JP2016097074A - 布団 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸湿時に通気性が向上する布帛を含む側地と、吸水性中綿とを用いて布団を構成する。
【選択図】なし
Description
また、特許文献3では、吸湿時に通気性が向上する布帛を側地に用いた寝具が提案されている。かかる寝具は布団内温度を自己調節できるものではあるが、その性能はまだ十分とはいえなかった。
その際、前記布帛において、下記式により算出する通気性変化率が5%以上であることが好ましい。
通気性の変化率(%)=((吸湿時の通気性)−(乾燥時の通気性))/(乾燥時の通気性)×100
ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、吸湿時とは、試料を温度30℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、通気性は、JIS L 1096−1998、6.27.1、A(フラジール型通気性試験機法)により測定する。
本発明の布団は、吸湿時に通気性が向上する布帛を含む側地と、吸水性中綿とを含む。ここで、前記布帛において、下記式により算出する通気性変化率が5%以上(好ましくは10〜500%)であることが好ましい。該通気性変化率が5%より小さいと発汗時にムレ感が発生するおそれがある。
通気性の変化率(%)=((吸湿時の通気性)−(乾燥時の通気性))/(乾燥時の通気性)×100
前記の吸湿時に通気性が向上する布帛としては、特開2008−297657号公報
に記載された布帛が好ましい。すなわち、下記の織編物1または織編物2が好ましく例示される。
膨潤率(%)=((湿潤時の糸長)−(乾燥時の糸長))/(乾燥時の糸長)×100
ここで、吸水自己伸張糸としては、前記の膨潤率を有するものであれば特に限定されないが、6%以上(より好ましくは8〜30%)の膨潤率を有するものであることが好ましい。
かかるポリオキシエチレングリコールの数平均分子量としては、400〜8000が好ましく、なかでも1000〜6000が特に好ましい。
かかるポリエーテルエステル中には、公知の有機スルホン酸金属塩が含まれていると、さらに優れた吸水自己伸張性能が得られ好ましい。
織編物1の構造としては、その織編組織、層数は特に限定されるものではない。例えば、平織、綾織、サテンなどの織組織や、天竺、スムース、フライス、鹿の子、デンビー、トリコットなどの編組織が好適に例示されるが、これらに限定されるものではない。層数も単層でもよいし、2層以上の多層であってもよい。
まず、その1として、吸湿自己伸張糸と非自己伸張糸とが引き揃えられて、編物のニードルループや、織物の経糸および/または緯糸を構成する糸配列があげられる。例えば、吸湿自己伸張糸と非自己伸張糸とが丸編組織の複合ループ(2本の糸条で、同時にニードルループを形成する。添え糸編みとも言われる。)を形成してなる糸配列や、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とが、引き揃えられて織組織の経糸および/または緯糸に配された糸配列が例示される。
その3として、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とが、混繊糸、複合仮撚捲縮加工糸、合撚糸、カバリング糸などの複合糸として織編物を構成する態様があげられる。
例えば、その1として、前記の織編物1を製編織する際、吸水自己伸張糸として、前記の弾性を有するポリエーテルエステル繊維を使用し、該ポリエーテルエステル繊維をドラフト(延伸)しながら非自己伸張糸と引き揃え、同一の給糸口に給糸して製編織する方法があげられる。その際、ポリエーテルエステル繊維のドラフト率としては、10%以上(好ましくは20%以上300%以下)が好ましい。なお、該ドラフト率(%)は、下記式で求められる。
ドラフト率(%)=((引き取り速度)−(供給速度))/(供給速度)×100
その3として、非自己伸張糸をオーバーフィード(過供給)させながら吸水自己伸張糸と引き揃えて、通常の空気混繊加工、撚糸、カバリング加工なより複合糸を得て、該複合糸を用いて織編物を製編織する方法があげられる。
ここで、ポリエステル成分としては、他方のポリアミド成分との接着性の点で、スルホン酸のアルカリまたはアルカリ土類金属、ホスホニウム塩を有し、かつエステル形成能を有する官能基を1個以上もつ化合物が共重合された、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンタレフタレート等の変性ポリエステルが好ましく例示される。なかでも、汎用性およびポリマーコストの点で、前記化合物が共重合された、変性ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。その際、共重合成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸およびそのエステル誘導体、5−ホスホニウムイソフタル酸およびそのエステル誘導体、p−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウムなどがあげられる。なかでも、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が好ましい。共重合量としては、2.0〜4.5モル%の範囲が好ましい。該共重合量が2.0モル%よりも小さいと、優れた捲縮性能が得られるものの、ポリアミド成分とポリエステル成分との接合界面にて剥離が生じるおそれがある。逆に、該共重合量が4.5モル%よりも大きいと、延伸熱処理の際、ポリエステル成分の結晶化が進みにくくなるため、延伸熱処理温度を上げる必要があり、その結果、糸切れが多発するおそれがある。
なお、前記ポリエステル成分およびポリアミド成分には、公知の添加剤、例えば、顔料、顔料、艶消し剤、防汚剤、蛍光増白剤、難燃剤、安定剤、帯電防止剤、耐光剤、紫外線吸収剤等が含まれていてもよい。
前記複合繊維の単糸繊度、単糸数(フィラメント数)としては特に限定されないが、単糸繊度1〜10dtex(より好ましくは2〜5dtex)、単糸数10〜200本(より好ましくは20〜100本)の範囲内であることが好ましい。
まず、固有粘度が0.30〜0.43(オルソクロロフェノールを溶媒として35℃で測定)の、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が2.0〜4.5モル%共重合された変性ポリエステルと、固有粘度が1.0〜1.4(m−クレゾールを溶媒として30℃で測定)のポリアミドとを用いてサイドバイサイド型に溶融複合紡糸する。その際、ポリエステル成分の固有粘度が0.43以下であることが特に重要である。ポリエステル成分の固有粘度が0.43よりも大きいと、ポリエステル成分の粘度が増大するため、複合繊維の物性がポリエステル単独糸に近くなり好ましくない。逆に、ポリエステル成分の固有粘度が0.30よりも小さいと、溶融粘度が小さくなりすぎて製糸性が低下するとともに毛羽発生が多くなり、品質および生産性が低下するおそれがある。
ここで、織編物2を織編成する際、重量基準で織編物全重量に対して、10重量%以上(好ましくは40重量%以上)であることが好ましい。また、織編組織は特に限定されず、前述のものを適宜選定することができる。
ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、吸湿時とは、試料を温度30℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態である。
かかる吸水性中綿において、単繊維繊度、繊維長は特に制限はないが、優れた保温性を得る上で、単繊維繊度が0.1〜5.0dtexの短繊維が好ましい。
本発明の布団において、発汗した汗を吸水性中綿が吸水しその湿度により側地の通気性が向上し、布団内(敷き布団と掛け布団との間)温度を自己調節でき、快適な睡眠環境が得られる。
なお、本発明の布団には、掛け布団、敷き布団、こたつ布団、寝袋、ざぶとんなどが含まれる。
JIS L 1096−1998、6.27.1、A(フラジール型通気性試験機法)により乾燥時の通気性(cc/cm2/s)と吸水時の通気性(cc/cm2/s)を測定した。ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、吸湿時とは、試料を温度30℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、それぞれ通気性(n数=5)を測定し、その平均を求めた。そして、通気性の変化率を下記式により算出した。
通気性の変化率(%)=((吸水時の通気性)−(乾燥時の通気性))/(乾燥時の通気性)×100
織編物中における複合繊維の捲縮率は、下記の方法により測定した。まず、織編物を乾燥状態とし、該織編物から織編物と同じ方向の30cm×30cmの小片を裁断した(n数=5)。次いで、各々の小片から、複合繊維を取り出し、1.76mN/dtex(200mg/de)の荷重をかけて糸長L0fを測定し、除重1分後0.0176mN/dtex(2mg/de)の荷重をかけて糸長L1fを測定した。さらにこの糸を吸湿状態とし、1.76mN/dtex(200mg/de)の荷重をかけて糸長L0f’を測定し、除重1分後0.0176mN/dtex(2mg/de)の荷重をかけて糸長L1f’を測定した。以上の測定数値から下記の計算式にて、乾燥時の捲縮率DCF(%)、湿潤時の捲縮率HCF(%)、乾燥時と湿潤時の捲縮率差(DCF−HCF)(%)を算出した。なお、n数は5でその平均値を求める。
乾燥時の捲縮率DCF(%)=((L0f−L1f)/L0f)×100
湿潤時の捲縮率HCF(%)=(L0f’−L1f’)/L0f’)×100
ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、吸湿時とは、試料を温度30℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態である。
オルソクロロフェノールを溶媒として使用し温度35℃で測定した。
m−クレゾールを溶媒として使用し温度30℃で測定した。
JIS L1912に規定される吸水性の試験方法のうち6.12.2項の吸水時間を測定した。
ポリエチレンテレフタレートを常法により紡糸・延伸した後、吸水性アミノシリコーン(親水化剤)のエマルジョンを油剤として付与し、単繊維繊度が3.3dtexのポリエチレンテレフタレートトウを得た。該トウに常法により捲縮を付与し繊維長51mmにカットした。そして、カットされた短繊維をローラーカードにかけてカーディングし、成型機でカードウェブを積層し吸水性中綿1を作製した。該吸水性中綿1において吸水時間は1.5秒であった。
そして、編物2を、温度130℃、キープ時間15分で染色加工し、複合繊維の潜在捲縮性能を顕在化させた後、フッ素樹脂系撥水加工液を用いてパデング処理し、次いで100℃の温度で乾燥させ、温度160℃、時間1分で乾熱ファイナルセットを施した。
また編物2においては、乾燥時の通気性45cc/cm2/s、吸湿時の通気性64cc/cm2/s、通気性の変化率42%と吸湿時に通気性が大きく向上し満足なものであった。
側地として、艶消し剤として二酸化チタンをポリマー重量対比0.30重量%含むポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸SD167dtex/48filを経糸と緯糸に配した平組織織物を製織した。次いで常法により、該織物に染色加工を行い経糸密度87本/2.54cm、緯密度51本/2.54cmの側地用織物3(カバーファクター(CF)1949、吸湿時に通気性が向上しない布帛)を得た。実施例1と同じ吸水性中綿1を側地用織物3で包み端部を縫製して布団を作製した。実施例1と同様、サーマルマネキンを使用し温湿度を計測した。結果を表1に示す。
実施例1において、親水化剤を含有しない油剤を用いて中綿(吸水時間は3.0秒であった。)を得ること以外は実施例1と同様にした。実施例1と同様、サーマルマネキンを使用し温湿度を計測した。結果を表1に示す。
比較例2の中綿を比較例1の側地用織物3で包み端部を縫製して布団を作製した。実施例1と同様、サーマルマネキンを使用し温湿度を計測した。結果を表1に示す。
Claims (8)
- 吸湿時に通気性が向上する布帛を含む側地と、吸水性中綿とを含むことを特徴とする布団。
- 前記布帛において、下記式により算出する通気性変化率が5%以上である、請求項1に記載の布団。
通気性の変化率(%)=((吸湿時の通気性)−(乾燥時の通気性))/(乾燥時の通気性)×100
ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、吸湿時とは、試料を温度30℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、通気性は、JIS L 1096−1998、6.27.1、A(フラジール型通気性試験機法)により測定する。 - 前記布帛が、吸湿時に自己伸張する繊維を含む、請求項1または請求項2に記載の布団。
- 前記吸湿時に自己伸張する繊維が、潜在捲縮性能が発現してなる捲縮構造を有する複合繊維である、請求項3に記載の布団。
- 前記複合繊維において、乾燥時の捲縮率をDCF(%)、吸湿時の捲縮率をHCF(%)とするとき、DCF−HCF≧10(%)である、請求項4に記載の布団。
ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、吸湿時とは、試料を温度30℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態である。 - 前記複合繊維が、ポリエステル成分とポリアミド成分とがサイドバイサイド型に接合された複合繊維である、請求項4または請求項5に記載の布団。
- 前記吸水性中綿において、JIS L1912に規定される吸水性の試験方法のうち6.12.2項の吸水時間が2秒以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の布団。
- 前記吸水性中綿が、親水化剤が付着したポリエステル繊維で構成される、請求項1〜7のいずれかに記載の布団。
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