JP2016098198A - Dnaライブラリの製造方法、dnaライブラリ、スクリーニング方法及びスクリーニングキット - Google Patents
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Abstract
【課題】ライブラリの多様性を確保できるDNAライブラリの製造方法を提供する。また、DNAライブラリ、スクリーニング方法、及びスクリーニングキットを提供する。【解決手段】抗体をコードするDNAを複数に分割した塩基配列からなる複数のDNA断片のうち、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しない前記DNA断片を選別して回収する工程(a)と、少なくとも2つの前記DNA断片を連結して前記抗体をコードするDNAを形成する工程(b)と、を備える、DNAライブラリの製造方法、プロモーター配列と、抗体をコードする塩基配列と、ペプチドタグをコードする塩基配列とをこの順に有し、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しない核酸からなるDNAライブラリ、DNAライブラリのスクリーニング方法及びスクリーニングキット。【選択図】なし
Description
本発明は、DNAライブラリの製造方法、DNAライブラリ、スクリーニング方法及びスクリーニングキットに関する。
新規機能性タンパク質は、医薬品、洗剤、食品加工、研究開発用試薬、臨床分析、さらにはバイオエネルギー、バイオセンサー等様々なバイオ応用分野への貢献が期待されている。
新規機能性タンパク質の取得に際しては、タンパク質の構造情報から人知によりデザインするタンパク質工学的手法が主流であった。しかし、より有用なタンパク質を取得するためには従来手法よりも効率的にスクリーニングする必要があり、タンパク質のランダムな分子構造改変と淘汰を繰り返す進化分子工学的手法が期待されている。
進化分子工学的手法の一つであるcDNAディスプレイ法は、遺伝子型−表現型の対応付けの方法であり、核酸リンカーが、タンパク質(表現型)と、これをコードするmRNAと、逆転写したcDNA(遺伝子型)と、を結ぶものである。mRNA/cDNA−タンパク質複合体構造は、非常に安定であるため、該核酸リンカーを用いることにより、様々な環境下でスクリーニングを実施することが可能となった。
例えば、ピューロマイシンを有することを特徴とする、mRNA−ピューロマイシン−タンパク質複合体作製用核酸リンカーが知られている。ピューロマイシンは、アミノアシル−tRNAの3’末端と類似する構造を有するタンパク質合成阻害剤であり、所定の条件下では、リボソーム上で伸長中のタンパク質のC末端に特異的に共有結合する。上記の核酸リンカーはこの現象を利用するものである。
ところで、ラクダ科動物(フタコブラクダ、ヒトコブラクダ、ラマ等)の血清中には、重鎖抗体と呼ばれる、軽鎖を持たない特殊な抗体が存在することが知られている。重鎖抗体の可変領域ドメインからなる抗体は、VHH抗体と呼ばれ、抗原に結合できる免疫グロブリンフラグメントとしては最も低分子量のものである。
例えば、VHH抗体は大腸菌等を用いて簡便に合成でき、リフォールディング能が高く、熱変性にも強いため、産業応用の観点から次世代抗体として注目されている。したがって、リフォールディング能が高い、或いは熱変性に強い抗体(例えば、VHH抗体)のDNAライブラリは産業上有用性が高い。また、非特許文献1のように、DNAライブラリを化学合成により製造する方法が知られている。
Cho. et al., Constructing High Complexity Synthetic Libraries of Long ORFs Using In Vitro Selection, J. Mol. Biol., 297, 309-319, 2000.
例えば抗体ライブラリ等のランダム化領域を含むDNAライブラリを、化学合成等により製造する場合、アミノ酸のコドンを終止コドンに変えるナンセンス変異や、挿入や欠失等によりオープンリーディングフレームがずれてしまうフレームシフト変異が蓄積する。そうした結果、目的の長さのタンパク質をコードするライブラリメンバーの数や種類が少なくなり、ライブラリの多様性を十分に確保することができない場合がある。
そこで、本発明は、ライブラリの多様性を確保できるDNAライブラリの製造方法、DNAライブラリ、スクリーニング方法、及びスクリーニングキットを提供することを目的とする。
本発明の一実施態様は、下記(1)〜(6)を提供するものである。
(1)本発明の一実施態様におけるDNAライブラリの製造方法は、抗体をコードするDNAを複数に分割した塩基配列からなる複数のDNA断片のうち、少なくともナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しない前記DNA断片を選別して回収する工程(a)と、回収した少なくとも2つの前記DNA断片を連結して前記抗体をコードするDNAを形成する工程(b)と、を備える。
(2)本発明の一実施態様におけるDNAライブラリは、プロモーター配列と、抗体をコードする塩基配列と、ペプチドタグをコードする塩基配列とをこの順に有し、少なくともナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しない核酸からなる。
(3)本発明の一実施態様におけるDNAライブラリは、プロモーター配列と、アプタマーをコードする塩基配列と、ペプチドタグをコードする塩基配列とをこの順に有し、前記アプタマーをコードする塩基配列のうち前記アプタマーの相補性決定領域を除く領域は、システイン残基をコードするコドンを有しない。
(4)本発明の一実施態様におけるDNAライブラリは、プロモーター配列と、第1のタグをコードする塩基配列と、抗体をコードする塩基配列と、第2のタグをコードする塩基配列と、核酸リンカーがハイブリダイズする塩基配列と、を備える。
(5)本発明の一実施態様におけるスクリーニング方法は、前記DNAライブラリを転写してmRNAを合成する工程(S1)と、前記mRNAを翻訳してタンパク質を合成する工程(S2)と、前記タンパク質から、所望の活性を有するタンパク質を選択する工程(S3)と、を備える。
(6)本発明の一実施態様におけるスクリーニングキットは、前記DNAライブラリと、転写酵素と、無細胞翻訳系と、を備える。
(1)本発明の一実施態様におけるDNAライブラリの製造方法は、抗体をコードするDNAを複数に分割した塩基配列からなる複数のDNA断片のうち、少なくともナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しない前記DNA断片を選別して回収する工程(a)と、回収した少なくとも2つの前記DNA断片を連結して前記抗体をコードするDNAを形成する工程(b)と、を備える。
(2)本発明の一実施態様におけるDNAライブラリは、プロモーター配列と、抗体をコードする塩基配列と、ペプチドタグをコードする塩基配列とをこの順に有し、少なくともナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しない核酸からなる。
(3)本発明の一実施態様におけるDNAライブラリは、プロモーター配列と、アプタマーをコードする塩基配列と、ペプチドタグをコードする塩基配列とをこの順に有し、前記アプタマーをコードする塩基配列のうち前記アプタマーの相補性決定領域を除く領域は、システイン残基をコードするコドンを有しない。
(4)本発明の一実施態様におけるDNAライブラリは、プロモーター配列と、第1のタグをコードする塩基配列と、抗体をコードする塩基配列と、第2のタグをコードする塩基配列と、核酸リンカーがハイブリダイズする塩基配列と、を備える。
(5)本発明の一実施態様におけるスクリーニング方法は、前記DNAライブラリを転写してmRNAを合成する工程(S1)と、前記mRNAを翻訳してタンパク質を合成する工程(S2)と、前記タンパク質から、所望の活性を有するタンパク質を選択する工程(S3)と、を備える。
(6)本発明の一実施態様におけるスクリーニングキットは、前記DNAライブラリと、転写酵素と、無細胞翻訳系と、を備える。
本発明によれば、ライブラリの多様性を確保できるDNAライブラリの製造方法、DNAライブラリ、スクリーニング方法、及びスクリーニングキットを提供することができる。
[DNAライブラリの製造方法]
一実施態様において、本発明は、DNAライブラリの製造方法を提供する。本実施態様に係るDNAライブラリの製造方法は、抗体をコードするDNAを複数に分割した塩基配列からなる複数のDNA断片のうち、少なくともナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しない前記DNA断片を選別して回収する工程(a)と、回収した少なくとも2つの前記DNA断片を連結して前記抗体をコードするDNAを形成する工程(b)と、を備える。
一実施態様において、本発明は、DNAライブラリの製造方法を提供する。本実施態様に係るDNAライブラリの製造方法は、抗体をコードするDNAを複数に分割した塩基配列からなる複数のDNA断片のうち、少なくともナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しない前記DNA断片を選別して回収する工程(a)と、回収した少なくとも2つの前記DNA断片を連結して前記抗体をコードするDNAを形成する工程(b)と、を備える。
後述するように、複数に分割して合成したDNA断片から、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないものを選別して回収し、回収した複数のDNA断片を互いに連結することにより、ライブラリメンバーが少なくともナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNAライブラリを効率よく製造することができる。
本製造方法によって製造するDNAライブラリは、タンパク質のランダムな分子構造改変と淘汰を繰り返す進化分子工学的手法に用いられるものであってもよい。例えば、ターゲット(例えば抗原)に結合可能な抗体のDNAライブラリであってもよい。また、本実施態様のDNAライブラリは、抗体をコードするDNAだけでなく、例えば、アプタマー、タンパク質、ペプチド、酵素等をコードするDNAライブラリであってもよい。この場合、例えば、上記のターゲットは、抗原だけでなく、アプタマー、タンパク質、ペプチドなどであっても良い。
また、本実施態様のDNAライブラリが抗体のDNAライブラリである場合、上記抗体は、VHH抗体であってもよい。
上述したように、VHH抗体は次世代抗体として注目されているため、VHH抗体のDNAライブラリは産業上有用性が高い。
ところで、天然のVHH抗体にはシステイン残基が2つ含まれており、分子内でジスルフィド結合を形成している。しかしながら、このようなVHH抗体を大腸菌等で製造する場合には、ジスルフィド結合形成のための工程を設ける必要が生じる。また、システイン残基の存在は、VHH抗体の分子間会合を引き起こす原因ともなる。また、SH基を用いてVHH抗体を化学修飾する場合に、修飾対象のシステイン残基の選択や指向性を制御することは困難である。
したがって、VHH抗体のような抗体を創薬や診断薬用ツールとして使用する観点から、上記の抗体(例えば、VHH抗体)は、相補性決定領域を除く領域にシステイン残基を有しないものであってもよい。例えば、システインを有さない(Cystein−free)VHHライブラリは、大腸菌での発現とin vitroリフォールディングとを容易にする。更に、VHH抗体は、相補性決定領域にもシステイン残基を有しないものであってもよい。なお、本明細書において、相補性決定領域とは、配列可変な抗原認識部位又はランダム配列領域を含み、超可変領域ともいう。また、本明細書において、相補性決定領域を除く領域とは、フレームワーク領域、すなわち、抗体の可変領域のうち、保存性の高い領域を含む。
(DNA断片の準備)
DNA断片の準備方法は特に限定されず、例えば、ホスホロアミダイトで誘導体化されたヌクレオシドを固相上で順に結合させて、DNA断片を化学的に合成するホスホロアミダイト法により化学合成してもよく、変異率の高い条件下でポリメラーゼ連鎖反応(PCR反応)を行うこと等により、鋳型DNAにランダムに変異を導入してもよい。
DNA断片の準備方法は特に限定されず、例えば、ホスホロアミダイトで誘導体化されたヌクレオシドを固相上で順に結合させて、DNA断片を化学的に合成するホスホロアミダイト法により化学合成してもよく、変異率の高い条件下でポリメラーゼ連鎖反応(PCR反応)を行うこと等により、鋳型DNAにランダムに変異を導入してもよい。
[DNAライブラリの製造方法の変形例]
一実施態様において、上記のDNAライブラリの製造方法は、工程(a)が、分割したDNA断片をmRNAに転写する工程(a1)と、mRNAの末端と核酸リンカーの末端とをライゲーションする工程(a2)と、mRNAを翻訳して得られる生成物(タンパク質)とmRNAとが核酸リンカーを介して連結した複合体(mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体)を形成する工程(a3)と、当該複合体のmRNAを逆転写し、DNA断片を回収する工程(a4)と、を含むものであってもよい。
一実施態様において、上記のDNAライブラリの製造方法は、工程(a)が、分割したDNA断片をmRNAに転写する工程(a1)と、mRNAの末端と核酸リンカーの末端とをライゲーションする工程(a2)と、mRNAを翻訳して得られる生成物(タンパク質)とmRNAとが核酸リンカーを介して連結した複合体(mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体)を形成する工程(a3)と、当該複合体のmRNAを逆転写し、DNA断片を回収する工程(a4)と、を含むものであってもよい。
本実施態様によれば、上記のmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体中のタンパク質が正しく翻訳されることを指標として、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないものを選別することができる。また、タンパク質とそれをコードするmRNAが連結して複合体を形成しているため、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないタンパク質を選別して回収すれば、当該タンパク質をコードするmRNAを回収することができる。また、当該mRNAを逆転写することにより、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片を回収することができる。
後述するように、mRNAの末端と核酸リンカーの末端とをライゲーションする工程(a2)は、mRNAの3’末端と核酸リンカーの5’末端とをライゲーションする工程であってもよい。
[DNAライブラリの製造方法の変形例]
一実施態様において、工程(a1)は、抗体をコードするDNAを複数に分割したDNA断片の塩基配列の3’末端に、ペプチドタグをコードする塩基配列及び核酸リンカーがハイブリダイズする塩基配列(リンカーハイブリダイゼーション配列)を付加した塩基配列からなるDNA断片を準備する工程(a11)を含んでいてもよい。
一実施態様において、工程(a1)は、抗体をコードするDNAを複数に分割したDNA断片の塩基配列の3’末端に、ペプチドタグをコードする塩基配列及び核酸リンカーがハイブリダイズする塩基配列(リンカーハイブリダイゼーション配列)を付加した塩基配列からなるDNA断片を準備する工程(a11)を含んでいてもよい。
DNA断片にリンカーハイブリダイゼーション配列を付加することにより、DNA断片を転写して得られたmRNAと上述した核酸リンカーとのライゲーション効率を向上させることができる。
後述するように、核酸リンカーの5’末端は、DNA断片を転写して得られたmRNAの3’末端とライゲーションするものであるため、リンカーハイブリダイゼーション配列は、DNA断片の塩基配列の3’末端に位置することが好ましい。したがって、ペプチドタグをコードする塩基配列及びリンカーハイブリダイゼーション配列は、DNA断片の5’末端側から3’末端側に向かって、この順で並んでいることが好ましい。
後述するように、DNA断片の塩基配列の3’末端に、ペプチドタグをコードする塩基配列を付加することにより、当該ペプチドタグが正しく翻訳されることを指標としてナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片を選別して回収することが可能になる。なお、本明細書において、「ペプチドタグ」を含む生体分子タグを「タグ」という場合がある。
(ペプチドタグ)
ペプチドタグとしては、特に制限されず、ヒスチジンタグ;FLAGタグ;グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)タグ;マルトース結合タンパク質(MBP)タグ;緑色蛍光タンパク質(GFP)等の蛍光タンパク質タグ等が挙げられる。
ペプチドタグとしては、特に制限されず、ヒスチジンタグ;FLAGタグ;グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)タグ;マルトース結合タンパク質(MBP)タグ;緑色蛍光タンパク質(GFP)等の蛍光タンパク質タグ等が挙げられる。
これらのペプチドタグ又はタグは、特異的に反応する抗体、特異的な酵素活性、特異的な担体への結合能、特定波長の蛍光を発する等の機能を有しており、目的に応じて使い分けることができる。
(核酸リンカー)
核酸リンカーとは、mRNAと、該mRNAによりコードされるタンパク質との複合体を製造するためのリンカーを含む。核酸リンカーの一実施態様について、図1を用いて説明する。
核酸リンカーとは、mRNAと、該mRNAによりコードされるタンパク質との複合体を製造するためのリンカーを含む。核酸リンカーの一実施態様について、図1を用いて説明する。
図1において、核酸リンカー100は、5’側にスクリーニングすべきmRNA200の領域210の配列とハイブリダイズし得るポリヌクレオチド部分110と、前記タンパク質300との連結部分120を3’末端に有するアーム部分130と、mRNA200の3’末端との結合部位140と、を有し、これらが一本鎖を形成している。mRNA200の領域210の配列は、核酸リンカー100がハイブリダイズする塩基配列(リンカーハイブリダイゼーション配列)である。
図1中、Puはピューロマイシンを示し、ATCGはDNA配列を示している。また、SPCはアーム部を構成するスペーサーを示し、rGはRNA配列を示している。
ポリヌクレオチド部分110は、DNAであってもPNA(ポリヌクレオペプチド)等の核酸誘導体であってもよく、ヌクレアーゼ耐性が付与された修飾DNAであってもよい。
修飾DNAとしては、ホスホロチオエートなどのヌクレオシド間結合を有するDNA、2’−フルオロ、2’−O−アルキルなどの糖修飾を有するDNA等、本技術分野において知られている修飾DNAのいずれを用いてもよい。
アーム部分130は、mRNA200とタンパク質300との連結部分120とを所望の距離に保持するスペーサーとして機能する。アーム部130の5’末端は、ポリヌクレオチド部分110の3’末端と結合し、アーム部分130の3’末端はタンパク質連結部分120を有する。
アーム部分130の5’末端は、ポリヌクレオチド部分110の3’末端から数塩基5’側の位置でポリヌクレオチド部分110と結合し、T字型の構造を形成していてもよい。このような構造であれば、タンパク質300をコードするmRNA200を逆転写させる必要がある場合には、ポリヌクレオチド部分110の3’末端を逆転写反応のプライマーとして機能させることができる。
3’末端を除くアーム部分130は、標識物質150により標識されていてもよい。標識物質150としては、例えば、ビオチン、蛍光色素、蛍光ビーズ、量子ドット、抗体、抗原、エネルギー吸収性物質、ラジオアイソトープ、化学発光体、酵素等が挙げられる。
蛍光色素としては、FAM(カルボキシフルオレセイン)、JOE(6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ2’,7’−ジメトキシフルオレセイン)、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)、TET(テトラクロロフルオレセイン)、HEX(5'−ヘキサクロロ−フルオレセイン−CEホスホロアミダイト)、Cy3、Cy5、Alexa568、Alexa647等が挙げられる。
本実施形態の核酸リンカー100は、アーム部分150が、標識物質150を、後述する切断部位160よりも、タンパク質300との連結部分120側に有する。標識物質150で核酸リンカー100を標識することにより、タンパク質300を標識物質150で標識することができる。
アーム部130の3’末端にはタンパク質300の連結部分120が存在する。連結部分120は、所定の条件下でリボソーム上の伸張中のタンパク質300のC末端に特異的に結合する性質を有するものであり、例えばピューロマイシンであってよい。
ピューロマイシンは、アミノアシル−tRNAの3’末端と類似する構造を有するタンパク質合成阻害剤である。連結部分120としては、伸張中のタンパク質300のC末端に特異的に結合する機能を有する限り、任意の物質を用いることができ、例えば、3’−N−アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシド(PANS−アミノ酸)、3’−N−アミノアシルアデノシンアミノヌクレオシド(AANS−アミノ酸)等のピューロマイシン誘導体を用いることができる。
PANS−アミノ酸としては、アミノ酸部がグリシンのPANS−Gly、バリンのPANS−Val、アラニンのPANS−Ala、又はアミノ酸部が全ての各アミノ酸に対応するPANS−アミノ酸混合物を挙げることができる。
AANS−アミノ酸としては、アミノ酸部がグリシンのAANS−Gly、バリンのAANS−Val、アラニンのAANS−Ala、又はアミノ酸部が全アミノ酸の各アミノ酸に対応するAANS−アミノ酸混合物を挙げることができる。
ピューロマイシン以外に好適に使用できるアミノアシルtRNA3’末端アナログとしては、リボシチジルピューロマイシン(rCpPur)、デオキシジルピューロマイシン(dCpPur)、デオキシウリジルピューロマイシン(dUpPur)等が挙げられる。
アーム部130を構成するスペーサーSPCは、スペーサーとして機能するものであれば、核酸や核酸誘導体から構成されていてもよく、ポリエチレングリコールなどの高分子から構成されていてもよい。アーム部130には更に、ピューロマイシンの安定性を高めるための修飾が付加されていてもよい。
本実施形態の核酸リンカー100は、切断部位160として、1本鎖核酸切断酵素部位を、標識物質150の結合位置よりも5’側に含んでいる。切断部位160で核酸リンカー100を切断することにより、標識物質150が結合したタンパク質300を切り出すことができる。
1本鎖核酸切断酵素切断部位とは、デオキシリボヌクレアーゼ、リボヌクレアーゼ等の1本鎖核酸切断酵素により切断できる核酸基をいい、例えば、ヌクレオチド、ヌクレオチド誘導体等が挙げられる。本実施形態においては、RNaseT1によって切断されるrGが用いられている。
切断部位160は、光切断性部位であってもよい。光切断性部位とは、紫外線等の光を照射すると切断される性質を有する基をいい、例えば、PC Linker Phosphoramidite(Glen research社)、フラーレンを含有してなる核酸の光切断用組成物(例えば、特開2005−245223を参照。)等が挙げられる。光切断性部位としては、本技術分野において知られているいずれの基を用いてもよい。
本実施形態の核酸リンカー100は、mRNA200の3’末端との結合部位140を、ポリヌクレオチド部分110の5’末端に有する。結合部位140は、核酸リンカー100の5’末端とmRNA200の3’末端とをライゲーション又はハイブリダイズ可能な部位であれば特に限定されず、例えば、図1に示すように、mRNA200の塩基と相補的な塩基からなる部位(例えば、mRNA200の3’末端がpolyAである場合には、polyAと相補的な塩基であるpolyT)であってもよい。
結合部位140を有することにより、核酸リンカー100とmRNA200との結合の安定度を増すことができる。
(mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体)
続いて、図2を用いてmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体の形成方法の一実施態様を説明する。
続いて、図2を用いてmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体の形成方法の一実施態様を説明する。
まず、mRNA200と核酸リンカー100とをアニールさせる。mRNA200は、例えば、スクリーニングすべきタンパク質300をコードするDNAを調製し、RNAポリメラーゼにより転写させることにより得ることができる。RNAポリメラーゼとしては、例えば、T7RNAポリメラーゼ等が挙げられる。上記のDNAとしては、例えば、DNAライブラリを利用することができる。
続いて、mRNA200の3’末端領域と核酸リンカー100の5’末端領域とをアニールさせる。例えば、90℃まで加熱し、mRNA200を変性させた後、1時間かけて25℃まで冷却することにより、mRNA200と核酸リンカー100とをアニールさせることができる。
続いて、mRNA200の3’末端と核酸リンカー100の5’末端とをライゲーションさせて、mRNA−核酸リンカー複合体を形成する。ライゲーションに際し、mRNA200の3’末端を、T4ポリヌクレオチドキナーゼ等の酵素を用いて、リン酸化させておく必要がある。ライゲーションに用いる酵素としては、RNAリガーゼが好ましく、例えば、T4RNAリガーゼ等が挙げられる。
続いて、無細胞タンパク質翻訳系を用いてmRNA200からタンパク質300を合成する。すると、図2に示すように、タンパク質300のC末端と核酸リンカー100の連結部分120とが結合し、mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が形成される。
無細胞タンパク質翻訳系とは、適宜の細胞から抽出された、タンパク質合成能を有する成分を含むタンパク質翻訳系である。無細胞タンパク質翻訳系には、リボソーム、翻訳開始因子、翻訳伸長因子、解離因子、アミノアシルtRNA合成酵素等、翻訳に必要な成分が含まれている。このような無細胞タンパク質翻訳系としては、大腸菌抽出液、ウサギ網状赤血球抽出液、小麦胚芽抽出液等が挙げられる。
また、無細胞タンパク質翻訳系として、精製された、翻訳に必要な因子のみからなる再構成型無細胞タンパク質合成系も使用することができる。再構成型無細胞タンパク質合成系は、従来の細胞抽出液を使用する場合よりも、ヌクレアーゼやプロテアーゼの混入を容易に防ぐことができるため、翻訳効率を高めることができる。
[DNAライブラリの製造方法の変形例]
一実施態様において、上記の工程(a4)、すなわち、回収したmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体のmRNAを逆転写し、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片を回収する工程は、回収したmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体のmRNAを逆転写し、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片(cDNA)を生成する工程(a41)と、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片を有する複合体(cDNA−mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体)を、核酸リンカーに結合する担体と結合させて回収する工程(a42)と、を含んでいてもよい。
一実施態様において、上記の工程(a4)、すなわち、回収したmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体のmRNAを逆転写し、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片を回収する工程は、回収したmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体のmRNAを逆転写し、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片(cDNA)を生成する工程(a41)と、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片を有する複合体(cDNA−mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体)を、核酸リンカーに結合する担体と結合させて回収する工程(a42)と、を含んでいてもよい。
工程(a42)は、例えば、予め核酸リンカーにビオチン修飾を施しておき、ストレプトアビジンコートされた磁性粒子を上記ビオチンと結合させて、磁石で回収する方法等により実施することができる。この工程を行うことにより、例えば、核酸リンカーがライゲーションしていないmRNA等の夾雑物を除去することができ、DNAライブラリの作成効率を向上させることができる。
[DNAライブラリの製造方法の変形例]
一実施態様において、上記の工程(a11)は、抗体をコードするDNAを複数に分割した前記DNA断片の塩基配列の5’末端に前記ペプチドタグとは異なるペプチドタグをコードする塩基配列を更に付加した塩基配列からなるDNA断片を準備する工程を含んでいてもよい。
一実施態様において、上記の工程(a11)は、抗体をコードするDNAを複数に分割した前記DNA断片の塩基配列の5’末端に前記ペプチドタグとは異なるペプチドタグをコードする塩基配列を更に付加した塩基配列からなるDNA断片を準備する工程を含んでいてもよい。
ここで、5’末端とは、5’末端近傍を含む。例えば、DNAライブラリにコードされる抗体遺伝子よりも5’末端側の領域であれば、5’末端でなくてもよい。
本実施態様に係るDNAライブラリの製造方法において、例えば、3’末端のペプチドタグ又はタグは、正しく翻訳されることが、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片であることを示すものである。
5’末端に3’末端と同じペプチドタグを付加した場合、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有するDNA断片であっても、5’末端のペプチドタグが正しく翻訳されれば、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片に混入して回収されてしまう可能性がある。このため、5’末端と3’末端のペプチドタグは異なるものであることが好ましい。
5’末端に、3’末端のペプチドタグとは異なるペプチドタグを付加することにより、ペプチドタグを利用した抗体の精製や検出の選択肢を増やすことができる。なお、本明細書において、3’末端のペプチドタグを「第1のペプチドタグ」又は「第1のタグ」という場合がある。また、5’末端のペプチドタグを「第2のペプチドタグ」又は「第2のタグ」という場合がある。
5’末端のペプチドタグとしては、上述したものと同様のものが挙げられる。例えば、DNA断片の3’末端にヒスチジンタグをコードする塩基配列を付加し、5’末端にFLAGタグをコードする塩基配列を付加してもよい。
例えば、M1モノクローナル抗体、M2モノクローナル抗体、M5モノクローナル抗体(いずれもシグマアルドリッチ社製)等の、FLAGタグに特異的なモノクローナル抗体が知られている。これらのモノクローナル抗体は、タンパク質におけるFLAGタグの位置により反応性が異なる。例えば、N末端のメチオニン残基の直後に配置されたFLAGタグは、M5モノクローナル抗体と非常に高い結合強度で反応することが知られている。
したがって、上記のDNA断片は、翻訳された場合に、N末端がメチオニン残基であり、その直後にFLAGタグが配置されたタンパク質となるDNA断片であってもよい。本実施態様のDNA断片にコードされたタンパク質は、上記のM5モノクローナル抗体を用いて効率よく精製又は検出することができる。
[DNAライブラリの製造方法の変形例]
一実施態様において、上記の工程(a)は、分割されたDNA断片を更に2以上に分割した塩基配列からなる2以上のDNA断片を準備する工程(a111)と、2以上のDNA断片及び当該DNA断片の分割部位を含む領域に相補的なDNA断片(添え木(スプリント)DNA断片)をハイブリダイズさせる工程(a112)と、ハイブリダイズしたDNA断片をライゲーション(スプリントライゲーション)し、分割前の塩基配列からなるDNA断片を生成する工程(a113)と、を備えるものであってもよい。
一実施態様において、上記の工程(a)は、分割されたDNA断片を更に2以上に分割した塩基配列からなる2以上のDNA断片を準備する工程(a111)と、2以上のDNA断片及び当該DNA断片の分割部位を含む領域に相補的なDNA断片(添え木(スプリント)DNA断片)をハイブリダイズさせる工程(a112)と、ハイブリダイズしたDNA断片をライゲーション(スプリントライゲーション)し、分割前の塩基配列からなるDNA断片を生成する工程(a113)と、を備えるものであってもよい。
現在のオリゴDNAの化学合成技術では、100残基を超える長さのDNAは、合成の質が著しく低下し、またコストも増大する傾向にある。
これに対し、本実施態様によれば、高品質で低コストに合成できる短いDNA断片を連結させることにより、全長の長いDNA断片であっても高品質で低コストに合成することができる。また、本実施形態によれば、DNAライブラリ製造工程における翻訳後の精製効率が高いため、DNAライブラリの高い多様性を維持できる。
本実施態様の方法によれば、単に1本鎖DNA断片同士をライゲーションするのではなく、1本鎖DNA断片同士を、これらの連結部分に相補的なDNA断片(スプリントDNA断片)とハイブリダイズさせ、部分的に2本鎖DNAを形成したうえでライゲーションするため、ライゲーション効率を格段に向上させることができる。
スプリントDNAは、例えば、1本鎖DNA断片の連結部分の前後20mer程度ずつ、合計40mer程度の長さであってもよく、融解温度(Tm)は、例えば60℃程度であってもよい。後述する実験例において、スプリントライゲーションの具体的を示す。
[DNAライブラリ]
一実施態様において、本発明は、プロモーター配列と、抗体をコードする塩基配列と、ペプチドタグをコードする塩基配列とをこの順に有し、少なくともナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しない核酸(ライブラリメンバー)からなるDNAライブラリを提供する。
一実施態様において、本発明は、プロモーター配列と、抗体をコードする塩基配列と、ペプチドタグをコードする塩基配列とをこの順に有し、少なくともナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しない核酸(ライブラリメンバー)からなるDNAライブラリを提供する。
本実施態様に係るDNAライブラリは、ライブラリメンバーの多様性が高いため、有用である。
(プロモーター配列)
本実施態様に係るDNAライブラリにおいて、プロモーター配列は、DNAライブラリをmRNAに転写するために用いるものである。プロモーター配列としては、RNAポリメラーゼが認識する塩基配列等を利用することができ、例えば、T7プロモーター配列、SP6プロモーター配列、T3プロモーター配列等が挙げられる。
本実施態様に係るDNAライブラリにおいて、プロモーター配列は、DNAライブラリをmRNAに転写するために用いるものである。プロモーター配列としては、RNAポリメラーゼが認識する塩基配列等を利用することができ、例えば、T7プロモーター配列、SP6プロモーター配列、T3プロモーター配列等が挙げられる。
上記のDNAライブラリはVHH抗体のライブラリであってもよい。
本実施態様に係るVHH抗体のライブラリは、少なくともナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないライブラリメンバーを含み、ライブラリメンバーの多様性も高いため、産業上有用性が高い。
上記のVHH抗体は、相補性決定領域を除く領域にシステイン残基を有しないものであってもよい。例えば、上記のDNAライブラリは、VHH抗体をコードする塩基配列のうち相補性決定領域をコードする領域を除く領域に、システイン残基をコードするコドンを有しないものであってもよい。
更に、上記のVHH抗体は、相補性決定領域にもシステイン残基を有しないものであってもよい。また、例えば、本実施形態のDNAライブラリは、抗体又はアプタマーをコードする塩基配列において相補性決定領域をコードする配列とフレームシフト領域をコードする配列とのうちフレームシフト領域をコードする配列にシステイン残基をコードするコドンを有しないものであってもよい。
上述したように、システイン残基を有しないVHH抗体は、大腸菌等で生産する場合においてもジスルフィド結合形成のための工程を設ける必要がない。VHH抗体の分子間会合を引き起こさないため、取り扱いが容易である。また、SH基を用いてVHH抗体を化学修飾することも容易である。
本実施態様に係るDNAライブラリにおいて、上記の核酸は、ペプチドタグをコードする塩基配列の3’側に、核酸リンカーがハイブリダイズする塩基配列(リンカーハイブリダイゼーション配列)を更に有していてもよい。
ライブラリメンバーのDNA断片がリンカーハイブリダイゼーション配列を有していることにより、DNA断片を転写して得られたmRNAと核酸リンカーとのライゲーション効率を向上させることができる。
本実施態様に係るDNAライブラリにおいて、上記の核酸は、プロモーター配列と、抗体をコードする前記塩基配列との間に、上記の3’末端側のペプチドタグとは異なるペプチドタグをコードする塩基配列を更に有していてもよい。
ペプチドタグとしては、上述したものが挙げられる。例えば、DNA断片の3’末端側にヒスチジンタグをコードする塩基配列を付加し、5’末端側(抗体をコードする前記塩基配列との間)にFLAGタグをコードする塩基配列を付加してもよい。
また、FLAGタグは、翻訳された場合に、N末端のメチオニン残基の直後にFLAGタグが配置されたタンパク質となるように配置されていてもよい。このようなFLAGタグであれば、非常に高い結合強度で反応するM5モノクローナル抗体(シグマアルドリッチ社製)を利用することができる。
[DNAライブラリの変形例]
一実施態様において、本発明は、プロモーター配列と、アプタマーをコードする塩基配列と、ペプチドタグをコードする塩基配列とをこの順に有し、前記アプタマーをコードする塩基配列のうち前記アプタマーの相補性決定領域を除く領域にシステイン残基をコードするコドンを有しない、DNAライブラリを提供する。
一実施態様において、本発明は、プロモーター配列と、アプタマーをコードする塩基配列と、ペプチドタグをコードする塩基配列とをこの順に有し、前記アプタマーをコードする塩基配列のうち前記アプタマーの相補性決定領域を除く領域にシステイン残基をコードするコドンを有しない、DNAライブラリを提供する。
更に、上記のアプタマーは、相補性決定領域にもシステイン残基を有しないものであってもよい。
(アプタマー)
アプタマーとしては、例えば、アミノ酸が連結してなるアプタマーが挙げられ、ペプチドアプタマー、タンパク質アプタマー、抗体アプタマー、抗体断片アプタマー等が挙げられる。
アプタマーとしては、例えば、アミノ酸が連結してなるアプタマーが挙げられ、ペプチドアプタマー、タンパク質アプタマー、抗体アプタマー、抗体断片アプタマー等が挙げられる。
本実施態様のDNAライブラリは、目的の反応性を有するアプタマーをスクリーニングする対象として有用である。また、上記のアプタマーは、相補性決定領域を除く領域にシステイン残基を有しないため、大腸菌等で生産する場合においてもジスルフィド結合形成のための工程を設ける必要がない。また、アプタマーの分子間会合を引き起こさないため、取り扱いが容易である。また、SH基を用いてアプタマーを化学修飾することも容易である。
[DNAライブラリの変形例]
一実施態様において、本発明は、プロモーター配列と、第1のタグをコードする塩基配列と、抗体をコードする塩基配列と、第2のタグをコードする塩基配列と、核酸リンカーがハイブリダイズする塩基配列と、を備える、DNAライブラリを提供する。
一実施態様において、本発明は、プロモーター配列と、第1のタグをコードする塩基配列と、抗体をコードする塩基配列と、第2のタグをコードする塩基配列と、核酸リンカーがハイブリダイズする塩基配列と、を備える、DNAライブラリを提供する。
本実施態様のDNAライブラリにおいて、第1のタグ及び第2のタグの機能は上述したものと同様である。すなわち、本実施態様に係るDNAライブラリにおいて、第2のタグ(3’末端側のタグ)は、正しく翻訳されることが、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片であることを示すものである。
第1のタグ(5’末端側のタグ)と、第2のタグとは異なるものであってもよい。第1のタグと、第2のタグとが異なるものであれば、タグを利用した抗体の精製や検出の選択肢を増やすことができる。
第1のタグ及び第2のタグとしては、上述したものと同様のものが挙げられる。例えば、第1のタグとしてFLAGタグをコードする塩基配列を用い、第2のタグとしてヒスチジンタグをコードする塩基配列を用いてもよい。
[DNAライブラリを用いたスクリーニング方法]
本実施形態では、DNAライブラリを用いたスクリーニング方法であり、上記のDNAライブラリを転写してmRNAを合成する工程(S1)と、mRNAを翻訳してプレイ(prey)(例、タンパク質など)を合成する工程(S2)と、該プレイから、所望の活性を有するプレイを選択する工程(S3)と、を備える、DNAライブラリを用いたスクリーニング方法を提供する。
一実施態様において、本発明は、上記のDNAライブラリを転写してmRNAを合成する工程(S1)と、mRNAを翻訳してタンパク質を合成する工程(S2)と、タンパク質から、所望の活性を有するタンパク質を選択する工程(S3)と、を備える、DNAライブラリを用いたスクリーニング方法を提供する。
本実施形態では、DNAライブラリを用いたスクリーニング方法であり、上記のDNAライブラリを転写してmRNAを合成する工程(S1)と、mRNAを翻訳してプレイ(prey)(例、タンパク質など)を合成する工程(S2)と、該プレイから、所望の活性を有するプレイを選択する工程(S3)と、を備える、DNAライブラリを用いたスクリーニング方法を提供する。
一実施態様において、本発明は、上記のDNAライブラリを転写してmRNAを合成する工程(S1)と、mRNAを翻訳してタンパク質を合成する工程(S2)と、タンパク質から、所望の活性を有するタンパク質を選択する工程(S3)と、を備える、DNAライブラリを用いたスクリーニング方法を提供する。
(DNAライブラリを転写してmRNAを合成する工程)
本工程において、DNAライブラリに適切な転写因子を反応させてmRNAを合成する。例えば、DNAライブラリに導入されていたプロモーター配列がT7プロモーターの塩基配列であった場合には、T7ファージ由来のT7RNAポリメラーゼを反応させるとよい。
本工程において、DNAライブラリに適切な転写因子を反応させてmRNAを合成する。例えば、DNAライブラリに導入されていたプロモーター配列がT7プロモーターの塩基配列であった場合には、T7ファージ由来のT7RNAポリメラーゼを反応させるとよい。
(mRNAを翻訳してタンパク質を合成する工程)
本工程において、上記のmRNAをタンパク質に翻訳する。本工程は、例えば、上述した無細胞タンパク質翻訳系を用いて実施することができる。
本工程において、上記のmRNAをタンパク質に翻訳する。本工程は、例えば、上述した無細胞タンパク質翻訳系を用いて実施することができる。
(所望の活性を有するタンパク質を選択する工程)
本工程において、上記のプレイ(prey)(例、タンパク質など)の中から、所望の活性を有するものを選択する。所望の活性は、スクリーニングの目的に応じて適宜選択されるものであり、例えば、特定の標的分子(例、抗原、タンパク質、ベイトなど)に対する結合能であってもよく、特定の基質との反応性であってもよい。また、例えば、標的分子としては、特定の疾患マーカ、病気の予後マーカ、創薬マーカ、食品マーカなどであっても良い。
本工程において、上記のプレイ(prey)(例、タンパク質など)の中から、所望の活性を有するものを選択する。所望の活性は、スクリーニングの目的に応じて適宜選択されるものであり、例えば、特定の標的分子(例、抗原、タンパク質、ベイトなど)に対する結合能であってもよく、特定の基質との反応性であってもよい。また、例えば、標的分子としては、特定の疾患マーカ、病気の予後マーカ、創薬マーカ、食品マーカなどであっても良い。
[DNAライブラリを用いたスクリーニング方法の変形例]
一実施態様において、本発明は、上記の工程(S1)の後に、mRNAの末端と核酸リンカーの末端とをライゲーションする工程(S11)を更に備え、上記の工程(S2)が、mRNAを翻訳して得られるタンパク質とmRNAとが前記核酸リンカーを介して連結した複合体(mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体)を形成する工程(S21)と、mRNAを逆転写して、mRNAが逆転写されたcDNAと、mRNAと、タンパク質とが、核酸リンカーを介して連結した複合体(cDNA−mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体)を形成する工程(S22)と、を備え、上記の工程(S3)の後に、選択したタンパク質に連結したcDNAをPCR増幅して回収する工程(S4)を更に備える、DNAライブラリのスクリーニング方法を提供する。
一実施態様において、本発明は、上記の工程(S1)の後に、mRNAの末端と核酸リンカーの末端とをライゲーションする工程(S11)を更に備え、上記の工程(S2)が、mRNAを翻訳して得られるタンパク質とmRNAとが前記核酸リンカーを介して連結した複合体(mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体)を形成する工程(S21)と、mRNAを逆転写して、mRNAが逆転写されたcDNAと、mRNAと、タンパク質とが、核酸リンカーを介して連結した複合体(cDNA−mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体)を形成する工程(S22)と、を備え、上記の工程(S3)の後に、選択したタンパク質に連結したcDNAをPCR増幅して回収する工程(S4)を更に備える、DNAライブラリのスクリーニング方法を提供する。
(mRNAの末端と核酸リンカーの末端とをライゲーションする工程)
本工程において、mRNAの3’末端と核酸リンカーの5’末端とをライゲーションする。核酸リンカーとしては上述したものを使用することができる。ライゲーションに際し、mRNAの3’末端を、T4ポリヌクレオチドキナーゼ等の酵素を用いて、リン酸化させておく必要がある。ライゲーションには、T4RNAリガーゼ等を利用することができる。
本工程において、mRNAの3’末端と核酸リンカーの5’末端とをライゲーションする。核酸リンカーとしては上述したものを使用することができる。ライゲーションに際し、mRNAの3’末端を、T4ポリヌクレオチドキナーゼ等の酵素を用いて、リン酸化させておく必要がある。ライゲーションには、T4RNAリガーゼ等を利用することができる。
(mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を形成する工程)
上記のmRNAを無細胞タンパク質翻訳系で翻訳すると、上述したように、タンパク質のC末端と核酸リンカーの連結部分とが共有結合し、mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が形成される。
上記のmRNAを無細胞タンパク質翻訳系で翻訳すると、上述したように、タンパク質のC末端と核酸リンカーの連結部分とが共有結合し、mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が形成される。
(cDNA−mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を形成する工程)
続いて、上記のmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体に逆転写酵素を作用させ、cDNAを合成する。これにより、cDNA−mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を形成することができる。
続いて、上記のmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体に逆転写酵素を作用させ、cDNAを合成する。これにより、cDNA−mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を形成することができる。
(選択したタンパク質に連結したcDNAをPCR増幅して回収する工程)
上記のcDNA−mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を適宜のアッセイに供し、目的のタンパク質を回収すると、当該タンパク質と共にそのタンパク質のcDNAを回収することができる。したがって、cDNA−mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体中のcDNAをPCR増幅することにより、目的のタンパク質のcDNAを容易に得ることができる。
上記のcDNA−mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を適宜のアッセイに供し、目的のタンパク質を回収すると、当該タンパク質と共にそのタンパク質のcDNAを回収することができる。したがって、cDNA−mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体中のcDNAをPCR増幅することにより、目的のタンパク質のcDNAを容易に得ることができる。
以下、DNAライブラリがVHH抗体ライブラリである場合を例に、本実施態様に係るスクリーニング方法について説明する。まず、後述する実験例における「ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片500aの選別及び回収」と同様の操作により、cDNA−mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作成する。本実施態様においては、上記のDNA断片500aに代えて、完成したDNAライブラリを使用する。
本実施態様においては、作製されたcDNA−mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体におけるタンパク質はVHH抗体である。次に、この複合体を目的の抗原に反応させ、目的の抗原に結合した複合体を回収するアフィニティー選択を行う。
アフィニティー選択の結果回収された複合体は、目的の抗原に結合するVHH抗体と、当該VHH抗体をコードするcDNAを含んでいる。したがって、回収された複合体に含まれるcDNAをPCR増幅することにより、目的の抗原に結合するVHH抗体をコードするcDNAを容易に得ることができる。
[スクリーニングキット]
一実施態様において、本発明は、上記のDNAライブラリと、転写酵素と、無細胞翻訳系と、を備える、スクリーニングキットを提供する。
一実施態様において、本発明は、上記のDNAライブラリと、転写酵素と、無細胞翻訳系と、を備える、スクリーニングキットを提供する。
(転写酵素)
転写酵素は、DNAライブラリをmRNAに転写するものである。転写酵素は、DNAライブラリに導入されたプロモーター配列に対応するものを使用する。例えば、プロモーター配列がT7プロモーター配列である場合には、T7RNAポリメラーゼを使用することができる。また、プロモーター配列がSP6プロモーター配列である場合には、SP6RNAポリメラーゼを使用することができる。また、プロモーター配列がT3プロモーター配列である場合には、T3RNAポリメラーゼを使用することができる。
転写酵素は、DNAライブラリをmRNAに転写するものである。転写酵素は、DNAライブラリに導入されたプロモーター配列に対応するものを使用する。例えば、プロモーター配列がT7プロモーター配列である場合には、T7RNAポリメラーゼを使用することができる。また、プロモーター配列がSP6プロモーター配列である場合には、SP6RNAポリメラーゼを使用することができる。また、プロモーター配列がT3プロモーター配列である場合には、T3RNAポリメラーゼを使用することができる。
(無細胞翻訳系)
無細胞翻訳系としては、特に制限はなく、上述したものを適宜選択することができる。
無細胞翻訳系としては、特に制限はなく、上述したものを適宜選択することができる。
[スクリーニングキットの変形例]
一実施態様において、上記のスクリーニングキットは、核酸リンカーと、逆転写酵素と、を更に備えていてもよい。
一実施態様において、上記のスクリーニングキットは、核酸リンカーと、逆転写酵素と、を更に備えていてもよい。
本実施態様のスクリーニングキットによれば、上述した、cDNA−mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を利用したDNAライブラリのスクリーニング方法を行うことができる。本実施態様のスクリーニングキットによれば、目的のタンパク質を回収すれば、同時に当該タンパク質のcDNAを回収することができるため、スクリーニングが容易である。
次に実験例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
[VHH抗体ライブラリの製造]
(VHH抗体の塩基配列の設計)
図4は、VHH抗体ライブラリの構造及び製造方法を説明する図である。まず、VHH抗体をコードする塩基配列500(配列番号1)を設計した。以下の説明において、用語「塩基配列」は「DNA断片」を意味する場合がある。
(VHH抗体の塩基配列の設計)
図4は、VHH抗体ライブラリの構造及び製造方法を説明する図である。まず、VHH抗体をコードする塩基配列500(配列番号1)を設計した。以下の説明において、用語「塩基配列」は「DNA断片」を意味する場合がある。
塩基配列500の領域510は、T7プロモーター及びFLAGタグを含んでいる。また、塩基配列500の領域520は、ヒスチジンタグ及びリンカーハイブリダイゼーション配列を含んでいる。配列番号1のVHH抗体が備える主な構造を下記表1に示す。
配列番号1のVHH抗体は、CDRを除く領域にシステイン残基を有しないように設計した。具体的には、VHH抗体のアミノ酸配列の第22番目に存在するシステイン残基をトリプトファンに変異させ、第96番目に存在するシステイン残基をアラニンに変異させた。
また、CDR1は9アミノ酸のランダムアミノ酸とし、CDR2及びCDR3は7アミノ酸のランダムアミノ酸とした。そして、CDR1〜3の各コドンの塩基配列は「NNS」とした。ここで、NはA(アデニン)、T(チミン)、C(シトシン)又はG(グアニン)を表し、SはC又はGを表す。
下記表2に、コドンの塩基配列が「NNN」である場合と、「NNS」又は「NNK」(KはG又はTを表す。)である場合において、終止コドンが出現しない確率を計算した結果を示す。また、図3に、表2の結果をグラフにしたものを示す。
表2に示すように、各コドンの塩基配列を「NNN」ではなく、「NNS」又は「NNK」とすることにより、終止コドンが出現しない確率を上昇させることができる。
表2に示すように、例えば、9アミノ酸のランダムアミノ酸を塩基配列「NNN」でコードすると、終止コドンが出現しない確率が64.9%であるのに対し、塩基配列「NNS」でコードすると、終止コドンが出現しない確率を75.1%に上昇させることができる。
同様に、7アミノ酸のランダムアミノ酸を塩基配列「NNN」でコードすると、終止コドンが出現しない確率が71.5%であるのに対し、塩基配列「NNS」でコードすると、終止コドンが出現しない確率を80.1%に上昇させることができる。
また、CDR1〜3の合計のアミノ酸残基数23を塩基配列「NNN」でコードすると、終止コドンが出現しない確率が33.1%であるのに対し、塩基配列「NNS」でコードすることにより、終止コドンが出現しない確率を48.2%に上昇させることができる。
また、この結果から、DNAライブラリを2以上に分割した塩基配列からなるDNA断片から製造することの有効性を説明することができる。
DNAライブラリを断片化せずに合成したと仮定すると、CDR1〜3の合計のアミノ酸残基数23の間に、理論上終止コドンが出現しない確率は、「NNS」コドンの場合48.2%(「NNN」コドンの場合は33.1%)である。
これに対し、DNAライブラリを断片化し、CDR1〜3を別々に作製することにより、理論上終止コドンが出現しない確率は、CDR1については、「NNS」コドンの場合75.1%(「NNN」コドンの場合64.9%)、CDR2及びCDR3については、「NNS」コドンの場合80.1%(「NNN」コドンの場合75.1%)となる。
したがって、断片化することにより、終止コドンの出現によるDNAライブラリの多様性の減少を最小限に抑えることができ、全長再構築後のDNAライブラリの多様性を確保することができる。
また、断片ごとに、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないものを選別して回収し、DNAライブラリを構築するため、最終的なDNAライブラリにおいて終止コドンが出現する確率を著しく低下させることができる。
また、発明者らの検討の結果、計算で得られる終止コドンの出現頻度以上に、DNAライブラリ構築の過程において、塩基の挿入や欠失が頻繁に発生することが確認された。DNAライブラリを構成するDNA断片の長さが長くなればなるほど、塩基の挿入や欠失の発生確率が高くなり、ナンセンス変異又はフレームシフト変異が発生してDNAライブラリの質が低下する傾向にある。
したがって、DNAライブラリを断片化して製造することにより、ナンセンス変異又はフレームシフト変異の発生によるDNAライブラリの質の低下を抑制することができる。
次に、ランダムアミノ酸を塩基配列「NNN」でコードした場合と、塩基配列「NNS」又は「NNK」でコードした場合の各アミノ酸(終止コドンを含む)の出現頻度及び出現割合を表3に示す。「NNN」でコードした場合と「NNS/NNK」でコードした場合で各アミノ酸の出現割合には大きな変化は認められない。
したがって、ランダムアミノ酸を「NNS」でコードすることにより、終止コドンの出現によるライブラリメンバーの多様性の減少を最小限に抑えることができる。
(VHH抗体をコードするDNA断片の製造)
まず、VHH抗体をコードする核酸の製造工程の概要を説明する。図4に示すように、設計したVHH抗体の塩基配列500を3つの領域に分割し、分割された各領域の5’末端と3’末端に所定の機能を有する領域を付加した塩基配列からなるDNA断片500a、500b及び500cを製造した。
まず、VHH抗体をコードする核酸の製造工程の概要を説明する。図4に示すように、設計したVHH抗体の塩基配列500を3つの領域に分割し、分割された各領域の5’末端と3’末端に所定の機能を有する領域を付加した塩基配列からなるDNA断片500a、500b及び500cを製造した。
続いて、後述する方法により、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しない500a、500b及び500cのDNA断片を選別して回収した。続いて、図5に示すように、500a、500b及び500cのDNA断片を鋳型として、図5にPrimer 1〜6(それぞれ配列番号2〜7)として示すプライマーを用いたPCR反応を行った。このPCR反応により、PCR増幅断片に制限酵素認識部位が導入された。
続いて、図5に示すように、上記のPCR増幅断片を制限酵素で切断してDNA断片500a’、500b’及び500c’を得た後、これらをライゲーションして連結することにより、VHH抗体をコードするDNA断片を得た。制限酵素としては、制限酵素認識部位と切断面とは決まった塩基数離れているIIS型の制限酵素を使用してもよい。制限酵素は例えば、BbvI、BbsIである。制限酵素には図5のように複数種類の制限酵素を用いてもよく、また、一種類のみの制限酵素を用いてもよい。例えば、制限酵素としてBbsIの一種類のみを用いてもよい。この場合、制限酵素の認識配列が同一であっても切断される配列が異なるため、制限酵素切断後、断片を全て混ぜて一気にライゲーションを行っても、設計上、ライゲーションされる断片の組合せは1通りとなる。
以下、上記過程をより詳細に説明する。まず、DNA断片500a、500b及び500cの製造について説明する。
DNA断片500aの領域510aは、DNA断片500の領域510と同一の塩基配列を有しており、T7プロモーター及びFLAGタグを含んでいる。また、DNA断片500bの領域510b、及びDNA断片500cの領域510cもDNA断片500aの領域510aと同様であり、T7プロモーター及びFLAGタグを含んでいる。
また、DNA断片500aの領域520aは、DNA断片500の領域520と同一の塩基配列を有しており、ヒスチジンタグ及びリンカーハイブリダイゼーション配列を含んでいる。また、DNA断片500bの領域520b、及びDNA断片500cの領域520cもDNA断片500aの領域520aと同様であり、ヒスチジンタグ及びリンカーハイブリダイゼーション配列を含んでいる。
ところで、DNA断片500a、500b、500cはそれぞれ約300残基の長さがある。現在のオリゴDNAの化学合成技術では、100残基を超える長さのDNAは、合成の質が著しく低下し、またコストも増大する傾向にある。
そこで、DNA断片500a、500b、500cを、それぞれ図4の矢印で示す位置で分割して合成した。図6は、一例として、DNA断片500aの合成過程をより詳細に説明した図である。
まず、DNA断片500aを、図6にCDRx−1、CDRx−2、CDRx−3及びCDRx−4として示す各DNA断片に分割して化学合成した。各DNA断片の5’末端にはリン酸基を付加した。
続いて、上記の各DNA断片を、図6にSplintx−1、Splintx−2、Splintx−3として示す添え木(スプリント)DNA断片の存在下でライゲーション(以下、「スプリントライゲーション」という場合がある。)することにより連結し、DNA断片500aを得た。添え木DNA断片は、各DNA断片の末端部分に相補的な塩基配列を有しており、スプリントライゲーションにより、ライゲーション効率を向上させることができる。
図6中、CDRx−1〜CDRx−4及びSplintx−1〜Splintx−3は、DNA断片を表し、xは1〜3である。DNA断片500aの場合xは1であり、DNA断片500bの場合xは2であり、DNA断片500cの場合xは3である。下記表4に、各DNA断片と配列番号との対応を示す。
図6に示すように、スプリントライゲーションにより得られたDNA断片500a、500b及び500cの5’末端にはビオチンが付加されていた。そこで、スプリントライゲーション後の反応液に、ストレプトアビジンコートされた磁性粒子を添加して、DNA断片500a、500b及び500cをストレプトアビジンコートされた磁性粒子に結合させた。続いて、DNA断片500a、500b及び500cをアルカリ変性させ、スプリントDNA断片を変性させた。続いて、磁石を用いてDNA断片500a、500b及び500cを回収した。以上の操作により、スプリントDNA断片が除去された。
続いて、5〜10サイクルのPCR反応により、DNA断片500a、500b及び500cを増幅して精製した。以上の操作により、5’末端にビオチンを有し、かつPCRプライマーに対応する配列を有するDNA断片500a、500b及び500cを得た。
(ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片500a、500b及び500cの選別及び回収)
図7は、一例として、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片500aを選別及び回収する手順を説明した図である。
図7は、一例として、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片500aを選別及び回収する手順を説明した図である。
まず、図7(a)に示す、PCR増幅されたDNA断片500aを鋳型として、T7ポリメラーゼを反応させて、図7(b)に示すmRNA500tを合成した。
続いて、図7(c)に示すように、合成したmRNA500tに核酸リンカー(ピューロマイシンリンカー)100を結合させた。
ピューロマイシンリンカーとしては、図1におけるアーム部分130が、5’−T(チオール化)CT(フルオレセイン標識)−(スペーサーホスホロアミダイト18×4)−CC−(ピューロマイシン)−3’であり、ポリヌクレオチド部分110及び結合部位140が、5’−CC(rG)CT(ビオチン化)C(rG)ACCCCGCCGCCCCCCGT(アミノ化)CCT−3’(配列番号25)であるものを使用した。アーム部分130と、ポリヌクレオチド部分110及び結合部位140とは、アミノ化されたチミン残基の部分でクロスリンキング試薬であるEMCS(N−(6−マレイミドカプロイロキシ)スクシンイミド、同仁化学社製)を用いて連結した。
したがって、このピューロマイシンリンカーは、アーム部分130の5’末端が、ポリヌクレオチド部分110の3’末端から4塩基5’側の位置でポリヌクレオチド部分110と結合したT字型の構造を有しており、ポリヌクレオチド部分110の3’末端を逆転写反応のプライマーとして機能させることができるものであった。
続いて、図7(d)に示すように、ウサギ網状赤血球抽出液中のリボソームを用いてmRNA500tを翻訳してタンパク質300を合成させ、核酸リンカー100と合成されたタンパク質300とを共有結合させ、mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体(以下、「mRNAディスプレイ」又は「IVV(in vitro virus)」という場合がある。)を得た。
ここで、mRNA500tがナンセンス変異又はフレームシフト変異を有する場合には、タンパク質300のC末端に設計したヒスチジンタグが正しく翻訳されないため、後の工程において、ヒスチジンタグを用いた精製ができない。ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片500aの回収には、この原理を利用する。
続いて、図7(e)に示すように、mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体に逆転写酵素を反応させてmRNA500tを逆転写し、cDNA500dを合成した。
続いて、cDNA500dを合成した後の反応液に、ストレプトアビジンコートされた磁性粒子600を添加して、核酸リンカー100に付加されていたビオチンに結合させた。
続いて、磁石を用いて核酸リンカー100がライゲーションした、mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体(cDNA−mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体、以下本複合体を「cDNAディスプレイ」又は「IVV」という場合がある。)を回収した。この操作により、核酸リンカー100がライゲーションしていない、mRNA500tが除去された。
続いて、図7(f)に示すように、核酸リンカー中の特異的な塩基配列を選択的に加水分解し、ストレプトアビジンコートされた磁性粒子600からcDNAディスプレイを切り出した。
続いて、図7(g)に示すように、切り出したcDNAディスプレイをNi−NTA(ニトリロ三酢酸)磁性粒子、又はNi−NTAカラムである担体700を用いて、ヒスチジンタグに基づいた精製を行った。
Ni−NTAを用いて回収されたcDNAディスプレイは、ヒスチジンタグをC末端に有するタンパク質300と、これをコードするmRNA500tと、mRNA500tの逆転写産物であるcDNA500dを有する。
続いて、回収されたcDNAディスプレイのcDNAをPCRで増幅し、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片500aを回収した。
DNA断片500aと同様の手順により、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないDNA断片500b及び500cも回収した。
その後、上述したように、図5に示す手順により、DNA断片500a’、500b’及び500c’を得た後、これらをライゲーションして連結し、VHH抗体をコードするDNA断片からなるDNAライブラリ(VHH抗体ライブラリ)を得た。
(VHH抗体ライブラリの確認)
得られたライブラリメンバーの塩基配列をシークエンスにより確認した。具体的には、DNAライブラリを、上述したPrimer 1(配列番号2)及びPrimer 6(配列番号7)を用いたPCR反応により増幅し、増幅産物をベクター(商品名「Zero Blunt PCR Cloning Kit」、インビトロジェン社製)に挿入し、大腸菌(商品名「5−alpha Competent E.coli cell」、NEB社製)に導入してクローニングした。続いて、大腸菌からプラスミドを精製し、定法により塩基配列を解析した。その結果、DNAライブラリのライブラリメンバーが、設計通りの塩基配列を有していることが確認された。
得られたライブラリメンバーの塩基配列をシークエンスにより確認した。具体的には、DNAライブラリを、上述したPrimer 1(配列番号2)及びPrimer 6(配列番号7)を用いたPCR反応により増幅し、増幅産物をベクター(商品名「Zero Blunt PCR Cloning Kit」、インビトロジェン社製)に挿入し、大腸菌(商品名「5−alpha Competent E.coli cell」、NEB社製)に導入してクローニングした。続いて、大腸菌からプラスミドを精製し、定法により塩基配列を解析した。その結果、DNAライブラリのライブラリメンバーが、設計通りの塩基配列を有していることが確認された。
本実施形態によれば、熱安定が高く、有機溶媒中の標的分子と相互作用し、低分子薬や毒性物質と相互作用する、という特徴を有するVHH抗体のライブラリを作成することが可能となった。VHHは、例えば、IgG、scFv(single chain variable fragment。一本鎖抗体)、venom peptide(毒ペプチド)と比べて高い熱安定性を持つ。また、VHHは従来の抗体やscFvよりもサイズが小さく、Ochratoxin A(オクラトキシン)、カフェインのような小さい分子について、高い結合能と特異性をもつ。
cDNAディスプレイは、ライブラリの多様性を大きくできる傾向にある(例えば1014/mL)。また、cDNAディスプレイでは、毒性のあるタンパク質であっても発現することができる。
また、cDNAディスプレイは、タンパク質をコードする核酸がDNAであるため、核酸の安定性が高い傾向にある。また、cDNAディスプレイは、翻訳後に固相に固定させることができる。
したがって、cDNAディスプレイとVHHライブラリ、更には相補性決定領域を除く領域にシステイン残基を有しないVHHライブラリとの組み合わせは、例えば、動物で免疫することが困難な分子や、毒性のある物質に結合する構造体を取得する手段として非常に強力なものである。
本発明によれば、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないライブラリメンバーからなるDNAライブラリの製造方法を提供することができる。また、ナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しないライブラリメンバーからなるDNAライブラリ、DNAライブラリのスクリーニング方法、及びスクリーニングキットを提供することができる。
100…核酸リンカー、110…ポリヌクレオチド部分、120…連結部分、130…アーム部分、140…結合部位、150…標識物質、160…切断部位、200,500t…mRNA、210…リンカーハイブリダイゼーション配列、300…タンパク質、500…塩基配列、500a,500b,500c,500a’,500b’,500c’,CDRx−1,CDRx−2,CDRx−3,CDRx−4,Splintx−1,Splintx−2,Splintx−3…DNA断片、510,510a,510b,510c,520,520a,520b,520c…領域、600…ストレプトアビジンコートされた磁性粒子、700…担体、B…ビオチン、Pu…ピューロマイシン、rG…RNA配列、SPC…スペーサー。
Claims (19)
- 抗体をコードするDNAを複数に分割した塩基配列からなる複数のDNA断片のうち、少なくともナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しない前記DNA断片を選別して回収する工程(a)と、
回収した少なくとも2つの前記DNA断片を連結して前記抗体をコードするDNAを形成する工程(b)と、
を備える、DNAライブラリの製造方法。 - 前記工程(a)は、
分割した前記DNA断片をmRNAに転写する工程(a1)と、
前記mRNAの末端と核酸リンカーの末端とをライゲーションする工程(a2)と、
前記mRNAを翻訳して得られる生成物と前記mRNAとが前記核酸リンカーを介して連結した複合体を形成する工程(a3)と、
前記複合体の前記mRNAを逆転写し、前記DNA断片を回収する工程(a4)と、
を含む、請求項1に記載の製造方法。 - 前記工程(a4)は、
回収した前記複合体の前記mRNAを逆転写し、少なくともナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しない前記DNA断片を生成する工程(a41)と、
少なくともナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しない前記DNA断片を有する前記複合体を、前記核酸リンカーに結合する担体と結合させて回収する工程(a42)と、
を含む、請求項2に記載の製造方法。 - 前記工程(a1)は、
前記DNAを複数に分割した前記DNA断片の塩基配列の3’末端に、ペプチドタグをコードする塩基配列及び前記核酸リンカーがハイブリダイズする塩基配列を付加した塩基配列からなるDNA断片を準備する工程(a11)を含む、
請求項2又は3に記載の製造方法。 - 前記工程(a11)は、
前記DNAを複数に分割した前記DNA断片の塩基配列の5’末端に前記ペプチドタグとは異なるペプチドタグをコードする塩基配列を更に付加した塩基配列からなるDNA断片を準備する工程を含む、
請求項4に記載の製造方法。 - 前記工程(a)は、
分割された前記DNA断片を更に2以上に分割した塩基配列からなる2以上のDNA断片を準備する工程(a111)と、
前記2以上のDNA断片及び当該DNA断片の分割部位を含む領域に相補的なDNA断片をハイブリダイズさせる工程(a112)と、
ハイブリダイズした前記DNA断片をライゲーションし、分割前の塩基配列からなる前記DNA断片を生成する工程(a113)と、
を備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。 - プロモーター配列と、抗体をコードする塩基配列と、ペプチドタグをコードする塩基配列とをこの順に有し、少なくともナンセンス変異又はフレームシフト変異を有しない核酸からなるDNAライブラリ。
- 前記抗体がVHH抗体である、請求項7に記載のDNAライブラリ。
- 前記抗体が、相補性決定領域を除く領域にシステイン残基を有しない、請求項8に記載のDNAライブラリ。
- 前記核酸が、前記ペプチドタグをコードする塩基配列の3’側に、核酸リンカーがハイブリダイズする塩基配列を更に有する、請求項7〜9のいずれか一項に記載のDNAライブラリ。
- 前記抗体をコードする塩基配列のうち相補性決定領域をコードする領域を除く領域に、システイン残基をコードするコドンを有しない、請求項7〜10のいずれか一項に記載のDNAライブラリ。
- 前記核酸が、前記プロモーター配列と、抗体をコードする前記塩基配列との間に、前記ペプチドタグとは異なるペプチドタグをコードする塩基配列を更に有する、請求項7〜11のいずれか一項に記載のDNAライブラリ。
- プロモーター配列と、アプタマーをコードする塩基配列と、ペプチドタグをコードする塩基配列とをこの順に有し、前記アプタマーをコードする塩基配列のうち前記アプタマーの相補性決定領域を除く領域にシステイン残基をコードするコドンを有しない、DNAライブラリ。
- プロモーター配列と、第1のタグをコードする塩基配列と、抗体をコードする塩基配列と、第2のタグをコードする塩基配列と、核酸リンカーがハイブリダイズする塩基配列と、を備える、DNAライブラリ。
- 請求項7〜14のいずれか一項に記載のDNAライブラリを転写してmRNAを合成する工程(S1)と、
前記mRNAを翻訳してタンパク質を合成する工程(S2)と、
前記タンパク質から、所望の活性を有するタンパク質を選択する工程(S3)と、
を備える、スクリーニング方法。 - 前記工程(S1)の後に、前記mRNAの末端と核酸リンカーの末端とをライゲーションする工程を更に備え、
前記工程(S2)が、前記mRNAを翻訳して得られるタンパク質と前記mRNAとが前記核酸リンカーを介して連結した複合体を形成する工程を備える、
請求項15に記載のスクリーニング方法。 - 前記mRNAを逆転写して、前記mRNAが逆転写されたcDNAと、前記mRNAと、前記タンパク質とが、前記核酸リンカーを介して連結した複合体を形成する工程と、
前記工程(S3)の後に、選択したタンパク質に連結した前記cDNAを回収する工程(S4)と、
を備える請求項15又は16に記載のスクリーニング方法。 - 請求項7〜14のいずれか一項に記載のDNAライブラリと、
転写酵素と、
無細胞翻訳系と、
を備える、スクリーニングキット。 - 核酸リンカーと、
逆転写酵素と、
を更に備える、請求項18に記載のスクリーニングキット。
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-
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