三重引戸は、ラック・ピニオンギア構造部等を含んで第一開閉ドア及び第二開閉ドアを連動させる二重引戸装置に対し、更に第三開閉ドアと連動装置とを付加してなる。三重引戸は、二重引戸装置をベースにした構造のものである。
以下、図面を参照しながら実施例1を説明する。図1は本発明の三重引戸の閉状態を示す正面図である。また、図2は三重引戸における自動開閉装置の断面図、図3は図2の自動開閉装置における駆動装置を装置正面左側から見た時の概略図、図4は図2の自動開閉装置の駆動装置を装置正面右側から見た時の概略図、図5は高速ドアと吊り金具構造部の概略図、図6は中速ドアと吊り金具構造部の概略図、図7は低速ドアと吊り金具構造部の概略図である。
図1において、引用符号1は引分の三重引戸を示す。この三重引戸1は、人の通行や物の搬入等のために左右方向に開閉する自動ドア装置の一種である。
左右両側から内側に向けて順に説明をすると、三重引戸1は、一対の第一開閉ドア2と、一対の第二開閉ドア3と、一対の第三開閉ドア4とを備えて構成される。また、これらドアを開閉動させるために上カバー5内に設けられる自動開閉装置6を備えて構成される。尚、図中の配置にある第一開閉ドア2は、低速ドアや低速開閉ドアと呼んでもよい。また、第二開閉ドア3は、中速ドアや中速開閉ドアと呼んでもよい。さらに、第三開閉ドア4は、高速ドアや高速開閉ドアと呼んでもよい。
第一開閉ドア2、第二開閉ドア3、及び第三開閉ドア4は、特に符号を付さないが、それぞれ矩形の枠部と、この枠部の内側に嵌め込まれるガラス部とを有する。枠部の上端には、後述する吊り金具構造部がそれぞれ設けられる。
図2ないし図4において、自動開閉装置6は、図示しないドアコントローラーと、このドアコントローラーにより制御される駆動装置7と、二重引戸装置8と、この二重引戸装置8における第二開閉ドア3を第三開閉ドア4の開閉動に伴って連動させる開閉動タイプ連動装置9(連動装置)とを備えて構成される。本発明の三重引戸1は、二重引戸装置8に対し更に第三開閉ドア4と連動装置(開閉動タイプ連動装置9)とを付加して三重の引戸にしたものである。
駆動装置7は、モーター10と、伝達機構11とを備えて構成される。駆動装置7は、自動開閉装置6において一番上に位置するように配置される(尚、実施例2では中間に位置するように配置される)。駆動装置7は、図示しないコントローラーに電気的に接続される。モーター10は回転軸を有し、この回転軸と伝達機構11の減速機とが図示しないベルトにより連結される。減速機には、ベルト機構12の駆動プーリー13(主動プーリー)が組み付けられる。ベルト機構12は、駆動プーリー13の他、従動プーリー14と、これら駆動プーリー13及び従動プーリー14に巻き付けられる駆動ベルト15とを備えて構成される。
駆動プーリー13及び従動プーリー14は、所定の歯数を有してそれぞれ形成される。すなわち、歯付きのプーリーとしてそれぞれ形成される。駆動プーリー13及び従動プーリー14は、左右に大きく離れた位置に配置される。駆動ベルト15は、駆動プーリー13及び従動プーリー14が上記配置であることから長尺なものが採用される。また、駆動ベルト15は、駆動プーリー13及び従動プーリー14の歯に噛み合うようなものが採用される。駆動ベルト15は、公知のタイミングベルトである。尚、引用符号16は歯飛び止めレバーを示す。
二重引戸装置8は、自動開閉装置6において下側に位置するように配置される。また、二重引戸装置8は、自動ドア取付枠としての上枠17の側に位置するようにも配置される。このような二重引戸装置8は、上枠17に固定されるベース部材18と、上枠17の側に配置される第一開閉ドア2と、この第一開閉ドア2をベース部材18の延在方向に開閉動自在にする第一レール19及び第一吊り金具構造部20と、上枠17から離れる側の第一開閉ドア2の隣に配置される第二開閉ドア3と、この第二開閉ドア3を上記延在方向に開閉動自在にする第二レール21及び第二吊り金具構造部22と、第一開閉ドア2及び第二開閉ドア3を連動させるラック・ピニオンギア構造部23とを備えて構成される。
ベース部材18は、アルミ材を引き抜くことにより図2に示す形状に形成される。ベース部材18には、この延在方向に真っ直ぐのびる第一レール19と、この第一レール19の斜め上側に配置される第二レール21とが形成される(上記延在方向は、上記左右方向に一致する)。また、ベース部材18には、ラックギア固定部24も形成される。ラックギア固定部24は、ラック・ピニオンギア構造部23を構成する上側ラックギア31(後述する)を固定するための部分として形成される。ラックギア固定部24は、上記延在方向に真っ直ぐのびて形成される。ラックギア固定部24の上側には、第二レール21が配置形成される(別な言い方をすれば、第二レール21の下側にラックギア固定部24が配置形成される)。
第一吊り金具構造部20は、一つの第一開閉ドア2につき二つ設けられる(図7参照)。二つの第一吊り金具構造部20は、第一開閉ドア2の枠部上端において左右に離れて配置される。第一吊り金具構造部20は、上記枠部上端にボルト止めされる縦板部25と、この縦板部25の上端に固定される横板部26と、第一レール19を転がる一対のハンガーローラー27とを備えて構成される。尚、二つの第一吊り金具構造部20のうち、一方には、ラック・ピニオンギア構造部23を構成するピニオンギア33(後述する)が設けられる(図7参照)。
縦板部25は、左右方向にのびる横板部26を所定の高さ位置で固定する部品として設けられる。左右方向にのびる横板部26の一方の面には、所定の間隔をあけて一対のハンガーローラー27が回転自在に組み付けられる。尚、横板部26の他方の面には、上記ピニオンギア33(後述する)が一つ組み付けられる。第一レール19とハンガーローラー27は、これらの接触部分が凸と凹の形状になるような脱輪し難い形状に形成される。
第二吊り金具構造部22は、第一開閉ドア2の第一吊り金具構造部20と同様、一つの第二開閉ドア3につき二つ設けられる(図6参照)。二つの第二吊り金具構造部22は、第二開閉ドア3の枠部上端において左右に離れて配置される。第二吊り金具構造部22は、上記枠部上端にボルト止めされる縦板部28と、この縦板部28の上端に固定される横板部29と、第二レール21を転がる一対のハンガーローラー30とを備えて構成される。
縦板部28は、左右方向にのびる横板部29を所定の高さ位置で固定する部品として設けられる。縦板部28は、第一吊り金具構造部20の縦板部25よりも上下方向に長く形成される。縦板部28の中間には、ラック・ピニオンギア構造部23を構成する下側ラックギア固定ベース34(後述する)が組み付けられる(図2及び図6参照)。左右方向にのびる横板部29の一方の面には、所定の間隔をあけて一対のハンガーローラー30が回転自在に組み付けられる。第二レール21とハンガーローラー30は、これらの接触部分が凸と凹の形状になるような脱輪し難い形状に形成される。
第二開閉ドア3における二つの第二吊り金具構造部22のうち、一方には、後述する第二開閉ドア側連結金具51が取り付けられる(図2参照。縦板部28に取り付けられる)。この第二開閉ドア側連結金具51は、開閉動タイプ連動装置9を構成する部品であって、第二開閉ドア3の開閉動に用いられる。
ラック・ピニオンギア構造部23は、第二開閉ドア3が開閉動すると、この開閉動に伴って第一開閉ドア2も開閉動させることができるように構成される。具体的には、上側ラックギア31と、下側ラックギア32と、ピニオンギア33と、下側ラックギア固定ベース34とを備えて、上記の開閉動をさせることができるように構成される。
上側ラックギア31は、公知のラックギアであって、ベース部材18のラックギア固定部24に固定される。下側ラックギア固定ベース34は、第二吊り金具構造部22の縦板部28の中間に組み付けられる。この下側ラックギア固定ベース34には、ラックギア固定部35が形成される。ラックギア固定部35には、下側ラックギア32が固定される。尚、下側ラックギア32も公知のラックギアである。ピニオンギア33は、上側ラックギア31及び下側ラックギア32に噛み合うように組み付けられる。ピニオンギア33は、上記のように第一吊り金具構造部20の横板部26に組み付けられる。
下側ラックギア固定ベース34は、アルミ材を引き抜くことにより図2に示す形状に形成される。下側ラックギア固定ベース34は、第二開閉ドア3と第一開閉ドア2とを連動させるのに必要な長さに形成される。具体的には、二つの第二吊り金具構造部22に跨る長さに形成される(図6参照)。下側ラックギア固定ベース34は、上側ラックギア31及び下側ラックギア32の長さに合わせて形成される。
本発明の三重引戸1は、以上のような二重引戸装置8に対し更に第三開閉ドア4と連動装置とを付加した構成であり、以下、第三開閉ドア4の開閉動について、及び、連動装置としての開閉動タイプ連動装置9について、図2ないし図4を参照しながら詳細に説明をする。
第三開閉ドア4は、以下の構成により上記延在方向に開閉動自在になる。すなわち、駆動装置7と、この駆動装置7に駆動されるベルト機構12(すなわち駆動プーリー13、従動プーリー14、及び駆動ベルト15)と、第三レール36及び第三吊り金具構造部37と、駆動ベルト15及び第三吊り金具構造部37を連結する連結金具38とにより開閉動自在になる。
第三レール36は、第三開閉ドア4用のベースレールユニット39を構成するベースレール40に形成される。第三開閉ドア4用のベースレールユニット39は、ベース部材18と別体であって、ベース部材18よりも上側の位置で上枠17に取り付け固定される。ベースレール40は、アルミ材を引き抜くことにより図2に示す形状に形成される。ベースレール40は、駆動装置7の下側の位置に組み付けられる。尚、ベースレール40の下側には、後述する大径従動プーリー45が配置され、更に間隔をあけた下側には、第三開閉ドア4が配置される。第三レール36は、真っ直ぐのびるように形成される。
第三吊り金具構造部37は、一つの第三開閉ドア4につき二つ設けられる(図5参照)。二つの第三吊り金具構造部37は、第三開閉ドア4の枠部上端において左右に離れて配置される。第三吊り金具構造部37は、上記枠部上端にボルト止めされる縦板部41と、この縦板部41の上端に固定される横板部42と、第三レール36を転がる一対のハンガーローラー43とを備えて構成される。
縦板部41は、幅広で上下方向に長くのびる板状の部品として設けられる。縦板部41は、この上端に横板部42が固定され、中間には連結金具固定部44が形成される。連結金具固定部44には、後述する第三開閉ドア側連結金具50が固定される。横板部42の一方の面には、所定の間隔をあけて一対のハンガーローラー43が回転自在に組み付けられる。第三レール36とハンガーローラー43は、これらの接触部分が凸と凹の形状になるような脱輪し難い形状に形成される。
第三開閉ドア4における二つの第三吊り金具構造部37のうち、一方には、連結金具38が取り付けられる。具体的には、縦板部41の上端側に連結金具38が取り付けられる。この連結金具38は、上記のように駆動ベルト15及び第三吊り金具構造部37を連結する部品であって、図2の配置においては、図3及び図4の駆動ベルト15の下側部分に固定される。尚、別の第三開閉ドア4に設けられる連結金具は、駆動プーリー13の図に隠れてしまい、図2では見えてない。この見えてない連結金具は、駆動ベルト15の上側部分に固定される。例えば駆動プーリー13が右回りし駆動ベルト15が移動すると、この移動に伴って連結金具38と見えてない連結金具も移動する。具体的には、駆動ベルト15の下側部分に固定される連結金具38が左方向に移動し、駆動ベルト15の上側部分に固定される、見えてない連結金具が右方向に移動する(この場合、二つの第三開閉ドア4が開く方向に移動する)。
開閉動タイプ連動装置9は、第二レール21と第三レール36との間に配置される。このような配置の開閉動タイプ連動装置9は、大径に形成される一対の大径従動プーリー45と、この一対の大径従動プーリー45に取り付けられる大径従動プーリー用ベルト46と、各大径従動プーリー45に一体化し且つ大径従動プーリー45よりも少ない歯数で形成される一対の小径従動プーリー47と、この一対の小径従動プーリー47に取り付けられる小径従動プーリー用ベルト48と、ベース部材18に固定され且つ大径従動プーリー45及び小径従動プーリー47を同軸で回転自在に取り付けるプーリーベース49と、第三吊り金具構造部37及び大径従動プーリー用ベルト46を連結する第三開閉ドア側連結金具50と、第二吊り金具構造部22及び小径従動プーリー用ベルト48を連結する第二開閉ドア側連結金具51とを備えて構成される。
大径従動プーリー45は、第三開閉ドア4の上方に配置される。また、この大径従動プーリー45に一体化する小径従動プーリー47は、第二開閉ドア3の上方に配置される。プーリーベース49は、この一端に大径従動プーリー45及び小径従動プーリー47が同軸で回転自在に取り付けられ、他端がベース部材18に固定される。プーリーベース49の中間は、前後方向に真っ直ぐのびるように形成される。
第三開閉ドア側連結金具50は、上記のように、第三吊り金具構造部37と大径従動プーリー用ベルト46とを連結するための部品として用いられる。もう少し詳しく説明すると、第三開閉ドア側連結金具50は、この一端が第三吊り金具構造部37における縦板部41の連結金具固定部44に固定される。また、第三開閉ドア側連結金具50の他端は、大径従動プーリー用ベルト46の下側部分に固定される。尚、図2における引用符号50′は、大径従動プーリー用ベルト46(図4参照)の上側部分に固定される第三開閉ドア側連結金具を示す。この第三開閉ドア側連結金具50′は、図2中と別な第三開閉ドア4の第三吊り金具構造部に固定されたものであり、図2では一部が見える。
第三開閉ドア側連結金具50及び50′は、二つの第三開閉ドア4が開く方向に移動すると、大径従動プーリー用ベルト46を右回りに移動させ、逆に二つの第三開閉ドア4が閉じる方向に移動すると、大径従動プーリー用ベルト46を左回りに移動させるように取り付けられる。
大径従動プーリー用ベルト46は、上記のように移動することから、同軸で一体の大径従動プーリー45及び小径従動プーリー47を右回り、左回りさせることができる。これにより、小径従動プーリー用ベルト48も移動する。
小径従動プーリー用ベルト48には、第二開閉ドア側連結金具51が固定される。第二開閉ドア側連結金具51は、上記のように、第二吊り金具構造部22及び小径従動プーリー用ベルト48を連結するための部品として用いられる。もう少し詳しく説明すると、第二開閉ドア側連結金具51は、この一端が第二吊り金具構造部22における縦板部28に固定される。また、第二開閉ドア側連結金具51の他端は、小径従動プーリー用ベルト48の下側部分に固定される。尚、図2中と別の第二開閉ドア3に設けられる第二開閉ドア側連結金具は、小径従動プーリー47の図に隠れてしまい、図2では見えてない。この見えてない第二開閉ドア側連結金具は、小径従動プーリー用ベルト48の上側部分に固定される。例えば小径従動プーリー用ベルト48が移動すると、この移動に伴って第二開閉ドア側連結金具51及び見えてない第二開閉ドア側連結金具も移動する。
第二開閉ドア側連結金具51の移動、及び上記見えてない第二開閉ドア側連結金具の移動は、二つの第二開閉ドア3の移動を生じさせ、さらには、ラック・ピニオンギア構造部23を介して二つの第一開閉ドア2の移動を生じさせる。つまり、各ドアが連動することが分かる。
以上、図1ないし図7を参照しながら説明してきたように、本発明の三重引戸1によれば、ラック・ピニオンギア構造部23等を含んで第一開閉ドア2及び第二開閉ドア3を連動させる二重引戸装置8に対し、更に第三開閉ドア4と開閉動タイプ連動装置9とを付加して三重の引戸にしてなるものであることから、既存技術を活用しつつ三つの開閉ドアを自動開閉させることができる。従って、本発明によれば、全体構造を新規にするものではなく、結果、コスト低減を図ることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、第二レール21と第三レール36との間に開閉動タイプ連動装置9を配置することから、三重引戸1における少なくとも二重引戸装置8の構成に対する変更がなく、さらには、例えばメンテナンス等のし易さにも配慮することができるという効果も奏する。
尚、引分の例で説明してきたが、片引にも本発明を適用できるのは勿論である。
以下、図面を参照しながら実施例2を説明する。
図1、図5〜図7は実施例1と同じである。図8は三重引戸における自動開閉装置の断面図である。また、図9は図8の自動開閉装置の駆動装置を装置正面左側から見た時の概略図、図10は図8の自動開閉装置の駆動装置を装置正面右側から見た時の概略図である。尚、上記実施例1と基本的に同じ構成部材には同一の符号を付す。
図1において、引用符号1は引分の三重引戸を示す。この三重引戸1は、人の通行や物の搬入等のために左右方向に開閉する自動ドア装置の一種である。
左右両側から内側に向けて順に説明をすると、三重引戸1は、一対の第一開閉ドア2と、一対の第二開閉ドア3と、一対の第三開閉ドア4とを備えて構成される。また、これらドアを開閉動させるために上カバー5内に設けられる自動開閉装置61(図8参照)を備えて構成される。尚、図中の配置にある第一開閉ドア2は、低速ドアや低速開閉ドアと呼んでもよい。また、第二開閉ドア3は、中速ドアや中速開閉ドアと呼んでもよい。さらに、第三開閉ドア4は、高速ドアや高速開閉ドアと呼んでもよい。
第一開閉ドア2、第二開閉ドア3、及び第三開閉ドア4は、特に符号を付さないが、それぞれ矩形の枠部と、この枠部の内側に嵌め込まれるガラス部とを有する。枠部の上端には、後述する吊り金具構造部がそれぞれ設けられる。
図8ないし図10において、自動開閉装置61は、図示しないドアコントローラーと、このドアコントローラーにより制御される駆動装置7と、二重引戸装置8と、この二重引戸装置8における第二開閉ドア3を第三開閉ドア4の開閉動に伴って連動させるモーター駆動タイプ連動装置62(連動装置)とを備えて構成される。本発明の三重引戸1は、二重引戸装置8に対し更に第三開閉ドア4と連動装置(モーター駆動タイプ連動装置62)とを付加して三重の引戸にしたものである。
駆動装置7は、モーター10と、伝達機構11とを備えて構成される。駆動装置7は、自動開閉装置61において中間に位置するように配置される。駆動装置7は、図示しないコントローラーに電気的に接続される。モーター10は回転軸を有し、この回転軸と伝達機構11の減速機とが図示しないベルトにより連結される。減速機には、ベルト機構12の駆動プーリー13(主動プーリー)が組み付けられる。ベルト機構12は、駆動プーリー13の他、従動プーリー14と、これら駆動プーリー13及び従動プーリー14に巻き付けられる駆動ベルト15とを備えて構成される。
尚、駆動装置7及びベルト機構12に一体化するようにモーター駆動タイプ連動装置62が設けられる。このモーター駆動タイプ連動装置62に関しては後述する。
駆動プーリー13及び従動プーリー14は、所定の歯数を有してそれぞれ形成される。すなわち、歯付きのプーリーとしてそれぞれ形成される。駆動プーリー13及び従動プーリー14は、左右に大きく離れた位置に配置される。駆動ベルト15は、駆動プーリー13及び従動プーリー14が上記配置であることから長尺なものが採用される。また、駆動ベルト15は、駆動プーリー13及び従動プーリー14の歯に噛み合うようなものが採用される。駆動ベルト15は、公知のタイミングベルトである。
二重引戸装置8は、自動開閉装置61において下側に位置するように配置される。また、二重引戸装置8は、自動ドア取付枠としての上枠17の側に位置するようにも配置される。このような二重引戸装置8は、上枠17に固定されるベース部材18と、上枠17の側に配置される第一開閉ドア2と、この第一開閉ドア2をベース部材18の延在方向に開閉動自在にする第一レール19及び第一吊り金具構造部20と、上枠17から離れる側の第一開閉ドア2の隣に配置される第二開閉ドア3と、この第二開閉ドア3を上記延在方向に開閉動自在にする第二レール21及び第二吊り金具構造部22と、第一開閉ドア2及び第二開閉ドア3を連動させるラック・ピニオンギア構造部23とを備えて構成される。
ベース部材18は、アルミ材を引き抜くことにより図8に示す形状に形成される。ベース部材18には、この延在方向に真っ直ぐのびる第一レール19と、この第一レール19の斜め上側に配置される第二レール21とが形成される(上記延在方向は、上記左右方向に一致する)。また、ベース部材18には、ラックギア固定部24も形成される。ラックギア固定部24は、ラック・ピニオンギア構造部23を構成する上側ラックギア31(後述する)を固定するための部分として形成される。ラックギア固定部24は、上記延在方向に真っ直ぐのびて形成される。ラックギア固定部24の上側には、第二レール21が配置形成される(別な言い方をすれば、第二レール21の下側にラックギア固定部24が配置形成される)。
第一吊り金具構造部20は、一つの第一開閉ドア2につき二つ設けられる(図7参照)。二つの第一吊り金具構造部20は、第一開閉ドア2の枠部上端において左右に離れて配置される。第一吊り金具構造部20は、上記枠部上端にボルト止めされる縦板部25と、この縦板部25の上端に固定される横板部26と、第一レール19を転がる一対のハンガーローラー27とを備えて構成される。尚、二つの第一吊り金具構造部20のうち、一方には、ラック・ピニオンギア構造部23を構成するピニオンギア33(後述する)が設けられる(図7参照)。
縦板部25は、左右方向にのびる横板部26を所定の高さ位置で固定する部品として設けられる。左右方向にのびる横板部26の一方の面には、所定の間隔をあけて一対のハンガーローラー27が回転自在に組み付けられる。尚、横板部26の他方の面には、上記ピニオンギア33(後述する)が一つ組み付けられる。第一レール19とハンガーローラー27は、これらの接触部分が凸と凹の形状になるような脱輪し難い形状に形成される。
第二吊り金具構造部22は、第一開閉ドア2の第一吊り金具構造部20と同様、一つの第二開閉ドア3につき二つ設けられる(図6参照)。二つの第二吊り金具構造部22は、第二開閉ドア3の枠部上端において左右に離れて配置される。第二吊り金具構造部22は、上記枠部上端にボルト止めされる縦板部28と、この縦板部28の上端に固定される横板部29と、第二レール21を転がる一対のハンガーローラー30とを備えて構成される。
縦板部28は、左右方向にのびる横板部29を所定の高さ位置で固定する部品として設けられる。縦板部28は、第一吊り金具構造部20の縦板部25よりも上下方向に長く形成される。縦板部28の中間には、ラック・ピニオンギア構造部23を構成する下側ラックギア固定ベース34(後述する)が組み付けられる(図8及び図6参照)。左右方向にのびる横板部29の一方の面には、所定の間隔をあけて一対のハンガーローラー30が回転自在に組み付けられる。第二レール21とハンガーローラー30は、これらの接触部分が凸と凹の形状になるような脱輪し難い形状に形成される。
第二開閉ドア3における二つの第二吊り金具構造部22のうち、一方には、第二開閉ドア側連結金具51が取り付けられる(図8参照)。この第二開閉ドア側連結金具51は、第二吊り金具構造部22及び駆動ベルト15を連結するための部品として用いられる。第二開閉ドア側連結金具51は、第二開閉ドア3の開閉動に用いられる。
第二開閉ドア側連結金具51についてもう少し詳しく説明すると、第二開閉ドア側連結金具51は、この一端が第二吊り金具構造部22における縦板部28に固定される。また、第二開閉ドア側連結金具51の他端は、駆動ベルト15の下側部分に固定される。尚、図8中と別の第二開閉ドア3に設けられる第二開閉ドア側連結金具は、駆動プーリー13の図に隠れてしまい、図8では見えてない。この見えてない第二開閉ドア側連結金具は、駆動ベルト15の上側部分に固定される。例えば駆動ベルト15が移動すると、この移動に伴って第二開閉ドア側連結金具51及び見えてない第二開閉ドア側連結金具も移動する。第二開閉ドア側連結金具51の移動、及び上記見えてない第二開閉ドア側連結金具の移動は、二つの第二開閉ドア3の移動を生じさせ、さらには、以下で説明するラック・ピニオンギア構造部23を介して二つの第一開閉ドア2の移動を生じさせる。
ラック・ピニオンギア構造部23は、第二開閉ドア3が開閉動すると、この開閉動に伴って第一開閉ドア2も開閉動させることができるように構成される。具体的には、上側ラックギア31と、下側ラックギア32と、ピニオンギア33と、下側ラックギア固定ベース34とを備えて、上記の開閉動をさせることができるように構成される。
上側ラックギア31は、公知のラックギアであって、ベース部材18のラックギア固定部24に固定される。下側ラックギア固定ベース34は、第二吊り金具構造部22の縦板部28の中間に組み付けられる。この下側ラックギア固定ベース34には、ラックギア固定部35が形成される。ラックギア固定部35には、下側ラックギア32が固定される。尚、下側ラックギア32も公知のラックギアである。ピニオンギア33は、上側ラックギア31及び下側ラックギア32に噛み合うように組み付けられる。ピニオンギア33は、上記のように第一吊り金具構造部20の横板部26に組み付けられる。
下側ラックギア固定ベース34は、アルミ材を引き抜くことにより図8に示す形状に形成される。下側ラックギア固定ベース34は、第二開閉ドア3と第一開閉ドア2とを連動させるのに必要な長さに形成される。具体的には、二つの第二吊り金具構造部22に跨る長さに形成される(図6参照)。下側ラックギア固定ベース34は、上側ラックギア31及び下側ラックギア32の長さに合わせて形成される。
本発明の三重引戸1は、以上のような二重引戸装置8に対し更に第三開閉ドア4と連動装置とを付加した構成であり、以下、第三開閉ドア4の開閉動について、及び、連動装置としてのモーター駆動タイプ連動装置62について、図8ないし図10を参照しながら詳細に説明をする。
第三開閉ドア4は、以下の構成により上記延在方向に開閉動自在になる。すなわち、駆動装置7と、この駆動装置7に駆動されるベルト機構12(すなわち駆動プーリー13、従動プーリー14、及び駆動ベルト15)と、第三レール36及び第三吊り金具構造部37と、駆動装置7に駆動されて第三開閉ドア4を第二開閉ドア3の開閉動に連動させるモーター駆動タイプ連動装置62とにより開閉動自在になる。
第三レール36は、第三開閉ドア4用のベースレールユニット39を構成するベースレール40に形成される。第三開閉ドア4用のベースレールユニット39は、ベース部材18と別体であって、ベース部材18よりも上側の位置で上枠17に取り付け固定される。ベースレール40は、アルミ材を引き抜くことにより図8に示す形状に形成される。第三開閉ドア4用のベースレールユニット39は、駆動装置7の上側の位置に組み付けられる。尚、ベースレール40や第三レール36の下側には、後述する連動用駆動プーリー63が配置され、更に間隔をあけた下側には、第三開閉ドア4が配置される。第三レール36は、真っ直ぐのびるように形成される。
第三吊り金具構造部37は、一つの第三開閉ドア4につき二つ設けられる(図5参照)。二つの第三吊り金具構造部37は、第三開閉ドア4の枠部上端において左右に離れて配置される。第三吊り金具構造部37は、上記枠部上端にボルト止めされる縦板部41と、この縦板部41の上端に固定される横板部42と、第三レール36を転がる一対のハンガーローラー43とを備えて構成される。
縦板部41は、幅広で上下方向に長くのびる板状の部品として設けられる。縦板部41は、この上端に横板部42が固定され、中間には連結金具固定部44が形成される。連結金具固定部44には、後述する第三開閉ドア側連結金具50が固定される。横板部42の一方の面には、所定の間隔をあけて一対のハンガーローラー43が回転自在に組み付けられる。第三レール36とハンガーローラー43は、これらの接触部分が凸と凹の形状になるような脱輪し難い形状に形成される。
モーター駆動タイプ連動装置62は、第二レール21と第三レール36との間に配置される。また、駆動装置7の取り付け高さ位置に合わせて配置される。このような配置のモーター駆動タイプ連動装置62は、駆動プーリー13に同軸で一体化し且つ駆動プーリー13よりも多い歯数で形成される連動用駆動プーリー63と、この連動用駆動プーリー63から離れて配置され且つ従動プーリー14に同軸で一体化する連動用従動プーリー64と、連動用駆動プーリー63及び連動用従動プーリー64に取り付けられる連動用ベルト65と、第三吊り金具構造部37及び連動用ベルト65を連結する第三開閉ドア側連結金具50とを備えて構成される。
第三開閉ドア側連結金具50は、上記のように、第三吊り金具構造部37と連動用ベルト65とを連結するための部品として用いられる。もう少し詳しく説明すると、第三開閉ドア側連結金具50は、この一端が第三吊り金具構造部37における縦板部41の連結金具固定部44に固定される。また、第三開閉ドア側連結金具50の他端は、連動用ベルト65の下側部分に固定される。尚、図8における引用符号50′は、連動用ベルト65(図10参照)の上側部分に固定される第三開閉ドア側連結金具を示す。この第三開閉ドア側連結金具50′は、図8中と別な第三開閉ドア4の第三吊り金具構造部に固定されたものであり、図8では一部が見える。
第三開閉ドア側連結金具50及び50′は、例えば連動用駆動プーリー63が右回りし連動用ベルト65が移動すると、これに伴って移動する。具体的には、連動用ベルト65の下側部分に固定される第三開閉ドア側連結金具50が左方向に移動し、連動用ベルト65の上側部分に固定される第三開閉ドア側連結金具50′が右方向に移動する(この場合、二つの第三開閉ドア4が開く方向に移動する)。
以上、図1や、図5ないし図10を参照しながら説明してきたように、本発明の三重引戸1によれば、ラック・ピニオンギア構造部23等を含んで第一開閉ドア2及び第二開閉ドア3を連動させる二重引戸装置8に対し、更に第三開閉ドア4とモーター駆動タイプ連動装置62とを付加して三重の引戸にしてなるものであることから、既存技術を活用しつつ三つの開閉ドアを自動開閉させることができる。従って、本発明によれば、全体構造を新規にするものではなく、結果、コスト低減を図ることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、第二レール21と第三レール36との間にモーター駆動タイプ連動装置62を配置することから、三重引戸1における少なくとも二重引戸装置8の構成に対する変更がなく、さらには、例えばメンテナンス等のし易さにも配慮することができるという効果も奏する。
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。