性を示すように構成する。
すなわち、ロッド23が下方に駆動され、第2内筒14が下方に移動した場合は、第2軸ゴム13の垂直たわみが増加することにより、第2軸ゴム13の水平荷重(水平方向の反発力)が増加し、第2軸ゴム13の水平剛性が増加する。
一方、ロッド23が上方に駆動された場合には、第2内筒14がフリー状態となり、第2軸ゴム13の垂直たわみが減少することにより、第2軸ゴム13の水平荷重が減少する。その結果、第2軸ゴム13の水平剛性が減少する。ここで、切換装置21の第2軸ゴム13は、円筒積層ゴム、円錐ゴム、ロールゴム等で構成し、水平方向の弾性支持を行うようにすればよい。
次に本実施例による切換装置21の動作について、鉄道車両が高速走行を行う際の「高速走行モード」、「高速走行モード」より低速側で曲線走行を行う際の「曲線走行モード」、そして、切換装置21がフェールしたときを含む「非作動モード」に分けて説明する。
高速走行モードでは、図1に示すように、制御装置が切換装置21のアクチュエータ21を下向きに駆動して、第2戻しばね25の弾圧力に抗して、ロッド23を下方に動かし、その先端を、第2内筒14の中央部に形成されたテーパー状の凹部17に挿入する。この状態ではロッド23と、第2内筒14は結合状態となり、図1の矢印に示すように、軸箱4から側梁9の間の前後方向の力は軸ばね座15、第2軸ゴム13、第2内筒14、ロッド23、アクチュエータ22を介して、軸箱4から側梁9へ直接伝達される。
この状態では、ロッド23は第2内筒14と一体化されるとともに、第2軸ゴム13は、第2内筒14を介して、ロッド23により下方に押されることにより、前述のように第2軸ゴム13の垂直たわみが増加し、図5の「ロッド位置下」の垂直たわみの状態となる。これにより、ロッド23が下方に移動するにつれ、第2軸ゴム13の水平方向の弾性係数が高くなり、水平荷重(水平方向の反発力)が増加し水平剛性が増加する。この状態では、固定軸箱支持装置30の前後剛性と切換軸箱支持装置10の増加した高い水平剛性を合わせて、軸箱支持の水平剛性を形成するため、軸箱4と側梁9を前後方向に硬く支持する「(a)剛支持状態」となる。
次に、曲線走行モードでは、図2に示すように、制御装置8は、切換装置21のアクチュエータ21を駆動して、ロッド23を上方に動かし、第2内筒14をフリー状態とする。
この状態では、軸箱4から側梁9の間の水平方向の力は、第2軸ゴム13を介して伝達されず、固定軸箱支持装置30の水平剛性のみで主に軸箱支持の水平剛性を形成するため、軸箱4と側梁9を前後方向に柔らかく支持する「(b)柔支持状態」となる。
ここで、高速走行区間と曲線走行区間を予め定めておき、制御装置8内にこの高速走行区間と曲線走行区間の情報を記録しておく。そして、制御装置8が高速走行区間と曲線走行路線区間と、現在の走行位置とを比較照合して、高速走行区間と曲線走行区間の境界地点、例えば境界となる駅において、制御装置8が、高速走行モードと曲線走行モードを切り換えるように構成すればよい。また、高速走行区間、曲線走行区間の境界となる地点情報、例えば境界となるキロ程を予め定めておき、その地点を通過するときに、制御装置8が、図1に示す高速走行モードと、図2に示す曲線走行モードを切り換えるように構成すればよい。
なお、高速走行区間、曲線走行区間以外の走行区間で切換装置21を非作動モードとして、いずれかの区間に突入する際の切換ショックを低減するようにしてもよい。
さらに制御を簡略化するため、高速走行を行う速度帯と、曲線走行を行う、より低速側の速度帯を定めておき、これらの速度帯から、切換装置21の切り換えを行う切換速度と予め定めておき、制御装置8が切換速度より高い走行速度の場合は「高速走行する状態」と判定し、切換速度より低い走行速度の場合は「曲線走行する状態」と判定し、切り換えるように構成してもよい。その際、高速走行を行う速度帯の下限速度と、曲線走行を行う速度帯の上限速度の間の速度帯で切換装置21を非作動とすることにより、切り換え時のショックを低減するようにしてもよい。
ここで、切換装置21が非作動、あるいはフェールした場合には、前述のように、ロッド23は、第1戻しばね24と第2戻しばね25の復元力が釣り合う中立な位置に静止した状態となる(図3参照)。この状態では、ロッド23の位置は、図5の「ロッド位置中間」の垂直たわみの状態となり、第2軸ゴム13の水平剛性が中位の状態となる。
第2内筒14の凹部17は、底部に向けて内径が小さくなるテーパー状であり、ロッド23の先端は、下方の先端に向けて先細となるテーパー状の形状をしているため、ロッド23の外周面と、凹部17の内周面との距離が大きくなる。その結果、第2軸ゴム13の垂直たわみが、(a)剛支持状態と(b)柔支持状態の中間となり、水平剛性は、「高速走行する状態」より相対的に小さくなる。
すなわち、この状態ではロッド23と第2内筒14は、中立な位置での結合状態となり、ロッド23の外周面が凹部17の内周面に接するまでは、第2軸ゴム13は、切換軸箱支持装置10の水平剛性に関与しない。そして、ロッド23の外周面が凹部17の内周面に接すると「曲線走行する状態」と同様、図3の矢印に示すように、軸箱4から側梁9の間の前後方向の力は軸ばね座15、第2軸ゴム13、第2内筒14、ロッド23、アクチュエータ22を介して、軸箱4から側梁9へ伝達される。
しかし、この状態では、第2軸ゴム13の垂直たわみがなく、固定軸箱支持装置30の水平剛性と、切換軸箱支持装置10の相対的に低下した水平剛性を合わせて、軸箱支持の水平剛性を形成するため、図1の「(a)剛支持状態」と、図2の「(b)柔支持状態」の中間の軸箱支持前後剛性となる。この軸箱支持の水平剛性では、「高速走行する状態」の高速走行安定性を大幅に低減させず、また、「曲線走行する状態」の横圧を大幅に増加させない状態で走行できるため、アクチュエータ22が万一フェールした場合でも、高速走行安定性と曲線通過安全性を保った状態での走行を可能にする。
なお、第2内筒14の先端形状と、第2軸ゴム13の凹部の形状を選定することにより、「(a)剛支持状態」、「(b)柔支持状態」、そして、その中間の「(c)中間軸箱支持状態」における水平剛性を最適な値に選定することができる。
以上説明した本実施例による軸箱支持装置では、車両の走行状態に適応して軸箱支持装置の水平剛性を切り換え、最適な状態にするため、高速走行時の走行安定性向上と曲線通過時の横圧低減化を両立して実現することができる。また、アクチュエータ22や切換装置21が万一フェールした場合でも、適切な軸箱支持の水平剛性になるように装置を構成しているため、高速走行安定性と曲線通過安全性の双方を維持した状態で安全に走行できる。
さらに本実施例による軸箱支持装置では、上下方向については、ゴム支持でなく、高速走行時に動剛性が増加しないコイルばね等で支持する方式であるため、高速走行時の振動伝達率の増大を抑制し、上下方向の乗り心地が快適な状態を保つことができる。
本実施例による軸箱支持装置では、ロッド23と第2内筒14のテーパー状の凹部17からなる機構で、軸箱と台車枠間の水平方向を拘束して力を伝達し、軸箱を水平方向に支持する方式であるため、信頼性の高い状態で軸箱支持剛性を確保することができる。
なお、本実施例では切換軸箱支持装置10の切換装置21を軸ばね部11の上部に配置し、側梁9に固定する構成としたが、切換装置21を軸ばね部11の下部に配置し、軸箱4に固定する構成としても同じ効果が得られる。
さらに、本実施例では、切換軸箱支持装置10と固定軸箱支持装置30を車軸中心に対して前後方向に対になるように対称に並列に配置したが、切換軸箱支持装置10と固定軸箱支持装置30の前後方向の配置に関して、どちらかを車軸上に配置し、もう片方を車軸の片側に配置し、車軸に対して非対称に配置してもよい。
このように、本実施例では様々な態様が可能である。
すなわち、
(1)切換軸箱支持装置10において、軸ばね12の内側に第2軸ゴム13が配置される構成としたが、図6に示すように、切換軸箱支持装置10aにおいて、軸ばね12は配置しない構成としても本実施例と同様の効果が得られる。この構成の場合、第2軸ゴム13の外側に軸ばね12が配置されず、第2軸ゴム13の水平方向の寸法の制約条件が緩和されるため、第2軸ゴム13の大きさおよび剛性の調整の自由度が大きくなる。たとえば、大きい第2軸ゴム13を使用することにより、ばね定数を小さく設定できる。
以上の構成により、軸箱支持装置1の軸箱支持の水平剛性の調整幅を大きくできる利点がある。
(2)本実施例では、軸ばね12および軸ばね32を、切換軸箱支持装置10と固定軸箱支持装置30内に配置する構成としたが、図7に示すように、軸ばね42を切換軸箱支持装置10aと固定軸箱支持装置30bと独立して配置し、例えば、軸箱4の中央上部に配置するようにして、軸箱4と側梁9の間を上下方向に弾性支持するように構成してもよい。この場合、軸ばね42および第2軸ゴム13、第1軸ゴム33の寸法上の制約が緩和されるため、軸ばね42および第2軸ゴム13、第1軸ゴム33の設計の自由度が大きくなり、軸ばね42および第2軸ゴム13、第1軸ゴム33の大きさ、剛性の調整幅を大きくできる利点がある。
(3)本実施例では、軸箱支持装置として、切換軸箱支持装置10と固定軸箱支持装置30を組み合わせているが、前後とも切換軸箱支持装置10とし、両方を「(a)剛支持状態」、一方が「(a)剛支持状態」、他方が「(b)柔支持状態」と、水平剛性を2段階に切り換えるようにして、フェール時を含め、非作動時、両方が「(c)中間軸箱支持状態」となるようにしてもよい。
(4)本実施例では、切換軸箱支持装置10を車両の各軸に搭載し、すべての軸の軸箱支持剛性を切り換えて、走行安定性の向上と曲線通過時の横圧低減を実現するものとしたが、車両の一部の軸の軸箱支持剛性を切り換えて、構成するようにしてもよい。例えば、切換軸箱支持装置10は車両の各軸に搭載し、各台車の先頭軸、すなわち進行向きの第1軸と第3軸の軸箱支持剛性を切り換えてもよい。
(5)切換軸箱支持装置10を搭載する軸数を減少させて、構成してもよい。例えば、第1軸および第4軸に切換軸箱支持装置10を搭載し、各車両の先頭軸のみ、すなわち進行向きの第1軸のみ、もしくは、各車両の先頭軸と後尾軸、すなわち進行向きの第1軸と第4軸の軸箱支持剛性を切り換えるようにしてもよい。これにより、1車両もしくは1台車あたりの切換軸箱支持装置の数を減らすことができるため、切換軸箱支持装置を搭載する台車構成を簡素化し、コストを低減できる。
[実施例2]
次に本発明の実施例2を図8を用いて説明する。図8において、実施例1と同一の機能をする部材に関しては同一符号を付している。本実施例は、切換軸箱支持装置10cを軸梁式の軸箱支持装置50に適用したものである。
切換軸箱支持装置10cは、梁形状をした軸梁で構成される軸箱54の軸受け部の上部に配置され、軸箱54と側梁9を結合する。軸箱54の台車内側の端部は軸梁ゴム51を介して、側梁9に結合されている。
本実施例による軸箱支持装置50では、軸梁ゴム51を換えることにより、軸梁ゴム51部の前後剛性を独立に調整できる構成としている。これにより、軸梁ゴム51部の前後剛性と切換軸箱支持装置10cの前後剛性の和である軸箱支持装置50の全体の軸箱支持前後剛性を容易に調整することが可能となり、高速走行時の走行安定性向上と曲線通過時の横圧低減化の両立を容易に実現することができる。
[実施例3]
次に本発明の実施例3を図9を用いて説明する。図9において、実施例1と同一の機能をする部材に関しては同一符号を付している。本実施例は、切換軸箱支持装置10cを支持板式の軸箱支持装置60に適用したものである。
切換軸箱支持装置10cは、軸箱64の軸受け部の上部に配置され、軸箱64と側梁9を結合する。軸箱64の台車内側の端部は支持板ゴム61と支持板62を介して、側梁9に結合されている。
以上説明した本実施の形態による軸箱支持装置60では、支持板ゴム61および支持板62を換えることにより、支持板ゴム61と支持板62の部分の前後剛性を独立に調整できる構成としている。これにより、支持板ゴム61部の前後剛性と切換軸箱支持装置10cの前後剛性の和である軸箱支持装置60の全体の軸箱支持前後剛性を容易に調整することが可能となり、高速走行時の走行安定性向上と曲線通過時の横圧低減化の両立を容易に実現することができる。
[実施例4]
次に本発明の実施例4を図10を用いて説明する。図10において、実施例1と同一の機能をする部材に関しては同一符号を付している。図10の実施例は、切換軸箱支持装置10cをモノリンク式の軸箱支持装置70に適用した実施例である。
切換軸箱支持装置10cは、軸箱74の軸受け部の上部に配置され、軸箱74と側梁9を結合する。軸箱74の台車内側の端部は、両端にゴムブッシュ72aおよび72bを配置したリンク71により結合されている。
以上説明した本実施の形態による軸箱支持装置70では、ゴムブッシュ72aおよび72bを換えることにより、リンク71の部分の前後剛性を独立に調整できる構成としている。これにより、リンク71の部分の前後剛性と切換軸箱支持装置10cの前後剛性の和である軸箱支持装置70の全体の軸箱支持前後剛性を容易に調整することが可能となり、高速走行時の走行安定性向上と曲線通過時の横圧低減化の両立を容易に実現することができる。
1、50、60、70 軸箱支持装置
2 台車
3 台車枠
4、54、64、74 軸箱
5 輪軸
6 空気ばね
7 車体
8 制御装置
9 側梁
10、10a、10b、10c 切換軸箱支持装置
11 軸ばね部
12、32、42 軸ばね
13 第2軸ゴム
14 第2内筒
15、35 下側軸ばね座
16 上側軸ばね座
17 テーパー状の凹部
21 切換装置
22 アクチュエータ
23 ロッド
24 第1戻しばね
25 第2戻しばね
30、30b 固定軸箱支持装置
33 第2軸ゴム
34 第1内筒
51 軸梁ゴム
61 支持板ゴム
62 支持板
71 リンク
72a、72b ゴムブッシュ

Claims (8)

  1. 軸箱と台車枠間を軸ばねを介して上下方向に支持する軸箱支持装置を備えた鉄道車両用台車において、
    前記軸箱と前記台車枠に、中央部に凹部が形成された軸ゴムとロッドを上下に対向するよう配置し、前記ロッドを、前記軸ゴムに近接する第1の位置に駆動することにより、前記軸ゴムの凹部に配置した内筒を内部に進入させ、前記軸ゴムによる前記軸箱と前記台車枠間の水平方向の剛性を高めるとともに、
    前記ロッドを、前記軸ゴムから離脱する第2の位置に駆動することにより、前記内筒を前記軸ゴムの凹部から離脱させ、前記軸ゴムによる前記軸箱と前記台車枠間の水平方向の剛性を低下させるアクチュエータを備え、
    前記アクチュエータが非作動の際は、前記ロッドが前記第1の位置と前記第2の位置の中間位置に位置するよう、前記ロッドを支持する戻しばねを配置した切換軸箱支持装置を具備することを特徴とする鉄道車両用台車。
  2. 請求項1に記載の鉄道車両用台車において、
    軸箱と台車枠間に2つの軸箱支持装置を備え、一方の軸箱支持装置が、前記軸箱と前記台車枠間を一定の水平剛性で支持する固定軸箱支持装置であることを特徴とする鉄道車両用台車。
  3. 請求項1または2に記載の鉄道車両用台車において、
    前記ロッドの上下変位に伴い、前記内筒により前記軸ゴムの上下たわみが変化した場合に、前記軸ゴムの水平剛性が変化するよう、前記内筒と前記軸ゴムの形状と配置を設定したことを特徴とする鉄道車両用台車。
  4. 請求項1に記載の鉄道車両用台車において、
    複数の戻しばねをロッドに対して上下一対に配置したことを特徴とする鉄道車両用台車。
  5. 請求項1に記載の鉄道車両用台車において、
    車両もしくは台車の進行向きの先頭軸の軸箱支持装置の前後方向の支持剛性を変更するように構成したことを特徴とする鉄道車両用台車。
  6. 請求項2に記載の鉄道車両用台車において、
    前記切換軸箱支持装置と前記固定軸箱支持装置を車軸に対して前後方向に対になるように配置したことを特徴とする鉄道車両用台車。
  7. 請求項2に記載の鉄道車両用台車において、
    前記固定軸箱支持装置を軸梁ゴムもしくは支持板ゴムもしくはゴムブッシュを装備したリンクにより構成したことを特徴とする鉄道車両用台車。
  8. 請求項2に記載の鉄道車両用台車において、
    前記軸ばねを前記切換軸箱支持装置および前記固定軸箱支持装置とは独立して配置したことを特徴とする鉄道車両用台車。
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