以下、本発明の実施の形態を、図1〜図10を参照しながら詳細に説明する。尚、本実施の形態では、画像形成装置の一例としてタンデム型のフルカラープリンタについて説明している。但し、本発明はタンデム型の画像形成装置に限られず、他の方式の画像形成装置であってもよく、また、フルカラーであることにも限られず、モノクロやモノカラーであってもよい。
図1に示すように、画像形成装置1は、画像形成装置本体(以下、装置本体という)10を備えている。装置本体10は、シート給送部(シート搬送装置)20と、画像形成部30と、シート搬送部40と、シート排出部50と、シート有無検知部100と、制御部2と、を備えている。即ち、画像形成装置1は、画像を形成する画像形成部30と、画像形成部30にシートSを給送可能なシート給送部20とを備えている。尚、記録材であるシートSは、トナー像が形成されるものであり、具体例として、普通紙、普通紙の代用品である合成樹脂製のシート、厚紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等がある。また、装置本体10は、開閉ドア11を備えている。本実施の形態では、開閉ドア11が設けられた側を画像形成装置1の前側(正面側)としている。更に、図中、前側の方向を前方F、その反対側の方向を後方Rとして表記する。
シート給送部20は、装置本体10の下部に配置されており、シートSを画像形成部30に給送するようになっている。シート給送部20は、シートSを積載可能なシートカセット(シート積載部)21と、搬送ガイド部22と、給送ローラ23と、分離部24とを備えている。シートカセット21は、装置本体10に対して前側で前後方向に挿抜可能に設けられている。シートカセット21は、積載されたシートSを支持すると共に、収納されたシートSを給送ローラ23に押圧する中板25が設けられている。分離部24は、搬送ローラ24aと、分離ローラ24bとを備えている。搬送ローラ24a及び分離ローラ24bは、互いに圧接してシートSを分離するようになっている。
搬送ガイド部22と開閉ドア11との間には、手差し口12が設けられている。手差し口12から後方R側には、シート搬送路R1を利用する手差し給送部26が設けられている。シート搬送路R1には、装置本体10に設けられた駆動ローラ90,91と、各駆動ローラ90,91に圧接され、搬送ガイド部22に設けられた従動ローラ65,66とが配置されている。手差し口12から搬送ガイド部22にセットされた手差しシートSaは、駆動ローラ90,91により搬送されて分離部24に達するようになっている。即ち、搬送ガイド部22は、手差し給送部26からの手差しシートSaをシート搬送路R1において搬送するようになっている。駆動ローラ90,91は、駆動モータ92を駆動源とし、ギヤ列93,94を介して回転されるようになっている。これら駆動ローラ90,91と、駆動モータ92と、各ギヤ列93,94は、いずれも搬送ガイド部22の上方に設けられた支持部95に支持されている。尚、シート給送部20の詳細については後述する。
画像形成部30は、画像形成ユニット31と、レーザスキャナ33と、中間転写ユニット34と、2次転写部35と、定着装置36とを備え、画像形成を行うようになっている。
画像形成ユニット31は、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の4色のトナー画像を形成するための4個の画像形成ユニット31y,31m,31c,31kを備えている。例えば、画像形成ユニット31yは、トナー画像を形成する感光体ドラム37yと、帯電ローラ38yと、現像スリーブ39yと、不図示のドラムクリーニングブレードと、トナー等とを備えている。また、画像形成ユニット31yの容器内には、トナーが収容されている。また、他の画像形成ユニット31m,31c,31kについては、いずれもトナーの色が異なる他は画像形成ユニット31yと同様の構造となっているので、詳細な説明は省略する。
レーザスキャナ33は、感光体ドラム37y,37m,37c,37kの表面を露光して表面上に静電潜像を形成するようになっている。
中間転写ユニット34は、駆動ローラ34aや1次転写ローラ34y,34m,34c,34k等の複数のローラと、これらのローラに巻き掛けられた中間転写ベルト34bとを備えている。1次転写ローラ34y,34m,34c,34kは、感光体ドラム37y,37m,37c,37kにそれぞれ対向して配置され、中間転写ベルト34bに当接するようになっている。中間転写ベルト34bに1次転写ローラ34y,34m,34c,34kによって正極性の転写バイアスを印加することにより、感光体ドラム37y,37m,37c,37k上のそれぞれの負極性を持つトナー像が順次中間転写ベルト34bに多重転写される。これにより、中間転写ベルト34bに、フルカラー画像が形成されるようになっている。
2次転写部35は、2次転写内ローラ35aと、2次転写外ローラ35bとを備えている。2次転写外ローラ35bに正極性の2次転写バイアスを印加することによって、中間転写ベルト34bに形成されたフルカラー画像をシートSに転写するようになっている。尚、2次転写内ローラ35aは中間転写ベルト34bの内側で該中間転写ベルト34bを張架しており、2次転写外ローラ35bは中間転写ベルト34bを挟んで2次転写内ローラ35aと対向する位置に設けられている。
定着装置36は、定着ローラ36a及び加圧ローラ36bを備えている。定着ローラ36aと加圧ローラ36bとの間をシートSが挟持されて搬送されることにより、シートSに転写されたトナー像は加熱加圧されてシートSに定着されるようになっている。
シート搬送部40は、シート給送部20から給送されたシートSを画像形成部30からシート排出部50に搬送するようになっており、2次転写前搬送経路41と、定着前搬送経路42と、排出経路43とを備えている。
シート排出部50は、排出経路43の下流側に配置された排出ローラ対51と、排出ローラ対51の下流側に配置された排出トレイ52とを備えている。排出ローラ対51は、排出経路43から搬送されるシートSをニップ部から給送し、排出トレイ52に排出して積載するようになっている。
シート有無検知部100は、シート搬送路R1における手差しシートSaの有無を検知可能になっている。シート有無検知部100の詳細については後述する。
制御部2はコンピュータにより構成され、例えばCPUと、各部を制御するプログラムを記憶するROMと、一時的なデータを記憶するRAMと、外部と信号を入出力する入出力回路(I/F)とを備えている。CPUは、画像形成装置1の制御全体を司るマイクロプロセッサであり、システムコントローラの主体である。CPUは、入出力回路を介して、シート給送部20、画像形成部30、シート搬送部40、シート排出部50に接続され、各部と信号をやり取りすると共に動作を制御するようになっている。
次に、このように構成された画像形成装置1における画像形成動作について説明する。
画像形成動作が開始されると、まず感光体ドラム37y,37m,37c,37kが回転して表面が帯電ローラ38y,38m,38c,38kにより帯電される。そして、レーザスキャナ33により画像情報に基づいてレーザ光が感光体ドラム37y,37m,37c,37kに対して発光され、感光体ドラム37y,37m,37c,37kの表面上に静電潜像が形成される。この静電潜像にトナーが付着することにより、現像されてトナー画像として可視化される。このとき、露光量と現像スリーブ39y,39m,39c,39kに印加されたバイアスの差分である電位差が大きいほど、現像されるトナー量は増加する。可視化されたトナー画像は、中間転写ベルト34bに転写される。
一方、このようなトナー像の形成動作に並行して給送ローラ23が回転し、シートカセット21の最上位のシートSを分離しながら給送する。そして、中間転写ベルト34bのトナー画像にタイミングを合わせて、2次転写前搬送経路41を介してシートSが2次転写部35に搬送される。更に、中間転写ベルト34bからシートSに画像が転写され、シートSは、定着装置36に搬送され、ここで未定着トナー像が加熱加圧されてシートSの表面に定着され、排出ローラ対51によりシートSが排出されて排出トレイ52に積載される。
また、シートSの手差し給送を行う場合は、ユーザが、手差し口12から手差し給送部26の搬送ガイド部22に手差しシートSaを差し入れて、シート搬送路R1に送り込む。この手差し用のシート搬送路R1は、手差し口12から分離部24まで連続している。手差し口12から搬送ガイド部22にセットされた手差しシートSaは、駆動ローラ90,91により搬送されて分離部24に達する。尚、分離部24に達した手差しシートSaは、シートカセット21に積載されたシートSと同様に、カラートナー画像が転写、定着され、排出トレイ52に排紙される。
次に、上述した画像形成装置1におけるシート給送部20について、図2、図3、図4を用いて詳細に説明する。
シート給送部20の搬送ガイド部22は、装置本体10に対して前側で前後方向に挿抜可能に設けられ、装置本体10の装着位置22Aに装着された状態においてシートSが通過するシート搬送路R1を構成する(図1参照)。即ち、搬送ガイド部22は、シートSの搬送時には、装置本体10に対して装着位置22Aに位置する(図4(g)(h)参照)。本実施の形態では、搬送ガイド部22は、シートカセット21の上側に配置されている。
搬送ガイド部22は、ガイド板60と、ガイド板60の左右両側の前後部から側方に突出するガイド突起61〜64と、ガイド板60に回転可能に支持された従動ローラ65,66と、付勢ばね67,68と、係合突起69とを有している。ガイド板60は、上面側でシート搬送路R1を形成している。各ガイド突起61〜64は、挿抜方向に直交する幅方向Wの少なくとも一方に突出するように設けられ、後述する支持板70,80により前後方向(挿抜方向)に摺動可能に支持されている。付勢ばね67,68は、捩りコイルばねにより形成されており、各従動ローラ65,66を上方に付勢している。従動ローラ65,66は、搬送ガイド部22が装着位置22Aに位置する際に、装置本体10の駆動ローラ90,91に、付勢ばね67,68により圧接されるように設けられている。係合突起69は、後述するシート有無検知部100の突起部113に係合可能になっている(図8(a)参照)。
シート給送部20では、シートカセット21が装置本体10に挿入される動作に伴って、搬送ガイド部22は装着位置22Aに移動するようになっている。本実施の形態では、シート給送部20は、シートカセット21が装置本体10に挿入される動作に伴って、搬送ガイド部22を装着位置22Aに位置させる連動部を備えている。連動部は、シートカセット21に設けられた突起(係合部)21aと、搬送ガイド部22に設けられた先端部(被係合部)22aとを有している。突起21aは、シートカセット21の装置本体10からの抜き出し方向の先端部に上方に突出して形成されており、搬送ガイド部22の抜き出し方向の先端部22aに当接可能になっている。これにより、シートカセット21が装置本体10に挿入される際に、突起21aが先端部22aに係合することで、搬送ガイド部22は装着位置22Aに移動するようになっている。
本実施の形態では、画像形成装置1の装置本体10は、シート給送部20の装置本体10をも兼用している。このため、シート給送部20は、装置本体10と、シートカセット21と、搬送ガイド部22と、突起21aとを備えている。尚、連動部としては、突起21a及び先端部22aを有する構成に限られないのは勿論である。
装置本体10は、前側に向かって左側及び右側に配置された支持板(案内部)70,80を備えている。各支持板70,80は、搬送ガイド部22のガイド突起61〜64を前後方向に案内するようになっている。支持板70は、内側に開口した水平な案内溝73を備えている。案内溝73には、搬送ガイド部22の左側のガイド突起61,62が係合可能になっている。また、支持板80は、内側に開口した水平な案内溝83を備えている。案内溝83には、搬送ガイド部22の右側のガイド突起63,64が係合可能になっている。このため、ガイド突起61,62が案内溝73に係合すると共に、ガイド突起63,64が案内溝83に係合することで、ガイド板60が各支持板70,80に対して前後方向に摺動可能になる。また、ガイド板60を各支持板70,80から引き出すことにより、搬送ガイド部22は装置本体10から取り外される。
各支持板70,80の案内溝73,83の後部には、位置決め部74,84が設けられている。即ち、装置本体10は、搬送ガイド部22を装着位置22Aに位置決め可能な位置決め部74,84を有している。本実施の形態では、位置決め部74,84は、装置本体10において、搬送ガイド部22の挿抜方向に直交する幅方向Wの両側に配置されている。
各位置決め部74,84は、カム(位置決め部材)71,81と、付勢ばね72,82とを有している。各カム71,81は、搬送ガイド部22を装着位置22Aに位置決めするように、各案内溝73,83に回転可能に設けられ、付勢ばね72,82により回転方向の一方側に付勢されている。付勢ばね72,82は、例えば圧縮コイルばねからなり、各カム71,81が搬送ガイド部22を装着位置22Aに位置決めするように付勢する。各カム71,81は、装着位置22Aの近傍に位置する搬送ガイド部22のガイド突起62,64を、付勢ばね72,82の付勢力により装着位置22A側に移動させるようになっている。これにより、各カム71,81は、搬送ガイド部22を装着位置22Aに移動させて位置決めするようになっている。
ここで、例えば、カム71及び付勢ばね72の構成及び動作について、図4(a)〜(h)を参照して説明する。尚、ここではカム71及び付勢ばね72について説明するが、カム81及び付勢ばね82についても同様である。
カム71は、第1の傾斜面71aと、第2の傾斜面71bと、回転中心軸71cとを備えている。第1の傾斜面71aは前方Fの下方を指向し、第2の傾斜面71bは第1の傾斜面71aに連続して後方Rの下方を指向する。第1の傾斜面71aと第2の傾斜面71bとの間は頂点71dとなっている。付勢ばね72は、頂点71dが下方に回転する方向に、カム71を付勢している。
図4(a)及び(b)に示すように、搬送ガイド部22が装置本体10に対して半挿し状態で装着位置22Aから大きく離れている時は、ガイド突起62がカム71から大きく離れている。図4(c)及び(d)に示すように、ユーザによってシートカセット21が装置本体10に対して挿入方向に移動されると、突起21aが搬送ガイド部22の先端部22aに当接して、搬送ガイド部22が後方Rに押し込まれる。尚、シートカセット21の係合部である突起21aは、先端部以外に配置されたものであってもよく、また、搬送ガイド部22の被係合部である先端部22aは、先端部以外に配置されたものであってもよい。
図4(e)及び(f)に示すように、シートカセット21が更に挿入されるのに伴い、ガイド突起62がカム71の第1の傾斜面71aに接触し、付勢ばね72に抗してカム71を回転させる。ガイド突起62がカム71の頂点71dを超えると、シートカセット21は装着位置に達し、搬送ガイド部22への押圧は停止される。この時、ガイド突起62はカム71の第2の傾斜面71bに接している。
図4(g)及び(h)に示すように、ガイド突起62はカム71の第2の傾斜面71bに接しているので、第2の傾斜面71bが、付勢ばね72の付勢力によりガイド突起62を後方Rに向けて付勢する。これにより、搬送ガイド部22が後方Rに押し込まれ、ガイド突起62の後端面62aが案内溝73の後端面73aに当接する。このように、ガイド突起62の後端面62aが案内溝73の後端面73aに当接した時の搬送ガイド部22の位置が、装着位置22Aとなっている。この時、ガイド突起62は支持板70に対して位置決めされているので、従動ローラ65,66の位置が安定するようになる。これにより、従動ローラ65,66は、装置本体10の駆動ローラ90,91に対して適切な位置で安定して圧接されるので、手差しによる手差しシートSaの給送におけるスリップや斜行の発生を抑制することができる。
また、カム71がガイド突起62と係合することで、搬送ガイド部22の先端部22aから後端面62aまでの間の部品公差と、突起21aから後端面73aまでの部品公差を吸収することができる。これにより、搬送ガイド部22を装置本体10に対して付勢ばね72の付勢状態で、搬送ガイド部22の装置本体10に対する位置決めが可能となる。
また、駆動ローラ90,91が回転することにより、従動ローラ65,66に後方Rへの力が伝達される。これにより、その力が搬送ガイド部22の従動ローラ65,66との接触部において搬送ガイド部22に伝達されることで、搬送ガイド部22の装置本体10に対する位置決めが更に安定する。よって、駆動ローラ90,91に対する従動ローラ65,66の前後方向への位置ずれを抑止でき、シート搬送時のスリップを抑止することが可能となる。本実施の形態では、位置決め部74,84は、装置本体10において幅方向Wの両側に配置されている。このため、搬送ガイド部22のZ軸周りの回転を抑制し、従動ローラ65,66の位置ずれによる斜行を抑止することができる。
例えば、駆動ローラ90,91に従動ローラ65,66が付勢ばね72,82により押圧され発生する前方Fへの押圧力をf1と定義する。また、搬送ガイド部22の自重により、ガイド突起61〜64と案内溝73,83との間での摩擦力をf2とし、カム71,81の回転中心での摩擦力による着脱方向の力をf3と定義する。この場合、搬送ガイド部22のガイド突起62がカム71の頂点71dを超えた際に、f1+f2+f3よりも大きい引き込み力f0を発生可能なように、付勢ばね72の付勢力を設定する。これにより、図4(e)及び(f)に示すガイド突起62がカム71の頂点71dを超えたばかりの位置から、図4(g)及び(h)に示す後端面62aが後端面73aに当接する位置まで、搬送ガイド部22が後方Rに移動される。これにより、搬送ガイド部22の装置本体10に対する位置決め性能を向上させることができる。
次に、上述した画像形成装置1におけるシート有無検知部100について、図5〜図10を用いて詳細に説明する。
シート有無検知部100は、図5に示すように、手差しシートSaの挿入によって回転可能な検知部材110と、検知部材110の回転を検知可能なセンサ(検知部)120と、検知部材110に付勢する付勢ばね103とを備えている。
検知部材110は、図6に示すように、軸部111と、フラグ(移動部材)112と、突起部113と、遮光板114と、係止爪115と、を有して一体的に形成されている。即ち、検知部材110は、軸部111を中心に回転することにより、フラグ112と、突起部113と、遮光板114と、係止爪115とが一体回転するようになっている。
図5及び図6に示すように、軸部111は、支持部95に回転可能に支持されており、幅方向Wを長手方向にして配置されている。フラグ112は、軸部111の回転に伴い、シート搬送路R1に対して出没可能になっている。即ち、フラグ112は、下方に突出してシート搬送路R1を遮る第1の位置(図8(b)参照)と、シート搬送路R1に搬送される手差しシートSaによって押し上げられた第2の位置(図9(b)参照)と、の間で移動可能になっている。
突起部113は、搬送ガイド部22の係合突起69が係合することにより、軸部111を回転させるようになっている(図8(a)参照)。遮光板114は、軸部111の回転に伴いセンサ120を通過することでセンサ120をオンオフするようになっている。係止爪115には、付勢ばね103の一端部が係止されている。
センサ120は、制御部2に接続されており、例えば発光部121と受光部122とを有する光センサである(図7(c)参照)。センサ120は、発光部121から射出された光線Lが受光部122によって受光されるか否かでオンオフが切り換わることを検出信号として出力する。即ち、センサ120では、発光部121と受光部122との間を遮光板114が通過することにより受光部122のオンオフが切り換わるようになっている。センサ120は、受光部122のオンオフの状態により、フラグ112が第1の位置及び第2の位置のいずれに位置するかを検知可能になっている。センサ120は、フラグ112の位置から検知部材110の回転角度を検知することで、手差しシートSaがシート搬送路R1にあるか否かを検知することができる。
センサ120は、支持部95に固定された支持板97に固定されている。尚、本実施の形態では、センサ120として光センサを適用しているが、フラグ112の回転を検知可能な構成であれば、これには限られない。例えば、検知部材110の回転量に応じてオンオフを切り換えるスイッチを利用してもよい。
付勢ばね103は引っ張りコイルばねからなり、一端部が検知部材110の係止爪115に係止され、他端部が支持部95の係止爪96に係止されている(図7(c)参照)。これにより、付勢ばね103は、検知部材110を回転方向R2に付勢している。
また、シート有無検知部100は、搬送ガイド部22が装着位置22Aに無い場合は、フラグ112をシート搬送路R1よりも上方に退避させる退避機構140を有している(図7(b)参照)。本実施の形態では、退避機構140は、軸部111と、係止爪115と、付勢ばね103とにより構成されている。
ここで、シート有無検知部100の動作について、図7(a)〜図10を参照して説明する。
搬送ガイド部22が装着位置22Aから離れている時の状態を、図7(a)〜(c)に示す。この時は、搬送ガイド部22の係合突起69は、突起部113から離れている。このため、付勢ばね103により係止爪115が回転方向R2の係止爪96に引っ張られ、遮光板114の端面116と係止爪96の端面98とが当接する。フラグ112は、退避機構140によってシート搬送路R1から退避された状態で保持されている。遮光板114はセンサ120の光線Lを遮らず、これにより手差しシートSaが無いものと検知する。
次に、搬送ガイド部22が装着位置22Aに位置すると共に、手差しシートSaが無い時の状態を、図8(a)〜(c)に示す。この時は、搬送ガイド部22の係合突起69が、突起部113に当接し、軸部111を付勢ばね103に抗して、回転方向R2とは反対方向に略90°回転させる。このため、係止爪115の回転により付勢ばね103が伸長される。フラグ112は、回転によりシート搬送路R1に突出した状態で保持されている。遮光板114はセンサ120の光線Lを遮らず、これにより手差しシートSaが無いものと検知する。
次に、搬送ガイド部22が装着位置22Aに位置すると共に、手差しシートSaが挿入された時の状態を、図9(a)〜(c)に示す。この時は、手差しシートSaがフラグ112に後方Rに向けて押圧し、フラグ112は軸部111を付勢ばね103に抗して、回転方向R2とは反対方向に略70°回転させる。尚、突起部113は、搬送ガイド部22の係合突起69から離隔する。係止爪115の回転により、付勢ばね103が更に伸長される。遮光板114はセンサ120の光線Lを遮り、受光部122が光線Lを受光できなくなることから、センサ120は手差しシートSaが有るものと検知する。
ところで、シート搬送路R1において手差しシートSaがジャムを発生した場合は、図10に示すように、シートカセット21及び搬送ガイド部22を装置本体10から取り外すことで、シート搬送路R1の下方にジャム処理空間S1を形成する。これにより、手差しシートSaのジャム処理が可能となる。ここで、シート有無検知部100が退避機構140を有しない場合は、図10に示すように、フラグ112が下方のジャム処理空間S1に突出したままになってしまう。この状態でジャム処理を行うと、フラグ112に想定外の外力が加わる可能性があり、破損する虞がある。
これに対し、本実施の形態の画像形成装置1では、シート有無検知部100が退避機構140を有している。このため、搬送ガイド部22を装置本体10から取り外すことで、フラグ112が上方に退避して保持されるので、ジャム処理空間S1でのジャム処理中にフラグ112が破損してしまう可能性を大幅に低減することができる。
上述したように本実施の形態の画像形成装置1によれば、突起21aが、シートカセット21が装置本体10に挿入される動作に伴って、搬送ガイド部22を装着位置22Aに位置させる。これにより、装置本体10に対して挿抜可能な搬送ガイド部22を有しながらも、搬送ガイド部22による手差しシートSaの給送時に手差しシートSaのスリップや斜行を抑制できる。
また、本実施の形態の画像形成装置1によれば、装置本体10は、位置決め部74,84を備えている。このため、突起21aにより後方Rに押されて挿入された搬送ガイド部22を、部品の寸法誤差や組立誤差に関わらず、装着位置22Aに確実に位置決めして保持することができる。
また、本実施の形態の画像形成装置1によれば、シート有無検知部100がフラグ112の退避機構140を有している。このため、搬送ガイド部22を装置本体10から取り外すことで、フラグ112が上方に退避して保持されるので、ジャム処理空間S1でのジャム処理中にフラグ112が破損してしまう可能性を大幅に低減することができる。
上述した本実施の形態では、位置決め部74,84として、搬送ガイド部22のガイド突起62,64と係合するカム71,81及び付勢ばね72,82とを設けたが、これには限られない。例えば、シートカセット21を後方Rに引き込む引込機構を装置本体10に設けるようにしてもよい。この場合、引込機構によるシートカセット21の引き込み動作により搬送ガイド部22が後方Rに移動し、シートカセット21と装置本体10にばね付勢された状態で挟まれて支持されるようにできる。この構成によっても、シートカセット21が装置本体10に挿入される動作に伴って、搬送ガイド部22を装着位置22Aに位置させることができる。