JP2016101971A - 注出態様が切替可能な注出キャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】容器本体への組付性を向上させることができる注出態様が切替可能な注出キャップを提供する。【解決手段】容器本体2の口部2aに装着されるキャップ本体11と、キャップ本体11に回転自在に嵌合された注出体13と、を備えた注出キャップ3であって、キャップ本体11には、口部2a内に配置されるとともに、容器本体2内に連通する連通孔88を通して容器本体2内の内容物を貯留する貯留体81が配設され、キャップ本体11の上周壁部23には、貯留体81内に連通する第1孔32と、第1孔32に対してキャップ軸O回りに沿う周方向の離れた位置に形成され、貯留体81内に連通する第2孔と、が形成され、注出体13は、注出孔12が第1孔32に連通する第1位置と、注出孔12が第2孔に連通する第2位置と、の間をキャップ軸O回りにキャップ本体11に回転自在に嵌合されていることを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、注出態様が切替可能な注出キャップに関する。
従来から、注出態様が切替可能な注出キャップとして、内容物が収容される容器本体の口部に装着されるキャップ本体と、キャップ本体に回転自在に嵌合されるとともに、内容物の注出孔が形成された注出体と、を備えた構成が知られている。この種の注出キャップにおいて、キャップ本体には泡噴出口及び液噴出口がキャップ軸回りの周方向に間隔をあけて形成され、注出体には泡噴出口及び液噴出口に選択的に連通する泡液兼用ノズルが形成されている(例えば、下記特許文献1参照)。
この構成によれば、泡噴出モードでは、泡噴出口と泡液兼用ノズル内とが連通する位置に注出体を回転させた後、注出操作を行うことで泡状の内容物を注出する。なお、下記特許文献1において、泡噴出口には、容器本体の底部に近接する位置まで延設された吸上パイプを通して内容物が供給される。一方、液噴出モードでは、液噴出口と泡液兼用ノズル内とが連通する位置に注出体を回転させた後、注出操作を行うことで液状の内容物を注出する。これにより、注出態様が切り替えられる。
実公平7−25326号公報
ところで、上述した特許文献1の構成にあっては、内容物の残量に関わらず内容物を泡噴出口に供給するために、吸上パイプを比較的長くする必要がある。
しかしながら、吸上パイプを長くすると、容器本体の口部に注出キャップを装着する際、吸上パイプを口部内に進入させるのが難しいという課題があった。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、容器本体への組付性を向上させることができる注出態様が切替可能な注出キャップを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る注出キャップは、内容物が収容される容器本体の口部に装着される有頂筒状のキャップ本体と、前記キャップ本体に回転自在に嵌合されるとともに、内容物の注出孔が形成された注出体と、を備えた注出キャップであって、前記キャップ本体には、前記口部内に配置されるとともに、前記容器本体内に連通する連通孔を通して前記容器本体内の内容物を貯留する貯留体が配設され、前記キャップ本体の周壁部には、前記貯留体内に連通する第1孔と、前記第1孔に対してキャップ軸回りに沿う周方向の離れた位置に形成され、前記貯留体内に連通するとともに、注出される内容物の態様が前記第1孔と異なる第2孔と、が形成され、前記注出体は、前記注出孔が前記第1孔に連通する第1位置と、前記注出孔が前記第2孔に連通する第2位置と、の間をキャップ軸回りに前記キャップ本体に回転自在に嵌合されていることを特徴とする。
このような特徴により、容器本体内の内容物を貯留する貯留体がキャップ本体に配設されているため、容器本体内の内容物を貯留体内に一旦貯留した後、注出操作を行うことができる。そのため、貯留体内に貯留された内容物を定量注出することができ、意図せず多量の内容物が注出されるのを抑制できる。
しかも、容器本体内の内容物を直接吸い上げる吸上パイプを設ける場合に比べ、注出キャップのうち、容器本体内に進入する部分(貯留体)のキャップ軸方向における長さ(進入量)を短くすることができる。これにより、注出キャップを容器本体内に装着する際、貯留体を口部内に簡単に進入させることができ、組付性を向上させることができる。
また、本発明に係る注出キャップにおいて、前記貯留体内には、前記容器本体内の内容物及び空気が供給される気液混合室が画成され、前記第1孔は、前記気液混合室を通して前記貯留体内に連通する霧吹孔であってもよい。
この場合には、注出孔から霧状の内容物が注出されるので、内容物を少ない量でムラなく供給することができる。
本発明に係る注出キャップによれば、容器本体への組付性を向上させることができる。
実施形態に係る注出容器において、オーバーキャップが閉位置にある状態を示す断面図である。 閉塞モードを示す図4のA−A線に相当する断面図である。 図1のB−B線に相当する断面図である。 実施形態に係る注出容器において、オーバーキャップが開位置(霧吹モード)にある状態を示す断面図である。 霧吹モードを示す図4のA−A線に相当する断面図である。 図4のC−C線に相当する断面図である。 滴下モードを示す図4のA−A線に相当する断面図である。 霧吹きモードを説明するための説明図であって、図4に相当する断面図である。 滴下モードを説明するための説明図であって、注出容器の部分断面図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。なお、本実施形態では、本発明に係る注出キャップを注出容器に適用した場合について説明する。
図1、図2に示すように、本実施形態の注出容器1は、有底筒状の容器本体2と、容器本体2の口部2aに装着された注出キャップ3と、を備えている。なお、容器本体2、及び注出キャップ3は、それぞれの中心軸が共通軸上に位置している。以下、この共通軸をキャップ軸Oといい、キャップ軸Oに沿う容器本体2側を単に下側、注出キャップ3側を単に上側という。さらに、キャップ軸O方向から見た平面視においてキャップ軸Oに直交する方向を径方向といい、キャップ軸O回りに周回する方向を周方向という。
容器本体2は、内容物が収容されるとともに、少なくとも胴部2bがスクイズ変形可能に構成されている。
注出キャップ3は、内容物を霧状に注出する霧吹モード(図4,5,8参照)と、内容物をまとまった状態で注出する滴下モード(図7,9参照)と、に内容物の注出態様を切替可能になっている。具体的に、注出キャップ3は、容器本体2の口部2aに装着される有頂筒状のキャップ本体11と、キャップ本体11に回転自在に嵌合されるとともに、内容物の注出孔12が形成された注出体13と、キャップ本体11にヒンジ部14を介して連結され、注出孔12を開閉する有頂筒状のオーバーキャップ15と、を備えている。
キャップ本体11は、口部2aに装着される下周壁部21と、下周壁部21の上端縁から径方向の内側に向けて突設された環状部22と、環状部22の内周縁からキャップ軸O方向の上方に突設された上周壁部23と、上周壁部23の上端開口を閉塞する頂壁部24と、を備えている。
下周壁部21の上端部において、周方向の一部(ヒンジ部14とキャップ軸Oを挟んで径方向で対向する部分)には、径方向の内側に向けて窪む凹部25が形成されている。この凹部25は、キャップ軸O方向から見た平面視で円弧状を呈し、上方及び径方向の外側に向けて開放されている。また、凹部25の内面には、径方向の外側に向けて突出する係合突起26が周方向に沿って延設されている。なお、下周壁部21は、図示されるようにアンダーカット嵌合により口部2aに装着されていても、螺着によって口部2aに装着されていても構わない。また、キャップ本体11は、口部2aに対して回転不能に装着されている。
環状部22は、口部2aの上端縁上に当接するとともに、その外周縁が口部2aよりも外側に位置し、内周縁が口部2aよりも内側に位置している。なお、環状部22上には、上述した霧吹モード、及び滴下モードの他、保管時等の閉塞モードを示す表示部28a〜28c(図2参照)が周方向にこの順で間隔をあけて配されている。具体的には、霧吹モードを示す表示部28aと閉塞モードを示す表示部28cとが周方向で90°離れて設けられ、これらの中間に滴下モードを示す表示部28bが設けられている。また、環状部22の内周部分には、口部2a内に嵌合されるシール筒29が下方に向けて突設されている。
上周壁部23には、径方向の外側に向けて突出する係合突部31が上周壁部23の全周に亘って形成されている。
上周壁部23のうち、係合突部31よりも上方に位置する部分には、上周壁部23を径方向に貫通する霧吹孔(第1孔)32及び滴下孔(第2孔)33が周方向に間隔をあけて1つずつ形成されている。
図2に示すように、霧吹孔32は、上周壁部23において、上述した霧吹モードの表示部28aと周方向で同等の位置に形成され、後述する気液混合室R内に連通している。図示の例において、霧吹孔32は、上周壁部23においてヒンジ部14とキャップ軸Oを挟んで径方向で対向する部分に形成されている。
滴下孔33は、上周壁部23において、滴下モードの表示部28bと周方向で同等の位置に形成され、後述する貯留体81内に連通している。なお、滴下孔33の内径は、霧吹孔32よりも大径とされている。
上周壁部23の上端部には、径方向の内側に向けて窪むガイド溝35が周方向に沿って延設されている。具体的に、ガイド溝35は、上述した霧吹孔32と径方向で対向する部分から周方向の一方側に向けて延びている。ガイド溝35は、キャップ軸O方向から見た平面視で円弧状を呈し、径方向の外側及び上方に向けて開放されている。また、ガイド溝35の内面のうち、径方向の外側を向く側面部には、注出体13を閉塞モードに位置決めする第1位置決め突起40、注出体13を滴下モードに位置決めする一対の第2位置決め突起41、及び注出体13を霧吹モードに位置決めする第3位置決め突起42が形成されている。これら、第1〜第3位置決め突起40,41,42は、後述する係止突起56が乗り越え可能な突出量で形成されている。
第1位置決め突起40は、ガイド溝35の側面部における周方向の一方側端部に、径方向の外側に向けて突設されている。一対の第2位置決め突起41は、ガイド溝35の側面部における周方向の中間部分に、径方向の外側に向けて突設されるとともに、周方向に間隔をあけて配設されている。第3位置決め突起42は、ガイド溝35の側面部における周方向の他方側端部に、径方向の外側に向けて突設されている。
図1、図2に示すように、上周壁部23の内面において、上述した霧吹孔32と周方向で同等に位置する部分には、内部が霧吹孔32に連通する嵌合筒43が上周壁部23に一体で連設されている。嵌合筒43は、キャップ軸Oに対して偏心した位置に配設され、キャップ軸Oと平行に延在している。嵌合筒43は、上端縁が頂壁部24に連設され、下端縁が上周壁部23の下端縁よりも下方に突出している。嵌合筒43は、周方向の一部が上周壁部23の内周面に連設され、上周壁部23の内周面における霧吹孔32の開口周縁部を径方向の内側から取り囲んでいる。
嵌合筒43のうち、霧吹孔32と径方向で対向する部分には、嵌合筒43を径方向に貫通するスリット44が形成されている。このスリット44は、嵌合筒43内と容器本体2内とを連通する空気流通口として機能するものであって、嵌合筒43におけるキャップ軸O方向の全域に亘って形成されている。
嵌合筒43の内周面のうち、霧吹孔32とスリット44との間に位置する部分には、嵌合筒43の内側に向けて突出する回り止め部45がキャップ軸O方向に延設されている。図示の例において、回り止め部45は、嵌合筒43のうち、キャップ軸O方向の全域に亘って形成されている。
ここで、図1、図3に示すように、キャップ本体11には、容器本体2内と霧吹孔32及び滴下孔33との間で容器本体2内の内容物を貯留する有底筒状の貯留体81が配設されている。貯留体81は、キャップ本体11に装着される外筒82と、外筒82の内側に位置し、嵌合筒43内に嵌合される内筒83と、外筒82及び内筒83の下端開口をまとめて閉塞する底壁部84と、を備えている。なお、図3においては、貯留体81よりも径方向の外側に位置する部材(キャップ本体11の下周壁部21や口部2a等)の図示を省略している。
外筒82は、下方に位置するものほど径が小さい多段筒状に形成されている。具体的に、外筒82は、上筒部85及び下筒部86と、これら上筒部85及び下筒部86間を接続する接続部87と、を備えている。
上筒部85は、キャップ軸Oと同軸上に配置されるとともに、その上部がキャップ本体11のうち、シール筒29と上周壁部23を下方に延長した周壁23a(嵌合筒43を一部として含む)との間に径方向に挟持されている。
下筒部86は、キャップ軸Oに対して径方向の一方側に偏心した位置に配設され、嵌合筒43の下部を囲繞している。具体的に、下筒部86は、周方向の一部(径方向の一方側に位置する部分)が上筒部85に共通し、共通部分以外の部分が上筒部85に対して径方向の内側に位置している。なお、下筒部86の下端開口縁は、嵌合筒43の下端開口縁よりも下方に位置している。
接続部87は、上筒部85及び下筒部86のうちキャップ軸Oに対して径方向の他方側に位置する部分において、上筒部85の下端開口縁と下筒部86の上端開口縁を連結するブリッジ状とされている。図示の例において、接続部87は、上筒部85の下端開口縁から下筒部86の上端開口縁(径方向の他方側から一方側)に向かうに従い下方に向けて傾斜して延在している。また、接続部87に対して周方向の両側に位置する部分は、容器本体2内と貯留体81内とを連通させる連通孔88を構成している。なお、連通孔88の大きさ、数、位置等は、適宜設計変更が可能である。
図1に示すように、底壁部84は、キャップ軸O方向に沿う縦断面視において、径方向に沿って延びる直線状とされ、その外周縁が下筒部86の下端開口縁に連設されている。底壁部84は、注出キャップ3全体の最下端部分を構成している。具体的に、キャップ軸O方向において、底壁部84の下面は、容器本体2における口部2aの下端開口と同等の位置に配置されている。したがって、貯留体81は、容器本体2の口部2a内に収容され、胴部2b内には突出していない。特に、貯留体81は、注出容器1において、液面よりも上方に配置されることが好ましい。
図1〜図3に示すように、内筒83は、上述した嵌合筒43と同軸上に配置されるとともに、その下端開口縁が底壁部84に連設されている。内筒83のうち、嵌合筒43の上述した回り止め部45と周方向で同等に位置する部分には、回り止め部45が係合される係合孔91が形成されている。この係合孔91は、内筒83をその径方向に貫通するとともに、キャップ軸O方向における内筒83の全域に亘って形成されたスリット状とされている。係合孔91は、嵌合筒43よりも下方に位置する部分において、内筒83の内外を連通している。
また、内筒83は、その上端縁が上述した上筒部85の上端縁よりも上方であって、霧吹孔32よりも下方に位置している。そして、上述した嵌合筒43内において、内筒83の上端縁と頂壁部24とにより画成された空間は、内筒83を通じて嵌合筒43内に供給される内容物と、スリット44を通して嵌合筒43内に供給される空気と、を合流させる気液混合室Rとして機能する。
図1、図2に示すように、注出体13は、上周壁部23に外嵌された有頂筒状のカバー体51と、カバー体51における筒部52の下端部から径方向の外側に向けて突設されたフランジ部53と、を備えている。
カバー体51は、キャップ軸Oと同軸上に配置されるとともに、キャップ軸O回りに回転可能とされている。カバー体51のうち、筒部52の下部内周面には、径方向の外側に向けて窪む係合凹部58が筒部52の全周に亘って形成されている。この係合凹部58は、上述した上周壁部23の係合突部31にアンダーカット嵌合され、キャップ本体11に対する注出体13の上方移動を規制している。
筒部52において、上述した霧吹孔32及び滴下孔33とキャップ軸O方向で同等に位置する部分には、径方向の外側に向けて突出するとともに、その外側開口部が注出孔12とされた注出筒54が配設されている。この注出筒54は、内側がカバー体51内に連通するとともに、径方向の外側に向かうに従い内径が漸次拡大している。注出筒54は、キャップ本体11に対する注出体13の回転位置に応じて、霧吹孔32に連通する霧吹位置(第1位置)、滴下孔33に連通する滴下位置(第2位置)、並びに霧吹孔32及び滴下孔33の何れにも連通しない閉塞位置に切り替えられる。なお、閉塞位置において、注出筒54は、径方向の内側開口部がキャップ本体11の上周壁部23により閉塞され、注出筒54を通した容器本体2内外の連通が遮断される。図示の例において、注出筒54における内側開口部の内径は、滴下孔33の内径と同等とされている。また、注出筒54における径方向の外側端部には、注出筒54の径方向の外側に向けて張り出す張出部55が形成されている。
筒部52の上端部には、上述したガイド溝35内に収容される係止突起56が径方向の内側に向けて突設されている。係止突起56は、注出体13の回転に伴い、ガイド溝35内を周方向に移動可能とされ、上述した各位置決め突起40,41,42に係止可能とされている。具体的に、係止突起56は、注出体13が滴下位置にあるとき、一対の第2位置決め突起41間に係止され、注出体13が閉塞位置にあるとき、第1位置決め突起40とガイド溝35における周方向の一方側端面との間に係止され、注出体13が霧吹位置にあるとき、第3位置決め突起42とガイド溝35における周方向の他方側端面との間に係止される。
フランジ部53は、キャップ本体11の環状部22上に配置され、上述した各表示部28a〜28cを上方から覆っている。フランジ部53のうち、上述した注出筒54と周方向で同等に位置する部分には、フランジ部53をキャップ軸O方向に貫通する窓部57が形成されている。この窓部57は、上述した各表示部28a〜28cと径方向で同等の位置に形成され、注出体13の回転位置に応じて各モードの表示部28a〜28cを露出させる。なお、図示の例において、窓部57は、径方向の外側に向けて開放されている。
オーバーキャップ15は、周壁部61及び天壁部62を備え、周壁部61の下端縁における周方向の一部でヒンジ部14を介してキャップ本体11の下周壁部21に回動可能に連結されている。これにより、オーバーキャップ15は、ヒンジ部14回りに注出孔12を開閉可能に構成されている。
周壁部61は、内径が上述した注出体13のフランジ部53の外径よりも大きい筒状とされている。周壁部61の下端縁において、周方向の一部(ヒンジ部14とキャップ軸Oを挟んで径方向で対向する部分)には、下方に向けて延びる突片部63が形成されている。この突片部63は、オーバーキャップ15の閉位置において、上述したキャップ本体11の凹部25内に収容可能な大きさに形成されている。突片部63には、径方向の内側に向けて突出するとともに、閉位置において、キャップ本体11の係合突起26に下方から係合する係合部64が周方向に沿って延設されている。
図1、図2、図6に示すように、周壁部61におけるキャップ軸O方向の中間部には、径方向の内側に向けて膨出する規制部65が形成されている。規制部65は、キャップ軸Oに直交する横断面視で直線状を呈し、その内面が上述した注出筒54における径方向の外側端縁よりも径方向の内側に位置している。一方、周壁部61の内面のうち、規制部65以外の部分は、注出筒54における径方向の外側端縁よりも径方向の外側に位置している。また、図示の例において、規制部65の下部内面は、キャップ軸O方向に沿う縦断面視において、下方に向かうに従い径方向の外側に向けて延びるテーパ面とされている。
規制部65は、周壁部61のうちヒンジ部14とキャップ軸Oを挟んで径方向で対向する部分から周方向の両側に向けて延設されている。具体的に、規制部65は、注出筒54が上述した霧吹位置、及び滴下位置にあるとき、オーバーキャップ15の回動軌跡上で注出筒54における径方向の外側端部と重なり、注出筒54が閉塞位置にあるとき、オーバーキャップ15の回動軌跡上で注出筒54における径方向の外側端部と重ならない範囲で周方向に延設されている。この場合、規制部65は、注出筒54が上述した霧吹位置から滴下位置という周方向の一定範囲内にあるとき、オーバーキャップ15の閉動作に伴い注出筒54に上方から干渉(当接)し、オーバーキャップ15の閉動作を規制する。一方、規制部65は、注出筒54が閉塞位置である、周方向の前記一定範囲外にあるとき、オーバーキャップ15の閉動作時に注出筒54と干渉しないようになっており、オーバーキャップ15の閉動作を許容する。なお、規制部65は、オーバーキャップ15が閉位置にあるとき、注出筒54に周方向で対向し、注出体13の滴下位置や霧吹位置への回転を規制してもよい。
次に、上述した注出容器1の作用を説明する。以下の説明では、オーバーキャップ15が閉位置で、かつ注出体13(注出筒54)が閉塞位置にある状態を初期状態とする。
まず、滴下モードについて説明する。
図7、図9に示すように、滴下モードでは、オーバーキャップ15を開位置とするとともに、注出体13を滴下位置とする。具体的には、初期状態の容器本体2を把持し、オーバーキャップ15をヒンジ部14回りに回動させる。これにより、オーバーキャップ15が開位置となり、注出孔12が開放される。
続いて、キャップ本体11に対して注出体13を周方向の他方側に向けて回転させる。すると、係止突起56が第1位置決め突起40を乗り越え、キャップ本体11に対する注出体13のキャップ軸O回りの回転が許容される。その後、係止突起56が一対の第2位置決め突起41間に係止されるまで、注出体13を回転させる。これにより、注出筒54が滴下孔33に連通する滴下位置となる。
そして、滴下孔33が下向きとなる注出姿勢に注出容器1を傾けた状態とする。すると、容器本体2内の内容物は、連通孔88を通して貯留体81内に流入した後、滴下孔33を通して注出筒54内に流入する。その後、注出筒54内に流入した内容物は、注出孔12を通して外部に注出される。このように、滴下モードでは、内容物は気液混合室Rを通らず、滴下孔33を通して直接注出筒54内に流入する。そのため、注出孔12からは主に内容物がまとまった状態で流出する。なお、この注出操作において、容器本体2をスクイズ変形させ、容器本体2を減容させることで容器本体2内に生じる正圧により、内容物を注出してもよい。
次に、霧吹モードについて説明する。
図4、図5、図8に示すように、霧吹きモードでは、上述した滴下モードと同様にオーバーキャップ15を開位置とした後、注出体13を霧吹位置とする。このとき、注出体13の係止突起56が、第1位置決め突起40、第2位置決め突起41及び第3位置決め突起42を乗り越え、ガイド溝35における周方向の他方側端面に近接または当接する位置まで、注出体13を周方向の他方側に向けて回転させる。すると、注出筒54が霧吹孔32に連通する霧吹位置となる。
そして、注出容器1を一旦傾け、連通孔88を通して容器本体2内の内容物を貯留体81内に流入させる。これにより、貯留体81内(本実施形態では、下筒部86、底壁部84、及び内筒83で画成された貯留空間)に容器本体2内の内容物が貯留される。その後、注出容器1を目標に向けて注出姿勢にした状態で、容器本体2をスクイズ変形させると、貯留体81内の内容物が係合孔91を通して内筒83内に流入するとともに、貯留体81内の空気がスリット44を通して気液混合室R内に流入する。その後、内筒83内に流入した内容物は、気液混合室R内で空気と混合された後に霧吹孔32を通過することで、霧状となって注出筒54内に流入する。これにより、霧状の内容物が注出孔12から外部に注出される。このように、霧状の内容物を注出することで、内容物を少ない量でムラなく供給することができる。
次に、上述した滴下モードや霧吹モードから初期状態に戻す場合について説明する。
まず、図1、図2に示すように、滴下位置または霧吹位置にある注出体13を周方向の一方側に向けて回転させ、注出筒54を閉塞位置とする。このとき、注出体13の係止突起56が第1位置決め突起40を乗り越える位置まで、注出体13を回転させる。これにより、注出筒54がキャップ本体11の上周壁部23により閉塞された閉塞位置となる。
続いて、オーバーキャップ15を閉位置に向けて回動させる。すると、オーバーキャップ15の突片部63がキャップ本体11の凹部25内に収容されるとともに、突片部63の係合部64が凹部25内の係合突起26に係合する。これにより、上述した初期状態に復帰する。
なお、初期状態において、注出体13は、係止突起56及び第1位置決め突起40が周方向で係止されることで、閉塞位置で位置決めされるため、キャップ本体11に対するキャップ軸O回りの回転が規制されている。また、初期状態において、注出筒54は規制部65に周方向で対向するため、これによってキャップ本体11に対する注出体13のキャップ軸O回りの回転が規制される。
これにより、保管時において、注出体13がキャップ本体11に対して予期せず回転するのを抑制でき、注出筒54が霧吹孔32及び滴下孔33の何れかと連通して、容器本体2内の内容物が漏れ出るのを抑制できる。
また、注出筒54が滴下位置や霧吹位置にある状態で、オーバーキャップ15を閉位置に向けて回動させると、図4に示すように、規制部65の内面が注出筒54における径方向の外側端部に上方から当接(干渉)する。これにより、オーバーキャップ15のそれ以上の閉動作が規制され、オーバーキャップ15が閉位置にならないようになっている。
ここで、本実施形態の注出キャップ3を容器本体2に装着する際には、まず注出キャップ3の貯留体81と、容器本体2の口部2aと、をキャップ軸O方向で対向させた状態で、注出キャップ3と容器本体2とをキャップ軸O方向で相対的に接近移動させる。すると、貯留体81が口部2a内に進入するとともに、キャップ本体11の下周壁部21が口部2aに外挿される。そして、キャップ本体11と容器本体2とをキャップ軸O方向でさらに接近移動させることで、キャップ本体11の下周壁部21が口部2aにアンダーカット嵌合され、注出キャップ3が容器本体2に装着される。
このように、本実施形態では、容器本体2内の内容物を貯留する貯留体81がキャップ本体11に配設されているため、容器本体2内の内容物を貯留体81内に一旦貯留した後、注出操作を行うことができる。そのため、貯留体81内に貯留された内容物を定量注出することができ、意図せず多量の内容物が注出されるのを抑制できる。
しかも、容器本体2内の内容物を直接吸い上げる吸上パイプを設ける場合に比べ、注出キャップ3のうち、容器本体2内に進入する部分(貯留体81)のキャップ軸O方向における長さ(進入量)を短くすることができる。これにより、注出キャップ3を容器本体2内に装着する際、貯留体81を口部2a内に簡単に進入させることができ、組付性を向上させることができる。
また、上述したように注出キャップ3を容器本体2内に装着する際の貯留体81の進入量を短くすることができるので、容器本体2内に貯留体81を進入させる際、内容物中に浸漬する部分が生じるのを抑えることができる。これにより、注出キャップ3の装着時において、容器本体2内の内容物が溢れ出るのを抑制できる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した実施形態では、霧吹位置、滴下位置、及び閉塞位置の順に注出体13が回転する構成について説明したが、これらの順番は適宜設計変更が可能である。
さらに、上述した実施形態では、キャップ軸O方向から見た平面視において、キャップ軸O及び霧吹孔32を通る対称軸に対して一方側が滴下位置及び閉塞位置になる構成について説明したが、これに限らず、対称軸に対して他方側が滴下位置及び閉塞位置になる構成であっても構わず、一方側と他方側の両方に滴下位置及び閉塞位置になる構成を設けても構わない。
また、上述した実施形態では、貯留体81に一体で形成された内筒83が嵌合筒43に嵌合された構成について説明したが、これに限らず、貯留体81内に貯留された内容物を霧吹孔32に導く構成であれば適宜設計変更が可能である。この場合、例えば貯留体81の底壁部84に近接する位置まで延びる比較的短い吸上パイプを嵌合筒43内に嵌合しても構わない。
また、上述した実施形態では、霧吹モード及び滴下モードに吐出態様を切替可能な構成について説明したが、上述した注出態様以外の注出態様に変更したり、注出態様を追加したりしても構わない。なお、注出態様としては、霧状の他に泡状や線状等の種々の態様を採用することができる。また、孔径を変更する等して、各孔を通して注出される内容物の流量を異ならせることで態様を変化させても構わない。
また、閉塞位置は、注出孔12が上周壁部23に閉塞される場所であれば、任意に設定することができる。
さらに、規制部65の形状は適宜設計変更が可能であり、例えば周壁部61から径方向の内側に向けて突設された突起等であっても構わない。
また、上述した実施形態では、注出体13がキャップ軸O回りに回動する範囲を制限しているが、全周に亘って回転自在としてもよい。
さらに、上述した実施形態では、注出筒54の先端を注出孔12とする構成について説明したが、これに限らず、注出体13に直接注出孔12が形成されていても構わない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…注出容器
2…容器本体
2a…口部
3…注出キャップ
11…キャップ本体
12…注出孔
13…注出体
23…上周壁部(周壁部)
32…霧吹孔(第1孔)
33…滴下孔(第2孔)
81…貯留体
88…連通孔

Claims (2)

  1. 内容物が収容される容器本体の口部に装着される有頂筒状のキャップ本体と、
    前記キャップ本体に回転自在に嵌合されるとともに、内容物の注出孔が形成された注出体と、を備えた注出キャップであって、
    前記キャップ本体には、前記口部内に配置されるとともに、前記容器本体内に連通する連通孔を通して前記容器本体内の内容物を貯留する貯留体が配設され、
    前記キャップ本体の周壁部には、
    前記貯留体内に連通する第1孔と、
    前記第1孔に対してキャップ軸回りに沿う周方向の離れた位置に形成され、前記貯留体内に連通するとともに、注出される内容物の態様が前記第1孔と異なる第2孔と、が形成され、
    前記注出体は、
    前記注出孔が前記第1孔に連通する第1位置と、
    前記注出孔が前記第2孔に連通する第2位置と、の間をキャップ軸回りに前記キャップ本体に回転自在に嵌合されていることを特徴とする注出キャップ。
  2. 前記貯留体内には、前記容器本体内の内容物及び空気が供給される気液混合室が画成され、
    前記第1孔は、前記気液混合室を通して前記貯留体内に連通する霧吹孔であることを特徴とする請求項1記載の注出キャップ。
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