JP2016101810A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ビードコアの位置ずれを抑制することができる空気入りタイヤを提供する。【解決手段】ビード部14が樹脂により形成されたタイヤ本体18を含む空気入りタイヤT1において、ビード部14にタイヤ周方向に沿って延びる溝状凹部28を設け、該溝状凹部にコア部材30を取り付ける。コア部材30は、ビードコア26と、該ビードコアを包み込む樹脂製の被覆体32と、を備えてなり、溝状凹部28の凹形状と同じ外形を持つ。コア部材30を溝状凹部28内に挿入し、固定する。【選択図】図1
Description
本発明は、空気入りタイヤ及びその製造方法に関するものである。
タイヤ骨格を樹脂で形成した空気入りタイヤが知られている。このような樹脂製タイヤは、注型や射出成型により製造される。その際、ビード部にビードコアを埋設するために、金型内にビードコアをセットし、樹脂を注入することにより、ビード部を含むタイヤ本体を成型している。しかしながら、このような方法では、樹脂の注入時にビードコアの位置がずれることがあり、ビードコアを精度よく位置決めしたビード部を作製することは容易ではない。
特許文献1には、金型内にビードコアを位置決めするための補助ジグを進退可能に設け、注入した樹脂でビードコアを保持できるようになってから補助ジグを後退させることが開示されている。これにより、ビードコアの位置決めジグの成型跡が穴となって残留するのを防ぎながら、ビードコアの位置決め精度を向上することができるものの、金型構成が複雑になってしまう。
一方、特許文献2及び3には、タイヤ本体の成型時にビード部に溝状凹部に形成しておき、タイヤ本体の成型後に溝状凹部にビードコアを嵌合させることが開示されており、特に、特許文献2では、溝状凹部にビードコアを嵌め込んだ後、更に蓋材を嵌合させ、超音波ウェルダーで溶着させることにより溝状凹部を閉塞することが開示されている。しかしながら、このような蓋材で閉塞してビードコアを埋設固定する方法では、蓋材を嵌め込む際にビードコアが位置ずれを起こす可能性がある。
本発明は、ビードコアの位置ずれを抑制することができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本実施形態に係る空気入りタイヤは、樹脂により形成されたビード部を備えたタイヤ本体と、前記ビード部に設けられたタイヤ周方向に沿って延びる溝状凹部と、前記溝状凹部に取り付けられるコア部材と、を備え、前記コア部材が、ビードコアと、前記ビードコアを包み込む樹脂製の被覆体と、を備えてなるものであって、前記溝状凹部の凹形状と同じ外形を持ち、前記溝状凹部内に固定されたものである。
本実施形態に係る空気入りタイヤの製造方法は、タイヤ周方向に沿って延びる溝状凹部が設けられた樹脂製のビード部を備えるタイヤ本体を作製し、ビードコアと前記ビードコアを包み込む樹脂製の被覆体とを備えるものであって前記溝状凹部の凹形状と同じ外形を持つコア部材を作製し、前記コア部材を前記溝状凹部内に挿入し固定するものである。
本実施形態であると、予めビードコアが被覆体に内包されたコア部材を用いて、該コア部材をビード部の溝状凹部に隙間なく嵌合させて固定することにより、ビード部内におけるビードコアの位置ずれを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示す第1実施形態の空気入りタイヤT1は、乗用車用空気入りタイヤであって、タイヤ接地面を構成するトレッド部10と、トレッド部10のタイヤ幅方向両端からタイヤ径方向内側に延びる左右一対のサイドウォール部12と、サイドウォール部12のタイヤ径方向内側に設けられた左右一対のビード部14とをからなり、その内側に空気充填空間としてのタイヤ空洞16が円環状に形成されている。なお、図1はタイヤ回転軸を含む子午線断面でタイヤT1を切断した右側半断面図であり、この例ではタイヤT1は左右対称構造をなす。図中、CLはタイヤ赤道面を示す。本明細書において、タイヤ幅方向とはタイヤ回転軸に平行な方向であり、タイヤ径方向とはタイヤ回転軸に垂直な方向である。
本実施形態の空気入りタイヤT1は、樹脂により形成されたタイヤ本体18を有する樹脂製タイヤであり、この例では、該タイヤ本体18と、ゴムにより形成されたトレッド層20とを備える。
タイヤ本体18は、クラウン部22と、該クラウン部22のタイヤ幅方向両端からタイヤ径方向内側に延びる上記一対のサイドウォール部12と、該サイドウォール部12のタイヤ径方向内側に連なる上記一対のビード部14とを有し、全体としてトロイダル状をなしてタイヤ骨格を構成している。
タイヤ本体18を形成する樹脂としては、熱可塑性エラストマー及び熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリ塩化ビニルエラストマー、ポリウレタンエラストマー等が挙げられ、これらのいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂など)、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられ、これらのいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
タイヤ本体18は、上記クラウン部22と一対のサイドウォール部12と一対のビード部14の全体を一体として注型や射出成型により形成してもよく、あるいはまた、複数の分割片の組み合わせにより構成してもよく、例えばクラウン部22をタイヤ幅方向に二分割または三分割とした割り構造を採用してもよい。
トレッド層20は、クラウン部22のタイヤ径方向外側に配置されて該クラウン部22とともに上記トレッド部10を構成する部材であり、トレッド部10の全幅にわたって設けられ、従って、タイヤ接地面の全幅がトレッド層20により形成されている。トレッド層20を形成するゴムとしては、一般的なゴム製空気入りタイヤのトレッドゴムのための黒色のゴム組成物を用いることができ、該ゴム組成物を加硫成型することで加硫ゴムからなるトレッド層20が得られる。なお、トレッド層20は、ゴムにより形成する代わりに、タイヤ本体18と同様の樹脂により形成してもよく、その場合、トレッド層20とタイヤ本体18とを二部材化せずに、一体のタイヤ本体として作製してもよい。図示していないが、踏面となるトレッド層20の表面には、ブロックやリブなどの陸部を区分する溝部が設けられ、要求されるタイヤ性能や使用条件に応じたトレッドパターンが形成されている。
トレッド部10には補強層24が埋設されている。この例では、補強層24は、タイヤ本体18とトレッド層20との間に介設されている。補強層24は、例として、タイヤ周方向に対して実質的に平行に引き揃えられたコードを含むコード補強層であり、これによりインフレート時のタイヤT1の径成長を抑制する。コードとしては、ポリエステルやレーヨン、ナイロン、アラミドなどの有機繊維コードの他、ガラス繊維コード、炭素繊維コード、スチールコードなどが好ましく用いられる。なお、補強層24はタイヤ本体18のクラウン部22内に埋設してもよく、また、補強層24を省略して、タイヤ本体18の外周面にトレッド層20を直接貼付しても構わない。
リムR1に対する嵌合部であるビード部14には、環状のビードコア26が埋設されており、リムR1に対するタイヤT1の嵌合力が高められている。ビードコア26の材料としては、例えば、スチールコードなどの金属コード、アラミド繊維コードなどの有機繊維コード、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)などの繊維強化樹脂などが挙げられる。
空気入りタイヤT1は、一般のゴム製空気入りタイヤが備えるカーカス層やインナーライナーを有しておらず、トロイダル状のタイヤ本体18がタイヤ空洞16に面するとともに、ビード部14がリムR1に密着することにより、タイヤ内部の空気の漏洩が防止される。
本実施形態において、樹脂により形成されたビード部14には、タイヤ周方向に沿って延びる溝状凹部28が設けられている。溝状凹部28は、ビードコア26を装着するための空洞部であり、ビードコア26の埋設位置において、ビード部14の側面からタイヤ幅方向に陥没形成されている。この例では、図2及び図3に拡大して示すように、ビード部14のタイヤ幅方向外側の側面14Aからタイヤ幅方向内側に向かって陥没形成されており、従って、当該外側の側面14Aに開口して設けられている。
溝状凹部28は、タイヤ周方向の全周にわたって一定断面で形成されている。溝状凹部28の形状は、後述するコア部材30を挿入しやすくするために、タイヤ径方向に対向する上下の側面28A,28Bが互いに平行な平面状をなしている。また、断面矩形状のビードコア26に対応させて、溝状凹部28の底面28Cが上記側面28A,28Bに垂直な平面状をなしている。そのため、溝状凹部28の断面形状(即ち、凹形状)は、この例では、図3に示すようにコの字状である。但し、コの字状に限定されることはなく、例えば底部を湾曲状に形成した横倒U字状としてもよい。
溝状凹部28の幅(タイヤ径方向での開口幅)は、ビードコア26のタイヤ径方向寸法よりも大きく設定されている。溝状凹部28の深さ(タイヤ幅方向での深さ)は、ビードコア26の所定の埋設位置にビードコア26が位置するように、当該埋設位置よりも深く設定されており、この例では、ビード部14のタイヤ幅方向での厚み中心にビードコア26の中心が配置されるように、当該厚み中心を十分に越える深さに設定されている。
溝状凹部28には、ビードコア26を含むコア部材30が取り付けられている。コア部材30は、ビードコア26と、該ビードコア26を包み込むように予め一体化された樹脂製の被覆体32とにより構成されており、タイヤ周方向の全周にわたって一定断面で形成されている。被覆体32を構成する樹脂としては、タイヤ本体18を形成する樹脂と同様の、熱可塑性エラストマー及び熱可塑性樹脂が挙げられる。その場合、タイヤ本体18と異なる樹脂を用いてもよいが、同一材料を用いることが好ましい。
コア部材30は、溝状凹部28の凹形状と同じ外形を持ち、溝状凹部28内に固定されている。すなわち、コア部材30は、溝状凹部28の全体に隙間なく嵌合するように、図3に示す如く溝状凹部28と断面形状が一致している。そのため、ビードコア26が露出しないようにその周りを全体にわたって取り囲むように設けられた被覆体32は、溝状凹部28の上下の側面28A,28B及び底面28Cに嵌合する部位では比較的薄肉であるのに対し、溝状凹部28の開口側ではビードコア26とビード部側面との空洞部を埋めるように厚肉に形成されている。ここで、コア部材30の外形が溝状凹部28の凹形状と同じとは、コア部材30が溝状凹部28の全体に隙間なく嵌合することできる程度の同一性を持つことをいい、必ずしも寸法が完全に一致している必要はない。
この例では、上記のように溝状凹部28がビード部14のタイヤ幅方向外側の側面14Aに開口して設けられているため、コア部材30は、タイヤ幅方向外側から溝状凹部28内に挿入されている。
コア部材30は、その被覆体32を形成する樹脂と溝状凹部28を形成する樹脂との溶着により接着固定されている。上記のように、被覆体32とタイヤ本体18はともに熱可塑性材料からなるため、両者の界面に熱を加えることで樹脂を溶かし溶着させることができる。
本実施形態に係る空気入りタイヤT1の製造方法としては、例えば、タイヤ本体18を注型や射出成型により作製した後、その外周に補強層28を貼り付けるとともに、トレッド層20を成型して積層一体化してもよい。あるいは、予めトレッド層20を成型した後、その内周に補強層28を貼り付けるとともに、タイヤ本体18を射出成型することでトレッド層20を積層一体化してもよい。その際、本実施形態では、タイヤ本体18を作製する段階で、上記のようにビード部14に溝状凹部28を設けておく。また、別途、ビードコア26と被覆体32を備えた上記コア部材30を作製しておく。そして、コア部材30を溝状凹部28内に挿入した後、ビード部14に対し、工業用ドライヤー等の加熱装置を用いて加熱したり、超音波ウェルダーを用いて摩擦熱を発生させたりすることにより、被覆体32と溝状凹部28の界面で樹脂を溶かし溶着させる。これにより、コア部材30が溝状凹部28内に固定される。
以上よりなる本実施形態であると、予めビードコア26が被覆体32の内部に位置決めされたコア部材30を用いて、該コア部材30をビード部14の溝状凹部28に挿入し固定するので、ビード部14内におけるビードコア26の位置ずれを容易に抑制することができる。しかも、コア部材30が溝状凹部28の凹形状に一致した外形を持つものであるため、コア部材30周りに空隙が生じず、すなわち、コア部材30を溝状凹部28内に隙間なく嵌合させることができる。そのため、ビードコア26をビード部14内に容易かつ精度よく固定することができる。
本実施形態であると、また、溝状凹部28をビード部14のタイヤ幅方向外側の側面14Aに開口させて設け、コア部材30をタイヤ幅方向外側から溝状凹部28内に挿入固定するようにしたので、コア部材30と溝状凹部28との溶着部がタイヤ内面側(タイヤ空洞16側)ではなく、タイヤ外面側に設定される。そのため、タイヤの内圧保持性の点で有利である。
図4は、第2実施形態に係る空気入りタイヤT2のビード部14を示したものである。この実施形態では、コア部材を構成する被覆体32が第1実施形態とは相違する。
第2実施形態のコア部材30Aにおいて、ビードコア26を被覆する被覆体32は、タイヤ幅方向において2種類の樹脂材料に分けて形成されている。すなわち、被覆体32は、溝状凹部28の底部側に位置する第1被覆部32Aと、溝状凹部28の開口側に位置する第2被覆部32Bとからなり、第1被覆部32Aを形成する樹脂の軟化温度が第2被覆部32Bを形成する樹脂の軟化温度よりも低く設定されている。
ここで、軟化温度としては、JIS K7206に規定されるビカット軟化温度(A法)が用いられる。第1被覆部32Aを形成する軟化温度の低い樹脂(低温溶融樹脂)と第2被覆部32Bを形成する軟化温度の高い樹脂(高温溶融樹脂)の各軟化温度は、前者が後者よりも低温である限り、特に限定されない。例えば、低温溶融樹脂の軟化温度は、100〜150℃の範囲内でもよく、110〜140℃の範囲内でもよい。高温溶融樹脂の軟化温度は130℃以上でもよく、150〜200℃でもよい。また、両者の温度差は、5℃以上でもよく、10℃以上でもよい。
第2被覆部32Bを形成する樹脂は、タイヤ本体18を形成する樹脂と軟化温度が同じであることが好ましく、より好ましくは、タイヤ本体18を形成する樹脂と同一の樹脂を用いることである。また、第1被覆部32Aを形成する樹脂は、第2被覆部32B及びタイヤ本体18を形成する樹脂とは、軟化温度が異なる同種の樹脂材料を用いることが好ましい。
第1被覆部32Aと第2被覆部32Bとの分割位置は、この例では、両者の界面がビードコア26にかかるように設定したが、これに限定されず、例えば、ビードコア26よりも開口側の位置に界面が設定されるように形成してもよい(その場合、ビードコア26は第1被覆部32A内に完全に包含され、第2被覆部32Bとは接しない態様となる。)。
第2実施形態によれば、被覆体32のうち、熱の伝わりにくい底部側に位置する第1被覆部32Aの軟化温度を、開口側(タイヤ表面側)に位置する第2被覆部32Bの軟化温度よりも低く設定したので、タイヤ本体18への熱の影響を最小限に抑えつつ、コア部材30Aを溝状凹部28内に溶着固定することができ、また、コア部材30Aの溶着不足を防ぐことができる。そのため、タイヤの耐久性の点から有利である。また、開口側に位置する第2被覆部32Bでは、タイヤ本体18と同じ樹脂を用いることができるので、剛性差をなくすことができ、耐久性への影響を抑えることができる。第2実施形態について、その他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様であり、説明は省略する。
なお、上記実施形態では、タイヤ本体18の全体を樹脂により形成したが、本発明では、少なくともビード部14が樹脂により形成されたものであれば、上記のビード部構成を適用可能である。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
上記実施形態の効果を示すために、実施例1,2及び比較例1,2の空気入り樹脂製タイヤ(サイズ:145/70R12)を試作した。各タイヤは、ビードコアの設置方法が表1に示すように異なり、その他の構成は同一とした。
詳細には、実施例1は、第1実施形態の構成を持つタイヤの例であり、ビード部14に設けた溝状凹部28に、その凹形状と同じ外形を持つコア部材30を挿入固定した例である。コア部材30の被覆体32を形成する樹脂としては、タイヤ本体18を形成する樹脂と同じ、軟化温度が160℃の熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)を1種類で用いた。そして、コア部材30をビード部14に設けた溝状凹部28に挿入した後、工業用ドライヤーで200℃の熱風をビード部14に15分間吹き付けて溶着固定を行った。
実施例2は、第2実施形態の構成を持つタイヤの例であり、コア部材30Aの被覆体32を形成する樹脂として、底部側の第1被覆部32Aでは軟化温度が130℃のTPU、開口側の第2被覆部32Bでは、タイヤ本体18を形成する樹脂と同じ、軟化温度が160℃のTPUを用い、その他は実施例1と同様にして作製した。
比較例1は、タイヤ本体の射出成型時に、ビードコアを金型内にセットすることで、ビード部にビードコアを埋設一体化した例である。金型内にセットするビードコアには、予め薄肉の樹脂層を被覆した。この被覆樹脂としては、タイヤ本体を形成する樹脂と同じ、軟化温度が160℃のTPUを用いた。
比較例2は、ビード部に設けた溝状凹部に、樹脂被覆していないビードコアを挿入した後、樹脂製の蓋材を溝状凹部に嵌合させて閉塞してから、第1実施形態と同様に工業用ドライヤーで溶着固定した例であり、蓋材を形成する樹脂としては、タイヤ本体を形成する樹脂と同じ、軟化温度が160℃のTPUを用いた。
実施例及び比較例の各タイヤについて、ビードコアの位置精度と、耐久性を評価した。評価方法は以下のとおりである。
・位置精度:ビード部の断面形状を観察し、ビードコアの設計中心値からのずれ量を測定し、タイヤ5本分の標準偏差について、比較例1を100とした指数で評価した。数値が小さいほど、位置ずれ量が小さく良好である。
・耐久性:直径1.7mのドラムを備えた室内ドラム試験機を使用し、空気圧を180kPa、試験速度を80km/hとし、タイヤ負荷荷重をJIS規定の85%から始め、規定時間ごとに荷重を上げていき最終的に140%まで走行させた。故障するまでの走行距離を、比較例1を100とした指数で評価した。数値が大きいほど耐久性が高く良好である。
・位置精度:ビード部の断面形状を観察し、ビードコアの設計中心値からのずれ量を測定し、タイヤ5本分の標準偏差について、比較例1を100とした指数で評価した。数値が小さいほど、位置ずれ量が小さく良好である。
・耐久性:直径1.7mのドラムを備えた室内ドラム試験機を使用し、空気圧を180kPa、試験速度を80km/hとし、タイヤ負荷荷重をJIS規定の85%から始め、規定時間ごとに荷重を上げていき最終的に140%まで走行させた。故障するまでの走行距離を、比較例1を100とした指数で評価した。数値が大きいほど耐久性が高く良好である。
表1に示すように、実施例1,2であると、ビードコアをタイヤ本体の射出成型時に埋設一体化した比較例1に対しても、また、予め成型したタイヤ本体の溝状凹部に蓋材を用いてビードコアを挿入固定した比較例2に対しても、ビードコアの位置精度に優れていた。また、ビードコアの被覆体を軟化温度の異なる2種類の樹脂で形成した実施例1では、実施例1に対して耐久性が向上していた。
T1,T2…空気入りタイヤ、14…ビード部、18…タイヤ本体、26…ビードコア、28…溝状凹部、30…コア部材、32…被覆体、32A…第1被覆部、32B…第2被覆部
Claims (4)
- 樹脂により形成されたビード部を備えたタイヤ本体と、
前記ビード部に設けられたタイヤ周方向に沿って延びる溝状凹部と、
前記溝状凹部に取り付けられるコア部材と、を備え、
前記コア部材が、ビードコアと、前記ビードコアを包み込む樹脂製の被覆体と、を備えてなるものであって、前記溝状凹部の凹形状と同じ外形を持ち、前記溝状凹部内に固定された、
空気入りタイヤ。 - 前記溝状凹部が、前記ビード部のタイヤ幅方向外側の側面に開口して設けられ、前記コア部材が、タイヤ幅方向外側から前記溝状凹部内に挿入されて固定された、請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記被覆体が、前記溝状凹部の底部側に位置する第1被覆部と、前記溝状凹部の開口側に位置する第2被覆部とからなり、前記第1被覆部を形成する樹脂の軟化温度が前記第2被覆部を形成する樹脂の軟化温度よりも低い、請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ周方向に沿って延びる溝状凹部が設けられた樹脂製のビード部を備えるタイヤ本体を作製し、
ビードコアと前記ビードコアを包み込む樹脂製の被覆体とを備えるものであって前記溝状凹部の凹形状と同じ外形を持つコア部材を作製し、
前記コア部材を前記溝状凹部内に挿入し固定する、
空気入りタイヤの製造方法。
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