JP2016100240A - リチウムイオン二次電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 厚みが増大しないように厚み方向に極板群が拘束されているリチウムイオン二次電池において電池性能の低下を抑制する。【解決手段】 正極、セパレータ及び負極を含む極板群と電解液とを含むリチウムイオン二次電池であって、負極は、集電体と、集電体の表面に配置された負極活物質層と、負極活物質層の表面に配置され、無機粒子、被覆層用結着剤及び空隙を含む被覆層とを有し、被覆層の厚みは、負極活物質層の厚みに対して0.03以上0.15以下であり、極板群は、厚みが増大しないように厚み方向に拘束されていることを特徴とする。【選択図】 図3

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池及びその製造方法に関する。
従来から、正極及び負極と、正極及び負極間をイオンが移動するための媒体となる電解液と、正極及び負極間の短絡を防止するためのセパレータとを具備するリチウムイオン二次電池が広く知られている。この電池製造時には、正極活物質層を有する正極、セパレータ、及び負極活物質層を有する負極を重ねた極板群に対し、一定の圧力を加え、極板群を規定の厚みとするのが一般的である。さらに特許文献1には、電池の充放電時に、活物質の膨張によって正極及び/又は負極の厚み、ひいては極板群の厚みが厚くならないように、極板群の厚み方向に一定の圧力をかけ続ける電池が提案されている。
ここで、極板群の厚みが増大しないように規制されている電池の場合、活物質層において、充放電時に活物質が膨張すると、活物質層に保持されていた電解液が活物質層の外に押し出される。そうすると、活物質近傍に存在する電解液の量が減少することとなり、結果として電池の性能が低下するおそれがある。
また特許文献2には、内部短絡時の短絡部の拡大を抑制するために、負極活物質層の上に耐熱性多孔層を形成したリチウムイオン二次電池が開示されている。また特許文献2には、耐熱性多孔層は電解液保持能力を有すること、耐熱性多孔層が負極活物質層の上に配置されることにより負極の電解液の含有量を増やすことができることが開示されている。しかしながら特許文献2には、厚みが増大しないように厚み方向に極板群を拘束することについては記載されていない。また一般的に活物質層の表面に何らかの層が形成された電池は、抵抗増加などによる出力低下を引き起こすおそれがある。
特開2014−82157号公報 特開2007−200795号公報
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、厚みが増大しないように厚み方向に極板群が拘束されているリチウムイオン二次電池において電池性能の低下を抑制することを目的とする。
本発明の発明者等は、鋭意研究の結果、負極活物質層の表面に被覆層を配置し、かつその被覆層の厚みを負極活物質層の厚みに対して0.03以上0.15以下とすることによって厚みが増大しないように極板群が厚み方向に拘束されているリチウムイオン二次電池において電池性能の低下を抑制できることを見出した。
すなわち、本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、セパレータ及び負極を含む極板群と電解液とを含むリチウムイオン二次電池であって、負極は、集電体と、集電体の表面に配置された負極活物質層と、負極活物質層の表面に配置され、無機粒子、被覆層用結着剤及び空隙を含む被覆層とを有し、被覆層の厚みは、負極活物質層の厚みに対して0.03以上0.15以下であり、極板群は、厚みが増大しないように厚み方向に拘束されていることを特徴とする。
被覆層の空隙率が35%〜85%であることが好ましい。
被覆層の厚みは1μm以上15μm以下であることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法は、電解液を有するリチウムイオン二次電池の製造方法であって、集電体の表面に形成された負極活物質層の表面に、無機粒子、被覆層用結着剤及び空隙を含む被覆層を形成する負極形成工程と、正極とセパレータと負極形成工程で得られた負極とを有する極板群を形成する極板群形成工程と、製造後のリチウムイオン二次電池において厚みが増大しないように極板群を厚み方向に拘束する拘束工程と、を有し、負極形成工程における被覆層の厚みは、負極形成工程における負極活物質層の厚みに対して0.03以上0.15以下であることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン二次電池は、厚みが増大しないように極板群が厚み方向に拘束されている。そのため、充放電時に負極活物質が膨張することによって、負極活物質層に保持された電解液が負極活物質層の外に押し出されるおそれがある。本発明のリチウムイオン二次電池においては、ある規定の厚みの被覆層を負極活物質層の表面に配置したことにより、充放電時に負極活物質層に保持された電解液が負極活物質層の外に押し出されても、被覆層に含まれる空隙に電解液が保持されているので、被覆層に含まれる電解液を近傍の負極活物質が使用することができ、電池性能の低下が抑制される。
本実施形態のリチウムイオン二次電池の充放電前の負極を説明する模式図である。 本実施形態のリチウムイオン二次電池の充放電時の負極を説明する模式図である。 本実施形態のリチウムイオン二次電池の極板群を説明する模式図である。 本実施形態のリチウムイオン二次電池の極板群の拘束例を説明する模式図である。 被覆層の厚みの負極活物質層の厚みに対する比とリチウムイオン二次電池の充電抵抗及び容量維持率との関係を示すグラフである。
以下に、本発明を実施するための形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「a〜b」は、下限aおよび上限bをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、セパレータ及び負極を含む極板群と電解液とを含む。極板群は、厚みが増大しないように厚み方向に拘束されている。また負極は、集電体と、負極活物質層と、被覆層とを有する。被覆層は無機粒子、被覆層用結着剤及び空隙を含み、被覆層の厚みは負極活物質層の厚みに対して0.03以上0.15以下である。
(負極)
負極は、集電体と、集電体の表面に配置された負極活物質層と、負極活物質層の表面に配置され、無機粒子、被覆層用結着剤及び空隙を含む被覆層とを有する。
集電体は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子高伝導体をいう。集電体の材料として、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、又はステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。また集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いてもよい。
集電体は箔、シート、フィルム、線状、棒状、メッシュなどの形態をとることができる。そのため、集電体として、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。集電体が箔、シート、フィルム形態の場合は、その厚みが1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
負極活物質層は、負極活物質を含み、必要に応じて結着剤及び/又は導電助剤を含む。
負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る材料が使用可能である。従って、負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能である単体、合金又は化合物であれば特に限定はない。負極活物質は、一般的にリチウムイオンの吸蔵及び放出に伴って、膨張、収縮する。
負極活物質としては、リチウムを吸蔵及び放出可能な炭素系材料、リチウムと合金化可能な元素、リチウムと合金化可能な元素を有する化合物、あるいは高分子材料を例示することができる。炭素系材料としては、難黒鉛化性炭素、人造黒鉛、天然黒鉛、コークス類、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭あるいはカーボンブラック類を例示できる。ここで、有機高分子化合物焼成体とは、フェノール類やフラン類などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。リチウムと合金化可能な元素としては、具体的にNa、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Ti、Ag、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Biが例示でき、特に、SiまたはSnが好ましい。リチウムと合金化可能な元素を有する化合物としては、具体的にZnLiAl、AlSb、SiB、SiB、MgSi、MgSn、NiSi、TiSi、MoSi、 CoSi、NiSi、CaSi、CrSi、CuSi、FeSi、MnSi、NbSi、TaSi、VSi、WSi、ZnSi、SiC、Si、SiO、SiO(0<v≦2)、SnO(0<w≦2)、SnSiO、LiSiO あるいはLiSnOを例示でき、特に、SiO(0.5≦x≦1.5)が好ましい。また、リチウムと合金化反応可能な元素を有する化合物として、スズ合金(Cu−Sn合金、Co−Sn合金等)を例示できる。高分子材料としては、具体的にポリアセチレン、ポリピロールを例示できる。
負極活物質は粉末形状であることが好ましい。負極活物質が粉末形状の場合、負極活物質の平均粒径D50は0.5μm以上30μm以下であることが好ましく、1μm以上20μm以下であることがより好ましい。負極活物質の平均粒径D50が小さすぎると、負極活物質の粉末の比表面積が大きくなり、負極活物質の粉末と電解液との接触面積が大きくなって、電解液の分解が進んでしまい、サイクル特性が悪くなるおそれがある。また、負極活物質の平均粒径D50が大きすぎると、導電性が低い負極活物質を用いた場合、電極全体の導電性が不均一になり、充放電特性が低下するおそれがある。
平均粒径D50は粒度分布測定法によって計測できる。平均粒径D50とはレーザー回析法による粒度分布測定における体積分布の積算値が50%に相当する粒子径のことである。つまり、平均粒径D50とは、体積基準で測定したメディアン径を意味する。
結着剤は活物質を集電体の表面に繋ぎ止める役割を果たすものである。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸などのアクリル系樹脂、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、スチレンブタジエンゴム、アルコキシシリル基含有樹脂などの公知のものを用いることができる。これらの結着剤を単独または二種以上組み合わせて活物質層に添加することができる。結着剤の使用量については特に制限はないが、活物質100質量部に対して結着剤1〜50質量部の範囲が好ましい。結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなるためである。
導電助剤は導電性を高めるために添加される。導電助剤としては、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber)が例示される。これらの導電助剤を単独または二種以上組み合わせて活物質層に添加することができる。導電助剤の使用量については特に制限はないが、例えば、活物質100質量部に対して導電助剤1〜30質量部とすることができる。
集電体の表面に負極活物質層を形成するには、ロールコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いて、集電体の表面に負極活物質を直接塗布すればよい。具体的には、負極活物質、並びに必要に応じて結着剤及び/又は導電助剤を含む活物質層形成用組成物を調製し、この組成物に適当な溶媒を加えてペースト状の液とする。あらかじめ結着剤を溶媒に溶解させた溶液又は分散させた懸濁液を用いても良い。上記溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、エタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。上記ペースト状の液を集電体の表面に塗布後、乾燥する。乾燥は、常圧条件で行っても良いし、真空乾燥機を用いた減圧条件下で行っても良い。乾燥温度は適宜設定すればよく、上記溶媒の沸点以上の温度が好ましい。乾燥時間は塗布量及び乾燥温度に応じ適宜設定すればよい。負極活物質層の密度を高めるべく、負極活物質層を形成させた乾燥後の集電体に対し、圧縮工程を加えても良い。
被覆層は、負極活物質層の表面に配置され、無機粒子、被覆層用結着剤及び空隙を含む。
この被覆層は、無機粒子同士の間、無機粒子と被覆層用結着剤との間、無機粒子と負極活物質層との間等に空隙を有する。リチウムイオン二次電池内ではこの空隙に電解液が保持される。無機粒子の体積はリチウムイオン二次電池の充放電時に変動しないため、空隙内の電解液の量も充放電により変動することはない。すなわち、被覆層内に保持された電解液が充放電により減ることはない。そのため、この被覆層に含まれる電解液を近傍の負極活物質が容易に利用できる。従って、厚み方向に拘束された極板群を有するリチウムイオン二次電池の電池容量及び容量維持率の劣化を抑制できる。
また被覆層は負極活物質層の表面に配置されるため、負極活物質層と電解液との直接の接触を低減する。電解液と負極活物質とが直接接触することによって電解液の分解がおこる。そのため被覆層により電解液の分解を抑制できる。また負極活物質層の表面が被覆層で覆われているので、負極活物質層の表面に電解液中に含まれる金属成分の溶出物や電解液の分解物が堆積するのが抑制される。その結果としてリチウムイオン二次電池のサイクル特性が劣化するのを抑制できる。
無機粒子としては、例えば、Al、SiO、TiO、ZrO、MgO、SiC、AlN、BN、CaCO、MgCO、BaCO、タルク、マイカ、カオリナイト、CaSO、MgSO、BaSO、CaO、ZnO、ゼオライトから選択される無機化合物の1種若しくは複数からなる粒子が挙げられる。無機粒子の材料としては、入手の容易さの点から、Al、SiO、TiOが好ましく、特にAlが好ましい。
無機粒子の粒径としては、平均粒径D50が0.1〜10μmのものが好ましく、0.2〜5μmのものがより好ましく、0.5〜3μmのものが特に好ましい。平均粒径D50が小さすぎると、電解液を保持できる空隙を形成するのが困難になる場合がある。平均粒径D50が大きすぎると被覆層の厚みが増加するため、厚みの増加に因り生じる抵抗が電池出力に悪影響を与えるおそれがある。
被覆層用結着剤としては、活物質層についての説明で述べた結着剤を単独で採用又は複数を併用すれば良い。被覆層用結着剤としては、電気化学的な安定性などの面から、ポリフッ化ビニリデンが特に好ましい。
無機粒子と被覆層用結着剤との好ましい質量比は5:1〜200:1であり、より好ましくは10:1〜150:1であり、特に好ましくは15:1〜100:1である。
被覆層の厚みは、負極活物質層の厚みに対して0.03以上0.15以下であり、0.05以上0.11以下であることがより好ましい。実施例において後述するが、被覆層の厚みの負極活物質層の厚みに対する比をこの範囲とすることで、充電抵抗及び容量維持率の両者を満足するリチウムイオン二次電池とすることができる。被覆層の厚みの負極活物質層の厚みに対する比が大きすぎると電極の抵抗が上がりすぎるおそれがあり、被覆層の厚みの負極活物質層の厚みに対する比が小さすぎるとリチウムイオン二次電池の容量維持率が悪くなるおそれがある。
被覆層の厚みは、特に制限が無いが、1μm以上15μm以下が好ましく、3μm以上10μm以下がさらに好ましい。
被覆層の密度は特に制限が無いが、0.1g/cm〜3g/cmが好ましく、0.3g/cm〜2.5g/cmがより好ましく、0.6g/cm〜2g/cmが特に好ましい。
被覆層の空隙率は特に制限が無いが、5%〜95%が好ましく、20%〜90%がより好ましく、35%〜85%がさらに好ましい。
負極活物質層上に被覆層を設けるには、例えば、無機粒子及び被覆層用結着剤を溶媒に分散させて被覆層形成用組成物を調製する工程、及び、被覆層形成用組成物を負極活物質層上に塗布する工程を実施した後、乾燥工程を実施すればよい。被覆層形成用組成物における無機粒子及び被覆層用結着剤の合計配合量は10質量%〜50質量%の範囲内が好ましい。被覆層形成用組成物の調製に用いる溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、エタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。塗布工程では、ロールコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いればよい。乾燥工程は、常圧条件で行っても良いし、真空乾燥機を用いた減圧条件下で行っても良い。乾燥温度は被覆層用結着剤が分解しない範囲内で適宜設定すればよく、上記溶媒の沸点以上の温度が好ましい。乾燥時間は塗布量及び乾燥温度に応じ適宜設定すればよい。
ここで被覆層の効果について図を用いて説明する。図1は本実施形態のリチウムイオン二次電池の充放電前の負極を説明する模式図である。図2は、本実施形態のリチウムイオン二次電池の充放電時の負極を説明する模式図である。
図1に示すように、負極用集電体10の表面に負極活物質層11が配置され、負極活物質層11の表面に被覆層12が配置されている。負極用集電体10、負極活物質層11及び被覆層12には図1の矢印A及び矢印Bで示すように厚み方向に拘束力が付与されている。負極活物質層11には負極活物質111と電解液5が含まれている。負極活物質層11には結着剤及び導電助剤も含まれているが、図1においては省略している。被覆層12には無機粒子121と電解液5が含まれている。被覆層12には被覆層用結着剤も含まれているが図1においては省略している。図1に示す負極においては充放電前であるので負極活物質111は膨張しておらず負極活物質層11には負極活物質111の近傍に電解液5が保持されている。
図2では、リチウムイオン二次電池の充放電時に負極活物質111が膨張している様子を示す。図2に示すように、負極活物質層11において負極活物質111が膨張しており、負極活物質層11から電解液5が押し出されている。図2においては、図2に示す矢印A及び矢印Bの方向に拘束力がかかっているため、負極活物質層11は厚み方向に厚みが変えられず、拘束力の付与されていない方向である例えば厚み方向と垂直な方向である矢印Cの方向に電解液5が押し出される。被覆層12において無機粒子121は充放電時に膨張しないため、被覆層における空隙の容積が減少することはなく被覆層12には、充放電前と同様に電解液5が保持されている。そのため被覆層12の近傍にある負極活物質111は、充放電時に近傍の電解液5が少なくなっていても、被覆層12に保持されている電解液5を利用することができる。被覆層12が配置されていない場合、負極活物質111の近傍において電解液5が不足し、電池容量が低下するおそれがある。被覆層12が負極活物質層11の表面に配置されていることによって厚み方向に拘束力が付与されていても負極活物質の近傍の電解液枯れを抑制することができ、負極活物質近傍の電解液枯れによるリチウムイオン二次電池の容量低下や容量維持率の低下を抑制できる。
(正極)
正極は、集電体とその表面に配置された正極活物質層とを有する。正極活物質層は、正極活物質を含み、必要に応じて結着剤及び/又は導電助剤を含む。
集電体、結着剤、導電助剤は負極で説明したものと同様のものが使用できる。
正極活物質としては、リチウム含有酸化物あるいは他の金属酸化物よりなるものを用いることができる。リチウム含有酸化物としては、例えば、層状構造を有するリチウムコバルト複合酸化物、層状構造を有するリチウムニッケル複合酸化物、スピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物、一般式: LiCoNiMn (DはAl、Mg、Ti、Sn、Zn、W、Zr、Mo、Fe及びNaから選択される少なくとも一種でありp+q+r+s=1、0<p<1、0≦q<1、0≦r<1、0≦s<1、0.8≦a<2.0、−0.2≦x−(a+p+q+r+s)≦0.2)で表される層状構造を有するリチウムコバルト含有複合金属酸化物、一般式:LiMPOで示されるオリビン型リチウムリン酸複合酸化物(MはMn、Fe、Co及びNiから選択される少なくとも一種)、一般式:LiMPOFで示されるフッ化オリビン型リチウムリン酸複合酸化物(MはMn、Fe、Co及びNiから選択される少なくとも一種)、一般式:LiMSiOで示されるケイ酸塩系型リチウム複合酸化物(MはMn、Fe、Co及びNiから選択される少なくとも一種)を用いることができる。また他の金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウム若しくは二酸化マンガンが挙げられる。
また正極活物質は、化学式:LiMO(MはNi,Co及びMnから選択される少なくとも一種である)で表されるリチウム含有酸化物よりなることが好ましく、さらに一般式: LiCoNiMn (DはAl、Mg、Ti、Sn、Zn、W、Zr、Mo、Fe及びNaから選択される少なくとも一種であり、p+q+r+s=1、0<p<1、0≦q<1、0≦r<1、0≦s<1、0.8≦a<2.0、−0.2≦x−(a+p+q+r+s)≦0.2)で表される層状構造を有するリチウムコバルト含有複合金属酸化物よりなることが好ましい。
リチウム含有酸化物としては、例えば、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiNi0.6Co0.2Mn0.2、LiNi0.5Co0.2Mn0.3、LiCoO、LiNi0.8Co0.2、LiCoMnOを用いることができる。中でもLiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiNi0.5Co0.2Mn0.3は、熱安定性の点で好ましい。
正極活物質はその平均粒径D50が1μm〜20μmの粉末形状であることが好ましい。正極活物質の平均粒径D50が小さいと、正極活物質の比表面積が大きくなる。このため、正極活物質の平均粒径D50が小さすぎると正極活物質と電解液との反応面積が過度に増えることになり、その結果、電解液の分解が促進されて、リチウムイオン二次電池のサイクル特性が悪くなるおそれがある。正極活物質の平均粒径D50が大きすぎるとリチウムイオン二次電池の抵抗が大きくなり、リチウムイオン二次電池の出力特性が下がるおそれがある。
集電体の表面に正極活物質層を形成するには、上記負極で説明した負極活物質層の形成方法と同様の方法でおこなえばよい。
(セパレータ)
セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、イオンを通過させるものである。セパレータとしては、各リチウムイオン二次電池で採用される公知のものを用いればよく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミドなどの合成樹脂を1種若しくは複数用いた多孔質膜又はセラミックス製の多孔質膜を例示できる。合成樹脂製のセパレータは、単一の合成樹脂を用いた単層構造でもよいし、複数の合成樹脂の層を重ねた積層構造でもよい。セパレータの厚みは特に制限されないが、5μm〜100μmの範囲が好ましく、10μm〜50μmの範囲がより好ましく、15μm〜30μmの範囲が特に好ましい。
(極板群)
正極及び負極にセパレータを挟装させ極板群とする。極板群は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極を捲いた捲回型のいずれの型にしてもよい。
図3に本実施形態のリチウムイオン二次電池の極板群を説明する模式図を示す。図3に示すように、負極1及び正極2にセパレータ3を挟装させ極板群4とする。負極1は、負極用集電体10と、負極用集電体10の表面に配置された負極活物質層11と、負極活物質層11の表面に配置された被覆層12とを有する。正極2は、正極用集電体20と、正極用集電体20の表面に配置された正極活物質層21とを有する。
極板群は厚みが増大しないようにその厚み方向に拘束されている。極板群の厚みの増加分÷もとの極板群の厚み×100で示される極板群の厚みの増加率が10%以下となるように拘束されていることが好ましい。
極板群の厚み方向にかかる圧力(以下拘束圧力と称す)は、0MPa以上で極板群の厚みを小さくさせない大きさである。拘束圧力は、極板群を内包する容器によって極板群に付与されてもよいし、極板群を内包する容器を介して極板群に拘束圧力を付与する拘束手段によって極板群に付与されていてもよい。
極板群の厚みが厚くなることを許容しない内寸を有し、極板群の膨張によって変形しない材質の容器に極板群を配置すれば、容器から極板群に拘束圧力が付与される。拘束手段は、例えば容器を厚み方向に挟み込む一対のプレートと、その一対のプレートを締結するロッド及びナットからなる構成が挙げられる。また拘束手段は、ボルトとナットで締結する構成にかえて、ゴム、ばね等の弾性体、油圧機器、電動機器を用いてもよい。
図4に本実施形態のリチウムイオン二次電池の極板群の拘束例を説明する模式図を示す。図4に示す形態は一例であり本発明はこれに限定されるものではない。図4において、極板群4は容器6に内包されている。一対のプレート71、72によって極板群4の厚み方向に容器6が挟装されている。一対のプレート71、72は4角をボルト及びナットで締結されている。図4に示すように一対のプレート71、72の右端部にはボルト81が貫通して設置されておりボルト81の両端部をナット91及び92で締結している。また一対のプレート71、72の左端部にはボルト82が貫通して設置されており、ボルト82の両端部をナット93及び94で締結している。これらのプレート、ナット、ボルトにより、容器6を介して極板群4は厚み方向に拘束圧力を付与される。
(電解液)
電解液は、溶媒とこの溶媒に溶解された電解質とを含んでいる。
溶媒として、例えば、環状エステル類、鎖状エステル類、エーテル類が使用できる。環状エステル類として、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンが使用できる。鎖状エステル類として、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステルが使用できる。エーテル類として、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンが使用できる。
また上記電解液に溶解させる電解質として、例えばLiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等のリチウム塩を使用することができる。
電解液として、例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどの溶媒にLiClO、LiPF、LiBF、LiCFSOなどのリチウム塩を0.5mol/lから1.7mol/l程度の濃度で溶解させた溶液を使用することができる。
容器は特に限定されない。容器の材質は、極板群の膨張によって変形しにくい材質であることが好ましく、容器の材質として例えば金属材料が挙げられる。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型など、種々の形状を採用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法の一例を示す。まず、正極、負極を上述した方法で準備する。次に、両電極間にセパレータを挟装させて極板群とする。次に、正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リードでそれぞれ接続する。そして、極板群を容器にいれ電解液を加えてリチウムイオン二次電池とする。リチウムイオン二次電池は極板群の厚み方向に拘束されている。極板群の拘束は、容器によって行われても良いし、拘束手段を用いてもよい。
本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法は、電解液を有するリチウムイオン二次電池の製造方法であって、負極形成工程と、極板群形成工程と、拘束工程とを有する。
負極形成工程は、集電体の表面に形成された負極活物質層の表面に、無機粒子、被覆層用結着剤及び空隙を含む被覆層を形成する。極板群形成工程は正極とセパレータと負極形成工程で得られた負極とを有する極板群を形成する。拘束工程は、製造後のリチウムイオン二次電池において厚みが増大しないように極板群を厚み方向に拘束する。負極形成工程における被覆層の厚みは、負極形成工程における負極活物質層の厚みに対して0.03以上0.15以下である。
上記リチウムイオン二次電池は車両に搭載することができる。車両としては、電池による電気エネルギーを動力源の全部または一部に使用する車両であればよく、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド鉄道車両、電動フォークリフト、電気車椅子、電動アシスト自転車、電動二輪車が挙げられる。
以上、本発明のリチウムイオン二次電池の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
(実施例1)
本発明の電池を以下のとおり製造した。
平均粒径D50が0.5μmのAl96質量部及びポリフッ化ビニリデン4質量部を混合し、混合物を調製した。混合物にN−メチル−2−ピロリドンを加え、混合物を35質量%含む被覆層形成用組成物を調整した。
負極活物質である平均粒径D50が20μmの天然黒鉛98質量部、並びに結着剤であるスチレンブタジエンゴム1質量部及びカルボキシメチルセルロース1質量部を混合した。この混合物を適量のイオン交換水に分散させて、スラリーを作製した。負極集電体として厚み20μmの銅箔を準備した。この銅箔の表面に、ドクターブレードを用いて、上記スラリーを膜状に塗布した。スラリーが塗布された銅箔を乾燥して水を除去し、その後、銅箔をプレスし、接合物を得た。銅箔1cmあたりの負極活物質層の質量は11.1mgであり、負極活物質層の密度は1.4g/cmであった。負極活物質層の厚みは79.9μmであった。銅箔の負極活物質層上に、ドクターブレードを用いて、上記被覆層形成用組成物を膜状に塗布した。これを120℃で6時間乾燥して、負極活物質層上に厚み3μm、密度1.2g/cm、空隙率70%の被覆層が形成された銅箔を得た。これを負極とした。
(被覆層の厚み)/(負極活物質層の厚み)は0.038であった。
正極活物質である平均粒径D50が10μmのLiNi5/10Co2/10Mn3/10で表される層状岩塩構造のリチウム含有金属酸化物94質量部、導電助剤であるアセチレンブラック3質量部、および結着剤であるポリフッ化ビニリデン3質量部を混合した。この混合物を適量のN−メチル−2−ピロリドンに分散させて、スラリーを作製した。正極集電体として厚み20μmのアルミニウム箔を準備した。このアルミニウム箔の表面に、ドクターブレードを用いて上記スラリーが膜状になるように塗布した。スラリーが塗布されたアルミニウム箔を80℃で20分間乾燥することでN−メチル−2−ピロリドンを揮発により除去し、正極活物質層が形成されたアルミニウム箔を得た。アルミニウム箔1cmあたりの正極活物質層の質量は18.4mgであり、正極活物質層の密度は3.1g/cmであった。この正極活物質層が形成されたアルミニウム箔を正極とした。
セパレータとしてポリエチレン製樹脂膜からなる矩形状シート(112mm×136mm、厚さ25μm)を準備した。
負極及び正極の間にセパレータを挟装して極板群とした。この極板群をアルミニウム製で板厚が3mmの金属缶(123mm×141mm×26.5mm)に挿入し、さらに金属缶に電解液を注入し密閉してリチウムイオン二次電池とした。電解液として、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)をEC:EMC:DMC=30:30:40(体積比)で混合した溶媒にLiPFを1モル/lとなるように溶解した溶液を用いた。なお正極および負極は外部と電気的に接続可能なタブを備え、このタブの一部はリチウムイオン二次電池の外側に延出している。
一対のアルミニウム板でリチウムイオン二次電池を挟んだ。このアルミニウム板の4角近辺の4箇所でボルト及びナットを用いて一対のアルミニウム板を締結した。
拘束圧力の付与方法は、精密万能試験機オートグラフ(株式会社島津製作所)を用いて、一対のアルミニウム板間に0.52MPaの圧力を加えたところで、ボルトにナットを締結して固定した。
この0.52MPaの圧力が付与されたリチウムイオン二次電池を実施例1のリチウムイオン二次電池とした。
(実施例2)
被覆層の厚みを6μm、密度1.2g/cm、空隙率70%とした以外は実施例1のリチウムイオン二次電池と同様にして実施例2のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例2のリチウムイオン二次電池の負極における(被覆層の厚み)/(負極活物質層の厚み)は0.077であった。
(実施例3)
被覆層の厚みを10μm、密度1.2g/cm、空隙率70%とした以外は実施例1のリチウムイオン二次電池と同様にして実施例3のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例3のリチウムイオン二次電池の負極における(被覆層の厚み)/(負極活物質層の厚み)は0.130であった。
(比較例1)
被覆層の厚みを1μm、密度1.2g/cm、空隙率70%とした以外は実施例1のリチウムイオン二次電池と同様にして比較例1のリチウムイオン二次電池を作製した。比較例1のリチウムイオン二次電池の負極における(被覆層の厚み)/(負極活物質層の厚み)は0.013であった。
(比較例2)
被覆層の厚みを15μm、密度1.2g/cm、空隙率70%とした以外は実施例1のリチウムイオン二次電池と同様にして比較例2のリチウムイオン二次電池を作製した。比較例2のリチウムイオン二次電池の負極における(被覆層の厚み)/(負極活物質層の厚み)は0.191であった。
<充電抵抗測定>
実施例1〜3及び比較例1〜2のリチウムイオン二次電池の充電抵抗を測定した。
充電率が85%の電池に対し、25℃において、1.0Cレートで10秒間の充電を行った。充電抵抗(mΩ)は以下の式で求めた。
充電抵抗(mΩ)=|充電前の電圧−充電後の電圧|/電流値
結果を表1に示す。
<容量維持率測定>
実施例1〜3及び比較例1〜2のリチウムイオン二次電池につき、以下の試験を行い、初期容量と容量維持率を測定した。容量維持率(%)の結果を表1に示す。
測定するリチウムイオン二次電池に対し、25℃、1Cレート、電圧3.92VまでCCCV充電(定電流定電圧充電)し、そして、1Cレートで3.48VまでCCCV放電(定電流定電圧放電)を行ったときの放電容量を測定し、この放電容量を初期容量とした。
リチウムイオン二次電池に対し、60℃、1Cレート、電圧3.92VまでCC充電(定電流充電)し、1Cレートで3.48VまでCC放電(定電流放電)を行う充放電サイクルを1サイクルとし、これを2500サイクル繰り返した。この電圧範囲はSOC(State of Charge)が15%〜85%となる範囲である。
2500サイクル後のリチウムイオン二次電池の放電容量を初期容量の測定と同様の方法で測定して、容量維持率を算出した。容量維持率(%)は以下の式で求めた。
容量維持率(%)=2500サイクル後の放電容量/初期容量×100
Figure 2016100240
図5に、被覆層の厚みの負極活物質層の厚みに対する比とリチウムイオン二次電池の充電抵抗及び容量維持率との関係を示すグラフを記す。表1及び図5からわかるように、被覆層の厚みの負極活物質層の厚みに対する比が大きくなるにつれて容量維持率が向上し、被覆層の厚みの負極活物質層の厚みに対する比が小さくなるにつれて充電抵抗が小さくなった。図5のグラフにおいて、充電抵抗は逆数で示されているため、被覆層の厚みの負極活物質層の厚みに対する比が小さくなるにつれて充電抵抗の逆数は大きくなった。このことから被覆層の厚みが負極活物質層の厚みに対して0.03以上0.15以下であれば、充電抵抗がそれほど大きくならず、容量維持率が保持されることがわかった。
リチウムイオン二次電池の極板群が厚み方向に拘束されていても、被覆層の厚みが負極活物質層の厚みに対して0.03以上0.15以下である被覆層が負極活物質層の表面に配置されることによって、被覆層に含まれる電解液を近傍の負極活物質が使用することができ、抵抗をそれほど上げることなく容量維持率の低下を抑制できることがわかった。
実施例において負極活物質として炭素材料を用いたが、炭素材料よりも充放電時に膨張しやすいSi化合物やSn化合物を負極活物質として用いても同様の効果が得られると考える。
1:負極、2:正極、3:セパレータ、4:極板群、5:電解液、6:容器、10:負極用集電体、11:負極活物質層、12:被覆層、20:正極用集電体、21:正極活物質層、111:負極活物質、121:無機粒子、71、72:プレート、81、82:ボルト、91、92、93、94:ナット。

Claims (6)

  1. 正極、セパレータ及び負極を含む極板群と電解液とを含むリチウムイオン二次電池であって、
    前記負極は、集電体と、該集電体の表面に配置された負極活物質層と、該負極活物質層の表面に配置され、無機粒子、被覆層用結着剤及び空隙を含む被覆層とを有し、
    前記被覆層の厚みは、該負極活物質層の厚みに対して0.03以上0.15以下であり、
    前記極板群は、厚みが増大しないように厚み方向に拘束されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 前記被覆層の空隙率が35%〜85%である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記被覆層の厚みは1μm以上15μm以下である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 電解液を有するリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    集電体の表面に形成された負極活物質層の表面に、無機粒子、被覆層用結着剤及び空隙を含む被覆層を形成する負極形成工程と、
    正極とセパレータと該負極形成工程で得られた負極とを有する極板群を形成する極板群形成工程と、
    製造後のリチウムイオン二次電池において厚みが増大しないように該極板群を厚み方向に拘束する拘束工程と、
    を有し、
    前記負極形成工程における前記被覆層の厚みは、前記負極形成工程における該負極活物質層の厚みに対して0.03以上0.15以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。
  5. 前記被覆層の空隙率が35%〜85%である請求項4に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  6. 前記被覆層の厚みは1μm以上15μm以下である請求項4又は5に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
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