以下、図1〜図12を参照して、この発明を回転表示装置に適用した一実施形態について説明する。
この回転表示装置は、図1および図2に示すように、表示装置1を搭載する機器搭載部材2と、この機器搭載部材2の下側に位置する台座3と、機器搭載部材2を台座3に連結する回転連結部材4と、を備えている。
表示装置1は、図2に示すように、表示パネル1aと表示回路部1bを備えている。表示パネル1aは、液晶表示素子、EL(エレクトロルミネッセンス)表示素子などの平面型の表示素子を備え、画像や売上金額などの各種の情報を電気光学的に表示するように構成されている。機器搭載部材2は、図1および図2に示すように、表示装置1を内部に取り付けるケースであり、ABS樹脂などの硬質の合成樹脂によって形成されている。
この機器搭載部材2の前面(図2では左側面)には、図1および図2に示すように、表示装置1の表示パネル1aを露呈させる表示開口部2aが設けられている。また、機器搭載部材2の裏面(図2では右側面)には、取付部5が後方に突出した状態で一体に形成されている。この取付部5は、斜め下側に向けて開放されて形成され、回転連結部材4の上部が下側から挿入して取り付けられるように構成されている。
台座3は、図1および図2に示すように、ほぼ台形状のケースであり、機器搭載部材2と同じ、ABS樹脂などの硬質の合成樹脂によって形成されている、この台座3は、その上面における中央部に円筒状の嵌合筒部6が上方に突出した状態で一体に形成された構成になっている。この嵌合筒部6は、回転連結部材4の下部が上方から挿入し、この状態で嵌合筒部6の軸中心を中心として回転連結部材4が水平方向に回転可能に取り付けられるように構成されている。
回転連結部材4は、図2〜図6に示すように、機器搭載部材2を上下方向に回転可能に保持する上下回転機構部7と、台座3に水平方向に回転可能に装着される水平回転機構部8と、を有している。この回転連結部材4は、ポリアセタール樹脂などの剛性の高い合成樹脂によって形成されている。
上下回転機構部7は、図4および図5に示すように、機器搭載部材2に設けられた軸受部9と、回転連結部材4に設けられて軸受部9にその軸方向に弾性変形して嵌合する弾性軸部10と、を備えている。この場合、機器搭載部材2の取付部5内には、U字形状の一対の支持アーム11が互いに対向して一体に形成されている。これら一対の支持アーム11は、互いに接近または離間する方向に弾性変形するように構成されている。これら一対の支持アーム11の互いに対向する対向部11aには、それぞれ軸受部9が同一軸上に対応して設けられている。
また、回転連結部材4の上部両側には、図3〜図6に示すように、一対の支持突起部12が上方に向けて突出した状態で一体に形成されている。これら一対の支持突起部12は、機器搭載部材2の取付部5内に設けられた一対の支持アーム11の対向部11a間に配置されるように構成されている。これら一対の支持突起部12には、一対の支持アーム11に設けられた各軸受部9にそれぞれ嵌合する一対の弾性軸部10が同一軸上に一体に形成されている。
この場合、一対の支持突起部12には、図5に示すように、スリット孔12aがそれぞれ各弾性軸部10の上部外周から下側に向けて逆U字形状に設けられている。すなわち、このスリット孔12aの下端部間は、支持突起部12に連結されている。これにより、弾性軸部10は、スリット孔12aによってその下端部間を中心に弾性軸部10の軸方向に弾性変形するように構成されている。
このため、上下回転機構部7は、図4および図5に示すように、回転連結部材4の上部が機器搭載部材2の取付部5内に下側から挿入されて、一対の支持突起部12が取付部5内の一対の支持アーム11間に配置される際に、一対の支持突起部12の各スリット孔12aによって一対の弾性軸部10が互いに接近する方向に弾性変形して一対の支持アーム11の各対向部11a間に配置されるように構成されている。
また、上下回転機構部7は、図4および図5に示すように、一対の弾性軸部10が一対の支持アーム11の各対向部11a間に配置されて、一対の弾性軸部10が一対の支持突起部12の各軸受部9に対応した際に、一対の弾性軸部10が互いに離れる方向に弾性変形して、一対の弾性軸部10が一対の支持突起部12の各軸受部9に回転可能に嵌合するように構成されている。
これにより、上下回転機構部7は、図4および図5に示すように、機器搭載部材2の取付部5内に設けられた一対の支持アーム11の各軸受部9に一対の弾性軸部10が回転可能に嵌合することにより、回転連結部材4を機器搭載部材2に回転可能に連結し、この状態で各弾性軸部10を中心に機器搭載部材2が上下方向に回転するように構成されている。
一方、回転連結部材4の水平回転機構部8は、図2、図3、図5、図7に示すように、台座3に設けられた嵌合筒部6と、この嵌合筒部6に回転可能に差し込まれる筒軸部13と、を備えている。この筒軸部13は、回転連結部材4における一対の支持突起部12の下端部に一体に形成されている。この筒軸部13は、その外径が台座3の嵌合筒部6の内径とほぼ同じ大きさのほぼ円筒状に形成されている。
この場合、筒軸部13の上部外周には、図3および図5に示すように、台座3の嵌合筒部6の上端部に当接する当接部13aが形成されている。この当接部13aは、その外径が嵌合筒部6の上端部の外径と同じ大きさに形成されている。これにより、当接部13aは、水平回転機構部8の筒軸部13が台座3の嵌合筒部6に上方から差し込まれた際に、嵌合筒部6の上端部に回転可能に当接することにより、台座3に対して回転連結部材4の上下方向の高さ位置を規制するように構成されている。
これにより、回転連結部材4は、図1および図2に示すように、その上部に設けられた上下回転機構部7によって機器搭載部材2を上下方向に回転可能に保持すると共に、回転連結部材4の下部に設けられた水平回転機構部8によって台座3に嵌合筒部6の軸回りである水平方向に回転可能に取り付けられ、これにより台座3と機器搭載部材2とを連結し、この状態で台座3の上方に機器搭載部材2を保持するように構成されている。
ところで、この回転連結部材4は、図3および図5に示すように、機器搭載部材2の上下方向の回転角度を調整する仰角調整機構14と、機器搭載部材2の水平方向の回転角度を調整する回転角調整機構15と、を備えている。仰角調整機構14は、機器搭載部材2の取付部5内にその回転中心を中心とする円弧に沿って設けられた一対の仰角ラック16と、回転連結部材4の上下回転機構部7に設けられて一対の仰角ラック16に沿って移動しながら順次弾力的に係止される一対の仰角弾性突起17と、を備えている。
この場合、一対の仰角ラック16は、図3および図5に示すように、上下回転機構部7の回転中心、つまり機器搭載部材2の取付部5内に設けられた一対の支持アーム11の各軸受部9に嵌合した回転連結部材4の一対の弾性軸部10を中心とする円弧上に位置する機器搭載部材2の取付部5の内面に一体に形成されている。
すなわち、一対の仰角ラック16は、図3および図5に示すように、一対の弾性軸部10が設けられた回転連結部材4の一対の支持突起部12の各外周に対応する機器搭載部材2の取付部5の内面にそれぞれ設けられている。これら一対の仰角ラック16は、一対の弾性軸部10を中心とする円弧の上下方向に沿って複数の係止歯16aがそれぞれ形成されている。
一対の仰角弾性突起17は、図3、図5および図6に示すように、回転連結部材4の一対の支持突起部12の各上部外周に一体に形成されている。これら一対の仰角弾性突起17は、肉厚の薄い中空の山形状に形成され、その各先端部が一対の仰角ラック16の複数の係止歯16aのいずれかの間に弾力的に係合するように構成されている。
すなわち、この仰角弾性突起17は、図3および図5に示すように、仰角ラック16に沿って相対的に移動する際に、仰角ラック16の複数の係止歯16aを順次弾力的に乗り越えて複数の係止歯16aのいずれかの間に弾力的に係合することにより、回転連結部材4に対する機器搭載部材2の上下方向における回転角度を規制して、機器搭載部材2の仰角を調整するように構成されている。
この場合、仰角ラック16は、図3および図5に示すように、機器搭載部材2の取付部5の内面にその回転中心である一対の弾性軸部10を中心とする円弧に沿って30度〜60度の角度範囲で形成されている。この場合、仰角ラック16の角度範囲は、約45度の範囲で形成されていることが望ましい。また、仰角弾性突起17は、仰角ラック16の最上部に位置する係止歯16a間に係止された際に、機器搭載部材2をほぼ垂直な状態に保持するように構成されている。
また、この仰角弾性突起17は、図3および図4に示すように、仰角ラック16の最下部に位置する係止歯16a間に係止された際に、機器搭載部材2をほぼ45度の角度で傾斜させた状態で保持するように構成されている。これにより、仰角弾性突起17は、仰角ラック16の複数の係止歯16aのいずれかの間に弾力的に係止されることにより、機器搭載部材2をほぼ垂直な状態からほぼ45度傾斜する状態の間で、自由な傾斜角度に調整するように構成されている。
一方、回転角調整機構15は、図3、図5および図7に示すように、台座3の嵌合筒部6の内周に設けられた回転ラック18と、回転連結部材4の筒軸部13の外周に設けられて回転ラック18に沿って移動しながら順次弾力的に係止される回転弾性突起19と、を備えている。回転ラック18は、台座3の嵌合筒部6の内周面の全周に亘って複数の係止歯18aが形成されている。
回転弾性突起19は、図7に示すように、筒軸部13の外周にその外周面から径方向に突出して設けられている。この場合、筒軸部13の外周部には、スリット孔20が回転弾性突起19の上部外周から回転弾性突起19の両側に沿って形成されている。これにより、回転弾性突起19は、その外周に沿って形成されたスリット孔20によって、筒軸部13の外周面から径方向に向けて弾性変形するように構成されている。
このため、この回転弾性突起19は、図3、図5および図7に示すように、回転ラック18に沿って移動する際に、回転ラック18の複数の係止歯18aを順次弾力的に乗り越えて複数の係止歯18aのいずれかの間に弾力的に係合することにより、台座3に対する機器搭載部材2の水平方向における回転角度を規制して、機器搭載部材2の水平方向の回転角を調整するように構成されている。
この場合、回転角調整機構15は、図3、図5〜図7に示すように、回転連結部材4の回転範囲を規制する回転規制部21を備えている。この回転規制部21は、筒軸部13の外周に設けられた規制突起22と、台座3の嵌合筒部6の内周に設けられて、規制突起22が移動可能に挿入する規制溝23と、を備えている。
規制突起22は、図6および図7に示すように、筒軸部13の外周にその外周面から径方向に突出して設けられている。この場合、筒軸部13の外周部には、スリット孔22aが規制突起22の上部外周から規制突起22の両側に沿って形成されている。これにより、規制突起22は、その外周に沿って形成されたスリット孔22aによって、筒軸部13の外周面から径方向に向けて弾性変形するように構成されている。
規制溝23は、図5および図7に示すように、回転ラック18の下側に位置する嵌合筒部6の内周に180度〜330度の角度範囲で形成されている。この場合、規制溝23の角度範囲は、片側回転において160度の範囲で、両側回転において320度の範囲で形成されていることが望ましい。この場合、規制溝23の両端部間には、図7に示すように、筒軸部13の規制突起22が当接するストッパ部23aが設けられている。
これにより、回転規制部21は、図3、図5〜図7に示すように、筒軸部13の規制突起22が台座3の嵌合筒部6の規制溝23内に挿入された状態で、回転連結部材4が回転する際に、規制突起22が規制溝23内を移動し、回転連結部材4が320度回転すると、規制突起22が規制溝23の両端部間に位置するストッパ部23aに当接することにより、回転連結部材4が1回転以上回転しないように構成されている。
また、この回転角調整機構15は、図3、図6、図7に示すように、台座3に対して回転連結部材4を回転可能にロックするロック機構部24を備えている。このロック機構部24は、回転連結部材4の筒軸部13の下部に設けられた一対の上側弾性フック部25と、台座3の嵌合筒部6の内周面に設けられて一対の上側弾性フック部25を円周方向に沿って移動可能に係止する係止溝部26と、を備えている。
これら一対の上側弾性フック部25は、図3、図5〜図7に示すように、回転連結部材4の筒軸部13の下部からその径方向に突出して形成され、その両側に一対の上側スリット孔25aが軸方向に沿って設けられた構成になっている。これにより、一対の上側弾性フック部25は、一対の上側スリット孔25aによって筒軸部13の外周面からその径方向に弾性変形するように構成されている。
係止溝部26は、図3および図7に示すように、台座3の嵌合筒部6の内周面にその円周方向に沿って環状に形成されている。これにより、係止溝部26は、回転連結部材4の筒軸部13が台座3の嵌合筒部6に上方から差し込まれた際に、一対の上側弾性フック部25が挿入して係止されるように構成されている。
これにより、ロック機構部24は、図3および図7に示すように、係止溝部26の内部に一対の上側弾性フック部25が挿入して係止された状態で、回転連結部材4の筒軸部13が台座3の嵌合筒部6内で回転する際に、一対の上側弾性フック部25が係止溝部26内に沿って回転移動することにより、回転連結部材4が回転しても、回転連結部材4の筒軸部13が台座3の嵌合筒部6内から抜け出さないように構成されている。
さらに、この回転表示装置は、図2に示すように、機器搭載部材2の表示装置1の表示回路部1bと台座3内に設けられた台座回路部3aとが、接続ケーブル27によって電気的に接続されるように構成されている。すなわち、この接続ケーブル27は、その一端部が表示装置1の表示回路部1bに接続され、他端部が回転連結部材4の筒軸部13内に延出され、この延出された端部に表示側コネクタ27aが設けられた構成になっている。
また、台座3内の台座回路部3aには、図2に示すように、台座側コネクタ27bが台座3の嵌合筒部6内に配置された状態で設けられている。これにより、表示装置1の表示回路部1bと台座3内に設けられた台座回路部3aとは、接続ケーブル27の表示側コネクタ27aが台座3内の台座側コネクタ27bに接続されることにより、電気的に接続されるように構成されている。
ところで、この回転表示装置は、図8および図9に示すように、台座3に対する機器搭載部材2の高さを調整する第1、第2の各高さ調整支持部材30、31を備えている。これら第1、第2の各高さ調整支持部材30、31は、その上下方向の長さが異なるだけで、同じ構成になっている。すなわち、第1の高さ調整支持部材30は、その上下方向の長さが第2の高さ調整支持部材31の上下方向の長さよりも短く形成されている。
このため、以下の説明は、第1の高さ調整支持部材30について説明する。この第1の高さ調整支持部材30は、図10および図11に示すように、全体がほぼ円筒状に形成され、その下部に設けられて台座3の嵌合筒部6に着脱可能に取り付けられる下側取付機構部32と、上部に設けられて回転連結部材4が回転可能でかつ着脱可能に取り付けられる上側取付機構部33と、を備えている。
この第1の高さ調整支持部材30の下側取付機構部32は、図10および図11に示すように、台座3に設けられた円筒状の嵌合筒部6と、第1の高さ調整支持部材30の下部に設けられて嵌合筒部6に回転可能に挿入する下側筒軸部34と、を備えている。また、この下側取付機構部32は、台座3の嵌合筒部6に第1の高さ調整支持部材30の下側筒軸部34を回転可能な状態で軸方向に対してロックする下側ロック機構部35と、台座3の嵌合筒部6に対する第1の高さ調整支持部材30の下側筒軸部34の回転を阻止する回転止め部45と、を備えている。
この下側取付機構部32の下側ロック機構部35は、図10および図11に示すように、第1の高さ調整支持部材30の下側筒軸部34に設けられた複数の下側弾性フック部36と、台座3の嵌合筒部6に設けられて下側弾性フック部36を係脱可能に係止する下側係止溝部である係止溝部26と、を備えている。
この場合、複数の下側弾性フック部36は、図10および図11に示すように、下側筒軸部34の下端部にその下側に向けて突出して形成され、この状態で下側筒軸部34の径方向に弾性変形するように構成されている。これにより、複数の下側弾性フック部36は、その弾性係合力が上側弾性フック部25の弾性係合力よりも大きく形成されている。
また、回転止め部45は、図10および図11に示すように、台座3の嵌合筒部6の内周面に設けられた回転ラック18と、第1の高さ調整支持部材30の下側筒軸部34の外周面に設けられて回転ラック18に係止される固定突起46と、を備えている。この固定突起46は、下側筒軸部34の外周面に形成された山形状の突起であり、下側筒軸部34の径方向に弾性変形しないように構成されている。
これにより、この回転止め部45は、図10および図11に示すように、台座3の嵌合筒部6に第1の高さ調整支持部材30の下側筒軸部34が挿入されて嵌め込まれた際に、固定突起46が回転ラック18の複数の係止歯18aのいずれかの間に係止され、この状態で固定突起46が回転ラック18の複数の係止歯18aを乗り越えずに、回転ラック18に対して固定されることにより、台座3の嵌合筒部6に対する第1の高さ調整支持部材30の下側筒軸部34の回転を阻止するように構成されている。
一方、第1の高さ調整支持部材30の上側取付機構部33は、図10および図11に示すように、第1の高さ調整支持部材30の上部に設けられ上側嵌合筒部37と、回転連結部材4の下部に設けられて第1の高さ調整支持部材30の上側嵌合筒部37に回転可能に挿入する上側筒軸部である筒軸部13と、第1の高さ調整支持部材30の上側嵌合筒部37に回転連結部材4の筒軸部13を回転可能な状態で軸方向に対してロックする上側ロック機構部38と、を備えている。
この上側取付機構部33の上側ロック機構部38は、図12に示すように、回転連結部材4の筒軸部13に設けられた上側弾性フック部25と、第1の高さ調整支持部材30の上側嵌合筒部37に設けられて上側弾性フック部25を係脱可能に係止する上側係止溝部39と、を備えている。
この上側係止溝部39は、図12に示すように、台座3の嵌合筒部6の内周面に設けられた係止溝部26と同様、第1の高さ調整支持部材30の上側嵌合筒部37の内周面にその円周方向に沿って環状に形成されている。これにより、上側ロック機構部38は、回転連結部材4の筒軸部13が第1の高さ調整支持部材30の上側嵌合筒部37に上方から差し込まれた際に、一対の上側弾性フック部25が挿入して係止されるように構成されている。
また、この上側ロック機構部38は、図10および図12に示すように、上側係止溝部39内に一対の上側弾性フック部25が係止された状態で、回転連結部材4の筒軸部13が第1の高さ調整支持部材30の上側嵌合筒部37内で回転する際に、一対の上側弾性フック部25が上側係止溝部39内に沿って回転移動することにより、回転連結部材4が回転しても、回転連結部材4の筒軸部13が第1の高さ調整支持部材30の上側嵌合筒部37内から抜け出さないように構成されている。
さらに、この上側取付機構部33も、図10および図12に示すように、回転角調整機構40と回転規制部41とを備えている。回転角調整機構40は、第1の高さ調整支持部材30の上側嵌合筒部37の内周面にその回転中心を中心とする円弧に沿って設けられた回転ラック42と、回転連結部材4の筒軸部13の外周面に設けられて回転ラック42に沿って移動しながら順次弾力的に係止される回転弾性突起19と、を備えている。
回転ラック42は、図12に示すように、上側取付機構部33の上側嵌合筒部37の内周面の全周に亘って複数の係止歯42aが形成されている。回転弾性突起19は、回転ラック42に沿って移動しながら順次係止歯42a間に弾力的に係止されるように構成されている。
これにより、回転角調整機構40は、図10〜図12に示すように、回転ラック42の複数の係止歯42aを順次弾力的に乗り越えて複数の係止歯42aのいずれかの間に弾力的に係合することにより、台座3に対する機器搭載部材2の水平方向における回転角度を規制して、機器搭載部材2の水平方向の回転角を調整するように構成されている。
また、この上側取付機構部33の回転規制部41は、図10〜図12に示すように、筒軸部13の外周に設けられた規制突起22と、上側嵌合筒部37の内周に設けられて、規制突起22が移動可能に挿入する規制溝43と、を備えている。この規制溝43は、台座3の嵌合筒部6に設けられた規制溝23と同様、回転ラック42の下側に位置する上側嵌合筒部37の内周に180度〜330度の角度範囲で設けられている。
この場合にも、その角度範囲は、320度の角度範囲で設けられていることが望ましい。また、この規制溝43の両端部間には、図12に示すように、筒軸部13の規制突起22が当接するストッパ部43aが設けられている。これにより、回転規制部41は、回転連結部材4が回転する際に、規制突起22が規制溝43内を移動し、回転連結部材4が320度回転すると、規制突起22が規制溝43のストッパ部43aに当接することにより、回転連結部材4が1回転以上回転しないように構成されている。
この第1の高さ調整支持部材30内には、図10に示すように、延長接続ケーブル44が配置されている。この延長接続ケーブル44は、その長さが第1の高さ調整支持部材30の上下方向の長さとほぼ同じ長さに形成されている。この延長接続ケーブル44は、その下端部に設けられた下側コネクタ44aが、台座3内の台座回路部3aに接続された台座側コネクタ27bに接続されるように構成されている。
また、この延長接続ケーブル44は、図10に示すように、上端部に設けられた上側コネクタ44bが、表示装置1の表示回路部1bに接続された接続ケーブル27の表示側コネクタ27aに接続されるように構成されている。これにより、表示装置1の表示回路部1bと台座3内に設けられた台座回路部3aとは、接続ケーブル27の表示側コネクタ27aが延長接続ケーブル44の上側コネクタ44bに接続され、延長接続ケーブル44の下側コネクタ44aが台座3内の台座側コネクタ27bに接続されることにより、電気的に接続されるように構成されている。
同様に、第2の高さ調整支持部材31は、図9に示すように、その上下方向の長さが第1の高さ調整支持部材30の上下方向の長さよりも長く形成されており、これ以外は第1の高さ調整支持部材30とまったく同じ構成になっている。この場合にも、第2の高さ調整支持部材31内には、延長接続ケーブル(図示せず)が配置されている。この延長接続ケーブルは、その長さが第1の高さ調整支持部材30の延長接続ケーブル44よりも長く形成されており、これ以外は第1の高さ調整支持部材30の延長接続ケーブル44と同じ構成になっている。
次に、このような回転表示装置の作用について説明する。
まず、この回転表示装置を第1、第2の各高さ調整支持部材30、31を用いずに組み立てる場合について説明する。このときには、まず、機器搭載部材2に表示装置1を組み付け、この状態で表示装置1の表示回路部1aに接続ケーブル27を接続し、この接続ケーブル27を機器搭載部材2の取付部5から機器搭載部材2の外部に引き出す。
この状態で、機器搭載部材2の取付部5に回転連結部材4を取り付ける。このときには、接続ケーブル27の表示側コネクタ27aを回転連結部材4内に挿入させて回転連結部材4の筒軸部13から引き出す。そして、上下回転機構部7における回転連結部材4の一対の支持突起部12を機器搭載部材2の取付部5内に挿入させて、一対の支持突起部12を取付部5内に設けられた一対の支持アーム部11間に配置する。
このときには、上下回転機構部7における一対の支持突起部12に設けられた一対の弾性軸部10が、一対の支持アーム部11の各対向部11aによって互いに接近する方向に押される。このため、上下回転機構部7における一対の弾性軸部10は、その外周に沿って形成されたスリット孔12aによって、互いに接近する方向に弾性変形して一対の支持アーム11の各対向部11a間に配置される。
この状態で、一対の弾性軸部10が一対の支持突起部12の各軸受部9に対応した際に、一対の弾性軸部10が互いに押し広げられる方向に弾性変形して、一対の弾性軸部10が一対の支持突起部12の各軸受部9内に回転可能に挿入して嵌合する。これにより、回転連結部材4が機器搭載部材2に回転可能に連結され、上下回転機構部7が構成される。この状態では、一対の弾性軸部10を中心に機器搭載部材2が上下方向に回転する。
また、このときには、仰角調整機構14における一対の仰角ラック16に一対の仰角弾性突起17が移動可能に係合する。すなわち、一対の仰角ラック16は、上下回転機構部7の回転中心である一対の弾性軸部10を中心とする円弧上に位置する機器搭載部材2の取付部5の内面、つまり一対の弾性軸部10が設けられた回転連結部材4の一対の支持突起部12の各外周に対応する機器搭載部材2の取付部5の内面にそれぞれ一体に形成されている。
一方、仰角調整機構14の一対の仰角弾性突起17は、回転連結部材4の一対の支持突起部12の各上部外周に一体に形成されている。このため、一対の弾性軸部10が一対の支持突起部12の各軸受部9に回転可能に嵌合した際には、一対の仰角弾性突起17が一対の仰角ラック16の複数の係止歯16aのいずれかの間に弾力的に係合する。これにより、仰角調整機構14が構成され、回転連結部材4に対する機器搭載部材2の上下方向における回転角度が規制されて、機器搭載部材2の仰角が調整可能な状態になる。
この後、回転連結部材4を台座3に取り付ける。このときには、予め、接続ケーブル27の表示側コネクタ27aを台座3の台座側コネクタ27bに接続する。そして、水平回転機構部8における台座3に設けられた嵌合筒部6に、回転連結部材4の下部に形成された筒軸部13を差し込んで回転可能に取り付ける。
このときには、筒軸部13の上部外周に設けられた当接部13aが嵌合筒部6の上端部に回転可能に当接し、台座3に対する回転連結部材4の上下方向の高さ位置が規制される。これにより、水平回転機構部8が構成され、回転連結部材4が台座3に対してその嵌合筒部6の軸回りである水平方向に回転可能な状態で取り付けられる。
この状態では、回転連結部材4の上部に設けられた上下回転機構部7によって、機器搭載部材2が回転連結部材4に上下方向に回転可能に保持されると共に、回転連結部材4の下部に設けられた水平回転機構部8によって、台座3に回転連結部材4が嵌合筒部6の軸回りである水平方向に回転可能に取り付けられる。これにより、回転連結部材4によって台座3と機器搭載部材2とが連結され、この状態で台座3の上方に機器搭載部材2が保持される。
このように、水平回転機構部8によって回転連結部材4が台座3に対して回転可能に取り付けられる際には、回転角調整機構15における回転ラック18に回転弾性突起19が移動可能に係合する。すなわち、回転ラック18は、台座3の嵌合筒部6の内周面に一体に形成されている。回転弾性突起19は、回転連結部材4の筒軸部13の外周部に一体に形成され、この回転弾性突起19の上部外周から回転弾性突起19の両側に亘ってスリット孔20が設けられている。
このため、回転連結部材4が台座3に対して回転可能に取り付けられた際には、回転弾性突起19が回転ラック18の複数の係止歯18aのいずれかの間に弾力的に係合する。これにより、回転角調整機構15が構成され、台座3に対する回転連結部材4の水平方向における回転角度が規制されて、機器搭載部材2の水平方向における回転角が調整可能な状態になる。
また、このときには、回転規制部21における筒軸部13の外周に設けられた規制突起22が、その上部外周から規制突起22の両側部に沿って形成されたスリット孔22aによって径方向に弾性変形して、台座3の嵌合筒部6の内周に設けられた規制溝23内に移動可能に挿入する。すなわち、規制溝23は、回転ラック18の下側に位置する嵌合筒部6の内周に320度の範囲で形成されており、この規制溝23の両端部間には、筒軸部13の規制突起22が当接するストッパ部23aが設けられている。
これにより、筒軸部13の規制突起22が台座3の嵌合筒部6の規制溝23内に挿入された状態で、回転連結部材4が回転する際には、規制突起22が規制溝23内を移動する。そして、回転連結部材4が320度回転すると、規制突起22が規制溝23の両端部間に位置するストッパ部23aに当接する。これにより、回転連結部材4が1回転以上回転することがない。
さらに、水平回転機構部8によって回転連結部材4が台座3に対して回転可能に取り付けられる際には、ロック機構部24における回転連結部材4の筒軸部13の下部に設けられた一対の上側弾性フック部25が、台座3の嵌合筒部6の内周面に設けられた係止溝部26にその円周方向に沿って移動可能に係止される。
すなわち、一対の上側弾性フック部25は、回転連結部材4の筒軸部13の下部からその径方向に突出して形成され、その両側に一対の上側スリット孔25aが軸方向に沿って設けられている。このため、一対の上側弾性フック部25は、一対の上側スリット孔25aによって筒軸部13の外周面からその径方向に弾性変形する。また、係止溝部26は、台座3の嵌合筒部6の内周面にその円周方向に沿って環状に形成されている。
これにより、一対の上側弾性フック部25は、回転連結部材4の筒軸部13が台座3の嵌合筒部6に上方から差し込まれる際に、一対の上側スリット孔25aによって筒軸部13の外周面からその径方向に弾性変形して係止溝部26内に挿入されて係止される。この状態では、回転連結部材4の筒軸部13が台座3の嵌合筒部6内で回転する際に、一対の上側弾性フック部25が係止溝部26内に沿って回転移動しても、回転連結部材4の筒軸部13が台座3の嵌合筒部6内から抜け出すことがない。
次に、このように組み立てられた回転表示装置の作用について説明する。
まず、表示装置1を前後方向に傾ける場合には、仰角調整機構14の一対の仰角ラック16に対する一対の仰角弾性突起17の係合力に抗して、機器搭載部材2を上下回転機構部7の回転中心を中心に上下方向に回転させれば良い。
例えば、表示装置1をほぼ垂直な状態に起立させる場合には、機器搭載部材2の下部を回転連結部材4に向けて押す。すると、機器搭載部材2が上下回転機構部7の回転中心である回転連結部材4の一対の弾性軸部10を中心に図5において反時計回りに回転して起立する。このときには、仰角調整機構14における回転連結部材4の一対の仰角弾性突起17が機器搭載部材2の一対の仰角ラック16に沿って相対的に移動する。
すなわち、仰角弾性突起17は、図5に示すように、仰角ラック16に沿って相対的に反時計回りに移動しながら仰角ラック16の複数の係止歯16aを順次弾力的に乗り越えて、仰角ラック16の最上部に位置する係止歯16a間に係止される。これにより、回転連結部材4に対する機器搭載部材2の上下方向における回転角度が規制されて、機器搭載部材2がほぼ垂直な状態に保持される。
また、表示装置1を見易い角度に傾ける場合には、機器搭載部材2の上部を回転連結部材4の上部側に向けて押すと、機器搭載部材2が上下回転機構部7の回転中心である回転連結部材4の一対の弾性軸部10を中心に図5において時計回りに回転して傾く。このときにも、仰角調整機構14における回転連結部材4の一対の仰角弾性突起17が機器搭載部材2の一対の仰角ラック16に沿って相対的に移動する。
すなわち、仰角弾性突起17は、図5に示すように、仰角ラック16に沿って相対的に時計回りに移動しながら仰角ラック16の複数の係止歯16aを順次弾力的に乗り越えて、仰角ラック16の下部側に位置する係止歯16a間に係止される。これにより、回転連結部材4に対する機器搭載部材2の上下方向における回転角度が規制されて、機器搭載部材2が所定角度に傾いた状態で保持される。
一方、表示装置1を水平方向に回転させる場合には、回転角調整機構15の回転ラック18に対する回転弾性突起19の係合力に抗して、機器搭載部材2を水平回転機構部8の回転中心を中心に水平方向に回転させれば良い。例えば、表示装置1を左右のいずれかの方向に回転させる場合には、機器搭載部材2の左右のいずれかの側部を後方に向けて押す。すると、機器搭載部材2が水平回転機構部8の回転中心である回転連結部材4の筒軸部13の軸中心を中心に台座3の上方で回転する。
このときには、回転調整機構15における回転連結部材4の筒軸部13の回転弾性突起19が台座3の嵌合筒部6の回転ラック18に沿って移動する。すなわち、回転弾性突起19が回転ラック18に沿って移動する際には、回転弾性突起19が回転ラック18の複数の係止歯18aを順次弾力的に乗り越えて複数の係止歯18aのいずれかの間に弾力的に係合する。これにより、台座3に対する機器搭載部材2の水平方向における回転角度が規制され、機器搭載部材2の水平方向の回転角が調整される。
この場合、機器搭載部材2が水平回転機構部8の回転中心を中心に回転する際には、回転角調整機構15の回転規制部21によって機器搭載部材2の回転範囲が規制される。すなわち、回転規制部21は、筒軸部13の規制突起22が台座3の嵌合筒部6の規制溝23内に挿入された状態で、回転連結部材4が回転する。
このときには、規制突起22が規制溝23内を移動し、回転連結部材4が320度回転すると、規制突起22が規制溝23の両端部間に位置するストッパ部23aに当接する。これにより、回転連結部材4が1回転以上回転することがない。このため、表示装置1の表示回路部1bと台座3の台座回路部3aとを接続する接続ケーブル27が1回転以上捩れることがない。
ところで、この回転表示装置をレジスタが配置された清算所で使用する際に、例えば表示装置1をレジスタの使用者に向けて使用する場合には、台座3を動かす必要がなく、機器搭載部材2を水平回転機構部8によって水平方向に回転させるだけで、表示装置1を使用者に向けることができる。この場合、表示装置1の高さが低過ぎて表示装置1が見にくいときには、機器搭載部材2を上下回転機構部7によって上下方向に回転させて、機器搭載部材2を上向きに傾けることにより、見易くすることができる。
また、表示装置1をお客に向けて使用する場合にも、台座3を動かす必要がなく、機器搭載部材2を水平回転機構部8によって水平方向に回転させるだけで、表示装置1をお客に向けることができる。この場合、表示装置1の高さが低過ぎてお客が表示装置1を見にくいときには、機器搭載部材2を上下回転機構部7によって上下方向に回転させて、機器搭載部材2を上向きに傾けることにより、見易くすることができる。
次に、この回転表示装置において、表示装置1の高さを調整する場合について説明する。
この場合には、台座3から回転連結部材4を取り外して、第1、第2の各高さ調整支持部材30、31のうち、例えば表示装置1の高さに合う第1の高さ調整支持部材30を台座3に取り付ける。このときには、まず、台座3から回転連結部材4を取り外した際に、接続ケーブル27の表示側コネクタ27aを台座3の台座側コネクタ27bから取り外す。
そして、第1の高さ調整支持部材30の上下方向の長さとほぼ同じ長さの延長接続ケーブル44の下側コネクタ44aを台座3の台座側コネクタ27bに接続し、この延長接続ケーブル44を第1の高さ調整支持部材30内に挿入させて、延長接続ケーブル44の上側コネクタ44bを第1の高さ調整支持部材30の上端部から引き出す。この状態で、第1の高さ調整支持部材30を台座3に取り付ける。
このときには、第1の高さ調整支持部材30における下側取付機構部32の下側筒軸部34を台座3の嵌合筒部6に差し込んで嵌め込み、下側取付機構部32の下側ロック機構部35によって第1の高さ調整支持部材30の下側筒軸部34を台座3の嵌合筒部6にロックすると共に、回転止め部45によって台座3の嵌合筒部6に対する下側取付機構部32の下側筒軸部34の回転を阻止する。
すなわち、下側筒軸部34が台座3の嵌合筒部6に差し込まれると、下側ロック機構部35の下側弾性フック部36が、台座3の嵌合筒部6に設けられた下側係止溝部である係止溝部26内に弾力的に挿入されて係止される。これにより、第1の高さ調整支持部材30が台座3の嵌合筒部6から不用意に抜け出すことがなく、台座3の嵌合筒部6に起立した状態で取り付けられる。
また、このときには、台座3の嵌合筒部6の内周面に設けられた回転ラック18の複数の係止歯18aのいずれかの間に、下側取付機構部32の下側筒軸部34の外周面に設けられた固定突起46が噛み合って係止される。これにより、固定突起46が回転ラック18の複数の係止歯18aを乗り越えることがなく、回転ラック18に対して固定されるため、台座3の嵌合筒部6に対して第1の高さ調整支持部材30の下側筒軸部34がその軸方向に回転することがない。
この状態で、第1の高さ調整支持部材30に回転連結部材4を取り付ける。このときには、まず、表示装置1の表示回路部1bに接続された接続ケーブル27の表示側コネクタ27aを第1の高さ調整支持部材30の上端部側に位置する延長接続ケーブル44の上側コネクタ44bに接続する。この状態で、第1の高さ調整支持部材30における上側取付機構部33の上側嵌合筒部37に回転連結部材4の上側筒軸部である筒軸部13を差し込んで回転可能に取り付ける。
このときには、上側取付機構部33の上側ロック機構部38によって回転連結部材4の筒軸部13が第1の高さ調整支持部材30の上側嵌合筒部37にロックされる。すなわち、第1の高さ調整支持部材30の上側嵌合筒部37に回転連結部材4の筒軸部13が差し込まれる際には、回転連結部材4の筒軸部13に設けられた上側弾性フック部25が、上側嵌合筒部37の上側係止溝部39内に弾力的に挿入されて係止される。これにより、回転連結部材4の筒軸部13が上側嵌合筒部37内から不用意に抜け出すことがない。
また、このように第1の高さ調整支持部材30に回転連結部材4が取り付けられた際には、回転角調整機構40における第1の高さ調整支持部材30の上側嵌合筒部37の内周面に設けられた回転ラック42に、回転連結部材4の筒軸部13の外周面に設けられた回転弾性突起19が、回転ラック42に沿って移動可能な状態で係止される。
すなわち、回転角調整機構40は、下側取付機構部32の回転止め部45によって台座3の嵌合筒部6に対して下側筒軸部34が回転することがないため、回転ラック42の複数の係止歯42aを順次弾力的に乗り越えて複数の係止歯42aのいずれかの間に弾力的に係合する。これにより、台座3に対する機器搭載部材2の水平方向における回転角度が規制され、機器搭載部材2の水平方向の回転角が調整される。
また、このときには、上側取付機構部33の回転規制部41によって、第1の高さ調整支持部材30に対する回転連結部材4の回転範囲が規制される。すなわち、回転規制部41は、回転連結部材4の筒軸部13の外周に設けられた規制突起22が、第1の高さ調整支持部材30の上側嵌合筒部37の内周に設けられた規制溝43内に挿入された状態で、回転連結部材4が回転する。
このときには、規制突起22が規制溝43内を移動し、回転連結部材4が320度回転すると、規制突起22が規制溝43の両端部間に位置するストッパ部43aに当接する。これにより、回転連結部材4が1回転以上回転することがない。このため、第1の高さ調整支持部材30内に配置された延長接続ケーブル44およびこれに接続された接続ケーブル27が1回転以上捩れることがない。
これにより、第1の高さ調整支持部材30を台座3に取り付けて表示装置1の高さを調整した場合にも、台座3を動かす必要がなく、機器搭載部材2を上側取付機構部33によって水平方向に回転させるだけで、表示装置1を水平方向に回転させて見易い向きに変えることができる。この場合にも、機器搭載部材2を上下回転機構部7によって上下方向に回転させて、機器搭載部材2の向きを見易い向きに傾けることができる。
ところで、この回転表示装置において表示装置1の高さを更に高く調整する場合には、第1の高さ調整支持部材30を取り外して第2の高さ調整支持部材31に代えれば良い。すなわち、第1の高さ調整支持部材30を取り外す際には、第1の高さ調整支持部材30における上側取付機構部33の上側嵌合筒部37から回転連結部材4の上側筒軸部である筒軸部13を取り外す。
このときには、台座3に着脱可能に取り付けられる下側取付機構部32の着脱力が、回転連結部材4に着脱可能に取り付けられる上側取付機構部33の着脱力よりも大きい。このため、上側取付機構部33における第1の高さ調整支持部材30の上側嵌合筒部37から回転連結部材4の上側筒軸部である筒軸部13を取り外す際には、下側取付機構部32の下側筒軸部34が台座3の嵌合筒部6から抜け出すことがなく、回転連結部材4の筒軸部13を第1の高さ調整支持部材30の上側嵌合筒部37から取り外すことができる。
すなわち、下側取付機構部32の下側筒軸部34に設けられた下側弾性フック部36は、その上側にスリット孔が設けられておらず、回転連結部材4の筒軸部13に設けられた上側弾性フック部25は、そ上側に上側スリット孔25aが軸方向に沿って形成されている。このため、下側弾性フック部36は、その弾性係合力が上側弾性フック部25の弾性係合力よりも大きく形成されている。
これにより、機器搭載部材2を第1の高さ調整支持部材30から取り外際に、第1の高さ調整支持部材30の下側筒軸部34が台座3の嵌合筒部6から抜け出すことがなく、回転連結部材4の筒軸部13を第1の高さ調整支持部材30の上側嵌合筒部37から取り外すことができる。
このように、機器搭載部材2に取り付けられた回転連結部材4を第1の高さ調整支持部材30から取り外す際に、必ず、回転連結部材4の筒軸部13を第1の高さ調整支持部材30の上側嵌合筒部37から取り外すことができるので、機器搭載部材2を第1の高さ調整支持部材30から安全に取り外すことができ、これにより機器搭載部材2を落として表示装置1を破損する恐れがないので、使い勝手が良い。
このように、第1の高さ調整支持部材30を取り外した後は、第2の高さ調整支持部材31を第1の高さ調整支持部材30と同様に台座3に取り付けることができ、この第2の高さ調整支持部材31の上部に回転連結部材4を取り付けることができる。これにより、表示装置1の高さを更に高くすることができる。このときにも、延長接続ケーブル44を第2の調整支持部材31の上下方向の長さと同じ長さの延長接続ケーブル(図示せず)に交換すればよい。
このように、この回転表示装置によれば、機器である表示装置1を搭載する機器搭載部材2と、この機器搭載部材2の下側に位置する台座3と、機器搭載部材2を上下方向に回転可能に保持する上下回転機構部7、および台座3に対して水平方向に回転可能に取り付けられる水平回転機構部8を有し、機器搭載部材2を台座3に連結する回転連結部材4と、を備えていることにより、部品点数を抑制した簡単な構造で、容易に組立作業ができ、生産性の向上を図ることができる。
すなわち、この回転表示装置では、上下回転機構部7によって回転連結部材4を機器搭載部材2に上下方向に回転可能な状態で連結することができると共に、水平回転機構部8によって回転連結部材4を台座3に対して水平方向に回転可能な状態で連結することができる。このため、回転連結部材4のみによって機器搭載部材2を台座3に簡単に取り付けることができるので、構造が簡単で、別部品を全く必要としないため、部品点数を抑えることができると共に、組立作業が容易にでき、生産性の向上を図ることができる。
この場合、上下回転機構部7は、機器搭載部材2に設けられた軸受部9と、回転連結部材4に設けられて軸受部9にその軸方向に弾性変形して嵌合する弾性軸部10と、を備えていることにより、回転連結部材4を機器搭載部材2に連結する際に、回転連結部材4の弾性軸部10を弾性変形させることができるので、この弾性軸部10の弾性変形によって弾性軸部10を機器搭載部材2の軸受部9に簡単にかつ容易に嵌合させることができ、これにより弾性軸部10を中心に機器搭載部材2を回転連結部材4に対して上下方向に回転可能な状態で確実にかつ良好に取り付けることができる。
すなわち、上下回転機構部7の軸受部9は、機器搭載部材2の取付部5内に互いに接近または離間する方向に弾性変形するように形成されたU字形状の一対の支持アーム11の互いに対向する対向部11aにそれぞれ同一軸上に対応して一体に形成されており、上下回転機構部7の弾性軸部10は、回転連結部材4の上部両側にその上方に向けて突出した状態で一体に形成された一対の支持突起部12に一体に形成され、この弾性軸部10の上部外周から下側に向けて逆U字形状にスリット孔12aが設けられていることにより、弾性軸部10を軸受部9に簡単にかつ容易に嵌合させることができる。
この場合、この上下回転機構部7では、回転連結部材4の上部を機器搭載部材2の取付部5内に下側から挿入させて、一対の支持突起部12を取付部5内の一対の支持アーム11間に配置させるだけで、一対の支持突起部12の各スリット孔12aによって一対の弾性軸部10を互いに接近する方向に弾性させることができるので、別部品を必要とせずに、簡単に一対の弾性軸部10を一対の支持アーム11の各対向部11a間に配置することができる。
また、この上下回転機構部7では、一対の弾性軸部10を一対の支持アーム11の各対向部11a間に配置させた状態で、一対の弾性軸部10を一対の支持突起部12の各軸受部9に対応させると、一対の弾性軸部10を互いに押し広げられる方向に弾性変形させることができるので、一対の弾性軸部10を一対の支持突起部12の各軸受部9に簡単にかつ確実に嵌合させることができる。これにより、回転連結部材4を機器搭載部材2に回転可能に連結させることができると共に、各弾性軸部10を中心に機器搭載部材2を回転連結部材4に対して上下方向に良好に回転させることができる。
また、水平回転機構部8は、台座3に設けられた嵌合筒部6と、回転連結部材4に設けられて嵌合筒部6に回転可能に嵌合する筒軸部13と、を備えていることにより、回転連結部材4を台座3に連結する際に、回転連結部材4の筒軸部13を台座3の嵌合筒部6に差し込むだけで、回転連結部材4の筒軸部13を台座3の嵌合筒部6に簡単にかつ容易に嵌合させることができ、これにより台座3の嵌合筒部6の軸中心を中心にして回転連結部材4を台座3に対して水平方向に回転可能な状態で確実にかつ良好に取り付けることができる。
この場合、この回転表示装置は、台座3に対して回転連結部材4を回転可能な状態で軸方向に対してロックするロック機構部24を備えていることにより、回転連結部材4の筒軸部13を台座3の嵌合筒部6に差し込んだ際に、ロック機構部24によって回転連結部材4の筒軸部13を台座3の嵌合筒部6に回転可能な状態で軸方向に対してロックすることができ、これにより回転連結部材4の筒軸部13が台座3の嵌合筒部6から不用意に抜け出すのを防ぐことができる。
すなわち、このロック機構部24は、回転連結部材4の下部外周に設けられた上側弾性フック部25と、台座3の嵌合筒部6に設けられて上側弾性フック部25を回転移動可能に係止する係止溝部26と、を備えていることにより、回転連結部材4の筒軸部13を台座3の嵌合筒部6に差し込む際に、上側弾性フック部25が弾性変形して係止溝部26内に挿入するので、上側弾性フック部25を係止溝部26に簡単にかつ容易に係止させることができる。
また、この回転表示装置では、回転連結部材4の回転範囲を規制する回転規制部21を備えていることにより、回転連結部材4の回転範囲を所定の角度範囲に位置規制することができる。すなわち、この回転規制部21は、筒軸部13の規制突起22が台座3の嵌合筒部6の規制溝23内に挿入された状態で、回転連結部材4が回転する際に、規制突起22を規制溝23の両端部間に位置するストッパ部23aに当接させることにより、回転連結部材4の回転範囲を所定の角度範囲に位置規制することができる。
この場合、回転規制部21は、回転連結部材4の回転範囲を180度〜330度の角度範囲で、好ましくは320度の角度範囲で位置規制することにより、機器搭載部材2を水平方向に良好に回転させることができると共に、回転連結部材4が1回転以上回転するのを防ぐことができ、これにより表示装置1の表示回路部1bと台座3の台座回路部3aとを接続する接続ケーブル27が1回転以上捩れないようにすることができる。
このように、この回転表示装置では、回転連結部材4の上部に設けられた上下回転機構部7によって機器搭載部材2を上下方向に回転可能に保持することができると共に、回転連結部材4の下部に設けられた水平回転機構部8によって回転連結部材4の筒軸部13を台座3の嵌合筒部6にその軸回りである水平方向に回転可能に取り付けることができ、これにより別部品を全く必要とせずに、必要最小限の部品点数で、台座3と機器搭載部材2とを確実にかつ良好に連結することができ、この状態で台座3の上方に機器搭載部材2を良好に保持することができる。
また、この回転表示装置では、機器搭載部材2の上下方向の回転角度を調整する仰角調整機構14と、機器搭載部材2の水平方向の回転角度を調整する回転角調整機構15と、を備えていることにより、仰角調整機構14によって機器搭載部材2の上下方向の回転角度を調整して、表示装置1の上下方向における傾きを良好に調整することができると共に、回転角調整機構15によって機器搭載部材2の水平方向の回転角度を調整して、表示装置1の左右方向における向きを良好に調整することができる。
この場合、仰角調整機構14は、機器搭載部材2の取付部5内にその回転中心を中心とする円弧に沿って設けられた一対の仰角ラック16と、回転連結部材4の上下回転機構部7に設けられて一対の仰角ラック16に沿って移動しながら順次弾力的に係止される一対の仰角弾性突起17と、を備えているので、上下回転機構部7の一対の弾性軸部10を一対の支持突起部12の各軸受部9に嵌合させる際に、一対の仰角ラック16に一対の仰角弾性突起17を係合させることができ、これにより別部品を必要とせずに、簡単にかつ容易に仰角調整機構14を容易に組み立てることができる。
また、回転角調整機構15は、台座3の嵌合筒部6の内周に設けられた回転ラック18と、回転連結部材4の筒軸部13の外周に設けられて回転ラック18に沿って移動しながら順次弾力的に係止される回転弾性突起19と、を備えているので、水平回転機構部8における回転連結部材4の筒軸部13を台座3に設けられた嵌合筒部6に差し込んで、回転連結部材4を台座3に対して水平方向に回転可能に取り付ける際に、回転ラック18に回転弾性突起19を係合させることができ、これにより別部品を必要とせずに、簡単にかつ容易に回転角調整機構15を容易に組み立てることができる。
なお、上述した実施形態では、仰角調整機構14の一対の仰角ラック16を機器搭載部材2の取付部5に設け、一対の仰角弾性突起17を回転連結部材4の一対の支持突起部12に設けた構成である場合について述べたが、これに限らず、一対の仰角ラック16を回転連結部材4の一対の支持突起部12に設け、一対の仰角弾性突起17を機器搭載部材2の取付部5に設けた構成であっても良い。
また、上述した実施形態では、回転角調整機構15の回転ラック18を台座3の嵌合筒部6の内周に設け、回転弾性突起19を回転連結部材4の筒軸部13の外周に設けた構成である場合について述べたが、これに限らず、回転ラック18を回転連結部材4の筒軸部13の外周に設け、回転弾性突起19を台座3の嵌合筒部6の内周に設けた構成であっても良い。
また、上述した実施形態では、回転止め部45が、台座3の嵌合筒部6の内周面に設けられた回転ラック18と、第1、第2の高さ調整支持部材30、31の下側筒軸部34の外周面に設けられて回転ラック18に係止される固定突起46と、を備えている場合について述べたが、これに限らず、台座3の嵌合筒部6の内周面に係止凹部を設け、この係止凹部に係止される弾性突起を第1、第2の高さ調整支持部材30、31の下側筒軸部34の外周面に設けた構成であっても良い。
さらに、上述した実施形態およびその各変形例では、表示装置1を備えた回転表示装置に適用した場合について述べたが、必ずしも回転表示装置である必要はなく、例えばスポットライトを備えた回転照明装置、カメラを備えた監視カメラ装置、スピーカを備えた回転式音響機器などの各種の回転式の電子機器に広く適用することができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
請求項1に記載の発明は、機器を搭載する機器搭載部材と、前記機器搭載部材の下側に位置する台座と、前記機器搭載部材を上下方向に回転可能に保持する上下回転機構部、および前記台座に対して水平方向に回転可能に取り付けられる水平回転機構部を有し、前記機器搭載部材を前記台座に連結する回転連結部材と、を備えていることを特徴とする電子機器である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、前記上下回転機構部は、前記機器搭載部材に設けられた軸受部と、前記回転連結部材に設けられて前記軸受部にその軸方向に弾性変形して嵌合する弾性軸部と、を備えていることを特徴とする電子機器である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の電子機器において、前記水平回転機構部は、前記台座に設けられた嵌合筒部と、前記回転連結部材に設けられて前記嵌合筒部に回転可能に嵌合する筒軸部と、を備えていることを特徴とする電子機器である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子機器において、前記台座に対して前記回転連結部材を回転可能な状態で軸方向に対してロックするロック機構部を備えていることを特徴とする電子機器である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の電子機器において、前記ロック機構部は、前記回転連結部材の下部外周に設けられたフック部と、前記台座に設けられて前記フック部を回転移動可能に係止する係止部と、を備えていることを特徴とする電子機器である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電子機器において、前記回転連結部材の回転範囲を規制する回転規制部を備えていることを特徴とする電子機器である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の電子機器において、前記回転規制部は、前記回転連結部材の回転範囲を180度〜330度の角度範囲で位置規制することを特徴とする電子機器である。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の電子機器において、前記回転連結部材は、前記機器搭載部材の上下方向の回転角度を調整する仰角調整機構と、前記機器搭載部材の水平方向の回転角度を調整する回転角調整機構と、を備えていることを特徴とする電子機器である。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の電子機器において、前記機器搭載部材に搭載される前記機器は、表示装置であることを特徴とする電子機器である。