JP2016102877A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 光感度特性に優れ、高温高湿下で繰り返し使用した際にも電気特性が良好であり、かぶりが抑制された電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。【解決手段】 支持体、下引き層および感光層を有する電子写真感光体であって、下引き層が特定の化合物でブロック化されたブロックイソシアネートを用いて生成された硬化ウレタンを含有し、感光層がガリウムフタロシアニン結晶を含有し、ガリウムフタロシアニン結晶が特定の極性化合物からなる物質αを含有し、下引き層を特定の条件で加熱したときに検出される該特定の化合物の質量を下引き層の質量で除した値を検出量A(質量%)とし、ガリウムフタロシアニン結晶中のガリウムフタロシアニン化合物に対する物質αの含有量をB(質量%)とするとき、AおよびBが特定の関係を満たす。【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
近年、有機電子写真感光体(以下、単に「電子写真感光体」と表記する。)として、導電性支持体上に、下引き層、感光層を有するものが広く使用されている。下引き層は、支持体欠陥の隠蔽、干渉縞抑制などの他、支持体からの電荷注入阻止、感光層で発生した電子の輸送といった役割を担い、電気特性の環境変化を抑制するため、構成成分として硬化樹脂が用いられることが多い。
特許文献1には、カップリング剤により処理された金属酸化物粒子とともに、結着樹脂として熱硬化性樹脂を含む中間層(下引き層)が開示されている。樹脂と硬化剤との反応により得られる熱硬化性樹脂を用いることで、硬化剤を用いない場合と比べ安定した電気特性が得られ、さらに使用環境の変化に対する安定性が高いことが示されている。特に、硬化剤としてブロックイソシアネートを用いる熱硬化ウレタン樹脂を含有する下引き層が開示されている。
一方、感光層においては、像露光手段として現在よく用いられる半導体レーザーの発振波長(650〜820nm)の光に対して、高い感度を有する電荷発生物質の開発が進められている。フタロシアニン顔料は、こうした長波長領域の光にも高い感度を有する電荷発生物質として有効である。特にオキシチタニウムフタロシアニンやガリウムフタロシアニンは、優れた感度特性を有しており、これまでに様々な結晶形や改良製法が報告されている。
特許文献2には、極性溶剤を含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が開示されている。N,N−ジメチルホルムアミドなどを変換溶剤として使用することにより、変換溶剤分子が結晶内に取り込まれ、優れた感度特性を有する結晶が得られることが記載されている。
特開2003−91086 特開平7−331107
しかしながら、前記極性溶剤を含有する従来のガリウムフタロシアニンを用いると、生成したフォトキャリアが感光層に残存しやすい。その残留フォトキャリアが起点となって、かぶり(本来トナーが現像されるべきでない部分に、薄くトナーが現像されてしまう現象)や黒点といった画像欠陥を起こしやすいという課題があった。
特に、下引き層の導電性が十分に高い場合に、このような課題が発生しやすい。上述したような下引き層に硬化剤としてブロックイソシアネートを用いる場合、下引き層の硬化の進行度が電子写真特性に影響する。下引き層が硬化不足の場合は、十分な導電性が得られず、表面処理された金属酸化物粒子とともに使用した場合でも、特に高温高湿環境下での電気特性が悪化しやすい。一方、硬化が進行し、十分な導電性が得られている場合、感光層の電荷発生物質として、上記極性溶剤を含有する従来のガリウムフタロシアニンを組み合わせると、上述したようにかぶりが発生しやすくなる。
すなわち、従来の電子写真感光体では、優れた感度特性を有する電荷発生物質を用いる場合に、良好な電気特性とかぶりの抑制を両立させることが困難であった。
本発明の目的は、光感度特性に優れ、高温高湿下で繰り返し使用した際にも電気特性が良好であり、かぶりが抑制された電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体、該支持体上に形成された下引き層、および、該下引き層の直上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、
該下引き層が、下記式(1)で示される化合物でブロック化されたブロックイソシアネートを用いて生成された硬化ウレタンを含有し、
該感光層が、ガリウムフタロシアニン結晶を含有し、
該ガリウムフタロシアニン結晶が、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N−ビニルホルムアミドおよびN−メチルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種からなる物質αを含有し、
該下引き層をヘッドスペース法によって200℃で60分間加熱したときに、ガスクロマトグラフによって検出される下記式(1)で示される化合物の質量(g)を該下引き層の質量(g)で除した値を検出量A(質量%)とし、該ガリウムフタロシアニン結晶中のガリウムフタロシアニン化合物に対する該物質αの含有量をB(質量%)とするとき、下記式(2)〜(4)を満たす
ことを特徴とする電子写真感光体である。
(上記式(1)中、R、Rはそれぞれ独立して、水素原子、または、炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。あるいは、RとRが環を形成していてもよい。)
A≦0.46 ・・・(2)
0.1≦B≦2.0 ・・・(3)
B/A≦2000 ・・・(4)
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、像露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置である。
本発明によれば、光感度特性に優れ、高温高湿下で繰り返し使用した際にも電気特性が良好であり、かぶりが抑制された電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図である。 調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。 調製例13で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。
本発明の電子写真感光体は、下引き層が、下記式(1)で示される化合物でブロック化されたブロックイソシアネートを用いて生成された硬化ウレタンを含有する。そして、その下引き層の直上に形成される感光層に、極性化合物である物質αを含有するガリウムフタロシアニン結晶を含有する。
(上記式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。あるいは、RとRが環を形成していてもよい。)
[式(1)で示される化合物]
本発明の下引き層は、上記式(1)で示される化合物でブロック化されたブロックイソシアネートを用いて生成された硬化ウレタンを含有する。そして、該下引き層をヘッドスペース法によって200℃で60分間加熱したときに、ガスクロマトグラフによって検出される上記式(1)で示される化合物の質量(g)とする。これを下引き層の質量(g)で除した値を検出量A(質量%)とするとき、下記式(2)を満たすものである。
A≦0.46 ・・・(2)
上記式(1)で示される化合物としては、メチルエチルケトオキシム(ブタノンオキシム)、アセトンオキシム、アセトアルデヒドオキシム、ブチルアルデヒドオキシム、シクロブタノンオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどが挙げられる。この中でもメチルエチルケトオキシム、アセトンオキシムがより好ましい。さらにはメチルエチルケトオキシム(ブタノンオキシム)が好ましく用いられる。
上記検出量Aが0.46質量%以下であるとき、繰り返し使用した際の明部電位の変動が抑制される。ここで、上記検出量Aは、下引き層用塗布液における上記式(1)で示される化合物でブロック化されたブロックイソシアネート、および/または、上記式(1)で示される化合物に由来するものである。下引き層を200℃で60分間加熱することで、硬化膜形成後の下引き層に含有されるイソシアネート基に結合している上記式(1)で示される化合物が解離もしくは揮発する。および/または、上記式(1)で示される化合物が揮発する。その結果、ガスクロマトグラフにより検出される。
上記検出量Aが0.46質量%以下であるときに、繰り返し使用時の明部電位変動が抑制される理由は定かではないが、本発明者らは以下のように推測している。加熱乾燥終了時の上記化合物の量が十分少なくなることで、樹脂硬化(架橋)が十分進行し、下引き層中の電荷トラップの消失に寄与していると考えられる。
本発明の上記検出量Aの測定は、測定用の電子写真感光体を評価用とは別に用意し、ヘッドスペースガスクロマトグラフ/質量分析(以下、「HS−GC/MS測定」と表記する。)により次の条件で行った。
[HS−GC/MS測定]
測定用の電子写真感光体をキヤノン(株)製の電子写真感光体用のテープ研磨装置にてラッピングテープ(C2000:富士写真フィルム(株)製)を用いて、電子写真感光体の表面を観察しながら電荷輸送層および電荷発生層を剥離した。なお、FTIR測定方法の中のATR法(全反射法)によって電荷輸送層および電荷発生層の成分が観測されないことを確認した。次に、電荷輸送層および電荷発生層を剥離した電子写真感光体から測定部分を1cm(電子写真感光体の周方向)×4cm(電子写真感光体の長軸方向)に切り出し、ヘッドスペース用バイアルに入れ、その後、バイアルをセプタムを用いてシールした。シールしたヘッドスペース用バイアルを200℃60分間加熱し、気化した上記式(1)で示される化合物をGC/MSを用いて下記条件で測定し、得られた全イオンクロマトグラムにおいて上記式(1)で示される化合物が検出されるピーク面積を求めた。次にヘッドスペース法で検出された上記式(1)で示される化合物を検量線用基準物質として検量線を作成し、先のピーク面積から上記式(1)で示される化合物の検出量A(質量%)を算出した。
(前処理条件)
ヘッドスペースサンプラー;TurboMatrixHS40(パーキンエルマー社製)
抽出条件;200℃×60分
(GC/MS測定条件)
GC;TRACEGCULTRA(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
MS;ISQ
分離カラム;HP−5MS(60m×0.25mmID、Df=0.25μm)
カラム温度;40℃で3分間保持したのち、2℃/分の昇温速度で70℃まで加熱した。さらに、5℃/分の昇温速度で150℃まで加熱し、10℃/分の昇温速度で300℃まで加熱した。その後300℃で1分間ホールドした。
イオン室温度;280℃
GC/MSインターフェース温度;280℃
キャリアガス;He150KPa
イオン化モード;EI、70eV
スキャン範囲;質量数m/z=40〜460
注入方式;スプリット(スプリットフロー10mL/分、カラム流量1mL)。
[ガリウムフタロシアニン結晶]
本発明のガリウムフタロシアニン結晶に含まれる前記物質αは複数種であってよく、前記ガリウムフタロシアニン結晶中のガリウムフタロシアニン化合物に対する前記物質αの含有量B(質量%)は、下記式(3)および(4)を満たす。
0.1≦B≦2.0 ・・・(3)
B/A≦2000 ・・・(4)
また、上記含有量B(質量%)は、好ましくは、0.1質量%以上1.9質量%以下であり、より好ましくは、0.1質量%以上1.5質量%以下である。
上記式(3)および(4)を満たすガリウムフタロシアニン結晶を用いることで、繰り返し使用後の出力画像のかぶりが抑制される。
また、前記物質αがN−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、またはN−ビニルホルムアミドであることが好ましい。
ガリウムフタロシアニン結晶の中でも、優れた感度を有する
ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(ガリウム原子が軸配位子としてヒドロキシ基を有するもの)、
クロロガリウムフタロシアニン結晶(ガリウム原子が軸配位子として塩素原子を有するもの)、
ブロモガリウムフタロシアニン結晶(ガリウム原子が軸配位子として臭素原子を有するもの)、
ヨードガリウムフタロシアニン結晶(ガリウム原子が軸配位子としてヨウ素原子を有するもの)
が、本発明が有効に作用し、好ましい。中でもヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、クロロガリウムフタロシアニン結晶が特に好ましい。
さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の中でも、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θにおいて7.4°±0.3°および28.3°±0.3°にピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶であることが高感度の点でより好ましい。
また、クロロガリウムフタロシアニン結晶の中でも、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°において7.4°、16.6°、25.5°および28.3°にピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶であることが高感度の点でより好ましい。
前記物質αの含有量が上記式(3)および(4)を満たすときに、繰り返し使用後の出力画像のかぶりが抑制される理由は定かではないが、本発明者らは以下のように考えている。
ガリウムフタロシアニン結晶に含有される、極性化合物である物質αの存在により、感光層で生成したフォトキャリアが感光層に残存しやすく、その残留フォトキャリアが起点となって、かぶりや黒点といった画像欠陥が起こりやすくなる。上記式(3)により、含有量Bを2.0質量%以下に抑えることで、同じ下引き層を用いた含有量Bが2.0質量%以上の場合と比べて上記現象が抑制され、かぶりが改善される。ここで、下引き層における式(1)で示される化合物の検出量Aが上記式(2)を満たす場合、下引き層の導電性が高く、感光層から下引き層への電子注入がスムーズに行われる半面、支持体からのホール注入も起こりやすくなる場合がある。検出量Aが小さいほどその傾向が高いと予想され、そのような下引き層を使用すると、直上感光層のガリウムフタロシアニン結晶中の物質αの存在により、下引き層中のホールの感光層への注入が促進されるのではないかと考えられる。上記式(4)により、検出量Aに対する含有量Bの値を一定以下に抑えることで、上記電荷注入のバランスを適正に維持することができ、繰り返し使用後のかぶり悪化を抑制していると推測している。
続いて、物質αを結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶の製造方法について説明する。
物質αを結晶内に含有する本発明のガリウムフタロシアニン結晶は、以下のようにして得られる。好ましくはアシッドペースティング法により、または乾式ミリングに処理した低結晶性のガリウムフタロシアニンを湿式ミリング処理により結晶変換する工程において、物質αを含んだ溶剤を用いてミリング処理することにより得られる。
ここで行うミリング処理とは、例えば、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナボールなどの分散剤とともにサンドミル、ボールミルなどのミリング装置を用いて行う処理である。ミリング時間は、30〜3000時間程度が好ましい。特に好ましい方法は、10〜100時間おきにサンプルをとり、H−NMR測定によりガリウムフタロシアニン結晶中の物質αの含有量を確認することである。ミリング処理で用いる分散剤の量は、質量基準でガリウムフタロシアニンの10〜50倍が好ましい。
物質αの使用量は、質量基準でガリウムフタロシアニン結晶の5〜30倍が好ましい。
本発明のガリウムフタロシアニン結晶が物質αを結晶内に含有しているかどうかについて、本発明においては、得られたガリウムフタロシアニン結晶をH−NMR測定することにより決定した。
本発明の電子写真感光体に含有されるガリウムフタロシアニン結晶のX線回折およびH−NMRの測定は、次の条件で行ったものである。
[粉末X線回折測定]
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT−TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50kV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/分
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロ:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター
H−NMR測定]
使用測定器:BRUKER製、AVANCEIII500
溶媒:重硫酸(DSO
続いて、本発明の電子写真感光体について説明する。本発明の電子写真感光体は、支持体上に、下引き層、感光層がこの順に形成されたものである。
[支持体]
本発明に用いられる支持体は、導電性を有するもの(導電性支持体)であればよく、アルミニウムやステンレスなどの金属や合金、または導電層を設けた金属、合金、プラスチックおよび紙などが挙げられる。形状としては円筒状またはフィルム状などが挙げられる。
また、支持体と本発明の下引き層との間には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。導電層は、カーボンブラック、導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
[下引き層]
本発明の下引き層は、上記式(1)で示される化合物でブロック化されたブロックイソシアネートを用いて生成された硬化ウレタンを含有する。
硬化ウレタンは、前記ブロックイソシアネートの加熱乾燥により生成されたイソシアネート基と、有機樹脂の反応基が反応することにより生成される。有機樹脂としては、ヒドロキシ基含有樹脂、特にポリビニルアセタール樹脂が好ましい。
下引き層は、硬化ウレタンとともに金属酸化物粒子を含有することが好ましい。金属酸化物粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムなど、金属酸化物であればいずれの酸化物でもよい。これらの金属酸化物は、塗布液の分散性、電子写真感光体の電気特性の面から、表面処理を施されていることが好ましい。中でも、表面処理された酸化亜鉛が、電気特性の面から好ましい。また、金属酸化物粒子は、金属酸化物種の異なるもの、表面処理の異なるもの、または比表面積の異なるものなどの2種類以上を混合して用いることもできる。下引き層における、金属酸化物粒子/硬化ウレタンの質量比は、1/1〜5/1であることが好ましい。
下引き層には、さらに、金属酸化物粒子と相互作用可能な基を有する有機化合物(例えば、電子受容性化合物)を含有することが好ましい。前記有機化合物を金属酸化物粒子とともに下引き層に含有させることで、電気特性が安定し、画像欠陥が少ない画像を出力することができる。好ましい有機化合物としては、ヒドロキシ基を有するベンゾフェノン化合物、ヒドロキシ基を有するアントラキノン化合物が挙げられる。
金属酸化物粒子の分散方法としては、たとえば、ホモジナイザー、ペイントシェイカー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
下引き層塗布液の形成に用いられる溶剤としては、公知の有機溶剤、たとえば、アルコール系、ケトン系、エーテル系、エステル系、ハロゲン化炭化水素系、および芳香族系などから任意に選択することができる。
また、下引き層の表面粗さや透過率の調整、または下引き層のひび割れ軽減などを目的として、必要に応じて、有機樹脂微粒子、レベリング剤を含有させてもよい。有機樹脂粒子としては、シリコーン粒子などの疎水性有機樹脂粒子や、架橋型ポリメタクリレート樹脂(PMMA)粒子などの親水性有機樹脂粒子などを用いることができる。
本発明の下引き層は、下引き層用塗布液を導電性支持体上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。下引き層の乾燥方法としては、加熱乾燥または/および送風乾燥が用いられる。
下引き層の膜厚は、0.5μm以上30μm以下が好ましく、特に1μm以上25μm以下であることがより好ましい。
[感光層]
感光層は、本発明の下引き層上に、電荷発生層、電荷輸送層の順で積層される積層型感光層であることが好ましい。
[電荷発生層]
電荷発生層は、
ジメチルスルホキシド、
N,N−ジメチルホルムアミド、
N−メチルホルムアミド、
N−プロピルホルムアミド、
N−ビニルホルムアミドおよび
N−メチルピロリドン
からなる化合物群より選択される少なくとも1種からなる物質αを含有するガリウムフタロシアニン結晶を、結着樹脂とともに溶剤に分散させることによって調製された電荷発生層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
電荷発生層の膜厚は、0.05μm以上1μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.3μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層における前記物質αを含有したガリウムフタロシアニン結晶の質量Pと結着樹脂の質量Bの質量比P/Bは、1/1以上4/1以下であることが好ましい。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、アクリロニトリル共重合体およびポリビニルベンザールなどの樹脂が挙げられる。これらの中でも、該ガリウムフタロシアニン結晶を分散させる樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリビニルベンザールが好ましい。
[電荷輸送層]
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させて得られた電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ブタジエン化合物などが挙げられる。これらの中でも、電荷の高移動化の点から、トリアリールアミン化合物が好ましい。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアリルエーテル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリプロピレン、メタクリル樹脂などが挙げられる。特には、ポリアリレート、ポリカーボネートが好ましい。これらは、単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷輸送物質と結着樹脂の質量比は、0.3/1以上10/1以下の範囲が好ましい。
電荷輸送層の膜厚は5μm以上40μm以下であることが好ましく、特には8μm以上30μm以下であることがより好ましい。
[保護層]
感光層上には、該感光層を保護することを目的とした保護層を設けてもよい。保護層は、上述した各種結着樹脂を溶剤に溶解させて得られる保護層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、樹脂モノマーまたはオリゴマーを溶剤に溶解させて得られる保護層用塗布液の塗膜を形成し、得られた塗膜を硬化および/または乾燥させることによって保護層を形成してもよい。硬化には、光、熱または放射線(電子線など)を用いることができる。
保護層の膜厚は0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、特には1μm以上7μm以下であることが好ましい。また、保護層には、シリコーンオイル、ワックス、ポリテトラフルオロエチレン粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素などの潤滑剤を含有させてもよい。
なお、各層の塗布方法としては、浸漬塗布法(ディッピング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法およびビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
図1は、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
1は円筒状(ドラム状)の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3により、正または負の所定電位に帯電される。次いで、帯電された電子写真感光体1の表面には、像露光手段(不図示)から像露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。像露光光4は、例えば、スリット露光やレーザービーム走査露光などの像露光手段から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された光である。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像(正規現像または反転現像)され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写されていく。このとき、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。また、転写材7が紙である場合、転写材7は給紙部(不図示)から取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して給送される。
電子写真感光体1からトナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離されて、定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置の外へプリントアウトされる。
転写材7にトナー像を転写した後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9により、トナー(転写残りトナー)などの付着物の除去を受けて清浄される。近年、クリーナレスシステムも開発され、転写残りトナーを直接、現像器などで除去することもできる。さらに、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
本発明においては、電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数の構成要素を容器に納めて一体に支持してプロセスカートリッジを形成することができる。また、これを電子写真装置の本体に対して着脱自在に構成することができる。例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9から選択される少なくとも1つを電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。その際、電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて着脱することができる。
像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光であってもよい。または、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動もしくは液晶シャッターアレイの駆動などにより放射される光であってもよい。
本発明の電子写真感光体1は、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プリンターおよびレーザー製版などの電子写真応用分野にも幅広く適用することができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。以下に記載の「部」は、「質量部」を意味する。
なお、実施例および比較例の電子写真感光体の各層の膜厚は、渦電流式膜厚計(Fischerscope、フィッシャーインスツルメント社製)、または、単位面積当たりの質量から比重換算で求めた。
〔合成例1〕
窒素フローの雰囲気下、フタロニトリル5.46部およびα−クロロナフタレン45部を反応釜に投入した後、加熱し、温度30℃まで昇温させた後、この温度を維持した。次に、この温度(30℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入した。投入時の混合液の水分値は150ppmであった。その後、温度200℃まで昇温させた。次に、窒素フローの雰囲気下、温度200℃で4.5時間反応させた後、冷却し、温度150℃に達したときに生成物を濾過した。得られた濾過物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて温度140℃で2時間分散洗浄した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を4.65部(収率71%)得た。
〔合成例2〕
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料4.65部を、温度10℃で濃硫酸139.5部に溶解させ、攪拌下、氷水620部中に滴下して再析出させて、フィルタープレスを用いて濾過した。得られたウエットケーキ(濾過物)を2%アンモニア水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いて濾過した。次いで、得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いた濾過を3回繰り返し、その後、固形分23%のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)を得た。
次に得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)6.6kgをハイパー・ドライ乾燥機(商品名:HD−06R、周波数(発振周波数):2455MHz±15MHz、日本バイオコン(株)製)を用いて以下のように乾燥させた。
得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、専用円形プラスチックトレイにフィルタープレスより取り出したままの固まりの状態(含水ケーキ厚4cm以下)で載せ、遠赤外線はオフ、乾燥機の内壁の温度は50℃になるように設定した。そして、マイクロ波照射時は真空ポンプとリークバルブを調整し、真空度を4.0kPa以上10.0kPa以下の範囲に調整した。
まず、第1工程として、4.8kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン
顔料に50分間照射し、次に、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は88%であった。
第2工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を前記設定値内(4.0kPa以上10.0kPa以下)に調整した後、1.2kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に5分間照射し、また、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第2工程をさらに1回繰り返した(計2回)。
この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は98%であった。
さらに第3工程として、第2工程でのマイクロ波を1.2kWから0.8kWに代えた以外は第2工程と同様にしてマイクロ波照射を行った。この第3工程をさらに1回繰り返した(計2回)。
さらに第4工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を前記設定値内(4.0kPa以上10.0kPa以下)に復圧した後、0.4kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に3分間照射し、また、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第4工程をさらに7回繰り返した(計8回)。
以上、合計3時間で、含水率1%以下のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を1.52kg得た。
〔調製例1〕
合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン0.5部、および、N,N−ジメチルホルムアミド10部を、直径0.8mmのガラスビーズ20部とともにボールミルでミリング処理を室温(23℃)下、120rpmの条件で400時間行った。この分散液からガリウムフタロシアニン結晶をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて取り出し、濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図2に示す。
また、H−NMR測定により、調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N,N−ジメチルホルムアミドが1.4質量%含有されていることが確認された。N,N−ジメチルホルムアミドはテトラヒドロフランに相溶することから、N,N−ジメチルホルムアミドは結晶内に含有することが分かる。
〔調製例2〕
調製例1において、ミリング処理時間を400時間から2000時間に代えた以外は、調製例1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、H−NMR測定により、調製例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N,N−ジメチルホルムアミドが0.8質量%含有されていることが確認された。
〔調製例3〕
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をジメチルスルホキシド10部に、ミリング処理時間を400時間から100時間に代えた以外は、調製例1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.40部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、H−NMR測定により、調製例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ジメチルスルホキシドが2.0質量%含有されていることが確認された。
〔調製例4〕
調製例3において、ミリング処理時間を100時間から140時間に代えた以外は、調製例3と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.41部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、H−NMR測定により、調製例4で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ジメチルスルホキシドが1.9質量%含有されていることが確認された。
〔調製例5〕
調製例3において、ミリング処理時間を100時間から2000時間に代えた以外は、調製例3と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.39部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、H−NMR測定により、調製例5で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ジメチルスルホキシドが0.7質量%含有されていることが確認された。
〔調製例6〕
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−メチルホルムアミド10部に、ミリング処理時間を400時間から200時間に代えた以外は、調製例1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、H−NMR測定により、調製例6で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−メチルホルムアミドが1.2質量%含有されていることが確認された。
〔調製例7〕
調製例6において、ミリング処理時間を200時間から1000時間に代えた以外は、調製例6と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、H−NMR測定により、調製例7で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−メチルホルムアミドが0.5質量%含有されていることが確認された。
〔調製例8〕
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−n−プロピルホルムアミド10部に、ミリング処理時間を400時間から300時間に代えた以外は、調製例1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、H−NMR測定により、調製例8で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−n−プロピルホルムアミドが1.6質量%含有されていることが確認された。
〔調製例9〕
調製例8において、ミリング処理時間を300時間から1000時間に代えた以外は、調製例8と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、H−NMR測定により、調製例9で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−n−プロピルホルムアミドが0.9質量%含有されていることが確認された。
〔調製例10〕
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−ビニルホルムアミド10部に、ミリング処理時間を400時間から200時間に代えた以外は、調製例1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、H−NMR測定により、調製例10で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−ビニルホルムアミドが1.8質量%含有されていることが確認された。
〔調製例11〕
調製例10において、ミリング処理時間を200時間から600時間に代えた以外は、調製例10と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、H−NMR測定により、調製例11で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−ビニルホルムアミドが1.5質量%含有されていることが確認された。
〔調製例12〕
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−メチル−2−ピロリドン10部に、ミリング処理時間を400時間から800時間に代えた以外は、調製例1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、H−NMR測定により、調製例12で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−メチル−2−ピロリドンが1.4質量%含有されていることが確認された。
〔調製例13〕
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン0.5部、および、直径0.8mmのガラスビーズ20部とともにボールミルで乾式ミリング処理を室温(23℃)下で40時間行った。そこにN,N−ジメチルホルムアミド10部を加え湿式ミリング処理を室温(23℃)下で100時間行った。
この分散液からガリウムフタロシアニン結晶をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて取り出し、濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図3に示す。
また、H−NMR測定により、調製例13で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N,N−ジメチルホルムアミドが1.0質量%含有されていることが確認された。
〔調製例14〕
調製例13において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−メチルホルムアミド10部に代えた以外は、調製例13と同様に処理し、クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図3と同様であった。
また、H−NMR測定により、調製例14で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−メチルホルムアミドが1.5質量%含有されていることが確認された。
〔比較調製例1〕
調製例1において、ミリング処理時間を400時間から48時間に代えた以外は、調製例1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.46部得た。
また、H−NMR測定により、比較調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N,N−ジメチルホルムアミドが2.1質量%含有されていることが確認された。
〔比較調製例2〕
調製例3において、ミリング処理時間を100時間から48時間に代えた以外は、調製例3と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.41部得た。
また、H−NMR測定により、比較調製例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ジメチルスルホキシドが2.1質量%含有されていることが確認された。
〔比較調製例3〕
調製例12において、ミリング処理時間を800時間から48時間に代えた以外は、調製例12と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。
また、H−NMR測定により、比較調製例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−メチル−2−ピロリドンが3.0質量%含有されていることが確認された。
〔比較調製例4〕
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をテトラヒドロフラン10部に、ミリング処理時間を400時間から15時間に代えた以外は、調製例1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.41部得た。
また、H−NMR測定により、比較調製例4で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、テトラヒドロフランが2.5質量%含有されていることが確認された。なお、物質αは含有されていないことが確認された。
〔下引き層用塗布液1〕
金属酸化物として酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗:4.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌混合した。これにシランカップリング剤(化合物名:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、商品名:KBM602、信越化学工業(株)製)0.8部を添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、130℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、前記表面処理された酸化亜鉛粒子81部と、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.4部と、硬化剤としてブロックイソシアネート(商品名:スミジュール3175、住化バイエルウレタン(株)製)15部と、ポリオール樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業(株)製)15部をメチルエチルケトン72部と1−ブタノール72部の混合溶液に溶解した溶液とを混合した。これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散処理した。分散処理後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニング(株)製)0.01部、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:テクポリマーSSX−103、積水化成品工業(株)製)5.6部を加えて攪拌し、下引き層用塗布液1を得た。
〔下引き層用塗布液2〕
前記表面処理された酸化亜鉛粒子75部と、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.7部と、硬化剤としてブロックイソシアネート(商品名:デュラネートTPA−B80E、旭化成ケミカルズ(株)製)20.8部と、ポリオール樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業(株)製)9.3部をメチルエチルケトン60部とシクロヘキサノン60部の混合溶液に溶解した溶液とを混合した。これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散処理した。分散処理後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニング(株)製)0.01部、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:テクポリマーSSX−103、積水化成品工業(株)製)5部を加えて攪拌し、下引き層用塗布液2を得た。
〔下引き層用塗布液3〕
金属酸化物粒子として酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗:4.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と攪拌混合した。これにシランカップリング剤(化合物明:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)1.25部を添加し、2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留して、120℃で3時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、前記表面処理された酸化亜鉛粒子60部と、アリザリン(東京化成工業(株)製)0.6部と、硬化剤としてブロックイソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン(株)製)13.5部と、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業(株)製)15部とを、メチルエチルケトン85部に溶解した溶液38部と、メチルエチルケトン25部とを混合した。これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散処理した。分散処理後、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005部、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)4.0部とを添加し、下引き層用塗布液3を得た。
〔実施例1〕
直径30mm、長さ357.5mm、肉厚0.7mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
下引き層用塗布液1を、支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を150℃30分間乾燥させることにより、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
次に、調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、および、シクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、6時間分散処理した。分散処理後、これに酢酸エチル250部を加えて希釈することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.19μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(7)で示される化合物(電荷輸送物質)6部、下記式(8)で示される化合物(電荷輸送物質)3部、下記式(9)で示される化合物(電荷輸送物質)1部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型のポリカーボネート)10部、下記構造式(10)で示されるポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:20000)0.002部を、混合キシレン60部およびジメトキシメタン20部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間120℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
次に、以下の手順にしたがって、保護層用塗布液を調整した。
フッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)社製)1.5部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)社製)45部および1−プロパノール45部の混合溶剤に溶解した。その後、四フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)30部を加えた液を、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics(株)製)に通し、分散液を得た。その後、下記式(11)で示される正孔輸送性化合物70部、
1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン30部および1−プロパノール30部を前記分散液に加え、ポリフロンフィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)で濾過を行い、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を上記電荷輸送層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を5分間50℃で乾燥させた。乾燥後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、吸収線量5000Gyの条件で1.6秒間電子線を塗膜に照射した。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜の温度が130℃になる条件で1分間加熱処理を行った。なお、電子線の照射から1分間の加熱処理までの酸素濃度は20ppmであった。次に、大気中において、塗膜が110℃になる条件で1時間加熱処理を行い、膜厚5μmである保護層を形成した。このようにして、導電性支持体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層を有する、実施例1の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.21%であることが確認された。
〔実施例2〕
実施例1において、下引き層を形成する際の乾燥条件を、165℃120分間とした。また、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例2で得られたヒドロキシガリウム結晶に変更した。これら以外は、実施例1と同様にして実施例2の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.0005%であることが確認された。
〔実施例3〕
実施例1において、下引き層を形成する際の乾燥条件を160℃30分間とした。また、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例3で得られたヒドロキシガリウム結晶に変更した。これら以外は、実施例1と同様にして実施例3の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.019%であることが確認された。
〔実施例4〕
実施例3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例4で得られたヒドロキシガリウム結晶に変更した。これ以外は、実施例3と同様にして実施例4の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.018%であることが確認された。
〔実施例5〕
実施例2において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例5で得られたヒドロキシガリウム結晶に変更した。これ以外は、実施例2と同様にして実施例5の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.0005%であることが確認された。
〔実施例6〕
実施例3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例6で得られたヒドロキシガリウム結晶に変更した。これ以外は、実施例3と同様にして実施例6の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.019%であることが確認された。
〔実施例7〕
実施例6において、下引き層を形成する際の乾燥条件を150℃30分間とした。また、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例6で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶10部を15部に変更した。これら以外は、実施例6と同様にして実施例7の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.22%であることが確認された。
〔実施例8〕
実施例2において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例7で得られたヒドロキシガリウム結晶に変更した。これ以外は、実施例2と同様にして実施例8の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.0006%であることが確認された。
〔実施例9〕
実施例8において、下引き層を形成する際の乾燥条件を160℃30分とした。これ以外は、実施例8と同様にして実施例9の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.020%であることが確認された。
〔実施例10〕
実施例3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例8で得られたヒドロキシガリウム結晶に変更した。これ以外は、実施例3と同様にして実施例10の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.019%であることが確認された。
〔実施例11〕
実施例10において、下引き層を形成する際の乾燥条件を165℃30分間とし、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例8で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例9で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。これ以外は、実施例10と同様にして実施例11の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.0015%であることが確認された。
〔実施例12〕
調製例1において、下引き層を形成する際の乾燥条件を150℃30分間とした。これ以外は、実施例11と同様にして実施例12の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.21%であることが確認された。
〔実施例13〕
実施例3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例10で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。これ以外は、実施例3と同様にして実施例13の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.018%であることが確認された。
〔実施例14〕
実施例13において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例10で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例11で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。これ以外は、実施例13と同様にして実施例14の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.019%であることが確認された。
〔実施例15〕
実施例3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例12で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。これ以外は、実施例3と同様にして実施例15の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.019%であることが確認された。
〔実施例16〕
実施例1において、下引き層用塗布液1を下引き層用塗布液2に変更し、下引き層を形成する際の乾燥条件を170℃16分としたこと以外は、実施例1と同様にして実施例16の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.25%であることが確認された。
〔実施例17〕
実施例16において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例6で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。これ以外は、実施例16と同様にして実施例17の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.24%であることが確認された。
〔実施例18〕
実施例16において、下引き層を形成する際の乾燥条件を170℃120分とし、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例7で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。これ以外は、実施例16と同様にして実施例18の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.0006%であることが確認された。
〔実施例19〕
実施例4において、下引き層用塗布液1を下引き層用塗布液3に変更したこと以外は、実施例4同様にして実施例19の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.024%であることが確認された。
〔実施例20〕
実施例19において、下引き層を形成する際の乾燥条件を170℃40分とした。また、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例4で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例6で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。これら以外は、実施例19と同様にして実施例20の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.0009%であることが確認された。
〔実施例21〕
実施例3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例13で得られたクロロシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。これ以外は、実施例3と同様にして実施例21の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.018%であることが確認された。
〔実施例22〕
実施例21において、下引き層を形成する際の乾燥条件を165℃30分とした。これ以外は、実施例21と同様にして実施例22の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.0015%であることが確認された。
〔実施例23〕
実施例21において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例13で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶を調製例14で得られたクロロシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。これ以外は、実施例21と同様にして実施例23の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.019%であることが確認された。
〔比較例1〕
実施例3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。これ以外は、実施例3と同様にして比較例1の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.019%であることが確認された。
〔比較例2〕
実施例3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較調製例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。これ以外は、実施例3と同様にして比較例2の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.020%であることが確認された。
〔比較例3〕
実施例3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較調製例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。これ以外は、実施例3と同様にして比較例3の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.019%であることが確認された。
〔比較例4〕
実施例16において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。これ以外は、実施例16と同様にして比較例4の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.25%であることが確認された。
〔比較例5〕
実施例19において、下引き層を形成する際の乾燥条件を170℃120分とした。これ以外は、実施例19と同様にして比較例5の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.0002%であることが確認された。
〔比較例6〕
比較例5において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例4で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例8で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。これ以外は、比較例5と同様にして比較例6の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.0003%であることが確認された。
〔比較例7〕
実施例16において、下引き層を形成する際の乾燥条件を180℃120分とした。これ以外は、実施例16と同様にして比較例7の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.0003%であることが確認された。
〔比較例8〕
実施例3おいて、下引き層を形成する際の乾燥条件を170℃120分とした。これ以外は、実施例23と同様にして比較例8の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.0003%であることが確認された。
〔比較例9〕
実施例6おいて、下引き層を形成する際の乾燥条件を140℃30分とした。これ以外は、実施例6と同様にして比較例9の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.69%であることが確認された。
〔比較例10〕
実施例16おいて、下引き層を形成する際の乾燥条件を160℃16分とした。これ以外は、実施例16と同様にして比較例10の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.63%であることが確認された。
〔比較例11〕
実施例20おいて、下引き層を形成する際の乾燥条件を140℃30分とした。これ以外は、実施例20と同様にして比較例11の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.86%であることが確認された。
〔比較例12〕
実施例3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較調製例4で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。これ以外は、実施例3と同様にして比較例12の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.019%であることが確認された。
〔実施例1〜23および比較例1〜12の電子写真感光体の評価〕
〔初期明部電位〕
測定は、温度25℃、湿度50%RHの環境下で行った。評価装置として、キヤノン(株)製の複写機imageRUNNERiR−ADVC5051の改造機を使用した。なお、電位写真感光体の表面電位は、評価装置から現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位測定装置を挿入し、測定を行った。
帯電条件として、初期暗部電位が−600Vとなるように印加電圧を調整した。露光条件として、実施例1の電子写真感光体の780nmレーザー露光照射における初期明部電位(VL)が−150Vとなるよう露光条件を設定した。露光条件は、電子写真感光体を交換しても設定を変更することなく一定の条件を用いた。上記実施例および比較例の電子写真感光体を順に評価装置に装着し、初期明部電位(VL)を測定した。測定値は以下のように3段階で評価した。結果を表1に示した。
A:140V≦|VL|<170V
B:170V≦|VL|<200V
C:200V≦|VL|
〔繰り返し使用における明部電位変動〕
実施例1〜23および比較例1〜11の電子写真感光体について、繰り返し使用における明部電位変動(ΔVL)を測定した。
各電子写真感光体を、温度50度、湿度95%RH環境下に24時間保管した後、温度35℃、湿度85%RHの環境下に3日間静置した。その後、同環境下で測定を行った。評価装置として、キヤノン(株)製の複写機imageRUNNERiR−ADVC5051の改造機を使用した。前記同様に、帯電条件として、初期暗部電位が−600Vとなるよう印加電圧を調整した。露光条件としては、780nmレーザー露光照射における繰り返し使用前の初期明部電位(VLa)が−150Vとなるよう各電子写真感光体の露光条件を設定した。
各電子写真感光体において初期に設定した帯電条件および露光条件のもとで評価を行った。現像用カートリッジを上記評価装置に取り付け、印字比率5%のテストチャートによる画像出力を連続20,000枚行った。その後、5分間放置し、現像用カートリッジを電位測定装置に付け替え、繰り返し使用後における明部電位(VLb)を測定した。繰り返し使用後における明部電位と初期明部電位との差を明部電位変動量(ΔVL=|VLb|−|VLa|)として求めた。結果を表1に示した。
〔かぶり評価〕
実施例1〜23および比較例1〜11の電子写真感光体について、繰り返し使用におけるかぶり評価を行った。
測定は、温度23℃、湿度5%RHの環境下で行った。評価装置として、キヤノン(株)製の複写機imageRUNNERiR−ADVC5051の改造機を使用した。前記同様の方法で、帯電条件として、初期暗部電位が−850Vとなるよう印加電圧を調整した。
現像用カートリッジを上記評価装置に取り付け、印字比率5%のテストチャートによる画像出力を連続20,000枚行った。その後、帯電条件として初期の印加電圧の値を用いて白べた画像を出力し、かぶり評価を行った。評価は以下のようにして行った。まず、白べた画像を出力したものと同ロットの未使用紙の反射濃度(D0)を、反射濃度計(TC−6DS、(有)東京電色社製)を用いて測定した。続いて、出力した白べた画像の反射濃度を同様にして測定し、この値からD0をさしひいた値をかぶり濃度とした。かぶり濃度は、0.20以下であれば実用上問題がない。結果を表1に示した。
各電子写真感光体における検出量A、含有量BおよびB/Aの値を表1に併記した。表1に示すように、実施例の電子写真感光体は、繰り返し使用後も明部電位の上昇が小さく、出力画像のかぶりも抑制されている。また、感光層に含有されるガリウムフタロシアニン結晶が物質αを含有しない比較例の電子写真感光体と比較して、初期VLが低く、光感度がすぐれていることがわかる。感光層に含有されるガリウムフタロシアニン結晶の物質αの含有量Bが2.0質量%より大きい比較例1〜4の電子写真感光体では、繰り返し使用後の出力画像のかぶりが悪化する。また、下引き層に含有される式(1)で示される化合物の検出量Aが0.46質量%以上である比較例9〜11の電子写真感光体では、繰り返し使用後の明部電位(VL)の上昇が大きい。さらに、含有量Bが2.0質量%以下であっても、B/A値が適正範囲でない比較例5〜8の電子写真感光体では、繰り返し使用後の出力画像のかぶりが悪化することがわかる。
〔実施例24〕
直径24mm、長さ261mm、肉厚0.7mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
下引き層用塗布液2を、支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を170℃16分間乾燥させることにより、膜厚が30μmの下引き層を形成した。
次に、調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、および、シクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、6時間分散処理した。分散処理後、これに酢酸エチル250部を加えて希釈することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、
前記式(7)で示される化合物(電荷輸送物質)8.1部、
前記式(9)で示される化合物(電荷輸送物質)0.9部、
下記式(12)で示される構造単位および下記式(13)で示される構造単位を5:5で有するポリエステル樹脂10部、
アクリル系グラフトポリマー(商品名:GS−101、東亞合成(株)製)0.2部
を、ジメトキシメタン44部およびクロロベンゼン50部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を20分間120℃で乾燥させることによって、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして、導電性支持体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を有する、実施例24の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.27%であることが確認された。
〔実施例25〕
実施例24において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例6で得られたヒドロキシガリウム結晶に変更した。これ以外は実施例4と同様にして実施例25の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.28%であることが確認された。
〔実施例26〕
実施例24において、下引き層を形成する際の乾燥条件を170℃120分とした。また、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例7で得られたヒドロキシガリウム結晶に変更した。これ以外は、実施例24と同様にして実施例26の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.0007%であることが確認された。
〔比較例13〕
実施例24において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較調製例1で得られたヒドロキシガリウム結晶に変更した。これ以外は、実施例24と同様にして比較例13の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.27%であることが確認された。
〔比較例14〕
実施例24において、下引き層を形成する際の乾燥条件を180℃120分とした。これ以外は、実施例24と同様にして比較例14の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.0003%であることが確認された。
〔比較例15〕
実施例24において、下引き層を形成する際の乾燥条件を160℃16分とした。これ以外は、実施例24と同様にして比較例15の電子写真感光体を製造した。
HS−GC/MS測定により、式(1)で示される化合物の検出量Aは、0.79%であることが確認された。
〔実施例24〜26および比較例13〜15の電子写真感光体の評価〕
〔繰り返し使用における明部電位変動〕
実施例24〜26および比較例13〜15の電子写真感光体について、繰り返し使用における明部電位変動(ΔVL)を測定した。
各電子写真感光体を、温度50度、湿度95%RH環境下に24時間保管した後、温度35℃、湿度85%RHの環境下に3日間静置した。その後、同環境下で測定を行った。評価装置としては、HP製レーザービームプリンターCP−4525の改造機を使用した。なお、電位写真感光体の表面電位は、評価装置から現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位測定装置を挿入し、測定を行った。
帯電条件として、初期暗部電位が−500Vとなるように印加電圧を調整した。露光条件としては780nmレーザー露光照射における繰り返し使用前の初期明部電位(VLa)が−120Vとなるよう露光条件を設定した。
各電子写真感光体において初期に設定した帯電条件および露光条件のもとで評価を行った。現像用カートリッジを上記評価装置に取り付け、印字比率5%のテストチャートによる画像出力を連続10,000枚行った。その後、5分間放置し、現像用カートリッジを電位測定装置に付け替え、繰り返し使用後における明部電位(VLb)を測定した。繰り返し使用後における明部電位と初期明部電位との差を明部電位変動量(ΔVL=|VLb|−|VLa|)として求めた。評価結果を表2に示した。
〔かぶり評価〕
実施例24〜26および比較例13〜15の電子写真感光体について、繰り返し使用におけるかぶり評価を行った。
測定は、温度23℃、湿度50%RHの環境下で行った。評価装置としては、HP製レーザービームプリンターCP−4525の改造機を使用した。上記同様に、帯電条件として、初期暗部電位が−500Vとなるよう印加電圧を調整した。
現像用カートリッジを上記評価装置に取り付け、印字比率5%のテストチャートによる画像出力を連続10,000枚行った。その後、帯電条件として初期の印加電圧の値を用いて白べた画像を出力し、かぶり評価を行った。評価は以下のようにして行った。まず、白べた画像を出力したものと同ロットの未使用紙の反射濃度(D0)を、反射濃度計(TC−6DS、(有)東京電色社製)を用いて測定した。続いて、出力した白べた画像の反射濃度を同様にして測定し、この値からD0をさしひいた値をかぶり濃度とした。かぶり濃度は、0.20以下であれば実用上問題がない。結果を表2に示した。
各電子写真感光体における検出量A、含有量BおよびB/Aの値を表2に併記した。表2に示すように、実施例の電子写真感光体は、繰り返し使用後も明部電位の上昇が小さく、出力画像のかぶりも抑制されていることがわかる。感光層に含有されるガリウムフタロシアニン結晶の物質αの含有量Bが2.0質量%より大きい比較例13の電子写真感光体では、繰り返し使用後の出力画像のかぶりが悪化する。また、下引き層に含有される式(1)で示される化合物の検出量Aが0.46質量%以上である比較例15の電子写真感光体では、繰り返し使用後の明部電位(VL)の上昇が大きい。さらに、含有量Bが2.0質量%以下であっても、B/Aの値が適正範囲でない比較例14の電子写真感光体では、繰り返し使用後の出力画像のかぶりが悪化することがわかる。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (10)

  1. 支持体、該支持体上に形成された下引き層、および、該下引き層の直上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、
    該下引き層が、下記式(1)で示される化合物でブロック化されたブロックイソシアネートを用いて生成された硬化ウレタンを含有し、
    該感光層が、ガリウムフタロシアニン結晶を含有し、
    該ガリウムフタロシアニン結晶が、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N−ビニルホルムアミドおよびN−メチルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種からなる物質αを含有し、
    該下引き層をヘッドスペース法によって200℃で60分間加熱したときに、ガスクロマトグラフによって検出される下記式(1)で示される化合物の質量(g)を該下引き層の質量(g)で除した値を検出量A(質量%)とし、該ガリウムフタロシアニン結晶中のガリウムフタロシアニン化合物に対する該物質αの含有量を含有量B(質量%)とするとき、下記式(2)〜(4)を満たす
    ことを特徴とする電子写真感光体。

    (上記式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。あるいは、RとRが環を形成していてもよい。)
    A≦0.46 ・・・(2)
    0.1≦B≦2.0 ・・・(3)
    B/A≦2000 ・・・(4)
  2. 前記含有量Bが、下記式(5)を満たす請求項1に記載の電子写真感光体。
    0.1≦B≦1.9 ・・・(5)
  3. 前記含有量Bが、下記式(6)を満たす請求項2に記載の電子写真感光体。
    0.1≦B≦1.5 ・・・(6)
  4. 前記感光層が、前記ガリウムフタロシアニン結晶およびを含有する電荷発生層および電荷輸送層を有する積層型感光層であり、
    該電荷発生層に含有される前記ガリウムフタロシアニン結晶の質量Pと結着樹脂の質量Bの質量比P/Bが、1/1以上4/1以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記下引き層が、金属酸化物粒子を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記下引き層が、電子受容性化合物を含有する請求項5に記載の電子写真感光体。
  7. 前記ガリウムフタロシアニン結晶が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記ガリウムフタロシアニン結晶が、クロロガリウムフタロシアニン結晶である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
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