JP2016102479A - ターボ式圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】スラスト動圧軸受の大型化を抑制できるターボ式圧縮機を提供すること。【解決手段】ターボ式圧縮機10は、回転軸12の先端部12bに連結されたインペラ14,15と、回転軸12を回転させる電動モータ13とを備え、インペラ14,15の回転によって流体を圧縮して吐出室32,42に吐出するものである。ターボ式圧縮機10は、インペラ14,15の回転によって生じるスラスト力Fを受けるスラスト動圧軸受81,82を備え、更に、吐出室32,42と、スラスト動圧軸受81,82が収容されたスラスト室90とが区画されたハウジング11を備えている。【選択図】図1
Description
本発明は、ターボ式圧縮機に関する。
従来から、ターボ式圧縮機は、回転軸及び回転軸に連結されたインペラを備え、インペラの回転によって流体を圧縮して吐出室に吐出するものが知られている(例えば特許文献1参照)。この場合、インペラが回転すると、スラスト力が発生する。これに対して、例えば特許文献1には、ターボ式圧縮機は、スラスト力を受けるスラスト動圧軸受を備えている。
ここで、例えばスラスト力が大きくなると、その大きなスラスト力を受けるためにスラスト動圧軸受が大型なものとなり易い。すると、ターボ式圧縮機の大型化が懸念される。特に、スラスト力はインペラの回転数が高くなるに従って大きくなるため、インペラの回転数を高くしようとすると上記問題が発生し易い。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的はスラスト動圧軸受の大型化を抑制できるターボ式圧縮機を提供することである。
上記目的を達成するターボ式圧縮機は、一端と他端とを有する回転軸の前記一端側に連結されたインペラの回転によって流体を圧縮して吐出室に吐出するターボ式圧縮機において、前記インペラの回転によって生じる前記回転軸の前記一端側から前記他端側に向かうスラスト力を受けるスラスト動圧軸受と、前記吐出室と、前記スラスト動圧軸受及び前記回転軸に固定された板状の支持プレートの双方が収容されたスラスト室と、が区画されたハウジングと、を備え、前記スラスト動圧軸受は、前記支持プレートと対向するスラスト軸支面を備え、前記スラスト室は、前記支持プレート及び前記スラスト動圧軸受によって区画された第1区画室及び第2区画室を有し、前記第1区画室は、前記支持プレートに対して前記インペラとは反対側に配置されており、前記第1区画室の圧力は前記第2区画室の圧力よりも高くなるように構成されており、前記スラスト軸支面には、前記第1区画室に充填されている流体が前記スラスト動圧軸受を介して前記第2区画室に向けて流入するのを規制するように構成された規制溝が形成されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、両区画室の圧力差によって、スラスト力に対する抗力が発生する。これにより、スラスト動圧軸受が受ける力を軽減することができる。この場合、第1区画室と第2区画室とで圧力差が生じている関係上、第1区画室に充填されている流体がスラスト動圧軸受を介して第2区画室に向けて流入し得る。すると、両区画室の圧力差が小さくなり、圧力差によって生じる抗力が小さくなり得る。
これに対して、本構成によれば、スラスト軸支面に形成された規制溝によって、上記流体の流入が規制されている。これにより、上記流体の流入による上記抗力の低下を抑制できる。よって、スラスト動圧軸受の大型化を抑制できる。
上記ターボ式圧縮機について、前記スラスト動圧軸受は、第1スラスト動圧軸受と第2スラスト動圧軸受とを備え、前記第1区画室は、前記支持プレートに対して前記インペラとは反対側に配置され、且つ、前記第1スラスト動圧軸受を用いて区画され、前記第2区画室は、前記支持プレートに対して前記第1区画室とは反対側に配置され、且つ、前記第2スラスト動圧軸受を用いて区画され、前記スラスト室は、前記第1スラスト動圧軸受を介して前記第1区画室と連通するとともに前記第2スラスト動圧軸受を介して前記第2区画室と連通する第3区画室を有し、前記第1スラスト動圧軸受は、前記支持プレートに対向する第1スラスト軸支面と、前記規制溝として、前記第1スラスト軸支面に形成され、前記第1区画室から前記第3区画室への流体の流入を規制する螺旋状の第1規制溝と、を備えたスパイラルグルーブ軸受であり、前記第2スラスト動圧軸受は、前記支持プレートに対向する第2スラスト軸支面と、前記規制溝として、前記第2スラスト軸支面に形成され、前記第3区画室から前記第2区画室への流体の流入を規制する螺旋状の第2規制溝と、を備えたスパイラルグルーブ軸受であるとよい。かかる構成によれば、第1区画室から第2区画室への流体の流入が、両スラスト動圧軸受によって規制されており、第3区画室が第1区画室及び第2区画室のバッファ層として機能する。そして、第1規制溝によって第1区画室から第3区画室に向かう流体の流入が規制され、第2規制溝によって第3区画室から第2区画室に向かう流体の流入が規制される。これにより、第3区画室を介する第1区画室から第2区画室への流体の流入を、より好適に抑制できる。
上記ターボ式圧縮機について、前記第1区画室は、環状の前記第1スラスト動圧軸受の内側に配置されており、前記第2区画室は、環状の前記第2スラスト動圧軸受の内側に配置されており、前記第3区画室は、前記両スラスト動圧軸受の外側に配置されており、前記第1スラスト動圧軸受は、外周側に第1開口を有し且つ内周側に第1基端面を有する前記第1規制溝を備えたポンプイン型のスパイラルグルーブ軸受であり、前記第2スラスト動圧軸受は、内周側に第2開口を有し且つ外周側に第2基端面を有する前記第2規制溝を備えたポンプアウト型のスパイラルグルーブ軸受であるとよい。かかる構成によれば、回転軸が回転した場合、第1スラスト軸支面と支持プレートとの間にて、外周側から内周側に向かう流れが誘起される。当該流れは、第1区画室から第3区画室に向かう流体の流れとは逆向きの流れである。これにより、第1区画室から第3区画室への流体の流入を規制できる。また、第1スラスト軸支面と支持プレートとの間にて、互いに向きが異なる流体が衝突することにより動圧が生じるため、第1スラスト動圧軸受によって支持プレートを好適に支持することができる。
同様に、回転軸が回転した場合、第2スラスト軸支面と支持プレートとの間にて、内周側から外周側に向かう流れが誘起される。当該流れは、第3区画室から第2区画室に向かう流体の流れとは逆向きの流れである。これにより、第3区画室から第2区画室への流体の流入を規制できる。また、第2スラスト軸支面と支持プレートとの間にて、互いに向きが異なる流体が衝突することにより動圧が生じるため、第2スラスト動圧軸受によって支持プレートを好適に非接触で支持することができる。
上記ターボ式圧縮機について、前記第1区画室は、環状の前記第1スラスト動圧軸受の内側に配置されており、前記第2区画室は、環状の前記第2スラスト動圧軸受の内側に配置されており、前記第3区画室は、前記両スラスト動圧軸受の外側に配置されており、前記第1スラスト動圧軸受は、前記第1規制溝としてヘリングボーン溝を備えたヘリングボーン型のスパイラルグルーブ軸受であり、前記第2スラスト動圧軸受は、内周側に第2開口を有し且つ外周側に第2基端面を有する前記第2規制溝を備えたポンプアウト型のスパイラルグルーブ軸受であるとよい。かかる構成によれば、回転軸が回転した場合、ヘリングボーン溝によって、第1区画室から第3区画室への流体の流入が規制される流れが誘起されるとともに、第1スラスト軸支面と支持プレートとの間に動圧が発生する。当該動圧は、ポンプイン型と比較して大きくなり易い。これにより、支持プレートを、より好適に非接触で支持することができる。
また、回転軸が回転した場合、第2スラスト軸支面と支持プレートとの間にて、内周側から外周側に向かう流れが誘起される。当該流れは、第3区画室から第2区画室に向かう流体の流れとは逆向きの流れである。これにより、第3区画室から第2区画室への流体の流入を規制できる。また、第2スラスト軸支面と支持プレートとの間にて、互いに向きが異なる流体が衝突することにより動圧が生じるため、第2スラスト動圧軸受によって支持プレートを非接触で支持することができる。以上のことから、支持プレートを非接触で支持するための動圧の確保しつつ、第1区画室から第2区画室への流体の流入を抑制できる。
上記ターボ式圧縮機について、前記支持プレートは、前記スラスト軸支面と対向する対向面を有し、当該対向面には、前記回転軸の軸線を中心とする円形のリング溝が形成されているとよい。かかる構成によれば、円形のリング溝がラビリンスシールとして機能するため、第1区画室から第2区画室への流体の流入を、より好適に抑制できる。また、リング溝は、回転軸の軸線を中心とする円形であるため、回転軸が回転した場合であっても偏心が生じにくい。よって、偏心を抑制しつつ、シール性の向上を図ることができる。
上記ターボ式圧縮機について、前記回転軸を回転させる電動モータを備え、前記ハウジングは、前記電動モータが収容されているものであって、前記第1区画室よりも圧力が低いモータ室と、前記モータ室と前記スラスト室とを仕切る仕切壁と、を備え、前記仕切壁には、前記第2区画室と前記モータ室とを連通させる連通孔が形成されているとよい。かかる構成によれば、モータ室とスラスト室とを仕切る仕切壁に形成された連通孔を介して、モータ室と第2区画室とが連通している。当該モータ室は、第1区画室よりも低圧に設定されている。よって、第2区画室を、第1区画室よりも低圧にできる。
上記ターボ式圧縮機について、前記ハウジングは、低圧流体を前記モータ室に吸入させるための低圧流体吸入口を有し、前記インペラは、第1インペラ及び第2インペラを有し、前記ハウジングには、前記第1インペラが収容された第1インペラ室と、前記第2インペラが収容されたものであって、前記モータ室の前記低圧流体が流入されるように前記モータ室と連通している第2インペラ室と、が区画されており、前記吐出室として、前記ハウジングに設けられた第1ディフューザ流路を介して前記第1インペラ室と連通している第1吐出室と、前記ハウジングに設けられた第2ディフューザ流路を介して前記第2インペラ室と連通している第2吐出室と、を有し、前記第1インペラにおける前記第1ディフューザ流路側の端面と、前記第2インペラにおける前記第2ディフューザ流路側の端面とが、互いに対向配置され、前記低圧流体が前記第2ディフューザ流路を通過することによって得られる前記第2吐出室の中間圧流体が前記第1インペラ室に供給され、前記中間圧流体が前記第1ディフューザ流路を通過することによって得られる前記第1吐出室の高圧流体の一部が、前記ハウジングに設けられたバイパス吸入口を介して前記第1区画室に供給されるとよい。かかる構成によれば、第1区画室には高圧流体が充填され、第2区画室には低圧流体が充填される。これにより、両区画室間にて圧力差が生じ、スラスト力に対する抗力が発生する。特に、中間圧流体ではなく、高圧流体と低圧流体とを用いることにより、両区画室間の圧力差を大きくすることができる。
この発明によれば、スラスト動圧軸受の大型化を抑制できる。
(第1実施形態)
以下、ターボ式圧縮機の第1実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態では、ターボ式圧縮機は車両に搭載されている。ターボ式圧縮機は、例えば流体装置としての車両空調装置に用いられる。なお、図1等においては、図示の都合上、回転軸12については側面図で示し、図2等においては、ドットハッチで圧力差を示す。
以下、ターボ式圧縮機の第1実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態では、ターボ式圧縮機は車両に搭載されている。ターボ式圧縮機は、例えば流体装置としての車両空調装置に用いられる。なお、図1等においては、図示の都合上、回転軸12については側面図で示し、図2等においては、ドットハッチで圧力差を示す。
図1に示すように、ターボ式圧縮機10は、その外郭を構成するハウジング11を備えている。ハウジング11は、全体として例えば円筒形状である。
ターボ式圧縮機10は、回転軸12と、回転軸12を回転させる電動モータ13と、回転軸12に連結された2つのインペラ14,15とを備えている。回転軸12は、本体部12aと、本体部12aよりも縮径され、且つ、両インペラ14,15が連結された先端部12bと、本体部12aよりも先端部12bとは反対側に配置された基端部12cとを有している。基端部12cは、本体部12aより縮径されており、且つ、先端部12bより拡径されている。
ターボ式圧縮機10は、回転軸12と、回転軸12を回転させる電動モータ13と、回転軸12に連結された2つのインペラ14,15とを備えている。回転軸12は、本体部12aと、本体部12aよりも縮径され、且つ、両インペラ14,15が連結された先端部12bと、本体部12aよりも先端部12bとは反対側に配置された基端部12cとを有している。基端部12cは、本体部12aより縮径されており、且つ、先端部12bより拡径されている。
なお、回転軸12の先端部12b側(すなわち回転軸12の先端側)を単に前側ともいい、回転軸12の基端部12c側(すなわち回転軸12の基端側)を単に後側とも言う。回転軸12の先端部12b側とは、回転軸12においてインペラ14,15が設けられている側とも言え、回転軸12の基端部12c側とは、回転軸12においてインペラ14,15とは反対側とも言える。本実施形態では、先端部12bが「回転軸の一端」に対応し、回転軸12の先端側が「一端側」に対応する。また、基端部12cが「回転軸の他端」に対応し、回転軸12の基端側が「他端側」に対応する。
ハウジング11は、インペラ14,15が収容されたインペラ室21,22等が区画されたフロントハウジング20を備えている。フロントハウジング20は、3つのパーツ20a〜20cで構成されており、各パーツ20a〜20cは、中間パーツ20cを第1パーツ20a及び第2パーツ20bで挟持した状態でユニット化されている。この場合、第1インペラ室21は、第1パーツ20a及び中間パーツ20cによって区画されており、第2インペラ室22は、第2パーツ20b及び中間パーツ20cによって区画されている。両インペラ室21,22は、中間パーツ20cを介して回転軸12の軸線方向Zに対向配置されている。
なお、中間パーツ20cには、回転軸12の先端部12bが挿通可能な挿通孔20ccが形成されており、回転軸12の先端部12bは、挿通孔20ccを貫通した状態で配置されている。このため、回転軸12の先端部12bは、両インペラ室21,22に跨って配置されている。
フロントハウジング20(詳細には第1パーツ20a)には、流体(例えば冷媒)が吸入される第1吸入口30が形成されている。第1吸入口30は、回転軸12の軸線方向Zの両端面12d,12eのうち両インペラ14,15が連結されている側の端面12d(以降単に回転軸12の先端面12dという)と対向する位置に配置されている。そして、第1吸入口30と、第1インペラ14が収容されている第1インペラ室21とは、回転軸12の軸線方向Zに連通している。
図1に示すように、第1インペラ14は、その基端面14aから先端面14bに向けて徐々に縮径した略円錐台形状である。第1インペラ14は、その先端面14bが基端面14aよりも第1吸入口30側に配置された状態で回転軸12の先端部12bに連結されている。第1インペラ室21は、第1インペラ14の形状に対応させて形成されており、詳細には第1インペラ14よりも一回り大きい円錐台形状である。
フロントハウジング20には、第1インペラ室21の外周側に配置された第1ディフューザ流路31と、第1ディフューザ流路31と連通している第1吐出室32とが区画されている。第1ディフューザ流路31は、第1インペラ14を囲む環状(詳細には円環状)である。第1吐出室32は、第1ディフューザ流路31の外周側に配置されている。第1インペラ室21と第1吐出室32とは、第1ディフューザ流路31を介して連通している。第1吐出室32は、フロントハウジング20に形成された第1吐出口(図示略)と連通している。第1インペラ14の基端面14aは、第1インペラ14における第1ディフューザ流路31側の端面である。
第2インペラ15は、第1インペラ14と同様に、その基端面15aから先端面15bに向けて徐々に縮径した略円錐台形状である。本実施形態では、第2インペラ15は、第1インペラ14よりも一回り小さく形成されており、詳細には、第2インペラ15の基端面15aの径は、第1インペラ14の基端面14aの径よりも短く設定されている。第2インペラ15は、その基端面15aが第1インペラ14の基端面14aと対向するように配置された状態で回転軸12の先端部12bに連結されている。すなわち、両インペラ14,15は、互いに基端面14a,15a同士が対向するように配置されている。
第2インペラ室22は、第2インペラ15に対応させて形成されており、詳細には第2インペラ15よりも一回り大きい円錐台形状である。
フロントハウジング20には、第2インペラ室22の外周側に配置された環状の第2ディフューザ流路41と、第2ディフューザ流路41よりも外周側に設けられているものであって第2ディフューザ流路41と連通している第2吐出室42とが区画されている。第2インペラ室22と第2吐出室42とは、第2ディフューザ流路41を介して連通している。第2吐出室42は、フロントハウジング20に形成された第2吐出口(図示略)と連通している。第2インペラ15の基端面15aは、第2インペラ15における第2ディフューザ流路41側の端面である。
フロントハウジング20には、第2インペラ室22の外周側に配置された環状の第2ディフューザ流路41と、第2ディフューザ流路41よりも外周側に設けられているものであって第2ディフューザ流路41と連通している第2吐出室42とが区画されている。第2インペラ室22と第2吐出室42とは、第2ディフューザ流路41を介して連通している。第2吐出室42は、フロントハウジング20に形成された第2吐出口(図示略)と連通している。第2インペラ15の基端面15aは、第2インペラ15における第2ディフューザ流路41側の端面である。
図1に示すように、ハウジング11は、フロントハウジング20と協働して電動モータ13が収容されるモータ室50を区画するモータハウジング51及びエンドプレート52を備えている。モータハウジング51は略円筒形状であって、その軸線方向の両端は開口している。エンドプレート52は、モータハウジング51の外径と同一径の円板状のプレート本体部53を有している。モータハウジング51の軸線方向の一方の開口端はフロントハウジング20の第2パーツ20bに突き合わさり、他方の開口端はプレート本体部53に突き合わさっている。モータ室50は、モータハウジング51、第2パーツ20b及びプレート本体部53によって区画されている。モータ室50は、第2インペラ室22に対して後側に配置されており、モータ室50と第2インペラ室22とは連通している。
電動モータ13は、回転軸12(詳細には回転軸12の本体部12a)に固定されたロータ61と、ロータ61の外側に配置されるものであってモータハウジング51に固定されたステータ62とを備えている。ロータ61とステータ62とは回転軸12と同一軸線上に配置されており、回転軸12の径方向に対向している。
ステータ62は、円筒形状のステータコア63と、ステータコア63に捲回されたコイル64とを備えている。コイル64に電流が流れることによって、ロータ61と回転軸12とが一体的に回転する。
図1に示すように、モータハウジング51内には、回転軸12の本体部12aが挿通可能な第1挿通孔71aが形成された第1ボス71が設けられている。また、エンドプレート52は、プレート本体部53から前側(換言すれば回転軸12の先端側)に突出した第2ボス72を有している。プレート本体部53及び第2ボス72には、回転軸12の本体部12aが挿通可能な第2挿通孔72aが形成されている。ボス71,72は、ロータ61に対して回転軸12の軸線方向Zの両側に配置されている。回転軸12の本体部12aは、両挿通孔71a,72aに挿通されている。
ここで、ボス71,72は、回転軸12の本体部12aの径よりも若干長い内径を有する円筒形状である。そして、ボス71,72の内周面と回転軸12の本体部12aとの間には、回転軸12を回転可能な状態で支持するラジアル軸受73が設けられている。なお、ラジアル軸受73の具体的な構成は任意であるが、例えば回転軸12の回転に伴って発生する動圧によって非接触で回転軸12を支持する動圧軸受等が考えられる。
ちなみに、図2に示すように、エンドプレート52は、プレート本体部53におけるモータ室50側の第1プレート板面53aと、第2ボス72の外周面72bとの双方に連続する湾曲面74を備えている。これにより、プレート本体部53において湾曲面74に対応する部分を含む第2ボス72との接続部分75は、プレート本体部53及び第2ボス72よりも肉厚となっている。
また、モータハウジング51には、第2吸入口76が形成されている。第2吸入口76は、モータハウジング51における電動モータ13よりもエンドプレート52側の位置に配置されている。
ここで、本実施形態では、図1の二点鎖線に示すように、両インペラ14,15が回転した場合に、回転軸12の先端側から基端側に向かうスラスト力Fが発生する。これに対して、ターボ式圧縮機10は、スラスト力Fを受けるための構成を備えている。当該構成について以下に詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、ターボ式圧縮機10は、回転軸12に固定された板状の支持プレート(スラストライナ)80を支持することによりスラスト力Fを受けるスラスト動圧軸受81,82を備えている。
支持プレート80は例えば円板状であって、その中央部には、基端部12cが嵌合可能な貫通孔80aが形成されている。支持プレート80は、その貫通孔80aに基端部12cが嵌合した状態で回転軸12に固定されている。この場合、回転軸12と支持プレート80とは一体回転する。
ハウジング11は、支持プレート80及びスラスト動圧軸受81,82の双方が収容されるスラスト室90を区画するリアハウジング91を備えている。リアハウジング91は、一方向に開口した有底円柱形状であり、リアハウジング91の開口部分とエンドプレート52とが突き合わさることによってスラスト室90が区画されている。スラスト室90は、リアハウジング91の内面91aと、エンドプレート52のプレート本体部53における第1プレート板面53aとは反対側の第2プレート板面53bとによって区画されている。
この場合、スラスト室90とモータ室50とは、エンドプレート52のプレート本体部53によって仕切られている。すなわち、エンドプレート52(詳細にはプレート本体部53)が、スラスト室90とモータ室50とを仕切る「仕切壁」に対応する。
図2に示すように、支持プレート80は、リアハウジング91の内面91a(詳細には有底円柱形状のリアハウジング91の底面)に対して回転軸12の軸線方向Zに対向する第1対向面80bと、プレート本体部53の第2プレート板面53bに対して回転軸12の軸線方向Zに対向する第2対向面80cとを備えている。両対向面80b,80cは、回転軸12の軸線方向Zと直交する方向の平面であって、回転軸12の軸線方向Zから見て円環状となっている。
そして、第1スラスト動圧軸受81は、支持プレート80に対して回転軸12の軸線方向Zの一方側(すなわち支持プレート80に対して後側)、詳細にはリアハウジング91の内面91aと第1対向面80bとの間に設けられている。第1スラスト動圧軸受81は、回転軸12の回転に伴って回転しないようにリアハウジング91の内面91aに固定されている。
第2スラスト動圧軸受82は、支持プレート80に対して回転軸12の軸線方向Zの他方側(すなわち支持プレート80に対して前側)、詳細には第2プレート板面53bと第2対向面80cとの間に設けられている。第2スラスト動圧軸受82は、回転軸12の回転に伴って回転しないように第2プレート板面53bに固定されている。
図3及び図4に示すように、第1スラスト動圧軸受81及び第2スラスト動圧軸受82は円環板状であって、各々の軸線と回転軸12とは、同一軸線上に配置されている。
ここで、本実施形態では、回転軸12の軸線方向Zから見て、第1スラスト動圧軸受81の少なくとも一部(本実施形態では全部)は、第2スラスト動圧軸受82と重ならないようになっている。詳細には、第1スラスト動圧軸受81の内径及び外径を第1内径Ri1及び第1外径Ro1とし、第2スラスト動圧軸受82の内径及び外径を第2内径Ri2及び第2外径Ro2とする。この場合、第1外径Ro1は第2内径Ri2以下に設定されていると好ましく、本実施形態では両者は同一に設定されている。つまり、両スラスト動圧軸受81,82は同心円状に配置されている。この場合、回転軸12の軸線方向Zから見て、第2スラスト動圧軸受82の内側に第1スラスト動圧軸受81が配置されているとも言える。
ここで、本実施形態では、回転軸12の軸線方向Zから見て、第1スラスト動圧軸受81の少なくとも一部(本実施形態では全部)は、第2スラスト動圧軸受82と重ならないようになっている。詳細には、第1スラスト動圧軸受81の内径及び外径を第1内径Ri1及び第1外径Ro1とし、第2スラスト動圧軸受82の内径及び外径を第2内径Ri2及び第2外径Ro2とする。この場合、第1外径Ro1は第2内径Ri2以下に設定されていると好ましく、本実施形態では両者は同一に設定されている。つまり、両スラスト動圧軸受81,82は同心円状に配置されている。この場合、回転軸12の軸線方向Zから見て、第2スラスト動圧軸受82の内側に第1スラスト動圧軸受81が配置されているとも言える。
ちなみに、第1内径Ri1は、支持プレート80の両対向面80b,80cの内径である第3内径以上に設定されており、第2外径Ro2は、支持プレート80の両対向面80b,80cの外径である第3外径以下に設定されている。すなわち、スラスト動圧軸受81,82は、対向面80b,80cの範囲内に配置されている。
第1スラスト動圧軸受81は、第1対向面80bと対向する第1スラスト軸支面81aを有している。第2スラスト動圧軸受82は、第2対向面80cと対向する第2スラスト軸支面82aを有している。ちなみに、第2スラスト軸支面82aの面積は、第1スラスト軸支面81aの面積よりも広く設定されている。
かかる構成によれば、回転軸12の回転に伴って支持プレート80が回転すると、第1対向面80bと第1スラスト軸支面81aとの間、及び、第2対向面80cと第2スラスト軸支面82aとの間に動圧が発生する。これにより、両スラスト動圧軸受81,82によって、支持プレート80が両スラスト軸支面81a,82aに対して非接触の状態で支持される。この場合、両スラスト軸支面81a,82aと支持プレート80との間には隙間が存在する。
図2に示すように、スラスト室90は、支持プレート80及びスラスト動圧軸受81,82によって区画された複数の区画室101〜103を有している。詳細には、スラスト室90は、支持プレート80に対してインペラ14,15とは反対側に配置された第1区画室101と、支持プレート80の第2対向面80cと第2プレート板面53bとの間に配置された第2区画室102とを有している。第1区画室101は、円環状の第1スラスト動圧軸受81の内側に配置されており、第2区画室102は、円環状の第2スラスト動圧軸受82の内側に配置されている。第3区画室103は、両スラスト動圧軸受81,82の外側に配置されている。なお、本実施形態では、第1区画室101の一部は、回転軸12の基端面12eに対してインペラ14,15とは反対側に配置されている。基端面12eは、回転軸12の軸線方向の両端面12d,12eのうち先端面12dとは反対側の端面である。回転軸12の先端側を一端側とすると、基端面12eは、回転軸12の他端側の端面と言える。
第1区画室101は、回転軸12の基端面12eとハウジング11(詳細にはリアハウジング91において基端面12eに対して回転軸12の軸線方向Zに対向する部位)との間に配置されている。第1区画室101は、回転軸12の基端面12e、リアハウジング91の内面91a、支持プレート80及び第1スラスト動圧軸受81によって区画されている。すなわち、第1スラスト動圧軸受81は、第1区画室101を区画するのに用いられている。第1区画室101は、ハウジング11(詳細にはリアハウジング91)に形成された第3吸入口104と連通している。第3吸入口104は、リアハウジング91における回転軸12の基端面12eと対向する位置に設けられている。
第2区画室102は、第1区画室101よりもエンドプレート52側の位置であって、支持プレート80に対して第1区画室101とは反対側の位置に配置されている。第2区画室102は、支持プレート80、第2プレート板面53b、回転軸12及び第2スラスト動圧軸受82によって区画されている。すなわち、第2スラスト動圧軸受82は、第2区画室102を区画するのに用いられている。
ここで、回転軸12の軸線方向Zから見て両スラスト動圧軸受81,82がずれるように、第2内径Ri2を第1内径Ri1よりも長くすることによって、第2区画室102が広がっている。
また、第3区画室103は、スラスト動圧軸受81,82を介して区画室101,102と連通している。第3区画室103は、支持プレート80の側面及び第1対向面80bの一部と、リアハウジング91の内面91aと、両スラスト動圧軸受81,82によって区画されている。
ここで、第1区画室101と第3区画室103との間の流体の移動は第1スラスト動圧軸受81によって規制され、第2区画室102と第3区画室103との間の流体の移動は第2スラスト動圧軸受82によって規制されている。
図2に示すように、スラスト室90とモータ室50とを仕切る仕切壁としてのエンドプレート52には、スラスト室90とモータ室50とを連通させる連通孔110が形成されている。連通孔110は、連通孔110は、プレート本体部53において比較的肉厚となっている接続部分75に形成されている。
ここで、円筒形状の第2ボス72に対応させて、接続部分75は、回転軸12の軸線方向Zから見て回転軸12を囲むような円環状となっている。かかる構成において、連通孔110は、接続部分75における第2吸入口76に対して比較的近い側の部位、詳細には回転軸12よりも第2吸入口76側の部位に形成されている。モータ室50と第2区画室102とは、連通孔110を介して連通しているため、第2区画室102の圧力はモータ室50の圧力と同様となる。なお、連通孔110の具体的な形状は任意であり、例えば円柱形状であっても角柱形状であってもよい。
本実施形態のターボ式圧縮機10は、スラスト力Fに対する抗力Nが発生するように、第1区画室101と第2区画室102とで圧力差が生じるように構成されている。詳細には、第1区画室101の圧力が第2区画室102の圧力よりも高く設定される。なお、第1スラスト動圧軸受81は、相対的に高圧な室を区画するためのものであると言え、第2スラスト動圧軸受82は、相対的に低圧な室を区画するためのものであると言える。
上記圧力差を発生させる構成について以下に説明する。
図1に示すように、ターボ式圧縮機10は、車両空調装置200の一部を構成している。車両空調装置200は、ターボ式圧縮機10の他に、凝縮器201、気液分離器202、膨張弁203及び蒸発器204を備えている。これら凝縮器201、気液分離器202、膨張弁203及び蒸発器204は、配管を介して接続されている。また、凝縮器201は、第1吐出口を介して第1吐出室32に接続されており、蒸発器204は、第2吸入口76に接続されている。
図1に示すように、ターボ式圧縮機10は、車両空調装置200の一部を構成している。車両空調装置200は、ターボ式圧縮機10の他に、凝縮器201、気液分離器202、膨張弁203及び蒸発器204を備えている。これら凝縮器201、気液分離器202、膨張弁203及び蒸発器204は、配管を介して接続されている。また、凝縮器201は、第1吐出口を介して第1吐出室32に接続されており、蒸発器204は、第2吸入口76に接続されている。
また、ターボ式圧縮機10は、第2吐出口を介して第2吐出室42と第1吸入口30とを接続する配管111を備えている。更に、車両空調装置200は、気液分離器202と膨張弁203とを接続している配管とは別に、気液分離器202と第3吸入口104とを接続するバイパス配管205を有している。
なお、本実施形態では、第2吸入口76が「低圧流体吸入口」に対応し、第3吸入口104が「バイパス吸入口」に対応し、バイパス配管205が「圧力調整部」に対応する。
上記のように構成されたターボ式圧縮機10及び車両空調装置200における流体の流れについて説明する。
上記のように構成されたターボ式圧縮機10及び車両空調装置200における流体の流れについて説明する。
回転軸12の回転に伴い両インペラ14,15が回転すると、図1の矢印A1に示すように、蒸発器204から吐出された比較的低圧の流体(以降低圧流体という)が第2吸入口76から吸入される。この場合、モータ室50は低圧空間となる。モータ室50に吸入された流体は、ロータ61及びステータ62間の隙間等を介して第2インペラ室22に向かう(図1の矢印A2参照)。そして、低圧流体は、第2インペラ15の遠心作用によって第2インペラ室22から第2ディフューザ流路41に送り込まれ、当該第2ディフューザ流路41にて圧縮されて第2吐出室42に吐出される。なお、第2吐出室42に導かれた流体の圧力は低圧流体の圧力よりも高い。なお、第2吐出室42に導かれた流体を中間圧流体という。
図1の矢印A3に示すように、中間圧流体は、第2吐出室42から吐出され、配管111を介して、第1吸入口30に吸入される。中間圧流体は、第1インペラ14の遠心作用によって第1インペラ室21から第1ディフューザ流路31に送り込まれ、当該第1ディフューザ流路31にて圧縮されて第1吐出室32に吐出される。第1吐出室32に導かれた流体の圧力は、中間圧流体の圧力よりも高い。なお、第1吐出室32に導かれた流体を高圧流体という。
高圧流体は、第2吐出室42から凝縮器201に供給される。そして、高圧流体の一部は、バイパス配管205を介して第3吸入口104に供給される。これにより、第1区画室101には、高圧流体が充填される。一方、第2区画室102とモータ室50とが連通孔110を介して連通しているため、第2区画室102には低圧流体が充填される。したがって、第1区画室101の圧力が、モータ室50及び第2区画室102の圧力よりも高くなる。これにより、スラスト力Fに対する抗力Nが回転軸12に付与される。詳細には、両区画室101,102の圧力差によって、回転軸12の基端面12eに対して押圧力が付与される。
ここで、既に説明した通り、第1区画室101の高圧流体の第2区画室102への流入は、両スラスト動圧軸受81,82及び第3区画室103によって規制されている。しかしながら、両スラスト動圧軸受81,82によって支持プレート80が支持されている状況においては、両スラスト軸支面81a,82aと支持プレート80との間には隙間が存在するため、当該隙間を介して、第1区画室101の高圧流体の一部がスラスト動圧軸受81,82を通過して、第2区画室102へ流入する。
これに対して、本実施形態では、両スラスト動圧軸受81,82に、スパイラルグルーブ軸受が採用されている。詳細には、図3及び図4に示すように、スラスト動圧軸受81,82のスラスト軸支面81a,82aには、上記高圧流体の流入を規制するように構成された規制溝121,122が形成されている。第1規制溝121は、第1区画室101から第3区画室103への高圧流体の流入を規制するように構成されており、第2規制溝122は、第3区画室103から第2区画室102への高圧流体の流入を規制するように構成されている。
両規制溝121,122について詳細に説明する。
図3に示すように、第1規制溝121は、円環状の第1スラスト軸支面81aにおいて外周から内周側に向けて螺旋状(詳細には対数螺旋状)に延びたスパイラル溝であり、所定のピッチで周方向に複数形成されている。複数の第1規制溝121の流入角は同一となっている。
図3に示すように、第1規制溝121は、円環状の第1スラスト軸支面81aにおいて外周から内周側に向けて螺旋状(詳細には対数螺旋状)に延びたスパイラル溝であり、所定のピッチで周方向に複数形成されている。複数の第1規制溝121の流入角は同一となっている。
第1スラスト軸支面81aは、第1規制溝121が形成されていない円環状の第1ランド部81aaを有している。第1ランド部81aaは、第1スラスト軸支面81aの内周側に配置されており、内周端に沿って存在している。第1規制溝121は、第1スラスト軸支面81aにおける第1ランド部81aa以外の領域に形成されている。第1規制溝121は、外周側に第1開口121aを有し、且つ、内周側に第1基端面121bを有している。換言すれば、第1規制溝121の延設方向の両端のうち外周側にある外周端は、第1規制溝121の延設方向に開放されている一方、上記両端のうち内周側にある内周端は閉じている。すなわち、第1スラスト動圧軸受81はポンプイン型のスパイラルグルーブ軸受である。
図4に示すように、第2規制溝122は、円環状の第2スラスト軸支面82aにおいて内周から外周側に向けて螺旋状(詳細には対数螺旋状)に延びたスパイラル溝であり、所定のピッチで周方向に複数形成されている。複数の第2規制溝122の流入角は同一となっている。
第2スラスト軸支面82aは、第2規制溝122が形成されていない円環状の第2ランド部82aaを有している。第2ランド部82aaは、第2スラスト軸支面82aの外周側に配置されており、外周端に沿って存在している。第2規制溝122は、第2スラスト軸支面82aにおける第2ランド部82aa以外の領域に形成されている。第2規制溝122は、内周側に第2開口122aを有し、且つ、外周側に第2基端面122bを有している。換言すれば、第2規制溝122の延設方向の両端のうち内周側にある内周端は、第2規制溝122の延設方向に開放されている一方、上記両端のうち外周側にある外周端は閉じている。すなわち、第2スラスト動圧軸受82はポンプアウト型のスパイラルグルーブ軸受である。
次に本実施形態の作用について説明する。
回転軸12の回転に伴って支持プレート80が回転すると、両規制溝121,122によって、高圧流体の漏れ方向(詳細には第1区画室101→第1スラスト動圧軸受81→第3区画室103→第2スラスト動圧軸受82→第2区画室102に向かう方向)とは逆方向の流れが誘起される。このため、第1区画室101から第2区画室102への高圧流体の流入が規制される。
回転軸12の回転に伴って支持プレート80が回転すると、両規制溝121,122によって、高圧流体の漏れ方向(詳細には第1区画室101→第1スラスト動圧軸受81→第3区画室103→第2スラスト動圧軸受82→第2区画室102に向かう方向)とは逆方向の流れが誘起される。このため、第1区画室101から第2区画室102への高圧流体の流入が規制される。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)ターボ式圧縮機10は、回転軸12の先端側の部位である先端部12bに連結されたインペラ14,15と、回転軸12を回転させる電動モータ13とを備え、インペラ14,15の回転によって流体を圧縮して吐出室32,42に吐出するものである。ターボ式圧縮機10は、インペラ14,15の回転によって生じるスラスト力Fを受けるスラスト動圧軸受81,82を備え、更に吐出室32,42、及び、スラスト動圧軸受81,82と支持プレート80との双方が収容されたスラスト室90が区画されたハウジング11を備えている。
(1)ターボ式圧縮機10は、回転軸12の先端側の部位である先端部12bに連結されたインペラ14,15と、回転軸12を回転させる電動モータ13とを備え、インペラ14,15の回転によって流体を圧縮して吐出室32,42に吐出するものである。ターボ式圧縮機10は、インペラ14,15の回転によって生じるスラスト力Fを受けるスラスト動圧軸受81,82を備え、更に吐出室32,42、及び、スラスト動圧軸受81,82と支持プレート80との双方が収容されたスラスト室90が区画されたハウジング11を備えている。
スラスト動圧軸受81,82は、支持プレート80の対向面80b,80cと対向するスラスト軸支面81a,82aを備えており、スラスト室90は、支持プレート80及びスラスト動圧軸受81,82によって区画された第1区画室101及び第2区画室102を有している。第1区画室101は、支持プレート80に対してインペラ14,15とは反対側に配置されている。すなわち、第1区画室101は、支持プレート80とハウジング11(詳細にはハウジング11において支持プレート80に対して回転軸12の軸線方向Zに対向する部位)との間に配置されている。第2区画室102は、支持プレート80に対して第1区画室101とは反対側に配置されている。第1区画室101の圧力は、第2区画室102の圧力よりも高くなるように構成されている。そして、スラスト軸支面81a,82aには、第1区画室101に充填されている高圧流体がスラスト動圧軸受81,82を介して第2区画室102に向けて流入するのを規制する規制溝121,122が形成されている。
かかる構成によれば、両区画室101,102の圧力差によって、スラスト力Fに対する抗力Nが発生する。これにより、スラスト動圧軸受81,82が受ける力を軽減することができる。また、規制溝121,122によって、第1区画室101に充填されている高圧流体の第2区画室102への流入が規制されている。したがって、高圧流体が第2区画室102に流入することによる両区画室101,102の圧力差の低下を抑制でき、それを通じて抗力Nの低下を抑制できる。よって、支持プレート80及びスラスト動圧軸受81,82の大型化を抑制できる。また、仮にインペラ14,15の高速回転化に伴ってスラスト力Fが大きくなったとしても、支持プレート80及びスラスト動圧軸受81,82の大型化を抑制しつつ、好適に対応できる。
(2)ターボ式圧縮機10は、第1スラスト動圧軸受81と第2スラスト動圧軸受82とを備えている。第1区画室101は、支持プレート80に対してインペラ14,15とは反対側に配置され、且つ、第1スラスト動圧軸受81を用いて区画されている。第2区画室102は、支持プレート80に対して第1区画室101とは反対側に配置され、且つ、第2スラスト動圧軸受82を用いて区画されている。また、スラスト室90は、スラスト動圧軸受81,82を介して区画室101,102と連通している第3区画室103を有している。かかる構成において、第1スラスト動圧軸受81は、第1区画室101から第3区画室103への流体の流入を規制する螺旋状の第1規制溝121が形成された第1スラスト軸支面81aを有するスパイラルグルーブ軸受である。第2スラスト動圧軸受82は、第3区画室103から第2区画室102への流体の流入を規制する螺旋状の第2規制溝122が形成された第2スラスト軸支面82aを有するスパイラルグルーブ軸受である。かかる構成によれば、第1区画室101に充填された高圧流体の第2区画室102への流入は、両スラスト動圧軸受81,82の双方によって規制されており、第3区画室103は、圧力が異なる第1区画室101と第2区画室102とのバッファ層(緩衝層)として機能している。さらに、両スラスト動圧軸受81,82としてスパイラルグルーブ軸受が採用されているため、高圧流体の第2区画室102への流入を、より好適に抑制できる。
(3)第1区画室101は、環状の第1スラスト動圧軸受81の内側に配置され、第2区画室102は、環状の第2スラスト動圧軸受82の内側に配置され、第3区画室103は、両スラスト動圧軸受81,82の外側に配置されている。そして、第1スラスト動圧軸受81は、ポンプイン型のスパイラルグルーブ軸受である。かかる構成によれば、回転軸12が回転した場合、第1スラスト軸支面81aと支持プレート80の第1対向面80bとの間にて、外周(つまり第3区画室103側)から内周(つまり第1区画室101側)に向かう流れが誘起される。これにより、第1区画室101から第3区画室103への流体の流入が規制される。また、第1スラスト軸支面81aと第1対向面80bとの間で、互いに向きが異なる流体が衝突することにより動圧が発生する。これにより、支持プレート80を好適に支持できる。
また、第2スラスト動圧軸受82は、ポンプアウト型のスパイラルグルーブ軸受である。これにより、第2スラスト軸支面82aと支持プレート80の第2対向面80cとの間にて、内周(つまり第2区画室102側)から外周(つまり第3区画室103側)に向かう流れが誘起される。これにより、第3区画室103から第2区画室102への流体の流入が規制される。また、第2スラスト軸支面82aと第2対向面80cとの間で、互いに向きが異なる流体が衝突することにより動圧が発生する。これにより、支持プレート80を好適に支持できる。
(4)ターボ式圧縮機10は、回転軸12を回転させる電動モータ13を備えている。ハウジング11は、電動モータ13が収容され、且つ、第1区画室101よりも圧力が低いモータ室50と、モータ室50とスラスト室90とを仕切る仕切壁としてのエンドプレート52(詳細にはプレート本体部53)とを備えている。そして、エンドプレート52には、第2区画室102とモータ室50とを連通させる連通孔110が形成されている。かかる構成によれば、エンドプレート52に形成された連通孔110を介して、モータ室50と第2区画室102とが連通しているため、第2区画室102を、第1区画室101よりも低圧にできる。よって、比較的容易に(1)等の効果を得ることができる。
(5)ハウジング11は、低圧流体をモータ室50に吸入させるための低圧流体吸入口としての第2吸入口76を有している。また、両インペラ14,15は、互いに基端面14a,15a同士が対向配置されている。そして、ハウジング11には、インペラ14,15が収容されたインペラ室21,22と、当該ハウジング11に設けられたディフューザ流路31,41を介してインペラ室21,22と連通している吐出室32,42とが区画されている。モータ室50と第2インペラ室22とは連通している。
かかる構成において、ターボ式圧縮機10は、低圧流体が第2ディフューザ流路41を通過することによって得られる第2吐出室42の中間圧流体が、第1インペラ室21に供給されるように構成されている。そして、ターボ式圧縮機10は、中間圧流体が第1ディフューザ流路31を通過することによって得られる高圧流体の一部が、ハウジング11に設けられたバイパス吸入口としての第3吸入口104を介して第1区画室101に供給されるように構成されている。これにより、第1区画室101には高圧流体が充填され、第2区画室102には低圧流体が充填されるため、両区画室101,102間で圧力差が生じ、スラスト力Fの抗力Nが生じる。
特に、本実施形態では、両区画室101,102のいずれか一方に中間圧流体が充填される構成と比較して、両区画室101,102間の圧力差が大きくなっているため、その分だけ上記抗力Nを大きくすることができる。
(6)回転軸12の基端部12cは、本体部12aよりも縮径されている。これにより、支持プレート80及びスラスト動圧軸受81,82においては、スラスト力Fを受ける面積を確保しつつ小型化を図ることができる。一方、基端部12cは、先端部12bよりは拡径されている。これにより、回転軸12の基端面12eの面積を、ある程度確保することができるため、両区画室101,102の圧力差によって生じるものであって回転軸12に付与される抗力Nを大きくすることができる。
(7)回転軸12の軸線方向Zから見て、第1スラスト動圧軸受81の少なくとも一部は、第2スラスト動圧軸受82と重ならないようになっている。これにより、高圧側の第1スラスト動圧軸受81によるスラスト力Fの受圧が、低圧側の第2スラスト動圧軸受82によって阻害されることを抑制できるため、スラスト動圧軸受81,82及び支持プレート80を大きくすることなく、スラスト力Fに対する抗力Nを大きくできる。
例えば、仮に、第1区画室101の圧力を15kgf/cm2とし、第2区画室102の圧力を2.0kgf/cm2とし、第3区画室103の圧力を11kgf/cm2とし、両スラスト軸支面81a,82aの圧力分布が線形であると仮定する。かかる条件において、仮に、両スラスト動圧軸受81,82を同一形状とし、その内径及び外径を4.4cm及び8.0cmと仮定して得られる抗力Nを計算すると、約228kgfとなる。
一方、仮に、第1内径Ri1を4.4cmとし、第1外径Ro1及び第2内径Ri2を6.0cmとし、第2外径Ro2を8.0cmとして得られる抗力Nを計算すると、約243kgfとなる。
(8)両スラスト動圧軸受81,82は、回転軸12の軸線方向Zから見て円環状であって、各々の軸線と回転軸12とは、同一軸線上に配置されている。第1スラスト動圧軸受81の外径である第1外径Ro1は、第2スラスト動圧軸受82の内径である第2内径Ri2以下に設定されている。かかる構成によれば、回転軸12の軸線方向Zから見て、第2スラスト動圧軸受82の内側に第1スラスト動圧軸受81が配置されている。この場合、第1スラスト動圧軸受81の全部が、回転軸12の軸線方向Zから見て第2スラスト動圧軸受82と重ならない。これにより、スラスト力Fに対する抗力Nの更なる向上を図ることができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、図5及び図6に示すように、両スラスト動圧軸受181,182の形状等が第1実施形態と異なっている。その異なる点について以下に詳細に説明する。
本実施形態では、図5及び図6に示すように、両スラスト動圧軸受181,182の形状等が第1実施形態と異なっている。その異なる点について以下に詳細に説明する。
図5及び図6に示すように、本実施形態では、両スラスト動圧軸受181,182の形状は同一となっている。両スラスト動圧軸受181,182の内径Ri11は、第1実施形態の第1内径Ri1と同一に設定されており、両スラスト動圧軸受181,182の外径Ro11は、第1実施形態の第2外径Ro2と同一に設定されている。
また、本実施形態の第1規制溝191は、ヘリングボーン溝となっている。詳細には、図5に示すように、第1規制溝191は、螺旋の傾斜方向が相違する第1螺旋溝191aと第2螺旋溝191bとを有している。第1螺旋溝191aは、第1スラスト軸支面181aにおける内周側に配置されている。第1螺旋溝191aは、内周側に開口191aaを有し、且つ、開口191aaよりも外周側に基端面191abを有している。第1螺旋溝191aは、周方向に複数並設されている。第2螺旋溝191bは、第1スラスト軸支面181aにおける外周側に配置されている。第2螺旋溝191bは、外周側に開口191baを有し、且つ、当該開口191baよりも内周側に基端面191bbを有している。第2螺旋溝191bは、周方向に複数並設されている。なお、本実施形態では、両螺旋溝191a,191bのピッチ及び数は同一である。
ちなみに、本実施形態では、第1スラスト軸支面181aは、両螺旋溝191a,191bの間に配置された第1ランド部181aaを備えている。第1ランド部181aaには、両螺旋溝191a,191bが形成されていない。つまり、本実施形態では、両螺旋溝191a,191bは連通していない。
図6に示すように、第2スラスト動圧軸受182はポンプアウト型である。詳細には、第2スラスト動圧軸受182の第2スラスト軸支面182aには、内周側に開口192aを有し且つ外周側に基端面192bを有する螺旋状の第2規制溝192が周方向に複数形成されている。第1実施形態の第2スラスト軸支面82aと比較して、第2スラスト軸支面182aの方が広くなっていることに対応させて、第2規制溝192の長手方向(つまり延設方向)の長さは、第1実施形態の第2規制溝122よりも長く設定されている。また、第2スラスト軸支面182aには、その外周に沿ってランド部182aaがある。なお、第2規制溝192の長手方向の長さは任意であり、例えば第1実施形態の第2規制溝122と同一に設定されていてもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(9)第1スラスト動圧軸受181は、第1規制溝191としてヘリングボーン溝を備えたヘリングボーン型のスパイラルグルーブ軸受である。これにより、回転軸12が回転した場合、第1区画室101から第3区画室103への高圧流体の流入が規制される流れが誘起されるとともに、第1スラスト軸支面81aと第1対向面80bとの間にて動圧が発生する。当該動圧は、ポンプイン型と比較して大きくなり易い。これにより、(1)等の効果を確保しつつ、支持プレート80を、より好適に支持することができる。特に、大きな動圧を確保することができるため、単位面積当たりにおいて第1スラスト軸支面181aが受けることができるスラスト力Fを大きくすることができる。
(9)第1スラスト動圧軸受181は、第1規制溝191としてヘリングボーン溝を備えたヘリングボーン型のスパイラルグルーブ軸受である。これにより、回転軸12が回転した場合、第1区画室101から第3区画室103への高圧流体の流入が規制される流れが誘起されるとともに、第1スラスト軸支面81aと第1対向面80bとの間にて動圧が発生する。当該動圧は、ポンプイン型と比較して大きくなり易い。これにより、(1)等の効果を確保しつつ、支持プレート80を、より好適に支持することができる。特に、大きな動圧を確保することができるため、単位面積当たりにおいて第1スラスト軸支面181aが受けることができるスラスト力Fを大きくすることができる。
なお、両螺旋溝191a,191bのピッチ及び数は同一に限られず、異なっていてもよい。例えば、第1螺旋溝191aによって誘起される流れよりも第2螺旋溝191bによって誘起される流れが強くなるように、両螺旋溝191a,191bのピッチ及び数を異ならせてもよい。また、第1ランド部181aaを省略して、両螺旋溝191a,191bが連通していてもよい。
なお、本実施形態では、両スラスト動圧軸受181,182は、同一形状であったが、これに限られず、第1実施形態のように、第1スラスト動圧軸受と第2スラスト動圧軸受とが重ならないようになっていてもよい。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図7〜図9に示すように、支持プレート80の対向面80b,80cには、回転軸12の軸線を中心とする円形のリング溝(オリフィス)80ba,80caが形成されていてもよい。詳細には、図7に示すように、第1リング溝80baは、第1対向面80bにおける第1スラスト軸支面81aと対向する対向領域に設けられている。図8に示すように、第1リング溝80baは、同心円状に複数形成されている。
○ 図7〜図9に示すように、支持プレート80の対向面80b,80cには、回転軸12の軸線を中心とする円形のリング溝(オリフィス)80ba,80caが形成されていてもよい。詳細には、図7に示すように、第1リング溝80baは、第1対向面80bにおける第1スラスト軸支面81aと対向する対向領域に設けられている。図8に示すように、第1リング溝80baは、同心円状に複数形成されている。
同様に、図7に示すように、第2リング溝80caは、第2対向面80cにおける第2スラスト軸支面82aと対向する対向領域に設けられている。図9に示すように、第2リング溝80caは、同心円状に複数形成されている。
かかる構成によれば、回転軸12が回転した場合、リング溝80ba,80caによって、第1区画室101から第2区画室102への高圧流体の流入が規制される。つまり、リング溝80ba,80caがラビリンスシールとして機能する。これにより、上記高圧流体の流入を、より抑制することができる。また、リング溝80ba,80caは、回転軸12の軸線を中心とする円形であるため、回転軸12が回転した場合であっても、偏心が生じにくい。よって、偏心を抑制しつつ、シール性の更なる向上を図ることができる。なお、リング溝80ba,80caは、上記別例のように、対向領域のみにあってもよいし、対向面80b,80cの全域にあってもよい。
○ スラスト動圧軸受81,82は円環状に限られず、環状であれば任意である。
○ ヘリングボーン溝の第1規制溝191とは別に、第1区画室101から第3区画室103への流体の流入が規制される流れを誘起させる溝が別途設けられていてもよい。これにより、単位面積当たりにおいて第1スラスト軸支面181aが受けることができるスラスト力Fを、より大きくすることができる。
○ ヘリングボーン溝の第1規制溝191とは別に、第1区画室101から第3区画室103への流体の流入が規制される流れを誘起させる溝が別途設けられていてもよい。これにより、単位面積当たりにおいて第1スラスト軸支面181aが受けることができるスラスト力Fを、より大きくすることができる。
○ 同様に、第2スラスト軸支面82a,182aに、ヘリングボーン溝とは別に、第3区画室103から第2区画室102への流体の流入が規制される流れを誘起させる溝が別途設けられていてもよい。
○ 第1実施形態と第2実施形態とを適宜組み合わせてもよい。例えば第1実施形態の第1スラスト軸支面81aに、ヘリングボーン形状の溝が形成されていてもよいし、第2実施形態の第1スラスト動圧軸受181がポンプイン型のスパイラルグルーブ軸受であってもよい。
○ 回転軸12の軸線方向Zから見て、第1スラスト動圧軸受81の内側に第2スラスト動圧軸受82が配置されていてもよい。つまり、第2外径Ro2が第1内径Ri1以下に設定されていてもよい。
抗力Nは、両スラスト動圧軸受81,82の形状(大小関係)と第3区画室103の圧力とに依存する。このため、例えば、第1スラスト動圧軸受81と第2スラスト動圧軸受82との大小関係は、第3区画室103の圧力に応じて決定されてもよい。要は、両スラスト動圧軸受81,82の大きさが同一である場合よりも抗力Nが大きくなるように、第3区画室103の圧力に対応させて、第1スラスト動圧軸受81と第2スラスト動圧軸受82との大小関係(例えば第1スラスト動圧軸受81の内側に第2スラスト動圧軸受82が配置されるのか、第2スラスト動圧軸受82の内側に第1スラスト動圧軸受81が配置されるのか)を適宜決定してもよい。
○ ターボ式圧縮機10は、配管等を介して、第2吐出室42から吐出される中間圧流体が第1吸入口30と第3吸入口104との双方に供給される構成であってもよい。この場合、第1区画室101が中間圧となり、第2区画室102が低圧となる。
○ 第1吸入口30に低圧流体が供給される構成であってもよい。詳細には、図10に示すように、車両空調装置200は、配管を介して、蒸発器204から吐出される低圧流体が第1吸入口30に供給され、且つ、第2吐出室42から吐出される流体の一部が凝縮器201及び気液分離器202を介して第3吸入口104に供給されるように構成されている。そして、ハウジング11(詳細にはフロントハウジング20)には、第1吐出室32とモータ室50とを連通する中間圧ポート210が形成されている。なお、本別例においては、第2吸入口76は形成されていない。
かかる構成によれば、流体は、第1吸入口30→第1インペラ室21→第1ディフューザ流路31→第1吐出室32→中間圧ポート210→モータ室50→第2インペラ室22→第2ディフューザ流路41→第2吐出室42の順に流れる。この場合、モータ室50には、低圧流体が第1ディフューザ流路31を通過することによって得られた中間圧流体が充填される。このため、第2区画室102には中間圧流体が充填されることとなる。また、第2吐出室42から吐出される流体は高圧流体であるため、第1区画室101には高圧流体が充填される。これにより、第1区画室101と第2区画室102とで圧力差が生じるため、スラスト力Fに対する抗力Nが生じる。
○ 連通孔110の位置及び形状等は任意である。同様に、第2吸入口76の位置も実施形態のものに限られず任意である。
○ 2つのインペラ14,15のうちいずれか一方を省略してもよい。この場合、省略するインペラに対応するディフューザ流路及び吐出室を省略してもよい。
○ 2つのインペラ14,15のうちいずれか一方を省略してもよい。この場合、省略するインペラに対応するディフューザ流路及び吐出室を省略してもよい。
○ 回転軸12は、基端部12cと本体部12aとで径が異なっていたが、これに限られず、同一であってもよい。先端部12bについても同様である。
○ 支持プレート80及び両スラスト動圧軸受81,82,181,182の外径は、第1インペラ14の最大外径以下であってもよい。
○ 支持プレート80及び両スラスト動圧軸受81,82,181,182の外径は、第1インペラ14の最大外径以下であってもよい。
○ ターボ式圧縮機10の搭載対象は、車両に限られず、任意である。
○ ターボ式圧縮機10は、車両空調装置200の一部に用いられていたが、これに限られず、他の用途に用いてもよい。例えば、車両が燃料電池を搭載した燃料電池車両(FCV)である場合には、当該ターボ式圧縮機10は、上記燃料電池に空気を供給する供給装置に用いられてもよい。要は、圧縮対象の流体は、冷媒であってもよいし空気などであってもよく、流体装置は、車両空調装置200に限られず、任意である。
○ ターボ式圧縮機10は、車両空調装置200の一部に用いられていたが、これに限られず、他の用途に用いてもよい。例えば、車両が燃料電池を搭載した燃料電池車両(FCV)である場合には、当該ターボ式圧縮機10は、上記燃料電池に空気を供給する供給装置に用いられてもよい。要は、圧縮対象の流体は、冷媒であってもよいし空気などであってもよく、流体装置は、車両空調装置200に限られず、任意である。
次に、上記各実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
(イ)前記リング溝は、同心円状に複数形成されている請求項5に記載のターボ式圧縮機。
(イ)前記リング溝は、同心円状に複数形成されている請求項5に記載のターボ式圧縮機。
(ロ)一端と他端とを有する回転軸の前記一端側に連結されたインペラの回転によって流体を圧縮して吐出室に吐出するターボ式圧縮機を備えた流体装置において、前記ターボ式圧縮機は、前記インペラの回転によって生じる前記回転軸の前記一端側から前記他端側に向かうスラスト力を受けるスラスト動圧軸受と、前記吐出室と、前記スラスト動圧軸受及び前記回転軸に固定された板状の支持プレートの双方が収容されたスラスト室と、が区画されたハウジングと、を備え、前記スラスト動圧軸受は、前記支持プレートと対向するスラスト軸支面を備え、前記スラスト室は、前記支持プレート及び前記スラスト動圧軸受によって区画された第1区画室及び第2区画室を有し、前記第1区画室は、前記支持プレートに対して前記インペラとは反対側に配置されており、前記流体装置は、前記第1区画室の圧力が前記第2区画室の圧力よりも高くなるように圧力調整を行う圧力調整部を備え、前記スラスト軸支面には、前記第1区画室に充填されている流体が前記スラスト動圧軸受を介して前記第2区画室に向けて流入するのを規制するように構成された規制溝が形成されていることを特徴とする流体装置。
10…ターボ式圧縮機、11…ハウジング、12…回転軸、13…電動モータ、14,15…インペラ、14a,15a…インペラの基端面、21…第1インペラ室、22…第2インペラ室、31,41…ディフューザ流路、32,42…吐出室、50…モータ室、52…エンドプレート(仕切壁)、53…プレート本体部、76…第2吸入口、80…支持プレート、80b,80c…対向面、80ba,80ca…リング溝、81,82,181,182…スラスト動圧軸受、81a,82a,181a,182a…スラスト軸支面、90…スラスト室、91a…リアハウジングの内面、101…第1区画室、102…第2区画室、103…第3区画室、104…第3吸入口、110…連通孔、121,122,191,192…規制溝、121a,122a,191aa,191ba,192a…開口、121b,122b,191ab,191bb,192b…基端面、200…車両空調装置、205…バイパス配管。
Claims (7)
- 一端と他端とを有する回転軸の前記一端側に連結されたインペラの回転によって流体を圧縮して吐出室に吐出するターボ式圧縮機において、
前記インペラの回転によって生じる前記回転軸の前記一端側から前記他端側に向かうスラスト力を受けるスラスト動圧軸受と、
前記吐出室と、前記スラスト動圧軸受及び前記回転軸に固定された板状の支持プレートの双方が収容されたスラスト室と、が区画されたハウジングと、
を備え、
前記スラスト動圧軸受は、前記支持プレートと対向するスラスト軸支面を備え、
前記スラスト室は、前記支持プレート及び前記スラスト動圧軸受によって区画された第1区画室及び第2区画室を有し、
前記第1区画室は、前記支持プレートに対して前記インペラとは反対側に配置されており、
前記第1区画室の圧力は前記第2区画室の圧力よりも高くなるように構成されており、
前記スラスト軸支面には、前記第1区画室に充填されている流体が前記スラスト動圧軸受を介して前記第2区画室に向けて流入するのを規制するように構成された規制溝が形成されていることを特徴とするターボ式圧縮機。 - 前記スラスト動圧軸受は、第1スラスト動圧軸受と第2スラスト動圧軸受とを備え、
前記第1区画室は、前記支持プレートに対して前記インペラとは反対側に配置され、且つ、前記第1スラスト動圧軸受を用いて区画され、
前記第2区画室は、前記支持プレートに対して前記第1区画室とは反対側に配置され、且つ、前記第2スラスト動圧軸受を用いて区画され、
前記スラスト室は、前記第1スラスト動圧軸受を介して前記第1区画室と連通するとともに前記第2スラスト動圧軸受を介して前記第2区画室と連通する第3区画室を有し、
前記第1スラスト動圧軸受は、
前記支持プレートに対向する第1スラスト軸支面と、
前記規制溝として、前記第1スラスト軸支面に形成され、前記第1区画室から前記第3区画室への流体の流入を規制する螺旋状の第1規制溝と、
を備えたスパイラルグルーブ軸受であり、
前記第2スラスト動圧軸受は、
前記支持プレートに対向する第2スラスト軸支面と、
前記規制溝として、前記第2スラスト軸支面に形成され、前記第3区画室から前記第2区画室への流体の流入を規制する螺旋状の第2規制溝と、
を備えたスパイラルグルーブ軸受である請求項1に記載のターボ式圧縮機。 - 前記第1区画室は、環状の前記第1スラスト動圧軸受の内側に配置されており、
前記第2区画室は、環状の前記第2スラスト動圧軸受の内側に配置されており、
前記第3区画室は、前記両スラスト動圧軸受の外側に配置されており、
前記第1スラスト動圧軸受は、外周側に第1開口を有し且つ内周側に第1基端面を有する前記第1規制溝を備えたポンプイン型のスパイラルグルーブ軸受であり、
前記第2スラスト動圧軸受は、内周側に第2開口を有し且つ外周側に第2基端面を有する前記第2規制溝を備えたポンプアウト型のスパイラルグルーブ軸受である請求項2に記載のターボ式圧縮機。 - 前記第1区画室は、環状の前記第1スラスト動圧軸受の内側に配置されており、
前記第2区画室は、環状の前記第2スラスト動圧軸受の内側に配置されており、
前記第3区画室は、前記両スラスト動圧軸受の外側に配置されており、
前記第1スラスト動圧軸受は、前記第1規制溝としてヘリングボーン溝を備えたヘリングボーン型のスパイラルグルーブ軸受であり、
前記第2スラスト動圧軸受は、内周側に第2開口を有し且つ外周側に第2基端面を有する前記第2規制溝を備えたポンプアウト型のスパイラルグルーブ軸受である請求項2に記載のターボ式圧縮機。 - 前記支持プレートは、前記スラスト軸支面と対向する対向面を有し、
当該対向面には、前記回転軸の軸線を中心とする円形のリング溝が形成されている請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のターボ式圧縮機。 - 前記回転軸を回転させる電動モータを備え、
前記ハウジングは、
前記電動モータが収容されているものであって、前記第1区画室よりも圧力が低いモータ室と、
前記モータ室と前記スラスト室とを仕切る仕切壁と、
を備え、
前記仕切壁には、前記第2区画室と前記モータ室とを連通させる連通孔が形成されている請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のターボ式圧縮機。 - 前記ハウジングは、低圧流体を前記モータ室に吸入させるための低圧流体吸入口を有し、
前記インペラは、第1インペラ及び第2インペラを有し、
前記ハウジングには、
前記第1インペラが収容された第1インペラ室と、
前記第2インペラが収容されたものであって、前記モータ室の前記低圧流体が流入されるように前記モータ室と連通している第2インペラ室と、
が区画されており、
前記吐出室として、
前記ハウジングに設けられた第1ディフューザ流路を介して前記第1インペラ室と連通している第1吐出室と、
前記ハウジングに設けられた第2ディフューザ流路を介して前記第2インペラ室と連通している第2吐出室と、
を有し、
前記第1インペラにおける前記第1ディフューザ流路側の端面と、前記第2インペラにおける前記第2ディフューザ流路側の端面とが、互いに対向配置され、
前記低圧流体が前記第2ディフューザ流路を通過することによって得られる前記第2吐出室の中間圧流体が前記第1インペラ室に供給され、
前記中間圧流体が前記第1ディフューザ流路を通過することによって得られる前記第1吐出室の高圧流体の一部が、前記ハウジングに設けられたバイパス吸入口を介して前記第1区画室に供給される請求項6に記載のターボ式圧縮機。
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JP2014242481A JP2016102479A (ja) | 2014-11-28 | 2014-11-28 | ターボ式圧縮機 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2022059233A (ja) * | 2020-10-01 | 2022-04-13 | 株式会社荏原製作所 | ポンプ用電動機およびポンプ装置 |
WO2024180690A1 (ja) * | 2023-02-28 | 2024-09-06 | 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 | 遠心圧縮機 |
-
2014
- 2014-11-28 JP JP2014242481A patent/JP2016102479A/ja active Pending
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JP7458284B2 (ja) | 2020-10-01 | 2024-03-29 | 株式会社荏原製作所 | ポンプ用電動機およびポンプ装置 |
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