JP2016106150A - 神経疾患治療のためのデキストロメトルファンおよびキニジンを含む薬剤組成物 - Google Patents

神経疾患治療のためのデキストロメトルファンおよびキニジンを含む薬剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】神経疾患を治療するための薬剤組成物、ならびにそれを投与して神経疾患を治療する方法を提供する。【解決手段】この組成物は、キニジンと組み合わせてデキストロメトルファンを含む。【選択図】図1

Description

神経疾患を治療するための薬剤組成物および方法を提供する。この組成物は、キニジンと組み合わせてデキストロメトルファンを含む。
脳卒中または頭部外傷によって引き起こされるような神経変性疾患または脳損傷の患者は、その疾患または損傷に随伴する情動の問題に悩まされていることが多い。「情動不安定」および「仮性球麻痺性情動」という用語は、頭部外傷、脳卒中、脳腫瘍、脳炎などの脳損傷を受けた患者、または筋萎縮性側索硬化症(ALS、運動ニューロン病またはルーゲーリッグ病とも呼ばれる)、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症などの進行性の神経変性疾患に罹患している患者にしばしば認められる一連の症状のことをいい、精神科医および神経科医が使用するものである。このような症例の大多数では、情動不安定は、皮質下前脳構造を巻き込む両側性損傷(両方の脳半球に影響を及ぼす損傷)を有する患者で生じる。
情動不安定は、反応性もしくは内因性うつ病の臨床形態とは異なるものであり、あらぬ時に起こる、または特に刺激となるものが全くない時に起こる、断続的な発作的な感情の噴出(通常は強烈な、または爆発的でさえある泣き、または笑いとして現れる)を特徴とする。情動不安定または仮性球麻痺性情動はまた、その用語によって、感情過多、情動失禁、情動制御不能、過度の感激性、および病的な泣き笑いのことをもいう。患者は、感情の噴出がその特定の状況の中で適切でないと十分に気付いているが、その感情表現を制御できないので、情動不安定に伴う感覚はしばしば、「支離滅裂」などの言葉で描写される。
情動不安定または仮性球麻痺性情動は、感情の噴出を制御できないことが実質的な点で家事、私事、または仕事に従事する能力の妨げになるとき、臨床的な問題となる。たとえば、初期のALSまたはパーキンソン病に罹患しているビジネスマンはビジネス会議の間着席していられなくなることがあり、あるいは、ある患者は、他人の前で不適当な時に泣いたり笑ったりしないでいることが一時的ではあるが極度にできなくなるために、レストランや映画館など、人前に出て行けなくなることがある。これらの症状は、患者がなお他者と交流するのに必要な肉体的な作業をこなすのに十分すぎるエネルギーとスタミナとを持っていたとしても、起こり得る。このような感情の噴出は、患者が通常起こす不快感、不適切な感情、錯乱した感情、ならびに患者が他者に及ぼす目に見える影響に加えて、この疾患の他の症状をいっそう重く悪化させかねない。これらのことから、排斥感、疎外感、および孤立感が生まれ、友人や家族は患者の寛容で思いやりのある心の支えとなることが非常に難しくなってしまうこともある。
情動不安定や、慢性疼痛など、他の慢性疾患のための追加の、または改良された形の治療が、今なお必要とされている。そのような治療は、少なくとも若干の患者において他の公知の薬物と比べて少なくともある程度の好転をもたらすことが好ましい。少なくとも若干の、進行性の神経疾患などの神経障害に罹患している患者において情動不安定を治療する方法が望ましい。
そのような治療を必要とする人間の患者において、鎮静し過ぎず、または他に、意識あるいは機敏さの重大な妨げとならずに、情動不安定、仮性球麻痺性情動、および他の慢性病を治療する方法が提供される。この治療は、デキストロメトルファンを最少限の投薬量のキニジンと組み合わせて投与することを伴うものである。
第1の実施形態では、仮性球麻痺性情動または情動不安定の治療方法であって、その必要のある患者にデキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて投与することを含み、投与するデキストロメトルファンの量が約20mg/日〜約200mg/日であり、投与するキニジンの量が約10mg/日〜約50mg/日未満である方法が提供される。
第1の実施形態の一態様では、仮性球麻痺性情動または情動不安定が、神経変性疾患もしくは神経変性病、または脳損傷によって引き起こされるものである。
第2の実施形態では、神経因性疼痛の治療方法であって、その必要のある患者にデキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて投与することを含み、投与するデキストロメトルファンの量が約20mg/日〜約200mg/日であり、投与するキニジンの量が約10mg/日〜約50mg/日未満である方法が提供される。
第3の実施形態では、神経変性疾患もしくは神経変性病の治療方法であって、その必要のある患者にデキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて投与することを含み、投与するデキストロメトルファンの量が約20mg/日〜約200mg/日であり、投与するキニジンの量が約10mg/日〜約50mg/日未満である方法が提供される。
第3の実施形態の一態様では、神経変性疾患もしくは神経変性病が、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、パーキンソン病、およびアルツハイマー病からなる群より選択される。
第4の実施形態では、脳損傷の治療方法であって、その必要のある患者にデキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて投与することを含み、投与するデキストロメトルファンの量が約20mg/日〜約200mg/日であり、投与するキニジンの量が約10mg/日〜約50mg/日未満である方法が提供される。
第4の実施形態の一態様では、脳損傷が、脳卒中、外傷性脳損傷、虚血性事象(虚血性イベント)、低酸素性事象、および神経細胞死からなる群より選択される。
第1〜第4の実施形態のある態様では、デキストロメトルファンおよびキニジンを1日につき1回の複合薬として投与する。
第1〜第4の実施形態のある態様では、デキストロメトルファンおよびキニジンを1日につき少なくとも2回の複合薬として投与する。
第1〜第4の実施形態のある態様では、投与するキニジンの量が約20mg/日〜約45mg/日である。
第1〜第4の実施形態のある態様では、投与するデキストロメトルファンの量が約20mg/日〜約60mg/日である。
第1〜第4の実施形態のある態様では、キニジンとデキストロメトルファンとの少なくとも一つが、薬剤として許容される塩の形になっている。
第1〜第4の実施形態のある態様では、薬剤として許容される塩が、アルカリ金属塩、すなわちリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アルカリ土類金属塩、すなわちカルシウム塩、マグネシウム塩、リジン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、メグルミン塩、プロカイン塩、トリス塩、遊離酸の塩、遊離塩基の塩、無機塩、すなわち硫酸塩、塩酸塩、および臭化水素酸塩からなる群より選択される。
第1〜第4の実施形態のある態様では、キニジンが硫酸キニジンを含み、デキストロメトルファンが臭化水素酸デキストロメトルファンを含み、投与する硫酸キニジンの量が約30mg/日〜60mg/日であり、投与する臭化水素酸デキストロメトルファンの量が約30mg/日〜約60mg/日である。
第5の実施形態では、仮性球麻痺性情動または情動不安定の治療方法であって、その必要のある患者にデキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて投与することを含み、デキストロメトルファンおよびキニジンは複合薬の形で投与され、前記複合薬中のデキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:1.25以下である方法が提供される。
第5の実施形態の一態様では、仮性球麻痺性情動または情動不安定が、神経変性疾患もしくは神経変性病、または脳損傷によって引き起こされるものである。
第6の実施形態では、神経因性疼痛の治療方法であって、その必要のある患者にデキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて投与することを含み、デキストロメトルファンおよびキニジンは複合薬の形で投与され、前記複合薬中のデキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:1.25以下である方法が提供される。
第7の実施形態では、神経変性疾患もしくは神経変性病の治療方法であって、その必要のある患者にデキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて投与することを含み、デキストロメトルファンおよびキニジンは複合薬の形で投与され、前記複合薬中のデキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:1.25以下である方法が提供される。
第7の実施形態の一態様では、神経変性疾患もしくは神経変性病が、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、パーキンソン病、およびアルツハイマー病からなる群より選択される。
第8の実施形態では、脳損傷の治療方法であって、その必要のある患者にデキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて投与することを含み、デキストロメトルファンおよびキニジンは複合薬の形で投与され、前記複合薬中のデキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:1.25以下である方法が提供される。
第8の実施形態の一態様では、脳損傷が、脳卒中、外傷性脳損傷、虚血性事象、低酸素性事象、および神経細胞死からなる群より選択される。
第5〜第8の実施形態のある態様では、複合薬中のデキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:0.75以下である。
第5〜第8の実施形態のある態様では、投与するキニジンの量が約20mg/日〜約45mg/日であり、投与するデキストロメトルファンの量が約20mg/日〜約60mg/日である。
第5〜第8の実施形態のある態様では、キニジンとデキストロメトルファンとの少なくとも一つが、薬剤として許容される塩の形になっている。
第5〜第8の実施形態のある態様では、薬剤として許容される塩が、アルカリ金属塩、すなわちリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アルカリ土類金属塩、すなわちカルシウム塩、マグネシウム塩、リジン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、メグルミン塩、プロカイン塩、トリス塩、遊離酸の塩、遊離塩基の塩、無機塩、すなわち硫酸塩、塩酸塩、および臭化水素酸塩からなる群より選択される。
第5〜第8の実施形態のある態様では、キニジンが硫酸キニジンを含み、デキストロメトルファンが臭化水素酸デキストロメトルファンを含み、投与する硫酸キニジンの量が約30mg/日〜約60mg/日であり、投与する臭化水素酸デキストロメトルファンの量が約30mg/日〜約60mg/日である。
第5〜第8の実施形態のある態様では、1日につき1回複合薬を投与する。
第5〜第8の実施形態のある態様では、1日につき2回以上複合薬を投与する。
第9の実施形態では、仮性球麻痺性情動または情動不安定の治療での使用に適する薬剤組成物であって、錠剤またはカプセル剤を含み、前記錠剤またはカプセル剤がデキストロメトルファンおよびキニジンを含み、デキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:1.25以下である組成物が提供される。
第9の実施形態の一態様では、仮性球麻痺性情動または情動不安定が、神経変性疾患もしくは神経変性病、または脳損傷によって引き起こされるものである。
第10の実施形態では、神経因性疼痛の治療での使用に適する薬剤組成物であって、錠剤またはカプセル剤を含み、前記錠剤またはカプセル剤がデキストロメトルファンおよびキニジンを含み、デキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:1.25以下である組成物が提供される。
第11の実施形態では、神経変性疾患もしくは神経変性病の治療での使用に適する薬剤組成物であって、錠剤またはカプセル剤を含み、前記錠剤またはカプセル剤がデキストロメトルファンおよびキニジンを含み、デキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:1.25以下である組成物が提供される。
第11の実施形態の一態様では、神経変性疾患もしくは神経変性病が、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、パーキンソン病、およびアルツハイマー病からなる群より選択される。
第12の実施形態では、脳損傷での使用に適する薬剤組成物であって、錠剤またはカプセル剤を含み、前記錠剤またはカプセル剤がデキストロメトルファンおよびキニジンを含み、デキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:1.25以下である組成物が提供される。
第12の実施形態の一態様では、脳損傷が、脳卒中、外傷性脳損傷、虚血性事象、低酸素性事象、および神経細胞死からなる群より選択される。
第9〜第12の実施形態のある態様では、デキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:0.75以下である。
第9〜第12の実施形態のある態様では、キニジンが約20mg〜約45mgの量で存在し、デキストロメトルファンが約20mg〜約60mgの量で存在する。
第9〜第12の実施形態のある態様では、キニジンとデキストロメトルファンとの少なくとも一つが、薬剤として許容される塩の形になっている。
第9〜第12の実施形態のある態様では、薬剤として許容される塩が、アルカリ金属塩、すなわちリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アルカリ土類金属塩、すなわちカルシウム塩、マグネシウム塩、リジン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、メグルミン塩、プロカイン塩、トリス塩、遊離酸の塩、遊離塩基の塩、無機塩、すなわち硫酸塩、塩酸塩、および臭化水素酸塩からなる群より選択される。
第9〜第12の実施形態のある態様では、キニジンが硫酸キニジンを含み、デキストロメトルファンが臭化水素酸デキストロメトルファンを含み、前記硫酸キニジンが約30mg〜約60mgの量で存在し、前記臭化水素酸デキストロメトルファンが約30mg〜約60mgの量で存在する。
第13の実施形態では、仮性球麻痺性情動または情動不安定を治療するための薬剤の調製におけるデキストロメトルファンおよびキニジンの使用であって、前記薬剤がカプセル剤または錠剤を含み、デキストロメトルファンおよびキニジンが、前記カプセル剤または錠剤中に、1:1.25以下のデキストロメトルファンとキニジンの重量比で存在する使用が提供される。
第13の実施形態の一態様では、仮性球麻痺性情動または情動不安定が、神経変性疾患もしくは神経変性病、または脳損傷によって引き起こされるものである。
第14の実施形態では、神経因性疼痛を治療するための薬剤の調製におけるデキストロメトルファンおよびキニジンの使用であって、前記薬剤がカプセル剤または錠剤を含み、デキストロメトルファンおよびキニジンが、前記カプセル剤または錠剤中に、1:1.25以下のデキストロメトルファンとキニジンの重量比で存在する使用が提供される。
第15の実施形態では、神経変性疾患もしくは神経変性病を治療するための薬剤の調製におけるデキストロメトルファンおよびキニジンの使用であって、前記薬剤がカプセル剤または錠剤を含み、デキストロメトルファンおよびキニジンが、前記カプセル剤または錠剤中に、1:1.25以下のデキストロメトルファンとキニジンの重量比で存在する使用が提供される。
第15の実施形態の一態様では、神経変性疾患もしくは神経変性病が、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、パーキンソン病、およびアルツハイマー病からなる群より選択される。
第16の実施形態では、脳損傷を治療するための薬剤の調製におけるデキストロメトルファンおよびキニジンの使用であって、前記薬剤がカプセル剤または錠剤を含み、デキストロメトルファンおよびキニジンが、前記カプセル剤または錠剤中に、1:1.25以下のデキストロメトルファンとキニジンの重量比で存在する使用が提供される。
第16の実施形態の一態様では、脳損傷が、脳卒中、外傷性脳損傷、虚血性事象、低酸素性事象、および神経細胞死からなる群より選択される。
第13〜第16の実施形態のある態様では、デキストロメトルファンおよびキニジンが、前記カプセル剤または錠剤中に、1:0.75以下のデキストロメトルファンとキニジンの重量比で存在する。
第13〜第16の実施形態のある態様では、キニジンとデキストロメトルファンとの少なくとも一つが、薬剤として許容される塩の形になっている。
第13〜第16の実施形態のある態様では、薬剤として許容される塩が、アルカリ金属塩、すなわちリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アルカリ土類金属塩、すなわちカルシウム塩、マグネシウム塩、リジン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、メグルミン塩、プロカイン塩、トリス塩、遊離酸の塩、遊離塩基の塩、無機塩、すなわち硫酸塩、塩酸塩、および臭化水素酸塩からなる群より選択される。
第13〜第16の実施形態のある態様では、キニジンが硫酸キニジンを含み、デキストロメトルファンが臭化水素酸デキストロメトルファンを含み、前記硫酸キニジンが約30mg〜約60mgの量で存在し、前記臭化水素酸デキストロメトルファンが約30mg〜約60mgの量で存在する。
第13〜第16の実施形態のある態様では、キニジンが約20mg〜約45mgの量で存在し、デキストロメトルファンが約20mg〜約60mgの量で存在する。
図1は、臨床研究#4のCNS−LSスコアの箱髭図(ボックスプロット)である。CNS−LSスコアの分布は対称的であり、外れ値を1点しか含まない。これらの分布から、CNS−LSスコアの分析のためにANCOVA(共分散分析)を使用することが支持される。予期して調査プロトコルで指定したように、施設およびベースラインのCNS−LSスコアに合わせて調整したCNS−LSスコアの平均改善度の差は、Frison and PocockのANCOVA法に従う線形回帰を使用して分析した。この分析の結果は表30に示す。まったく調整しなかった、またはベースラインのCNS−LSスコアについてのみ調整した追加の分析結果もこの表に示す。 図2は、臨床研究#4のITT集団の一次有効性分析から得られた、3つの治療グループについてのCNS−LSスコアの調整済み平均減少度を示すプロットである。水平線を下回るCNS−LSスコアの減少は、必要とされる有意水準で、30DM/30Qと統計学的に有意の差がある。 図3は、MTDグループによる臨床研究#5に参加した被験者の性質を示す。 図4は、臨床研究#5に参加した被験者の、被験者の日記からの平均の睡眠評価を示す。 図5.臨床研究#5に参加した被験者の、被験者の日記からの平均の現時点の疼痛強度評価。 図6.臨床研究#5に参加した被験者の、被験者の日記からの平均の活動評価。 図7.臨床研究#5に参加した被験者の、被験者の日記からの平均の疼痛評価。
以下の記載および実施例は、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明するものである。当業者ならば、本発明の範囲に含まれる本発明の変形形態および変更形態が数多くあることがわかるであろう。したがって、好ましい実施形態についての記載は、本発明の範囲を限定しないものと考えるべきである。
情動不安定または仮性球麻痺性情動は、脳卒中(Houseら、BMJ、1989年、第298巻、第991〜4ページ)、多発性硬化症(MS)(Cotrellら、J.Neurol.Psychopathol.、1926年、第7巻、第1〜30ページ;Feinsteinら、Arch.Neurol.、1997年、第54巻、第1116〜21ページ)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)(Millerら、Neurol.、1999年、第52巻、第1311〜23ページ;Jacksonら、Semin.Neurol.、1998年、第18巻、第27〜39ページ;Poeck,K.、「Pathophysiology of emotional disorders
associated with brain damage.」、出典:P.J.Vinken、G.W.Bruyn編「Handbook of Clinical Neurology」、アムステルダム、North−Holland Publishing Company、1969年、第343〜67ページ)、アルツハイマー病(Starksteinら、J.Neurol.Neurosurg.Psychiatry、1995年、第59巻、第55〜64ページ)、および外傷性脳損傷(Brooks,N.、Acta Neurochirurgica増刊、第44巻、1988年、第59〜64ページ)などの多くの神経疾患に随伴する。研究では、ALS患者の50%までもが仮性球麻痺性情動を生じることが示されている(Gallagher,J.P.、Acta Neurol.Scand.、1989年、第80巻、第114〜7ページ)。
情動不安定または仮性球麻痺性情動は、神経損傷という面においては、皮質からの脳幹または小脳との連絡が喪失した結果として起こる離断症候群であるとみなすことができる(Wilson SAK、J.Neurol.Psychopathol.、1924年、第IV巻、第299〜333ページ;Parvivziら、Brain、2001年、第124巻、第1708〜19ページ)。神経伝達物質のレベルでは、脳幹で発生する上行性および下行性セロトニン作動性経路の分断、ならびに線条体および皮質へのドーパミン作動性投射の調節障害が関係があるとされている(Andersenら、Stroke、1994年、第25巻、第1050〜2ページ;Rossら、J.Nerv.Ment.Dis.、1987年、第175巻、第165〜72ページ;Shawら、Brain Sciences in Psychiatry,London:Butterworth、1982年;Udakaら、Arch.Neurol.、1984年、第41巻、第1095〜6ページ)。
一連の証拠が、仮性球麻痺性情動は、薬理学的な介入によって調節できることを示唆している。1979年に、Wolfが、病的に笑う被験者にレボドパが有効であることを報告している(Wolfら、Neurol.、1979年、第29巻、第1435〜6ページ)。しかしながら、追跡調査では、治療に十分に好反応を示したのは、25名の被験者のうち10名だけであった(Udakaら、Arch.Neurol.、1984年、第41巻、第1095〜6ページ)。アマンタジン、イミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、アミトリプチリン、セルトラリン、フルオキセチン、レボドパ、メチルフェニデート、および甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンなどの他の薬物で症状が改善することが報告されている(Darkら、Austr.N.Zeal.J.Psychiatry、1996年、第30巻、第472〜9ページ;Iannocconeら、Clin.Neuropharm.、1996年、第19巻、第532〜5ページ)。
情動不安定を治療するためのこれまでで最もよく知られている療法は、薬物のアミトリプチン、アマンタジン、およびレボドパを使用するものである。Udakaら、Arch.Neurol.、1984年、第41巻、第1095〜1096ページや、Schifferら、N.Engl.J.Med.、1985年、第312巻、第1480〜1482ページなどの報告は、これらの化合物が何人かの患者の病的な感情表現の軽減を助けるのに有効であるかもしれないことを示唆しているが、これらの従来技術の薬物はどれも、すべての患者に有効なのではなく、またいくらかの恩恵を受けた患者でさえ、通常、有効な治癒には遥かに及ばずに効果が無くなってしまうことを明示している。多くの臨床神経科医の一般的な実務では、アミトリプチンおよびアマンタジンを、これらの一方が患者の状態をあるレベルで改善することができると期待して、1回に片方ずつ処方する。しかしながら、両方とも有効な治癒をもたらすには不十分である。さらに、レボドパは、他の作用を有し、比較的強力な薬物であるので、満足のいくものでない。
ALSは、上位および下位運動ニューロンが進行性に損失することで起こる神経変性疾患である。ALS患者の50パーセントまでもが情動不安定を示し、球型ALSの患者ではより多く認められる(Gallagher JP、Acta Neurol.Scand.、1989年、第80巻、第114〜7ページ)。グルタミン酸の再循環が損なわれることに付随する興奮毒性がALSの病因の一因であるかもしれないという見解に基づき、リルゾール、すなわちグルタミン酸放出抑制剤がALS治療に使用されている(Jerusalemら、Neurology、1996年、第47巻、第S218〜20ページ;Doble A.、Neurology、1996年、第47巻、第S233〜41ページ)。リルゾールは、多少寿命を延ばすが、症状の改善をもたらさない(Bensimonら、N.Eng.J.Med.、1994年、第330巻、第585〜91ページ;Kwiecinski H、Neurol.Neurochir.Pol.、2001年、第35巻、第51〜9ページ)。
グルタミン酸が関係する興奮毒性の過程がALSの病因として関係がある可能性があることから、数名の研究者らは、デキストロメトルファン(DM)を投与することでALSの進行を緩和または阻止しようとした。DMは、N−メチル−D−アスパラギン酸塩感受性イオンチャネル共役型グルタミン酸受容体の非競合的拮抗薬であり、興奮活性のレベルを低減することによって作用する。しかしながら、DMは、デキストロルファン(DX)および他の多数の代謝物に広く代謝される。チトクロムP450 2D6(CYP2D6)は、DMからのDXの生成を司る重要な酵素である。人々の一部、すなわち5〜10%の白人は、この酵素の活性が低下している(Hildebrandら、Eur.J.Clin.Pharmacol.、1989年、第36巻、第315〜318ページ)。このような人は、DMの「高代謝群」と呼ばれる大多数の人々に対して、DMの「低代謝群」と呼ばれる(Vetticadenら、Pharm.Res.、1989年、第6巻、第139ページ)。
CYP2D6活性を抑制する薬物の種類を決定するために、多くの生体外研究が着手されてきた。キニジン(Q)は、研究された薬物の中で最も効能のあるものの一つである(Inabaら、Br.J.Clin.Pharmacol.、1986年、第22巻、第199〜200ページ)。これらの観察所見から、Qと同時に服用すると血漿中のDM濃度が増加するかもしれないという仮説が得られた。
情動不安定以外の多くの慢性疾患も、治療することが非常に難しく、安全で非習慣性で、かつ非ステロイド系の薬物にしばしば好反応を示さないことがわかっている諸症状を伴う。難治性の咳などの疾患は、通常の薬には好ましい反応を示さず、一般的には、コデイン、モルヒネ、抗炎症性ステロイドのプレドニゾンなどの薬物によって治療される。これらの薬物は、危険な副作用、患者の健康に対する長期的な危険性、または中毒の危険のために、長期間の治療が許容されない。皮膚炎に伴うひどい痒みおよび発疹の満足のいく治療は存在しない。プレドニゾンやさらには三環系抗うつ薬などの薬物が局所適用で用いられているが、実質的かつ常に同じだけの軽減はもたらさないようである。脳卒中、癌、外傷などの病気による慢性疼痛も、たとえば糖尿病や帯状疱疹(帯状ヘルペス)などの病気に起因する神経因性疼痛も、治療に抵抗する問題のものである。神経因性疼痛には、たとえば、糖尿病性ニューロパシー、ヘルペス後神経痛、幻肢痛、三叉神経痛、および座骨神経痛が含まれる。ヘルペス後神経痛(PHN)は、帯状ヘルペスの合併症であり、帯状ヘルペス患者の約10パーセントに起こる。PHNの発生率は、年齢と共に増大する。糖尿病性ニューロパシーは、糖尿病の一般的な合併症であり、罹患期間と共に増加する。これらの種類のニューロパシーの痛みは、刺すような痛み、チクチクする痛み、および歯痛のような痛みがしばしば交じる、間断のない焼けるような痛みであると表現されている。皮膚は、感覚異常の感じを伴い、軽い接触や衣類にさえも敏感になることがある。痛みは、活動、温度変化、および感情の乱れによって悪化することがある。痛みが日常の活動を妨げたり、睡眠障害あるいは食欲不振をもたらしたりするほど、ひどくなることもある。これらの種類の痛みが生まれるメカニズムは十分に分かっていないが、有髄神経線維の変性が関与しているかもしれない。糖尿病性ニューロパシーでは、大小の神経線維が衰えて、熱への敏感性、痛み、および振動に対する許容度のしきい値を低下させることがわかっている。大小の線維の機能不全は、下肢で痛みが発生するときにより重症である。神経因性疼痛を覚える患者でごく普通に行うことのできる神経の生理学的測定のほとんどは、神経の伝導が時間とともに遅くなることを示している。現在まで、神経因性疼痛の治療は、例外なく成功するには至っていない。慢性疼痛は、数百万人が罹患していると推測される。
デキストロメトルファンは、咳止めシロップとして広く使用され、人体に十分に安全であり、医師の処方が不要の一般用医薬品として使用できることが分かっている。デキストロメトルファンは、経口投薬の形で、単独またはキニジンとの併用で、1日に当たり120ミリグラム(mg)までが十分に許容され、かなり少なめの用量(たとえば30mg/日)が与えられるときにも有益な効果を認めることができる(Smithの米国特許第5,206,248号明細書)。
デキストロメトルファンおよびその類似体についての化学は、Rodd,E.H.編「Chemistry of Carbon Compounds」、Elsevier Publ.、ニューヨーク、1960年;GoodmanおよびGilmanの「Pharmacological Basis of Therapeutics」;Choi、Brain Res.、1987年、第403巻、第333〜336ページ;および米国特許第4,806,543号明細書などの様々な参考文献に記載されている。その化学構造は次のとおりである。
Figure 2016106150
デキストロメトルファンは、(+)−3−メトキシ−N−メチルモルフィナンの俗名である。これは、モルヒネ様オピオイドの右旋性類似体である分子群の1種である。用語「アヘン剤(オピエート)」とは、モルヒネやコデインなど、アヘンから得られる薬物を指す。用語「オピオイド」は、より広義である。これには、アヘン剤、ならびに哺乳動物において鎮痛剤および鎮静剤として作用する、天然または合成の他の薬物が含まれる。
モルヒネ、コデイン、ヘロインなど、習慣性の鎮痛性アヘン剤の多くは、左旋性の立体異性体(偏光をいわゆる左回りに回転させる)である。これらは、次に示す「モルフィナン」構造として知られている立体配置の形で4個の分子の環を有する。
Figure 2016106150
この図では、示してあるとおり、炭素原子に従来どおりに番号を付け、9番および13番の炭素原子に結合している楔形の結合は、この結合がモルフィナン構造中の他の3つの環からなる平面から上に飛び出していることを示す。この基本構造(モルヒネを含む)の多くの類似体は、4番と5番の炭素原子間の架橋原子(酸素など)によって追加の環が形成されている五環式化合物である。
多くの右旋性のモルヒネ類似体は、左旋性の化合物よりもはるかに習慣性が低い。デキストロメトルファンおよびデキストロルファンを含むこれらの右旋性類似体のいくつかは、モルフィナン構造の鏡像異性体である。これらの鏡像異性体では、9番および13番の炭素原子から伸びている環が、上記構造中に示したものと逆方向に廷伸している。
どの特定の作用メカニズムに限定するものではないが、デキストロメトルファンは、中枢神経系(CNS)ニューロンに影響を及ぼす少なくとも3種の異なる受容体活性を有することが分かっている。第1に、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体のアンタゴニスト(拮抗物質)として作用する。NMDA受容体は、CNSニューロン中の興奮性アミノ酸(EAA)受容体の3種の主要なタイプの1種である。NMDA受容体の活性化はニューロンに興奮性神経伝達物質分子(主にグルタミン酸塩、アミノ酸)を放出させるので、これらの受容体でのデキストロメトルファンの遮断活性は、これら受容体を有するニューロンの興奮活性レベルを低減する。デキストロメトルファンは、NMDA受容体複合体の一部分であるフェンシクリジン(PCP)結合部位で作用すると考えられている。デキストロメトルファンは、特にMK−801(ジゾシルピン)やフェンシクリジンなどの薬物と比べて、NMDAアンタゴニスト活性が比較的弱い。したがって、認可された投薬量で投与されるときは、デキストロメトルファンは、MK−801やPCPなどの強力なNMDAアンタゴニストによって引き起こされる有毒な副作用(Olneyの米国特許第5,034,400号明細書で論じられている)をもたらさないと考えられる。
デキストロメトルファンはまた、ある種の抑制性受容体のアゴニスト(作動物質)としても機能する。EAA受容体とは異なり、抑制性受容体が活性化されると、影響を受けた細胞による興奮性神経伝達物質の放出が抑制される。最初、これらの抑制性受容体は、σオピエート受容体と呼ばれていた。しかし、実際にそれらがオピエート受容体であるかどうかについて疑問が生じたので、現在は一般にシグマ(σ)受容体と呼ばれている。その後の実験で、デキストロメトルファンがσ受容体とは異なるが、それと近い関係にある別の種類の抑制性受容体にも結合することが示された。非σ抑制性受容体が存在し、デキストロメトルファンと結合することを示す証拠は、σ受容体に結合するある分子が、デキストロメトルファンと、抑制性受容体を有することが知られているある種類のニューロンとの結合を完全にはブロックできないということである(Musacchioら、Cell Mol.Neurobiol.、1988年6月、第8巻(2)、第149〜56ページ;Musacchioら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、1988年11月、第247巻(2)、第424〜31ページ;Cravisoら、Mol.Pharmacol.、1983年5月、第23巻(3)、第629〜40ページ;Cravisoら、Mol.Pharmacol.、1983年5月、第23巻(3)、第619〜28ページ;およびKleinら、Neurosci.Lett.、1989年2月13日、第97巻(1〜2)、第175〜80ページ)。これらの受容体は、一般に、科学文献で「高親和性デキストロメトルファン受容体」、または単に「DM受容体」と呼ばれている。本明細書では、語句「デキストロメトルファン結合性抑制性受容体」には、デキストロメトルファンと親和性結合反応を起こし、デキストロメトルファンによって活性化された時に、影響を受けた細胞による興奮性神経伝達物質の放出を抑制するσ受容体および非σ受容体の両方が含まれる(Largentら、Mol.Pharmacol.、1987年12月、第32巻(6)、第772〜84ページ)。
デキストロメトルファンはまた、ニューロンによるカルシウムイオン(Ca++)の取り込みを低減する。カルシウムの取り込みは、神経衝撃(インパルス)が伝達する際に起こり、N型チャネルおよびL型チャネルとして知られている少なくとも2種の異なる型のチャネルが関与する。デキストロメトルファンは、N型チャネルを含むある種類の培養ニューロン(シナプトソーム)でカルシウムの取り込みをかなり強く抑制し、L型チャネルを含む他の培養ニューロン(PC12細胞)でも、それよりは強くないが、カルシウムの取り込みを抑制した(Carpenterら、Brain Res.、1988年1月26日、第439巻(1〜2)、第372〜5ページ)。
ますます増えている一連の証拠は、デキストロメトルファンが、いくつかのニューロン疾患を治療するための潜在的治療能力を有することを示唆している(Zhangら、Clin.Pharmacol.Ther.、1992年、第51巻、第647〜655ページ;Palmer GC,Curr.Drug Targets、2001年、第2巻、第241〜271ページ;およびLiuら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、2003年、第21巻、第21ページ;Kimら、Life Sci.、2003年、第72巻、第769〜783ページ)。薬理学の研究では、多くの実験モデルにおいて、DMが、神経保護活性、抗痙攣活性、および抗侵害受容活性を有する非競合性のNMDAアンタゴニストであることが実証されている(Desmeulesら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、1999年、第288巻、第607〜612ページ)。NMDAアンタゴニストとして作用することに加え、DMおよびその一次代謝物であるデキストロルファンは、σ−1部位に結合し、カルシウム流入チャネルを阻害し、高電位依存性ナトリウムチャネルと相互に作用する(Dickensonら、Neuropharmacology、1987年、第26巻、第1235〜1238ページ;Carpenterら、Brain Res.、1988年、第439巻、第372〜375ページ;Netzerら、Eur.J.Pharmacol.、1993年、第238巻、第209〜216ページ)。最近の報告は、DMの更なる神経保護作用のメカニズムが、パーキンソン病およびアルツハイマー病を含む幾つかの神経変性疾患に随伴する炎症反応を妨害することを含むかもしれないことを示している(Liuら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、2003年、第21巻、第21ページ)。DMの神経保護剤としての潜在的有効性は、筋萎縮性側索硬化症(Gredalら、Acta Neurol.Scand.、1997年、第96巻、第8〜13ページ;Blinら、Clin.Neuropharmacol.、1996年、第19巻、第189〜192ページ)、ハンチントン病(Walkerら、Clin.Neuropharmacol.、1989年、第12巻、第322〜330ページ)、およびパーキンソン病(Chaseら、J.Neurol.、2000年、第247巻増刊2、第II36〜42ページ)の患者の限られた臨床試験で調査されている。DMはまた、様々な種類の神経因性疼痛の患者でも調査されている(Mcquayら、Pain,1994年、第59巻、第127〜133ページ;Vinik AI、Am.J.Med.、1999年、第107巻、第17S〜26Sページ;Weinbroumら、Can.J.Anaesth.、2000年、第47巻、第585〜596ページ;Sangら、Anesthesiology、2002年、第96巻、第1053〜1061ページ;Heiskanenら、Pain、2002年、第96巻、第261〜267ページ;Ben Abrahamら、Clin.J.Pain、2002年、第18巻、第282〜285ページ;Sang CN、J.Pain Symptom Manage.、2000年、第19巻、第S21〜25ページ)。DMの薬理プロフィールが臨床的な効力を示しているものの、大部分の臨床試験は、プラシーボ治療と比べてDMの効力がはっきりせずに失望させるものである。
数名の研究者は、DMの臨床試験で見られた、限られた利益が、全身の薬物濃度を制限する肝臓での急速な代謝と関連していることを示唆した。ハンチントン病患者の一治験では、最大の鎮咳薬服用量の8倍のDMを服用後の患者の何人かで、血漿濃度が検出されなかった(Walkerら、Clin.Neuropharmacol.、1989年、第12巻、第322〜330ページ)。
上記で論じたように、DMは、肝臓でCYP2D6を触媒として大量にO−脱メチル化されてデキストロルファンとなる。この酵素は、人間の多形のデブリソキンのヒドロキシル化を司る酵素と同じものである(Schmidら、Clin.Pharmacol.Ther.、1985年、第38巻、第618〜624ページ)。代替経路は、主にCYP3A4およびN−脱メチル化を介在して、3−メトキシモルフィナンを生成するものである(Von Moltkeら、J.Pharm.Pharmacol.、1998年、第50巻、第997〜1004ページ)。DXおよび3−メトキシモルフィナンは共に、さらに脱メチル化されて、3−ヒドロキシモルフィナンになり、次いでこれがグルクロニド化される。DMをDXに変換する代謝経路は、大多数の人々で優性であり、CYP2D6の高代謝者および低代謝者としての表現型の個体に対するプローブとしてDMが使用される原理である(Kupferら、Lancet、1984年、第2巻、第517〜518ページ;Guttendorfら、Ther.Drug Monit.、1988年、第10巻、第490〜498ページ)。白人の約7%は低代謝者の表現型を示し、一方、中国人およびアフリカ系黒人では低代謝者の表現型の出現率がそれより低い(Drollら、Pharmacogenetics、1998年、第8巻、第325〜333ページ)。DMの高代謝者および低代謝者の疼痛しきい値を増加させる能力を調べる研究では、DMの抗侵害効果が、低代謝者では著しいが、高代謝者ではそうではないことが見出された(Desmeulesら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、1999年、第288巻、第607〜612ページ)。この結果は、神経変調に対してDX代謝物よりも親DMが直接影響を及ぼすことと一致している。
全身で利用可能なDMを増加させるための一手法は、CYP2D6阻害剤であるキニジンを一緒に投与して、DMを代謝から保護することである(Zhangら、Clin.Pharmacol.Ther.1992年、第51巻、第647〜655ページ)。キニジンを投与すると、高代謝者の表現型の被験者を低代謝者の表現型に変換することができる(Inabaら、Br.J.Clin.Pharmacol.、1986年、第22巻、第199〜200ページ)。この併用療法を筋萎縮性側索硬化症の患者で試したとき、仮性球麻痺性情動の症状に対して症状緩和の効果を及ぼすようであった(Smithら、Neurol.、1995年、第54巻、第604ページ)。DMとキニジンとによる併用治療はまた、他の薬物では十分に制御できなかった慢性疼痛の患者にも有効であるようであった。この観察所見は、DMが、低代謝者およびキニジンを与えた高代謝者では疼痛しきい値を増加させるのに有効であったが、高代謝者ではそうでなかったことを示す報告(Desmeulesら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、1999年、第288巻、第607〜612ページ)と一致する。現在まで、ほとんどの研究では、CYP2D6が媒介した薬物代謝を阻害するのに、50〜200mgの範囲のキニジンの服用量が用いられているが、酵素を阻害するためのキニジンの最低服用量を特定した研究はない。
異なる受容体の様々な人々を有する、異なる種類のニューロン間の非常に複雑な相互作用、デキストロメトルファン、ならびにこれら同じ種類の受容体の一部または全てと相互作用し得る他の種類の分子についての異なる種類の受容体の交雑親和性は、デキストロメトルファンの全部の効果を、任意の特定の受容体の種類の結合活性によるものであるとすることを非常に難しくする。それにもかかわらず、デキストロメトルファンは、少なくとも3種の分子機能によってニューロンの活性を抑制すると考えられる。すなわち、デキストロメトロファンは、(興奮性)NMDA受容体の活性を低減し、ある種の抑制性受容体に結合してニューロンの活性を阻害し、さらにN型チャネルおよびL型チャネルを通してのカルシウムの取り込みを抑制する。
一部のモルヒネ類似体とは異なり、デキストロメトルファンは、ミュー(μ)クラスのオピエート受容体およびカッパ(κ)クラスのオピエート受容体を含む他の様々なオピエート受容体のアゴニスト活性あるいはアンタゴニスト活性をほとんど、または全くもたない。これらのオピエート受容体のアゴニスト活性あるいはアンタゴニスト活性は呼吸抑制(呼吸を妨げる)や痛覚消失の阻害(鎮痛剤の有効性を低下させる)などの望ましくない副作用を引き起こすことがあるので、このことは非常に望ましい。
したがって、NMDA受容体のアンタゴニストとして、またデキストロメトルファン結合性抑制性受容体のアゴニストとして機能し、μオピエート受容体またはκオピエート受容体のアゴニスト活性あるいはアンタゴニスト活性のないことをも特徴とする薬物、すなわちデキストロメトルファンを投与することによって、少なくとも若干の患者の情動不安定または仮性球麻痺性情動を治療することができる。
大部分の人々では(米国の全人口の約90%が含まれると推測される)、デキストロメトルファンは、身体によって急速に代謝され、除去されることがわかって久しい(Ramachanderら、J.Pharm.Sci.、1977年7月、第66巻(7)、第1047〜8ページ;およびVetticadenら、Pharm.Res.、1989年1月、第6巻(1)、第13〜9ページ)。この除去は主としてP450 2D6(すなわちIID6)酵素として知られている酵素のためであり、この酵素はチトクロムP450酵素として知られている、肝臓に高濃度で存在する酸化酵素の類の一員である(Kronbachら、Anal.Biochem.、1987年4月、第162巻(1)、第24〜32ページ;およびDayerら、Clin.Pharmacol.Ther.、1989年1月、第45巻(1)、第34〜40ページ)。デキストロメトルファンの代謝に加え、P450 2D6イソ酵素はまた、スパルテインおよびデブリソキンを酸化する。P450 2D6酵素は、多くの薬物、特にキニジンによって阻害され得ることが知られている(Brinnら、Br.J.Clin.Pharmacol.、1986年8月、第22巻(2)、第194〜7ページ;Inabaら、Br.J.Clin.Pharmacol.、1986年8月、第22巻(2)、第199〜200ページ;Brosenら、Pharmacol.Toxicol.、1987年4月、第60巻(4)、第312〜4ページ;Ottonら、Drug Metab.Dispos.、1988年1月〜2月、第16巻(1)、第15〜7ページ;Ottonら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、1988年10月、第247巻(1)、第242〜7ページ;Funck−Brentanoら、Br.J.Clin.Pharmacol.、1989年4月、第27巻(4)、第435〜44ページ;Funck−Brentanoら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、1989年4月、第249巻(1)、第134〜42ページ;Nielsenら、Br.J.Clin.Pharmacol.、1990年3月、第29巻(3)、第299〜304ページ;Brolyら、Br.J.Clin.Pharmacol.、1989年7月、第28巻(1)、第29〜36ページ)。
正常レベルのP450 2D6活性を欠く患者は、医学文献では「低代謝者」に分類され、医師は、一般に、そのような患者に種々の薬物を投与することについて注意するよう警告される。「低代謝者(PM)の人々でこれら化合物の酸化的生体内変換が低下すると、過剰に薬物が蓄積され、ピーク薬物レベルが増大し、また場合によっては活性代謝物の生成が減少することがあり...PM表現型の患者では、重くなるかもしれない厄介な作用を受ける危険性が増大し...」(Guttendorfら、Ther.Drug Monit.、1988年、第10巻(4)、第490〜8ページ、490ページ)。したがって、医師は患者にキニジンを投与することに慎重であり、キニジンのような薬物を使用してデキストロメトルファンの急速な除去を抑制するよりもむしろ、この分野で活動する研究者らは、それが様々な問題をもたらすことが分かっているにもかかわらず、患者に非常に大量(例えば750mg/日など)のデキストロメトルファンを投与している(Walkerら、Clin Neuropharmacol.、1989年8月、第12巻(4)、第322〜30ページ;およびAlbersら、Stroke、1991年8月、第22巻(8)、第1075〜7ページ)。
デキストロメトルファンは、受容体複合体のフェンシクリジン部位に中〜高程度の親和性で結合する、弱い非競合性のNMDA受容体アンタゴニストである。しかしながら、DMは、更なる独特の薬理学的特性を有する。結合の研究では、DMが親和性の高いσ1部位の配位子であることが示されており、ここで、最初はDMがアンタゴニストとして作用することが提案されていたが(Tortellaら、TiPS、1989年、第10巻、第501〜7ページ)、より最近では、アゴニストとして作用することが提案されている(Mauriceら、Brain Res.Brain Res.Rev.、2001年、第37巻、第116〜32ページ)。σ配位子はまた、NMDA応答を変調する(Debonnelら、Life Sci.、1996年、第58巻、第721〜34ページ)。グルタミン酸塩に対するその抑制作用のために、多くの研究者は、その病気を緩和または阻止することを期待して、DMを用いてALS患者を治療している(Askmarkら、J.Neurol.Neurosurg.Psychiatry、1993年、第56巻、第197〜200ページ;Hollanderら、Ann.Neurol.、1994年、第36巻、第920〜4ページ;およびBlinら、Clin.Neuropharmacol.、1996年、第19巻、第189〜92ページ)。これらの治験は、あるいは白人の約90パーセント(高代謝者と呼ぶ)で起こるDMの急速かつ大量の代謝のために、何ら利益を示さなかった(Hildebrandら、Eur.J.Clin.Pharmacol.、1989年、第36巻、第315〜8ページを参照のこと)。
DM代謝は、高代謝者では主としてCYP2D6を媒介とする。これは、選択的CYP2D6阻害剤であるキニジンを、Qの服用量を心不整脈の治療に用いられるものの1/10〜1/101.5として、一緒に投与することによって回避できる(Schadelら、J.Clin.Psychopharmacol.、1995年、第15巻、第263〜9ページ)。DMの血液レベルは、Qを一緒に投与した後、DMの服用量に対して直線的に増加したが、DMを単独で与えた被験者の大部分では、高服用量であってさえも、検出されない(Zhangら、Clin.Pharmac.&Therap.、1992年、第51巻、第647〜55ページ)。このように、これらの個体で観察される血漿レベルは、遺伝子の多形性によってP450 2D6のレベルが低下している少数派の表現型を示す個体(低代謝者)で観察される血漿レベルによく似ている。思いがけなく、ALS患者でのDMおよびQの研究の際に、患者らが、自分たちの情動不安定が治療の間に改善したことを報告した。その後、このことを調査するために行ったプラシーボ対照クロスオーバー研究(N=12)では、ALS患者にDMとQとを併用投与すると、情動不安定が抑制される(プラシーボに対してP<0.001)ことが判明した(Smithら、Neurology、1995年、第45巻、第A330ページ)。
急速なデキストロメトルファンの除去は、デキストロメトルファンに加えてキニジンを一緒に投与することによって克服できる(Smithの米国特許第5,206,248号明細書)。キニジンの化学構造は次のとおりである。
Figure 2016106150
キニジンの同時投与は、少なくとも2つの明確な有益な効果を有する。第1に、キニジンは、血中を循環するデキストロメトルファンの量を大幅に増加させる。さらに、キニジンはまた、より一定かつ予測可能なデキストロメトルファン濃度を与える。デキストロメトルファン、またはキニジンとデキストロメトルファンの同時投与、および血漿濃度に対するキニジンの影響に関係する研究は、特許文献(Smithの米国特許第5,166,207号、米国特許第5,863,927号、米国特許第5,366,980号、米国特許第5,206,248号、および米国特許第5,350,756号明細書)に記載されている。
デキストロメトルファンが、進行性の神経疾患に罹患している一部の患者の情動不安定または仮性球麻痺性情動の内的な感情および外的な症状を低減できるという発見は、デキストロメトルファンがまた、脳の限られた領域に神経細胞死あるいは損傷をもたらす脳卒中や他の虚血性(低血流)あるいは低酸素性(低酸素供給)事象や、自動車、オートバイあるいは自転車事故の際に、または銃創のために起こり得る頭部の損傷あるいは外傷など、他の原因による情動不安定に罹患している一部の患者を助けるのにも有用そうであることを示唆している。
さらに、これまでに得られた結果はまた、デキストロメトルファンが他の薬物の投与による情動不安定の症例の一部を治療するのに有用そうであることをも示唆している。たとえば、プレドニゾンなどの様々なステロイド類が、狼瘡などの自己免疫疾患を治療するために広く使用されている。しかしながら、プレドニゾンは、軽度であるが目立って増大した不機嫌さおよび抑鬱のレベルから、患者の仕事、家事、または私事に差し障りかねない重く悪化した情動不安定のレベルまでの範囲で、多くの患者の情動状態に対する有害事象を伴う。
また、デキストロメトルファンをキニジンと組み合わせると、「月経前症候群」(PMS)、トゥーレット症候群、ある種の精神病に罹患している人々に起こる感情の噴出表現などの、他の様々な問題によって引き起こされ、またはそれに伴う外的な感情表現または内的な感情を低減することができる。このような問題は、臨床的には情動不安定と見なされないかもしれないが、情動不安定に十分に類似しているように思われる症状の発現を伴っており、デキストロメトルファンが、このような問題に罹患している少なくとも一部の患者に有効な治療薬となり得ることが示唆される。
好ましい実施形態の治療法の重要な特徴の一つは、この治療が、鎮静化させず、または他に、患者の意識あるいは機敏さの重大な妨げとならずに、情動不安定を軽減するように作用することである。本明細書では、「重大な妨げ」とは、臨床レベル(それらが医師または心理学者の明確な関心を引くであろう)、または個人的あるいは社会的レベル(ある者の自動車運転能力を損なうほど十分にひどい眠気を引き起こすことなどによる)で重大となるであろう有害事象のことを言う。これに対して、推奨投与量で使用したときに、デキストロメトルファンを含有する咳止めシロップなどの一般用医薬品によって引き起こされることがある非常に軽い副作用のタイプは、重大な妨げとは見なされない。
情動不安定または他の慢性病の急性期または慢性期の治療における、キニジンと組み合わせたデキストロメトルファンの予防または治療上の服用量の程度は、その病気の特定の原因、その病気の重症度、および投与経路によって変えてよい。服用量および/または服用頻度も、個々の患者の年齢、体重、および応答性に従って変えてよい。
一般に、デキストロメトルファンとキニジンとは、複合薬として投与するか、または別々の薬で実質的に同時に投与することが好ましい。デキストロメトルファンとキニジンの好ましい重量比は、約1:1.5以下、好ましくは約1:1.45、1:1.4、1:1.35、1:1.3以下、より好ましくは約1:1.25、1:1.2、1:1.15、1:1.1、1:1.05、1:1、1:0.95、1:0.9、1:0.85、1:0.8、1:0.75、1:0.7、1:0.65、1:0.6、1:0.55、1:0.5以下である。しかしながら、ある実施形態では、デキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:1.5を上回る投薬量、たとえば、約1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2以上の投薬量が好ましいこともある。同様に、ある実施形態では、デキストロメトルファンとキニジンの比が約1:0.5を下回る投薬量、たとえば、約1:0.45、1:0.4、1:0.35、1:0.3、1:0.25、1:0.2、1:0.15、1:0.1以下が好ましいこともある。デキストロメトルファンとキニジンとを1:1.25以下の好ましい比で投与するとき、一般に、常に一時に、50mg未満、より好ましくは約45mg、40mg、35mg以下、最も好ましくは約30mg、25mg、20mg以下のキニジンを投与することが好ましい。患者に1日当たりの好ましい投薬量レベルで与えるように、1:1.25以下の好ましい比で、1日2回、1日3回、1日4回、またはより頻繁に、この複合薬(または同時に投与される別々の薬)を投与することも好ましく、たとえば、1日につき60mgのキニジンと60mgのデキストロメトルファンとを、1回分の服用量がそれぞれ30mgのキニジンおよび30mgのデキストロメトルファンを含有するのを2回与えること;1日につき50mgのキニジンと50mgのデキストロメトルファンとを、1回分の服用量がそれぞれ25mgのキニジンおよび25mgのデキストロメトルファンを含有するのを2回与えること;1日につき40mgのキニジンと40mgのデキストロメトルファンとを、1回分の服用量がそれぞれ20mgのキニジンおよび20mgのデキストロメトルファンを含有するのを2回与えること;1日につき30mgのキニジンと30mgのデキストロメトルファンとを、1回分の服用量がそれぞれ15mgのキニジンおよび15mgのデキストロメトルファンを含有するのを2回与えること;または1日につき20mgのキニジンと20mgのデキストロメトルファンとを、1回分の服用量がそれぞれ10mgのキニジンおよび10mgのデキストロメトルファンを含有するのを2回与えることが好ましい。複合薬中のデキストロメトルファンとキニジンの合計量は、1:1.25以下の好ましい比を保ちながら、適切な1日当たりの合計投薬量を患者に与えるように、1日当たりに投与される服用回数に応じて調整してもよい。これらの比は、情動不安定および神経因性疼痛の治療に特に好ましい。
一般に、本明細書に記載した病気のためのデキストロメトルファンとキニジンとを併用する際の合計1日服用量は、約10mg以下から約200mg以上のデキストロメトルファンと約1mg以下から約150mg以上のキニジンとの併用であり;好ましくは、約15mgまたは20mg〜約65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、または190mgのデキストロメトルファンと、約2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、15mg、または20mg〜約55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、130mg、または140mgのキニジンとの併用;より好ましくは、約25mg、30mg、35mg、または40mg〜約55mgまたは60mgのデキストロメトルファンと、約25mg、30mg、または35mg〜約40mg、45mg、または50mgのキニジンとの併用である。特に好ましい実施形態では、デキストロメトルファン(DM)とキニジン(Q)との1日服用量は、20mgのDMと20mgのQ;20mgのDMと30mgのQ;20mgのDMと40mgのQ;20mgのDMと50mgのQ;20mgのDMと60mgのQ;30mgのDMと20mgのQ;30mgのDMと30mgのQ;30mgのDMと40mgのQ;30mgのDMと50mgのQ;30mgのDMと60mgのQ;40mgのDMと20mgのQ;40mgのDMと30mgのQ;40mgのDMと40mgのQ;40mgのDMと50mgのQ;40mgのDMと60mgのQ;50mgのDMと20mgのQ;50mgのDMと30mgのQ;50mgのDMと40mgのQ;50mgのDMと50mgのQ;50mgのDMと50mgのQ;60mgのDMと20mgのQ;60mgのDMと30mgのQ;60mgのDMと40mgのQ;60mgのDMと50mgのQ;または60mgのDMと60mgのQである。1日につき1回投与しても、また何回かに分けて(1日につき2回、3回、4回、またはそれ以上)投与してもよい。
情動不安定のための1日服用量は、単一用量または分割用量で、約20mg〜約60mgのデキストロメトルファンと約20mg〜約60mgのキニジンとの併用であることが好ましい。特に好ましい情動不安定のための1日服用量は、単一用量または分割用量で、約20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、または30mgのデキストロメトルファンと、約20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、または30mgのキニジンとの併用;約30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、または40mgのデキストロメトルファンと、約20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、または30mgのキニジンとの併用;約40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、または50mgのデキストロメトルファンと、約20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、または30mgのキニジンとの併用;または約50mg、51mg、52mg、53mg、54mg、55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、または60mgのデキストロメトルファンと、約20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、または30mgのキニジンとの併用である。
一般に、神経因性疼痛などの慢性疼痛、難治性の咳、皮膚炎、耳鳴り、および性的機能不全のためのデキストロメトルファンとキニジンとを併用する際の合計1日服用量は、約10mg以下から約200mg以上のデキストロメトルファンと、約1mg以下から約150mg以上のキニジンとの併用であることが好ましい。特に好ましい神経因性疼痛などの慢性疼痛、難治性の咳、皮膚炎、耳鳴り、および性的機能不全のための合計1日服用量は、単一用量または分割用量で、約20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、または30mgのデキストロメトルファンと、約20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、または30mgのキニジンとの併用;約30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、または40mgのデキストロメトルファンと、約20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、または30mgのキニジンとの併用;約40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、または50mgのデキストロメトルファンと、約20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、または30mgのキニジンとの併用;または約50mg、51mg、52mg、53mg、54mg、55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、または60mgのデキストロメトルファンと、約20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、または30mgのキニジンとの併用である。本明細書で述べる他の適応症についても、同様の1日服用量が一般に好ましい。
治療の管理においては、治療は、少なめの1日服用量、好ましくは1日につき約20mgまたは30mgのデキストロメトルファンと約2.5mgのキニジンとの併用で開始し、患者の全体的な反応に応じて、最高で約60mgのデキストロメトルファンと約75mgのキニジン、またはそれ以上に増やすことが好ましい。乳幼児、子供、65歳以上の患者、および腎機能あるいは肝機能に障害のある患者には、最初に少ない用量を与え、個々の反応および血中濃度に基づいて徐々に増量することがさらに好ましい。一般に、20〜30mgのデキストロメトルファンと20〜30mgのキニジンの1日服用量は、大部分の患者の耐容性が良好である。
当業者にとっては明らかであろうが、場合によっては、これらの好ましい範囲から外れた投薬量を投与することが好ましい場合もある。さらに、通常の熟練した臨床医または治療担当医ならば、個々の患者の反応を考慮して、治療を中断、調整、または終了する方法および時期がわかるであろうことに特に言及する。
併用されるデキストロメトルファンとキニジンの有効服用量を患者に与えるためには、適切などんな投与経路を使用してもよい。たとえば、経口、直腸、経皮、非経口(皮下、筋内、静脈内)、くも膜下、局所、吸入などの投与形態を使用することができる。適切な剤形には、錠剤、トローチ剤、分散液、懸濁液、溶液、カプセル剤、貼付吸収薬(パッチ)などが含まれる。本明細書に記載の化合物から調製される薬剤は、これらの化合物を血流に導入することができる適切などんな方法によっても投与することができる。好ましい実施形態の調合物は、有効化合物の混合物と共に、当業者に知られている薬剤として許容される担体または希釈剤を含有していてよい。
情動不安定を治療する本方法は、デキストロメトルファンを佐剤としてのキニジンと組み合わせて使用することによって、イーライリリー社によってPROZAC(登録商標)として市販されている塩酸フルオキセチンなど、公知の治療薬の程度にまで高めることができる。好ましい佐剤には、本明細書で述べたような病人の治療に従来使用されている薬剤組成物が含まれる。
本発明の薬剤組成物は、デキストロメトルファンとキニジンの両方、またはデキストロメトルファンおよび/またはキニジンの薬剤として許容される塩を有効成分として含み、薬剤として許容される担体、および任意で他の治療成分をも含んでいてもよい。
用語「薬剤として許容される塩」または「それの薬剤として許容される塩」とは、薬剤として許容される非毒性の酸または塩基から調製される塩を指す。適切な薬剤として許容される塩には、金属塩、たとえばアルミニウム塩、亜鉛塩や、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;有機塩、たとえばリジン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、メグルミン(N−メチルグルカミン)塩、プロカイン塩、およびトリス塩;遊離酸の塩および遊離塩基の塩;無機塩、たとえば硫酸塩、塩酸塩、および臭化水素酸塩;および現在薬剤に広く一般に使用されており、「The Merck Index」などの当業者によく知られている情報源に記載されている他の塩が含まれる。その成分が非毒性であり、所望の活性を実質的に妨げないのであれば、本明細書で論じている有効薬物の塩を生成するために、適切などんな成分を選択してもよい。塩に加えて、薬剤として許容されるこれらの化合物の前駆体および誘導体を使用することができる。薬剤として許容されるデキストロメトルファンおよび/またはキニジンのアミド、低級アルキルエステル、および保護された誘導体もまた、好ましい実施形態の組成物および方法での使用に適していることがある。特に好ましい実施形態では、デキストロメトルファンを臭化水素酸デキストロメトルファンの形で投与し、キニジンを硫酸キニジンの形で投与する。たとえば、30mgの臭化水素酸デキストロメトルファン(分子式C1825NO・HBr・HO)と30mgの硫酸キニジン(分子式(C2024・HSO・2HO)の服用量を投与することができる(約22mgのデキストロメトルファンと25mgのキニジンの有効投与量に相当する)。他の好ましい投与量には、たとえば、45mgの臭化水素酸デキストロメトルファンと30mgの硫酸キニジン(約33mgのデキストロメトルファンと約25mgのキニジンの有効投与量に相当);60mgの臭化水素酸デキストロメトルファンと30mgの硫酸キニジン(約44mgのデキストロメトルファンと約25mgのキニジンの有効投与量に相当);45mgの臭化水素酸デキストロメトルファンと45mgの硫酸キニジン(約33mgのデキストロメトルファンと37.5mgのキニジンの有効投与量に相当);60mgの臭化水素酸デキストロメトルファンと60mgの硫酸キニジン(約44mgのデキストロメトルファンと50mgのキニジンの有効投与量に相当)が含まれる。
組成物は、任意の所望の形態、たとえば、錠剤、粉末、カプセル剤、懸濁液、溶液、エリキシル剤、およびエアロゾル剤に調製することができる。経口固形製剤には、デンプン、糖類、微結晶性セルロースなどの担体、希釈剤、造粒剤、滑剤、結合剤、崩壊剤などを使用することができる。一般に、経口固形製剤(粉末、カプセル剤、錠剤など)が経口液状製剤よりも好ましい。しかしながら、ある実施形態では、経口液状製剤が経口固形製剤よりも好ましいことがある。最も好ましい経口固形製剤は、錠剤である。所望により、標準的な湿式技術(aqueous technique)または乾式技術(nonaqueous technique)によって錠剤をコーティングしてよい。
上述の一般的な剤形に加えて、持効性、遅効性、あるいは放出制御性の組成物および/または送出デバイス、たとえば、米国特許第3,845,770号、同第3,916,899号、同第3,536,809号、同第3,598,123号、および同第4,008,719号に記載のものなどによって、これらの化合物を投与することもできる。
経口投与に適する薬剤組成物は、それぞれが所定量の有効成分を含有するカプセル剤、カシェ剤、錠剤、エアロゾルスプレーなどの別個の単位として、または粉末あるいは顆粒として、または水性液、非水性液、水中油型エマルジョン、あるいは油中水型液体エマルジョンの溶液あるいは懸濁液として提供することができる。このような組成物は、従来の調剤方法のいずれによっても調製することができるが、大多数の方法は、一般的に、有効成分と、1種以上の成分となる担体とを合わせる工程を含む。一般に、組成物は、有効成分と、液体担体、微粉化した固体担体またはその両方とを均等に、かつ完全に混合し、次いで、任意選択で製品を所望の形に成形することで調整される。
たとえば、錠剤は、任意選択で1種以上の添加成分を加えて、圧縮または成形することによって調製することができる。圧縮錠剤は、任意選択で結合剤、滑剤、不活性希釈剤、界面活性剤、または分散剤と混合した、粉末や顆粒などの易流動性形態の有効成分を適切な機械で圧縮することで調製することができる。成形錠剤は、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適切な機械で成形することで製造することができる。
各々の錠剤は、約30mg〜約60mgのデキストロメトルファンと約30mg〜約45mgのキニジンとを含有することが好ましく、各々のカプセル剤は、約30mg〜約60mgのデキストロメトルファンと約30mg〜約45mgのキニジンとを含有することが好ましい。錠剤またはカプセル剤は、投与量を分割して投与できるような範囲の投与量で提供されることが最も好ましい。たとえば、約10mgのデキストロメトルファンと約5mg、10mg、または15mgのキニジン;約20mgのデキストロメトルファンと約10mg、20mg、または30mgのキニジン;約30mgのデキストロメトルファンと約15mg、30mg、または45mgのキニジンなどを含有する錠剤、カシェ剤、またはカプセル剤を提供することができる。患者、治療する病気、および1日当たりに投与される服用回数に適切な投薬量は、このように従来どおりに選択することができる。デキストロメトルファンとキニジンの両方が単一の錠剤または他の剤形に含まれていることが一般に好ましいが、ある実施形態では、デキストロメトルファンとキニジンとを別々の剤形にして与えることが望ましいこともある。
情動不安定および本明細書に記載の他の病気に罹患している患者を、デキストロメトルファンと、有意な治療効果を得るのに必要であるとこれまで考えられていた最少量よりも非常に少ない量のキニジンとの併用によって治療できることが予想外に見出された。本明細書では、「最少有効治療量」とは、デキストロメトルファンの身体からの急速な除去を十分に妨げながら、有害な作用を生じない、または許容される程度および性質の有害事象しか生じない量である。より具体的には、好ましい有効治療量は、1日当たり約20mg、25mg、または30mg〜約60mgの範囲のデキストロメトルファンと約50mg未満のキニジン、好ましくは1日当たり約20mgまたは30mg〜約60mgのデキストロメトルファンと約30mg〜約45mgのキニジンであり、その量をデキストロメトルファンの血漿半減期に基づき分割して投与することが好ましい。たとえば、好ましい実施形態では、デキストロメトルファンおよびキニジンの好ましい最大特定投薬量は体重に基づくものとし、デキストロメトルファンとキニジンとを特定のmgずつ増やして投与して、特定のレベルのμg/mL血漿のデキストロメトルファンの目標濃度を達成する。そして、12時間ごとに目標服用量を投与することが好ましい。キニジンのレベルを最小限度にしているので、キニジンの高投与量で認められる副作用が最小限度に抑えられ、または除かれ、有意な利益は、より高濃度のキニジンと組み合わせてデキストロメトルファンを含有する組成物を上回る。
好ましい実施形態のデキストロメトルファンとキニジンの併用は、他の治療には十分に好ましい反応を示さない他の慢性疾患の治療のための処方においても極めて有効となり得る。デキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて使用すると、非習慣性の非ステロイド系の薬物に十分に好ましい反応を示さない重症または難治性の咳を、副作用を最小限に抑えて、有効に治療することができる。難治性の咳は、呼吸器感染、喘息、肺気腫、および肺系統を冒す他の病気の結果である。
好ましい実施形態のようなデキストロメトルファンとキニジンの併用は、皮膚炎の治療のための薬剤組成物にも用いることができる。本明細書では、「皮膚炎」または「湿疹」とは、目に見える皮膚病変および/または皮膚の痒み、あるいは焼灼感を特徴とする皮膚状態である。好ましい実施形態のようなデキストロメトルファンとキニジンの併用は、脳卒中、外傷、癌などの病気からの慢性疼痛、および帯状ヘルペス感染症や糖尿病などのニューロパシーによる痛みの治療のための薬剤組成物にも用いることができる。好ましい実施形態に従いデキストロメトルファンとキニジンを併用して治療することのできる他の病気には、持続勃起症や早発射精などの性的機能不全、および耳鳴りが含まれる。
以下の段落では、臨床研究の結果を報告する。別に示さない限り、デキストロメトルファンは、一水和物の形の臭化水素酸デキストロメトルファン(米国薬局方 臭化水素酸デキストロメトルファン)として投与し、キニジンは、二水和物の形の硫酸キニジン(米国薬局方 硫酸キニジン)として投与した。
臨床研究#1
臨床試験を実施して、デキストロメトルファンのデキストロルファンへの変換を抑制するキニジンの最少用量を決定し、デキストロメトルファン/キニジンを投与する間の副作用の発生を記録に留めた。
試験プロトコル明細と詳細な日程および予定表を準備して、研究を行う間そのプロトコルを一貫して確実に実行するようにした。
デキストロメトルファンを対象とした表現型の調査を実施した。この調査は、非盲検の単一用量試験とした。確実に採用および不採用の基準を満たすように被験者を選抜した。被験者に、240mLの水道水と共に、臭化水素酸デキストロメトルファンの30mgカプセルを1回経口服用させた。合計58名の被験者を審査し、50名の被験者に投薬した。この調査では、各被験者のデキストロメトルファン代謝能を決定した。採用/不採用の基準を満たした被験者を、投薬する間、自宅に居させた。各被験者に、デキストロメトルファンの30mgカプセルを1カプセル投与した(P.M.)。服用前から服用後12時間まで尿を採取し、デキストロメトルファンおよびデキストロルファンの分析を行った。服用前と服用後2時間、4時間、および8時間後に血液サンプル(5mL)を採取して、血漿デキストロメトルファン、デキストロルファン、およびキニジンの分析を行った。少なくとも2日間のウォッシュアウト期間(休薬期間)の後、デキストロメトルファンの高代謝者であると決定された48名の被験者に、キニジン服用試験に参加するように依頼した。これらの被験者のうち46名は、デキストロメトルファンの高代謝者であると決定された。試験中に1件の副作用が報告された(軽症に分類される頭痛、介入なしで解消した)。
その後、キニジンの用量決定試験を実施した。この試験は、非盲検の無作為化多重用量試験とした。高代謝者であることが確認された被験者に、1日目の晩に1回分を投与し、翌6日間は12時間間隔で投与し、8日目の朝に最終分を投与した。すべての被験者に、8回の特定の時に、自身に調合された薬物を自宅で、自分自身で服用するように指示した。被験者は、有害作用を記録するために、調査中日記を書き続けた。
無作為に治療Aとした被験者には、240mLの水道水と共に、臭化水素酸デキストロメトルファン30mgカプセルを14回経口服用させた。無作為に治療Bとした被験者には、240mLの水道水と共に、臭化水素酸デキストロメトルファン30mg/キニジン2.5mgカプセルを14回経口服用させた。無作為に治療Cとした被験者には、240mLの水道水と共に、臭化水素酸デキストロメトルファン30mg/キニジン10mgカプセルを14回経口服用させた。無作為に治療Dとした被験者には、240mLの水道水と共に、臭化水素酸デキストロメトルファン30mg/キニジン25mgカプセルを14回経口服用させた。無作為に治療Eとした被験者には、240mLの水道水と共に、臭化水素酸デキストロメトルファン30mg/キニジン50mgカプセルを14回経口服用させた。無作為に治療Fとした被験者には、240mLの水道水と共に、臭化水素酸デキストロメトルファン30mg/キニジン75mgカプセルを14回経口服用させた。
1名を除き、試験に参加したすべての被験者が、プロトコルに示した採用/不採用の基準を満たした。被験者を試験に参加させる前に、病歴、臨床検査評価、および実施した身体検査の見直しを行った。被験者に、試験に参加する間、グレープフルーツ製品を摂取しないように指示した。一般用医薬品は、服用前の3日間および試験の間禁止し、処方医薬品(経口避妊薬を除く)は、服用前の14日間および試験の間禁止した。
男性22名および女性24名の合計46名の被験者が試験に参加し、男性22名および女性23名の45名の被験者が試験を完了した。試験に参加する前の21日間のうちに被験者の審査を行った。審査手続きには、病歴、身体検査(身長、体重、体格サイズ、バイタルサイン、およびECG(心電図))、および臨床検査試験(血液学、血清化学、尿検査、HIV抗体スクリーニング、血清妊娠、THECA(包膜)についてのスクリーニング)が含まれる。
被験者は、診療所では、1日目(P.M.)、2日目(A.M.)、3日目(P.M.)、4日目(A.M.)、および7日目(P.M.)のスケジュールで服用した。被験者は、8日目に午前の服用を診療所に報告し、服用後8時間自宅に滞在した。被験者は、2日目(P.M.)、3日目(A.M.)、4日目(P.M.)、5日目(A.M.およびP.M.)、6日目(A.M.およびP.M.)、7日目(A.M.)に自宅で自己投薬した。被験者は、1日目のPMおよび8日目のAMに1回しか服用しなかったことを除き、1日2回服用した。
試験終了時に、臨床検査評価(血液学、化学、尿検査)、バイタルサイン、ECG、および簡単な身体検査を行った。被験者には、試験中に起こったどんな有害事象も試験担当医および/または保全看護士に知らせるように指示した。
8日目に、服用前と服用後2時間、4時間、および8時間後に血液サンプル(5mL)を採取して、デキストロメトルファン、デキストロルファン、およびキニジンの分析を行った。試験中に(デキストロメトルファンのスクリーニングを含めて)合計8件の血液サンプル(40mL)を採取して、薬物の分析を行った。血漿サンプルを遠心分離によって分離し、次いで−20℃で凍結させ、検査するまで凍らせておいた。服用前から1回目、5回目、および13回目の服用後12時間まで尿を採取した。尿サンプルは、採取する間ずっとプールしておいた。採取期間の終わりに、合計体積を記録し、2アリコート(部分サンプル)を、デキストロメトルファンおよびデキストロルファンについて分析するまで−20℃で凍結させておいた。
合計46名の被験者に服用させ、45名の被験者が試験を終了した。1名の被験者は、経験した有害事象に耐え切れずに、試験を中止/辞退した。被験者の平均年齢は51歳(20歳から86歳の範囲)であり、被験者の平均身長は67.6インチ(61.5インチから74.5インチの範囲)であり、被験者の平均体重は162.9ポンド(101.0ポンドから229.0ポンドの範囲)であった。
合計8名の被験者を治療グループB、D、およびEに入れた。7名の被験者を治療グループAおよびCに入れた。
34名(74%)の被験者が合計150件の有害事象を経験した。1件の重い有害作用を除き、すべての有害事象が軽症(96%)または普通(4%)に分類された。最も多く報告された有害事象には、頭痛、軟便、立ちくらみ、めまい、および悪心(吐き気)が含まれる。調査薬物との関係は、150件の有害事象のうち120件(80%)が、関係があるかもしれない、関係がありそうである、またはほとんど確実に関係があると分類された。服用グループ間で、認められた有害事象の種類または頻度の明確な差はなかった。バイタルサイン、身体検査、または臨床検査試験に関しては、臨床上重要な傾向が全く認められなかった。
臨床研究#2
この試験の目的は、30mgの臭化水素酸デキストロメトルファンおよび25mgの硫酸キニジンを含有するカプセル製剤の一回服用および複数回服用についてのデキストロメトルファンの薬物動態パラメータを決定すること、高代謝者と低代謝者とのこれら薬物動態パラメータの差を決定すること、および製剤投与中の副作用の発生を記録に留めることである。この試験は、非盲検の単一および多重用量を意図している。
10名の被験者が試験に参加した。合計9名の被験者が試験を完了した。10名の被験者が安全解析に含められ、9名が薬物動態分析に含められた。この試験に参加したすべての被験者が、調査員によって健常ボランティアであると判断された。
試験製剤は、臭化水素酸デキストロメトルファン30mgおよび硫酸キニジン25mgのカプセルであった。すべての被験者に、240mLの水と共に、臭化水素酸デキストロメトルファン30mgおよび硫酸キニジン25mgのカプセル剤1カプセルを12時間ごとに合計15回経口服用させた。
デキストロメトルファン、デキストロルファン、およびキニジンの1日目、4日目、および8日目の血漿濃度−時間データから、非区画化薬物動態パラメータのCmax、Tmax、およびAUC(0〜12)を算出した。さらに、パラメータKelおよびT 1/2elを、デキストロルファン(8日目)およびキニジン(1日目、4日目、および8日目)について算出した。
尿中に排出されたデキストロメトルファンおよびデキストロルファンの量を、1日目(1回服用後)、8日目(15回服用後)、および9〜14日目の12時の採取尿から算出した。各尿採取日について、モル代謝比(デキストロメトルファン:デキストロルファン)を算出した。
身体検査、バイタルサイン、心電図(ECG)、臨床検査(血液学、血清化学、および尿検査)、および有害事象評価によって被験者を評価した。
各パラメータの、平均値、中央値、標準偏差、変動係数、N、最小値、および最大値を含む記述統計値を、被験者全員について、日ごとに算出した。さらに、記述統計値を、サブグループ、すなわち高代謝者(EM)および低代謝者(PM)ごとに示した。
正規理論である一般線形モデル(GLM)を、log変換パラメータのCmaxおよびAUC(0〜12)、および非変換Tmax(デキストロメトルファンおよびデキストロルファン)と、非変換パラメータのCmax、AUC(0〜12)、およびTmax(キニジン)とに適用した。ANOVAモデルには、因子グループ(EMまたはPM)、グループ内の被験者数、日数、およびグループごとの相互作用期間日数を含めた。グループ平均平方内の被験者を使用してグループ効果を検定し、残差(誤差平均平方)を使用して他のすべての主効果を検定した。さらに、1日目=4日目、1日目=8日目、および4日目=8日目という仮定を検証した。
安全性および耐容性を以下のようにデータ一覧表および要約統計値の算出によって評価した。すなわち、投与前および投与後の血液学、血清化学、および尿検査の試験結果を被験者ごとのデータ一覧表に記載した。記述統計値は採取時点ごとに報告し、服用前から服用後への変化をまとめ、対応のあるpaired t−テストを使用して統計的に検定した(H:変化=0)。投与前から投与後への範囲外の変動を示す変動表を作成した。正常範囲外および臨床上重要な検査値を被験者ごとに記載した。
バイタルサインの測定値、すなわち、収縮期および拡張期血圧、脈拍数、呼吸、および体温については、記述統計値(平均値、標準偏差、最小値、最大値、およびサンプルサイズ)を時点(スクリーニングおよび服用後8日目)ごとに報告した。要約統計値は、代謝者タイプごとに示した。スクリーニング測定値と服用後の測定値との差を示し、paired t−テストを使用して統計的に検定した(H:差=0)。個々のバイタルサインの結果は被験者ごとのデータ一覧表に記載した。服用前から服用後に生じる身体検査結果の変化も確認した。
服用前に12誘導ECGを記録した。ECG測定値、すなわち、QRS、PR、QTc、および心拍数について、記述統計値(平均値、標準偏差、最小値、最大値、およびサンプルサイズ)を時点(服用前および服用後8日目)ごとに報告した。要約統計値は、代謝者タイプごとに示した。服用前と服用後8日目の測定値との差を示し、paired t−テストを使用して統計的に検定した(H:差=0)。ECGの結果は被験者ごとのデータ一覧表に記載した。
有害事象は、COSTART辞典第5版を使用して分類した。一覧表には、代謝者タイプごとに、有害事象を報告した被験者の数を、服用させた被験者数に対するパーセントとして記載してある。一覧表には、有害事象の頻度、重症度、および調査薬物との関係も示した。有害事象は、報告者の言葉、重症度、頻度、および治療との関係を含む題目ごとに一覧表に記載した。
デキストロメトルファンの高代謝者(EM)、デキストロメトルファンの低代謝者(PM)、および全被験者について、デキストロメトルファン、デキストロルファン、およびキニジンの平均薬物動態パラメータを表1にまとめて示す。
Figure 2016106150
デキストロメトルファンの高代謝者(EM)、デキストロメトルファンの低代謝者(PM)、および全被験者について、平均尿中代謝比(デキストロメトルファン:デキストロルファン)を表2にまとめて示す。
Figure 2016106150
この試験の間、重大な有害事象は起こらなかった。薬物に関係のある有害事象には、無力症、下痢、食欲不振、悪心、嘔吐、不安、離人症、不眠症、および傾眠を含めた。有害事象の大多数は、重症度が軽く、すべてが治療なしで解消した。服用後の高代謝者のグループではQT間隔の延長および心拍数の低下が認められた。バイタルサイン、身体検査、またはごく普通の臨床検査試験に関しては、臨床上重要な傾向が認められなかった。
この試験の間、少ない用量のキニジンがデキストロメトルファンの代謝を抑制して、全身での利用可能性を増大させた。この効果は、高代謝者で最も著しかった。平均尿中代謝比(デキストロメトルファン:デキストロルファン)は、高代謝者では8日目までに少なくとも29倍に増加した。血漿中デキストロルファンAUC(0〜12)は、1日目と8日目の間に約8倍に増加したが、平均血漿中デキストロルファンAUC(0〜12)は、1日目と8日目の間で同じままであった。
低代謝者におけるデキストロメトルファンの代謝に対するキニジンの作用は、はっきりしなかった。尿中代謝比は、キニジン処置によって変化しないようであった。デキストロメトルファンとデキストロルファンの排出が、共に増加した。しかしながら、デキストロルファンの排出は、デキストロメトルファンに比例して増加した。このことは、低代謝者では、キニジンがデキストロメトルファンのデキストロルファンへの代謝を抑制しなかったことを示唆している。しかしながら、デキストロメトルファンAUC(0〜12)は1日目〜8日目に6.1倍に増加し、それに対してデキストロルファンAUC(0〜12)の増加は4.8倍であり、このことは代謝クリアランスが少し減少したことと一致する。
キニジンの薬物動態は、高代謝者と低代謝者とで類似していた。平均キニジン排出半減期(6.78〜8.14時間)は、以前から報告されている値と類似していた。
臭化水素酸デキストロメトルファンおよび硫酸キニジンのカプセル剤を、一回服用または複数回服用製品として投与すると、この健常者集団では耐容性が良いようであった。
臨床研究#3
この試験の目的は、45mgのデキストロメトルファンのデキストロルファンへの変換を有効に阻害する硫酸キニジンの最少用量と、60mgのデキストロメトルファンのデキストロルファンへの変換を有効に阻害するキニジンの最少用量とを決定すること、およびデキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて投与する間の副作用の発生を記録に留めることである。
この投薬相互作用試験は、第1相、非盲検、並行グループ、多重用量、単一施設の安全性および薬物動態試験であった。合計64名の被験者を予定していたが、65名の被験者がこの試験に参加した。合計47名の被験者が試験を完了し、薬物動態分析に含められた。すべての被験者を安全解析に含めた。デキストロメトルファンの高代謝者であることが確認された18〜60歳の年齢の男女が参加した。すべての被験者が健常ボランティアであると判断された。参加した被験者は、採用および不採用の基準を満たしていた。
試験製剤は、臭化水素酸デキストロメトルファンおよび硫酸キニジンのカプセルであり、水と共に経口投与した。治療Aを受ける被験者には、1日目から8日目に、240mLの水と共に、臭化水素酸デキストロメトルファン60mg/硫酸キニジン0mgのカプセル剤1カプセルを1日2回経口服用させた。治療Bを受ける被験者には、1日目から8日目に、240mLの水と共に、臭化水素酸デキストロメトルファン60mg/硫酸キニジン30mgのカプセル剤1カプセルを1日2回経口服用させた。治療Cを受ける被験者には、1日目から8日目に、240mLの水と共に、臭化水素酸デキストロメトルファン60mg/硫酸キニジン45mgのカプセル剤1カプセルを1日2回経口服用させた。治療Dを受ける被験者には、1日目から8日目に、240mLの水と共に、臭化水素酸デキストロメトルファン60mg/硫酸キニジン60mgのカプセル剤1カプセルを1日2回経口服用させた。治療Eを受ける被験者には、1日目から8日目に、240mLの水と共に、臭化水素酸デキストロメトルファン45mg/硫酸キニジン0mgのカプセル剤1カプセルを1日2回経口服用させた。治療Fを受ける被験者には、1日目から8日目に、240mLの水と共に、臭化水素酸デキストロメトルファン45mg/硫酸キニジン30mgのカプセル剤1カプセルを1日2回経口服用させた。治療Gを受ける被験者には、1日目から8日目に、240mLの水と共に、臭化水素酸デキストロメトルファン45mg/硫酸キニジン45mgのカプセル剤1カプセルを1日2回経口服用させた。治療Hを受ける被験者には、1日目から8日目に、240mLの水と共に、臭化水素酸デキストロメトルファン45mg/硫酸キニジン60mgのカプセル剤1カプセルを1日2回経口服用させた。治療B、C、D、F、G、およびHについては、被験者に、1回目に臭化水素酸デキストロメトルファン1回分(治療B、C、およびDでは60mg、または治療F、G、およびHでは45mg)をキニジンなしで服用させ、次いで示したカプセル14回分を服用させた。すなわち、すべての被験者に、ベースラインとして治療AまたはEを1回受けさせた。
治療AおよびEの1回目の服用は参考として考えた。臭化水素酸デキストロメトルファン30mgカプセルを使用して、表現型の決定を行った。被験者に、240mLの水と共に、臭化水素酸デキストロメトルファン30mgカプセルを1回経口服用させた。
非区画化分析を使用して、血漿薬物動態パラメータのCmax、Tmax、AUC(0〜5)、およびAUC(0〜12)を算出した。薬物動態パラメータをまとめ、すべてのグループの記述統計値を算出した。これらのパラメータのベースラインからの変化を算出し、まとめた。尿中代謝比(デキストロメトルファン/デキストロルファン)を算出した。すべてのグループの記述統計値を算出し、ベースラインからの代謝比の変化を算出し、まとめた。
有害事象評価、血液学、血液化学、および尿検査値のモニタリング、バイタルサインおよび心電図(ECG)の測定、ならびに身体検査の実施を行い、安全性を評価した。
デキストロメトルファンおよびキニジンを複数回投与した後、1日目と8日目の連続的な血漿中のデキストロメトルファンおよびデキストロルファンの濃度、8日目のキニジンの濃度、および1日目、3日目、および7日目の12時尿採取の尿中に排出されたデキストロメトルファンおよびデキストロルファンの量を測定して、デキストロメトルファンの薬物動態に対するキニジンの影響を評価した。1日目および8日目のデキストロメトルファンおよびデキストロルファン、8日目のキニジンの血漿濃度−時間データから、非区画化薬物動態パラメータのCmax、Tmax、AUC(0〜5)、およびAUC(0〜12)を算出した。1日目、3日目、および7日目の12時採取尿から、尿中に排出されたデキストロメトルファンおよびデキストロルファンの量を算出した。各尿採取日について、モル代謝比(デキストロメトルファン:デキストロルファン)を算出した。キニジンがデキストロメトルファンに及ぼす影響を評価するために、それぞれデキストロメトルファン投与量が60mgと45mgの4種のデキストロメトルファンおよびキニジン治療から得られたデキストロメトルファンのパラメータAUCについて、SAS PROC Mixedを用いて分散分析を行った。各服用量の最小二乗平均、服用量間の差(二つ一組の比較)に加え、その差の有意性についてのP値を示した。デキストロメトルファンがキニジンに及ぼす影響を評価するために、キニジンのパラメータAUCについて、SAS PROC Mixedを用いて分散分析を行った。各服用量の最小二乗平均、服用量間の差(二つ一組の比較)に加え、その差の有意性についてのP値を示した。
安全性および耐容性は、要約統計値を算出して評価し、個々の題目のデータ一覧表に示した。有害事象を、MedDRA Adverse Event Dictionary(バージョン3.0、2000年)を使用してコード化した。治療によって発生した有害事象の頻度、種類、重症度、および調査薬物との関係を示し、各治療間の比較を行った。
臨床試験では、スクリーニング試験および試験後の測定値を、両時点間の変化とともに、血清化学検査および血液学検査の記述統計値(中央値、平均値、標準偏差、最小値、最大値、およびサンプルサイズ)によってまとめた。血清化学検査、血液学検査、および尿検査について、スクリーニングから試験後への変動表を作成した。範囲外の臨床検査結果およびそれに伴う再検査値を記載した。
ベースラインおよび服用後のバイタルサインおよび12誘導心電図(ECG)測定値、ならびに両時点間の変化について、記述統計値(中央値、平均値、標準偏差、最小値、最大値、およびサンプルサイズ)を算出した。ベースラインから服用後へのECG変動表も示した。
治療A、B、C、D、E、F、G、およびHの後の血漿中のデキストロメトルファン、デキストロルファン、およびキニジンの薬物動態パラメータの算術平均と、各治療グループを統計学的に比較した結果とを以下の表に示す。表3は、60mgのデキストロメトルファン服用後の血漿中のDMの薬物動態パラメータをまとめて示すものである。
Figure 2016106150
表4は、60mgのデキストロメトルファンの服用に対するキニジン服用の効果に関する血漿中デキストロメトルファンAUC(0〜12)の統計学的な比較をまとめて示すものである。
Figure 2016106150
表5は、60mgのデキストロメトルファンの服用に対するキニジン服用の効果に関する血漿中デキストロメトルファンAUC(0〜t)の統計学的な比較をまとめて示すものである。
Figure 2016106150
表6は、45mgのデキストロメトルファンを服用した後の血漿中のデキストロメトルファンの薬物動態パラメータをまとめて示すものである。
Figure 2016106150
表7は、60mgのデキストロメトルファンの服用に対するキニジン服用の効果に関する血漿中デキストロメトルファンAUC(0〜12)の統計学的な比較をまとめて示すものである。
Figure 2016106150
表8は、60mgのデキストロメトルファンの服用に対するキニジン服用の効果に関する血漿中デキストロメトルファンAUC(0〜t)の統計学的な比較をまとめて示すものである。
Figure 2016106150
表9は、60mgのデキストロメトルファンを服用した後の血漿中のデキストロメトルファンの薬物動態パラメータをまとめて示すものである。
Figure 2016106150
表10は、60mgのデキストロメトルファンの服用に対するキニジン服用の効果に関しての血漿中デキストロメトルファンAUC(0〜12)の統計学的な比較をまとめて示すものである。
Figure 2016106150
表11は、60mgのデキストロメトルファンの服用に対するキニジン服用の効果に関しての血漿中デキストロメトルファンAUC(0〜t)の統計学的な比較をまとめて示すものである。
Figure 2016106150
表12は、45mgのデキストロメトルファンを服用した後の血漿中のデキストロメトルファンの薬物動態パラメータをまとめて示すものである。
Figure 2016106150
表13は、45mgのデキストロメトルファンの服用に対するキニジン服用の効果に関しての血漿中デキストロメトルファンAUC(0〜12)の統計学的な比較をまとめて示すものである。
Figure 2016106150
表14は、45mgのデキストロメトルファンの服用に対するキニジン服用の効果に関しての血漿中デキストロメトルファンAUC(0〜t)の統計学的な比較をまとめて示すものである。
Figure 2016106150
表15は、60mgのデキストロメトルファンを服用した後の血漿中のデキストロメトルファンの薬物動態パラメータをまとめて示すものである。
Figure 2016106150
表16は、45mgのデキストロメトルファンを服用した後の血漿中のデキストロメトルファンの薬物動態パラメータをまとめて示すものである。
Figure 2016106150
表17は、異なるデキストロメトルファン/キニジン用量の組合せに関しての血漿中キニジンAUC(0〜12)の統計学的な比較をまとめて示すものである。
Figure 2016106150
表18は、異なるデキストロメトルファン/キニジン用量の組合せに関しての血漿中キニジンAUC(0〜t)の統計学的な比較をまとめて示すものである。
Figure 2016106150
表19には、60mgのデキストロメトルファンを服用した後の尿の薬物動態パラメータについての代謝比をまとめて示す。
Figure 2016106150
表20には、60mgのデキストロメトルファンの服用に対するキニジン服用の効果に関して、Ae(156〜168時間)についての尿中代謝比の統計学的な比較をまとめて示す。
Figure 2016106150
表21には、60mgのデキストロメトルファンの服用に対するキニジン服用の効果に関して、CumAe(156〜168時間)についての尿中代謝比の統計学的な比較をまとめて示す。
Figure 2016106150
表22には、45mgのデキストロメトルファンを服用した後の尿の薬物動態パラメータについての代謝比をまとめて示す。
Figure 2016106150
表23には、45mgのデキストロメトルファンの服用に対するキニジン服用の効果に関して、Ae(156〜168時間)についての尿中代謝比の統計学的な比較をまとめて示す。
Figure 2016106150
表24には、45mgのデキストロメトルファンの服用に対するキニジン服用の効果に関して、CumAe(156〜168時間)についての尿中代謝比の統計学的な比較をまとめて示す。
Figure 2016106150
データは、デキストロメトルファンと硫酸キニジンの同時投与が安全であり、最高の用量レベル(デキストロメトルファン60mg/キニジン60mg)まで耐容性が中程度に良いことを示唆している。
この試験の間に、服用させた65名の被験者のうち48名(74%)が、治療によって発生した合計279件の有害事象を経験した。60mgのデキストロメトルファン治療後には、服用させた32名の被験者のうち27名(84%)が206件の有害事象を報告し、45mgのデキストロメトルファン治療後には、服用させた33名の被験者のうち21名(64%)が73件の有害事象を報告した。60mgのデキストロメトルファン治療後には12名の被験者が、45mgのデキストロメトルファン治療後には5名の被験者が、有害事象のために試験を中止した。
めまい、悪心、および頭痛が、両方のデキストロメトルファン・グループに起こる最もよくある有害事象であり、45mgのデキストロメトルファン治療後の方が有害事象の報告が少なかった。有害事象はすべて、軽症または普通であり、重い有害事象は起こらなかった。臨床検査結果、バイタルサイン、身体検査、またはECG結果に関しては、治療グループ間で臨床上重要な差が認められなかった。
この試験の間、キニジンは、45mgおよび60mgで服用されたデキストロメトルファンの代謝を抑制して、デキストロメトルファンの全身での利用可能性を増大させた。60mgのキニジンの服用量では、45mgおよび60mgのどちらのデキストロメトルファンの服用量でも、30mgおよび45mgのキニジンの服用量と比較して、最大のデキストロメトルファンAUCが得られた。しかしながら、統計学的比較が示したのは、異なるキニジンの服用量の間で、デキストロメトルファンの代謝のキニジンによる抑制に統計学的に有意な差があったことだけではない。デキストロメトルファンAUCの統計学的比較に基づけば、45mgおよび60mgのデキストロメトルファンの代謝を抑制するキニジンの最低有効用量は30mgである。したがって、30mgのキニジンの服用量がデキストロメトルファンの抑制のために推奨される。
デキストロメトルファンと硫酸キニジンの同時投与の際の副作用の発生は、最高の用量レベル(デキストロメトルファン60mg/キニジン60mg)まで治療の耐容性が中程度に良いことを示した。
臨床研究#4
この試験の目的は、仮性球麻痺性情動を伴うALS被験者の集団において、30mgのDMおよび30mgのQの個別の服用と比較して、30DM/30Qの組合せの1日2回の服用の効力、安全性、および耐容性を評価することであった。
これは、多施設、無作為化、二重盲検、対照、並行グループ試験であった。調査薬物はすべて、28日間、12時間ごとに経口的に自己投与させた。試験には、スクリーニング訪問時と、1日目、15日目、および29日目の他の3回の来診とが含まれていた。29日目は、被験者が試験に関わる最終日であり、26日目の朝から32日目の朝までの間はどこにいても良いとした。
臨床で仮性球麻痺性情動であると診断された被験者は、一般に健康であるかについて、試験に入る前の4週間以内に調べた。適格な被験者は全員、1日目の来診で、13以上のCenter for Neurologic Study−Lability Scale(CNS−LS)のスコアを獲得した。
被験者を無作為に3つの治療グループのうちの1グループに割り付け、30DM/30Q、または30mgのDM、または30mgのQを服用させた。被験者には日記帳を与え、それに、各1回分の服用量を服用した日時、笑い/泣きの症状の発現を経験した回数、および最後の来診以降に起こった有害事象を記録させた。15日目および試験終了時に日記カードを回収した。
治療期間中は、被験者に2週間ごと(1日目、15日目、および29日目)にCNS−LS調査票および視覚的アナログスケールを記入させ、生活の質(QOL)および対人関係の質(QOR)を評価させた。スクリーニング訪問時および29日目に、臨床心理学者または他の承認された臨床医がハミルトンうつ病評価尺度(HRSD)を実施した。15日目および29日目に、有害事象、身体検査の結果、バイタルサイン、臨床検査値、および得られる心電図(ECG)を審査して、安全性を評価した。臨床検査データを得るために採取した血液サンプルに加えて、薬物動態分析およびCYP2D6遺伝子型決定用にも血液を採取した。各被験者に、経験した症状の発現の回数、服用した薬物、および全ての有害事象を毎日記録した日記を仕上げさせた。
DMおよびQは、この試験で調査している薬物(30DM/30Q)の構成成分であるので、対照グループとして選択した。
この試験に含められた被験者は、年齢が18歳から80歳であった(18歳と80歳とを含めて)。被験者は、世界神経学会(WFN)の基準に従って、ALSまたはまず確実にALSであるという診断が確定しており、仮性球麻痺性情動の病歴をもっていた。被験者を試験に参加させ続けるために、あらゆる努力をしたが、しかし、被験者が辞退することを決めた場合は、表25の29日目に記載のすべての評価を完了させるために、あらゆる努力をした。被験者がこの試験を辞退した理由の説明を受けた。試験を辞退した被験者は試験に再び参加できないこととし、無作為化した被験者の入れ替えは行わなかった。
調査薬物は無作為に4ブロックに割り付けた。各ブロックは、30DM/30Qに対する2つの割当て、DMに対する割当て、およびQに対する割当てを無作為に含んでいた。詳細には、各ブロックは、最初に与えられる可能性のある4つののうちの1つを選択することによって構成した。残りの3つの治療から1つを選択して次に与え、これを繰り返した。被験者の番号は、一度に4つの割当てからなる1ブロックの中の試験場所に割り当てた。
この試験で施された治療は、30DM/30Q、30mgのDM、または30mgのQの3種であった。調査薬物は、硬ゼラチンカプセルとして与えられた。カプセルの中身を表25に記載する。この試験で使用した薬物はすべて、現行の医薬品の製造および品質管理に関する基準(cGMP)に従って調製した。
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被験者は、28日間、1日2回(12時間ごと)1カプセルを服用した。最初の一服を1日目の晩に服用し、最後の一服を29日目の朝に服用した。調査員によって、同一のブリスターパックに入った30DM/30Qのカプセル、DMのカプセル、およびQのカプセルが与えられたが、カプセルはすべて、外観および重量が同一であった。
被験者は、試験の間または1日目の服用開始前の1週間は、禁じられた薬物を服用できないことにしていた。これらの薬物には、アマンタジン、アミトリプチリン、セントジョンズワートを含むすべての抗うつ薬、すべてのモノアミンオキシダーゼ阻害剤、アスピリン(痛みまたは熱にはアセトアミノフェンが推奨された)、カプトプリル、シメチジン、デシプラミン、デキストロメトルファン(一般用咳止め薬)、ジゴキシン、ジルチアゼム、エリスロマイシン、フルオキセチン、イミプラミン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ノルトリプチリン、パロキセチン、キニジン、キニーネ、およびベラパミルが含まれる。来診ごとに、被験者に何らかの薬物を服用したかどうかを尋ね、服用していたならば、その薬物を症例記録用紙に記録した。
被験者には、15日目の来診の際に未使用の調査薬物を持参し、試験参加の終わりに未使用の調査薬物をすべて診療所に返却するように指示した。服用された分の総数を予定した分の総数で割り、その結果を100倍して、服用された分のパーセントを算出した。被験者は、処方された分の80%を服用していれば、遵守しているとみなした。
一次有効性変数は、CNS−LSスコアとした。変化に関係する有効性変数はすべて、15日目および29日目の非欠スコアの平均からベースライン・スコアを減じることによって決定した。二次有効性変数は、笑い/泣きの症状の発現、QOLスコア、およびQORスコアとした。変化に関係する有効性変数はすべて、15日目および29日目のスコアの平均からベースライン・スコアを減じることによって決定した。
一次効力の評価に使用したCNS−LSの質問事項は、全仮性球麻痺性情動についてのスコアを与える7項目の自己報告尺度であり、被験者が記入するのに約5分間を要する。あり得るスコアの範囲は、7〜35である。参加者の82%について0.84の感度および0.81の特異性で神経科医の診断を正確に予測する最高の増分妥当性を提供することが文献で報告されていることから、13のカットオフスコアを選択した。この質問事項は、唯一ALS被験者での使用が確認されている仮性球麻痺性情動の測定手段である。
二次効力は、2本の10cmの視覚的アナログスケール(VAS)を用いて評価した。一方のスケールは、被験者に、先週中、制御できない笑い、涙ぐみ、または怒りが全体としての自身の生活の質にどれだけ影響を及ぼしたと思うかを尋ね、もう一方のスケールは、被験者に、先週中、制御できない笑い、涙ぐみ、または怒りが自身の他人との関係の質にどれだけ影響を及ぼしたと思うかを尋ねるものであった。各スケールを完了させるのに、1分間未満を要した。被験者は、病的な笑い、および泣きの症状の発現を毎日日記に記録した。
安全性は、次の測定、すなわち、有害事象、臨床検査値、バイタルサイン、身体検査、および安静時ECGによって評価した。有害事象は、治療と関係があると考えられようとそうでなかろうと、治療開始後臨床試験の経過中に発生する介入疾患を含む不都合な医学的出来事または被験者のベースライン(治療前)状態からの意図しない変化すべてと定義した。有害事象は、その医薬品と関係があると考えられようとそうでなかろうと、時間的に医薬品の使用と関連する不都合な、意図しない徴候(たとえば異常な検査所見を含む)、症状、または疾患すべてとした。臨床上、通常予想される頻度または程度を逸脱しない正常な成長および発育と関連する変化は、有害事象でない(たとえば、生理的に適当な時期に起こる月経の始まり)。臨床上の有害事象は、可能であるときは症状によってではなく、診断によって記述した(たとえば、「鼻みず」ではなく、風邪または季節性アレルギー)。
有害事象の重症度は、3点スケールで等級付けし、症例記録用紙に示されたとおりに詳細に報告した。軽度−容易に耐えられ、最小限の不快感が生じ、通常の日常活動の妨げにならない;中程度−通常の日常活動の妨げとなるのに十分なほど不快にする;および重度−通常の日常活動をできなくし、および/または、妨げる。調査薬物と各有害事象との関係は、調査員が以下の定義を用いて判定した。関係なし(not related)−その事象が明らかに、被験者の臨床状態、治療介入、被験者に投与された同時使用薬物などの他の要因と関係していた;関係がありそうもない(unlikely)−その事象が、被験者の臨床状態、治療介入、被験者に投与された同時使用薬物などの他の要因によって起こった可能性が最も高く、調査薬物に対する既知の反応パターンに従っていなかった;関係があるかもしれない(possible)−その事象が、薬物投与の時からの妥当な時間順序に従い、および/または、調査薬物に対する既知の反応パターンに従っていたが、被験者の臨床状態、治療介入、被験者に投与された同時使用薬物などの他の要因によっても起こり得た;関係がありそうである(probable)−その事象が、薬物投与の時からの妥当な時間順序に従い、試験薬物に対する既知の反応パターンに従い、さらに被験者の臨床状態、治療介入、被験者に投与された同時使用薬物などの他の要因によっては合理的に説明できなかった;ほぼ確実に関係がありそうである(highly probable)−その事象が、薬物投与の時からの妥当な時間順序に従い、試験薬物に対する既知の反応パターンに従い、さらに被験者の臨床状態、治療介入、被験者に投与された同時使用薬物などの他の要因によっては合理的に説明できなかったことに加え、調査薬物の投与後直ちに起こるか、薬物を止めると改善するか、または暴露を繰り返すと再発する。
重度の有害事象は、次の結果、すなわち、死;生死にかかわる経験(それが起こったときに即時に被験者を有害事象による死の危険にさらすもの、たとえば、それがより深刻な形で起こっていれば、死の原因となっていたかもしれない有害事象を含まない);持続性の、または重大な能力障害/無能力(能力障害は、人間が正常な生活機能を行う能力の実質的な崩壊である);入院患者の入院または入院期間の延長;および先天性奇形/先天性異常のうちのいずれかをもたらす、任意の服用時に起こる全ての有害事象とした。
被験者には、どんな有害事象も即座に報告するように指示した。重度の有害事象は、次の細目、すなわち、事象の重大さ、開始日、停止日、強度、頻度、試験薬物との関係、試験薬物に関して取った処置、必要な治療、およびその時点までの結果について評価した。これらの細目は、症例記録用紙に記録した。それが必要であり、適切であるときには、このような予備的な報告の後に、病院の症例報告、検視報告、および他の文書の写しを含む詳細な説明書を報告した。
スクリーニング訪問時および29日目に、臨床化学、血液学、尿検査、および妊娠検査のために、血液および尿を採取した。異常な臨床検査値の場合には、1週間以内に検査し直し、値が正常な範囲に戻り、および/または、その異常の妥当な説明が見つかるまで、被験者を追跡調査した。
スクリーニング訪問時および他のすべての試験来診時に、収縮期および拡張期血圧、心拍数、および呼吸数の値を得た。予め定めた範囲外の値はすべて、被験者のデータ一覧表に付箋をつけた。心電図(12誘導)を使用して、心拍数(VR)、QT、Q−T間隔、脈拍数(PR)、およびQRS期間を得た。スクリーニング訪問時に各被験者からCYP2D6遺伝子型決定のために血液サンプル(10mLの全血)を採取して、どの被験者がDMの低代謝者であり、高代謝者であるかを判定した。29日目に、血漿中のDM、DX、およびQの濃度を測定するために、血液サンプルを採取した。血漿中の薬物の濃度とCNS−LSスコアの変化との関係を判定し、CYP2D6遺伝子型がこの関係に及ぼす影響を評価した。
30DM/30Qグループの48名の被験者と、DMグループおよびQグループそれぞれの24名の被験者のサンプルサイズは、DM/Qグループと他の各グループとの5.5のCNS−LSスコアの差を検出するのに十分であった。これらの算出は、DM/Qグループ、DMグループ、およびQグループでそれぞれ7、5、および3の標準偏差に基づいて行った。検定力は、ベースライン/15日目およびベースライン/29日目の相関が共に0.3であり、15日目/29日目の相関が0.7であることを仮定しての両側5%検定に基づいて、約85%である。サンプルサイズの根拠となる仮定は、14名の被験者の小規模クロスオーバー試験から引き出したが、この試験では、DM/Q被験者のベースラインからの平均変化が7.5の標準偏差で−6.6ポイントであり、プラシーボ治療した被験者の平均変化は3.2の標準偏差で+0.83であった。
合計140名の被験者を無作為に治療グループに割り付け、70名を30DM/30Qグループとし、33名をDMグループとし、37名をQグループとした。サンプルサイズの算出には、30DM/30Qグループの被験者が48名だけ、他の各治療グループの被験者が24名だけ必要であった。したがって、サンプルサイズの算出においてなされた仮定のもと、各グループの被験者の数は、治療効果の明確な差を検出するのに十分であった。服薬遵守が≧80%である被験者のパーセントは、30DM/30Qグループで73.5、DMグループで87.9、Qグループで86.5であった。
この試験では、3件のデータセット、すなわち、140名の被験者のデータからなる安全性データセット、129名の被験者のデータからなる治療意義データセット、および101名の被験者のデータからなる有効性評価データセットを分析した。これら3つの母集団の定義は、次のとおりである。すなわち、安全性母集団−無作為化した全被験者;治療意義母集団−チトクロムP450 2D6の「低代謝者」でない、無作為化した全被験者;および有効性評価母集団−プロトコルを遵守した、ITT集団の全被験者。被験者は、29日目の来診を履行し、全ての試験手順を終了し、予定した分の80%を服用した場合に、遵守したとみなした。
ITT集団の個体群統計学的特徴を表26に示し、ALSの病歴を表27に示し、抑うつ、仮性球麻痺性情動、QOL、およびQORについてのベースラインのスコアを表28に示す。
Figure 2016106150
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どの個体群統計変数についても30DM/30QグループとDMグループおよびQグループとに統計学的に有意な差はなかった。ベースラインの特徴における唯一の統計学的に有意な差は、QOLスコアにあった。30DM/30Qグループの被験者は、他の2つの治療グループのそれぞれの被験者よりも、ベースラインの自身のQOLが良いと評価した。有効性評価母集団でも同様の個体群統計結果が得られ、ベースラインの特徴の傾向は、ITT集団のものと同じ方向にあった。有効性の一次および二次分析で興味ある集団は、ITT集団であった。したがって、本文に示した結果はすべて、この集団から得たものである。
一次有効性分析は、CNS−LSスコアのベースラインからの変化を、施設およびベースラインのCNS−LSスコアに合わせて調整したものである。ITT集団についての記述統計値を表29に示す。
Figure 2016106150
3つの治療グループそれぞれについて、ベースライン、15日目、および29日目のCNS−LSスコアの分布を図1に示す。これらの分布は、ベースライン・スコアまたは試験場所に合わせて調整していない。図1に示すとおり、CNS−LSスコアの分布は対称的であり、外れ値を1点しか含まない。これらの分布から、CNS−LSスコアの分析のためにANCOVA(共分散分析)を使用することが支持される。予期してプロトコルで指定したように、施設およびベースラインのCNS−LSスコアに合わせて調整したCNS−LSスコアの平均改善度の差は、Frison and PocockのANCOVA法に従う線形回帰を使用して分析した。この分析の結果を表30に示す。まったく調整しなかった、またはベースラインのCNS−LSスコアについてのみ調整した追加の分析結果もこの表に示す。
Figure 2016106150
30DM/30Qで治療したグループの平均スコアは、DMで治療したグループの平均スコアとQで治療したグループの平均スコアに対して、統計学的に有意な差があった。その結果、30DM/30Qで治療した被験者は、仮性球麻痺性情動の有意な改善を示した。
プロトコルで予め指定した分析の結果をグラフによって図2に示す。3つの治療グループについてのCNS−LSスコアの平均低減量は、ITT集団の一次有効性分析から調整済みである。水平線を下回るCNS−LSスコアの低減は、30DM/30Qに対して、指示された有意性のレベルで統計学的に有意な差があった。
有効性評価母集団および安全性母集団についても一次有効性分析を行った。これらの結果を表31に示す。これらの集団での結果も、30DM/30Qが仮性球麻痺性情動を有意に改善したことを示した。
Figure 2016106150
これらの集団での結果も、30DM/30Qが仮性球麻痺性情動を有意に改善したことを示した。
一次有効性データは、また、施設、ベースラインのCNS−LSスコア、および施設による治療の相互作用に合わせて調整し、Frison and PocockのANCOVA法に従う線形回帰を使用して分析した。いくつかの施設ではサンプルサイズが小さかったので、この相互作用が評価できなかった。
二次有効性データの分析を行った。統計分析プランで指定したようにポアソン回帰モデルを使用して、週ごとの症状の発現回数を分析したが、その結果を表32に示す。
Figure 2016106150
プロトコルで予め指定した、この症状の発現率の分析は、(施設に合わせて調整を行い、ポアソン回帰モデルからの症状の発現率を使用して算出した)総計の症状の発現が、DMグループでは30DM/30Qグループよりも6.4倍多く、Qグループでは30DM/30Qグループよりも1.9倍多かったことを示した。DMグループのただ1点の外れ値は、試験中に他の被験者すべての10倍の症状の発現、すなわち、平均で1日につき100回を上回る症状の発現を報告した被験者であった。この外れ値を除いたとき、この比率は、DMグループおよびQグループに対してそれぞれ2.3および1.8であった。どの場合も、算出されたp値は<0.0001であった。笑いおよび泣き単独の評価も、統計学的に大いに有意であった。この被験者の極端な症状の発現回数は、主として笑いの症状の発現であり、そのため、予測された泣きに対する効果は、この被験者を除いてもほとんど変わらなかった。
上記の症状の発現回数についての評価では、データがモデルの仮定と合致しなかったことを意味する、データに実質的な過剰分散の証拠がある。多くの追加の分析を実施して、この推論のモデル仕様に対する感度を評価した。これらの分析は以下で論じる。
二次分散(平均分散)の負の二項モデル(過剰分散についての1モデル)を使用してデータを分析したとき、その結果は、30DM/30Qの泣きの発現率がDMの2倍であり(p=0.06)、Qの4.5倍であった(p<0.001)ことを示した。笑いについての対応するファクターは、2.6(p=0.10)および0.9(p=0.84)であり、全体については、2.6(p=0.013)および1.5(p=0.29)であった。しかしながら、このモデルにも継続してデータの適合が不足している。
比例分散(定数分散)の負の二項モデル(過剰分散が考慮されているもう一つのモデル)も使用してデータを分析した。残差の分析によって示された結果は、この過剰分散のデータに対するより良好な適合を示した。このモデルから推定した泣きについての発現率は、DMおよびQに対して、それぞれ2.0(p=0.007)および3.3(p<0.001)であった。笑いについては、DMおよびQに対して、それぞれ、発現率が1.4および1.5であり、p値が0.21および0.13であった。(外れ値の被験者を除くと、笑いの発現率は、1.5(p=0.14)および1.6(p=0.05)であった。)合計数は、DMおよびQに対して、それぞれ、発現率が1.7および1.8であり、p値が0.02および0.006であった。
感度分析としてのモデルから施設を省いたとき、応答の程度は、センターを含む分析と同様であった。p値は、予想どおり多少増大した。しかしながら、これらモデルの残差の正規確率プロットは、施設に合わせた調整が、残差の正規性を実質的に向上させたことを示した。
結果のモデル仮定に対する感度を決定するための追加の試験も実施した。これらの分析では、ノンパラメトリック(非母数)な手法、およびグループ間の「安定した状態」の差異を調べるために計画された評価を調査した。
30DM/30Q、DM、およびQの相対的な効果の統計学的な有意性の評価は、使用するモデル仮定に依存している。しかしながら、相対的な効果の統計学的評価は、すべてのモデルにおいて、統計学的な有意性に達しなかった場合でさえ、一貫してDMおよびQよりも30DM/30Qに有利であった。その仮定が観察されたデータが最もよく表しているモデルでは、これらの差が統計学的に有意であった。
一次有効性変数であるCNS−LSスコアの変化が情動症状の発現回数にどのように影響を及ぼすかを定量化し、理解しやすくするために、CNS−LSスコアの1ポイントの差が、その前2週間の症状の発現率に及ぼす影響を評価した。CNS−LSスコアが1ポイント増大するごとに、平均の症状の発現率が12%増大した。したがって、CNS−LSスコアの3.5ポイントの減少は、症状の発現率の50%の減少に相当するであろう。このことは、笑いの症状の発現および泣きの症状の発現の両方に言える。QOLおよびQORスコアの要約統計値を表33に示す。
Figure 2016106150
ベースラインおよび試験場所に合わせて調整した、30DM/30QとDMおよびQとの間の、QOLおよびQORスコアの平均変化の差を表34に示す。30DM/30Qで治療したグループは、DMで治療したグループと比べて、およびQで治療したグループと比べて、これらのスコアが統計学的に有意に向上していた。これらの結果は、全期間にわたり同様であった。
Figure 2016106150
多重比較を説明するために、プロトコルで指定したように、すべての二次有効性変数を合わせ、O’Brienの順位和法を使用して同時に分析した。多重比較に合わせて調整した後、その結果は、30DM/30Qで治療した被験者は、DM(p=0.0041)で治療した被験者またはQで治療した被験者(p=0.0001)に比べて、統計学的に有意に笑いおよび泣きの症状の発現が低減し、QOLおよびQORが向上したことを示した。30DM/30Qは、ALS患者の被験者の仮性球麻痺性情動、笑いおよび泣きの症状の発現回数、QOL、およびQORを向上させるのに、DMまたはQのどちらよりも統計学的に有意に優れていた。
薬物の服用回数の点から、調査薬物に暴露される程度を表35に報告する。平均暴露日数は、すべての治療グループで非常に類似していた。
Figure 2016106150
悪心は、経験された最も一般的な有害事象であり、DMグループ[2名(6.1%)]またはQグループ[3名(8.1%)]のどちらよりも、30DM/30Qグループで多くの被験者[23名(32.9%)]を悩ませた。しかしながら、30DM/30Qグループでは、悪心は、23名の被験者のうち20名で軽度または中程度であると判断されたが、23名の被験者のうち19名で30DM/30Qによる治療と少なくとも関係があるかもしれないと判断された。DMグループおよびQグループでの悪心の事例はすべて、軽度または中程度であり、1件を除くすべてが、治療と少なくとも関係があるかもしれないと判断された。めまいも、DMグループ[5名(15.2%)]またはQグループ[1名(2.7%)]のどちらよりも、30DM/30Qグループで多くの被験者[14名(20%)]によって報告された。この有害事象の事例はすべて、全治療グループで、軽度または中程度であり、ほとんどすべての例が、治療と少なくとも関係があるかもしれないと判断された。傾眠は、DMグループ[1名(3.0%)]またはQグループ[0名(0%)]のどちらよりも、30DM/30Qグループで多くの被験者[9名(12.9%)]によって報告された3番目の事象であった。この有害事象の事例はすべて、全治療グループで、軽度または中程度であり、ほとんどすべての例が、治療と少なくとも関係があるかもしれないと判断された。3名の被験者が、有害事象として下痢を経験し、その全員がDMグループの者であった。この事象の事例はすべて軽度であり、すべての事例が治療と関係があると判断された。
合計22名の被験者が、有害事象のために試験を辞退した。17名(24.3%)が30DM/30Qグループであり、2名(6.1%)がDMグループであり、3名が(8.1%)Qグループであった。30DM/30Qグループの17名の被験者は、50件の有害事象を経験し、その大部分[17件(34%)]が神経系に関係していた。これらの50件の事象は、4件を除き、すべてが軽度または中程度であり、1件を除くすべてが、治療と少なくとも関係があるかもしれないと判断された。1名の被験者が重度の頭痛を患い、1名の被験者が重度の悪心および重度の嘔吐を患い、さらに1名の被験者が重度の呼吸不全を患った。この被験者は、呼吸不全の結果、死亡した。これは、調査薬物とは関係がないと判断された。他の2名の被験者は、後遺症なしで回復した。
DMグループでは、2名の被験者によって7件の有害事象が経験された。これらの事象は、1件を除き、すべてが軽度または中程度であり、すべてが治療と関係があると判断された。7件の有害事象のうち6件を経験した1名の被験者は、重度の下痢を経験し、この病気のための適切な薬物治療を受け、後遺症なしで回復した。
Qグループでは3名の被験者が5件の有害事象を経験した。1名の被験者は、治療とは関係がないと判断された重度の腎臓感染症を患い、1名の被験者は、治療と関係があると判断された重度の筋肉の痙攣を経験した。これらの被験者は共に、後遺症なしで回復した。他の有害事象はすべて軽度または中程度であり、ほとんどが治療とは関係がないと判断された。
全体では、この試験では、4件の重度の有害事象が被験者によって経験された。30DM/30Qグループの3名の被験者は、重度の有害事象を報告したが、薬物の服用を止めたのはそのうちの1名だけであった。これらの重度の有害事象のうち3件はすべて、調査薬物とは関係がないと判断された。残りの1件の重度の有害事象は、Qグループの被験者によって経験された。この被験者は、調査薬物を服用し続け、有害事象も調査薬物とは関係がないと判断された。試験中の死亡例は1件であり、30DM/30Qグループの1名の被験者が試験治療とは関係のない呼吸不全のために死亡した。
ベースラインから29日目にかけて、どの治療グループにおいても血液学、臨床化学、または尿検査の値に統計学的に有意な変化が見られなければ、また、DMグループのCPKが30DM/30Qグループと比較して有意に増大したことを除き、どの検査値にも治療グループ間で統計学的に有意な変化が見られなかった。ベースラインから29日目にかけて、収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数、または呼吸に臨床上関連性のある変化はなかった。ベースラインから29日目にかけて、身体検査の結果に臨床上関連性のある変化はなかった。ベースラインから29日目にかけて、30DM/30QグループとQグループとでは、VRおよびQT間隔に統計学的に有意な差があった。しかしながら、これらの変化は非常に小さく、臨床上関連性がなかった。治療グループ間でQT、PR、およびQRS期間に統計学的に有意な差はなかった。
有害事象の種類、頻度、および強度は、この対象集団では許容範囲内であり、他のどの安全性変数についても臨床上関連性のある発見がなかったので、30DM/30Qは、この対象集団において安全である。
安全性母集団の各治療グループのCYP2D6遺伝子型を決定し、それを表36に示す。統計分析プランに規定したように、ITT集団は低代謝者を含まなかった。ITT集団のすべての治療グループで、高代謝者が最も優勢な遺伝子型であった。
Figure 2016106150
この複合製品中のQは、DMの急速な初回通過代謝を抑制する。したがって、30DM/30Qを与えられた被験者では血漿中のDM濃度がより高くなり、その代謝物であるDXの濃度がより低くなるはずであると予想した。30DM/30Qを与えられるグループとDMを与えられるグループのDMおよびDXの濃度を表37に示す。
Figure 2016106150
平均DM濃度は、30DM/30QグループでDMグループの18.6倍の高さであり、平均DX濃度は、30DM/30QグループでDMグループの3.3分の1の低さであった。これらの差は、両方とも統計学的に有意であった。全被験者の血漿レベルについてのデータは、調査薬物の最終服用から8時間以内に血液を採取されたこの被験者のものと同じ結果を示す。
試験結果は、一次評価項目およびすべての二次評価項目によって示されるように、仮性球麻痺性情動の治療において、30DM/30Qが、その構成成分よりも統計学的に有意により有効であったことを実証している。予想された有害事象が報告され、予想外の安全性の問題は持ち上がらなかった。30DM/30Qグループでは、他のいずれのグループよりも、多くの被験者が有害事象を伴い、30DM/30Qグループの17名の被験者が、有害事象のために、試験を中止した。しかしながら、中止した被験者の有害事象は、4件を除きすべてが軽度または中程度だった。17名の被験者のうち2名だけが重度の有害事象(頭痛、悪心、嘔吐)を伴い、これらの有害事象は、衰弱させるものではあるが、後遺症なしで解消した。30DM/30Qで治療した3名の被験者が重度の事象を伴い、その事象はすべて、この治療とは関係がなかった。さらに、QOLおよびQORを評価した結果は、30DM/30Qで治療した被験者で、著しく、かつ統計学的に有意により良好であるので、薬物の利益は、有害事象によって引き起こされた不快感よりも大きなものであった。したがって、30DM/30Qは、ALS被験者の仮性球麻痺性情動を治療するのに非常に有効であり、また、この薬物は安全で耐容性が良好であった。
臨床研究#5
この試験の第1の目的は、1日当たりDM120mg/Q120mgを超えない被験者の最大耐量(MTD)までの非盲検、段階的増量試験の間に、臭化水素酸デキストロメトルファンおよび硫酸キニジンを含有するカプセル(DM/Q)の安全性および耐容性を評価することであった。第2の目的は、糖尿病性ニューロパシーに随伴する痛みの治療におけるDM/Qの有効性の予備的な評価を得ることであった。
これは、糖尿病性ニューロパシーに随伴する痛みを抱えている被験者の非盲検、段階的増量試験であった。採用/不採用の基準を満たすかどうか審査した後、被験者に、すべての鎮痛剤を止めさせるウォッシュアウト期間を課した。この後、1日当たり1カプセルから始め、ほぼ1週間ごとに最大許容量の1日当たり4カプセルへと段階的に増量していく、DM30mg/Q30mgを含有するカプセルを用いた29日間の治療を実施した。用量レベルに耐えられなかった被験者は、その前の用量に戻るか、DM15mg/Q30mgを含有するカプセルを代わりに服用するか、あるいは最低用量レベルに耐えられなかった場合、試験を中止することができた。
服用1日目の前の4週間以内に、被験者を、心電図測定を含む健康全般について調べた。DM/Qの最初の一服は診療所で投与し、この服用の1時間後に安静時心電図を得、その場で解釈した。この予備的な解釈で決定された補正QT間隔(QT)が男性で≧450ミリ秒、女性で≧470ミリ秒でなく、QTがスクリーニング心電図から30ミリ秒を超えて変化した場合、その被験者に調査薬物を渡し、医師の指示どおりに服用させた。被験者に、服用した調査薬物、ならびに睡眠、その時点および平均の疼痛強度、および活動についての評価尺度から得られるスコアを記録するための毎日の日記の使用について指示した。
被験者は、4週間の試験期間中、2週間ごとに診療所を訪れ、診療所を訪れない週は電話で連絡した。その後の試験来診または毎週の通話時にはそれぞれ、被験者に、疼痛強度評価尺度および疼痛軽減評価尺度を示し、前回の来診以降に起こった有害事象すべてについて質問した。1日目および29日目(または最終来診時)に、被験者に対して末梢神経障害クオリティオブライフ(生活の質;QOL)測定を行った。15日目および29日目の来診時に、血漿中のDM、DX、およびQの濃度を測定するために、血液サンプルを採取した。
選ばれた被験者は、年齢が18歳〜80歳であり(18歳と80歳とを含めて)、確実に糖尿病であると診断されていた。被験者は、総グリコシル化ヘモグロビン(HbAlc)が<12%で、血糖コントロールが許容されるものであり、少なくとも3カ月間、確立した糖尿病治療を受けており、臨床で遠位対称性糖尿病性ニューロパシーであると診断され、それまでの3カ月間、糖尿病性ニューロパシーに随伴する痛みを日常的に抱えていた。被験者は、1日目にDM/Qを与えられる前は、疼痛強度評価尺度で中程度以上(≧2)のスコアをつけた。
各被験者を試験に参加させ続けるために、あらゆる努力をした。しかし、被験者が辞退することを決めた場合は、すべての評価を完了させるために、あらゆる努力をし、被験者がこの試験を辞退した理由の説明を受けた。
被験者に、DM30mg/Q30mgまたはDM15mg/Q30mgを含有するカプセルを、最大でDM120mg/Q120mgまで投与量を増やしていきながら与えた。調査薬物は硬ゼラチンカプセルとして与えられ、カプセルAを不透明なオレンジ色とし、カプセルBを不透明な白色とした。カプセルの中身を表38に記載する。
Figure 2016106150
表39に示すように、被験者に、DM/Qを含有するカプセルを、投与量を徐々に増やしながら与えた。用量レベルに耐えられなかった被験者は、その前のレベルに戻るか、DM15mg/Q30mgを含有するカプセルを代わりに服用するか、あるいは最低用量レベルに耐えられなかった場合、試験を中止してよいこととした。
Figure 2016106150
被験者は、試験の間または1日目の服用開始前の1週間(または適切であれば2週間)は、禁じられた薬物を服用できないことにしていた。これらの薬物には、アマンタジン、アミトリプチリン、セントジョンズワートを含むすべての抗うつ薬、すべてのモノアミンオキシダーゼ阻害剤、鎮痛剤(アセトアミノフェンのみを使用できることとした)、カプトプリル、シメチジン、炭酸脱水素酵素阻害剤、デシプラミン、デキストロメトルファン(OTC咳止め薬)、ジゴキシン、ジルチアゼム、エリスロマイシン、フルオキセチン、ハロペリドール、イミプラミン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ノルトリプチリン、パロキセチン、キニジンまたは他の抗不整脈薬、重炭酸ナトリウム、チアジド系利尿薬、およびベラパミルが含まれる。被験者が、鎮痛剤なしでウォッシュアウト期間を終了できなかった場合、他の禁じられた非鎮痛剤の十分なウォッシュアウトを行ったという条件で、その被験者にはこの試験の用量増加段階を開始することを許可した。毎日の低用量のアスピリンは鎮痛剤でないとみなし、心臓病予防のために許可した。
アセトアミノフェンは、救済鎮痛薬として許可された唯一の鎮痛剤であり、包装ラベルに表示された投与量で服用させた。被験者に、一般用(OTC)医薬品を含むどんな薬物を服用する前にも調査診療所の医師に相談するように指示し、また他の鎮痛剤(たとえば、コデイン)またはデキストロメトルファンも含有しているアセトアミノフェン含有製品は避けるべきであることを助言した。
被験者には、15日目に未使用の調査薬物を診療所に持参し、最終来診時に未使用の調査薬物をすべて診療所に返却するように指示した。これらの来診時に被験者から日記カードを回収した。服用された分の総数を処方した分の総数で割り、それを100倍して、服用された分のパーセントを算出した。
安全性は、次の測定、すなわち、有害事象、臨床検査値、バイタルサイン、身体検査、心電図、ならびに神経伝導速度の測定によって評価した。
スクリーニング時および29日目(または最終来診時)に、被験者に神経伝導検査を受けさせた。神経伝導速度は、表面刺激および記録によって測定した。米国筋電図学会(American Board of Electrodiagnostic Medicine)認定の臨床筋電計によって、両側性の腓腹神経感覚検査および片側性の腓骨神経運動検査を実施または管理した。筋電計間の変動性を最小限に抑えるために、技術を標準化した。すべての試験で肢体温度を標準温度より高く保った。結果は、中央解読研究室で解釈した。
有効性は、次の手段、すなわち疼痛強度評価尺度、日記による現時点の疼痛強度尺度、疼痛軽減評価尺度、日記による活動評価尺度、末梢神経障害QOL測定、日記による平均の疼痛評価尺度、および日記による睡眠評価尺度によって評価した。
疼痛強度評価尺度のスコアは、8日目、15日目、22日目、および29日目(または最終来診時)に決定した。被験者は、5段階のリッカート尺度(0=なし、1=軽度、2=中程度、3=重度、4=極度)を使用して、その前の24時間以内に下肢に覚えた痛みの量を示した。被験者には、1日目の試験に入る前、15日目および29日目(または最終来診時)に、診療所で疼痛強度評価尺度の記入を行うように求めた。この尺度は、来診が予定されなかった週の間(8日目および22日目)も、被験者に電話して口頭で行った。
疼痛軽減評価尺度の記入は、8日目、15日目、22日目、および29日目(または最終来診時)に行った。被験者は、6段階のリッカート尺度(−1=より悪い、0=なし、1=若干、2=中程度、3=大いに、4=完全に)を使用して、ウォッシュアウト/スクリーニング期の終わりと比較しての、下肢に覚えた痛みの軽減量を示した。被験者には、15日目および29日目(または最終来診時)に診療所でこの尺度の記入を行うように求めた。疼痛軽減評価尺度も、来診が予定されなかった週の間(8日目および22日目)も、被験者に電話して口頭で行った。
QOLスコアは、1日目および29日目(または最終来診時)に診療所で得た。QOLは、Vickreyら、Neurorehabi.Neural.Repair、2000年、第14巻、第93〜104ページにあるように、Peripheral Neuropathy QOL Instrument−97を使用して評価した。これは、自己測定式、健康関連の末梢神経障害用QOL測定である。これには、Health Status Survey SF−36尺度が完全に組み込まれており、末梢神経障害の被験者と特に関連性があることが決定された追加の質問事項が含まれている。
この測定法は、一般的な健康の問題点、詳細な末梢神経障害の問題点、健康上の症状もしくは問題、健康全般の評価、および一般的な心境および健康についての心境についての項目を含む21の下位尺度を含む。能力障害日数、健康全般の評価(0〜100)、および性的活動についてのはい/いいえの質問を除き、項目はすべて、3、4、5、または6段階の部門別の評価尺度を使用している。
QOLの結果を分析するために、スコアリング・アルゴリズムを使用して、部門別の項目評価値を適切なパーセント評価値に変換した。最も有利な評価値を100%、最も不利な評価値を0%とし、中間のパーセントを尺度の段階数に応じて等間隔に区切った(たとえば、5段階上昇尺度では0、25、50、75、100;3段階下降尺度では100、50、0)。下位尺度の各項目についての変換済み評価値は平均をとって、下位尺度のスコアを得た。すべての下位尺度スコアは、高い値の方が有利な結果を反映するように構築した。能力障害日数を除くすべての下位尺度スコアの平均をとって複合QOLスコアを得た。
被験者の日記には、朝に記入すべき睡眠評価尺度および現時点の疼痛強度尺度と、晩に記入すべき活動評価尺度および平均疼痛評価尺度が含まれた。睡眠評価尺度では、被験者に、痛みが過去24時間の自身の睡眠の妨げとなった程度を最もよく描写している0〜10の尺度(0=妨げとならない、10=完全に妨げとなる)の番号を囲むように指示した。現時点の疼痛強度尺度では、被験者に、自身の現時点の痛みの強さを最もよく描写している記述、すなわち、0−痛みなし、1−軽い、2−不快である、3−苦痛である、4−ひどい、および5−耐え難い、を囲むように指示した。活動評価尺度では、被験者に、痛みが過去24時間の自身の一般的な活動の妨げとなった程度を最もよく描写している0〜10の尺度(睡眠評価尺度と同じもの)(0=妨げとならない、10=完全に妨げとなる)の番号を囲むように指示した。過去12時間の平均疼痛評価尺度では、被験者に、過去12時間の自身の平均の痛みの強さを最もよく描写している0〜10の尺度(睡眠評価尺度と同じもの)(0=なし、10=これまでで最もひどい痛み)の番号を囲むように指示した。有効性の尺度として使用した評価尺度は、疼痛研究の中で十分に確立された手段であり、特に、末梢神経障害QOL測定法は、末梢神経障害の被験者固有の資料を含んでいる。
有効性評価は、推測分析と要約統計とからなっており、全被験者、およびMTDによって分類した被験者に関し、以下の変数について算出した(注釈をつけた場合を除く)。すなわち、8日目、15日目、22日目、および29日目(または最終来診時)の疼痛強度評価尺度のベースラインからの変化;8日目、15日目、22日目、および29日目(または最終来診時)の疼痛軽減評価尺度スコア;29日目(または最終来診時)の末梢神経障害クオリティオブライフ測定法の複合スコアのベースラインからの変化;日記に睡眠評価尺度について記録された値から算出した睡眠妨害スコア(15日目のスコアは、13日目、14日目、および15日目の被験者の日記からの睡眠評価尺度スコアの平均とし;29日目のスコアは、27日目、28日目、および29日目のスコアの平均とし;最終来診時のスコアは、試験治療の最後の連続3日間のスコアの平均とした);被験者の日記に記録された、毎日の現時点の疼痛強度、活動、疼痛、および睡眠評価尺度;各有効性変数のスコアが向上した被験者のパーセント。
被験者の性質を図3に示す。この図、ならびに、その後の各集計表および各図では、被験者をMTDグループによって分類している。60mgグループに分類された、MTDが45mgの被験者を除き(以下を参照のこと)、30mg、60mg、および90mgグループの被験者に、表示のMTDを投与した。120mgグループの被験者はこの用量に耐えたが、この用量は、この試験で許可した最高用量であるが、厳密にはMTDでない。簡潔にするために、これらのグループ分けをすべて「MTD」と呼ぶ。
参加し、調査薬物を与えられた36名の被験者のうち、33名が試験を完了した。1名の被験者は、DM45mgのMTDで試験を終了した。このMTDの被験者は1名だけであったので、この被験者は、データ表および図3では、60mgMTDグループに一緒に含まれている。各MTDグループおよび各試験場所全部の被験者数を表40で報告する。
Figure 2016106150
データ分析では1集団のみを使用した。分析および集計は、調査薬物を服用した36名の被験者全員を使用して行った。調査集団の個体群統計学的特徴を表41で報告する。
Figure 2016106150
被験者の糖尿病性ニューロパシーの病歴を表42にまとめて示す。
Figure 2016106150
この試験に参加した被験者は、以前から最低で0.2年間、最高で24.3年間(中央値が2.5年間)、糖尿病性ニューロパシーの診断を受けていた。被験者は、最低で4カ月間、最高で180カ月間/15.0年間(中央値が24.0カ月間/2.0年間)、糖尿病性ニューロパシーからくる痛みを毎日経験していた。
試験前および治療期間中の30日に及ぶ間、同時使用薬物を報告させた。全部で少なくとも10%の被験者によって報告された同時使用薬物を、WHO用語で表43に記載する。
Figure 2016106150
救済薬(アセトアミノフェン)の使用は限られていた。4名の被験者だけが救済薬を服用した。すなわち、1名は、29日の試験日のうち28日アセトアミノフェンを服用し、もう1名は16試験日服用し、2名が1試験日だけ服用した。全体として、この試験の間、痛みのために救済薬を使用することはほとんどなく、被験者は、それぞれ、平均1.3日(試験日数の4.5%)救済薬を服用した。
調査薬物への暴露度を表44に示す。
Figure 2016106150
有害事象を伴った被験者の数を表45で報告する。
Figure 2016106150
被験者の大多数が、試験の間に少なくとも1件の有害事象を経験した。ほぼすべての有害事象は、強度が軽度または中程度であった。4名の被験者が、合計7件の重度の有害事象を経験した。2名の被験者が、4件の重度の有害事象を経験した。1名の被験者は、重度の不眠症を患い、調査薬物の用量を減らすと回復し;1名の被験者は、重度の疲労および重度の悪寒を患い、調査薬物の変更なしで回復した。全部で少なくとも5%の被験者が経験した有害事象を表46で報告する。
Figure 2016106150
悪心は、経験された最も一般的な有害事象であり、全体で10名(27.8%)の被験者で起こった。悪心は、7名の被験者(19.4%)で軽度であると判断され、3名の被験者で中程度であると判断された。すべての場合で、悪心は、治療と少なくとも関係があるかもしれないと判断された。最大耐量と、悪心の発生率、重症度、または調査薬物との関係との間に明らかな関連性はなかった。めまいは、全体で9名の被験者(25.0%)によって報告された。めまいは、6名の被験者(16.7%)で軽度、3名の被験者(8.3%)で中程度であった。これらの被験者の大多数(7対2)について、めまいは、治療と少なくとも関係があるかもしれないと判断された。9名の被験者(25.0%)が頭痛を報告した。この有害事象の事例はすべて、軽度または中程度であり、大多数(9例中6例)が治療と関係があるかもしれないと判断された。2名の被験者は、有害事象のために試験を辞退した。MTDが30mgであった1名の被験者は、切除する必要のある結腸ポリープが以前から存在していたために、調査薬物を1回服用した後に辞退した。MTDが60mgであった他方の被験者は、繰り返し発生する断続的な胸の痛みのために6日目に辞退した。
1名の被験者は、29日目の最終来診時に慢性閉塞性肺疾患(COPD)が悪化し、かかりつけの医師に連絡するように助言すると、その日に入院した。33日目に、この被験者は、まだ病院にいる間に突然死亡した。この被験者のかかりつけの医師は、推定される死因として心筋梗塞と不整脈を指摘した。調査員は、この被験者のCOPDの悪化が調査薬物とは関係がなかったこと、ならびにこの男性の心筋梗塞および不整脈が調査薬物とは関係がありそうもなかったことを指摘した。
MTDが60mgであった1名の被験者は、高血圧(4年間)および非定型胸痛(2年間)の病歴をもっていた。この女性は、6日目に繰り返し発生する断続的な胸の痛みを発症し、7日目に入院した。この女性は、調査薬物を中止した。心臓検査はすべて陰性であった。この被験者は、8日目に回復し、9日目に退院し、10日目に仕事に復帰した。この被験者の胸痛の根底にある原因ははっきりせず、この女性の胸痛は調査薬物と関係があるかもしれなかった。
臨床検査有害事象はすべて、強度が軽度または中程度であった。2名の被験者は、クレアチンキナーゼの値が上昇し、もう2名の被験者は、他の異常を伴って肝臓酵素の値が上昇し、1名の被験者は、血便を伴った。2名の被験者は、その臨床検査有害事象のすべてから回復し、1名の被験者は回復せず、2名の被験者については、追跡調査のために試験診療所に戻らなかったので、有害事象の結果は不明となった。これら有害事象の大多数は、調査薬物と関係がある「かもしれない」と判断された。臨床検査有害事象は、どれも重度の有害事象ではなく、調査薬物の投与量の削減または中止が必要となるものはなかった。
どのMTDでも、ベースラインから29日目にかけて、収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数、または呼吸に臨床上関連性のある変化はなかった。試験治療の間、身体検査の結果に臨床上関連性のある変化はなかった。試験の間、MTDグループ間での平均QT、QT、PR、またはQRS期間の差にも、またはどの心電図値の変化にも、臨床上関連性のあるものはなかった。
スクリーニング時には、4段階のMTDグループそれぞれについての、腓骨頭部と足首の間の遠位腓骨神経区間における運動伝導速度に意味のある差はなかった。平均ベースライン運動伝導速度は、39.2m/秒(26.6〜49.0m/秒の範囲)であった。MTDグループそれぞれについての、スクリーニング時から最終来診時にかけての運動神経伝導の変化の間にも差はなかった。調査集団全体についての腓骨頭部−足首区間における運動伝導速度の変化の平均は、0.8m/秒(−4.0〜+7.7m/秒の範囲)であった。120mgMTDグループ(−6.7m/秒)および調査集団全体(−5.5m/秒)で、腓骨頭部と膝窩の間の近位腓骨神経区間における伝導速度の低下が顕著であった。しかしながら、これは、スクリーニング時にこの区間で異常に高い神経伝導速度(120mgMTDグループで平均47.6m/秒、21.7〜66.7m/秒の範囲)が測定されたことによって説明できる。このグループの23名の被験者のうち12名は、ベースライン運動伝導速度が50m/秒よりも速く、この集団のこれらの異常に高い値は、この区間の神経が刺激される距離が短いことを反映していて、このことが測定ミスを招いた可能性があった。
神経伝導速度の有意な低下は、糖尿病性ニューロパシーにおいて電気生理学的に見られるように、この状態の頻度が神経経路の長さに応じて増加することから、遠位神経区間でより重く現れるはずである。これらの理由から、この試験で測定した近位伝導速度は、調査薬物の安全性または耐容性の測定としてでなく、腓骨頭部に局所性腓骨神経障害が存在するかどうかの評価として解釈した。結論として、DM/Qの鎮痛特性が、末梢神経に対する毒性作用によるものであることを示す電気生理学的な証拠はなかった。
1日用量がDM30mg/Q30mg〜DM120mg/Q120mgでのDM/Qの併用は、この対象集団では安全であり、かつ耐容性が良好であった。有害事象の種類、頻度、および強度は、許容される範囲内であった。5名の被験者が少なくとも1件の臨床検査有害事象を伴ったが、すべて強度が軽度または中程度であり、どれも調査薬物の服用を変更する必要がなかった。バイタルサイン、身体検査、または心電図の結果について、臨床上の懸念は見出されなかった。神経伝導速度に臨床上重大な変化は全く検出されなかった。試験治療は耐容性が良好であり、大多数の被験者のMTDが最高許容量(DM120mg/Q120mg)であった。
各時点での各疼痛強度スコアの被験者の度数を表47で報告する。
Figure 2016106150
1日目(ベースライン)では、プロトコルの採用基準で指定したように、全被験者の疼痛強度が2(中程度)以上であった。最終来診までに、少数の被験者(20.0%)だけが中程度以上の痛みを伴い、40%は痛みを報告しなかった。
疼痛強度評価尺度スコアのベースラインからの変化を表48で報告する。
Figure 2016106150
疼痛強度評価尺度の平均スコアは、被験者全体で、ベースラインとその後の各来診時の間に減少した。この減少は大いに有意であった(p値はすべて<0.0001)。ベースラインから最終来診時にかけての変化については、スコアの減少がMTDと有意に関係していたが(p=0.0348)、他のどの来診時についても、スコアに対するMTDの有意な影響がなかった(p値はすべて≧0.1628)。
各試験来診時の各疼痛軽減スコアの被験者の度数を表49で報告する。
Figure 2016106150
一般に、試験の間、疼痛軽減スコアは増加した。8日目では、「大いに」または「完全に」痛みが軽減したと報告した被験者は33.3%だけであったが;最終来診時までには、大多数(64.7%)がそのように報告した。どの来診時でも、ベースラインに比べて「より悪い」痛みを報告した被験者はなく、1名の被験者だけが、8日目の後のいずれの来診時にも「なし」と報告した。
疼痛軽減尺度スコアの要約統計値を表50で報告する。
Figure 2016106150
疼痛軽減評価尺度の平均スコアは、被験者全体で、8日目の最初の評価からその後の各来診時まで有意に増加した(p値はすべて<0.0001)。いずれの来診時でも、疼痛軽減スコアに対するMTDの有意な影響はなかった(p値はすべて≧0.4880)。
末梢神経障害QOL測定法からの複合スコアのベースラインからの変化を表51で報告する。
Figure 2016106150
末梢神経障害QOL測定法の平均複合スコアは、被験者全体で、1日目(ベースライン)から29日目にかけて、および最終来診時にかけて有意に増加した(すなわち、向上した)(p値は共に<0.0001)。ベースラインから29日目または最終来診時にかけての変化は、MTDと関係がなかった(p値はすべて≧0.1837)。
ベースラインから最終来診時にかけての個々のQOL尺度の変化についてのp値を表52で報告する。
Figure 2016106150
個々のQOL尺度項目の大多数は、ベースラインと最終来診時の間に有意に向上した(15/21,74.1%)。
15日目、29日目、および最終来診時について算出した睡眠妨害スコアを表53で報告する。
Figure 2016106150
平均睡眠妨害スコアは試験中に低下し、被験者の痛みによる睡眠の妨害が減少したことが示された。いずれの来診時でも、睡眠妨害スコアに対するMTDの有意な影響はなかった(p値はすべて≧0.1077)。睡眠評価尺度から得られた結果は、図4に試験日を横軸にとって表す。睡眠スコアは、2日目から最終試験日にかけて有意に減少した(回帰p<0.001)(スコアが低いほど、睡眠の妨げになると判断される痛みが少ない)。
現時点の疼痛強度評価尺度から得られた結果は、図5に試験日を横軸にとって表す。現時点の疼痛強度スコアは、2日目から最終試験日にかけて有意に減少した(回帰p<0.001)。活動評価尺度から得られた結果は、図6に試験日を横軸にとって表す。活動スコアは、1日目から最終試験日にかけて有意に減少した(回帰p<0.001)(スコアが低いほど、一般的な活動の妨げになると判断される痛みが少ない)。疼痛評価尺度から得られた結果は、図7に試験日を横軸にとって表す。前12時間の平均の疼痛スコアは、1日目から最終試験日にかけて有意に減少した(回帰p<0.001)。
有効性スコアの向上は、向上を最後の記録値が>0の値であることとして定義した疼痛軽減評価尺度を除き、最初の記録値から最後の記録値にかけての向上として定義した。試験中にスコアが向上した被験者の度数を、各有効性の測定値について表54に示す。
Figure 2016106150
どの有効性の測定値でも、有意な割合の被験者が試験中に向上を示した(p値はすべて≦0.0396)。向上は、有効性の測定値のいずれについても、MTDと関係がなかった(p値はすべて≧0.1668)。
DM30mg/Q30mg〜DM120mg/Q120mgの用量範囲のDM/Qによって非盲検で治療した被験者は、糖尿病性末梢神経障害からくる痛みと、この痛みが一般的な活動および睡眠の妨げとなった程度の統計学的に有意な軽減を報告した。この治療を受けた被験者はまた、QOLの統計学的に有意な向上も経験した。
被験者の遺伝子型の結果に基づくCYP2D6表現型を表55にまとめて示す。この調査集団には、中間もしくは超急速代謝者は存在しなかった。
Figure 2016106150
1名を除くすべての被験者が高代謝者であった。90mgおよび120mgMTDグループでは、血漿中のDM濃度が15日目の来診時と最終来診時の間に増大した。代謝物DXおよびQについても、同様の濃度の増大が見られた。最終来診時の高代謝者の血漿中のDM、DX、およびQの濃度をMTDごとに表56にまとめて示す。
Figure 2016106150
比較のために、低代謝者(MTDは60mg)の最終来診時の血漿中の濃度は、DMが126.4ng/mL、DXが41.0ng/mL、Qが165.0ng/mLであった。15日目、29日目、および最終来診時の血漿中のDM濃度と疼痛強度評価との相関を表57にまとめて示す(高代謝者のみ)。
Figure 2016106150
15日目には、血漿中のDM濃度と疼痛強度評価との間に弱い負の相関があり(係数は−0.3572)、他の時点では、ごく僅かな相関しかなかった(≦−0.1487)。15日目の相関は統計学的に有意であったが(p=0.0473)、29日目および最終来診時の相関はそうでなかった(p≧0.4088)。しかしながら、血漿中の薬物濃度と疼痛評価との間の相関が弱い、または存在しないことは、鎮痛剤の薬物動態検査の典型的な結果である。
安全性の結果は、糖尿病性末梢神経障害に随伴する痛みを有する被験者の治療において、DM30mg/Q30mg〜DM120mg/Q120mgの用量範囲のDM/Qの併用が、安全であり、かつ耐容性が良好であることを実証し、また痛みの軽減における有効性を示している。
好ましい実施形態を、その具体的な実施形態と共に、述べてきた。更なる変更が可能であること、ならびにこの出願が、一般に、本発明の本質に従い、また本発明が属する業界の公知の慣例または慣行の範囲内であり、これまでに述べた必須の特徴に当てはめることができ、本発明およびその任意の同等物の範囲内に入るようなこの開示からの逸脱を含む、本発明のどんな変形形態、使用例、または適応形態も包含するものであることを理解されたい。技術文献参考文献および特許を含むがこれに限らない、本明細書に引用した参考文献はすべて、これによって、その全文を参照として本明細書に援用する。

Claims (52)

  1. 仮性球麻痺性情動または情動不安定の治療方法であって、その必要のある患者にデキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて投与することを含み、投与するデキストロメトルファンの量が約20mg/日〜約200mg/日であり、投与するキニジンの量が約10mg/日〜約50mg/日未満である方法。
  2. 前記仮性球麻痺性情動または情動不安定が、神経変性疾患もしくは神経変性病、または脳損傷によって引き起こされるものである、請求項1に記載の方法。
  3. 神経因性疼痛の治療方法であって、その必要のある患者にデキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて投与することを含み、投与するデキストロメトルファンの量が約20mg/日〜約200mg/日であり、投与するキニジンの量が約10mg/日〜約50mg/日未満である方法。
  4. 神経変性疾患もしくは神経変性病の治療方法であって、その必要のある患者にデキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて投与することを含み、投与するデキストロメトルファンの量が約20mg/日〜約200mg/日であり、投与するキニジンの量が約10mg/日〜約50mg/日未満である方法。
  5. 前記神経変性疾患もしくは神経変性病が、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、パーキンソン病、およびアルツハイマー病からなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 脳損傷の治療方法であって、その必要のある患者にデキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて投与することを含み、投与するデキストロメトルファンの量が約20mg/日〜約200mg/日であり、投与するキニジンの量が約10mg/日〜約50mg/日未満である方法。
  7. 前記脳損傷が、脳卒中、外傷性脳損傷、虚血性事象(虚血性イベント)、低酸素性事象、および神経細胞死からなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
  8. デキストロメトルファンおよびキニジンを1日につき1回の複合薬として投与する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. デキストロメトルファンおよびキニジンを1日につき少なくとも2回の複合薬として投与する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 投与するキニジンの量が約20mg/日〜約45mg/日である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  11. 投与するデキストロメトルファンの量が約20mg/日〜約60mg/日である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記キニジンと前記デキストロメトルファンとの少なくとも一つが、薬剤として許容される塩の形になっている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記の薬剤として許容される塩が、アルカリ金属塩、すなわちリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アルカリ土類金属塩、すなわちカルシウム塩、マグネシウム塩、リジン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、メグルミン塩、プロカイン塩、トリス塩、遊離酸の塩、遊離塩基の塩、無機塩、すなわち硫酸塩、塩酸塩、および臭化水素酸塩からなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記キニジンが硫酸キニジンを含み、前記デキストロメトルファンが臭化水素酸デキストロメトルファンを含み、投与する硫酸キニジンの量が約30mg/日〜60mg/日であり、投与する臭化水素酸デキストロメトルファンの量が約30mg/日〜約60mg/日である、請求項12に記載の方法。
  15. 仮性球麻痺性情動または情動不安定の治療方法であって、その必要のある患者にデキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて投与することを含み、デキストロメトルファンおよびキニジンは複合薬の形で投与され、前記複合薬中のデキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:1.25以下である方法。
  16. 前記仮性球麻痺性情動または情動不安定が、神経変性疾患もしくは神経変性病、または脳損傷によって引き起こされるものである、請求項15に記載の方法。
  17. 神経因性疼痛の治療方法であって、その必要のある患者にデキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて投与することを含み、デキストロメトルファンおよびキニジンは複合薬の形で投与され、前記複合薬中のデキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:1.25以下である方法。
  18. 神経変性疾患もしくは神経変性病の治療方法であって、その必要のある患者にデキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて投与することを含み、デキストロメトルファンおよびキニジンは複合薬の形で投与され、前記複合薬中のデキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:1.25以下である方法。
  19. 前記神経変性疾患もしくは神経変性病が、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、パーキンソン病、およびアルツハイマー病からなる群より選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 脳損傷の治療方法であって、その必要のある患者にデキストロメトルファンをキニジンと組み合わせて投与することを含み、デキストロメトルファンおよびキニジンは複合薬の形で投与され、前記複合薬中のデキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:1.25以下である方法。
  21. 前記脳損傷が、脳卒中、外傷性脳損傷、虚血性事象、低酸素性事象、および神経細胞死からなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記複合薬中のデキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:0.75以下である、請求項15〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 投与するキニジンの量が約20mg/日〜約45mg/日であり、投与するデキストロメトルファンの量が約20mg/日〜約60mg/日である、請求項15〜21のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記キニジンと前記デキストロメトルファンとの少なくとも一つが、薬剤として許容される塩の形になっている、請求項15〜21のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記の薬剤として許容される塩が、アルカリ金属塩、すなわちリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アルカリ土類金属塩、すなわちカルシウム塩、マグネシウム塩、リジン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、メグルミン塩、プロカイン塩、トリス塩、遊離酸の塩、遊離塩基の塩、無機塩、すなわち硫酸塩、塩酸塩、および臭化水素酸塩からなる群より選択される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記キニジンが硫酸キニジンを含み、前記デキストロメトルファンが臭化水素酸デキストロメトルファンを含み、投与する硫酸キニジンの量が約30mg/日〜約60mg/日であり、投与する臭化水素酸デキストロメトルファンの量が約30mg/日〜約60mg/日である、請求項24に記載の方法。
  27. 1日につき1回複合薬を投与する、請求項15〜21のいずれか一項に記載の方法。
  28. 1日につき2回以上複合薬を投与する、請求項15〜21のいずれか一項に記載の方法。
  29. 仮性球麻痺性情動または情動不安定の治療での使用に適する薬剤組成物であって、錠剤またはカプセル剤を含み、前記錠剤またはカプセル剤がデキストロメトルファンおよびキニジンを含み、デキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:1.25以下である組成物。
  30. 前記仮性球麻痺性情動または情動不安定が、神経変性疾患もしくは神経変性病、または脳損傷によって引き起こされるものである、請求項29に記載の組成物。
  31. 神経因性疼痛の治療での使用に適する薬剤組成物であって、錠剤またはカプセル剤を含み、前記錠剤またはカプセル剤がデキストロメトルファンおよびキニジンを含み、デキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:1.25以下である組成物。
  32. 神経変性疾患もしくは神経変性病の治療での使用に適する薬剤組成物であって、錠剤またはカプセル剤を含み、前記錠剤またはカプセル剤がデキストロメトルファンおよびキニジンを含み、デキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:1.25以下である組成物。
  33. 前記神経変性疾患もしくは神経変性病が、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、パーキンソン病、およびアルツハイマー病からなる群より選択される、請求項32に記載の組成物。
  34. 脳損傷での使用に適する薬剤組成物であって、錠剤またはカプセル剤を含み、前記錠剤またはカプセル剤がデキストロメトルファンおよびキニジンを含み、デキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:1.25以下である組成物。
  35. 前記脳損傷が、脳卒中、外傷性脳損傷、虚血性事象、低酸素性事象、および神経細胞死からなる群より選択される、請求項34に記載の組成物。
  36. 前記のデキストロメトルファンとキニジンの重量比が約1:0.75以下である、請求項29〜35のいずれか一項に記載の組成物。
  37. 前記キニジンが約20mg〜約45mgの量で存在し、前記デキストロメトルファンが約20mg〜約60mgの量で存在する、請求項29〜35のいずれか一項に記載の組成物。
  38. 前記キニジンと前記デキストロメトルファンとの少なくとも一つが、薬剤として許容される塩の形になっている、請求項29〜35のいずれか一項に記載の組成物。
  39. 前記の薬剤として許容される塩が、アルカリ金属塩、すなわちリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アルカリ土類金属塩、すなわちカルシウム塩、マグネシウム塩、リジン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、メグルミン塩、プロカイン塩、トリス塩、遊離酸の塩、遊離塩基の塩、無機塩、すなわち硫酸塩、塩酸塩、および臭化水素酸塩からなる群より選択される、請求項38に記載の組成物。
  40. 前記キニジンが硫酸キニジンを含み、前記デキストロメトルファンが臭化水素酸デキストロメトルファンを含み、前記硫酸キニジンが約30mg〜約60mgの量で存在し、前記臭化水素酸デキストロメトルファンが約30mg〜約60mgの量で存在する、請求項38に記載の組成物。
  41. 仮性球麻痺性情動または情動不安定を治療するための薬剤の調製におけるデキストロメトルファンおよびキニジンの使用であって、前記薬剤がカプセル剤または錠剤を含み、デキストロメトルファンおよびキニジンが、前記カプセル剤または錠剤中に、1:1.25以下のデキストロメトルファンとキニジンの重量比で存在する使用。
  42. 前記仮性球麻痺性情動または情動不安定が、神経変性疾患もしくは神経変性病、または脳損傷によって引き起こされるものである、請求項41に記載の使用。
  43. 神経因性疼痛を治療するための薬剤の調製におけるデキストロメトルファンおよびキニジンの使用であって、前記薬剤がカプセル剤または錠剤を含み、デキストロメトルファンおよびキニジンが、前記カプセル剤または錠剤中に、1:1.25以下のデキストロメトルファンとキニジンの重量比で存在する使用。
  44. 神経変性疾患もしくは神経変性病を治療するための薬剤の調製におけるデキストロメトルファンおよびキニジンの使用であって、前記薬剤がカプセル剤または錠剤を含み、デキストロメトルファンおよびキニジンが、前記カプセル剤または錠剤中に、1:1.25以下のデキストロメトルファンとキニジンの重量比で存在する使用。
  45. 前記神経変性疾患もしくは神経変性病が、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、パーキンソン病、およびアルツハイマー病からなる群より選択される、請求項44に記載の使用。
  46. 脳損傷を治療するための薬剤の調製におけるデキストロメトルファンおよびキニジンの使用であって、前記薬剤がカプセル剤または錠剤を含み、デキストロメトルファンおよびキニジンが、前記カプセル剤または錠剤中に、1:1.25以下のデキストロメトルファンとキニジンの重量比で存在する使用。
  47. 前記脳損傷が、脳卒中、外傷性脳損傷、虚血性事象、低酸素性事象、および神経細胞死からなる群より選択される、請求項46に記載の使用。
  48. デキストロメトルファンおよびキニジンが、前記カプセル剤または錠剤中に、1:0.75以下のデキストロメトルファンとキニジンの重量比で存在する、請求項41〜47のいずれか一項に記載の使用。
  49. 前記キニジンと前記デキストロメトルファンとの少なくとも一つが、薬剤として許容される塩の形になっている、請求項41〜47のいずれか一項に記載の使用。
  50. 前記の薬剤として許容される塩が、アルカリ金属塩、すなわちリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アルカリ土類金属塩、すなわちカルシウム塩、マグネシウム塩、リジン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、メグルミン塩、プロカイン塩、トリス塩、遊離酸の塩、遊離塩基の塩、無機塩、すなわち硫酸塩、塩酸塩、および臭化水素酸塩からなる群より選択される、請求項49に記載の使用。
  51. 前記キニジンが硫酸キニジンを含み、前記デキストロメトルファンが臭化水素酸デキストロメトルファンを含み、前記硫酸キニジンが約30mg〜約60mgの量で存在し、前記臭化水素酸デキストロメトルファンが約30mg〜約60mgの量で存在する、請求項49に記載の使用。
  52. 前記キニジンが約20mg〜約45mgの量で存在し、前記デキストロメトルファンが約20mg〜約60mgの量で存在する、請求項41〜47のいずれか一項に記載の使用。
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