JP2016105355A - 密閉型電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】変形の程度が小さくされた蓋体を備える密閉型電池を提供する。【解決手段】絶縁部材80のうち、かしめ部材(正極接続部材35)によるかしめ力を外部端子37を介して受け、外部端子37によって押圧されて蓋体13の表面(上面13p)に接触する部位(絶縁受力部83)は、上記かしめ力を受けていない状態で、当該部位を蓋体13の長手方向Xに見たときに、かしめ荷重Fの荷重方向Zに凸の形態で湾曲した形状をなし、且つ、当該部位を蓋体13の短手方向Yに見たときに、かしめ荷重Fの荷重方向Zまたはその反対方向に凸の形態で湾曲した形状をなし、上記かしめ力を受けて締結された状態において、当該部位が弾性変形して、蓋体13側を向く面(下面83c)が蓋体13の表面(上面13p)に密接している。【選択図】図7

Description

本発明は、密閉型電池に関する。
従来、密閉型電池として、様々なものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−48047号公報
特許文献1には、次のような密閉型電池が開示されている。開口を有する箱状の電池ケースと、電池ケースの開口を閉塞する蓋体を有する端子付き電池ケース蓋と、を備え、蓋体により電池ケースの開口を閉塞した状態で、蓋体と電池ケースとを溶接している。このうち、端子付き電池ケース蓋は、細長平板形状をなす蓋体であって、その長手方向の両端部に自身を貫通する蓋貫通孔を有する蓋体、自身を貫通する端子貫通孔(カシメ孔部)を有する外部端子(接続端子)、蓋体と外部端子との間に介在して両者を電気的に絶縁する絶縁部材であって、自身を貫通する絶縁貫通孔(絶縁体開口部)を有する絶縁部材、及び、蓋貫通孔と絶縁貫通孔と端子貫通孔に挿通されたかしめ部材(集電端子)であって、自身のうち上記外部端子から突出したかしめ変形部に対し上記外部端子から上記蓋体に向かう方向にかしめ荷重が付与されることで上記かしめ変形部が変形して、蓋体と絶縁部材と外部端子とを締結するかしめ部材、を備えている。
ところが、上述のような構成の端子付き電池ケース蓋215を作製すると、蓋体213が変形してしまう。具体的には、図10に示すように、蓋体213の蓋貫通孔213h、213kと絶縁部材280の絶縁貫通孔280bと外部端子237,247の端子貫通孔237b、247bに、かしめ部材235,245(かしめ変形部233、243)を挿通し、このかしめ変形部233,243に対し外部端子237,247から蓋体213に向かう方向(図10において下方)にかしめ荷重を付与することで、かしめ変形部を径方向に拡大するように圧縮変形させて、蓋体213と絶縁部材280と外部端子237,247とを締結すると、蓋体213のうちかしめ部材によるかしめ力を受ける部位(蓋貫通孔213h、213kの周囲部)が、屈曲(湾曲)する。
その屈曲(湾曲)形態は、蓋体213をその長手方向X(図10において左右方向)に見たときに、上記かしめ荷重の荷重方向Zとは反対の方向(図10において上方)に凸となる形態であった。すなわち、蓋体213をその長手方向Xに切断した断面図(図10に示す断面図)において、上記かしめ荷重の荷重方向とは反対の方向に凸となる形態であった。蓋体213の長手方向の両端部において上記かしめ加工を行うため、蓋体213の長手方向Xの両端部において上記のような屈曲(湾曲)が生じる。その結果、図10に示すように、蓋体213の長手方向Xの両端部の間に位置する部位(蓋体213の大部分)は、蓋体213の長手方向Xに見たときに、上記かしめ荷重の荷重方向Zとは反対の方向(図10において上方)に凸となる形態で湾曲していた。
このため、蓋体213により電池ケースの開口を閉塞したとき、蓋体213の上記変形の程度が大きい場合には、電池ケースと蓋体213との間に隙間が発生することがあった。このような状態で、蓋体213と電池ケースとを溶接すると、溶接の溶け込み深さにバラツキが生じ、溶接不良(例えば、蓋体により電池ケースの開口を閉塞したときに隙間が生じた部位において、溶接の溶け込み深さが許容下限値より小さくなること)が発生する虞もあった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、変形の程度が小さくされた蓋体を備える密閉型電池を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、開口を有する箱状の電池ケースと、上記電池ケースの上記開口を閉塞する蓋体を有する端子付き電池ケース蓋と、を備え、上記蓋体により上記電池ケースの上記開口を閉塞した状態で、上記蓋体と上記電池ケースとを溶接している密閉型電池において、上記端子付き電池ケース蓋は、細長平板形状をなす上記蓋体であって、その長手方向の両端部に自身を貫通する蓋貫通孔を有する上記蓋体、自身を貫通する端子貫通孔を有する外部端子、上記蓋体と上記外部端子との間に介在して両者を電気的に絶縁する絶縁部材であって、自身を貫通する絶縁貫通孔を有する絶縁部材、及び、上記蓋貫通孔と上記絶縁貫通孔と上記端子貫通孔に挿通されたかしめ部材であって、自身のうち上記外部端子から突出したかしめ変形部に対し上記外部端子から上記蓋体に向かう方向にかしめ荷重が付与されることで上記かしめ変形部が変形して、上記蓋体と上記絶縁部材と上記外部端子とを締結するかしめ部材、を備え、上記絶縁部材のうち、上記かしめ部材によるかしめ力を上記外部端子を介して受け、上記外部端子によって押圧されて上記蓋体の表面に接触する部位は、上記かしめ力を受けていない状態で、当該部位を上記蓋体の長手方向に見たときに、上記かしめ荷重の荷重方向に(上記蓋体側に)凸の形態で湾曲した形状をなし、且つ、当該部位を上記蓋体の短手方向に見たときに、上記かしめ荷重の荷重方向またはその反対方向に(上記蓋体側または上記外部端子側に)凸の形態で湾曲した形状をなし、上記かしめ力を受けて上記締結された状態において、当該部位が弾性変形して、上記蓋体側を向く面が上記蓋体の表面に密接している密閉型電池である。
上述の密閉型電池の端子付き電池ケース蓋では、絶縁部材のうち、かしめ部材によるかしめ力を外部端子を介して受け、外部端子によって押圧されて蓋体の表面に接触する部位(絶縁受力部とする)が、以下のような形状をなしている。具体的には、当該絶縁受力部は、かしめ力を受けていない状態(すなわち、外部端子からの押圧力を受けていない状態)で、当該絶縁受力部を上記蓋体の長手方向に見たときに、かしめ荷重の荷重方向に(すなわち蓋体側に)凸の形態で湾曲した形状をなしている。換言すれば、当該絶縁受力部は、かしめ力を受けていない状態で、蓋体の長手方向に当該部位を切断した断面図において、かしめ荷重の荷重方向に(蓋体側に)凸の形態で湾曲した形状を表す。すなわち、絶縁受力部が、「蓋体のうちかしめ部材によるかしめ力を受ける部位(蓋体受力部という)が、かしめ力により変形しようとする形態」とは反対に凸の形態となっている。そして、上記かしめ力を受けて上記締結された状態において、絶縁受力部が弾性変形して、蓋体側を向く面が蓋体の表面に密接(すなわち平面に変形)している。
このため、かしめ部材により上記締結をするとき、上記かしめ力を受けて弾性変形をする絶縁受力部では、変形前の形態(すなわち、蓋体のうちかしめ部材によるかしめ力を受ける部位が変形しようとする形態とは反対方向に凸の形態)に戻そうとする力(復元力)が発生する。これにより、絶縁受力部の蓋体側を向く面により、「蓋体をその長手方向に見たときに、かしめ荷重の荷重方向とは反対の方向に凸となる形態に屈曲しようとする蓋体受力部(蓋体のうちかしめ部材によるかしめ力を受ける部位をいう)」が、その変形を妨げられる方向に押圧される。従って、かしめ部材により上記締結をするとき、上述のように屈曲しようとする蓋体受力部について、上記屈曲の程度を小さくすることができる。その結果、蓋体のうち、その両端部(2つの蓋体受力部)の間に位置する部位の変形の程度も小さくすることができる。
さらに、上述の密閉型電池では、絶縁受力部は、かしめ力を受けていない状態で、当該部位を蓋体の短手方向に見たときに、かしめ荷重の荷重方向またはその反対方向に(すなわち、蓋体側または外部端子側に)凸の形態で湾曲した形状をなしている。換言すれば、当該絶縁受力部は、かしめ力を受けていない状態で、蓋体の短手方向に当該部位を切断した断面図において、かしめ荷重の荷重方向またはその反対方向に(蓋体側または外部端子側に)凸の形態で湾曲した形状を表す。このように蓋体の短手方向についても湾曲した形態とすることで、蓋体の短手方向について湾曲していない形態(すなわち、蓋体の短手方向については平坦形状)の絶縁受力部に比べて、蓋体の長手方向についての絶縁受力部の曲げ強度(断面二次モーメント)を高めることができる。
これにより、かしめにより絶縁受力部において発生する曲げ応力が大きくなり、その結果、変形前の形態(すなわち、蓋体のうちかしめ部材によるかしめ力を受ける部位が変形しようとする形態とは反対方向に凸の形態)に戻そうとする力(復元力)が大きくなる。これにより、蓋体の短手方向について湾曲していない形態の絶縁受力部に比べて、絶縁受力部によって蓋体受力部の変形を妨げる方向に押圧する力が大きくなるので、蓋体受力部の屈曲の程度をより一層小さくすることができる。その結果、蓋体のうち、その両端部(2つの蓋体受力部)の間に位置する部位の変形の程度もより小さくすることができる。
以上より、上述の密閉型電池は、変形の程度が小さくされた蓋体を備える密閉型電池となる。
実施形態にかかる密閉型電池を示す図である。 図1のB部及びC部の拡大図である。 実施形態にかかる端子付き電池ケース蓋の分解斜視図である。 実施形態にかかる第1絶縁部材の側面図である。 同第1絶縁部材の上面図である。 図5のD−D断面図である。 図5のK−K断面図である。 図5のM−M断面図である。 図2と同じ箇所について、かしめ変形部を変形させる直前の状態を示す図である。 従来の端子付き電池ケース蓋の断面図である。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態にかかる密閉型電池1の断面図である。図2は、図1のB部及びC部の拡大図である。なお、C部における部材のうちB部と異なるものについては、図2において符号を括弧書きしている。図3は、本実施形態にかかる端子付き電池ケース蓋15の一部を分解した斜視図である。
本実施形態にかかる密閉型電池1は、図1に示すように、開口11dを有する矩形箱状の電池ケース11と、電池ケース11の内部に収容された電極体50とを備えるリチウムイオン二次電池である。さらに、密閉型電池1は、電池ケース11の開口11dを閉塞する蓋体13を有する端子付き電池ケース蓋15を備えている。電池ケース11と蓋体13とは、全周溶接により一体とされている。
電極体50は、断面長円状をなし、シート状の正極板55とシート状の負極板56との間にシート状のセパレータ57を介在させて、これらを捲回してなる扁平型の捲回体である。この電極体50は、その軸線方向(図1において左右方向)の一方端部(図1において左端部)に位置し、正極板55の一部のみが渦巻状に重なる正極捲回部55bと、他方端部(図1において右端部)に位置し、負極板56の一部のみが渦巻状に重なる負極捲回部56bを有している。正極板55には、正極捲回部55bを除く部位に、正極活物質を含む正極合材層が形成されている。同様に、負極板56には、負極捲回部56bを除く部位に、負極活物質を含む負極合材層が形成されている。
端子付き電池ケース蓋15は、蓋体13と第1絶縁部材80と正極端子部材30と負極端子部材40と第2絶縁部材70とを有する。このうち、蓋体13は、細長平板形状をなし、その長手方向X(図1において左右方向)の両端部には、この蓋体13を貫通する円形状の貫通孔(蓋貫通孔)13h,13kが形成されている。また、蓋体13の長手方向Xの中央部には、安全弁13jが設けられている。また、安全弁13jと貫通孔13kとの間には、電解液(図示なし)を電池ケース11内に注入するための注液口13nが形成されている。この注液口13nは、注液栓13mにより封止されている。
正極端子部材30は、正極接続部材35(かしめ部材)と正極外部端子37と正極締結部材39とにより構成されている(図1、図3参照)。このうち、正極接続部材35は、金属からなり、電極体50の正極捲回部55bに接続すると共に、蓋体13の貫通孔13hを通じて電池ケース11の外部に延出している。正極外部端子37は、金属からなり、蓋体13より上方(電池ケース11の外部)に位置し、電池ケース11の外部において正極接続部材35と電気的に接続している。正極締結部材39は、金属からなるボルトであり、電池ケース11の外部に位置し、正極外部端子37と図示しないバスバーとを締結する。
負極端子部材40は、負極接続部材45(かしめ部材)と負極外部端子47と負極締結部材49とにより構成されている(図1、図3参照)。このうち、負極接続部材45は、金属からなり、電極体50の負極捲回部56bに接続すると共に、蓋体13の貫通孔13kを通じて電池ケース11の外部に延出している。負極外部端子47は、金属からなり、蓋体13より上方(電池ケース11の外部)に位置し、電池ケース11の外部において負極接続部材45と電気的に接続している。負極締結部材49は、金属からなるボルトであり、蓋体13上(電池ケース11の外部)に位置し、負極外部端子47と図示しないバスバーとを締結する。
正極外部端子37(負極外部端子47)は、金属板からなり、側面視略Z字状をなしている(図1、図3参照)。この正極外部端子37(負極外部端子47)は、押圧部37f(押圧部47f)、離間部37g(離間部47g)、及び、押圧部37f(押圧部47f)と離間部37g(離間部47g)とを連結する連結部37h(連結部47h)とを有する。このうち、押圧部37f(押圧部47f)は、平板形状をなし、後述するかしめ変形部33(かしめ変形部43)により押圧されることで第1絶縁部材80を押圧する部位である。
離間部37g(離間部47g)は、押圧部37f(押圧部47f)よりも蓋体13から上方に離間して位置し、押圧部37f(押圧部47f)と平行に延びる平板形状の部位である。押圧部37f(押圧部47f)には、これを貫通する貫通孔37b(貫通孔47b)(端子貫通孔に相当する)が形成されており、この貫通孔37b(貫通孔47b)内には、正極接続部材35(負極接続部材45)の挿通部32(挿通部42)が挿通されている(図2参照)。また、離間部37g(離間部47g)にも、これを貫通する貫通孔37c(貫通孔47c)が形成されている。
正極締結部材39(負極締結部材49)は、金属製のボルトであり、矩形板状の頭部39b(頭部49b)と、円柱状の軸部39c(軸部49c)とを有している(図1、図3参照)。軸部39c(軸部49c)のうち先端側の部位は、ネジ部39d(ネジ部49d)となっている。正極締結部材39(負極締結部材49)の軸部39c(軸部49c)は、正極外部端子37(負極外部端子47)の貫通孔37c(貫通孔47c)を挿通している。
第2絶縁部材70は、電気絶縁性を有し、弾性変形可能な樹脂からなり、平板形状をなしている(図2、図3参照)。第2絶縁部材70は、その中央部に、正極端子部材30(負極端子部材40)の挿通部32(挿通部42)を挿通させる円形の貫通孔70bを有している。この第2絶縁部材70は、正極端子部材30(負極端子部材40)の台座部31(台座部41)の上面31f(上面41f)と蓋体13の下面13b(表面)との間に介在して、正極接続部材35(負極接続部材45)と蓋体13とを電気的に絶縁している。
第1絶縁部材80は、電気絶縁性を有し、弾性変形可能な樹脂からなり、蓋体13の上面13p(表面)に接触して配置されている(図2、図3参照)。この第1絶縁部材80は、蓋体13と正極外部端子37(負極外部端子47)との間に介在して両者を電気的に絶縁している。
第1絶縁部材80は、正極締結部材39の頭部39b(負極締結部材49の頭部49b)が配置される頭部配置部81、及び、正極外部端子37の押圧部37fによって押圧されて蓋体13の上面13p(表面)に接触する部位(絶縁受力部83とする)を有している。このうち、絶縁受力部83は、矩形板状をなしている。第1絶縁部材80の絶縁受力部83には、自身を貫通する貫通孔80b(絶縁貫通孔)が形成されている。この貫通孔80b内には、正極端子部材30の挿通部32(負極端子部材40の挿通部42)が挿通している。
正極接続部材35は、台座部31と挿通部32と電極体接続部34とかしめ変形部33とを有している(図1〜図3参照)。このうち、台座部31は、矩形板状をなし、電池ケース11の内部に位置している。挿通部32は、台座部31の上面31fから突出する円柱形状で、第2絶縁部材70の貫通孔70bと蓋体13の貫通孔13h(蓋貫通孔)と第1絶縁部材80の貫通孔80b(絶縁貫通孔)と正極外部端子37の貫通孔37b(端子貫通孔)とを挿通している(図2参照)。電極体接続部34は、台座部31から電池ケース11の底面11b側に延びる形態で、電極体50の正極捲回部55bに溶接されている。
かしめ変形部33は、挿通部32の上端に連なった部位であり、図9に示すように、かしめにより変形する前は、円筒形状をなしている。このかしめ変形部33は、自身に対し、正極外部端子37から蓋体13に向かう方向(図9において下方)にかしめ荷重Fが付与されることで、かしめ変形部33の内周面33gから外周面33hに向かう方向に押し拡げられる(拡径する)ように変形して、円盤状になると共に、正極外部端子37をかしめ荷重Fの荷重方向Z(図9において下方)に押圧する。これにより、かしめ変形部33と台座部31との間で、第2絶縁部材70と蓋体13と第1絶縁部材80と正極外部端子37とが狭圧され、第2絶縁部材70と蓋体13と第1絶縁部材80と正極外部端子37とが締結される。
負極接続部材45は、台座部41と挿通部42と電極体接続部44とかしめ変形部43とを有している(図1〜図3参照)。このうち、台座部41は、矩形板状をなし、電池ケース11の内部に位置している。挿通部42は、台座部41の上面41fから突出する円柱形状で、第2絶縁部材70の貫通孔70bと蓋体13の貫通孔13k(蓋貫通孔)と第1絶縁部材80の貫通孔80b(絶縁貫通孔)と負極外部端子47の貫通孔47b(端子貫通孔)とを挿通している(図2参照)。電極体接続部44は、台座部41から電池ケース11の底面11b側に延びる形態で、電極体50の負極捲回部56bに溶接されている。
かしめ変形部43は、挿通部42の上端に連なった部位であり、図9に示すように、かしめにより変形する前は、円筒形状をなしている。このかしめ変形部43は、自身に対し、負極外部端子47から蓋体13に向かう方向(図9において下方)にかしめ荷重Fが付与されることで、かしめ変形部43の内周面43gから外周面43hに向かう方向に押し拡げられる(拡径する)ように変形して、円盤状になると共に、負極外部端子47をかしめ荷重Fの荷重方向Z(図9において下方)に押圧する。これにより、かしめ変形部43と台座部41との間で、第2絶縁部材70と蓋体13と第1絶縁部材80と負極外部端子47とが狭圧され、第2絶縁部材70と蓋体13と第1絶縁部材80と負極外部端子47とが締結される。
なお、本実施形態では、正極接続部材35及び負極接続部材45が、「かしめ部材」に相当する。また、絶縁受力部83が、「かしめ部材によるかしめ力を外部端子を介して受け、外部端子によって押圧されて蓋体の表面に接触する部位」に相当する。
ところで、図10に示すように、従来、上述のような構成の端子付き電池ケース蓋215を作製すると、蓋体213が変形した。具体的には、図10に示すように、蓋体213の蓋貫通孔213h、213kと絶縁部材280の絶縁貫通孔280bと外部端子237,247の端子貫通孔237b、247bに、かしめ部材235,245(かしめ変形部233、243)を挿通し、このかしめ変形部233,243に対し外部端子237,247から蓋体213に向かう方向(図10において下方)にかしめ荷重を付与することで、かしめ変形部を径方向に拡大するように圧縮変形させて、蓋体213と絶縁部材280と外部端子237,247とを締結すると、蓋体213のうちかしめ部材によるかしめ力を受ける部位(蓋貫通孔213h、213kの周囲部)が、屈曲(湾曲)した。なお、かしめ力を受けていない状態では、第1絶縁部材280の絶縁受力部283は平坦形状である。
その屈曲(湾曲)形態は、蓋体213をその長手方向X(図10において左右方向)に見たときに、上記かしめ荷重の荷重方向Zとは反対の方向(図10において上方)に凸となる形態であった。すなわち、蓋体213をその長手方向Xに切断した断面図(図10に示す断面図)において、上記かしめ荷重の荷重方向とは反対の方向に凸となる形態であった。蓋体213の長手方向の両端部において上記かしめ加工を行うため、蓋体213の長手方向Xの両端部において上記のような屈曲(湾曲)が生じる。その結果、図10に示すように、蓋体213の長手方向Xの両端部の間に位置する部位(蓋体213の大部分)は、蓋体213の長手方向Xに見たときに、上記かしめ荷重の荷重方向Zとは反対の方向(図10において上方)に凸となる形態で湾曲していた。
このため、蓋体213により電池ケース11の開口11dを閉塞したとき、蓋体213の上記変形の程度が大きい場合には、電池ケース11と蓋体213との間に隙間が発生することがあった。このような状態で、蓋体213と電池ケース11とを溶接すると、溶接の溶け込み深さにバラツキが生じ、溶接不良(例えば、蓋体213により電池ケース11の開口11dを閉塞したときに隙間が生じた部位において、溶接の溶け込み深さが許容下限値より小さくなること)が発生する虞もあった。
これに対し、本実施形態の端子付き電池ケース蓋15では、第1絶縁部材80の絶縁受力部83(かしめ部材によるかしめ力を外部端子を介して受け、外部端子によって押圧されて蓋体の表面に接触する部位)を、以下のような態様としている。なお、図4〜図9は、かしめ力を受けていない状態の第1絶縁部材80を示している。
具体的には、図4、図6、及び図9に示すように、絶縁受力部83は、かしめ力を受けていない状態(すなわち、正極外部端子37または負極外部端子47からの押圧力を受けていない状態)で、当該絶縁受力部83を蓋体13の長手方向X(図4、図6、及び図9において左右方向)に見たときに、かしめ荷重の荷重方向Z(図4、図6、及び図9において下方)に凸の形態で湾曲した形状をなしている。換言すれば、絶縁受力部83は、かしめ力を受けていない状態で、蓋体13の長手方向Xに絶縁受力部83を切断した断面図(図6及び図9に示す断面図)において、かしめ荷重の荷重方向Zに凸の形態で湾曲した形状を表す。
すなわち、絶縁受力部83が、「蓋体13のうちかしめ力を受ける部位(蓋体受力部13q,13rとする。図1、図2、及び図9参照)が、かしめ力により変形しようとする形態」とは反対方向に凸の形態となっている。
そして、図2に示すように、かしめ力を受けて前述のように締結された状態において、絶縁受力部83が弾性変形して、蓋体13側を向く面(下面83c)が蓋体13の表面(上面13p)に密接(すなわち平面に変形)している。
このため、前述のように、かしめ荷重Fを付与してかしめ変形部33(43)を変形させて、第2絶縁部材70と蓋体13と第1絶縁部材80と正極外部端子37(負極外部端子47)とを締結するとき、かしめ力を受けて弾性変形をする絶縁受力部83では、変形前の形態(すなわち、蓋体受力部13q,13rが変形しようとする形態とは反対方向に凸の形態)に戻そうとする力(復元力)が発生する。
これにより、絶縁受力部83の下面83c(蓋体13側を向く面)により、「蓋体13をその長手方向Xに見たときに、かしめ荷重Fの荷重方向Zとは反対の方向(図2、図9において上方)に凸となる形態に屈曲しようとする蓋体受力部13q、13r(蓋体13のうちかしめ力を受ける部位)」が、その変形を妨げられる方向に押圧される。従って、かしめ荷重Fを付与してかしめ変形部33(43)を変形させるとき、上述のように屈曲しようとする蓋体受力部13q、13rについて、その屈曲の程度を小さくすることができる。その結果、蓋体13のうち、その両端部(2つの蓋体受力部13q、13r)の間に位置する部位の変形(湾曲)の程度も小さくすることができる。
なお、絶縁受力部83は、矩形板状であり、絶縁受力部83の長手方向は、蓋体13の長手方向Xに一致し、絶縁受力部83の短手方向は、蓋体13の短手方向Yに一致する。
さらに、本実施形態では、絶縁受力部83は、図7に示すように、かしめ力を受けていない状態で、絶縁受力部83を蓋体13の短手方向Y(図7において左右方向)に見たときに、かしめ荷重Fの荷重方向Zの反対方向(図7において上方)に凸の形態で湾曲した形状をなしている。換言すれば、絶縁受力部83は、かしめ力を受けていない状態で、蓋体13の短手方向Yに絶縁受力部83を切断した断面図(図7に示す断面図)において、かしめ荷重Fの荷重方向Zの反対方向(図7において上方)に凸の形態で湾曲した形状を表す。このように蓋体13の短手方向Yについても湾曲した形態とすることで、蓋体13の短手方向Yについて湾曲していない形態(すなわち、蓋体13の短手方向Yについては平坦形状)の絶縁受力部に比べて、蓋体13の長手方向Xについての絶縁受力部83の曲げ強度(断面二次モーメント)を高めることができる。
これにより、かしめにより絶縁受力部83において発生する曲げ応力が大きくなり、その結果、変形前の形態(すなわち、蓋体13のうちかしめ力を受ける部位が変形しようとする形態とは反対方向に凸の形態)に戻そうとする力(復元力)が大きくなる。これにより、蓋体13の短手方向Yについて湾曲していない形態の絶縁受力部に比べて、絶縁受力部83によって蓋体受力部13q、13rの変形を妨げる方向に蓋体受力部13q、13rを押圧する力が大きくなるので、蓋体受力部13q、13rの屈曲の程度をより一層小さくすることができる。その結果、蓋体13のうち、その両端部(2つの蓋体受力部13q、13r)の間に位置する部位の変形(湾曲)の程度も小さくすることができる。従って、本実施形態の端子付き電池ケース蓋15は、蓋体13の変形の程度が小さくされた端子付き電池ケース蓋となる。
このため、端子付き電池ケース蓋15の蓋体13により電池ケース11の開口11dを閉塞したとき、電池ケース11と蓋体13との間の隙間を低減(縮小)あるいは隙間発生を防止することができる。これにより、蓋体13と電池ケース11とを溶接したとき、溶接の溶け込み深さのバラツキを低減することができ、溶接不良(例えば、蓋体13により電池ケース11の開口を閉塞したときに隙間が生じた部位において、溶接の溶け込み深さが許容下限値より小さくなること)が発生するのを低減(あるいは防止)できる。
次に、本実施形態の密閉型電池1の製造方法について説明する。
まず、端子付き電池ケース蓋15を作製する。具体的には、まず、第1絶縁部材80を2つ用意する。
ところで、本実施形態では、第1絶縁部材80を、樹脂の射出成形により製造している。この第1絶縁部材80を、樹脂の射出成形により製造するとき、図8に示すように、矩形板状をなす絶縁受力部83の上面83bのうち、短手方向Yの両端部の位置に、上面83bから下面83cに向かって凹む円形状の凹部82が形成されるように成形する。このため、樹脂射出後の冷却により絶縁受力部83が収縮するとき、絶縁受力部83の上面83b側の部位(凹部82が形成されたことにより下面83c側よりも肉が少なくなった部位)における短手方向Yの収縮量よりも、下面83c側の部位における短手方向Yの収縮量のほうが大きくなる。
この収縮量の差により、絶縁受力部83は、絶縁受力部83を短手方向Y(図8において左右方向)に見たときに、かしめ荷重Fの荷重方向Zの反対方向(図8において上方)に凸の形態で湾曲した形状になる。換言すれば、絶縁受力部83は、短手方向Yに絶縁受力部83を切断した断面図(図8に示す断面図)において、かしめ荷重Fの荷重方向Zの反対方向(図8において上方)に凸の形態で湾曲した形状を表す。
さらに、このとき、絶縁受力部83は、絶縁受力部83を長手方向X(図6において左右方向)に見たときに、かしめ荷重Fの荷重方向Z(図6において下方)に凸の形態で湾曲した形状になる。換言すれば、絶縁受力部83は、長手方向Xに絶縁受力部83を切断した断面図(図6に示す断面図)において、かしめ荷重Fの荷重方向Z(図6において下方)に凸の形態で湾曲した形状を表す。
また、細長平板状の蓋体13を用意する。なお、このとき、蓋体13の注液口13nは、注液栓13mにより封止されていない(注液栓13mは取り付けられていない)。また、正極接続部材35と正極外部端子37と正極締結部材39とを用意する。また、負極接続部材45と負極外部端子47と負極締結部材49とを用意する。さらに、第2絶縁部材70を2つ用意する。このとき、正極接続部材35のかしめ変形部33及び負極接続部材45のかしめ変形部43は、加締めにより変形する前であるため、円筒形状をなしている(図9参照)。
次いで、これらの部材を一体に組み付ける。具体的には、まず、正極接続部材35のかしめ変形部33(このときは、円筒形状となっている)及び挿通部32を、その先端側から、第2絶縁部材70の貫通孔70b、蓋体13の貫通孔13h、第1絶縁部材80の貫通孔80b、正極外部端子37の貫通孔37bに、この順で挿通させる(図9参照)。なお、これより前に、正極締結部材39の頭部39bを、第1絶縁部材80の頭部配置部81内に配置すると共に、正極締結部材39の軸部39cを、正極外部端子37の貫通孔37c内に挿通させておく。
その後、この状態で、かしめ変形部33を変形させて、正極外部端子37を下方に(台座部31側に)押圧する。具体的には、円筒状のかしめ変形部33に対し一方側(図9において上側)からかしめ荷重Fを付与することで、かしめ変形部33を、その内周面33gから外周面33hに向かう方向に押し拡げる(拡径させる)ようにして、荷重方向Z(図9において下方)に押しつぶしながら円盤状に変形させてゆく。変形させたかしめ変形部33によって、正極外部端子37を、かしめ荷重Fの荷重方向Z(図9において下方)に押圧する。これにより、かしめ変形部33と台座部31との間で、第2絶縁部材70と蓋体13と第1絶縁部材80と正極外部端子37とが狭圧され、第2絶縁部材70と蓋体13と第1絶縁部材80と正極外部端子37とが締結される。
また、負極側(負極接続部材45と負極外部端子47と負極締結部材49)についても、上述した正極側と同様にして組み付ける。これにより、かしめ変形部43と台座部41との間で、第2絶縁部材70と蓋体13と第1絶縁部材80と負極外部端子47とが狭圧され、第2絶縁部材70と蓋体13と第1絶縁部材80と正極外部端子37とが締結されて、端子付き電池ケース蓋15が完成する。
次に、正極接続部材35の電極体接続部34を、電極体50の正極捲回部55bに溶接する。さらに、負極接続部材45の電極体接続部44を、電極体50の負極捲回部56bに溶接する。これにより、正極端子部材30と正極板55とを電気的に接続し、且つ、負極端子部材40と負極板56とを電気的に接続すると共に、端子付き電池ケース蓋15と電極体50とを一体にする。
次いで、電池ケース11の内部に電極体50を収容しつつ、蓋体13により電池ケース11の開口11dを閉塞する。この状態で、蓋体13と電池ケース11を、全周溶接により接合する。その後、蓋体13の注液口13nを通じて、電解液(図示なし)を電池ケース11の内部に注入し、この電解液を電極体50の内部に含浸させる。次いで、蓋体13の注液口13nを、注液栓13mにより封止する。その後、所定の処理を行うことで、本実施形態の密閉型電池1(図1参照)が完成する。
(実施例1)
実施例1では、第1絶縁部材80として、長手方向Xについての絶縁受力部83の湾曲量H(図6参照)が−0.006mmであり、短手方向Xについての絶縁受力部83の湾曲量G(図7参照)が0.022mmである第1絶縁部材80を用意した。この第1絶縁部材80を用いて、実施例1にかかる端子付き電池ケース蓋15を作製した。
なお、湾曲量Hは、長手方向Xについての絶縁受力部83の湾曲の程度を表す値であり、その絶対値が大きいほど湾曲の程度が大きいことを示す。具体的には、絶縁受力部83を長手方向Xに切断した断面について、絶縁受力部83の下面83cのうち最も高位の箇所がその両端部となるようにした状態で、X方向位置が異なる下面83cの複数箇所について両端部からのZ方向距離を測定し、最も高位の箇所(両端部)から最も低位の箇所までのZ方向距離(高低差)を、湾曲量Hとした(図6参照)。なお、最も高位の箇所となる両端を0基準としているので、実施形態の第1絶縁部材80では、湾曲量Hは負の値となる。
また、湾曲量Gは、短手方向Yについての絶縁受力部83の湾曲の程度を表す値であり、数値が大きいほど湾曲の程度が大きいことを示す。具体的には、絶縁受力部83を短手方向Yに切断した断面について、絶縁受力部83の下面83cのうち最も低位の箇所がその両端部となるようにした状態で、Y方向位置が異なる下面83cの複数箇所について両端部からのZ方向距離を測定し、最も低位の箇所(両端部)から最も高位の箇所までのZ方向距離(高低差)を、湾曲量Gとした(図7参照)。なお、最も低位の箇所となる両端部を0基準としているので、実施形態の第1絶縁部材80では、湾曲量Gは正の値となる。
(比較例1)
比較例1では、実施例1の第1絶縁部材80と比較して、短手方向Xについて絶縁受力部83が湾曲していない(平坦形状である)点のみが異なる(長手方向Yについては実施例1の第1絶縁部材80と同程度に湾曲している)第1絶縁部材を用意した。この第1絶縁部材を用いて、比較例1にかかる端子付き電池ケース蓋を作製した。
(蓋体の湾曲量の測定)
実施例1及び比較例1の端子付き電池ケース蓋について、蓋体の湾曲量J(図10参照)を測定した。なお、蓋体の湾曲量Jは、蓋体の湾曲の程度を表す値であり、数値が大きいほど湾曲の程度が大きいことを示す。具体的には、蓋体を長手方向Xに切断した断面について、蓋体の下面のうち最も低位の箇所がその両端となるようにした状態で、X方向位置が異なる蓋体の下面の複数箇所について両端からのZ方向距離を測定し、最も高位の箇所と最も低位の箇所(両端)との間のZ方向距離(高低差)を、湾曲量Jとした(図10参照)。なお、最も低位の箇所となる両端を0基準としているので、湾曲量Jは正の値となる。
測定の結果、実施例1の端子付き電池ケース蓋では、比較例1の端子付き電池ケース蓋に比べて、蓋体の湾曲量Jが小さくなった。具体的には、比較例1では蓋体の湾曲量Jが0.190mmであったのに対し、実施例1では蓋体13の湾曲量Jが0.159mmとなった。従って、実施例1では、比較例1に比べて、蓋体の湾曲量Jを約16%低減することができた。
なお、比較例1では、実施例1に比べて蓋体の湾曲量Jが大きくなったものの、従来の端子付き電池ケース蓋215(絶縁受力部283が、かしめ力を受けていない状態で、長手方向X及び短手方向Yについて平坦形状である第1絶縁部材280を用いている)に比べて、蓋体の湾曲量Jを小さくすることができた。その理由は、比較例1の絶縁受力部は、かしめ力を受けていない状態で、当該絶縁受力部を長手方向Xに見たときに、かしめ荷重の荷重方向Zに凸の形態で湾曲した形状をなしているからである。このため、前述したように、かしめを行ったとき、長手方向Xに見たときにかしめ荷重の荷重方向Zの反対方向に凸の形態に変形しようとする蓋体受力部について、その変形の程度を小さくすることができた。
以上の結果より、本実施形態の端子付き電池ケース蓋15は、蓋体13の変形の程度が小さくされた端子付き電池ケース蓋といえる。従って、本実施形態の密閉型電池1は、変形の程度が小さくされた蓋体13を備える密閉型電池といえる。
(第1絶縁部材の製造)
樹脂の射出成形により、第1絶縁部材を5つ(サンプル1〜5とする)製造した。具体的には、図8に示すように、矩形板状をなす絶縁受力部83の上面83bのうち、短手方向Yの両端部の位置に、上面83bから下面83cに向かって凹む円形状の凹部82が形成されるように(成形型に凹部82を形成するための部位を設けて)、第1絶縁部材を成形した。そして、サンプル1〜5について、湾曲量H(図6参照)及び湾曲量G(図7参照)を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2016105355
表1に示すように、サンプル1〜5では、いずれも、湾曲量Gが正の値となった。すなわち、かしめ力を受けていない状態で、絶縁受力部83は、絶縁受力部83を短手方向Y(図7において左右方向)に見たときに、かしめ荷重Fの荷重方向Zの反対方向(図7において上方)に凸の形態で湾曲した形状となった。換言すれば、絶縁受力部83は、かしめ力を受けていない状態で、短手方向Yに絶縁受力部83を切断した断面図(図7に示す断面図)において、かしめ荷重Fの荷重方向Zの反対方向(図7において上方)に凸の形態で湾曲した形状を表した。
さらに、表1に示すように、サンプル1〜5では、いずれも、湾曲量Hが負の値となった。すなわち、絶縁受力部83は、かしめ力を受けていない状態で、絶縁受力部83を蓋体13の長手方向X(図6において左右方向)に見たときに、かしめ荷重の荷重方向Z(図6において下方)に凸の形態で湾曲した形状となった。換言すれば、絶縁受力部83は、かしめ力を受けていない状態で、蓋体13の長手方向Xに絶縁受力部83を切断した断面図(図6に示す断面図)において、かしめ荷重の荷重方向Zに凸の形態で湾曲した形状を表した。
この結果より、矩形板状をなす絶縁受力部83の上面83bに、上面83bから下面83cに向かって凹む円形状の凹部82が形成されるように(成形型に凹部82を形成するための部位を設けて)、樹脂の射出成形により第1絶縁部材を成形する方法を採用することで、適切に、湾曲量Gが正の値で且つ湾曲量Hが負の値となる第1絶縁部材を製造することができるといえる。すなわち、上記製法により第1絶縁部材を製造することで、絶縁受力部83を短手方向Yに見たときに荷重方向Zの反対方向(図7において上方)に凸の形態で湾曲し、且つ、絶縁受力部83を長手方向X(図6において左右方向)に見たときに荷重方向Z(図6において下方)に凸の形態で湾曲した形状をなす絶縁受力部83を有する第1絶縁部材80を適切に製造することができるといえる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施形態では、「絶縁受力部83を短手方向Yに見たときに荷重方向Zの反対方向(図7において上方)に凸の形態で湾曲し、且つ、絶縁受力部83を長手方向X(図6において左右方向)に見たときに荷重方向Z(図6において下方)に凸の形態で湾曲した形状をなす絶縁受力部83を有する第1絶縁部材」として、矩形板状をなす絶縁受力部83の上面83bに、上面83bから下面83cに向かって凹む円形状の凹部82が形成されるように(成形型に凹部82を形成するための部位を設けて)、樹脂の射出成形により製造した第1絶縁部材80を用いた。
しかしながら、本発明の第1絶縁部材は、上記のように製造したものに限定されず、例えば、「絶縁受力部83を長手方向X(図6において左右方向)に見たときに荷重方向Z(図6において下方)に凸の形態で湾曲した形状をなす絶縁受力部83(凹部82を形成しない)を有する第1絶縁部材」を樹脂の射出成形により成形した後、別途、絶縁受力部83を短手方向Yに見たときに荷重方向Zの反対方向(図7において上方)に凸の形態で湾曲するように、絶縁受力部83を短手方向Yに湾曲させて製造した第1絶縁部材でも良い。
また、実施形態では、絶縁受力部83を短手方向Yに見たときに荷重方向Zの反対方向(図7において上方)に凸の形態で湾曲する第1絶縁部材を用いた。すなわち、短手方向Yについての絶縁受力部の湾曲形態が、荷重方向Zの反対方向(図7において上方)に凸である第1絶縁部材を用いた。しかしながら、短手方向Yについての絶縁受力部の湾曲形態は、荷重方向Z(実施形態とは反対方向)に凸としても良い。
1 密閉型電池
11 電池ケース
11d 開口
13 蓋体
13h,13k 貫通孔(蓋貫通孔)
13p 蓋体の上面(表面)
15 端子付き電池ケース蓋
33,43 かしめ変形部
35 正極接続部材(かしめ部材)
37 正極外部端子(外部端子)
37b,47b 貫通孔(端子貫通孔)
45 負極接続部材(かしめ部材)
47 負極外部端子(外部端子)
80 第1絶縁部材(絶縁部材)
80b 貫通孔(絶縁貫通孔)
83 絶縁受力部
83c 下面(蓋体側を向く面)
F かしめ荷重
X 蓋体の長手方向
Y 蓋体の短手方向
Z かしめ荷重の荷重方向

Claims (1)

  1. 開口を有する箱状の電池ケースと、
    上記電池ケースの上記開口を閉塞する蓋体を有する端子付き電池ケース蓋と、を備え、
    上記蓋体により上記電池ケースの上記開口を閉塞した状態で、上記蓋体と上記電池ケースとを溶接している
    密閉型電池において、
    上記端子付き電池ケース蓋は、
    細長平板形状をなす上記蓋体であって、その長手方向の両端部に自身を貫通する蓋貫通孔を有する上記蓋体、
    自身を貫通する端子貫通孔を有する外部端子、
    上記蓋体と上記外部端子との間に介在して両者を電気的に絶縁する絶縁部材であって、自身を貫通する絶縁貫通孔を有する絶縁部材、及び、
    上記蓋貫通孔と上記絶縁貫通孔と上記端子貫通孔に挿通されたかしめ部材であって、自身のうち上記外部端子から突出したかしめ変形部に対し上記外部端子から上記蓋体に向かう方向にかしめ荷重が付与されることで上記かしめ変形部が変形して、上記蓋体と上記絶縁部材と上記外部端子とを締結するかしめ部材、を備え、
    上記絶縁部材のうち、上記かしめ部材によるかしめ力を上記外部端子を介して受け、上記外部端子によって押圧されて上記蓋体の表面に接触する部位は、
    上記かしめ力を受けていない状態で、
    当該部位を上記蓋体の長手方向に見たときに、上記かしめ荷重の荷重方向に凸の形態で湾曲した形状をなし、且つ、
    当該部位を上記蓋体の短手方向に見たときに、上記かしめ荷重の荷重方向またはその反対方向に凸の形態で湾曲した形状をなし、
    上記かしめ力を受けて上記締結された状態において、当該部位が弾性変形して、上記蓋体側を向く面が上記蓋体の表面に密接している
    密閉型電池。
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