以下、実施の形態に係る照明装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態及びその変形例で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態及びその変形例における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
[照明器具及び照明装置の概要]
まず、本発明の実施の形態に係る照明器具10及び照明装置100の概要について、図1〜図3を用いて説明する。
図1は、実施の形態に係る照明器具10の外観を示す斜視図である。
図2は、実施の形態に係る照明器具10を、器具本体50と照明装置100とに分離した状態で示す斜視図である。なお、図2では、照明装置100が有する発光装置200の内部を図示するために、カバー部材221を筐体210から分離して図示している。
図3は、実施の形態に係る発光装置200の断面図である。具体的には、図3では、図1におけるIII−III断面に加えて、発光素子22の拡大斜視図が図示されている。
なお、図1〜図3において、上下方向とZ軸方向とが一致し、照明器具10(照明装置100)の長手方向とX軸方向とが一致するように照明器具10が図示されている。しかし、照明器具10の使用時の姿勢は、これらの図に限定されない。例えば、照明器具10(照明装置100)の長手方向が水平方向に対して傾いた姿勢で照明器具10が壁または支柱等に固定されてもよい。このことは、後述する、実施の形態の変形例1〜8のそれぞれにおける照明器具でも同じである。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る照明器具10は、器具本体50と、器具本体50に取り付けられた照明装置100とを備える。照明器具10は、例えば、屋内の天井面に配置されて下方の空間を照らす、一般にベースライトと呼ばれる照明器具である。
器具本体50は、照明器具10の本体であり、例えば直管形蛍光ランプ(以下、「蛍光ランプ」という。)を点灯させるための本体として用いられていたものである。
本実施の形態では、器具本体50は、G13口金に対応した2つのソケットを有する一般的な蛍光ランプ用の器具本体に、後述する配線の変更等の作業を施したものである。
より詳細には、図2に示すように、器具本体50の配置面51には、第一ソケット55と第二ソケット56とが設けられている。第一ソケット55及び第二ソケット56のそれぞれは、器具本体が備える取付部の一例であり、本実施の形態ではプランジャ式のソケットである。
照明装置100は、器具本体50に取り付けられる照明装置であって、面発光または線発光する発光部220を有する長尺状の発光装置200、及び、発光装置200の長手方向の両端部のそれぞれに配置された接続部材を有する。発光装置200は、全体として平板状である。また、発光装置200は、少なくとも1つの側面に照明光を放出する発光面を有する。
本実施の形態では、発光部220は、図2及び図3に示すように、それぞれが複数の発光素子22を含む、1以上の発光素子列と、当該1以上の発光素子列を覆うように設けられ、当該1以上の発光素子列からの光を透過させ、かつ、拡散するカバー部材221とを有する。
このように、発光部220を、複数の発光素子22とカバー部材221とで構成することで、例えば、複数の発光素子22の発光色と、カバー部材221特性(カバー部材221の素材、色、または、波長変換機能の有無など)との組み合わせによって多彩な照明光を得ることができる。
より詳細には、発光部220は、発光装置200の筐体210に収容された3つの長尺状の発光モジュール20と、これら発光モジュール20を覆うように筐体210に取り付けられたカバー部材221とを有する。つまり、本実施の形態では、1つの発光モジュール20によって1つの発光素子列が形成されている。
また、発光モジュール20は、基板21と基板21に実装された複数の発光素子22とを有し、3つの発光モジュール20は、各々の長手方向が平行となるように、長手方向と交差する方向に並べられている。
つまり、本実施の形態では、複数の発光素子22を行列状に配置し、これら複数の発光素子22からの光を平板状のカバー部材221で拡散することで、面発光する発光部220が実現されている。
発光モジュール20が有する複数の発光素子22のそれぞれは、本実施の形態では、固体発光素子の一例である表面実装(SMD:Surface Mount Device)型LED素子である。つまり、本実施の形態に係る照明装置100は、LEDランプの一種である。
発光モジュール20が有する基板21の種類に特に限定はないが、熱伝導性が高い素材で形成されていることが好ましい。例えば、アルミナ等のセラミックからなるセラミック基板、または、絶縁被覆された金属板からなるメタルベース基板等が、基板21として採用される。
なお、基板21の種類はセラミック基板及びメタルベース基板に限定されず、樹脂基板を含む各種の基板の中から任意に選択可能である。また、基板21は、物理的に1枚の基板でなくてもよく、例えば、複数枚の基板が、発光装置200の長手方向(X軸方向)に並べて配置されることで形成されてもよい。
発光モジュール20は、例えば、基板21の裏面(発光素子22が実装されている面とは反対側の面)の数箇所に塗布された接着剤、または、ネジ等の締結部材によって、筐体210の内面に固定される。
なお、発光モジュール20は、筐体210の内面に直接的に固定される必要はなく、例えば、基板21の裏面に配置されたヒートシンクを介して筐体210の内面に固定されてもよい。
発光素子22は、本実施の形態では、上述のようにSMD型LED素子であり、図3に示すように、容器22aと、容器22a内に実装されたLEDチップ22bと、LEDチップ22bからの光の波長を変換する波長変換材を含む封止部材22cとを有する。
本実施の形態では、LEDチップ22bとして、例えば青色光を発する青色LEDチップが採用される。青色LEDチップとしては、例えばInGaN系の材料によって構成された、中心波長が440nm〜470nmの窒化ガリウム系の半導体発光素子が採用される。この場合、白色光を得るために、例えばイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系の黄色蛍光体粒子が波長変換材として採用される。
カバー部材221は、例えば、基材としてのガラス板の内面または外面に、白色顔料等を塗布することで乳白色の光拡散膜が形成された部材である。また、ガラス板の内面または外面に、サンドブラスト等の加工を施すことで細かな凹凸を形成し、これにより、光拡散機能を有するカバー部材221を得ることもできる。
また、シリカまたは炭酸カルシウム等の光拡散材を含有する樹脂によってカバー部材221が形成されていてもよい。カバー部材221の素材として採用される樹脂としては、アクリル(PMMA)及びポリカーボネート(PC)が例示される。
なお、本実施の形態では、カバー部材221は、例えば図3に示されるように、筐体210の端縁を覆うように配置されているため、複数の発光素子22からの光は、カバー部材221によって筐体210の端縁まで導かれる。つまり、発光装置200を下方(Z軸負側)から見た場合、発光装置200の全体が発光しているように視認される。
このように、発光装置200は複数のLEDを光源として有しており、発光装置200の長手方向の両端部には、照明装置100を器具本体50に接続する接続部材が配置されている。
具体的には、照明装置100は、発光装置200の長手方向の両端部の一方に配置された第一接続部材110と、当該両端部の他方に配置された第二接続部材120とを有する。
第一接続部材110は、器具本体50が有する第一ソケット55に接続され、第二接続部材120は、器具本体50が有する第二ソケット56に接続される。
より詳細には、第一接続部材110及び第二接続部材120は、G13口金を模した形状を有しており、第一接続部材110は一対のピン119を有し、第二接続部材120は一対のピン129を有している。さらに、第一ソケット55及び第二ソケット56のそれぞれは、G13口金に対応した一対のピン穴58を有している。
第一接続部材110の一対のピン119が、第一ソケット55の一対のピン穴58に挿入され、かつ、第二接続部材120の一対のピン129が、第二ソケット56の一対のピン穴58に挿入されることで、照明装置100が、器具本体50に接続される。
なお、本実施の形態では、第一ソケット55はプランジャ式のソケットであり、ピン穴58を備える部分が軸方向(発光装置200の長手方向と同じ)に移動することで、一対のピン119のピン穴58に対する挿抜が行われる。第二ソケット56も同じくプランジャ式のソケットであり、ピン穴58を備える部分が軸方向に移動することで、一対のピン129のピン穴58に対する挿抜が行われる。
つまり、第一接続部材110は、第一ソケット55に着脱自在であり、かつ、第二接続部材120は、第二ソケット56に着脱自在である。そのため、例えば、照明装置100の器具本体50に対する取り付け及び取り外しが容易である。
なお、第一接続部材110が第一ソケット55に対して着脱自在であるための構造に特に限定はない。例えば、第一接続部材110の少なくとも一部が軸方向に伸縮することで、一対のピン119のピン穴58に対する挿抜が行われてもよい。第二接続部材120が第二ソケット56に対して着脱自在であるための構造についても同様に、各種の構造を採用し得る。
また、本実施の形態では、第一接続部材110の一対のピン119が、器具本体50から供給される電力を受ける受電部として機能する。発光部220は、受電部であるの一対のピン119が受けた電力によって発光する。
具体的には、本実施の形態では、第一接続部材110の一対のピン119が受け取った交流電力は、駆動回路300に供給される。駆動回路300は、受け取った交流電力を、所定の特性を有する直流電力に変換し、変換後の直流電力を、図示しない一対のリードを介して、発光部220が有する各発光モジュール20に供給する。駆動回路300は、回路基板と、当該回路基板に実装された複数の電子部品(図示せず)とを有している。
なお、本実施の形態では、第二接続部材120の一対のピン129は、器具本体50と照明装置100との電気的な接続の役割は担わず、器具本体50と照明装置100との機械的な接続の役割のみを担っている。そのため、第二接続部材120は一対のピン129に代えて、例えば、第二ソケット56に着脱自在に取り付けられる突出部または凹部を有していてもよい。照明装置100における配線例については、図6を用いて後述する。
また、駆動回路300は、本実施の形態では、図3に示すように、発光装置200の筐体210の背面に配置された回路収容部290に収容されているが、駆動回路300の配置位置に特に限定はない。例えば、器具本体50に駆動回路300が収容されてもよい。この場合、第一接続部材110の一対のピン119に、第一ソケット55を介して駆動回路300から得られる直流電力が供給され、一対のピン119から発光部220に、発光に必要な直流電力が供給される。
ここで、第一接続部材110及び第二接続部材120のそれぞれは、発光装置200の器具本体50に対する姿勢または位置の変更を所定の範囲内で許容し、かつ、変更後の姿勢または位置を維持した状態で発光装置200と器具本体50とを接続することができる、という特徴を有している。
当該所定の範囲は、発光装置200の姿勢または位置の変更が許容される範囲であって、発光部220の光の照射方向が器具本体50と反対側(Z軸負側)を向く姿勢を含む範囲である。例えば、器具本体50が、水平面と平行な天井面に正規の姿勢で取り付けられた場合に、当該所定の範囲には、発光部220の光の照射方向が鉛直下方となる姿勢が含まれる。
具体的には、本実施の形態では、第一接続部材110及び第二接続部材120は、発光装置200を、長手方向の軸を中心とする回動が可能な状態で、器具本体50と接続することで、発光装置200の器具本体50に対する姿勢の変更を許容する。これにより、発光装置200からの照射方向を、第一接続部材110及び第二接続部材120を通る軸回りに変更することができる。
なお、以下では、第一接続部材110及び第二接続部材120のそれぞれ、またはいずれか一方を、「接続部材(110、120)」と表記する場合もある。
図4は、実施の形態に係る発光装置200の姿勢の変更が可能であることを示す斜視図である。
図4に示すように、本実施の形態では、発光装置200は、両端部の接続部材(110、120)を通る仮想的な軸Aを中心として回動可能である。言い換えると、照明装置100は、器具本体50の第一ソケット55及び第二ソケット56によって回動可能に軸支されている。
また、その回動可能な範囲内には、例えば図1に示すように、発光装置200の発光部220が、器具本体50と反対側(Z軸負側)を向く姿勢が含まれる。より詳細には、発光装置200は、発光部220の発光面が、器具本体50の配置面51と平行となる姿勢を含む範囲で回動可能である。
従って、照明器具10を、例えば天井面に取り付けた場合、照明装置100からの照明光の照射方向を照明器具10の直下に向けることができ、さらに、照明光の照射方向を照明器具10の直下の領域よりも外側に向けることもできる。
なお、発光装置200の筐体210及び接続部材(110、120)は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)等の絶縁性樹脂で形成される。また、例えば筐体210の一部の素材としてアルミニウム等の金属を用いることで、複数の発光モジュール20で発生する熱を効率よく外部に放出させることも可能である。
以下、照明装置100が備える接続部材(110、120)及びその周辺の構造について、図5及び図6を参照して説明する。
[接続部材及びその周辺の構造]
図5は、実施の形態に係る照明装置100が備える第一接続部材110の構造を示す部分拡大図である。なお、図5では、器具本体50と照明装置100との電気的な接続のための配線は、点線で概念的に図示されている。また、第一接続部材110は、第一部材111と第二部材112とに分解して図示している。
図5に示すように、第一接続部材110は、発光装置200に取り付けられた第一部材111と、第一部材111に対して回動可能であり、かつ、器具本体50に対して回動しない状態で、器具本体50及び第一部材111を接続する第二部材112とを有する。
簡単にいうと、第一部材111及び第二部材112は、一方が他方に対して回動する筒体であり、第一部材111が、第二部材112に挿入されることで、第一接続部材110が形成されている。
また、第二部材112には、一対のピン119(第一ピン119a及び第二ピン119b)が配置されており、一対のピン119は、第一ソケット55(例えば図2参照)から供給される電力を受けとる。一対のピン119が受け取った電力は、第一部材111を介して、駆動回路300(図3参照)に供給される。
より詳細には、第二部材112は、第一ピン119aと電気的に接続された環状端子113a、及び、第二ピン119bと電気的に接続された環状端子113bを有する。
環状端子113a及び113bは、筒状の第二部材112の内周面に配置されている。また、第一部材111の外周面には、接触子114a及び114bが配置されている。接触子114a及び114bのそれぞれにはリード線等の導電部材が接続されており、各導電部材は、駆動回路300と電気的に接続されている。
この構造において、第一部材111が第二部材112に対して回動する場合、環状端子113aと接触子114aとの接触を維持し、かつ、環状端子113bと接触子114bとの接触を維持した状態で、第一部材111が第二部材112に対して回動する。つまり、第一ピン119a及び第二ピン119bと、駆動回路300との電気的な接続は維持される。このように、第一接続部材110は、スリップリング構造を有し、これにより、第一ソケット55と、第一ソケット55に対して回動する発光装置200との電気的な導通を維持している。
図6は、実施の形態に係る照明装置100における配線例を示すブロック図である。
図6に示すように、第一ソケット55には、例えば商用電源から供給される交流電力が供給され、第一ソケット55と接続される第一接続部材110を介して、駆動回路300に交流電力が供給される。駆動回路300は受け取った交流電力を直流電力に変換し、発光部220に供給する。これにより、発光部220が有する複数の発光モジュール20(図2参照)は発光する。
なお、本実施の形態において、器具本体50は、上述のように、蛍光ランプを点灯させるための本体として用いられていたものであり、内部には、例えばインバータ式の安定器が備えられている。この場合、例えば商用電源をこの安定器に供給する一対の電線を安定器から外して、第一ソケット55に接続することで、図6に示す電気的な接続が実現される。また、この場合、インバータ式の安定器は、器具本体50から取り外してもよく、器具本体50の内部に残したままであってもよい。
このように、本実施の形態では、照明装置100に対する給電方式として片側給電方式が採用されている。つまり、第二接続部材120と第二ソケット56とは、機械的に接続され、かつ、照明装置100に対する給電の役割は担わない。なお、照明装置100は、給電方式として両側給電方式が採用されてもよく、この場合、第二接続部材120と第二ソケット56とは機械的に接続され、かつ、照明装置100に対する給電の役割を担う。
また、照明装置100において、発光装置200の回動を許容する第一接続部材110は、回動後の発光装置200の姿勢を維持することができる。具体的には、例えば第一部材111と第二部材112との接触箇所における摩擦力により、回動した後の、第一部材111と第二部材112との間の相対的な回転位置が維持される。
なお、第一接続部材110が、板バネ等の弾性部材を利用したラッチ構造など、第一部材111と第二部材112との間の相対的な回転位置の維持を確実にするための構造を有してもよい。
また、第二部材112及び第一部材111の少なくとも一方は、他方に引っ掛かる突起等の、図示しない構造物を有しており、通常の使用時における第二部材112の第一部材111からの脱落(取り外れ)は防止される。
ここで、第二接続部材120は、器具本体50と照明装置100との電気的な接続のための構造以外は、第一接続部材110と共通である。つまり、第二接続部材120も、発光装置200に取り付けられた第一部材と、第一部材に対して回動可能であり、かつ、器具本体50に対して回動しない状態で、器具本体50及び第一部材を接続する第二部材とを有する。
以上説明したように、本実施の形態に係る照明装置100は、器具本体50に取り付けられる照明装置100であって、面発光する発光部220を有する長尺状の発光装置200と、発光装置200の長手方向の両端部のそれぞれに配置され、発光装置200と器具本体50とを接続する接続部材(110、120)とを備える。接続部材(110、120)は、発光装置200の器具本体50に対する姿勢または位置の変更を、発光部220の光の照射方向が器具本体50と反対側を向く姿勢を含む所定の範囲内で許容し、かつ、変更後の姿勢または位置を維持することができる。
具体的には、発光装置200の両端部の接続部材である第一接続部材110及び第二接続部材120の少なくとも一方が、器具本体50と照明装置100とを電気的に接続する。さらに、第一接続部材110及び第二接続部材120の両方が発光装置200の回動を許容する。
これにより、発光装置200の姿勢を、例えば図4に示すように変更した状態で、面発光する発光部220を点灯させることができ、かつ、変更後の姿勢を維持することができる。
そのため、面発光する発光部220から照明光として放出される光の向きを、照明器具10の直下を含む所定の範囲内で任意に変更することができる。
ここで、上記従来の技術のように、アダプタを用いて長尺状の照明装置を蛍光ランプ用の器具本体に取り付ける場合、上述のように、アダプタのサイズ及び形状等によって照明装置の姿勢及び位置が決定される。
そのため、当該照明装置が、面発光または線発光する発光部など、直管形蛍光ランプのような広配光性を持たない発光部を有する場合、照明光の照射範囲が実質的に固定されていることが問題となり得る。例えば、照明光を照射すべき対象物の直上ではない位置に器具本体が設置されている場合、この対象物から外れた位置を中心に照明光が当てられることになる。
しかしながら、本実施の形態に係る照明装置100は、接続部材(110、120)を備えることで、照明光の照射範囲の変更についての自由度を有している。そのため、例えば、既存の照明器具が備える蛍光ランプを照明装置100に置き換えた場合であっても、当該照明器具の直下以外の位置に存在する対象物を中心とする領域に、照明光を照射することが可能である。
また、接続部材(110、120)は、蛍光ランプが取り付けられていた既存の器具本体のソケットに取り付け可能な構造及び形状を有している。そのため、例えば、既存の器具本体を、発光装置200の姿勢を可変とするための改造をすることなく、照明装置100を保持する器具本体50として用いることができる。
従って、例えば既存の照明器具が備える蛍光ランプを、面発光するLEDランプである照明装置100に容易に置き換えることが可能である。
なお、実施の形態に係る照明器具10及び照明装置100の構造は、図1〜図6によって示される構造に限定されない。そこで、照明器具10または照明装置100についての各種の変形例を、実施の形態との差分を中心に、図7〜図18を用いて説明する。
(変形例1)
図7は、実施の形態の変形例1に係る照明器具11の外観を示す第1の図である。
図8は、実施の形態の変形例1に係る照明器具11の外観を示す第2の図である。
本変形例に係る照明器具11は、1つの器具本体60に、2つの照明装置100が取り付けられている点に特徴を有する。
具体的には、例えば図7の(a)に示すように、器具本体60は、第一ソケット55及び第二ソケット56のペアを2つ備え、これらペアのそれぞれに、照明装置100が取り付けられている。
つまり、器具本体60は、例えば2灯用器具と呼ばれる、2本の蛍光ランプの取り付けが可能な構造を有する器具本体である。器具本体60は、法線方向が互いに異なる2つの配置面61を有し、2つの配置面61のそれぞれに、第一ソケット55及び第二ソケット56が設けられている。なお、以下では、第一ソケット55及び第二ソケット56のそれぞれまたは一方を、「ソケット(55、56)」と表記する場合もある。
器具本体60に取り付けられた2つの照明装置100のそれぞれは、上述のように、発光装置200の長手方向の両端部のそれぞれに配置された接続部材(110、120)を有し、発光装置200の器具本体50に対する姿勢の変更が可能である。
つまり、2つのソケット(55、56)のペアのそれぞれに照明装置100が接続されていることで、2つの照明装置100は、互いに独立して器具本体60に対する姿勢の変更が許容される。
そのため、例えば図7の(a)及び(b)に示すように、2つの発光装置200の発光部220のそれぞれが、外側に向くように、発光装置200を傾けることができる。これにより、例えば、照明器具11が設置された室内の広い範囲を、照明器具11からの照明光によって照らすことができる。
また、例えば図8の(a)及び(b)に示すように、2つの発光部220の発光面が1つの平面上で並ぶように、2つの発光装置200の角度を調整することもできる。これにより、例えば、照明器具11の直下を含む所定の領域の明るさを均一にすることができる。
その他、2つの発光装置200を同一方向に向けるように傾けるなど、照明器具11では、2つの照明装置100からの照明光の照射範囲の変更を容易に行うことができる。
(変形例2)
図9は、実施の形態の変形例2に係る照明器具12の外観を示す斜視図である。
図10は、実施の形態の変形例2に係る照明装置101が備える第一接続部材110aの構造を示す部分拡大図である。なお、図10では、器具本体50と照明装置101との電気的な接続のための配線は、点線で概念的に図示されている。また、第一接続部材110aは、第一部材111と第二部材112とに分解して図示している。
本変形例に係る照明器具12は、器具本体50と照明装置101とを備え、照明装置101が有する発光装置200が、器具本体50に対する位置の変更が可能である点に特徴を有する。
具体的には、発光装置200の両端部の接続部材(110a、120a)は、発光装置200に対し、長手方向と交差する方向(本変形例ではY軸方向)への移動が可能に取り付けられていることで、発光装置200の器具本体50に対する位置の変更を許容する。これにより、例えば発光装置200の姿勢を維持した状態で、発光装置200を平行移動させることができる。
より詳細には、図9及び図10に示すように、発光装置200には、長手方向と交差する方向に延びる溝211が設けられており、接続部材(110a、120a)は、溝211に嵌め合わされる嵌合部115を有する。
つまり、接続部材(110a、120a)は、溝211に嵌め合わされた嵌合部115が、溝211に沿ってスライドすることで、発光装置200の、器具本体50に対する移動を可能としている。
なお、発光装置200の、X軸負側の端部(図9及び図10に図示されていない端部)にも、溝が形成されており、第二接続部材120aの嵌合部が当該溝に嵌め合わされている。つままり、本変形例に係る第一接続部材110aと第二接続部材120aとは、共通する特徴を有している。そのため、第一接続部材110aについて図示及び説明を行い、第二接続部材120aについての図示及び説明を省略する。
本変形例に係る第一接続部材110aは、図10に示すように、実施の形態に係る第一接続部材110(図5参照)と同じく、第一部材111及び第二部材112を有する。また、第一接続部材110aは、第一ピン119a及び第二ピン119bが第一ソケット55から受け取る電力を、環状端子113a及び113b、並びに、接触子114a及び114bを介して、発光装置200に供給することができる。
つまり、第一接続部材110aは、スリップリング構造を有しており、発光装置200の器具本体50に対する姿勢の変更(図9における軸Aを中心とした回動)を許容し、かつ、器具本体50と発光装置200との電気的な接続を維持することができる。
本変形例ではさらに、第一部材111は、嵌合部115に配置された、接触子115a及び115bを有し、接触子115aは、第一部材111の外周面に配置された接触子114aと電気的に接続されている。また、接触子115bは、第一部材111の外周面に配置された接触子114bと電気的に接続されている。
また、発光装置200に設けられた溝211の内面には、溝211の長手方向に沿って長尺状のスライド用端子211a及び211bが配置されている。第一接続部材110aが溝211に沿って移動した場合、スライド用端子211aと接触子115aとは導通状態を維持し、スライド用端子211aと接触子115bとは導通状態を維持する。
また、照明装置101において、発光装置200の移動を許容する第一接続部材110aは、移動後の発光装置200の位置を維持することができる。具体的には、例えば第一接続部材110aと発光装置200との接触箇所における摩擦力により、移動した後の、第一接続部材110aの発光装置200に対する位置が維持される。つまり、移動後の発光装置200の、器具本体50に対する位置は維持される。
このような構造により、本変形例に係る第一接続部材110aは、器具本体50と発光装置200との電気的な接続を維持した状態で、発光装置200を、器具本体50に対して回動可能かつ移動(スライド)可能に接続することができる。
なお、例えば発光装置200が、板バネ等の弾性部材を利用したラッチ構造など、第一接続部材110aの発光装置200に対する位置の維持を確実にするための構造を有してもよい。また、例えば、第一接続部材110aと発光装置200とを接続するネジ等の締結部材により、移動後の発光装置200の位置が固定されてもよい。
また、第一接続部材110a及び発光装置200の少なくとも一方は、他方に引っ掛かる突起等の、図示しない構造物を有しており、通常の使用時における第一接続部材110aの発光装置200からの脱落(取り外れ)は防止される。
また、発光装置200の器具本体50に対する位置の変更を許容するための構造は、図10に示す構造に限られない。例えば、第一接続部材110aが、発光装置200の長手方向の端部の任意の位置を、発光装置200の厚み方向に挟持する構造を有することで、発光装置200の器具本体50に対する位置の変更が許容されてもよい。
また、第一接続部材110aと発光装置200との電気的な接続のための構造にも特に限定はなく、例えば、スライド用端子211a及び211bが、筐体210の、奥行き方向(X軸方向)に並んで配置されてもよい。この場合、第一接続部材110aの接触子115a及び115bは、スライド用端子211a及び211bに対応する位置に、並んで配置されればよい。
このように、本変形例に係る照明器具12及び照明装置101によれば、照明装置101からの照明光の照射範囲を容易に変更することができる。
(変形例3)
図11は、実施の形態の変形例3に係る照明器具13の外観を示す図である。
具体的には、図11の(a)は、変形例3に係る照明器具13の斜視図であり、図11の(b)は、変形例3に係る照明器具13の側面図(照明器具13の長手方向から見た図)である。
本変形例に係る照明器具13は、器具本体50と照明装置102とを備え、照明装置102が有する発光装置201は、器具本体50に対する姿勢及び位置の変更が可能である。つまり、発光装置201の動きの自由度については、上記変形例2に係る照明器具12と共通する。本変形例に係る照明器具13はさらに、発光装置201が、両面発光である点に特徴を有する。
具体的には、発光装置201は、厚み方向の両側に光を放出する発光部220を有する。具体的には、発光装置201が備える発光部220は、第一発光部220a及び第二発光部220bを有する。第一発光部220a及び第二発光部220bのそれぞれは、例えば図2に示す実施の形態に係る発光部220と同じく、複数の発光モジュール20と、複数の発光モジュール20からの光を透過させ、かつ、拡散するカバー部材221とを有する。
なお、発光装置201が備える第一発光部220a及び第二発光部220bは、光の照射方向が互いに異なるように配置された第一発光部及び第二発光部の一例である。
ここで、照明装置102が有する発光装置201は、器具本体50に対する位置の変更が可能であることにより、発光装置201の回動中心となる軸Aを、発光装置201の幅方向(長手方向と直交する方向)の端部に位置させることができる。
これにより、図11の(a)及び(b)に示すように、発光装置201の厚み方向が、器具本体50の配置面51と平行になるように、発光装置201を回動させることができる。簡単にいうと、発光装置201を、器具本体50から下方に吊り下げられた状態にすることができる。
本変形例に係る照明器具13では、発光装置201が上記姿勢をとることが可能であり、かつ、発光装置201の厚み方向の両方に発光部220を有する。そのため、照明器具13の幅方向の両側に向けて照明光を照射することができる。
また、例えば、第一発光部220a及び第二発光部220bの発光態様(色、明るさ、発光面に表示される模様または情報など、以下同じ)を異ならせた場合、照明器具13の幅方向の両側に、互いに異なる態様の照明光を照射することが可能である。
また、第一発光部220a及び第二発光部220bの位置を入れ替えるように、発光装置201の姿勢を変更することも可能である。つまり、照明器具13の幅方向の両側への照明光の態様を入れ替えることも可能である。
また、2つの発光部220それぞれのカバー部材221の下方の端縁が露出していることで、照明器具13は、これらカバー部材221により導かれた光の一部を、照明器具13の直下に向けて照射することもできる。
さらに、発光装置201を、図11の(b)に示す姿勢から斜めに傾けることで、例えば、天井面及び床面の両方を、照明装置102からの照明光の照射範囲に収めることも可能である。
このように、本変形例に係る照明器具13及び照明装置102によれば、照明装置102からの照明光の照射範囲を容易に変更することができる。
(変形例4)
図12は、実施の形態の変形例4に係る照明器具14の外観を示す図である。
本変形例に係る照明器具14は、1つの器具本体60に、2つの照明装置101が取り付けられている点に特徴を有する。照明装置101は、上記変形例2で説明したように、発光装置200の姿勢及び位置の変更を可能とする接続部材(110a、120a)を有している。
具体的には、例えば図12の(a)に示すように、器具本体60は、第一ソケット55及び第二ソケット56のペアを2つ備え、これらペアのそれぞれに、照明装置101が取り付けられている。
このように、それぞれが一対のソケット(55、56)に取り付けられた2つの照明装置101それぞれの発光装置200は、互いに独立して、器具本体60に対する位置及び姿勢の変更が可能である。
そのため、例えば図12の(a)に示すように、2つの発光装置200を、互いの距離を離し、かつ、外側を向くように、それぞれの姿勢及び位置を変更することができる。これにより、例えば、照明器具14が設置された室内における非常に広い範囲を、照明器具14からの照明光によって照らすことができる。
また、例えば図12の(b)に示すように、2つの発光装置200を、互いの距離を縮め、かつ、外側を向くように、それぞれの姿勢及び位置を変更することができる。これにより、例えば、照明器具14の直下を基準とする所定の範囲内を、照明器具14からの照明光によって効率よく照らすことができる。
その他、例えば、2つの発光装置200を、互いの距離を離し、かつ、発光部220からの光の照射方向が上を向くように、それぞれの姿勢及び位置を変更することも可能である。この場合、例えば、天井面が照らされることによる間接照明としての効果を得ることができる。
このように、本変形例に係る照明器具14及び照明装置101によれば、2つの照明装置101からの照明光の照射範囲を容易に変更することができる。
(変形例5)
図13は、実施の形態の変形例5に係る照明器具15の外観を示す図である。
具体的には、図13の(a)は、変形例5に係る照明器具15の斜視図であり、図13の(b)は、変形例5に係る照明器具15の平面図(照明器具15を発光装置200の側から見た図)である。
本変形例に係る照明器具15は、器具本体50と照明装置103とを備え、照明装置103が、発光装置200の長手方向の両端部のそれぞれであって、かつ、発光装置200の裏面210aに配置された接続部材(130、140)を有する点に特徴を有する。裏面210aは、発光装置200における発光部220とは反対側の面であり、筐体210における背面である。なお、図13には図示していないが、発光装置200の裏面210aに、駆動回路300(図3参照)が配置されていてもよい。
本変形例に係る第一接続部材130は、発光装置200に取り付けられた第一部材131と、第一部材131に対して回動可能であり、かつ、器具本体50に対して回動しない状態で、器具本体50及び第一部材131を接続する第二部材132とを有する。
具体的には、第一接続部材130は、例えば図5に示す第一接続部材110と同じく、スリップリング構造を有しており、器具本体50と発光装置200との電気的な接続を維持しつつ、第二部材132の第一部材131に対する回動が可能である。
また、本変形例に係る照明装置103では、例えば図6に模式的に示される片側給電方式が採用されている。つまり、第二接続部材140は、電気的な接続のための構造を有していないが、第一接続部材130と同じく、発光装置200の回動を可能とするための構造を有している。
すなわち第二接続部材140は、発光装置200に取り付けられた第一部材141と、第一部材141に対して回動可能であり、かつ、器具本体50に対して回動しない状態で、器具本体50及び第一部材141を接続する第二部材142とを有する。
従って、長手方向の両端部に配置された接続部材(130、140)によって器具本体50と接続された発光装置200は、器具本体50に対する姿勢の変更が可能であり、かつ、変更後の姿勢の維持も可能である。
さらに、本変形例では、発光装置200と器具本体50とを接続する接続部材(130、140)が、発光装置200の裏面210aに配置されている。これにより、例えば、照明装置103の長手方向の全長における、有効領域(照明光が放出される領域)を、拡大することができる。
また、例えば、本変形例に係る照明器具15では、上記実施の形態に係る照明器具10(例えば図1参照)と比較すると、発光装置200の裏面210aと、器具本体50との間の距離が長くなるため、発光装置200の回動可能な角度が大きくなる。
このように、本変形例に係る照明器具15及び照明装置103によれば、照明装置103からの照明光の照射範囲を容易に変更することができる。
さらに、本変形例では、より詳細には図13の(b)に示すように、接続部材(130、140)は、発光装置200を発光部220の側から見た場合において接続部材(130、140)の全体が発光部220と重なる位置に配置されている。
これにより、例えば天井に配置された照明器具15を下から見上げた場合、両端のソケット(55、56)を含め、器具本体50の全体を発光装置200で隠すことが可能となる。言い換えると、照明器具15を下から見上げた場合における全ての領域を、照明光を放出する領域として用いることができる。
また、複数の照明装置103を一列に、または、行列状に並べて配置することで、比較的に大きな発光面をシームレスに形成することも可能である。
図14は、複数の照明装置103を行列状に並べて配置した状態を示す斜視図である。
複数の照明装置103のそれぞれが有する発光装置200の発光部220は、端縁まで導光するカバー部材221を有している。
そのため、図14に示すように、隣り合う照明装置103を、互いの発光装置200の端面が接するように配置した場合、複数の照明装置103の発光部220が連結されることにより、比較的に大きな一つの発光面が形成される。
これにより、例えば、比較的に大きな室内を、大面積の発光面によって均一に照らすことが可能となる。
なお、図14では、複数の照明装置103のそれぞれが、1つの器具本体50に取り付けられているが、比較的に大きな1つの器具本体に、これら複数の照明装置103が、図14に示すように並んで取り付けられてもよい。
(変形例6)
図15は、実施の形態の変形例6に係る照明器具16の外観を示す斜視図である。
図16は、実施の形態の変形例6に係る発光装置202の分解斜視図である。
本変形例に係る照明器具16は、器具本体50と照明装置104とを備え、照明装置104が、器具本体50に対して回動する2つの発光装置を備える点に特徴を有する。
具体的には、本変形例に係る照明装置104は、発光装置202を備え、発光装置202は、それぞれが発光部220を有する第一発光装置202a及び第二発光装置202bを有する。
なお、第一発光装置202aが有する発光部220を、発光部220cと表記し、第二発光装置202bが有する発光部220を、発光部220dと表記する。これら発光部220cおよび220dは、例えば1以上の発光モジュール20と、当該1以上の発光モジュール20からの光を透過させ、かつ、拡散するカバー部材221とを有する。
第一発光装置202a及び第二発光装置202bは、発光装置202の長手方向(X軸方向)と交差する方向に並んで配置され、かつ、接続部材(110、120)によって器具本体50と接続されている。さらに、第一発光装置202a及び第二発光装置202bのそれぞれは、互いに独立して器具本体50に対して回動する。
より詳細には、本変形例では、図16に示すように、第一発光装置202aの両端部に接続部材(110、120)が取り付けられている。これにより、第一発光装置202aは、器具本体50に対する姿勢の変更が可能であり、かつ、変更後の姿勢が維持される。
また、第二発光装置202bは、図示しない軸体によって第一発光装置202aと接続されている。軸体は、例えば第二発光装置202bに固定され、第一発光装置202aに設けられた軸穴230に挿入され、かつ、軸穴230に対する周方向の回動が可能である。
この構成により、第二発光装置202bは、第一発光装置202aに対する姿勢の変更(回動)が可能である。また、例えば軸体の外周面と軸穴230の内周面との間の摩擦力により、第二発光装置202bの変更後の姿勢が維持される。つまり、第二発光装置202bも、器具本体50に対する姿勢の変更が可能であり、かつ、変更後の姿勢が維持される。
さらに、第一発光装置202a及び第二発光装置202bのそれぞれは、互いに独立して回動可能である。
そのため、本変形例に係る照明器具16によれば、例えば、上記変形例1に係る照明器具11及び上記変形例4に係る照明器具14と同じく、照明光の照射範囲を、狭めること、広げること、及び、照射範囲の大きさを維持しながら移動させること等が可能である。
このように、本変形例に係る照明器具16及び照明装置104によれば、照明装置104からの照明光の照射範囲を容易に変更することができる。
なお、本変形例では、第一発光装置202a及び第二発光装置202bそれぞれの回動軸(仮想軸)は一致しているが、これら回動軸は一致していなくてもよい。例えば、第一発光装置202aの回動軸と第二発光装置202bの回動軸とが平行でかつ離れていることで、折り畳み式の発光装置202が実現されてもよい。
(変形例7)
図17は、実施の形態の変形例7に係る照明器具17の外観を示す斜視図である。
本変形例に係る照明器具17は、器具本体50と照明装置105とを備え、照明装置105が、光の照射方向が互いに異なるように配置された複数の発光部を備える点に特徴を有する。
具体的には、本変形例に係る照明装置105は、発光装置203を備え、発光装置203は筐体213と発光部225とを有する。発光部225は、光の照射方向が互いに異なるように筐体213に配置された、第一発光部225a、第二発光部225b、及び第三発光部225cを有する。
第一発光部225a及び第二発光部225bは、例えば1以上の発光モジュール20と、当該1以上の発光モジュール20からの光を透過させ、かつ、拡散するカバー部材221とを有する。
また、第三発光部225cは、例えば1つの発光モジュール20と、当該1つの発光モジュール20からの光を透過させ、かつ、拡散するカバー部材221とを有する。
上記構成を有する発光装置203は、両端部の接続部材(110、120)を介して器具本体50に取り付けられており、これにより、発光装置203は、器具本体50に対する姿勢の変更が可能であり、かつ、変更後の姿勢が維持される。
つまり、発光装置203は、第一発光部225a、第二発光部225b、及び、第三発光部225cのそれぞれの光の照射方向の相対的な関係を維持しつつ、器具本体50に対する回動が可能である。
ここで、第一発光部225a、第二発光部225b、及び、第三発光部225cそれぞれの、発光素子22の種類、または、カバー部材221の構造もしくは色等を互いに異ならせてもよい。これにより、これら3つの発光部(225c、225b、225c)の発光態様を互いに異ならせることができる。
また、第一発光部225a、第二発光部225b及び第三発光部225cのそれぞれは、他とは独立して点灯及び消灯が制御されてもよい。なお、第三発光部225cは、第一発光部225a及び第二発光部225bの間に配置され、かつ、発光面が比較的に小さい。そのため、例えば、第三発光部225cを常夜灯として使用することも可能である。
つまり、照明装置105が備える駆動回路300が、発光部225の一部を他の部分と異なる態様で発光させる機能を有してもよい。この場合、駆動回路300が、3つの発光部(225c、225b、225c)それぞれの点灯、消灯、調光または調色等の制御を行ってもよい。
これにより、3つの発光部(225c、225b、225c)を有する照明装置105からの照明光の照射範囲を変更でき、かつ、照明光の態様の切り替えが可能となる。
なお、本変形例では、駆動回路300は、発光装置203の、第一発光部225aの裏側に相当する位置に配置されているが、駆動回路300の配置位置に特に限定はなく、例えば、器具本体50の内部に駆動回路300が配置されてもよい。
(変形例8)
図18は、実施の形態の変形例8に係る照明器具18の外観を示す斜視図である。
具体的には、図18の(a)は、変形例8に係る照明器具18の斜視図であり、図18の(b)は、変形例8に係る発光装置204の長手方向に垂直な断面を示す図である。なお、図18の(b)では、発光部226を下に向けた状態の発光装置204の断面を図示している。
本変形例に係る照明器具18は、器具本体50と照明装置106とを備え、照明装置106が、線発光する発光部226を有する点に特徴を有する。
具体的には、本変形例に係る照明装置106は、発光装置204を備え、発光装置204は、長尺状の筐体215、及び、線発光する発光部226とを有する。発光部226は、筐体215に収容された発光モジュール20(例えば図2参照)と、発光モジュール20からの光を透過させ、かつ、拡散するカバー部材222を有する。
上記構成を有する発光装置204は、両端部の接続部材(110、120)を介して器具本体50に取り付けられており、これにより、発光装置204は、器具本体50に対する姿勢の変更が可能であり、かつ、変更後の姿勢が維持される。
ここで、発光部226では、複数の発光素子22が発光した場合に、各々が光の粒として視認されない程度にカバー部材222によって拡散されるが、発光部226から放出される光の配光角は比較的に狭く、例えば15°〜20°(1/2ビーム角)程度である。
つまり、照明装置106によれば、発光装置204の姿勢を変更することで、配光角が比較的に狭い照明光の照射方向を容易に変更することができる。
すなわち、照明装置106は、ベースライト用の本体である器具本体50に取り付けられているが、例えばスポットライトとして用いることも可能である。
例えば、照明装置106が、室内または廊下の天井面に配置された器具本体50に取り付けられることで照明器具18が構成されている場合において、発光装置204を、発光部226が壁面を向くように傾ける。これにより、当該壁面に飾られた絵画等を照らすことができる。つまり、照明装置106は、平面視において器具本体50から比較的に遠い位置に配置された対象物に対して、効率よく照明光を照射することができる。
なお、カバー部材222として集光レンズが用いられてもよく、これにより、発光部226からの照明光の照射範囲をより狭くすることができる。
(実施の形態の補足)
以上、本発明に係る照明装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。
例えば、発光部220等の、面発光または線発光する発光部は、複数の発光素子と、当該複数の発光素子を覆うように配置された透光性を有するカバー部材との組み合わせ以外で実現されてもよい。
例えば、光源である1以上の発光素子と、当該光源から端面に入射された光を側面または他の端面から放出する導光板とによって、面発光または線発光する発光部が実現されてもよい。
また、例えば有機EL(Electro Luminescence)パネルによって、面発光または線発光する発光部が実現されてもよい。
また、発光モジュール20が有する発光素子22は、SMD型LED素子であるとしたが、これに限らない。例えば、ベアチップが基板上に直接実装されたCOB(Chip On Board)型の発光モジュールが、発光部220等の発光部に備えられてもよい。
この場合、例えば、複数のLEDチップを一括または個別に封止する封止部材であって、上述の黄色蛍光体等の波長変換材を含む封止部材を配置することで、複数のLEDチップからの光の波長を所定の波長に変換させてもよい。
また、発光モジュール20が発光素子22として採用とする固体発光素子はLEDに限定されず、半導体レーザ、有機EL(Electro Luminescence)、または無機EL等の固体発光素子が発光素子22として採用されてもよい。
また、例えば第一接続部材110等の、器具本体と照明装置との間の電気的な接続の機能(電力中継機能)を備える接続部材が採用するスリップリング構造は、図5に示す構造とは異なる構造で実現されてもよい。例えば、環状端子113a及び113bが第一部材111の外周面に配置され、接触子114a及び114bが第二部材112の内周面に配置されてもよい。
また、電力中継機能は、スリップリング以外の構造で実現されてもよい。例えば、第一接続部材110が、第一部材111及び第二部材112の間の相対的な回動角を所定の範囲内に規制する構造を有する場合、第一ピン119a及び第二ピン119bと、駆動回路300とが比較的に長いリード線で接続されていてもよい。
また、例えば、実施の形態の変形例2に係る照明装置101が備える接続部材(110a,120a)は、発光装置200の器具本体50に対する回動を許容しなくてもよい。例えば、第一接続部材110aが、発光装置200の溝211に沿って移動可能なように、発光装置200に取り付けられていることで、発光装置200の器具本体50に対する回動及び移動のうちの移動のみを許容してもよい。
この場合であっても、例えば、発光装置200からの照明光の方向を下方に維持したまま、発光装置200を水平方向に移動させることができるため、当該照明光の照射範囲の変更を容易に行うことができる。
また、例えば上記実施の形態及び変形例1〜8に係る照明装置100〜106のそれぞれが、器具本体に対して着脱可能でなくてもよい。つまり、照明器具10〜18のそれぞれが、照明装置の交換を前提としない構造を有していてもよい。
例えば、器具本体50が、ソケット(55、56)に相当する一対の支持部を有し、この一対の支持部と発光装置200とが、接続部材としての軸体によって接続されることで、発光装置200の姿勢の変更(回動)および、変更後の姿勢の維持が可能であってもよい。
また、発光装置(200等)の姿勢または位置の変更を許容する接続部材は、照明装置(100等)ではなく、器具本体(50等)に備えられてもよい。
例えば、ソケット(55、56)が、器具本体50に対して回動する接続部材を有することで、当該接続部材に取り付けられた照明装置100(発光装置200)の姿勢の変更(回動)が許容されてもよい。
また、発光装置200〜204の回動または移動は、例えば、モータ駆動によってなされてもよい。例えば照明装置100が、器具本体50から供給される電力、または、照明装置100が備える電池から供給される電力によって動作するモータを備え、モータが発生する力により、発光装置200の器具本体50に対する姿勢または位置の変更が行われてもよい。
また、発光装置200〜204のそれぞれの形状及び寸法は特定の形状及び寸法に限定されない。発光装置200〜204のそれぞれは、平面視において互いに直交する2方向のうちの一方の方向の長さが他方の方向の長さよりも長く、かつ、当該一方の方向の両端部に、接続部材(110等)が配置されていればよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
例えば、上記変形例5に係る照明装置103(図13参照)が、変形例2に係る照明装置101(図9参照)の特徴を有してもよい。具体的には、照明装置103において、接続部材(130、140)が、発光装置200に対して移動可能に取り付けられていてもよい。この場合、例えば、発光装置200の裏面210aにおける、接続部材(130、140)に対応する位置に、接続部材(130、140)がスライドする溝211を設けてもよい。
これにより、例えば、照明光の照射方向を鉛直下方に向けたまま、発光装置200の水平方向の移動が可能となる。そのため、例えば、複数の照明装置103を並べることで形成された大面積の発光面(図14参照)を、水平方向に移動させることが可能となる。