JP2016107556A - ガスバリアフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストが低く、また、優れたバリア性及び優れた耐擦傷性及び帯電防止機能を備えるガスバリアフィルムを提供する。【解決手段】樹脂基材の少なくとも片面に有機層と無機層が順に積層されたガスバリアフィルムであって、前記有機層は、少なくとも前記基材面から順に密着層、ハードコート層、導電性材料を含む帯電防止層、レベリング材料を含むレベリング層からなる群より選択される複数の機能を偏在して積層される偏在層を含むことを特徴とするガスバリアフィルムを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、対象物をガスから保護する際に適用して好適なガスバリアフィルムに関する。
ガスバリアフィルムは、対象物を空気中の湿気、酸素、炭酸ガスなどのガスから保護して品質・性能の劣化を抑制する役割を有しており、食品・医薬品などの包装材料をはじめ、液晶、有機ELなどのエレクトロニクス分野でのガラスやアルミ箔などの代替としての採用も検討されている。
現在、ガスバリアフィルムの主な種類は、エチレンビニルアルコール共重合樹脂などの単体フィルム、共押出多層ナイロン(Ny)フィルム、塩化ビニリデン(PVDC)コートやポリビニルアルコール(PVA)コートのウェットコートフィルムなどがある。しかしながら、これらの種類のフィルムは、ガスバリア性が高いものでも水蒸気透過度3g/m2/day程度であり、より高度なガスバリア性を要求される包装材や電子部材としての利用は難しい。従って、より高度なバリア性を要求される場合は、アルミニウムなどの金属箔を積層せざるを得なかった。
しかしながら、金属箔を積層したフィルムを用いた包装材では、内容物が見えない、内容物検査に金属探知機を使用できない、などの問題があった。
これらの問題を克服するために、例えば、特許文献1では、高分子樹脂基材上に、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素などの無機化合物を蒸着した透明なガスバリア性フィルムについて提案がなされている。さらに、極めて高いバリア性を発現させるために、特許文献2では樹脂基材と無機層、有機層に加えて帯電防止層や硬化樹脂層などの機能層を設けた構造のものが提案されている。しかしながら、上記特許文献で作製するガスバリア性フィルムは、生産効率が低く、また耐擦傷性に劣るという問題があった。
特公昭63−28017号公報 特開2006‐88538号公報
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決しようとするものであり、製造コストが低く、また、優れたバリア性及び優れた耐擦傷性及び帯電防止機能を備えるガスバリアフィルムを提供する。
本発明の請求項1に係る発明は、樹脂基材の少なくとも片面に有機層と無機層が順に積層されたガスバリアフィルムであって、前記有機層は、少なくとも前記基材面から順に密着層、ハードコート層、導電性材料を含む帯電防止層、レベリング材料を含むレベリング層からなる群より選択される複数の機能を偏在して積層される偏在層を含むことを特徴とするガスバリアフィルムとした。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記偏在層の導電性材料の含有量が0.5wt%以上25wt%未満であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルムとした。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記無機層の純水接触角が80°以上130°以下の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリアフィルムとした。
また、本発明の請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムを用いることを特徴とする液晶表示素子とした。
また、本発明の請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムを用いることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子とした。
本発明によれば、低い製造コストと優れた光学特性、高い耐擦傷性、帯電防止性能を備えるガスバリアフィルムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るガスバリアフィルムの断面図である。
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
以下、本発明のガスバリアフィルムの実施形態を図面に沿って説明する。図1に示すように、本発明の実施形態に係るガスバリアフィルム10は、樹脂基材11の片面に、有機層12と無機層13とを順次積層した構成である。本発明の実施形態に係るガスバリアフィルムは、より高い水蒸気バリア性を達成するために、樹脂基材11の両面に有機層12と無機層13とを順次積層した構成であってもよい。
樹脂基材11としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ乳酸などの生分解性プラスチックフィルムなどがある。樹脂基材の厚みは、好ましくは12μm以上150μm以下が好ましい。
また、樹脂基材の他の層を積層する側の表面には、密着性を高めるため、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理などの物理的処理や、酸やアルカリによる薬液処理などの化学的処理を施してもよい。
本発明のガスバリアフィルムには、無機層13に隣接するように有機層12を形成している。有機層と無機層を隣接するように交互に形成することにより、バリア層の脆性やバリア性能を向上することができる。無機層の膜厚は5nm〜500nmの範囲内であれば、十分なバリア性能を得ることができる。また、無機層は2層以上形成しても構わない。
有機層の厚みが厚すぎる場合、外力によって有機層に割れが発生しやすくなりバリア性が低下する可能性がある。また、有機層の厚みが薄すぎる場合、膜厚が均一な有機層を得ることが難しく、また有機層で無機層の欠陥を埋めることが困難になりバリア性能が低下する。
有機層を形成する組成物としては、紫外線または電子線で架橋する材料であればよく、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどのうち、2官能以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するモノマーを主成分として用いることが好ましい。
有機層の形成方法は特に限定されないが、有機層の組成物が含まれた塗液を塗布する方法や真空成膜法で形成するなど適宜選択すればよい。塗布方法で形成する場合には、グラビアコート、コンマコート、ダイコート、ロールコートなどの湿式塗布で形成すればよい。
本発明にあっては、有機層12として偏在層形成用塗液を塗布することにより、密着層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層となる偏在層を同時に形成することができる。したがって、透明基材上にハードコート層及び帯電防止層を順次塗布・形成した場合と比較して、製造コストを抑えることができる。
有機層において、導電性材料は表面へ析出しやすく、且つ、レベリング材料は導電性材料よりも更に表面へ析出しやすい。したがって、偏在層を形成する際に乾燥温度、時間の条件を制御して偏在化させることにより、密着層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層と分離させることができ、それら層構成を偏在層としている。
密着層(12a)は、樹脂基材11と無機層13との密着性を高め、長期屋外設置による蒸着層の剥離発生を防止するために設けられる。
ハードコート層(12b)とは、バインダマトリックス成分である硬化型材料と導電性材料およびレベリング材料を含むことができる。主に硬化型材料から構成され、多く偏在して存在するため、ガスバリアフィルムに表面硬度を持たせることができる
帯電防止層(12c)とは、硬化型材料と導電性材料およびレベリング材料を含むことができる。導電性材料が偏在して多く存在するため帯電防止機能を発現し、帯電防止機能を有するガスバリアフィルムとすることができる。
レベリング層(12d)とは、バインダマトリックス成分である硬化型材料とレベリング材料を含むことができる。おもにレベリング材料から構成され、導電性材料は含まれていない。導電性材料が偏在層の最表面に存在した場合には、偏在層上に無機層を形成する際に偏在層と無機層の密着力が落ちるため、ガスバリアフィルムの耐擦傷性が低下してしまう。本発明のガスバリアフィルムにあっては、最表面へは導電性材料よりもレベリング材料の方が表面張力が低いために、導電性材料を含有しない層を容易に形成することができる。
また、本発明のガスバリアフィルムにあっては、レベリング層に含まれるレベリング材料が、アミド基を有する化合物、アクリル基を有する化合物、ブタジエン基を有する化合物、オレフィン基を有する化合物から選択されることが好ましい。
なお、本発明のガスバリアフィルムにおいてレベリング材料として用いられる化合物の分子量は100000以下であることが好ましいが、市販されている化合物の分子量を考慮すると、その分子量は40以上100000以下であることが好ましい。
なお、本発明において「分子量」とは、分子量1000以下の場合は構造式から求められる分子量であり、分子量が1000を超える場合には重量平均分子量を指す。
また、本発明のガスバリアフィルムにあっては、導電層に含まれる導電性材料が金属酸化物粒子を含み、かつ、レベリング層に含まれるレベリング材料がアクリル基を有する化合物を含む際に、金属酸化物粒子の平均粒子径が500nm以下であり、かつ、アクリル基を有する化合物の分子量が100000以下であることが好ましい。金属酸化物粒子の平均粒子径およびアクリル基を有する化合物の分子量(D)を所定の範囲内とすることにより、透明基材側から密着層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に偏在して積層される偏在層を形成することができる。
金属酸化物粒子の平均粒子径が500nmを上回る場合には金属酸化物粒子が偏在層表面へ偏在しやすくなり、偏在層の表面へ金属酸化物粒子が存在する。よって、最表層でレベリング層が形成されずに、低屈折率層形成材料と金属酸化物粒子が電気的反発をし、得られるガスバリアフィルムの耐擦傷性が低下してしまう。さらに得られるガスバリアフィルムのヘイズが上昇する。また、アクリル基を有する化合物の分子量(D)が100000を超える場合には、導電性材料とレベリング材料が混在して層を形成し、帯電防止層およびレベリング層が形成されなくなってしまう。
なお、本発明において、金属酸化物粒子の平均粒子径は、光散乱法により求められる。
また、本発明のガスバリアフィルムにおいて、偏在層中の導電性材料として金属酸化物粒子を用いた場合には、偏在層中の導電性材料である金属酸化物粒子の含有量は0.5wt%以上25wt%未満であることが好ましい。偏在層中の導電性材料である金属酸化物粒子の含有量が0.5wt%未満の場合にあっては、十分な帯電防止性能を得られなくなってしまうことがある。一方、導電性材料である金属酸化物粒子の含有量が25wt%を超える場合にあっては、レベリング層が上手く形成されない。
本発明のガスバリアフィルムにあっては無機層を形成する際に、導電性材料の影響を受けない。よって、偏在層と無機層の密着力の低下を防ぐことができ、ガスバリアフィルムに高い表面硬度を付与することができ、耐擦傷性に優れ、防汚性にガスバリア優れたフィルムとすることができる。
本発明のガスバリアフィルムにあっては、フィルムの表面抵抗値が1×10Ω/cm以上1×1012Ω/cm以下の範囲内であり、かつ、ガスバリアフィルムの純水接触角が80°以上130°以下の範囲内であることが好ましい。
フィルムの表面抵抗値が1×10Ω/cm2以上1×1010Ω/cm2以下の範囲内である場合は、一般的に動的な状態で埃が付着しない領域といわれており、ディスプレイの最表面に用いられる場合は、この条件が必要となる。そのため、本発明では1×1010Ω/cm2以下が好ましいこととした。
なお、前記表面抵抗値の測定方法としては、JIS−K6911(1995)に準拠して測定することができる。
また、本発明のガスバリアフィルムにあっては、純水接触角が80°以上130°以下の範囲内であることが好ましい。純水接触角を80°以上とすることにより、無機層に優れた防汚性を付与することができる。また、130°以下の範囲内とすることにより、無機層を形成する際に有機層と無機層の密着が良くなるために、高い表面硬度を付与することができ、耐擦傷性に優れ、防汚性に優れたガスバリアフィルムとすることができる。
なお、純水接触角が130°超える場合にあっては、無機層を形成する際にハジキが発生してしまい、無機層を形成することができなくなってしまう恐れがある。また、純水接触角が80°に満たない場合にあっては、十分な防汚性を得ることができなくなってしまうことがある。
なお、純水接触角の測定方法としては、JIS R3257(1999)に準拠して測定することができる。具体的には、接触角計を用いて、乾燥状態(20℃−65%RH)で液滴を針先に作り、これを試料(固体)の表面に接触させて液滴を作り、この接触角を測定することで求めることができる。接触角とは、固体と液体とが接触する点における液体表面に対する接線と固体表面とがなす角であり、液体を含む側の角度で定義される。液体としては、蒸留水が使用される。
また、無機層13との密着性を上げるために、シランカップリング剤を添加してもよい。シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するもの、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するもの、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基を有するもの、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基を有するものなどが挙げられ、これらのシランカップリング剤を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
無機層13は、有機層12上に設けられ、フィルム全体にガスバリア性を付与するために設けられる。無機層は、少なくとも珪素酸化物を含有している。また、さらに高いバリア性を必要とする場合、無機層は、アルミニウム、亜鉛、錫、鉄、マンガンから選択されるいずれかの金属またはその金属酸化物を含有していることが好ましい。
無機層13の材料には、金属珪素と二酸化珪素とを含有した蒸着材料を用いる。金属珪素と二酸化珪素とを含有した蒸着材料を蒸着させることで、フィルム全体に高いガスバリア性を付与することができる。さらに、金属珪素と二酸化珪素に、アルミニウム、亜鉛、錫、鉄、マンガンから選択されるいずれかの金属またはその金属酸化物を混合した蒸着材料を蒸着させることで、膜密度の高い無機層13が形成され、高い水蒸気バリア性を発現するとともに、樹脂基材11、有機層12との相乗効果により、高いガスバリア性と、高い耐久性を合わせ持つガスバリア性フィルムとなる。
金属珪素と二酸化珪素は、元素比O/Siが1以上1.8以下になるように混合することが望ましく、好ましくは1.2以上1.7以下である。また、アルミニウム、亜鉛、錫、鉄、マンガンから選択されるいずれかの金属またはその金属酸化物は、金属珪素と二酸化珪素の混合材料に対して1重量%以上50重量%以下混合することが望ましく、好ましくは1重量%以上40重量%以下、さらに好ましくは5重量%以上30重量%以下である。
無機層13の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法などの公知の方法を適宜用いてよいが、真空蒸着法が望ましい。また、無機層13の透明性を上げるために、蒸着材料を蒸着させる際に、蒸発した粒子と雰囲気中に導入した酸素ガスなどと反応させて蒸着させる反応蒸着をさせてもよい。酸素ガスやアルゴンガスとの反応蒸着を行うことにより、蒸着材料中の金属成分が酸化され、無機層13の透明性を向上させることができる。ガスを導入する際は、成膜室の圧力が2×10−1Pa以下にすることが望ましい。成膜室の圧力が2×10−1Paよりも大きくなってしまうと、無機層13がきれいに積層されず、水蒸気バリア性が低下してしまう。
無機層13の膜厚は、0.005μm以上0.3μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.03μm以上0.05μm以下である。0.005μmを小さいと十分なバリア性が発現せず、また0.3μmを超えると脆く、クラックが発生しやすくなり、バリア性が発現しない問題が生じる。
以下に本発明の具体的な実施例について説明する。
レベリング材料としてアクリル基を有する化合物、導電性材料として金属酸化物粒子を用いた場合の実施例について示す。
<実施例1>
(偏在層形成塗液1)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液1とした。
<実施例2>
(偏在層形成塗液2)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)1重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液2とした。
<実施例3>
(偏在層形成塗液3)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)20重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液3とした。
<比較例1>
(偏在層形成塗液4)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)0.01重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し偏在層形成塗液4とした。
<比較例2>
(偏在層形成塗液5)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)100重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液5とした。
<比較例3>
(偏在層形成塗液6)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径1000nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液6とした。
(偏在層の形成)
樹脂基材に片面がコロナ処理された厚さ12μmの二軸延伸PETフィルムを使用し、それぞれの偏在層形成塗液を塗布し、一次乾燥として25℃で10秒間乾燥炉内で乾燥させ、連続して二次乾燥として80℃で50秒間乾燥炉内で乾燥し、乾燥させた後、紫外線照射装置を用いて照射線量300mJ/mで紫外線照射をおこなうことにより乾燥膜厚5μmの透明な偏在層を形成した。
(無機層の積層工程)
元素比O/Siが1.5になるように金属珪素粉末及び二酸化珪素粉末を混合した材料を作製し、真空蒸着機を使用して、それぞれの偏在層の上に厚さ0.05μmの蒸着膜層を積層し、目的のガスバリアフィルムを作製した。
<ガスバリアフィルムの評価>
(1)表面抵抗値の測定
得られるガスバリアフィルムの低屈折率層表面についてJIS−K6911(1995)に準拠して高抵抗抵抗率計(ダイアインスツルメンツ社製、ハイレスターMCP−HT260)にて測定をおこなった。
(2)接触角の測定
得られるガスバリアフィルムの表面について、接触角計(協和界面科学社製 CA−X型)を用いて、乾燥状態(20℃−65%RH)で直径1.8mmの液滴を針先に作り、これらを試料(固体)の表面に接触させて液滴を作った。接触角とは、固体と液体とが接触する点における液体表面に対する接線と固体表面とがなす角であり、液体を含む側の角度で定義した。液体としては、蒸留水を使用した。また、前記純水接触角の測定方法としては、JIS−R3257に準拠して測定した。
(3)耐擦傷性(スチールウール(SW)の評価)
得られるガスバリアフィルムの低屈折率層表面について、学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業株式会社製、AB−301)を用いて、光学積層体の低屈折率層表面に500g/cm2の荷重をかけたスチールウール(日本スチールウール社製、ボンスター#0000)を用い、10往復擦り、擦り跡やキズなどによる外観の変化を目視で評価した。
以下の判断基準により偏在層における帯電防止層、レベリング層、ハードコート層の判定をおこなった。
「偏在層における帯電防止層の確認」
「表面抵抗値の測定」の項で求めた表面抵抗値から、帯電防止層の有無の確認をおこなった。表面抵抗値が表面抵抗値1×1010Ω/cm以下の場合を帯電防止層有りと判断し、偏表面抵抗値が表面抵抗値1×1010Ω/cmより大きい場合を帯電防止層なしと判断した。
丸印 :帯電防止層有り(表面抵抗値1×1010Ω/cm以下)
バツ印:帯電防止層無し(表面抵抗値1×1010Ω/cmより大きい)
「偏在層におけるレベリング層の確認」
レベリング層の存在は、偏在層表面の接触角及びX線光電子分光分析装置により確認した。偏在層表面の接触角の測定方法は「接触角の測定」で示したとおりである。X線光電子分光分析装置(JPS−90MXV micro(日本電子製))を用い、偏在層表面の表面分析をおこなうことにより判断した。接触角が60°以上であり、かつ、XPS測定において導電性材料特有の元素が不検出のものをレベリング層有りと判断し、接触角が60°未満および/またはXPSによる表面分析において塩素が検出されるものをレベリング層無しと判断した。また、原子量比で0.1atomic%以下のものは不検出とした。なお、測定の際のX線強度は100W(10kV、10mA)とした。
丸印 :レベリング層有り(接触角65°以上、かつ、導電性材料特有元素不検出)
バツ印:レベリング層無し(上記以外)
「偏在層におけるハードコート層の確認」
耐擦傷性(スチールウール(SW))の結果から、ハードコート層の有無の確認を以下の規準でおこなった。
丸印 :傷を確認することが出来ない。
バツ印:傷が確認できる。
その評価結果と測定結果を、表1にまとめて示す。
実施例1から3では、表面抵抗値が動的状態で埃が付着せず、帯電防止機能が十分にあることを確認した。また、無機層には優れた防汚性があり、レベリング性とハードコート性(耐擦傷性)が十分にあることを確認した。一方、比較例1では、フィルム表面抵抗値が高い場合、動的状態で埃が付着した。比較例2では、純水接触角が小さく、無機層に防汚性が確認されなかった。また導電材料の金属酸化物の含有量が多く、レベリング性が発現されず、耐擦傷性も確認されなかった。比較例3では、金属酸化物の粒径が大きく、最表層のレベリング層が形成されず耐擦傷性が確認されなかった。
実施例の結果、偏在層を、密着層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層から構成されるガスバリアフィルムとすることで、低い製造コストと優れた光学特性、高い耐擦傷性、帯電防止性能を備えるガスバリアフィルムを提供することができた。
11・・・樹脂基材
12・・・有機層
12a・・・密着層
12b・・・ハードコート層
12c・・・帯電防止層
12d・・・レベリング層
13・・・無機層

Claims (5)

  1. 樹脂基材の少なくとも片面に有機層と無機層が順に積層されたガスバリアフィルムであって、前記有機層は、少なくとも前記基材面から順に密着層、ハードコート層、導電性材料を含む帯電防止層、レベリング材料を含むレベリング層からなる群より選択される複数の機能を偏在して積層される偏在層を含むことを特徴とするガスバリアフィルム。
  2. 前記偏在層の導電性材料の含有量が0.5wt%以上25wt%未満であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルム。
  3. 前記無機層の純水接触角が80°以上130°以下の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリアフィルム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムを用いることを特徴とする液晶表示素子。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムを用いることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019079637A (ja) * 2017-10-23 2019-05-23 日東電工株式会社 透明導電性フィルムおよび透明導電性フィルム積層体

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