JP2016107210A - 濾過装置の逆洗方法及び濾過装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】逆洗における処理水の使用量を低減する又は使用することなく、濾材を効率的に再生できる洗浄効果の高い濾過装置の逆洗方法を提供すること。【解決手段】濾過装置10は、通水ルート、第1逆洗ルート、第2逆洗ルート、又は洗浄ルート、の何れかに経路を切替可能に構成される流路切替装置20と、流路切替装置20を制御する制御部70と、を備える。通水処理では、通水ルートを選択して処理水W2を得る一方で、逆洗処理では、第1逆洗ルートを選択して原水W1による第1逆洗処理を行い、第1逆洗処理後に第2逆洗ルートを選択して処理水W2による第2逆洗処理を行い、第2逆洗処理後に洗浄ルートを選択して濾材床の洗浄処理を行う。また、制御部70は、第2逆洗処理において、濾材床に供給する水量を濾材床の見掛け体積以上に設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、濾過装置の逆洗方法に関する。
従来から、原水に含まれる懸濁物質を濾材床により捕捉して処理水を製造する濾過装置において、処理水を用いた逆洗処理によって濾材の再生を行う濾過装置が知られている。この種の処理水を用いた逆洗処理を行う濾過装置を開示するものとして特許文献1がある。特許文献1には、第1、第2の三方弁によって濾過処理を行う濾過経路と、逆洗及び逆洗水の排水を行う逆洗排水経路と、を切り替えることにより、処理水を用いた逆洗を実現する構成が開示されている。
特開2008−132431号公報
濾過装置で処理された処理水を逆洗水として用いることによって、懸濁物質等が除去された清浄な水によって濾材床の再生を行うことができる。しかし、処理水を用いる逆洗処理では、逆洗処理を行うための処理水を処理水タンクに貯留しておく必要がある。逆洗を行うためには、濾材床の展開に必要な水量を確保する必要があるため、処理水タンクを設置するためのスペースを大きく確保する必要があった。また、逆洗で使用される処理水量が大きい場合、処理水を必要としている供給先に、その処理水量分を供給できなくなることになる。処理水の生産性という観点からも、従来の濾過装置の逆洗方法には改善の余地があった。
本発明は、逆洗における処理水の使用量を低減しながら、濾材床を効率的に再生できる洗浄効果の高い濾過装置の逆洗方法を提供することを目的とする。
本発明は、原水に含まれる懸濁物質を濾材床により捕捉して処理水を製造する濾過装置の逆洗方法であって、原水を前記濾材床に供給して逆洗処理を行う第1逆洗工程と、前記第1逆洗工程の後に、処理水又は処理水と同等以上の品質を持つ清浄水を前記濾材床に供給して逆洗処理を行う第2逆洗工程と、を含む濾過装置の逆洗方法に関する。
前記第2逆洗工程において、前記濾材床に供給する水量を前記濾材床の見掛け体積以上に設定することが好ましい。
また、本発明は、原水に含まれる懸濁物質を濾材床により捕捉する濾過処理によって処理水を製造すると共に、逆洗処理によって前記濾材床を再生する濾過装置であって、濾材床が収容され、前記濾材床の上層部と連通する第1通水口及び前記濾材床の下層部と連通する第2通水口を有する圧力タンクと、原水の供給源と前記第1通水口を接続する原水ラインと、前記第2通水口に接続される処理水ラインと、前記原水の供給源と前記第2通水口を接続する第1逆洗ラインと、処理水の供給源又は処理水と同等以上の品質を持つ清浄水の供給源と前記第2通水口を接続する第2逆洗ラインと、前記第1通水口に接続される第1排水ラインと、前記第2通水口に接続される第2排水ラインと、前記原水の供給源から前記原水ラインに原水を流通させると共に前記処理水ラインに処理水を流通させる通水ルート、前記原水の供給源から前記第1逆洗ラインに原水を流通させると共に前記第1排水ラインに逆洗排水を流通させる第1逆洗ルート、前記処理水の供給源若しくは前記清浄水の供給源から前記第2逆洗ラインに処理水若しくは清浄水を流通させると共に前記第1排水ラインに逆洗排水を流通させる第2逆洗ルート、又は前記原水の供給源から前記原水ラインに原水を流通させると共に前記第2排水ラインに洗浄排水を流通させる洗浄ルート、の何れかに経路を切替可能に構成される流路切替装置と、通水処理では、前記通水ルートを選択して処理水を得る一方で、前記逆洗処理では、前記第1逆洗ルートを選択して原水による第1逆洗処理を行い、前記第1逆洗処理後に前記第2逆洗ルートを選択して処理水又は清浄水による第2逆洗処理を行い、前記第2逆洗処理後に前記洗浄ルートを選択して前記濾材床の洗浄処理を行うように前記流路切替装置を制御する制御部と、を備える濾過装置に関する。
前記制御部は、前記第2逆洗処理において、前記濾材床に供給する水量を前記濾材床の見掛け体積以上に設定することが好ましい。
本発明によれば、逆洗における処理水の使用量を低減しながら、濾材床を効率的に再生できる洗浄効果の高い濾過装置の逆洗方法を提供することができる。
第1実施形態の濾過装置を概略的に示す図である。 第2実施形態の濾過装置を概略的に示す図である。
以下、本発明の逆洗方法が適用される濾過装置の好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
[第1実施形態]
第1実施形態の濾過装置10について説明する。図1は、第1実施形態の濾過装置10を概略的に示す図である。図1に示すように、第1実施形態の濾過装置10は、圧力タンク15と、原水W1や処理水W2等が流通する各種のラインと、各種のラインの経路を切り替える流路切替装置20と、濾過処理や逆洗処理等を制御する制御部70と、を主要な構成として備える。
圧力タンク15は、有底円筒状の中空容器であり、濾材床(図示省略)を収容する。圧力タンク15に収容される濾材床は、濾過装置10の目的や用途に応じて適宜の濾材を選択できる。例えば、除濁を目的とする濾材床は、濾過砂及び/又はアンスラサイトから構成され、除鉄除マンガンを目的とする濾材床は、マンガン砂及び/又はアンスラサイトから構成される。残留塩素の分解や臭気の除去を行いたい場合は、粒状の活性炭等の吸着剤を濾材として組み合わせることもできる。圧力タンク15の側面上部には、濾材床の上層部に連通する第1通水口16が配置される。また、圧力タンク15の底部には、濾材床の下層部に連通する第2通水口17が配置される。
なお、濾材床の下に濾過砂利などからなる支持床が形成されている場合、本願発明においては、この支持床も濾材床の一部を構成するものとして取り扱う。
本実施形態の濾過装置10は、各種のラインとして、第1原水ラインL10と、第2原水ラインL11と、処理水ラインL20と、水抜きラインL80と、第1逆洗ラインL30と、逆洗共通ラインL31と、第2逆洗ラインL40と、第1排水ラインL50と、第2排水ラインL60と、原水測定ラインL81と、処理水測定ラインL82と、測定排水ラインL83と、自動エア排出ラインL85と、手動エア排出ラインL86と、を備える。
流路切替装置20は、第1制御弁25と、第2制御弁28と、第3制御弁40と、逆洗排水制御弁41と、洗浄排水制御弁45と、を備える。流路切替装置20の各構成は、上述した各種のラインに配置される。流路切替装置20は、制御部70に電気的に接続されており、制御部70からの制御信号に基づいて各バルブの経路の開閉及び切替を行う。
次に、各種のライン及びラインに配置される各構成について説明する。
第1原水ラインL10は、その上流側の端部が原水W1の供給源(例えば、地下水源)に接続され、下流側の端部が第1制御弁25に接続される。第1原水ラインL10には、原水W1の流量の調節を行う原水流量調節弁21が配置される。
第2原水ラインL11は、その上流側の端部が第1制御弁25に接続され、下流側の端部が第1通水口16に接続される。
第1制御弁25は、三方弁であり、第1原水ラインL10及び第2原水ラインL11に加え、後述する第1逆洗ラインL30が接続される。第1制御弁25によって、第1原水ラインL10と第2原水ラインL11が接続される経路と、第1原水ラインL10と第1逆洗ラインL30が接続される経路と、が切替可能になっている。
処理水ラインL20は、その上流側の端部が第2通水口17に接続され、下流側の端部が処理水タンク90に接続される。処理水ラインL20には、上流側から順に、メンテナンスバルブ26、流量センサ27、第2制御弁28、サイホンブレーカ29、処理水流量調節弁30が配置される。メンテナンスバルブ26は、経路の開閉を行うバルブであり、メンテナンス作業で使用される。流量センサ27は、処理水ラインL20を流れる流体の流量を測定する。第2制御弁28は、処理水ラインL20の経路の開閉を行う。サイホンブレーカ29は、処理水ラインL20の内部に生じるサイホン現象を防止する。処理水流量調節弁30は、処理水W2の流量を調節する。
水抜きラインL80は、処理水ラインL20の経路途中に接続される。水抜きラインL80には、水抜き弁51が配置されている。
第1逆洗ラインL30は、その上流側の端部が第1制御弁25に接続され、下流側の端部が第3制御弁40に接続される。
逆洗共通ラインL31は、その上流側の端部が第3制御弁40に接続され、下流側の端部が処理水ラインL20の経路途中に接続される。本実施形態では、逆洗共通ラインL31と処理水ラインL20の接続箇所は、処理水ラインL20におけるメンテナンスバルブ26と流量センサ27の間である。
第3制御弁40は、三方弁であり、第1逆洗ラインL30及び逆洗共通ラインL31に加え、後述する第2逆洗ラインL40が接続される。第3制御弁40によって、第1逆洗ラインL30と逆洗共通ラインL31が接続される経路と、第2逆洗ラインL40と逆洗共通ラインL31が接続される経路と、が切替可能になっている。
第2逆洗ラインL40は、その上流側の端部が処理水タンク90に接続され、下流側の端部が第3制御弁40に接続される。第2逆洗ラインL40には、その上流側から順に、メンテナンスバルブ31、逆洗ポンプ32、メンテナンスバルブ33、逆止弁34、逆洗流量センサ35、温度センサ36、逆洗処理水流量調節弁37が配置される。メンテナンスバルブ31及びメンテナンスバルブ33は、経路の開閉を行うバルブであり、メンテナンス作業で使用される。逆止弁34は、第2逆洗ラインL40を流れる処理水W2が処理水タンク90に逆流するのを妨げる。逆洗流量センサ35は、逆洗水として圧力タンク15に送られる処理水W2の流量を測定する。
第1排水ラインL50は、その上流側の端部が第1通水口16に接続され、下流側の端部は排水回収部(図示省略)に接続される。第1排水ラインL50には、上流側から順に、逆洗排水制御弁41、逆洗排水サイホンブレーカ73が配置される。
第2排水ラインL60は、その上流側の端部が処理水ラインL20における流量センサ27と第2制御弁28の間に接続される。第2排水ラインL60の下流側の端部は、第1排水ラインL50における逆洗排水制御弁41の下流側の近傍で接続される。第2排水ラインL60には、上流側から順に、洗浄排水制御弁45、排水流量調節弁46が配置される。
原水測定ラインL81は、その上流側の端部が圧力タンク15の上部に接続され、下流側の端部が濁度監視装置96に接続される。原水測定ラインL81には、上流側から順に、メンテナンスバルブ81、ストレーナ82、検水弁83、圧力計84、原水圧力スイッチ85が配置される。
処理水測定ラインL82は、その上流側の端部が水抜きラインL80における水抜き弁51の上流側に接続される。処理水測定ラインL82の下流側の端部は、濁度監視装置96に接続される。処理水測定ラインL82には、メンテナンスバルブ91、ストレーナ92、検水弁93、圧力計94、が配置される。また、処理水測定ラインL82と原水測定ラインL81の間には、原水測定ラインL81を流れる流体と処理水測定ラインL82を流れる流体との差圧を検出する差圧スイッチ95が配置される。濁度監視装置96で測定された測定排水は、測定排水ラインL83を通じて系外に排出される。
自動エア排出ラインL85は、圧力タンク15の上部に接続される。自動エア排出ラインL85には、自動空気抜き弁71が配置される。手動エア排出ラインL86は、自動エア排出ラインL85における自動空気抜き弁71の上流側に接続される。手動エア排出ラインL86には、手動空気抜き弁72が配置される。
第1実施形態の濾過装置10は、以上説明した各種のライン及び流路切替装置20を備え、各処理工程に応じてその経路が切り替えられる。この濾過装置10は、原水W1に対して濾過処理を行って処理水W2を製造する通水処理(通水工程)、濾材を再生する逆洗処理(逆洗工程)、逆洗後に濾材を洗浄する洗浄処理(洗浄工程)を行う。次に、濾過装置10の各処理(工程)における制御部70の制御について説明する。
<通水処理>
通水処理では、予め設定される通水ルートに基づいて経路が切り替えられる。通水処理が開始されると、制御部70は、第1制御弁25を制御して第1原水ラインL10と第2原水ラインL11を接続すると共に、逆洗排水制御弁41を閉状態に制御する。また、制御部70は、第2制御弁28を開状態に制御すると共に、第3制御弁40及び洗浄排水制御弁45を閉状態に制御する。なお、原水W1の流量は、原水流量調節弁21によって調節され、処理水W2の流量は、処理水流量調節弁30によって調節される。
以上の制御によって、第1原水ラインL10及び第2原水ラインL11によって第1通水口16が原水W1の供給源に接続され、原水W1が圧力タンク15内の濾材床の上層部に供給される。濾材床によって懸濁物質が除去された処理水W2は、第2通水口17から処理水ラインL20を通じて処理水タンク90に供給される。処理水タンク90は、処理水W2を貯留し、供給先の要求に応じて外部に処理水W2を供給する。
<逆洗処理>
制御部70は、予め設定されるスケジュール又は濁度監視装置96の検出値等に基づいて逆洗処理を開始する。第1実施形態では、原水W1を逆洗水として用いる第1逆洗処理(第1逆洗工程)と、処理水W2を逆洗水として用いる第2逆洗処理(第2逆洗工程)と、の2段階で逆洗処理を行う。逆洗処理全体を通じて供給される水量は、典型的には、5〜12BVの範囲に設定され、この水量が第1逆洗処理と第2逆洗処理に振り分けられる。ここで、水量の単位である“BV”は、Bed Volumeの略語であり、濾材床(支持床を含む)の見掛け体積に対して何倍量の水を流すかを示すものである。また、濾材床における逆洗水の線速度は、典型的には25〜35m/hの範囲に設定される。
まず、第1逆洗処理について説明する。第1逆洗処理が開始されると、制御部70は、予め設定される第1逆洗ルートに基づいて各種のラインの経路を切り替える制御を行う。第1実施形態では、制御部70は、第1制御弁25を制御して第1原水ラインL10と第1逆洗ラインL30を接続すると共に、第3制御弁40を制御して第1逆洗ラインL30を逆洗共通ラインL31に接続する。そして、第2制御弁28及び洗浄排水制御弁45を閉状態に制御すると共に、逆洗排水制御弁41を開状態に制御する。なお、原水W1の流量は、原水流量調節弁21によって調節される。
以上の制御によって、第1逆洗ラインL30が、逆洗共通ラインL31及び処理水ラインL20を介して第2通水口17に接続され、原水W1が圧力タンク15内の濾材床の下層部に供給される。第1逆洗処理で生じた逆洗排水W3は、第1通水口16から第1排水ラインL50を通じて系外に排出される。このように、第1逆洗処理では、原水W1を用いて逆洗が行われる。また、第1逆洗処理で供給される原水W1の水量は、前述した逆洗処理全体を通じて供給される水量(5〜12BV)から、後述する第2逆洗処理で供給される処理水W2の水量を差し引いた水量に設定される。
次に、第2逆洗処理について説明する。第1逆洗処理が完了した後、第2逆洗処理が開始される。第2逆洗処理では、制御部70は、予め設定される第2逆洗ルートに設定される第2逆洗ルートに基づいて各種のラインの経路を切り替える制御を行う。制御部70は、第3制御弁40を制御して第2逆洗ラインL40と逆洗共通ラインL31を接続すると共に、第1制御弁25、第2制御弁28及び洗浄排水制御弁45を閉状態に制御し、逆洗排水制御弁41を開状態に制御する。更に、制御部70は、逆洗ポンプ32を駆動する。
以上の制御によって、第2逆洗ラインL40が、逆洗共通ラインL31及び処理水ラインL20を介して第2通水口17に接続され、処理水W2が圧力タンク15内の濾材床の下層部に供給される。第2逆洗処理で生じた逆洗排水W3は、第1通水口16から第1排水ラインL50を通じて系外に排出される。このように、第2逆洗処理では、処理水W2を用いて逆洗が行われる。
第2逆洗処理で圧力タンク15に供給される処理水W2の水量について説明する。本実施形態では、逆洗処理後に実行される洗浄処理での供給水量を過剰に増加させない観点から、処理水W2の供給水量を濾材床の見掛け体積以上(すなわち、1BV以上)に設定する。処理水W2の供給水量が1BV未満の場合には、濾材床(支持床を含む)の空隙部分に、第1逆洗処理で導入した原水W1に含まれる懸濁物質が残留するおそれがある。懸濁物質の残留は、通水処理初期の処理水W2の水質に影響するので、洗浄処理においては、排水濁度を所要値以下(例えば、1.0NTU以下)まで低下させておく必要がある。しかし、処理水W2の供給水量が1BV未満であると、相対的に懸濁物質の残留量が増え、洗浄処理の供給水量が増大する結果を招く。特に、原水W1の濁度が高い場合には、洗浄処理の供給水量の過剰な増加に繋がる。
一方、処理水W2の使用量を低減する観点から、処理水W2の供給水量は、逆洗処理全体を通じて供給される水量(5〜12BV)の50%以下に設定するのが望ましい。なお、上述の通り、濾材床の見掛け体積以上の水量を供給することで清浄効果を十分にもたらすことができる。
<洗浄処理>
逆洗処理の後、洗浄処理が開始される。洗浄処理では、予め設定される洗浄ルートに基づいて各種のラインの経路が切り替えられる。洗浄処理が開始されると、制御部70は、第1制御弁25を制御して第1原水ラインL10と第2原水ラインL11を接続すると共に、逆洗排水制御弁41を閉状態に制御する。また、制御部70は、洗浄排水制御弁45を開状態に制御すると共に、第2制御弁28及び第3制御弁40を閉状態に制御する。
以上の制御によって、第1原水ラインL10及び第2原水ラインL11によって第1通水口16が原水W1の供給源に接続され、原水W1が圧力タンク15内の濾材床の上層部に供給される。また、第2排水ラインL60が処理水ラインL20を介して第2通水口17に接続され、第2通水口から流出した洗浄排水W4は、処理水ラインL20、第2排水ラインL60、第1排水ラインL50を通じて系外に排出される。所定時間の経過又は濁度監視装置96の検出値等に基づいて洗浄処理を完了し、通水処理に移行する。なお、濾材床における洗浄水(原水W1)の線速度は、典型的には10〜20m/hの範囲に設定される。
以上の処理を繰り返すことによって、高品質な処理水W2を継続して製造し続けることができる。第1実施形態の濾過装置10は、逆洗処理において原水W1と処理水W2を併用しているので、処理水W2の使用量を効果的に低減できる。これにより、逆洗処理に処理水W2を使用している場合において、大きな容量が必要だった処理水タンク90の容量を小さくすることができ、濾過装置10が適用される設備におけるスペースを有効に活用することができる。更に、原水W1による逆洗を行った後に処理水W2による逆洗を行うので、濾材床は処理水W2によってリンスされた状態となっており、洗浄処理での原水W1の使用量を低減したり、原水W1の水質によっては、洗浄処理そのものをなくしたりすることもできる。
以上説明した第1実施形態の濾過装置10によれば、以下のような効果を奏する。
第1実施形態の濾過装置10は、原水W1の供給源から第1原水ラインL10及び第2原水ラインL11に原水W1を流通させると共に処理水ラインL20に処理水W2を流通させる通水ルート、原水W1の供給源から第1逆洗ラインL30に原水W1を流通させると共に第1排水ラインL50に逆洗排水W3を流通させる第1逆洗ルート、処理水タンク90から第2逆洗ラインL40に処理水W2を流通させると共に第1排水ラインL50に逆洗排水W3を流通させる第2逆洗ルート、又は原水W1の供給源から第1原水ラインL10及び第2原水ラインL11に原水W1を流通させると共に第2排水ラインL60に洗浄排水W4を流通させる洗浄ルート、の何れかに経路を切替可能に構成される流路切替装置20と、流路切替装置20を制御する制御部70と、を備える。通水処理では、通水ルートを選択して処理水W2を得る一方で、逆洗処理では、第1逆洗ルートを選択して原水W1による第1逆洗処理を行い、第1逆洗処理後に第2逆洗ルートを選択して処理水W2による第2逆洗処理を行い、第2逆洗処理後に洗浄ルートを選択して濾材床の洗浄処理を行う。
これにより、原水W1による逆洗の後に、清浄な処理水W2によって濾材床が逆洗されるので、処理水W2の使用量を大幅に低減しつつ、濾材床を効果的に洗浄することができる。また、従来のように、処理水だけで逆洗処理を行う場合は、処理水タンクの容量を逆洗全体で必要な水量を貯留できるように確保しなければならないため、処理水タンクが大型化してしまう。本実施形態の濾過装置10であれば、処理水W2の必要量を低減できるので、処理水タンク90を小型化することができ、濾過システム全体としての省スペース化を実現できる。
また、本実施形態では、制御部70は、第2逆洗処理において、濾材床に供給する水量を濾材床の見掛け体積以上に設定する。これにより、濾材床の空隙に懸濁物質が残留しにくいので、原水W1と共に処理水W2を逆洗水として併用しつつ、処理水W2で逆洗処理を行ったときと、同等の再生効果を得ることができる。
[第2実施形態]
次に、圧力タンクの上部にコントロールバルブを配置した構成の濾過装置の一例として、第2実施形態の濾過装置201について説明する。図2は、第2実施形態の濾過装置201を概略的に示す図である。
図2に示すように、第2実施形態の濾過装置201は、圧力タンク215と、原水W1や処理水W2等が流通する各種のラインと、各種のラインの経路を切り替える供給水制御弁250及びコントロールバルブ(流路切替装置)230と、経路の切替を制御する制御部270と、を主要な構成として備える。
圧力タンク215は、有底円筒状の中空容器であり、濾材床を収容する。圧力タンク215の上部には、第1通水口217が配置される。また、圧力タンク215は、その内部に導水管218が配置される。導水管218は、長手方向が上下方向を向いた状態で圧力タンク215の内部中央に固定される。導水管218は、その上端部がコントロールバルブ230に接続され、下端部には、第2通水口219が形成される。
第2実施形態の濾過装置201は、各種のラインとして、原水ラインL100と、供給ラインL101と、処理水搬送ラインL102と、排出ラインL104と、逆洗水供給ラインL105と、を備える。また、通水ラインL214と、処理水ラインL215と、バイパスラインL224と、第1排水ラインL226と、第2排水ラインL227と、がコントロールバルブ230の内部に各種のラインとして配置される。
原水ラインL100は、その上流側の端部が原水W1の供給源に接続され、下流側の端部が供給水制御弁250に接続される。
供給ラインL101は、その上流側の端部が供給水制御弁250に接続され、下流側の端部がコントロールバルブ230に接続される。
供給水制御弁250は、三方弁であり、原水ラインL100及び供給ラインL101に加え、後述する逆洗水供給ラインL105が接続される。供給水制御弁250によって、原水ラインL100と供給ラインL101が接続される経路と、逆洗水供給ラインL105と供給ラインL101が接続される経路と、が切替可能になっている。
処理水搬送ラインL102は、その上流側の端部がコントロールバルブ230に接続され、下流側の端部が処理水タンク(図示省略)又は処理水の供給先に接続される。
排出ラインL104は、コントロールバルブ230に接続され、この排出ラインL104を通じて逆洗処理で生じる逆洗排水W3や洗浄処理で生じる洗浄排水W4が系外に排出される。
逆洗水供給ラインL105は、その上流側の端部が第2逆洗処理で用いる逆洗水の供給源に接続され、下流側の端部が供給水制御弁250に接続される。上述の通り、供給水制御弁250によって、逆洗水供給ラインL105と供給ラインL101が接続されることによって、コントロールバルブ230を介して圧力タンク215に第2逆洗処理で用いる逆洗水を供給可能となっている。
第2実施形態では、第2逆洗処理の逆洗水として処理水と同等以上の品質を持つ清浄水W5を使用する。ここでいう「処理水と同等以上の品質を持つ清浄水」とは、懸濁物質の濃度について、処理水の濁度以下の水をいい、逆洗を行う対象の濾過装置201とは別の処理系統で得られた水のことである。
使用する清浄水W5は、濁度が所定以下であることを条件として以下のものを採用することができる。例えば、上水道や簡易水道から取り入れた飲料水(濁度:0.1〜1.0NTU)を清浄水として使用することができる。また、工業用水をMF膜装置やUF膜装置が組み込まれた浄化システムで処理した水(濁度:0.02〜0.1NTU)を清浄水として使用することができる。また、工業用水を2床2塔式イオン交換装置や逆浸透膜装置が組み込まれた純水システムで処理した水(濁度:<0.02NTU)を清浄水として使用することも可能である。更に、第2実施形態の濾過装置201とは別の濾過装置で処理された処理水を逆洗水として使用することも可能である。
なお、清浄水に許容される濁度は、逆洗対象の濾過装置で得られる処理水の濁度により異なるが、典型的には1.0NTU以下の水が好ましく、0.5NTU以下の水がより好ましい。例えば、逆洗対象の濾過装置で得られる処理水の平均濁度が例えば0.2NTUである場合、第2逆洗処理では、濁度が0.2NTU以下の清浄水を使用する。
以上のように、各種のラインによって、処理対象の原水W1及び逆洗水としての清浄水W5がコントロールバルブ230に供給可能になっている。次に、コントロールバルブ230の内部に配置されるラインについて説明する。
通水ラインL214は、その上流側の端部が供給ラインL101に接続され、下流側の端部が第1通水口217に接続される。通水ラインL214には、経路の開閉を行う第1制御弁206が配置される。
処理水ラインL215は、その上流側の端部が導水管218を介して第2通水口219に接続され、下流側の端部が処理水搬送ラインL102に接続される。通水ラインL214には、経路の開閉を行う第2制御弁207が配置される。
バイパスラインL224は、通水ラインL214と処理水ラインL215をバイパスする。本実施形態のバイパスラインL224は、第1制御弁206の上流側で通水ラインL214に接続され、第2制御弁207の下流側で処理水ラインL215に接続される。バイパスラインL224には、経路の開閉を行う第3制御弁208が配置される。
第1排水ラインL226は、その上流側の端部が第1通水口217に接続される。第1排水ラインL226には、経路の開閉を行う第4制御弁209が配置される。第2排水ラインL227は、その上流側の端部が導水管218を介して第2通水口219に接続される。第2排水ラインL227には、経路の開閉を行う第5制御弁210が配置される。そして、第2排水ラインL227及び第1排水ラインL226は、その下流側で合流し、排出ラインL104に接続されている。第2排水ラインL227及び第1排水ラインL226の合流箇所には、定流量弁(ゴムオリフィス)228が配置される。
第2実施形態の濾過装置201は、以上のように構成される。次に、濾過装置201によって行われる各種の処理について説明する。第2実施形態の濾過装置201は、原水W1に対して濾過処理を行って処理水W2を製造する通水処理(通水工程)、濾材を再生する逆洗処理(逆洗工程)、濾材を沈降させる沈降処理(沈降工程)、逆洗後に濾材を洗浄する洗浄処理(洗浄工程)を行う。
<通水処理>
通水処理では、予め設定される通水ルートに基づいて経路が切り替えられる。通水処理が開始されると、制御部270は、供給水制御弁250を制御して原水ラインL100と供給ラインL101を接続する。また、制御部270は、第1制御弁206及び第2制御弁207を開状態に制御すると共に、第3制御弁208、第5制御弁210及び第4制御弁209を閉状態に制御する。これにより、原水ラインL100が、供給ラインL101及び通水ラインL214を介して第1通水口217に接続され、原水W1が第1通水口217から圧力タンク215の内部に供給される。圧力タンク215に供給された原水W1は、濾材床で処理されて処理水W2が製造され、第2通水口219から導水管218及び処理水ラインL215を通じて処理水W2が処理水搬送ラインL102に送られる。処理水W2は、処理水搬送ラインL102によって処理水タンク(図示省略)又は処理水W2の供給先に送られる。
<逆洗処理>
第2実施形態の逆洗処理では、原水W1を逆洗水として用いる第1逆洗処理(第1逆洗工程)と、清浄水W5を逆洗水として用いる第2逆洗処理(第2逆洗工程)と、の2段階で逆洗処理を行う。上述の通り、逆洗水の切替は、コントロールバルブ230の上流側で供給水制御弁250によって行われる。第1逆洗処理では、制御部270は、供給水制御弁250を制御して原水ラインL100と供給ラインL101を接続する。第2逆洗処理では、制御部270は、供給水制御弁250を制御して逆洗水供給ラインL105と供給ラインL101を接続する。
コントロールバルブ230に至る時点で逆洗水が切り替えられているので、第1逆洗処理と第2逆洗処理のコントロールバルブ230の切替制御は同じ制御である。次に、逆洗処理におけるコントロールバルブ230の制御について説明する。
制御部270は、第1制御弁206を閉状態に制御し、第2制御弁207及び第3制御弁208を開状態に制御する。また、制御部270は、第4制御弁209を開状態に制御し、第5制御弁210を閉状態に制御する。これにより、逆洗水(原水W1及び清浄水W5)が、供給ラインL101、通水ラインL214、バイパスラインL224、処理水ラインL215、導水管218を介して第2通水口219から圧力タンク215の内部に供給される。圧力タンク215の内部では、第2通水口219から供給された逆洗水によって、濾材が洗浄され、その逆洗排水W3は、圧力タンク215の第1通水口217から第1排水ラインL226を介して排出ラインL104に送られ、系外に排出される。
コントロールバルブ230が、このように制御された状態で、第1逆洗処理では原水W1が逆洗水としてコントロールバルブ230に供給され、第2逆洗処理では処理水(又は清浄水)W2が逆洗水としてコントロールバルブ230に供給され、それぞれの処理で逆洗が行われる。即ち、第2実施形態の第1逆洗処理では、原水ラインL100が、第1逆洗ラインとして機能し、原水W1の供給源と第2通水口219を接続する。そして、第2逆洗処理では、逆洗水供給ラインL105が第2逆洗ラインとして機能し、清浄水W5の供給源と第2通水口219を接続する。第1逆洗処理及び第2逆洗処理のいずれの処理においても、逆洗で生じた逆洗排水W3は第1排水ラインL226及び排出ラインL104を通じて系外に排出される。
<沈降処理>
沈降処理では、逆洗処理で浮上した濾材を重力で沈降させて静置するため、所定時間が経過するまで第1制御弁206を閉じる等して原水W1の供給を停止する。
<洗浄処理>
洗浄処理では、予め設定される洗浄ルートに基づいて経路が切り替えられる。制御部270は、供給水制御弁250を制御して原水ラインL100と供給ラインL101を接続する。また、制御部270は、第1制御弁206を開状態に制御し、第2制御弁207及び第3制御弁208を閉状態に制御する。更に、制御部270は、第5制御弁210を開状態に制御し、第4制御弁209を閉状態に制御する。これにより、原水ラインL100が供給ラインL101及び通水ラインL214を介して第1通水口217に接続され、原水W1が第1通水口217から圧力タンク215の内部に供給される。圧力タンク215の内部に供給された原水W1は、圧力タンク215の上部から下部へ、濾材床を通され、濾材床の濯ぎを行う。洗浄処理で生じた洗浄排水W4は、圧力タンク215の第2通水口219から導水管218及び第2排水ラインL227を通じて排出ラインL104から系外に排出される。
第2実施形態の濾過装置201は、以上のように構成される。この第2実施形態の濾過装置201によれば、原水W1を用いた第1逆洗処理と清浄水W5を用いた第2逆洗処理によって逆洗処理を行うので、濾過装置201の処理水W2を使用することなく、洗浄効果の高い逆洗処理を行うことができる。
以上、本発明の逆洗方法を適用した濾過装置の好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
上記実施形態では、濾過装置が単独で用いられるものを例として説明したが、濾過装置を複数台備える構成に本発明を適用できる。例えば、2塔並列接続した濾過装置において交互通水とし、通水中の一方の濾過装置で製造された処理水を直接的に他方の濾過装置に導入して第2逆洗処理の逆洗水として使用することも可能である。
第1実施形態の濾過装置10では、第2逆洗処理における逆洗水として処理水W2を用いたが、第2実施形態で説明した清浄水W5を逆洗水として用いることができる。また、第2実施形態の濾過装置201では、第2逆洗処理における逆洗水として清浄水W5を用いたが、濾過装置201で処理した処理水W2を処理水タンクに貯留し、貯留した処理水W2を用いて第2逆洗処理を行うように構成することもできる。また、第2実施形態で説明したコントロールバルブ230の構成は一例であり、ラインや弁の構成は適宜変更できる。
[実験例]
次に、本発明の逆洗方法を適用したカラム実験について説明する。本実験は、原水で逆洗を行う第1逆洗処理と処理水で逆洗を行う第2逆洗処理とを含む逆洗方法の水使用量の低減効果を検証するものである。
<実験A>
本実験では、通水工程として、再生済みの濾材床に対して15m/hの線速度で濁度70NTUの原水を通水した。処理水の濁度が1.0NTU以上となった時点で通水工程を終了し、引き続いて逆洗工程及び洗浄工程を実施した。第1逆洗工程及び洗浄工程では、濁度70NTUの原水を用いて、また第2逆洗工程では、濁度0.1NTU程度の水道水(処理水と同等以上の品質を持つ清浄水を模擬した松山市水道水)を用いて、各工程の供給水量(水使用量)について調べた。本試験に適用した諸条件は、次の通りである。
◎カラムの直径:50mm
◎濾材床の見掛け体積: 1.9L(カラムの底部から順に、φ12〜20の濾過砂利0.1L、φ2〜4の濾過砂利0.2L、φ0.5の濾過砂1.2L、及びアンスラサイト0.4Lを充填)
◎第1逆洗工程及び第2逆洗工程の線速度: 30m/h
◎逆洗工程全体の供給水量: 10.4BV
◎洗浄工程の線速度: 15m/h
◎洗浄工程の供給水量: 3.1BV(比較例)
比較例A
従来の濾過装置に再生条件に準じた操作であり、逆洗工程を処理水のみで実施すると共に、供給水量を10.4BVに設定した。また、洗浄工程の供給水量を3.1BVに設定した。
実施例A1〜A3
本願発明に対応する操作として、逆洗工程全体で使用する10.4BVの供給水量を第1逆洗工程と第2逆洗工程に振り分けた。洗浄工程では、排水濁度が1.0NTUとなるまで通水した。
参考例A
逆洗工程を原水のみで実施(すなわち、第2逆洗工程の処理水の供給水量が1BV未満)すると共に、供給水量を10.4BVに設定した。洗浄工程では、排水濁度が1.0NTUとなるまで通水した。
比較例A、実施例A1〜A3及び参考例Aの結果を表1に示す。
Figure 2016107210
表1によると、実施例A1〜A3は、処理水の供給水量を比較例Aよりも50%以上低減させた上で、逆洗工程及び洗浄工程を通じた供給水量を、比較例Aと同等か(実施例A3)、比較例Aよりも低減させる(実施例A1,A2)ことができた。特に、実施例A1では、洗浄工程のスタート時点で排水濁度が1.0NTU未満となっていたため、洗浄工程での供給水量がほぼゼロの状態で再生を終了することができた。また、原水のみを使用した参考例Aは、逆洗工程及び洗浄工程を通じた供給水量が比較例Aの114%まで増加した。
<実験B>
本実験では、通水工程として、再生済みの濾材床に対して15m/hの線速度で濁度10NTUの原水を通水した。処理水の濁度が1.0NTU以上となった時点で通水工程を終了し、引き続いて逆洗工程及び洗浄工程を実施した。第1逆洗工程及び洗浄工程では、濁度10NTUの原水を用いて、また第2逆洗工程では、濁度0.1NTU程度の水道水(処理水と同等以上の品質を持つ清浄水を模擬した松山市水道水)を用いて、各工程の供給水量(水使用量)について調べた。本試験に適用した諸条件は、上述の試験Aと同様である。
比較例B
従来の濾過装置に再生条件に準じた操作であり、逆洗工程を処理水のみで実施すると共に、供給水量を10.4BVに設定した。また、洗浄工程の供給水量を3.1BVに設定した。
実施例B1〜B3
本願発明に対応する操作として、逆洗工程全体で使用する10.4BVの供給水量を第1逆洗工程と第2逆洗工程に振り分けた。洗浄工程では、排水濁度が1.0NTUとなるまで通水した。
参考例B
逆洗工程を原水のみで実施(すなわち、第2逆洗工程の処理水の供給水量が1BV未満)すると共に、供給水量を10.4BVに設定した。洗浄工程では、排水濁度が1.0NTUとなるまで通水した。
比較例B、実施例B1〜B3及び参考例Bの結果を表2に示す。
Figure 2016107210
表2によると、実施例B1〜B3は、処理水の供給水量を比較例Bよりも50%以上低減させた上で、逆洗工程及び洗浄工程を通じた供給水量を、比較例Bよりも低減させることができた。特に、実施例B1,B2では、洗浄工程のスタート時点で排水濁度が1.0NTU未満となっていたため、洗浄工程での供給水量がほぼゼロの状態で再生を終了することができた。また、原水のみを使用した参考例Bは、逆洗工程及び洗浄工程を通じた供給水量が比較例Bよりも減少した。
10 濾過装置
15 圧力タンク
16 第1通水口
17 第2通水口
20 流路切替装置
L10 第1原水ライン(原水ライン)
L11 第2原水ライン(原水ライン)
L20 処理水ライン
L30 第1逆洗ライン
L40 第2逆洗ライン
L50 第1排水ライン
L60 第2排水ライン
70 制御部
90 処理水タンク(処理水の供給源)
201 濾過装置
215 圧力タンク
217 第1通水口
219 第2通水口
230 コントロールバルブ(流路切替装置)
270 制御部
L100 原水ライン(第1逆洗ライン)
L105 逆洗水供給ライン(第2逆洗ライン)
L215 処理水ライン
L226 第1排水ライン
L227 第2排水ライン

Claims (4)

  1. 原水に含まれる懸濁物質を濾材床により捕捉して処理水を製造する濾過装置の逆洗方法であって、
    原水を前記濾材床に供給して逆洗処理を行う第1逆洗工程と、
    前記第1逆洗工程の後に、処理水又は処理水と同等以上の品質を持つ清浄水を前記濾材床に供給して逆洗処理を行う第2逆洗工程と、
    を含む濾過装置の逆洗方法。
  2. 前記第2逆洗工程において、前記濾材床に供給する水量を前記濾材床の見掛け体積以上に設定する、請求項1に記載の濾過装置の逆洗方法。
  3. 原水に含まれる懸濁物質を濾材床により捕捉する濾過処理によって処理水を製造すると共に、逆洗処理によって前記濾材床を再生する濾過装置であって、
    濾材床が収容され、前記濾材床の上層部と連通する第1通水口及び前記濾材床の下層部と連通する第2通水口を有する圧力タンクと、
    原水の供給源と前記第1通水口を接続する原水ラインと、
    前記第2通水口に接続される処理水ラインと、
    前記原水の供給源と前記第2通水口を接続する第1逆洗ラインと、
    処理水の供給源又は処理水と同等以上の品質を持つ清浄水の供給源と前記第2通水口を接続する第2逆洗ラインと、
    前記第1通水口に接続される第1排水ラインと、
    前記第2通水口に接続される第2排水ラインと、
    前記原水の供給源から前記原水ラインに原水を流通させると共に前記処理水ラインに処理水を流通させる通水ルート、前記原水の供給源から前記第1逆洗ラインに原水を流通させると共に前記第1排水ラインに逆洗排水を流通させる第1逆洗ルート、前記処理水の供給源若しくは前記清浄水の供給源から前記第2逆洗ラインに処理水若しくは清浄水を流通させると共に前記第1排水ラインに逆洗排水を流通させる第2逆洗ルート、又は前記原水の供給源から前記原水ラインに原水を流通させると共に前記第2排水ラインに洗浄排水を流通させる洗浄ルート、の何れかに経路を切替可能に構成される流路切替装置と、
    通水処理では、前記通水ルートを選択して処理水を得る一方で、前記逆洗処理では、前記第1逆洗ルートを選択して原水による第1逆洗処理を行い、前記第1逆洗処理後に前記第2逆洗ルートを選択して処理水又は清浄水による第2逆洗処理を行い、前記第2逆洗処理後に前記洗浄ルートを選択して前記濾材床の洗浄処理を行うように前記流路切替装置を制御する制御部と、
    を備える濾過装置。
  4. 前記制御部は、
    前記第2逆洗処理において、前記濾材床に供給する水量を前記濾材床の見掛け体積以上に設定する、請求項3に記載の濾過装置。
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