JP2016107735A - ハイブリッド車両の駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ハイブリッド車両の駆動装置を小型化かつ簡素化する。【解決手段】 ハイブリッド車両100の駆動装置1であって、内燃機関10と、界磁に永久磁石32、42を用いた第1及び第2電動発電機3、4と、リングギヤ17、サンギヤ16、遊星キャリア19を備えた遊星歯車機構2とを有し、リングギヤは、第1電動発電機のロータである第1ロータ27に接続され、サンギヤは、第2電動発電機のロータである第2ロータ37に接続されると共に、内燃機関の出力軸10Aに接続され、遊星キャリアは、車軸60A、60B側に接続され、遊星歯車機構、第1電動発電機、第2電動発電機、及び内燃機関の出力軸が同軸に配置されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、ハイブリッド車両の駆動装置に関する。
従来、ハイブリッド車両の駆動装置として、ガソリン等を燃料として動力を出力する内燃機関と、第1及び第2の電動発電機(モータジェネレータ)と、これらを接続する遊星歯車機構とを有するものがある(例えば、特許文献1)。遊星歯車機構の遊星キャリアは、内燃機関に接続され、サンギヤは第1の電動発電機に接続され、リングギヤは車軸に接続される出力軸及び第2の電動発電機に接続されている。この駆動装置では、遊星歯車機構の動力分配機能によって、電動発電機のみを使用した走行や、内燃機関及び電動発電機を使用した走行、内燃機関のみを使用した走行が可能になる。また、減速時に車軸からの回転エネルギーを内燃機関に分配しないようにして、回生効率を高めることができる。
特開2014−184893号公報
しかしながら、特許文献1に係る駆動装置は、内燃機関と2つの電動発電機とを含むため、装置が大型になると共に形状が複雑になるという問題がある。
本発明は、以上の背景に鑑み、ハイブリッド車両の駆動装置を小型化かつ簡素化することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、ハイブリッド車両(100)の駆動装置(1)であって、内燃機関(10)と、界磁に永久磁石(32、42)を用いた第1及び第2電動発電機(3、4)と、リングギヤ(17)、サンギヤ(16)、遊星キャリア(19)を備えた遊星歯車機構(2)とを有し、前記リングギヤは、前記第1電動発電機のロータである第1ロータ(27)に接続され、前記サンギヤは、前記第2電動発電機のロータである第2ロータ(37)に接続されると共に、前記内燃機関の出力軸(10A)に接続され、前記遊星キャリアは、車軸(60A、60B)側に接続され、前記遊星歯車機構、前記第1電動発電機、前記第2電動発電機、及び前記内燃機関の前記出力軸が同軸に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、遊星歯車機構、第1電動発電機、第2電動発電機、及び内燃機関の出力軸が同軸に配置されるため、駆動装置の外形が簡素になる。また、遊星歯車機構、第1電動発電機、第2電動発電機、及び内燃機関を互いに近接させて配置することができるため、小型化が可能になる。また、第1及び第2電動発電機が、界磁に永久磁石を用いているため、界磁に電磁石を用いたものに比べて装置の小型化が可能になる。
また、上記の発明において、前記内燃機関の前記出力軸は、クラッチ(7)を介して前記サンギヤに接続されているとよい。
この構成によれば、クラッチによってサンギヤと内燃機関の出力軸とを切断することができるため、第2電動発電機を回転させる場合に内燃機関の回転抵抗が第2電動発電機に負荷として加わることを避けることができる。
また、上記の発明において、前記第1ロータ(27)及び前記第2ロータ(37)を収容するケース(5)と、前記第1ロータと前記ケースとの間に設けられ、前記ケースに対する前記第1ロータの相対回転を制動する第1ブレーキ(50)と、前記第2ロータと前記ケースとの間に設けられ、前記ケースに対する前記第2ロータの相対回転を制動する第2ブレーキ(51)とを有するとよい。
この構成によれば、第1及び第2ブレーキを操作することによって、第1及び第2ロータの制動を行うことができ、第1及び第2電動発電機の回転数を迅速かつ円滑に変化させることができる。
また、上記の発明において、前記ケースは、前記遊星歯車機構を更に収容するとよい。
この構成によれば、第1及び第2電動発電機、遊星歯車機構が共通のケースに収容され、1つのユニットを構成するため、装置全体の簡素化及び小型化が図れる。
また、上記の発明において、前記リングギヤは、自身の回転軸線(A)と同軸に配置された筒部(17B)を有し、前記サンギヤは、自身の回転軸線(A)と同軸に配置されて前記筒部を通過する軸部(16A)を有し、前記第1ロータは、前記筒部の外周部に結合され、前記第2ロータは、前記軸部の前記筒部から突出した部分に結合されているとよい。
この構成によれば、第1及び第2ロータを互いに近接させて配置することができ、装置の小型化が可能になる。
また、上記の発明において、前記遊星キャリアは、デファレンシャルギヤ装置(58)を介して前記車軸に接続されているとよい。
この構成によれば、遊星歯車機構及びデファレンシャルギヤによって減速機が構成され、第1及び第2電動発電機、及び内燃機関の回転が、遊星歯車機構及びデファレンシャルギヤによって減速して車軸に伝達される。
また、上記の発明において、前記ハイブリッド車両の発進時には、最初に前記第1電動発電機を空転可能状態にし、前記遊星歯車機構及び前記クラッチによって前記内燃機関及び前記第2電動発電機の少なくとも一方の駆動力を前記第1電動発電機に伝達させ、その後前記第1電動発電機の回転を抑制し、前記遊星歯車機構によって前記内燃機関及び前記第2電動発電機の少なくとも一方の駆動力の一部を前記車軸に伝達させるとよい。
この構成によれば、内燃機関の駆動力を車軸に伝達させて発進するときに、クラッチ操作が不要になる。
以上の構成によれば、ハイブリッド車両の駆動装置を小型化かつ簡素化することができる。
実施形態に係る駆動装置を備えたハイブリッド車両の模式図 実施形態に係る駆動装置の断面図 駆動装置の制御例を示す表 駆動装置の制御例を示す表
以下、図面を参照して、本発明のハイブリッド車両の駆動装置の実施形態について説明する。図1に示すように、ハイブリッド車である車両100の駆動装置1は、ガソリン等を燃料とする内燃機関10と、遊星歯車機構2と、第1電動発電機3(モータジェネレータ)と、第2電動発電機4と、クラッチ7とを有する。車両100は、例えば、内燃機関10の排気量を125cc以下したマイクロEV(超小型モビリティ)であってよい。
遊星歯車機構2、第1電動発電機3及び第2電動発電機4は、ケース5に支持され、ユニット6を構成する。図2に示すように、ケース5は、外形が略円筒形に形成された円筒部5Aと、円筒部5Aの両端部を閉じる第1端壁5B及び第2端壁5Cと、円筒部5Aの内部に配置され、各端壁5B、5Cと平行に設けられた第1隔壁5D及び第2隔壁5Eとを有する。ケース5の内部空間は、第1端壁5Bと第1隔壁5Dとの間に形成された第1室5Fと、第1隔壁5Dと第2隔壁5Eとの間に形成された第2室5Gと、第2隔壁5Eと第2端壁5Cとの間に形成された第3室5Hとを有する。第1端壁5B、第1隔壁5D、第2隔壁5E、及び第2端壁5Cの中央部には、ケース5の軸線Aに沿ってそれぞれを貫通する第1軸受孔11、第2軸受孔12、第3軸受孔13、第4軸受孔14が同軸に形成されている。
遊星歯車機構2は第1室5Fに配置され、第1電動発電機3は第2室5Gに配置され、第3発電機は第3室5Hに配置される。遊星歯車機構2、第1電動発電機3、及び第2電動発電機4は、ケース5の軸線Aを回転中心として互いに同軸に配置されている。
遊星歯車機構2は、外歯歯車であるサンギヤ16と、サンギヤ16と同軸に配置される内歯車であるリングギヤ17と、サンギヤ16及びリングギヤ17の双方に噛み合う複数の外歯歯車である遊星ギヤ18と、各遊星ギヤ18を回転可能に支持すると共に、サンギヤ16と同軸に配置された遊星キャリア19とを有する。
遊星キャリア19は、軸部19Aと、軸部19Aの一端から径方向外方に延出したアーム部19Bとを有する。遊星キャリア19の軸部19Aは、例えば玉軸受である軸受を介して第1軸受孔11に回転可能に支持され、軸線Aと同軸に配置される。遊星キャリア19の軸部19Aは、一端が第1室5F内に配置され、他端がケース5の外部に突出している。遊星キャリア19の軸部19Aの一端の端面には、軸部19Aと同軸に形成された、有底の円孔である支持孔21が形成されている。
遊星キャリア19のアーム部19Bは、軸線Aを中心とした円板形に形成されている。アーム部19Bの外周部には、軸線Aと平行に、第1隔壁5D側に延びる複数の支持軸22が突設されている。各支持軸22には、それぞれ遊星ギヤ18が回転可能に支持されている。支持軸22及び遊星ギヤ18の数は、任意であってよく、周方向に等間隔に配置されていることが好ましい。
リングギヤ17は、一端に底部を有する有底の第1円筒部17Aと、底部の外面の中心部から第1円筒部17Aと同軸に突設された第2円筒部17Bとを有する。第1円筒部17Aは第1室5F内に配置され、第2円筒部17Bは第1室5F内から第2軸受孔12及び第2室5Gを通過して第3軸受孔13の内部にまで延びている。リングギヤ17の第2円筒部17Bは、例えば玉軸受である軸受を介して第2軸受孔12及び第3軸受孔13に回転可能に支持されている。これにより、リングギヤ17の第1円筒部17A及び第2円筒部17Bは軸線Aと同軸に配置される。
第1円筒部17Aの円周部の内径は、遊星キャリア19に支持された各遊星ギヤ18を受容可能な大きさに形成されている。第1円筒部17Aの円周部の内周面には、円周部の軸線を中心とした内歯歯車17Cが形成され、各遊星ギヤ18と噛み合っている。
リングギヤ17には、自身の軸線と同軸に延在する貫通孔24が形成されている。貫通孔24の第1円筒部17A側の端部は、段違いに拡径され支持部24Aを形成している。
サンギヤ16は、軸部16Aと、軸部16Aの外周部に結合された外歯歯車16Bとを有する。サンギヤ16の軸部16Aは、軸線Aに沿って配置され、一端が遊星キャリア19の支持孔21内に配置されると共に、リングギヤ17の貫通孔24を貫通し、第3軸受孔13、第3室5H、及び第4軸受孔14を通過してケース5の外部に突出している。軸部16Aは、遊星キャリア19の支持孔21及びリングギヤ17の支持部24Aに例えば玉軸受である軸受を介して回転可能に支持されている。サンギヤ16の軸部16Aの他端側であって、リングギヤ17の貫通孔24から突出した部分は、他の部分に対して段違いに縮径された縮径部16Cに形成されている。縮径部16Cには、円筒形のカラー25が圧入等の手法によって一体的に回転するように結合されている。カラー25の外径は、リングギヤ17の第2円筒部17Bの内径よりも大きく形成されている。カラー25は、第3軸受孔13及び第4軸受孔14に例えば玉軸受である軸受を介して回転可能に支持されている。以上のようにして、サンギヤ16は軸線Aを中心として回転可能に配置されている。
サンギヤ16の外歯歯車16Bは、軸部16Aの、リングギヤ17の第1円筒部17Aの内側に位置する部分に設けられている。外歯歯車16Bは、各遊星ギヤ18と噛み合っている。
第1電動発電機3及び第2電動発電機4は、永久磁石同期発電機である。第1電動発電機3及び第2電動発電機4は、同様の構成を有するため、重複する部分については第1電動発電機3について説明を行い、第2電動発電機4については説明を省略する。
第1電動発電機3は、リングギヤ17の第2円筒部17Bの外周部であって第2室5G内に位置する部分に結合された第1ロータ27と、ケース5の円筒部5Aの一部をなし、第2室5Gの内周面を形成する第1リング部28に設けられた複数の第1ステータコイル29とを有する。
第1ロータ27は、リングギヤ17の第2円筒部17Bの外周面であって第2室5G内に位置する部分に結合された一対の支持部材31と、各支持部材31に支持された複数の永久磁石32とを有する。各支持部材31は、筒形の基部31Aと、基部31Aの外周面から径方向外方に突出した円板形の支持壁部31Bとを有する。各基部31Aは、リングギヤ17の第2円筒部17Bと一体的に回転するように、圧入やキーによる結合構造等によって結合されている。各基部31Aがリングギヤ17の第2円筒部17Bに結合された状態で、各支持壁部31Bは軸線A方向に隙間を介して対向するように配置される。本実施形態では、基部31A同士が互いに当接することによって、各支持壁部31Bの相対位置が定められている。
複数の永久磁石32は、各支持壁部31Bの互いに対向する面のそれぞれに、磁極の向きが軸線Aと平行になるように結合されている。永久磁石32は、各支持壁部31Bの周方向において、等しい幅を有して等間隔に配置され、かつ周方向に進むに従って異なる磁極が交互に現れるように配置されている。また、一方の支持壁部31Bに設けられた各永久磁石32は、他方の支持壁部31Bに設けられた各永久磁石32と軸線A方向において異なる磁極が対向するように配置されている。これにより、ロータの各支持壁部31B間には、各支持壁部31Bの一方に設けられた永久磁石32から対向する支持壁部31Bに設けられた永久磁石32に、軸線Aと平行に延びる磁束が形成される。
第1ステータコイル29は、柱状の鉄心29Aと、鉄心29Aに巻き回された3相の巻線29Bとを有する。各第1ステータコイル29は、鉄心29Aの軸線がそれぞれ軸線Aと平行になるように第1リング部28の内周面に支持されている。また、各第1ステータコイル29は、それぞれの鉄心29Aが各支持壁部31Bに設けられた永久磁石32の間に配置されている。これにより、各第1ステータコイル29の横断面に対して永久磁石32の磁束が直交する。
第2電動発電機4は、第1電動発電機3の第1ロータ27及び第1ステータコイル29と同様の第2ロータ37及び複数の第2ステータコイル39を有する。第2ロータ37はカラー25の外周部であって第3室5H内に位置する部分に結合され、第2ステータコイル39はケース5の円筒部5Aの一部をなし、第3室5Hの内周面を形成する第2リング部38に設けられている。
第2ロータ37は、第1ロータ27と同様に、一対の支持部材41と、各支持部材41に支持された複数の永久磁石42とを有する。各支持部材41は、筒形の基部41Aと、基部41Aの外周面から径方向外方に突出した円板形の支持壁部41Bとを有する。各基部41Aは、カラー25と一体的に回転するように結合されている。各基部41Aがカラー25に結合された状態で、各支持壁部41Bは軸線A方向に隙間を介して対向するように配置される。
複数の永久磁石42は、第1ロータ27と同様に、各支持壁部41Bの互いに対向する面のそれぞれに、磁極の向きが軸線Aと平行になるように結合されている。これにより、第2ロータ37の各支持壁部41B間には、各支持壁部41Bの一方に設けられた永久磁石42から対向する支持壁部41Bに設けられた永久磁石42に、軸線Aと平行に延びる磁束が形成される。
第2ステータコイル39は、第1ステータコイル29と同様に、鉄心39A及び3相の巻線39Bを有する。各第2ステータコイル39は、鉄心39Aの軸線がそれぞれ軸線Aと平行になるように第2リングの内周面に支持されている。また、各第2ステータコイル39は、それぞれの鉄心39Aが各支持壁部41Bに設けられた永久磁石42の間に配置されている。これにより、各第2ステータコイル39の横断面に対して永久磁石42の磁束が直交する。
本実施形態では、第1電動発電機3と第2電動発電機4とは、同一の能力を有し、回転数が等しいときには等しい電圧を発生する。他の実施形態では、第1電動発電機3と第2電動発電機4とは、異なる能力を有してもよい。
ケース5と第1ロータ27との間には第1ブレーキ50が設けられ、ケース5と第2ロータ37との間には第2ブレーキ51が設けられている。第1ブレーキ50及び第2ブレーキ51は同様の構成を有する。
第1ブレーキ50は、第1ブレーキディスク50Aと、第1ブレーキディスク50Aを第1ロータ27の支持壁部31B側に付勢する第1付勢部材50Bと、第1ブレーキディスク50Aを第1ロータ27の支持壁部31Bから離れる方向に吸引する第1電磁石50Cとを有する。第1ブレーキディスク50Aは、強磁性を有する部材から形成され、中央部に貫通孔を有する円板部材である。第1ブレーキディスク50Aは、貫通孔にリングギヤ17の第2円筒部17Bが挿通され、軸線A方向に変位可能に第1隔壁5Dと第1ロータ27との間に配置されている。第1付勢部材50Bは、例えば圧縮コイルばねであり、第1隔壁5Dと第1ブレーキディスク50Aとの間に介装され、第1ブレーキディスク50Aを第1ロータ27の支持壁部31Bの側面に付勢している。第1ブレーキディスク50Aは、第1付勢部材50Bに付勢されて支持壁部31Bの側面に押し付けられ、支持壁部31Bとの間に摩擦力を生じ、第1ロータ27の回転を制動する。第1電磁石50Cは、第1隔壁5Dに設けられ、電力が供給されたときに磁力を発生し、第1ブレーキディスク50Aを第1付勢部材50Bの付勢力に抗して第1隔壁5D側、すなわち支持壁部31Bから離れる側に吸引する。以上の構成により、第1ブレーキ50は、第1電磁石50Cに電力が供給されていないときに第1ロータ27の回転を制止し、第1電磁石50Cに電力が供給されているときに第1ロータ27の回転を許容する。
第2ブレーキ51は、第1ブレーキ50と同様の、第2ブレーキディスク51Aと、第2付勢部材51Bと、第2電磁石51Cとを有する。第2ブレーキディスク51Aは、貫通孔にカラー25が挿通され、軸線A方向に変位可能に第2隔壁5Eと第2ロータ37との間に配置されている。第2付勢部材51Bは、第2隔壁5Eと第2ブレーキディスク51Aとの間に介装され、第2ブレーキディスク51Aを第2ロータ37の支持壁部41Bの側面に付勢している。第2ブレーキディスク51Aは、第2付勢部材51Bに付勢されて支持壁部41Bの側面に押し付けられ、第2ロータ37の支持壁部41Bとの間に生じる摩擦力によって、第2ロータ37の回転を制動する。第2電磁石51Cは、第2隔壁5Eに設けられ、電力が供給されたときに磁力を発生し、第2ブレーキディスク51Aを第2付勢部材51Bの付勢力に抗して第2隔壁5E側、すなわち第2ロータ37の支持壁部41Bから離れる側に吸引する。以上の構成により、第2ブレーキ51は、第2電磁石51Cに電力が供給されていないときに第2ロータ37の回転を制止し、第2電磁石51Cに電力が供給されているときに第2ロータ37の回転を許容する。
ケース5には、第1ロータ27の回転位置を検出する第1回転センサ55及び第2ロータ37の回転位置を検出する第2回転センサ56が設けられている。第1回転センサ55及び第2回転センサ56は同様の構成を有している。
第1回転センサ55は、第2隔壁5Eの第2室5G側面に設けられた磁気検出手段としてのホール素子55Aを有している。第1ロータ27の第2隔壁5E側に配置された支持壁部31Bには、軸線A方向に貫通し、永久磁石32の背面の一部を第2隔壁5E側に露出させる露出孔55Bが複数形成されている。露出孔55Bは、周方向において複数形成されている。本実施形態では、各露出孔55Bは各永久磁石32に対応し、かつ軸線Aからの距離が等しくなる位置にそれぞれ形成されている。ホール素子55Aは、軸線Aと露出孔55Bとの距離と同じ距離だけ軸線Aから離れた位置に配置され、第1ロータ27が回転するときに各露出孔55Bと対向可能となっている。これにより、ホール素子55Aは、第1ロータ27が回転するときに、露出孔55Bを通過する各永久磁石32の磁束を検出し、第1ロータ27の回転位置を検出することができる。また、第1回転センサ55は、第1ロータ27の回転位置の変化を時間で微分することによって、第1ロータ27の回転速度を算出することができる。
第2回転センサ56は、第2端壁5Cの第3室5H側面に設けられたホール素子56Aを有している。第2ロータ37の第2端壁5C側に配置された支持壁部41Bには、軸線A方向に貫通し、永久磁石42の背面の一部を第2端壁5C側に露出させる露出孔56Bが複数形成されている。露出孔56Bは、第1回転センサ55と同様に、各露出孔56Bは各永久磁石42に対応し、かつ軸線Aからの距離が等しくなる位置にそれぞれ形成されている。ホール素子56Aは、第1回転センサ55と同様に、軸線Aと露出孔56Bとの距離と同じ距離だけ軸線Aから離れた位置に配置され、第1ロータ27が回転するときに各露出孔56Bと対向可能となっている。これにより、第2回転センサ56は、第2ロータ37の回転位置及び回転速度を検出することができる。
図1に示すように、内燃機関10の出力軸であるクランク軸10Aと、ケース5から突出したサンギヤ16の軸部16Aとは、同軸に配置され、クラッチ7を介して互いに連結されている。これにより、クラッチ7が接続された状態ではクランク軸10Aとサンギヤ16の軸部16Aとが同じ回転数で回転し、クラッチ7が切断された状態ではクランク軸10Aとサンギヤ16の軸部16Aとが互いに独立して回転する。本実施形態では、駆動装置1は、軸線Aが車両100の前後方向と平行となるように配置されている。
ケース5から突出した遊星キャリア19の軸部19Aは、デファレンシャルギヤ装置(作動装置)58を介して、左右の車軸60A、60Bに連結されている。デファレンシャルギヤ装置58は、リミテッドスリップデフ(LSD)等の公知のものであってよい。デファレンシャルギヤ装置58によって、遊星キャリア19の軸部19Aの回転は減速されて左右の車軸60A、60Bに伝達される。なお、車軸60A、60Bは、前輪及び後輪のいずれに対応したものであってもよい。
遊星歯車機構2における、サンギヤ16の歯数Zsに対するリングギヤ17の歯数Zrの比であるギヤ比Zr/Zs、及びデファレンシャルギヤ装置58の減速比は、任意に設定してよい。一例として、内燃機関10のクランク軸10Aに対する車軸60A、60Bの減速比を10程度とする場合、ギヤ比Zr/Zsを2〜4、デファレンシャルギヤ装置58の減速比を2〜4と設定することができる。
車両100は、駆動装置1に加え、第1AC/DC変換器(双方向インバータ)63、第2AC/DC変換器64、DC/DC変換器65、バッテリ66、及びECU(電子制御ユニット)67を有する。
第1電動発電機3の第1ステータコイル29の三相の巻線29Bは第1AC/DC変換器63に接続され、第2電動発電機4の第2ステータコイル39の三相の巻線39Bは第2AC/DC変換器64に接続されている。第1AC/DC変換器63の直流側、及び第2AC/DC変換器64の直流側は、配線を介してバッテリ66に接続されている。ECU67は、DC/DC変換器(変圧器)65を介してバッテリ66に接続されている。
ECU67には、第1回転センサ55、第2回転センサ56、遊星キャリア19の軸部19Aの回転数を検出する出力軸センサ71、クランク軸10Aの回転位置を検出するクランク角センサ72、アクセルペダルの踏込み量を検出するアクセルペダルセンサ(不図示)等からの信号が入力される。ECU67は、第1回転センサ55の信号に基づいて第1電動発電機3(リングギヤ17)の回転数を取得し、第2回転センサ56の信号に基づいて第2電動発電機4(サンギヤ16)の回転数を取得し、出力軸センサ71の信号に基づいて駆動装置1の出力軸(軸部19A)の回転数を取得し、クランク角センサ72の信号に基づいて内燃機関10の回転数を取得し、アクセルペダルセンサの信号に基づいてアクセルペダルの踏込み量を取得する。また、ECU67は、駆動装置1の出力軸の回転数やアクセルペダルの踏込み量に基づいて要求出力を設定する。
また、ECU67は、バッテリ66の電位を検出する。そして、ECU67はバッテリ66の電位と要求出力とに基づいて、EV、HV、ENG、停車のいずれかの運転モードを選択する。EVは、内燃機関10を停止し、第1及び第2電動発電機3、4の駆動力を使用して走行する運転モードであり、HVは、内燃機関10、第1及び第2電動発電機3、4の駆動力を使用して走行する運転モードであり、ENGは、内燃機関10のみの駆動力を使用して走行する運転モードであり、停車は車両100の停車状態で行われる運転モードである。ECU67は、運転モードと要求出力とに基づいて、内燃機関10、第1及び第2電動発電機3、4、第1及び第2ブレーキ50、51を制御する。
ECU67は、内燃機関10を制御する場合には、内燃機関10のスロットルバルブ及びインジェクタの少なくとも一方を制御し、吸気量及び燃料噴射量を変化させ、クランク軸10Aの回転数を変化させる。
ECU67は、第1及び第2AC/DC変換器63、64のスイッチング素子のオン、オフを制御することによって、第1電動発電機3及び第2電動発電機4に供給する電力を変化させ、第1電動発電機3及び第2電動発電機4の回転数を変化させる。ECU67は、例えばPWM制御に基づいて第1電動発電機3及び第2電動発電機4に供給する電力を変化させ、第1電動発電機3及び第2電動発電機4の回転数を変化させる。
ECU67は、第1及び第2ブレーキ50、51の電磁石50C、51Cへの給電を制御することによって、各ブレーキディスク50A、51Aと第1ロータ27及び第2ロータ37の支持壁部31B、41Bとの接触状態を変化させ、第1ロータ27及び第2ロータ37の回転を制動する。
図3及び図4は、各運転モードの各状態における、内燃機関10、第1及び第2電動発電機3、4、第1及び第2ブレーキ50、51、クラッチ7の制御を示す。
図3のNo1〜3の制御は、停車モードにおいて行われる制御である。No1の制御では、内燃機関10を停止、クラッチ7をON(接続)、第1及び第2電動発電機3、4を制止、第1及び第2ブレーキ50、51をON(制動)にすることによって、エネルギーの消費を無くすと共に、車両100の車軸60A、60Bの回転を禁止して車両100をパーキング(制止)にすることができる。この状態では、第1及び第2ブレーキ50、51が車軸60A、60Bの回転を禁止するため、運転者は他のブレーキを操作する必要がない。なお、図3中のクラッチ7について、ON(OFF)と記載されている箇所は、クラッチ7がON(接続)又はOFF(切断)のいずれでもよい。
No2の制御では、第1及び第2ブレーキ50、51をOFF、第1電動発電機3を空転可能、クラッチ7をONにした状態で、第2電動発電機4を駆動させることによって、第2電動発電機4の駆動力をクランク軸10Aに伝達し、内燃機関10のクランキング(始動)が行われる。ここで、第1電動発電機3を空転可能にするとは、第1AC/DC変換器63を制御して、第1ロータ27が回転しても第1電動発電機3が発電しないようにし、第1電動発電機3の回転抵抗を低減することをいう。なお、第2電動発電機4は、第2AC/DC変換器64を同様に制御することによって、空転可能にすることができる。なお、第1電動発電機3が空転可能であるため、サンギヤ16が回転しても遊星キャリア19は回転せずにリングギヤ17が回転し、車両100は停車した状態に維持される。
No3の制御では、第1及び第2ブレーキ50、51をOFF、第1電動発電機3を空転可能、クラッチ7をONにした状態で、内燃機関10を駆動させることによって、内燃機関10の駆動力で第2電動発電機4を回転させ、第2電動発電機4が発電を行うことができる。この動作により、停車時にバッテリ66を充電することができる。なお、第1電動発電機3が空転可能であるため、遊星キャリア19は回転せず、車両100は停車した状態に維持される。
No2及び3の制御では、第1電動発電機3を空転可能としたが、第1電動発電機3に電力を供給して第1電動発電機3を反転させ、遊星キャリア19が回転しないようにしてもよい。
No4〜13の制御は、内燃機関10を使用しないEVモードにおいて行われる。No4の制御では、第1ブレーキ50をOFF、第2ブレーキ51をONにし、第1電動発電機3の駆動力を遊星キャリア19に伝達することによって、車両100が前進(発進)することができる。このとき、クラッチ7はON、OFFのいずれであってもよい。
No5〜7の制御は、車両100の発進時に順に行われる。No5の制御は、車両100は停車時に行われ、第1及び第2ブレーキ50、51がOFF、クラッチ7がOFF、第1電動発電機3が空転可能な状態で、第2電動発電機4の駆動を行う。この状態では、遊星キャリア19の回転負荷に比べてリングギヤ17の回転負荷が十分に小さいため、第2電動発電機4の駆動力は遊星ギヤ18を介してリングギヤ17及び第1電動発電機3に伝達され、遊星キャリア19は回転しない。この制御によって、第2電動発電機4は、回転負荷が比較的小さな状態で、制止した状態から駆動状態となることができる。そのため、第2電動発電機4及び第2AC/DC変換器64に大電流が流れることが抑制される。
No5の制御が行われている状態からNo6の制御に移行し、第1電動発電機3を発電制御又は第1ブレーキ50を少しずつONにすると、第1電動発電機3及びリングギヤ17の回転負荷が大きくなり、第2電動発電機4の駆動力が遊星キャリア19にも分配されるようになり、遊星キャリア19が回転を開始する。第1電動発電機3の発電量、又は第1ブレーキ50の制動力が大きくなるほど、第1電動発電機3の回転負荷が大きくなり、第2電動発電機4の駆動力が遊星キャリア19に分配される割合が大きくなる。そして、第1ブレーキ50の制動力が十分に大きくなり、第1電動発電機3の回転が禁止されると、第2電動発電機4の駆動力は遊星キャリア19に全てが伝達されるようになる。このように、第2電動発電機4の駆動開始時にリングギヤ17側を空転可能にし、第2電動発電機4の回転負荷を低減することによって、第2電動発電機4及び第2AC/DC変換器64に大電流が流れることを防止することができる。これにより、第2AC/DC変換器64を大電流に対応した構成にする必要がなくなり、第2AC/DC変換器64の小型化及び低コスト化が可能になる。
No7の制御では、第1及び第2ブレーキ50、51をOFFにし、第1及び第2電動発電機3、4に電力を供給して共に正転させることによって、車両100は第1及び第2電動発電機3、4の両方の駆動力を用いて前進する。
No8の制御では、第1及び第2ブレーキ50、51をOFF、クラッチ7をOFF、第1及び第2電動発電機3、4を空転可能にすることによって、車両100の慣行走行が可能になる。
No9〜11の制御は、EVモードの減速時に行われる。No9の制御では、第1及び第2ブレーキ50、51をOFF、クラッチ7をOFF、第1及び第2電動発電機3、4を発電制御することによって、回生制動が行われる。
No10の制御は、No9に示す制御に続いて行われ、第1ブレーキ50を少しずつONにして第1電動発電機3を制止する。これにより、車軸60A、60Bからの駆動力は第2電動発電機4に多く分配されるようになり、第2電動発電機4で発電が行われる。車軸60A、60Bの回転は、遊星キャリア19及びサンギヤ16を介することによって増速されるため、車速が低下した状態でも効率良く回生を行うことができる。
No11の制御では、第1ブレーキ50をOFF、第2ブレーキ51をON、クラッチ7をOFF、第1電動発電機3を発電制御することによって、第1電動発電機3による回生制動が行われる。
No12及び13に示す制御は、EVモードの後進時に行われる。No12の制御では、第1ブレーキ50をOFF、第2ブレーキ51をON、第1電動発電機3を反転駆動することによって、車両100が後進する。No13に示す制御では、後進時に制動するために行われ、第1ブレーキ50をOFF、第2ブレーキ51をON、第1電動発電機3を発電制御することによって、第1電動発電機3による回生制動が行われる。No12及び13の制御は、クラッチ7はON又はOFFのいずれであってもよい。
No14〜22の制御は、内燃機関10と、第1及び第2電動発電機3、4の少なくとも一方とを駆動するHVモードにおいて行われる。
No14〜16の制御は、車両100の発進時に順に行われる。No14の制御は、車両100の停車時に行われ、第1及び第2ブレーキ50、51をOFF、クラッチ7をON、第1電動発電機3を空転制御、第2電動発電機4を発電制御、内燃機関10を駆動制御する。この状態では、遊星キャリア19の回転負荷に比べてリングギヤ17の回転負荷が十分に小さいため、内燃機関10の駆動力は遊星ギヤ18を介してリングギヤ17及び第1電動発電機3に伝達され、遊星キャリア19は回転しない。この制御によって、内燃機関10に大きな回転負荷が加わることが抑制されるため、内燃機関10のエンジンストールが防止される。
No14の制御が行われている状態からNo15の制御に移行し、第1電動発電機3を発電制御又は第1ブレーキ50を少しずつONにすると、第1電動発電機3及びリングギヤ17の回転負荷が大きくなり、内燃機関10の駆動力が遊星キャリア19にも分配されるようになり、遊星キャリア19が回転を開始する。第1電動発電機3の発電量、又は第1ブレーキ50の制動力が大きくなるほど、第1電動発電機3の回転負荷が大きくなり、内燃機関10の駆動力が遊星キャリア19に分配される割合が大きくなる。そして、第1ブレーキ50の制動力が十分に大きくなり、第1電動発電機3の回転が禁止されると、内燃機関10の駆動力は遊星キャリア19に全てが伝達されるようになる。このように、内燃機関10の駆動力を車軸60A、60B側に伝達する時に、第1電動発電機3の回転負荷を調節し、車軸60A、60B側に分配する駆動力を調節することによって、クラッチ7の操作が不要になる。
No16の制御では、No15の制御の後に、第1ブレーキ50をOFF、第1電動発電機3を駆動制御することによって、車両100は内燃機関10と第1電動発電機3の両方の駆動力を用いて前進する。
No17の制御は、EVモードの前進中に内燃機関10を始動するために行われる。No17の制御では、第1及び第2ブレーキ50、51をOFF、クラッチ7をON、第1及び第2電動発電機3、4を電動制御することによって、サンギヤ16の駆動力をクランク軸10Aに伝達し、内燃機関10をクランキングする。
No18の制御では、第1及び第2ブレーキ50、51をOFF、クラッチ7をON、第1及び第2電動発電機3、4を電動制御、内燃機関10を駆動制御することによって、車両100は第1及び第2電動発電機3、4、及び内燃機関10の駆動力を使用して加速することができる。
No19及び20の制御は、車両100の定速走行時に行われる。No19の制御では、第1及び第2ブレーキ50、51をOFF、クラッチ7をON、第1電動発電機3を電動制御、第2電動発電機4を発電制御、内燃機関10を駆動制御することによって、車両100はバッテリ66の充電を行いながら走行することができる。No20の制御では、第1及び第2ブレーキ50、51をOFF、クラッチ7をON、第1電動発電機3を電動制御、第2電動発電機4を空転制御、内燃機関10を駆動制御することによって、車両100は第2電動発電機4の回転負荷を低減して燃費を向上させつつ、走行することができる。No20の制御は、例えばバッテリ66の残量が多い場合に行われる。
No21及び22の制御は、車両100の減速時に行われる。No21の制御では、第1及び第2ブレーキ50、51をOFF、クラッチ7をON、第1及び第2電動発電機3、4を発電制御、内燃機関10を減速制御することによって、車両100は第1及び第2電動発電機3、4の回生制動力、及び内燃機関10の回転抵抗(エンジンブレーキ)を利用して制動することができる。No22の制御では、第2ブレーキ51をOFF、クラッチ7をOFFとした状態で、第1ブレーキ50を少しずつONにし、第1電動発電機3を制止させる。このとき、内燃機関10の制御は特に限定されないが、燃料消費量を抑制するために、停止又はアイドル状態に制御することが好ましい。この制御によれば、車軸60A、60Bからの駆動力は第2電動発電機4に多く分配されるようになり、第2電動発電機4で発電が行われる。車軸60A、60Bの回転は、遊星キャリア19及びサンギヤ16を介することによって増速されるため、車速が低下した状態でも効率良く回生を行うことができる。
No23〜25の制御は、内燃機関10の駆動力によって走行するENGモードにおいて行われる。No23の制御は、車両100の前進時に行われる。No23の制御では、第1ブレーキ50をON、第2ブレーキ51をOFF、クラッチ7をON、第1電動発電機3を制止、第2電動発電機4を発電制御、内燃機関10を駆動制御することによって、車両100はバッテリ66の充電を行いながら走行することができる。
No24の制御は、車両100の慣行走行時に行われる。No23の制御では、第1ブレーキ50をON、第2ブレーキ51をOFF、クラッチ7をOFF、第1電動発電機3を制止、第2電動発電機4を空転制御する。このとき、内燃機関10の制御は特に限定されないが、燃料消費量を抑制するために、停止又はアイドル状態に制御することが好ましい。
No25の制御は、車両100の減速時に行われる。No25の制御では、第1ブレーキ50をON、第2ブレーキ51をOFF、クラッチ7をON、第1電動発電機3を制止、第2電動発電機4を発電制御、内燃機関10を減速制御することによって、車両100は第2電動発電機4の回生制動力、及び内燃機関10の回転抵抗(エンジンブレーキ)を利用して制動することができる。
以上のように構成した駆動装置1は、遊星歯車機構2、第1電動発電機3、第2電動発電機4、及び内燃機関10のクランク軸10Aが同軸に配置されるため、駆動装置1の外形が簡素になる。また、遊星歯車機構2、第1電動発電機3、第2電動発電機4、及び内燃機関10を互いに近接させて配置することができるため、小型化が可能になる。また、第1及び第2電動発電機3、4が、界磁に永久磁石32、42を用いているため、界磁に電磁石を用いたものに比べて装置を小型化することができる。また、第1及び第2電動発電機3、4、遊星歯車機構2が共通のケース5に収容され、1つのユニット6を構成するため、駆動装置1全体の簡素化及び小型化が図れる。
駆動装置1では、クラッチ7によってサンギヤ16と内燃機関10のクランク軸10Aとを切断することができるため、第2電動発電機4を回転させる場合に内燃機関10の回転抵抗が第2電動発電機4に負荷として加わることを避けることができる。また、駆動装置1は、第1及び第2ブレーキ50、51を操作することによって、第1及び第2ロータ27、37の制動を行うことができ、第1及び第2電動発電機3、4の回転数を迅速かつ円滑に変化させることができる。
また、車両100は、遊星歯車機構2及びデファレンシャルギヤ装置58によって減速機が構成され、第1及び第2電動発電機3、4、及び内燃機関10の回転が、遊星歯車機構2及びデファレンシャルギヤ装置58によって減速して車軸60A、60Bに伝達される。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、遊星キャリア19の軸部19Aと、デファレンシャルギヤ装置58との間に他の減速機を介装してもよい。また、本実施形態に係る駆動装置1は、マイクロEVに限らず、2輪車や3輪車、4輪車を含む他の車輪に適用することができる。また、駆動装置1の軸線Aは、車両100の左右方向に延在するように配置されてもよい。
1...駆動装置、2...遊星歯車機構、3...第1電動発電機、4...第2電動発電機、5...ケース、6...ユニット、7...クラッチ、10...内燃機関、10A...クランク軸(出力軸)、16...サンギヤ、16A...軸部、17...リングギヤ、17B...第2円筒部、18...遊星ギヤ、19...遊星キャリア、19A...軸部、27...第1ロータ、29...第1ステータコイル、32...永久磁石、37...第2ロータ、39...第2ステータコイル、42...永久磁石、50...第1ブレーキ、51...第2ブレーキ、58...デファレンシャルギヤ装置、60A、60B...車軸、63...第1AC/DC変換器、64...第2AC/DC変換器、66...バッテリ、67...ECU、100...車両、A...軸線

Claims (7)

  1. ハイブリッド車両の駆動装置であって、
    内燃機関と、
    界磁に永久磁石を用いた第1及び第2電動発電機と、
    リングギヤ、サンギヤ、遊星キャリアを備えた遊星歯車機構とを有し、
    前記リングギヤは、前記第1電動発電機のロータである第1ロータに接続され、
    前記サンギヤは、前記第2電動発電機のロータである第2ロータに接続されると共に、前記内燃機関の出力軸に接続され、
    前記遊星キャリアは、車軸側に接続され、
    前記遊星歯車機構、前記第1電動発電機、前記第2電動発電機、及び前記内燃機関の前記出力軸が同軸に配置されていることを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。
  2. 前記内燃機関の前記出力軸は、クラッチを介して前記サンギヤに接続されていることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
  3. 前記第1ロータ及び前記第2ロータを収容するケースと、
    前記第1ロータと前記ケースとの間に設けられ、前記ケースに対する前記第1ロータの相対回転を制動する第1ブレーキと、
    前記第2ロータと前記ケースとの間に設けられ、前記ケースに対する前記第2ロータの相対回転を制動する第2ブレーキとを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
  4. 前記ケースは、前記遊星歯車機構を更に収容することを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
  5. 前記リングギヤは、自身の回転軸線と同軸に配置された筒部を有し、
    前記サンギヤは、自身の回転軸線と同軸に配置されて前記筒部を通過する軸部を有し、
    前記第1ロータは、前記筒部の外周部に結合され、
    前記第2ロータは、前記軸部の前記筒部から突出した部分に結合されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つの項に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
  6. 前記遊星キャリアは、デファレンシャルギヤ装置を介して前記車軸に接続されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つの項に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
  7. 前記ハイブリッド車両の発進時には、最初に前記第1電動発電機を空転可能状態にし、前記遊星歯車機構及び前記クラッチによって前記内燃機関及び前記第2電動発電機の少なくとも一方の駆動力を前記第1電動発電機に伝達させ、その後前記第1電動発電機の回転を抑制し、前記遊星歯車機構によって前記内燃機関及び前記第2電動発電機の少なくとも一方の駆動力の一部を前記車軸に伝達させることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つの項に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
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