JP2016100961A - モータ制御装置、モータ制御方法及びプログラム - Google Patents

モータ制御装置、モータ制御方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】モータのV/f制御においてインバータの過電流状態の発生を抑制可能なモータ制御装置、モータ制御方法及びプログラムを提供する。【解決手段】モータ7の速度指令に比例した電圧指令を回転直角座標系の2軸で指定する電圧指令部3と、2軸の電圧指令を3相の電圧指令へ座標変換する2相/3相変換部4と、3相の印加電圧をモータ7に印加するインバータ主回路5と、モータ7に流れる3相の端子電流を検出する電流検出部6aと、3相の端子電流を、モータ電流をなす2軸の電流成分へ座標変換して電圧指令部3へフィードバックする3相/2相変換部6と、を有するモータ制御装置1は、更に、インバータ主回路5の電流制限値に基づいて予め規定された電流閾値と、2軸の電流成分から特定されるモータ電流の絶対値と、の関係に応じて、速度指令を予め規定された所定の速度低下レートで低下させる速度指令補正部を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、モータ制御装置、モータ制御方法及びプログラムに関する。
永久磁石型同期モータの制御方式の一つとして、当該永久磁石型同期モータ(以下、単に「モータ」と記載する)に印加する電圧とモータの周波数(回転速度)とを比例させて制御するV/f制御(V/f一定制御ともいう)が知られている。この場合、モータに対する周波数f(回転速度ω)の指令手段である速度指令部が、所望するモータの回転速度ωを指定する。V/f一定制御では、上記速度指令部が出力する速度指令ω*にほぼ比例した電圧指令V*が計算等によって求められ、当該電圧指令V*に基づく電圧が、インバータ等を通じてモータに印加される(例えば、特許文献1参照)。
このようなV/f制御は、いわゆるベクトル制御と比較して、ロータの位置を検出する手段又は推定する手段を有さなくてよいため、回転速度の調整が容易であるとともに、極めて簡素な構成で実現することができる。
特開2006−197789号公報
永久磁石型同期モータの制御では、一般に、インバータ主回路が出力可能な印加電圧を上回る速度指令ω*を達成するために、所定の回転数以上において弱め界磁状態が利用される。弱め界磁状態ではない定常状態では、モータの端子に流れる電流(後述するモータ電流の絶対値)は、モータにかかる負荷トルクにのみ比例して増減し、モータの回転速度には依存しない。しかしながら、弱め界磁状態では、負荷トルク一定の下、d軸電流成分(励磁電流成分)が、モータの回転速度に概ね比例して流れる。したがって、弱め界磁状態においては、モータに流れる電流は、負荷トルク及び回転速度の両方に依存して増減する。
また、モータのV/f制御は、回転速度に概ね比例する電圧値を直接モータに印加させる制御であるため、モータに流れる電流の電流値に基づいては制御されない。したがって、弱め界磁状態で動作するモータには、回転速度、負荷トルクの両方のパラメータに応じて、成り行きで電流が流れることになる。そうすると、例えば、弱め界磁状態において速度指令ω*に基づいて駆動しているときに負荷トルクが増加した場合、これに応じて成り行きで流れる電流が、インバータ主回路が出力可能な電流値を超える場合がある(過電流状態)。その結果、例えば、インバータ主回路による非常の運転停止処理がなされ、運転が停止する。
本発明の目的は、上記課題に鑑みてなされたものであって、モータのV/f制御においてインバータの過電流状態の発生を抑制可能なモータ制御装置、モータ制御方法及びプログラムを提供することにある。
本発明の一態様は、モータの速度指令に比例した電圧指令を回転直角座標系の2軸で指定する電圧指令部と、2軸の前記電圧指令を3相の電圧指令へ座標変換する2相/3相変換部と、3相の前記電圧指令に応じた3相の印加電圧を前記モータに印加するインバータ主回路と、3相の前記印加電圧に応じて前記モータに流れる3相の端子電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部が検出した3相の前記端子電流を、モータ電流をなす2軸の電流成分へ座標変換して前記電圧指令部へフィードバックする3相/2相変換部と、を有するモータ制御装置であって、前記インバータ主回路の電流制限値に基づいて予め規定された電流閾値と、2軸の前記電流成分から特定される前記モータ電流の絶対値と、の関係に応じて、前記速度指令を予め規定された所定の速度低下レートで低下させる速度指令補正部を備えるモータ制御装置である。
また、本発明の一態様は、前記速度指令補正部において、前記速度低下レートが、弱め界磁状態における前記モータの回転速度の上昇に応じて増加する前記モータ電流の増加率と、負荷トルクの増加に応じて増加する前記モータ電流の増加率と、に基づいて規定されている。
また、本発明の一態様は、前記速度指令補正部において、前記モータ電流の絶対値が、前記電流閾値である第1電流閾値を上回った場合に、前記速度指令を低下させる処理を開始し、前記モータ電流の絶対値が、前記電流閾値であって、前記第1電流閾値よりも低い第2電流閾値を下回った場合に、前記速度指令を低下させる処理を終了する。
また、本発明の一態様は、前記速度指令補正部が、前記電流閾値と、前記モータ電流の絶対値と、の偏差に基づく積分制御において、当該偏差のリミット値と、積分ゲインとの積が前記速度低下レート以上となるような制御を行う。
また、本発明の一態様は、電圧指令部により、モータの速度指令に比例した電圧指令を回転直角座標系の2軸で指定するステップと、2軸の前記電圧指令を3相の電圧指令へ座標変換するステップと、インバータ主回路により、3相の前記電圧指令に応じた3相の印加電圧を前記モータに印加するステップと、3相の前記印加電圧に応じて前記モータに流れる3相の端子電流を検出するステップと、検出した3相の前記端子電流を、モータ電流をなす2軸の電流成分へ座標変換して前記電圧指令部へフィードバックするステップと、を有するモータ制御方法であって、前記インバータ主回路の電流制限値に基づいて予め規定された電流閾値と、2軸の前記電流成分から特定される前記モータ電流の絶対値と、の関係に応じて、前記速度指令を予め規定された所定の速度低下レートで低下させるステップを更に有するモータ制御方法である。
また、本発明の一態様は、モータの速度指令に比例した電圧指令を回転直角座標系の2軸で指定する電圧指令部と、2軸の前記電圧指令を3相の電圧指令へ座標変換する2相/3相変換部と、3相の前記電圧指令に応じた3相の印加電圧を前記モータに印加するインバータ主回路と、3相の前記印加電圧に応じて前記モータに流れる3相の端子電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部が検出した3相の前記端子電流を、モータ電流をなす2軸の電流成分へ座標変換して前記電圧指令部へフィードバックする3相/2相変換部と、を有するモータ制御装置のコンピュータを、前記インバータ主回路の電流制限値に基づいて予め規定された電流閾値と、2軸の前記電流成分から特定される前記モータ電流の絶対値と、の関係に応じて、前記速度指令を予め規定された所定の速度低下レートで低下させる速度指令補正手段として機能させるプログラムである。
上述のモータ制御装置、モータ制御方法及びプログラムによれば、モータのV/f制御においてインバータの過電流状態の発生を抑制できる。
第1の実施形態に係るモータ制御装置の機能構成を示す図である。 第1の実施形態に係る過電流防止用補正部の機能を説明する第1の図である。 第1の実施形態に係る過電流防止用補正部の機能を説明する第2の図である。 第1の実施形態に係る過電流防止用補正部の機能を説明する第3の図である。 第2の実施形態に係る過電流防止用補正部の機能構成を示す図である。 第2の実施形態に係る過電流防止用補正部の機能を説明する第1の図である。 第2の実施形態に係る過電流防止用補正部の機能を説明する第2の図である。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係るモータ制御装置について、図1〜図4を参照しながら詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係るモータ制御装置の機能構成を示す図である。
具体的には、図1は、モータ制御装置1における各種信号の流れを示すブロック線図である。
図1に示すように、モータ制御装置1は、速度指令部2と、電圧指令部3と、2相/3相変換部4と、インバータ主回路5と、3相/2相変換部6と、力率角演算部8と、脱調防止用補正部9と、過電流防止用補正部10(速度指令補正部)と、を備え、制御対象であるモータ7を制御する。
本実施形態において、このモータ制御装置1は、エアコンの圧縮機(コンプレッサ)を負荷として駆動するモータ7を制御する。また、本実施形態において、モータ7は、内部のロータに永久磁石が組み込まれ、入力される3相の交流電圧に基づいて駆動制御される永久磁石型同期モータである。
速度指令部2は、所望の周波数f(回転速度ω)でモータ7を回転させるための速度指令nω*を出力する(nは極対数)。速度指令nω*は、後述する脱調防止用補正部9及び過電流防止用補正部10による補正処理を施され、新たな速度指令ω(インバータ出力周波数ωとも記載する。)として電圧指令部3に入力される。
電圧指令部3は、新たな速度指令であるインバータ出力周波数ωの入力を受け付けて、インバータ出力周波数ωに概ね比例した電圧指令を回転直角座標系の2軸(δ軸、γ軸)で指定する。電圧指令部3は、具体的には、δ軸電圧指令vδ*及びγ軸電圧指令vγ*を以下の式(1)、式(2)に示す演算により決定する。
Figure 2016100961
Figure 2016100961
ここで、式(1)において、“Kδ”は、所定の比例定数、“iδ”は、モータ7に流れるモータ電流Iのδ軸電流成分iδである。また、モータ電流Iは、δ軸電圧指令vδ*及びγ軸電圧指令vγ*に基づいて、モータ7の端子に実質的に流れる交流電流であって、δ軸電流成分iδ(励磁電流成分)及びγ軸電流成分iγ(トルク電流成分)からなる電流ベクトルである。
また、式(2)において、“ω”は、モータ7の回転速度を示す指令値(速度指令ω)であって、直接的には、インバータ主回路5が出力する交流電圧(後述する交流電圧v、v、v)の周波数を示すインバータ出力周波数ωである。また、“Λd”は、モータ7におけるd軸の誘起電圧係数、“K”は、比例ゲインを示している。
式(1)の演算によれば、δ軸電圧指令vδ*は、モータ7の定常状態において、δ軸電流成分iδが0で維持されるように負の比例制御が行われる。これにより、δ軸電流成分iδが正又は負の値に偏っていれば、比例定数Kδによって早急にδ軸電流成分iδが0に維持されるようにδ軸電圧指令vδ*が決定される。
また、式(2)の第1項の演算によれば、δ軸電流成分iδ=0の定常状態において、γ軸電圧指令vγ*がモータ7への速度指令ω(インバータ出力周波数ω)に比例するように決定される(V/f制御)。また、式(2)の第2項によれば、δ軸電流成分iδ≠0の非定常状態において、積分制御によりδ軸電流成分iδが0となるようにγ軸電圧指令vγ*が調整される。
このようにすることで、定常状態において、δ軸電流成分iδは0になり、δ軸電流成分iδが0になればモータ印加電圧Vのδ軸電圧成分vδも0になる。そうすると、モータ7に流れるモータ電流I及びモータ印加電圧V(δ軸電圧成分vδ及びγ軸電圧成分vγからなる電圧ベクトル)は、各々のγ軸成分のみが有効となって、後述する力率角演算部8の説明のように、出力可能なトルクに対して効率の高い省電力な制御が可能となる。
なお、本実施形態においては、式(2)の第2項に基づく積分制御を行う態様としているが、制御応答性によっては、比例制御、比例積分制御等としてもよい。
2相/3相変換部4は、電圧指令部3から出力された電圧指令(δ軸電圧指令vδ*、γ軸電圧指令vγ*)を、インバータ主回路5が出力する3相の交流電圧v、v、vの各々に対応する交流電圧指令v*、v*、v*に座標変換する。2相/3相変換部4は、インバータ出力周波数ωの積分により求められる位相θに応じた座標変換を行う。これにより、所望する回転速度に対応する周波数(インバータ出力周波数ω)、かつ、当該周波数に比例する振幅を有する3相の印加電圧(交流電圧v、v、v)が、インバータ主回路5を通じてモータ7に印加される。
インバータ主回路5は、2相/3相変換部4からの指令値である3相の交流電圧指令v*、v*、v*の各々に応じた3相の印加電圧(交流電圧v、v、v)をモータ7に印加する。
3相/2相変換部6は、電流検出部6aを通じて、3相の印加電圧(交流電圧v、v、v)に応じてモータ7に流れる3相の端子電流i、i、iを取得する。ここで、電流検出部6aは、インバータ主回路5とモータ7とを接続する各配線に設けられた電流検出器であって、各配線に流れる端子電流i、i、iの各々を検出する。
3相/2相変換部6は、入力された端子電流i、i、iを、モータ電流Iをなす2軸の電流成分であるδ軸電流成分iδ及びγ軸電流成分iγへ座標変換して電圧指令部3へフィードバックする。具体的には、電圧指令部3は、入力されたδ軸電流成分iδに基づき、式(1)、式(2)を演算し、フィードバックがなされた新たな電圧指令(δ軸電圧指令vδ*、γ軸電圧指令vγ*)を出力する。
なお、本実施形態に係る3相/2相変換部6は、取得した3相の端子電流i、i、iに対し、モータ印加電圧Vの位相θよりも所定の位相差Φだけ進んだ位相(θ−Φ)に応じた座標変換を行う(下記、力率角演算部8についての説明を参照)。
力率角演算部8は、モータ7に印加されるモータ印加電圧Vと、モータ電流Iとの位相差(力率角)につき、必要なトルクに対して高い電力効率を得ることができる位相差Φを算出する。具体的には、力率角演算部8は、検出されたモータ電流I(δ軸電流成分iδは0に制御されているため、実質的にはγ軸電流成分iγのみ)に応じた最適な位相差Φを特定する。そして、上述の3相/2相変換部6は、モータ7の端子電流i、i、iを2軸(δ軸及びγ軸)に変換する際に、モータ印加電圧Vの位相θよりも位相差Φだけ進んだモータ電流Iとなるように、位相θ−Φに応じた座標変換を行う。これにより、モータ印加電圧Vとモータ電流Iとの位相差(力率角)が位相差Φとなり、高い電力効率でモータ7を駆動させることができる。
なお、力率角演算部8が、モータ電流I(γ軸電流成分iγ)に応じて位相差Φを特定する具体的な手段については特許文献1に記載されているため、詳細な説明を省略する。
脱調防止用補正部9は、位相θ−Φに応じた変換がなされたγ軸電流成分iγ(実質的なモータ電流I)に基づいて、速度指令部2から出力される速度指令nω*に所定の負帰還の補正処理を適用し、補正処理後の新たな速度指令ωを出力する。具体的には、脱調防止用補正部9は、γ軸電流成分iγに所定のゲインKω1を乗じ、これを周波数たる速度指令nω*から減算する補正処理を行う。
例えば、モータ7の負荷トルクが瞬間的に増加した場合、これに応じて回転速度が遅くなりモータ電流Iが増加する。この場合、脱調防止用補正部9は、増加したモータ電流I(γ軸電流成分iγ)を検出し、これに応じて、補正処理後の速度指令ωを低下させる。そして、脱調防止用補正部9は、一定の上昇レート(単位時間当たりの速度指令nω*の上昇率)で補正処理後の速度指令ωを上昇させ、当初の回転速度に復帰させる。このように制御することで、モータ7の脱調を防止し、回転を安定化させることができる。なお、モータ7の負荷トルクが下降して、回転速度が速くなった場合も同様である。
過電流防止用補正部10は、モータ7が弱め界磁状態で動作している際に負荷トルクの増加が生じた場合であってもインバータ主回路5が過電流とならないように、速度指令nω*に負帰還の補正処理を適用し、補正処理後の新たな速度指令ωを出力する。
本実施形態に係る過電流防止用補正部10の機能については、以下に詳細に説明する。
図2は、第1の実施形態に係る過電流防止用補正部の機能を説明する第1の図である。
具体的には、過電流防止用補正部10は、インバータ主回路5の電流制限値Ilimに基づいて予め規定された2つの電流閾値Ith1、Ith2を保持している。そして、過電流防止用補正部10は、2つの電流閾値Ith1、Ith2と、δ軸電流成分iδ及びγ軸電流成分iγの両方から特定されるモータ電流Iの絶対値と、の関係に応じて、図2に示すグラフから規定される所定の速度低下レートKω2で、補正処理後の速度指令ωを低下させる。ここで、速度低下レートKω2[(rad/s)/s]は、単位時間当たりに速度指令ωを低下させる度合いを示している。また、電流制限値Ilimは、インバータ主回路5が出力可能なモータ電流Iの上限値である。
ここで、電圧指令部3に基づく制御によれば、γ軸電圧指令vγ*は、式(2)で規定されるが、補正処理後の速度指令ωが所定値以上まで上昇すると、インバータ主回路5の出力可能電圧Vlimを超えたγ軸電圧指令vγ*が指定されることになる。この場合、モータ7は、速度指令ωに基づく回転速度で回転するものの、このときにモータ7に実際に印加される電圧は、式(2)に基づくγ軸電圧指令vγ*ではなく、それよりも低い出力可能電圧Vlimに相当する電圧となる。そうすると、式(2)の第2項に規定する、δ軸電流成分iδを0とするための積分制御が機能しなくなり、モータ7の回転速度(速度指令ω)に応じて、成り行きでδ軸電流成分iδが流れる(弱め界磁状態)。
弱め界磁状態においては、モータ7の回転速度が上昇するほど、モータ7の端子に生じる逆起電力が大きくなり、インバータ主回路5からの出力可能電圧Vlimとの差が広がって、弱め界磁電流(δ軸電流成分iδ)が増大する。
図2に示すグラフは、モータ7の端子に印加する電圧(=出力可能電圧Vlim)一定の下、モータ7の回転速度(回転数[rps])とモータ電流Iの絶対値[Ar]との関係を、負荷トルクτ別に示している。
図2に示す通り、モータ7の回転数が所定の回転数ωth以下においては、モータ電流Iの絶対値は、負荷トルクτのみに比例して増減し、回転数に対して一定となる。この状態において、δ軸電流成分iδは0に制御されており、モータ7には、そのトルク出力に寄与するγ軸電流成分iγのみが流れている。
他方、モータ7の回転速度が所定の回転速度(回転数ωth)を上回ると、弱め界磁状態となり、負荷トルクτに応じたγ軸電流成分iγに加え、弱め界磁電流であるδ軸電流成分iδが流れ始める。このδ軸電流成分iδは、モータ7の回転速度に比例して増減するので、回転数ωthより高い回転数の領域において、モータ電流Iの絶対値は、モータ7の回転速度が上昇するに連れて増加する傾向を示す。
したがって、モータ7が弱め界磁状態で動作している際に、負荷変動(負荷トルクの増加)が生じた場合、回転速度に応じて成り行きで流れていた電流が電流制限値Ilimを超えてしまい、脱調または駆動の緊急停止が生じることが想定される。
過電流防止用補正部10における速度低下レートKω2は、図2に示すモータ7の回転数―電流特性に基づいて規定される。速度低下レートKω2は、負荷トルクτの増加に応じて増加するモータ電流Iの増加率ΔI/Δτ[A/Nm]と、弱め界磁状態におけるモータ7の回転速度の上昇に応じて増加するモータ電流Iの増加率ΔI/Δω[A/(rad/s)]と、に基づいて、式(3)のように規定される。
Figure 2016100961
式(3)の“Kτ”(増加レートKτ[Nm/s])は、モータ7の負荷(コンプレッサ)において生じる負荷変動の特性を表す値であって、具体的には、単位時間当たりに負荷トルクが増加する度合いの最大値を示す。即ち、速度低下レートKω2は、事前の測定等によって把握された、モータ電流Iについての二つの増加率(ΔI/Δτ、ΔI/Δω)と、モータ7の負荷において想定される負荷変動の特性(即ち、増加レートKτ)と、に基づいて規定される(式(3)参照)。
図3、図4は、第1の実施形態に係る過電流防止用補正部の機能を説明する第2の図、第3の図である。
具体的には、図3は、動作中のモータ7について、モータ電流Iの経時的推移を示している。また、図4は、過電流防止用補正部10による補正処理後の速度指令ωの経時的推移を示している。ここで、モータ7は、速度指令ω(=ωa)に応じた回転速度ωaでの動作中において、弱め界磁状態にあるものとする。
過電流防止用補正部10は、電流制限値Ilimに対し所定のマージンを設けて規定された第1電流閾値Ith1(Ith1<Ilim)と、第1電流閾値Ith1から更に所定のマージンを設けて規定された第2電流閾値Ith2(Ith2<Ith1)と、を記憶している(図3参照)。
過電流防止用補正部10は、3相/2相変換部6により出力されたδ軸電流成分iδ及びγ軸電流成分iγに基づいて、モータ電流Iの絶対値(|I|=(iδ +iγ 1/2)を算出する。過電流防止用補正部10は、算出されたモータ電流Iの絶対値と、第1電流閾値Ith1とを比較して、モータ電流Iの絶対値が第1電流閾値Ith1に達した場合に、補正処理後の速度指令ωを速度低下レートKω2で低下させる。
例えば、図3の時刻t1以前において、モータ7は、一定の回転速度(回転速度ωa)の下、負荷トルクτの増加に応じてモータ電流Iの絶対値が上昇中にある。そして、負荷トルクτの増加により時刻t1でモータ電流Iの絶対値が第1電流閾値Ith1に達したとする。このとき、過電流防止用補正部10は、速度指令nω*に負帰還の補正処理を行い、当該補正処理後の速度指令ωを、一定の速度低下レートKω2で低下させる。これにより、低減された速度指令ω(<ωa)に基づいてモータ7の回転速度が速度低下レートKω2で低下し始める(図4参照)。そうすると、モータ7が弱め界磁状態で動作していることから、モータ7の回転速度の低下に応じてモータ電流I(実質的には、δ軸電流成分iδ)が低下する(図3参照)。
ここで、上述したように、速度低下レートKω2は、図2に示す特性より定められた二つの増加率(ΔI/Δτ、ΔI/Δω)と、モータ7の負荷において想定される最大の増加レートKτと、に基づいて規定されたものである(式(3)参照)。したがって、仮に、時刻t1において負荷トルクτが最大の増加レートKτで増加したとしても、速度指令ωを速度低下レートKω2で低下させている限り、モータ電流Iの絶対値が第1電流閾値Ith1から増加することはない。また、このようにすることで、モータ電流Iが第1電流閾値Ith1から増加しない限度において、モータ7の回転数の低下量を最小限に留めることができる。
次に、補正処理後の速度指令ωの低下により、モータ電流Iの絶対値が第2電流閾値Ith2まで低減した場合、過電流防止用補正部10は、速度指令ωを低下させる処理を終了する。その後、過電流防止用補正部10は、所定の上昇レートで速度指令ωを上昇させて、本来の回転速度ωaに回復させる処理を行う(図4参照)。なお、この回転速度の回復処理中において、負荷トルクτとの関係で、モータ電流Iの絶対値が再び第1電流閾値Ith1に達した場合には、過電流防止用補正部10は、再度、速度指令ωを速度低下レートKω2で低下させる。
以上、第1の実施形態に係るモータ制御装置1によれば、インバータ主回路5の電流制限値Ilimに基づいて予め規定された電流閾値(Ith1、Ith2)と、2軸の電流成分(iδ、iγ)の両方から特定されるモータ電流Iの絶対値と、の関係に応じて、補正処理後の速度指令ωを予め規定された所定の速度低下レートKω2で低下させる。
このようにすることで、弱め界磁状態により成り行きでモータ電流Iが流れている最中に負荷トルクτが増加する変動が生じた場合であっても、モータ電流Iが、所定の電流閾値Ith1(ひいては電流制限値Ilim)を上回らない最小限の速度低下レートで、モータ7の回転速度が適切に低減される。したがって、インバータ主回路5における過電流状態の発生が抑止され、モータ7の動作を安定化させることができる。
また、第1の実施形態に係るモータ制御装置1によれば、上述したように、モータ電流Iの絶対値が第1電流閾値Ith1を上回った場合に、負帰還の補正処理により速度指令ωを低下させる処理を開始し、モータ電流Iの絶対値が第1電流閾値Ith1よりも低い第2電流閾値Ith2を下回った場合に、速度指令ωを低下させる処理を終了する。
このように、2つの異なる電流閾値(Ith1、Ith2)により、モータ電流Iについてのヒステリシス特性を規定することで、速度指令nω*に対する低下の補正処理が頻繁に発生することを防止し、結果としてモータ7の動作を一層安定化させることができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係るモータ制御装置について、図5、図6を参照しながら詳細に説明する。
第2の実施形態に係るモータ制御装置1の機能構成は、第1の実施形態(図1)と同様であるため詳細な説明を省略する。ただし、第2の実施形態においては、過電流防止用補正部10の機能が第1の実施形態と異なる。
図5は、第2の実施形態に係る過電流防止用補正部の機能構成を示す図である。
図5に示すように、過電流防止用補正部10は、閾値記憶部101と、リミット設定部102と、積分演算部103と、を有している。
閾値記憶部101は、インバータ主回路5の電流制限値Ilimに基づいて予め規定された積分制御用電流閾値Ithiを記憶している。
リミット設定部102は、積分制御用電流閾値Ithiとモータ電流Iとの偏差δI(δI=Ithi−|I|)に所定のリミット値である上限値δIL(>0)及び下限値−δIL(<0)を適用する。
積分演算部103は、偏差δI(リミット設定部102により上限値δIL又は下限値−δILが適用されたもの)を積分し、予め規定された積分ゲインKiで速度指令nω*についての負帰還の補正値δωを出力する。ただし、過電流防止用補正部10は、モータ電流Iの絶対値が電流制限値Ilimを上回らないようにするための積分制御を実現すれば足りる。そこで、積分演算部103は、偏差δIの積分結果の上限値を0とし、負の値のみを取るようにする。このようにすることで、過電流防止用補正部10は、モータ電流Iの絶対値が積分制御用電流閾値Ithi以下となっている場合には、当該モータ電流Iの絶対値を積分制御用電流閾値Ithiに近づけようとする積分制御を行わない。一方、モータ電流Iの絶対値が積分制御用電流閾値Ithiを上回って偏差δIが負の値をとった場合には、過電流防止用補正部10は、モータ電流Iの絶対値を積分制御用電流閾値Ithiに近づけるための負帰還の補正値δωを出力する。
また、リミット設定部102に規定される上限値・下限値の絶対値δIL、及び、積分演算部103に規定される積分ゲインKiは、上限値・下限値の絶対値δILと積分ゲインKiとの積(δIL・Ki)が、少なくとも速度低下レートKω2以上となるように規定される。
図6、図7は、第2の実施形態に係る過電流防止用補正部の機能を説明する第1の図、第2の図である。
図6は、動作中のモータ7について、モータ電流Iの経時的推移を示している。また、図7は、過電流防止用補正部10による補正処理後の速度指令ωの経時的推移を示している。ここで、第1の実施形態と同様に、モータ7は、速度指令ω(=ωa)に基づく回転速度ωaでの動作中において、弱め界磁状態にあるものとする。
過電流防止用補正部10は、3相/2相変換部6により検出されたδ軸電流成分iδ及びγ軸電流成分iγに基づいて、モータ電流Iの絶対値(|I|=(iδ +iγ 1/2)を算出する。また、過電流防止用補正部10は、算出されたモータ電流Iの絶対値と、閾値記憶部101に記憶される積分制御用電流閾値Ithiとを比較して、偏差δI(δI=Ithi−|I|)を算出する。
続いて、過電流防止用補正部10は、リミット設定部102を通じて、算出された偏差δIが上限値δILを上回っている場合には上限値δILを、偏差δIが下限値−δILを下回っている場合には下限値−δILを適用する。更に、過電流防止用補正部10は、積分演算部103の処理により、リミット設定部102の処理を経た偏差δIを入力し、これを積分ゲインKiで積分して補正値δωを算出する。
例えば、図6において、モータ電流Iの絶対値が積分制御用電流閾値Ithi以下となっている期間(時刻t1以前)は、積分演算部103による積分結果は0(上限値)のままである。したがって、この場合、過電流防止用補正部10は、速度指令nω*に対して負帰還の補正処理を行わない。一方、負荷トルクτが増加してモータ電流Iの絶対値が積分制御用電流閾値Ithiを上回った後(時刻t1経過後)は、積分演算部103は、偏差δI(<0)の積分結果に積分ゲインKiを乗じて、速度指令nω*に対する補正値δωを算出し、これを出力する。
これにより、図6に示すように、過電流防止用補正部10は、時刻t1を過ぎてから、積分制御(偏差δIの積分値)にしたがって、積分制御用電流閾値Ithiに近づくように負帰還の積分制御がなされる。具体的には、過電流防止用補正部10は、図7に示すように、時刻t1において、偏差δIの積分値及び積分ゲインKiの積(補正値δω)に応じたレートで、速度指令ωを低下させる。このとき、モータ7は弱め界磁状態にあることから、モータ電流Iの絶対値は、速度指令ωの低下に応じた回転速度の低下に伴って低下する。
ここで、上述したように、上限値・下限値の絶対値δIL、及び、積分演算部103に規定される積分ゲインKiは、上限値・下限値の絶対値δILと積分ゲインKiとの積(δIL・Ki)が、少なくとも速度低下レートKω2以上となるように規定される。したがって、負荷トルクτが最大の増加レートKτで増加したとしても、偏差δI(<0)が下限値−δILに達した時点で、速度指令ωが速度低下レートKω2で低減されるため、モータ電流Iの絶対値がその時点から増加することはない。また、このようにすることで、モータ電流Iが、偏差δI(<0)が下限値−δILに達した時点から増加しない限度において、モータ7の回転数の低下量を最小限に留めることができる。
次に、速度指令ωの低下により、モータ電流Iの絶対値が積分用電流閾値Ithi以下となり、偏差δIの積分値が0となった場合、過電流防止用補正部10は、速度指令ωの低下の補正処理を終了する。その後、過電流防止用補正部10は、所定の上昇レートで速度指令ωを上昇させて、本来の回転速度ωaに回復させる処理を行う(図7参照)。なお、この回転速度の回復処理中において、負荷トルクτとの関係で、モータ電流Iの絶対値が再び積分用電流閾値Ithiを上回った場合には、過電流防止用補正部10は、再度、積分ゲインKiの積分制御に基づいて、速度指令ωを低下させる処理を行う。
以上、第2の実施形態に係るモータ制御装置1によれば、積分用電流閾値Ithiとモータ電流Iの絶対値との偏差δIに基づく積分制御により、速度指令ωが補正される。また、過電流防止用補正部10は、偏差δIのリミット値(上限値δIL、下限値−δIL)と、積分ゲインKiとの積が少なくとも速度低下レートKω2以上となるような制御を行う。
このようにすることで、弱め界磁状態により成り行きでモータ電流Iが流れている最中に負荷トルクτが増加する変動が生じた場合であっても、モータ電流Iが電流制限値Ilimを上回らないように、積分制御に基づく最小限の速度低下レートで、モータ7の回転速度が適切に低減される。したがって、インバータ主回路5における過電流状態の発生が抑止され、モータ7の動作を安定化させることができる。
以上、第1の実施形態及び第2の実施形態について詳細に説明したが、各実施形態に係るモータ制御装置1の具体的な態様は、上述のものに限定されることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を加えることは可能である。
例えば、第1(第2)の実施形態において、モータ制御装置1は、力率角演算部8及び脱調防止用補正部9を有するものとして説明したが、これらは、モータ7の高効率化及び安定動作を目的とした、過電流防止用補正部10とは独立した機能である。したがって、実施形態によっては、モータ制御装置1は、力率角演算部8、脱調防止用補正部9の一方又は両方を具備しない態様であってもよい。
また、第1(第2)の実施形態において、速度低下レートKω2は、図2に示すモータ7の特性より定められた二つの増加率(ΔI/Δτ、ΔI/Δω)に基づいて規定されている(式(3))ことを説明した。しかし、実際には、負荷トルクτに対するモータ電流Iの増加率ΔI/Δτ、及び、回転速度に対するモータ電流Iの増加率ΔI/Δωは、図2に示す特性のうち選択するプロット位置によっては異なる値を取り得る。したがって、式(3)に基づいて、図2に示す特性の複数のプロット位置別に算出される速度低下レートのうち最大のものを速度低下レートKω2としてもよい。このようにすることで、より確実に、モータ電流Iが電流制限値Ilimを上回らないようにすることができる。
また、モータ電流Iに基づく負帰還制御によりモータ7の回転数が下がることで、駆動対象とする負荷(コンプレッサ)の特性によっては負荷トルクτも減少することが考えられる。負荷トルクτの減少がモータ7の回転数の低下に対して時間遅れを持つと、第2の実施形態に係る積分制御では、回転速度の低下と負荷トルクτとの時間遅れを伴う減少により、積分制御が振動状態(ハンチング)に陥り、モータ7の制御が不安定となる場合がある。
そこで、第2の実施形態の変形例に係るモータ制御装置1(過電流防止用補正部10)は、上述の積分制御によりモータ電流Iが減少した後、回転速度を回復させるペースを、回転速度低減時に適用された速度低下レートよりも遅くする。このようにすることで、振動(ハンチング)の発生を減らすことができる。
また、上述の各実施形態においては、モータ制御装置の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各手順を行うものとしている。ここで、上述したモータ制御装置の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、モータ制御装置の機能が、ネットワークで接続される複数の装置に渡って具備される態様であってもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
1 モータ制御装置
2 速度指令部
3 電圧指令部
4 2相/3相変換部
5 インバータ主回路
6 3相/2相変換部
6a 電流検出部
7 モータ
8 力率角演算部
9 脱調防止用補正部
10 過電流防止用補正部(速度指令補正部)
101 閾値記憶部
102 リミット設定部
103 積分演算部

Claims (6)

  1. モータの速度指令に比例した電圧指令を回転直角座標系の2軸で指定する電圧指令部と、
    2軸の前記電圧指令を3相の電圧指令へ座標変換する2相/3相変換部と、
    3相の前記電圧指令に応じた3相の印加電圧を前記モータに印加するインバータ主回路と、
    3相の前記印加電圧に応じて前記モータに流れる3相の端子電流を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部が検出した3相の前記端子電流を、モータ電流をなす2軸の電流成分へ座標変換して前記電圧指令部へフィードバックする3相/2相変換部と、
    を有するモータ制御装置であって、
    前記インバータ主回路の電流制限値に基づいて予め規定された電流閾値と、2軸の前記電流成分から特定される前記モータ電流の絶対値と、の関係に応じて、前記速度指令を予め規定された所定の速度低下レートで低下させる速度指令補正部を備える
    モータ制御装置。
  2. 前記速度指令補正部において、
    前記速度低下レートは、弱め界磁状態における前記モータの回転速度の上昇に応じて増加する前記モータ電流の増加率と、負荷トルクの増加に応じて増加する前記モータ電流の増加率と、に基づいて規定されている
    請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記速度指令補正部は、
    前記モータ電流の絶対値が、前記電流閾値である第1電流閾値を上回った場合に、前記速度指令を低下させる処理を開始し、前記モータ電流の絶対値が、前記電流閾値であって、前記第1電流閾値よりも低い第2電流閾値を下回った場合に、前記速度指令を低下させる処理を終了する
    請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記速度指令補正部は、
    前記電流閾値と、前記モータ電流の絶対値と、の偏差に基づく積分制御において、当該偏差のリミット値と、積分ゲインとの積が前記速度低下レート以上となるような制御を行う
    請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置。
  5. 電圧指令部により、モータの速度指令に比例した電圧指令を回転直角座標系の2軸で指定するステップと、
    2軸の前記電圧指令を3相の電圧指令へ座標変換するステップと、
    インバータ主回路により、3相の前記電圧指令に応じた3相の印加電圧を前記モータに印加するステップと、
    3相の前記印加電圧に応じて前記モータに流れる3相の端子電流を検出するステップと、
    検出した3相の前記端子電流を、モータ電流をなす2軸の電流成分へ座標変換して前記電圧指令部へフィードバックするステップと、
    を有するモータ制御方法であって、
    前記インバータ主回路の電流制限値に基づいて予め規定された電流閾値と、2軸の前記電流成分から特定される前記モータ電流の絶対値と、の関係に応じて、前記速度指令を予め規定された所定の速度低下レートで低下させるステップを更に有する
    モータ制御方法。
  6. モータの速度指令に比例した電圧指令を回転直角座標系の2軸で指定する電圧指令部と、
    2軸の前記電圧指令を3相の電圧指令へ座標変換する2相/3相変換部と、
    3相の前記電圧指令に応じた3相の印加電圧を前記モータに印加するインバータ主回路と、
    3相の前記印加電圧に応じて前記モータに流れる3相の端子電流を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部が検出した3相の前記端子電流を、モータ電流をなす2軸の電流成分へ座標変換して前記電圧指令部へフィードバックする3相/2相変換部と、
    を有するモータ制御装置のコンピュータを、
    前記インバータ主回路の電流制限値に基づいて予め規定された電流閾値と、2軸の前記電流成分から特定される前記モータ電流の絶対値と、の関係に応じて、前記速度指令を予め規定された所定の速度低下レートで低下させる速度指令補正手段として機能させる
    プログラム。
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