JP2016098940A - ヨークとシャフトの結合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヨークとシャフトの結合構造において、ヨークとその基部の貫通穴に嵌合されるシャフトの製造コストを上昇させることなく、トルク伝達時にヨークの基部に大きな応力集中が生じることを抑制する。【解決手段】一対のアーム部11とアーム部11を連結する基部12とによりU字状に形成されたヨーク1と、基部12からU字の外側に延びるシャフト2と、を有する結合構造である。貫通穴13は、スプライン溝131aが形成された結合部131と、結合部131よりも直径が大きい大径部132とからなる。スプライン溝131aは、U字の内側での貫通穴13の開口端13aより低い位置からU字の外側に向けて形成され、大径部132は開口端13aと結合部132との間の部分である。シャフト2の端面21aが、結合部131と大径部132との境界位置Kよりも結合部131側に存在する。【選択図】図2

Description

この発明は、ヨークとシャフトの結合構造に関する。
自在継手の一例として、一対のヨークと、これらのヨークを連結する十字軸と、を有する構造の自在継手がある。ヨークは、一対のアーム部と、これらのアーム部を連結する基部と、によりU字状に形成されている。ヨークの基部に、アーム部と平行に延びる貫通穴が形成されている。この自在継手を構成するヨークとシャフトの結合構造においては、ヨークの基部の貫通穴にシャフトの一端部が嵌合されている。ヨークとシャフトをスプライン結合する場合には、基部の貫通穴の内周面にスプライン溝が形成されている。
この自在継手は、例えば、コラムアシスト式(操舵補助機構をステアリングコラム側に設けた)電動パワーステアリング装置を備えた車両のステアリング装置に、ステアリングコラム側からステアリングギヤ機構に対してトルクを伝達するステアリング軸の自在継手として使用される。この用途では、自在継手に高トルク伝達機能が要求される。
特許文献1には、上述の用途でトルク伝達時にヨークに大きな応力集中が生じることを抑制するために、ヨークの基部のシャフトが嵌合される貫通穴の内周面の形状や周縁部の厚さを、高応力領域となる部分で他の領域と異なるものにすることが記載されている。
特開2008−196650号公報
しかし、特許文献1に記載された方法では、ヨークの基部の貫通穴にスプラインを設ける場合、スプラインの断面形状を高応力領域で他の領域と異なる形状にする必要があるため、一般的なスプライン成形金型を使用できない。また、特殊なスプライン形状はシャフトに対しても形成する必要があり、シャフトが他社製品の場合には他社に対応してもらう必要がある。つまり、特許文献1に記載された方法には、製造コストの点で改善の余地がある。
この発明の課題は、ヨークとシャフトの結合構造において、ヨークとその基部の貫通穴に嵌合されるシャフトの製造コストを上昇させることなく、トルク伝達時にヨークの基部に大きな応力集中が生じることを抑制することである。
上記課題を解決するために、この発明の一態様は、下記の構成(1) 〜(3) を有するヨークとシャフトの結合構造を提供する。
(1) 一対のアーム部と、これらのアーム部を連結する基部と、によりU字状に形成されたヨークと、前記基部から前記U字の外側に延びるシャフトと、を有する。前記基部に前記アーム部と平行に延びる貫通穴が形成されている。
(2) 前記貫通穴は、前記シャフトとスプライン結合されるスプライン溝が形成された結合部と、前記結合部のスプライン溝の最大直径より大きな直径を有する大径部と、を有する。前記スプライン溝は、前記U字の内側での前記貫通穴の開口端より低い位置から前記U字の外側に向けて形成されている。前記大径部は、前記開口端と前記結合部との間の部分である。
(3) 前記シャフトの一端部が前記結合部にスプライン結合され、前記一端部の端面が、前記結合部と前記大径部との境界位置よりも前記結合部側に存在している。
この態様の結合構造において、前記基部の前記一対のアーム部間における前記開口端の周縁部が、前記貫通穴の軸方向に垂直な基準面を有し、前記結合部のスプライン溝の最大直径(Ds)に対する、前記一対のアーム部の外側面間の寸法であるアーム幅(Ha)の比(Ha/Ds)が、2以上3以下である場合には、前記基準面での開口端位置と前記境界位置との距離が1.0mm以上3.0mm以下であり、前記境界位置と前記シャフトの一端部の端面位置との距離2.0mm以上4.0mm以下とする態様が挙げられる。
この発明のヨークとシャフトの結合構造によれば、ヨークとその基部の貫通穴に嵌合されるシャフトの製造コストを上昇させることなく、トルク伝達時にヨークの基部に大きな応力集中が生じることを抑制できる。
実施形態に相当するヨークとシャフトの結合構造を示す斜視図である。 図1に示す結合構造の縦断面図である。 図1に示す結合構造のA部分の拡大図である。 ヨークとシャフトの結合構造において、M、K、Jの一致状態を変化させたときに生じる応力をFEM解析で調べた結果を示すグラフである。 ヨークとシャフトの結合構造においてM、K、Jの各位置に生じる応力を、L1+L2が一定でL1を変化させてFEM解析で調べた結果を示すグラフである。 ヨークとシャフトの結合構造においてM、K、Jの各位置に生じる応力を、L1が一定でL2を変化させてFEM解析で調べた結果を示すグラフである。 操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置をステアリングコラム側に備えた車両のステアリング装置の一例を示す全体構成図である。 図7のステアリング装置を構成する中間シャフトと自在継手を説明する図である。
以下、図面を用いて、この発明の実施形態について説明するが、この発明はこの実施形態に限定されない。また、図面は模式的なものであり、各部の寸法関係は現実のものと一致しない。
[構成の説明]
図1および2に示すように、この実施形態の結合構造において、ヨーク1は、一対のアーム部11と、これらのアーム部11を連結する基部12と、によりU字状に形成されている。基部12は、ヨーク1をなすU字の内側部を形成する内側部分121と、U字の外側部を形成する外側部分122と、一方のアーム11側だけに形成された一対の締め付け板部123とからなる。一対の締め付け板部123の一方にはボルト挿通穴123aが形成され、他方には、ボルト挿通穴123aに対応する雌ねじが形成されている。
基部12の中心位置に略円柱状の貫通穴13が形成されている。貫通穴13は、基部12の内側部分121および外側部分122を貫通し、アーム部11が延びる方向と平行に延びている。一対のアーム部11にもそれぞれ貫通穴14が形成されている。アーム部11の貫通穴14は、ヨーク1とこれと対をなすヨークを十字軸で連結して自在継手を構成する際に、十字軸の先端部が挿入される穴である。
図1〜3に示すように、基部12の貫通穴13は、結合部131と大径部132とに分けられる。結合部131には、シャフト2とスプライン結合されるスプライン溝131aが形成されている。スプライン溝131aは、ヨーク1をなすU字の内側での貫通穴13の開口端13aより低い位置から、U字の外側に向けて、結合部131全体に形成されている。
大径部132は、開口端13aと結合部131との間の部分である。大径部132の直径Ddは、結合部131のスプライン溝131aの溝底の直径(最大直径)Dsより大きい。貫通穴13の開口端13aの周縁部13bは、基部12の一対のアーム11間に、貫通穴13の軸方向に垂直な基準面121aを有する。
この実施形態の結合構造では、ヨーク1の基部12から、ヨーク1をなすU字の外側にシャフト2が延びている。このシャフト2の一端部21が、基部12の貫通穴13の結合部131にスプライン結合され、シャフト2の一端部21の端面21aが、結合部131と大径部132との境界位置Kよりも結合部131側に存在している。
また、結合部131のスプライン溝131aの最大直径(Ds)に対する、一対のアーム部11の外側面間の寸法であるアーム幅(Ha)の比(Ha/Ds)が、2以上3以下であり、境界位置Kと貫通穴13の基準面121aでの開口端位置Mとの距離L1が1.0mm以上3.0mm以下であり、境界位置Kとシャフト2の一端部の端面位置Jとの距離L2が2.0mm以上4.0mm以下となっている。
[作用、効果の説明]
図1に示すように、ヨーク1にトルクTが作用した場合、基部12の貫通穴13の周縁部13bに、貫通穴13の周方向の応力Fが集中する。
そこで、本発明者等は、貫通穴13のスプライン開始位置(実施形態の「結合部131と大径部132との境界位置」に相当)K、貫通穴13の基準面121aでの開口端位置M、シャフト2の端面位置Jの各位置に注目し、K、M、Jの一致状態を変化させて、基部12の貫通穴13の周縁部13bに生じる応力をFEM解析で調べた。
図4のグラフでは、その結果が、K≠M≠Jの場合(K、M、Jのすべての位置が一致していない場合)の応力を「1」とした比で表されている。
K=M≠Jは、貫通穴13のスプライン開始位置Kと貫通穴13の基準面121aでの開口端位置Mが一致して、シャフト2の端面位置Jがこれらと一致しない場合を示す。つまり、この場合は、貫通穴13の全体にスプラインが形成され(貫通穴13が大径部132を有さず)、シャフト2の端面21aが貫通穴13の基準面121aでの開口端位置より低い位置に存在する。
K=J≠Mは、貫通穴13のスプライン開始位置Kとシャフト2の端面位置Jが一致して、貫通穴13の基準面121aでの開口端位置Mがこれらと一致しない場合を示す。つまり、この場合は、貫通穴13が大径部132を有し、シャフト2の端面21aが結合部131と大径部132との境界位置に存在する。
M=K=Jは、貫通穴13のスプライン開始位置Kと、シャフト2の端面位置Jと、貫通穴13の基準面121aでの開口端位置Mとが一致している場合を示す。つまり、この場合は、貫通穴13の全体にスプラインが形成され(貫通穴13が大径部132を有さず)、シャフト2の端面21aが貫通穴13の基準面121aに存在する。
図4のグラフから、K、M、Jのいずれかの位置が一致する場合の応力は、K、M、Jのすべての位置が一致していない場合の応力の1.5倍以上になっていることが分かる。そして、この実施形態のヨーク1とシャフト2の結合構造では、M、K、Jのすべての位置が一致していないため、これらの各位置の少なくともいずれかが一致する場合と比較して、応力集中が抑制されることが分かる。
また、本発明者等は、Dsが22.5mm、Haが45.0mmの場合に、距離L1と距離L2との和を5.0mmで一定にし、距離L1を変化させた時の結合部131と大径部132との境界位置K、貫通穴13の基準面121aでの開口端位置M、シャフト2の端面位置Jにそれぞれ生じる応力を、FEM解析により調べた。図5のグラフでは、その結果が、L1=2mmの場合にシャフト2の端面位置Jに生じる応力を「1」とした比で表されている。このグラフから、距離L1=2.0mmの時にK、M、Jの各位置での応力最大値が最も小さくなることが分かる。
また、本発明者等は、Dsが22.5mm、Haが45.0mmの場合に、距離L1を2.0mmで一定にし、距離L2を変化させた時の結合部131と大径部132との境界位置K、貫通穴13の基準面121aでの開口端位置M、シャフト2の端面位置Jにそれぞれ生じる応力を、FEM解析により調べた。図6のグラフでは、その結果が、L2=3mmの場合にシャフト2の端面位置Jに生じる応力を「1」とした比で表されている。
なお、L2≦0の範囲では、シャフト2の端面位置Jが、貫通穴13の結合部131と大径部132との境界位置Kと同じかこれよりU字の内側(図2の上側)にあり、シャフト2と貫通穴13の結合部131によるスプライン結合端位置がKで一定になる。そのため、図6のグラフでは、L2≦0の範囲でJとKのプロットが重なっている。このグラフから、距離L2=3.0mmの時にK、M、Jの各位置での応力最大値が最も小さくなることが分かる。
図5および図6の結果から、L1=2.0mm、L2=3.0mmの時に、M、K、Jの各位置に生じる応力を最も小さくできることが分かる。
そして、貫通穴13の大径部132を鍛造で形成する場合、前述の結果から導き出された「L1=2.0mm、L2=3.0mm」±1.0mmの範囲である「1.0mm≦L1≦3.0mm、2.0mm≦L2≦4.0mm」が採用できる。
また、貫通穴13の大径部132を切削で形成する場合、前述の結果から導き出された「L1=2.0mm、L2=3.0mm」±0.5mmの範囲である「1.5mm≦L1≦2.5mm、2.5mm≦L2≦3.5mm」が採用できる。
つまり、この実施形態のヨーク1とシャフト2の結合構造では、Ha/Dsが2以上3以下で、L1が1.0mm以上3.0mm以下、L2が1.0mm以上3.0mm以下となっているため、鍛造で貫通穴13の大径部132を形成する場合、M、K、Jの各位置に生じる応力を小さくできることが分かる。
さらに、この実施形態のヨーク1とシャフト2の結合構造では、特許文献1に記載された方法のように、ヨークに対する応力集中を抑制するために、特殊なスプライン形状をヨーク1の貫通穴13とシャフト2の一端部21に設ける必要がない。よって、鍛造でスプラインを形成する場合、一般的なスプライン金型が使用できる。
したがって、この実施形態のヨーク1とシャフト2の結合構造によれば、ヨーク1とその基部12の貫通穴13に嵌合されるシャフト2の製造コストを上昇させることなく、トルク伝達時にヨーク1の基部12に大きな応力集中が生じることを抑制できる。
[用途の説明等]
ヨークと十字軸とからなる自在継手に高トルク伝達機能が要求される用途の例として、操舵系に操舵補助力を付与する操舵補助機構の出力軸と、ステアリングギヤ機構との間に配設される用途が挙げられる。この用途の一例について以下に説明する。
コラムアシスト式電動パワーステアリング装置を備えた車両のステアリング装置の一例は、図7に示すように、ステアリングホイール501と、ステアリングシャフト502と、ステアリングコラム503と、操舵補助機構504と、ステアリングギヤ機構506を有する。
ステアリングシャフト502は、ステアリングコラム503の内部に軸心を中心に回転自在に支持されている。ステアリングコラム503は、下部を車両の前方に向けて傾斜させた姿勢で、車室内部の所定位置に固定されている。ステアリングホイール501は、ステアリングシャフト502のステアリングコラム503から上側に突出している部分に固定されている。
操舵補助機構504は、ステアリングシャフト502に操舵補助トルクを付与するウォーム減速機511と、ウォーム減速機511に操舵補助トルクを発生させる電動モータ512とを有する。ウォーム減速機511の出力軸514とステアリングシャフト502とは、操舵補助機構504内で図示しないトーションバーにより連結されている。
ウォーム減速機511の出力軸514には、自在継手517Aを介して中間シャフト518が連結されている。中間シャフト518は、自在継手517Bを介して、ラックピニオン式のステアリングギヤ機構506のピニオン軸519に連結されている。ステアリングギヤ機構506のラック軸(図示せず)は、タイロッド505を介して、図示しない転舵輪に連結されている。
図8に示すように、中間シャフト518は、自在継手517Aに連結された雄軸521と、自在継手517Bに連結された雌軸522とを備えている。雄軸521と雌軸522はセレーション結合されている。自在継手517A,517Bは、それぞれ、一対のヨーク523,524と、これらのヨーク523,524を連結する十字軸525とで構成されている。
一方のヨーク523は、一対のアーム部523a,523bと、これらのアーム部523a,523bを連結する基部523cとでU字状に形成されている。基部523cの中心位置に貫通穴523dが形成されている。各アーム部523a,523bに、十字軸525を結合するための貫通穴526が形成されている。
また、他方のヨーク524も、ヨーク523と同様に、一対のアーム部524a,524bと、これらのアーム部524a,524bを連結する基部524cとでU字状に形成されている。基部524cの中心位置に貫通穴524dが形成されている。各アーム部524a,524bに、十字軸525を結合するための貫通穴が形成されている。
十字軸525は、胴部525aと、胴部525aに十字状に夫々形成された4個の軸部525bと、で構成されている。各軸部525bの先端部に、スパイダーピン525cが埋設されている。各軸部525bの外周面に、複数個の針状ころ525dが配設されている。
自在継手517A,517Bを組み立てる際には、十字軸525の各軸部525bに、スパイダーピン525cおよび針状ころ525dを覆うようにベアリングカップ525eを配設した状態で、各軸部525bの先端部を、各ヨーク523,524の各アーム部523a,523b,524a,524bの貫通穴526に挿入する。これにより、十字軸525が各ヨーク523,524に取り付けられ、十字軸525の各軸部525bは、針状ころ525dとベアリングカップ525eとからなる針状ころ軸受で、各ヨーク523,524の各アーム部に対して回転自在に支持される。
図7および図8に示す例では、自在継手517Aを構成する一方のヨーク523の貫通穴523dに、中間シャフト518の雄軸521の一端部が嵌合されて、溶接により固定されている。自在継手517Aを構成する他方のヨーク524の貫通穴524dには、ウォーム減速機511の出力軸514が嵌合されて、ボルト527により固定されている。ボルト527は、ヨーク524の基部524cが有する一対の締め付け板部の一方に形成されたボルト挿通穴を挿通し、他方に形成された雌ねじに螺合されている。
また、自在継手517Bを構成する一方のヨーク523の貫通穴523dに、中間シャフト518の雌軸522の一端部が嵌合されて、溶接により固定されている。自在継手517Bを構成する他方のヨーク524の貫通穴524dには、ステアリングギヤ機構506のピニオン軸519が嵌合されて、ボルト527により固定されている。ボルト527は、ヨーク524の基部524cが有する一対の締め付け板部の一方に形成されたボルト挿通穴を挿通し、他方に形成された雌ねじに螺合されている。
この例のステアリング装置は、運転者がステアリングホイール501を操舵すると、ステアリングホイール501に伝達された操舵トルクを図示しない操舵トルクセンサで検出すると共に、車速を図示しない車速センサで検出し、操舵トルクと車速とに基づいて図示しない操舵補助制御装置で、操舵状態での最適な操舵補助力を発生するように電動モータ512を駆動制御する。
これに伴い、電動モータ512で発生した操舵補助力が、ウォーム減速機511を介してステアリングシャフト502に伝達される。このように、操舵補助力がステアリングシャフト502に伝達されることにより、ウォーム減速機511の出力軸514から大きな操舵トルクが出力される。この操舵トルクが、自在継手517A、中間シャフト518、自在継手517Bを介して、ステアリングギヤ機構506のピニオン軸519に伝達される。
ステアリングギヤ機構506は、ピニオン軸519に伝達された回転運動を、ステアリングギヤを構成するピニオンとこれに噛合するラックによって車幅方向の直線運動に変換し、タイロッド505を介して図示しない転舵輪に伝達して、転舵輪を転舵させる。
このとき、操舵補助機構504の電動モータ512が、ステアリングホイール501に伝達された操舵トルクに応じた最適な操舵補助力を発生させるため、運転者はステアリングホイール501を軽く操舵することができる。
このように、操舵補助機構504がステアリングコラム503の出力側に設けられているため、ウォーム減速機511の出力軸514には大きな操舵トルクが作用する。この大きな操舵トルクが、自在継手517A,517Bと中間シャフト518とを介してステアリングギヤ機構506に伝達される。
そのため、中間シャフト518の両端に連結された自在継手517A,517Bを構成するヨーク523のアーム部523a,523b間に捩じれ力が作用する。同様に、自在継手517A,517Bを構成するヨーク524のアーム部524a,524b間にも捩じれ力が作用する。これに伴い、ヨーク523,524の基部523c,524cには、貫通穴523d,524dの周縁部に周方向の応力が集中する。
これらのヨーク523,524と、中間シャフト518、出力軸514、ピニオン軸519のいずれかのシャフトを以下のように構成することで、ヨーク523,524に対する上述の応力集中を抑制することができる。
つまり、ヨーク523,524と前記いずれかのシャフトとの結合構造を、前述の実施形態のように、シャフト2の一端部が、ヨーク1の基部12の貫通穴13の結合部131にスプライン結合され、シャフト2の一端部21の端面21aが、結合部131と大径部132との境界位置Kよりも結合部131側に存在するように構成する。
あるいは、ヨーク523,524の少なくともいずれかとして、実施形態のヨーク1のように、結合部131のスプライン溝131aの最大直径(Ds)に対する、一対のアーム部11の外側面間の寸法であるアーム幅(Ha)の比(Ha/Ds)が、2以上3以下であり、境界位置Kと開口端位置Mとの距離L1が1.0mm以上3.0mm以下であるものを使用する。
そして、中間シャフト518の各端部、出力軸514の一端部、およびピニオン軸519の一端部の少なくともいずれかであるシャフト2の一端部を、境界位置Kとシャフト2の一端部の端面位置Jとの距離L2が2.0mm以上4.0mm以下とする。
このように、この発明のヨークとシャフトの結合構造を、一対のヨークとこれらのヨークを連結する十字軸とを有する自在継手によるシャフトの結合に適用することにより、ヨークとシャフトの製造コストを上昇させることなく、この自在継手が高トルク伝達機能が要求される用途で使用された場合でも、トルク伝達時にヨークの基部に大きな応力集中が生じることを抑制できる。
また、この発明のヨークとシャフトの結合構造を、一対のヨークとこれらのヨークを連結する十字軸とを有する自在継手を備えたステアリング装置に適用することで、ステアリング装置自体の耐久性を向上できると共に、操舵フィーリングも向上できるという効果が得られる。
よって、この発明のヨークとシャフトの結合構造を備えた態様として、「一対のヨークとこれらのヨークを連結する十字軸とを有する自在継手において、前記ヨークの少なくとも一方は、この発明のヨークとシャフトの結合構造を構成するヨークである自在継手」と、「操舵補助機構をステアリングコラム側に設けた電動パワーステアリング装置を備えた車両のステアリング装置であって、ステアリングコラム側からステアリングギヤ機構に対してトルクを伝達するステアリング軸の自在継手として、前記態様の自在継手を備えたステアリング装置」が挙げられる。
1 ヨーク
11 アーム部
12 基部
121 基部の内側部分
121a 基準面
122 基部の外側部分
123 締め付け板部
123a ボルト挿通穴
13 基部の貫通穴
13a U字の内側での貫通穴の開口端
13b 基部の開口端13aの周縁部
131 貫通穴の結合部
131a スプライン溝
132 貫通穴の大径部
14 アーム部の貫通穴
2 シャフト
21 シャフトの一端部
21a シャフトの一端部の端面
J シャフトの一端部の端面位置
K 結合部と大径部との境界位置(貫通穴のスプライン開始位置)
M 貫通穴の基準面での開口端位置
Ha アーム幅
Ds 結合部のスプライン溝の最大直径
Dd 大径部の直径
L1 KとMとの距離
L2 KとJとの距離
519 ピニオン軸
518 中間軸
517A,517B 自在継手
523,524 ヨーク
523a,523b ヨークのアーム部
524a,524b ヨークのアーム部
523c,524c ヨークの基部
523d,524d ヨークの基部の貫通穴
525 十字軸

Claims (2)

  1. 一対のアーム部と、これらのアーム部を連結する基部と、によりU字状に形成されたヨークと、
    前記基部から前記U字の外側に延びるシャフトと、
    を有し、
    前記基部に前記アーム部と平行に延びる貫通穴が形成され、
    前記貫通穴は、前記シャフトとスプライン結合されるスプライン溝が形成された結合部と、前記結合部のスプライン溝の最大直径より大きな直径を有する大径部と、を有し、
    前記スプライン溝は、前記U字の内側での前記貫通穴の開口端より低い位置から前記U字の外側に向けて形成され、
    前記大径部は、前記開口端と前記結合部との間の部分であり、
    前記シャフトの一端部が前記結合部にスプライン結合され、前記一端部の端面が、前記結合部と前記大径部との境界位置よりも前記結合部側に存在しているヨークとシャフトの結合構造。
  2. 前記基部の前記一対のアーム部間における前記開口端の周縁部は、前記貫通穴の軸方向に垂直な基準面を有し、
    前記結合部のスプライン溝の最大直径(Ds)に対する、前記一対のアーム部の外側面間の寸法であるアーム幅(Ha)の比(Ha/Ds)が、2以上3以下であり、
    前記基準面での開口端位置と前記境界位置との距離が1.0mm以上3.0mm以下であり、
    前記境界位置と前記シャフトの一端部の端面位置との距離が2.0mm以上4.0mm以下である請求項1記載のヨークとシャフトの結合構造。
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