JP2016106562A - 麹菌変異株、形質転換体及び糖化酵素の生産方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フルフラールに対する耐性を備える麹菌変異株を提供し、さらに、前記麹菌変異株から得られた形質転換体、及び該形質転換体を用いた糖化酵素の生産方法を提供する。
【解決手段】麹菌変異株は、フルフラール含有培地でアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)AOK27L株を培養して変異させ、前記培地で生育する菌を選択し、フルフラール耐性を備える。麹菌変異株は、例えば、アスペルギルス・オリゼHO−FR株(受託番号:NITE BP−01953)である。形質転換体は、前記麹菌変異株に、糖化酵素遺伝子が導入されたものである。糖化酵素の生産方法は、前記麹菌変異株又は前記形質転換体を、固体培養して糖化酵素を生成させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体培養に好適であり、かつ遺伝子組換えの宿主として好適な麹菌変異株、該麹菌変異株から得られた形質転換体、及び、該形質転換体を用いた糖化酵素の生産方法に関する。
稲わら、コーンストーバ等のリグノセルロース系バイオマスを基質として、該基質を糖化酵素により糖化し、得られた糖を微生物(アルコール発酵菌)により発酵させてエタノール等のアルコールを製造する方法が知られている。
前記リグノセルロース系バイオマスは、セルロース又はヘミセルロースにリグニンが強固に結合した構成を備えている。そこで前記糖化に当たっては、まず、前記リグノセルロース系バイオマスを前処理し、該リグノセルロース系バイオマスに含まれるリグニンが解離され、又は該リグノセルロース系バイオマスが膨潤された前処理物を得る。
尚、本願では、「解離」との用語は、セルロース又はヘミセルロースとリグニンとの結合の少なくとも一部を切断することを意味する。また、「膨潤」との用語は、液体の浸入によって結晶性セルロースを構成するセルロース若しくはヘミセルロースに空隙を生じ、又はセルロース繊維の内部に空隙を生じて、該結晶性セルロースを膨張させることを意味する。
前記リグノセルロース系バイオマスの前処理は、例えば基質としての粉末状の前記リグノセルロース系バイオマスに希硫酸を添加して加水分解することにより行うことができ、前記前処理により湿粉体からなる前処理物が生成される。
次に、前記前処理物において細菌を固体培養し、該細菌から産生される糖化酵素によって該前処理物を糖化処理することにより、基質糖化酵素混合物を得る。このとき、前記細菌に代えて、該細菌により糖化能の高い糖化酵素の遺伝子を導入した形質転換体を用いることにより、糖化処理効率を向上させることができる。
次に、基質糖化酵素混合物を固液分離した糖化溶液を、微生物によって発酵させてエタノールを生成させた後、蒸留することにより、バイオエタノールを製造する。
しかしながら、リグノセルロース系バイオマスを酸性下で処理した前処理物には多量のフルフラールが含まれることから、該フルフラールによって前記細菌又は前記形質転換体の生育が阻害され、産生される糖化酵素が減少して前記糖化処理効率が低下するという問題がある。
一方、リグノセルロース系バイオマスを糖化処理する際に用いられる細菌として、フルフラールに対する耐性を備える大腸菌や酵母が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。しかし、大腸菌や酵母は、麹菌よりも糖化酵素を産生する能力が劣るという問題がある。
そこで、麹菌がフルフラールに対する耐性を備えることが望まれる。
特表2012−519485号公報 特開2012−235729号公報
本発明は、フルフラールに対する耐性を備える麹菌変異株を提供することを目的とする。さらには、前記麹菌変異株から得られた形質転換体、及び該形質転換体を用いた糖化酵素の生産方法を提供することも目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の麹菌変異株は、フルフラール含有培地でアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)AOK27L株を培養して変異させ、前記培地で生育する菌を選択し、フルフラール耐性を備えることを特徴とする。前記AOK27L株は、固体培養した際の糖化酵素の生産効率が、他のアスペルギルス・オリゼよりも優れている。
本発明の麹菌変異株によれば、フルフラール耐性を備えることにより、リグノセルロース系バイオマスを前処理したフルフラールを含む前処理物において、前記麹菌変異株を培養し糖化酵素を産生させて前記バイオマスを糖化処理するとき、フルフラールによって該麹菌変異株の生育が阻害されない。この結果、前記麹菌変異株から産生される糖化酵素を増大させ、糖化処理効率を向上させることができる。
前記麹菌変異株として、例えば、アスペルギルス・オリゼHO−FR株(受託番号:NITE BP−01953)を挙げることができる。
また、本発明の麹菌変異株は、糖化酵素遺伝子が導入されることにより形質転換体とすることができる。前記形質転換体は、前記前処理物を糖化処理するとき、糖化酵素遺伝子が導入されていない麹菌変異株と比較して、糖化酵素の産生量を増大させることができる。
前記糖化酵素遺伝子として、例えば、セロビオハイドロラーゼ遺伝子、β−グルコシダーゼ遺伝子、エンドキシラナーゼ遺伝子、アラビノフラノシダーゼ遺伝子、グルクロニダーゼ遺伝子、エンドグルカナーゼ遺伝子からなる群から選択される1種以上の遺伝子を用いることができる。
ここで、例えば、前記セロビオハイドロラーゼ遺伝子は、アクレモニウム・セルロリティカス(Acremonium cellulolyticus)由来であり、前記β−グルコシダーゼ遺伝子は、アクレモニウム・セルロリティカス由来であり、前記エンドキシラナーゼ遺伝子は、サーモアスカス(Thermoascus)属菌由来であり、前記アラビノフラノシダーゼ遺伝子は、アクレモニウム・セルロリティカス由来であり、前記グルクロニダーゼ遺伝子は、アクレモニウム・セルロリティカス由来であり、前記エンドグルカナーゼ遺伝子は、アクレモニウム・セルロリティカス由来である。
前記形質転換体は、前記糖化酵素遺伝子が、麹菌変異株の染色体外の染色体外遺伝子として保持されていてもよいが、糖化酵素の発現安定性の点から、麹菌変異株の染色体中に組み込まれていることがより好ましい。
また、本発明の麹菌変異株又は形質転換体は、例えば、固体培養によって糖化酵素を生成させることができ、前記固体培養には、例えば稲わら又はコーンストーバを酸性下で処理した前処理物を用いることができる。
本実施形態の麹菌変異株をCD培地で培養した状態を示す写真。 本実施形態の麹菌変異株をPD液体培地で培養した状態を示す写真。
次に、本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。
〔1.麹菌変異株〕
本実施形態の麹菌変異株は、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)AOK27L株(株式会社秋田今野商店より入手可能)を変異させたものであり、フルフラール耐性を備えている。前記AOK27L株は、固体培養した際の糖化酵素の生産効率が、他のアスペルギルス・オリゼよりも優れている。
本実施形態の麹菌変異株は、AOK27L株を、フルフラールを0.05〜0.5質量/体積%の濃度で含む培地で培養し、前記培地で生育したコロニーを選択してさらに前記培地で培養することを1回以上行うことにより得ることができる。前記麹菌変異株として、例えば、アスペルギルス・オリゼHO−FR株(寄託日:平成26年10月24日、受託番号:NITE BP−01953)を挙げることができる。
また、本実施形態の麹菌変異株は、糖化酵素遺伝子を導入した形質転換体とすることにより、糖化酵素をさらに効率よく産生することができる。
〔2.形質転換体〕
本実施形態の形質転換体は、前記糖化酵素遺伝子が、麹菌変異株の染色体外の染色体外遺伝子として保持されていてもよいが、糖化酵素の発現安定性の点から、麹菌変異株の染色体中に組み込まれていることがより好ましい。
麹菌変異株へ糖化遺伝子を導入する形質転換方法は、特に限定されるものではなく、アスペルギルス・オリゼをはじめとする麹菌に対する遺伝子導入を行う際に使用される各種方法により行うことができる。形質転換方法としては、例えば、プロトプラスト−PEG法、PEG−カルシウム法(Mol.Gen.Genet.,vol.218,p.99〜104(1989))、エレクトロポレーション法、アグロバクテリウム法等を挙げることができる。
前記麹菌変異株に導入する糖化酵素遺伝子としては、一般的に植物バイオマスやリグノセルロース等のセルロース系バイオマスの糖化処理に使用される糖化酵素であることが好ましい。当該糖化酵素としては、例えば、グルコシド加水分解酵素のエンドグルカナーゼ(セルラーゼ又はエンド−1,4−β−D−グルカナーゼ、EC 3.2.1.4)、エキソ型のセロビオハイドロラーゼ(1,4−β−セロビオシダーゼ又はセロビオハイドロラーゼ、EC 3.2.1.91)、β−グルコシダーゼ(EC 3.2.1.21)、ヘミセルラーゼであるエンドキシラナーゼ(エンド−1,4−β−キシラナーゼ、EC 3.2.1.8)、アラビノフラノシダーゼ(EC 3.2.1.55)、グルクロニダーゼ(EC 3.2.1.31)等が挙げられる。本発明に係る麹菌変異株に導入する糖化酵素遺伝子は、1種類のみであってもよく、2種類以上を組み合わせて導入させてもよい。
また、前記麹菌変異株に導入する糖化酵素遺伝子としては、糖化力の強い糖化酵素をコードする遺伝子であることが好ましい。例えば、アクレモニウム・セルロリティカス(Acremonium cellulolyticus)由来のセロビオハイドロラーゼ遺伝子、アクレモニウム・セルロリティカス由来のβ−グルコシダーゼ遺伝子、サーモアスカス(Thermoascus)属菌由来のエンドキシラナーゼ遺伝子、アクレモニウム・セルロリティカス由来のアラビノフラノシダーゼ遺伝子、アクレモニウム・セルロリティカス由来のグルクロニダーゼ遺伝子、及びアクレモニウム・セルロリティカス由来のエンドグルカナーゼ遺伝子からなる群より選択される1種、又は2種以上を組み合わせて導入させることが好ましい。
また、前記麹菌変異株に導入する糖化酵素遺伝子としては、耐熱性の高い糖化酵素であることも好ましい。リグノセルロース系バイオマスに対する糖化処理は、比較的高温で行うことにより、糖化効率をより高められるためである。
〔3.糖化酵素の生産方法〕
本実施形態の麹菌変異株又は形質転換体は、リグノセルロース系バイオマスを用いた固体培養による糖化酵素の生産に用いることができる。
前記麹菌変異株は、フルフラール耐性に優れるとともに、親株のAOK27L株自体が固体培養した際の糖化酵素の生産効率が優れている。このため、本実施形態の麹菌変異株又は形質転換体は、稲わら、コーンストーバ等のリグノセルロース系バイオマスを希硫酸等の酸性下で処理した前処理物を基質として固体培養するときに、前記前処理物に含まれるフルフラールによって麹菌変異株又は形質転換体の生育が阻害されることがなく、糖化酵素を高収率で生産することができる。また、本実施形態の麹菌変異株又は形質転換体を用いて前記前処理物を糖化処理するとき、糖化処理効率を向上させることができる。
〔1.麹菌変異株の作成〕
まず、固体培地としてのCzapek−Dox(CD)培地(デキストリン3質量/体積%、リン酸2水素カリウム0.1質量/体積%、塩化カリウム0.2質量/体積%、硫酸マグネシウム0.05質量/体積%、硫酸鉄0.001質量/体積%、硝酸ナトリウム0.3質量/体積%、寒天1.5質量/体積%を含む)に、終濃度0.05質量/体積%となるようにフルフラールを添加した第1プレートを作製した。
次に、第1プレートの中央部に、AOK27L株(野生株)の胞子懸濁液(1×10/mL)を10μL添加し、温度30℃で10日間、静置培養を行うことにより、第1コロニーを得た。
次に、得られた第1コロニーの端の菌体を第1プレートごと打ち抜いた後、CD培地に終濃度0.05質量/体積%となるようにフルフラールを添加した第2プレートの中央部に接種し、温度30℃で10日間、静置培養を行うことにより、第2コロニーを得た。
次に、得られた第2コロニーの端の菌体を第2プレートごと打ち抜いた後、CD培地に終濃度0.05質量/体積%となるようにフルフラールを添加した第3プレートの中央部に接種し、温度30℃で10日間、静置培養を行うことにより、第3コロニーを得た。
次に、得られた第3コロニーの端の菌体を第3プレートごと打ち抜いた後、CD培地に終濃度0.1質量/体積%となるようにフルフラールを添加した第4プレートの中央部に接種し、温度30℃で10日間、静置培養を行うことにより、第4コロニーとしての麹菌変異株を得た。
〔2.麹菌変異株の固体培養〕
CD培地に終濃度0.1質量/体積%となるようにフルフラールを添加したプレートを作製し、プレートの中央部に、得られた麹菌変異株の胞子懸濁液(1×10/mL)を10μL添加し、温度30℃で7日間、静置培養を行った後、プレートを写真撮影した。
一方、AOK27L株(野生株)の胞子懸濁液についても、同様にして静置培養を行った後、CD培地を写真撮影した。
図1に、培養後のCD培地の状態の写真を示す。右側が麹菌変異株を静置培養したものであり、左側がAOK27L株を静置培養したものである。麹菌変異株は、0.1質量/体積%のフルフラールを含有するCD培地で増殖することができたが、AOK27L株はCD培地で増殖することができなかった。
〔3.麹菌変異株の液体培養〕
PD液体培地(デキストリン2質量/体積%、ポリペプトン1質量/体積%、カザミノ酸0.1質量/体積%、リン酸2水素カリウム0.5質量/体積%、硫酸マグネシウム0.05質量/体積%、硝酸ナトリウム0.1質量/体積%)に、終濃度0.05質量/体積%となるようにフルフラールを添加したもの50mLを、200mL容三角フラスコに量り取った。そして、前記三角フラスコに、得られた麹菌変異株の胞子懸濁液を最終胞子濃度1×10/mLとなるように添加し、温度30℃で108時間、培養を行った後、PD液体培地を写真撮影した。
一方、AOK27L株(野生株)の胞子懸濁液についても、同様にして培養を行った後、PD液体培地を写真撮影した。
図2に、培養後のPD液体培地の状態の写真を示す。右側が麹菌変異株を培養したものであり、左側がAOK27L株を培養したものである。麹菌変異株は、0.05質量/体積%のフルフラールを含有するPD液体培地で増殖することができたが、AOK27L株は前記液体培地で増殖することができなかった。
〔4.結果〕
本実施例の麹菌変異株は、0.1質量/体積%のフルフラールを含有するCD培地で増殖させることができることから、AOK27L株と比較して、優れたフルフラール耐性を備えていることが明らかである。
このことから、本実施例の麹菌変異株は、粉末状の稲わら又はコーンストーバ等のリグノセルロース系バイオマスに希硫酸を添加して加水分解して得られる、フルフラールを含有する湿粉体からなる前処理物を培地として培養したとき、麹菌変異株の生育が阻害されることなく、十分に増殖することができるものと考えられる。その結果、前記麹菌変異株を前記前処理物にて固体培養して前記バイオマスを糖化処理するとき、前記麹菌変異株から産生される糖化酵素を増大させ、糖化処理効率を向上することができるものと考えられる。
〔5.形質転換体の構築〕
また、本実施例の麹菌変異株に、セロビオハイドロラーゼ遺伝子、β−グルコシダーゼ遺伝子、エンドキシラナーゼ遺伝子、アラビノフラノシダーゼ遺伝子、グルクロニダーゼ遺伝子、エンドグルカナーゼ遺伝子からなる群から選択される1種以上の糖化酵素遺伝子が導入された形質転換体は、前記麹菌変異株と比較して、さらに優れたフルフラール耐性を備えるものと考えられる。
例えば、前記麹菌変異株にセロビオハイドロラーゼ(cbh1)遺伝子が導入された形質転換体は、次のようにして構築することができる。
まず、アスペルギルス・オリゼHO2株(受託番号:NITE BP−01750)のゲノムDNA遺伝子を鋳型に、プライマー1、2にてpyrG遺伝子の上流配列、プライマー3、4にて下流領域、プライマー5、6にてteflプロモーター遺伝子、プライマー7、8にてagdAターミネーター遺伝子、アクレモニウム・セルロリィティカスH1株(受託番号:FERM BP−11508)のゲノムDNAを鋳型に、プライマー9、10にてセロビオハイドロラーゼ(cbh1)遺伝子、アスペルギルス・アワモリHA1株(受託番号:NITE BP−01751)のゲノムDNA遺伝子を鋳型に、プライマー11、12にてpyrG遺伝子発現カセットを、それぞれDNAポリメラーゼ(東洋紡績株式会社製、商品名:KOD -plus- neo)にてPCR増幅し、精製キット(QIAGEN社製、商品名:QIAquick PCR purification kit)にて精製して、各遺伝子断片を取得する。
次に、プラスミドpMD20(タカラバイオ株式会社製)を制限酵素SmaI(タカラバイオ株式会社製)にて30℃で処理し、前記精製キットにて精製してプラスミドの制限処理物(遺伝子断片)を取得する。
前述のようにして得られた各遺伝子断片を、順次クローニングキット(タカラバイオ株式会社製、商品名:In-Fusion(登録商標) HD Cloning kit)にて処理し、E.coliHST08株(タカラバイオ株式会社製)に形質転換し、プラスミドpPPT1−CBH1を取得する。
次に、得られたプラスミドpPPT1−CBH1を鋳型として、プライマー13、14にて、前記DNAポリメラーゼにてPCR増幅し、前記精製キットにて精製して麹菌形質転換用の遺伝子断片(pyrG−CBH1断片)を取得する。
次に、PEG−カルシウム法の定法に従って、前記麹菌形質転換用の遺伝子断片(pyrG−CBH1断片)を用い、本実施例で得られた麹菌変異株を形質転換することにより、形質転換体を得ることができる。
プライマー1〜12の塩基配列を表1に示す。
上記のようにして得られた形質転換体は、前記前処理物にて固体培養して前記バイオマスを糖化処理するとき、前記麹菌変異株と比較して、産生される糖化酵素をさらに増大させ、糖化処理効率をさらに向上することができるものと考えられる。
符号なし

Claims (8)

  1. フルフラール含有培地でアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)AOK27L株を培養して変異させ、前記培地で生育する菌を選択し、フルフラール耐性を備えることを特徴とする麹菌変異株。
  2. 前記麹菌変異株は、アスペルギルス・オリゼHO−FR株(受託番号:NITE BP−01953)であることを特徴とする請求項1記載の麹菌変異株。
  3. 請求項1又は請求項2記載の麹菌変異株に、糖化酵素遺伝子が導入されていることを特徴とする形質転換体。
  4. 前記糖化酵素遺伝子が、セロビオハイドロラーゼ遺伝子、β−グルコシダーゼ遺伝子、エンドキシラナーゼ遺伝子、アラビノフラノシダーゼ遺伝子、グルクロニダーゼ遺伝子、エンドグルカナーゼ遺伝子からなる群から選択される1種以上の遺伝子であることを特徴とする請求項3記載の形質転換体。
  5. 前記セロビオハイドロラーゼ遺伝子は、アクレモニウム・セルロリティカス(Acremonium cellulolyticus)由来であり、
    前記β−グルコシダーゼ遺伝子は、アクレモニウム・セルロリティカス由来であり、
    前記エンドキシラナーゼ遺伝子は、サーモアスカス(Thermoascus)属菌由来であり、
    前記アラビノフラノシダーゼ遺伝子は、アクレモニウム・セルロリティカス由来であり、
    前記グルクロニダーゼ遺伝子は、アクレモニウム・セルロリティカス由来であり、
    前記エンドグルカナーゼ遺伝子は、アクレモニウム・セルロリティカス由来であることを特徴とする請求項4記載の形質転換体。
  6. 前記麹菌変異株の染色体中に前記糖化酵素遺伝子が組み込まれていることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項記載の形質転換体。
  7. 請求項1又は請求項2の麹菌変異株、又は、請求項3〜請求項6のいずれか1項記載の形質転換体を固体培養して糖化酵素を生成させることを特徴とする糖化酵素の生産方法。
  8. 前記固体培養は、稲わら又はコーンストーバを酸性下で処理した前処理物を用いることを特徴とする請求項7記載の糖化酵素の生産方法。
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