JP2016097074A - 布団 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用者の発汗に応じて外気を導入し布団内温度を自己調節できる布団を提供する。
【解決手段】吸湿時に通気性が向上する布帛を含む側地と、吸水性中綿とを用いて布団を構成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、使用者の発汗に応じて外気を導入し布団内温度を自己調節できる布団に関する。
従来、側地と中綿を含む布団として種々のものが提案されている。例えば、特許文献1では、高吸放湿性微粒子を用いて快適性を向上させた寝装品が提案されている。また、特許文献2では、送風装置を用いて快適性を向上させた寝具が提案されている。しかしながら、これらは布団内温度を自己調節できるものではない。
また、特許文献3では、吸湿時に通気性が向上する布帛を側地に用いた寝具が提案されている。かかる寝具は布団内温度を自己調節できるものではあるが、その性能はまだ十分とはいえなかった。
特開2004−202100号公報 特開2004−89660号公報 特開2008−297657号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、使用者の発汗に応じて外気を導入し布団内温度を自己調節できる布団を提供することにある。
本発明者は上記課題を達成するため鋭意検討した結果、吸湿時に通気性が向上する布帛を含む側地と、吸水性中綿とで布団を構成すると、使用者の発汗に応じて外気を導入し布団内温度を自己調節できる、快適性に優れた布団が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「吸湿時に通気性が向上する布帛を含む側地と、吸水性中綿とを含むことを特徴とする布団。」が提供される。
その際、前記布帛において、下記式により算出する通気性変化率が5%以上であることが好ましい。
通気性の変化率(%)=((吸湿時の通気性)−(乾燥時の通気性))/(乾燥時の通気性)×100
ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、吸湿時とは、試料を温度30℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、通気性は、JIS L 1096−1998、6.27.1、A(フラジール型通気性試験機法)により測定する。
また、前記布帛が、吸湿時に自己伸張する繊維を含むことが好ましい。その際、前記吸湿時に自己伸張する繊維が、潜在捲縮性能が発現してなる捲縮構造を有する複合繊維であることが好ましい。また、前記複合繊維において、乾燥時の捲縮率をDCF(%)、吸湿時の捲縮率をHCF(%)とするとき、DCF−HCF≧10(%)であることが好ましい。ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、吸湿時とは、試料を温度30℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態である。
また、前記複合繊維が、ポリエステル成分とポリアミド成分とがサイドバイサイド型に接合された複合繊維であることが好ましい。また、前記吸水性中綿において、JIS L1912に規定される吸水性の試験方法のうち6.12.2項の吸水時間が2秒以下であることが好ましい。また、前記吸水性中綿が、親水化剤が付着したポリエステル繊維で構成されることが好ましい。
本発明によれば、使用者の発汗に応じて外気を導入し布団内温度を自己調節できる布団が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の布団は、吸湿時に通気性が向上する布帛を含む側地と、吸水性中綿とを含む。ここで、前記布帛において、下記式により算出する通気性変化率が5%以上(好ましくは10〜500%)であることが好ましい。該通気性変化率が5%より小さいと発汗時にムレ感が発生するおそれがある。
通気性の変化率(%)=((吸湿時の通気性)−(乾燥時の通気性))/(乾燥時の通気性)×100
ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、吸湿時とは、試料を温度30℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、通気性は、JIS L 1096−1998、6.27.1、A(フラジール型通気性試験機法)により測定する。
前記の吸湿時に通気性が向上する布帛としては、特開2008−297657号公報
に記載された布帛が好ましい。すなわち、下記の織編物1または織編物2が好ましく例示される。
まず、織編物1は、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とからなる織編物であって、乾燥時における該織編物中の吸水自己伸張糸の糸長を(A)、他方、非自己伸張糸の糸長を(B)とするとき、A/Bが0.9以下(好ましくは0.9〜0.2、特に好ましくは0.8〜0.3)である織編物であることが好ましい。
ここで、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸は以下に定義する糸である。すなわち、枠周:1.125mの巻き返し枠を用いて荷重:0.88mN/dtex(0.1g/de)をかけて一定の速度で巻き返し、巻き数:10回のかせを作り、かせ取りした糸を温度20℃、湿度65RH%の環境下に24時間放置し、これに非弾性糸の場合は1.76mN/dtex(200mg/de)、弾性糸の場合は0.0088mN/dtex(1mg/de)の荷重をかけて測定した糸長(mm)を乾燥時の糸長とする。該糸を水温20℃の水中に5分間浸漬した後に水中より引き上げ、該糸に乾燥時と同様に非弾性糸の場合は1.76mN/dtex(200mg/de)、弾性糸の場合は0.0088mN/dtex(1mg/de)の荷重をかけて測定した糸長(mm)を湿潤時の糸長とする。なお、前記非弾性糸とは破断伸度が200%以下の糸であり、前記弾性糸とは破断伸度が200%より高い糸である。そして、下記式で求められる繊維軸方向の膨潤率が5%以上のものを吸水自己伸張糸と定義する。他方、該膨潤率が5%未満のものを非自己伸張糸と定義する。
膨潤率(%)=((湿潤時の糸長)−(乾燥時の糸長))/(乾燥時の糸長)×100
ここで、吸水自己伸張糸としては、前記の膨潤率を有するものであれば特に限定されないが、6%以上(より好ましくは8〜30%)の膨潤率を有するものであることが好ましい。
かかる吸水自己伸張糸としては、例えば、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維や、ポリアクリル酸金属塩、ポリアクリル酸およびその共重合体、ポリメタアクリル酸およびその共重合体、ポリビニルアルコールおよびその共重合体、ポリアクリルアミドおよびその共重合体、ポリオキシエチレン系ポリマーなどを配合したポリエステル繊維、5−スルホイソフタル酸成分を共重合したポリエステル繊維などが例示される。なかでも、かかる吸水自己伸張弾性繊維として、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維が好適に例示される。
上記ポリブチレンテレフタレートは、ブチレンテレフタレート単位を少なくとも70モル%以上含有することが好ましい。ブチレンテレフタレートの含有率は、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。酸成分は、テレフタル酸が主成分であるが、少量の他のジカルボン酸成分を共重合してもよく、またグリコール成分は、テトラメチレングリコールを主成分とするが、他のグリコール成分を共重合成分として加えてもよい。
テレフタル酸以外のジカルボン酸としては、例えばナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸のような芳香族、脂肪族のジカルボン酸成分を挙げることができる。さらに、本発明の目的の達成が実質的に損なわれない範囲内で、トリメリット酸、ピロメリット酸のような三官能性以上のポリカルボン酸を共重合成分として用いても良い。
また、テトラメチレングリコール以外のジオール成分としては、例えばトリメチレングリコール、エチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコールのような脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物を挙げることができる。更に、本発明の目的の達成が実質的に損なわれない範囲内で、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのような三官能性以上のポリオールを共重合成分として用いてもよい。
一方、ポリオキシエチレングリコールは、オキシエチレングリコール単位を少なくとも70モル%以上含有することが好ましい。オキシエチレングリコールの含有量は、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。本発明の目的の達成が実質的に損なわれない範囲内で、オキシエチレングリコール以外にプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリンなどを共重合させても良い。
かかるポリオキシエチレングリコールの数平均分子量としては、400〜8000が好ましく、なかでも1000〜6000が特に好ましい。
前記のポリエーテルエステルエラストマーは、たとえば、テレフタル酸ジメチル、テトラメチレングリコールおよびポリオキシエチレングリコールとを含む原料を、エステル交換触媒の存在下でエステル交換反応させ、ビス(ω−ヒドロキシブチル)テレフタレート及び/又はオリゴマーを形成させ、その後、重縮合触媒及び安定剤の存在下で高温減圧下にて溶融重縮合を行うことにより得ることができる。
ハードセグメント/ソフトセグメントの比率は、重量を基準として30/70〜70/30であることが好ましい。
かかるポリエーテルエステル中には、公知の有機スルホン酸金属塩が含まれていると、さらに優れた吸水自己伸張性能が得られ好ましい。
ポリエーテルエステル繊維は、前記ポリエーテルエステルを、通常の溶融紡糸口金から溶融して押し出し、引取速度300〜1200m/分(好ましくは400〜980m/分)で引取り、巻取ドラフト率をさらに該引取速度の1.0〜1.2(好ましくは1.0〜1.1)で巻取ることにより製造することができる。
一方、非自己伸張糸としては、木綿、麻などの天然繊維やレーヨン、アセテートなどのセルロース系化学繊維、さらにはポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレートに代表されるポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、ポリプロピレンなどの合成繊維が例示される。なかでも、通常のポリエステル繊維が好ましく例示される。
前記吸水自己伸張糸および非自己伸張糸の繊維形態は特に限定されず、短繊維でもよいし長繊維でもよい。繊維の断面形状も特に限定されず、丸、三角、扁平、中空など公知の断面形状が採用できる。吸水自己伸張糸及び非自己伸張糸の総繊度、単糸繊度、フィラメント数も特に限定されないが、風合いや生産性の点で総繊度30〜300dtex、単糸繊度0.6〜10dtex、フィラメント数1〜300本の範囲が好ましい。
前記織編物1は、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とからなる。その際、両者の重量比として、前者:後者で10:90〜60:40(より好ましくは20:80〜50:50)の範囲であることが好ましい。
織編物1の構造としては、その織編組織、層数は特に限定されるものではない。例えば、平織、綾織、サテンなどの織組織や、天竺、スムース、フライス、鹿の子、デンビー、トリコットなどの編組織が好適に例示されるが、これらに限定されるものではない。層数も単層でもよいし、2層以上の多層であってもよい。
吸水自己伸張糸と非自己伸張糸との糸配列としては、以下の糸配列が好適に例示される。
まず、その1として、吸湿自己伸張糸と非自己伸張糸とが引き揃えられて、編物のニードルループや、織物の経糸および/または緯糸を構成する糸配列があげられる。例えば、吸湿自己伸張糸と非自己伸張糸とが丸編組織の複合ループ(2本の糸条で、同時にニードルループを形成する。添え糸編みとも言われる。)を形成してなる糸配列や、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とが、引き揃えられて織組織の経糸および/または緯糸に配された糸配列が例示される。
その2として、吸湿自己伸張糸と非自己伸張糸とが、織編物の経糸および/または緯糸において1本交互(1:1)や複数本交互(2:2、3:3など)に配された糸配列があげられる。例えば、丸編物中に吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とが1:1に配された糸配列、織物中に吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とが1:1に経糸および緯糸に配された糸配列などが例示される。
その3として、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とが、混繊糸、複合仮撚捲縮加工糸、合撚糸、カバリング糸などの複合糸として織編物を構成する態様があげられる。
ここで、糸長の測定は以下の方法で行うものとする。まず、織編物を温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中に24時間放置した後、該織編物から、30cm×30cmの小片を裁断する(n数=5)。続いて、各小片から、吸水自己伸張糸及び非自己伸張糸を1本ずつ取り出し、吸水自己伸張糸の糸長A(mm)、非自己伸張糸の糸長B(mm)を測定する。その際、非弾性糸の場合は1.76mN/dtex(200mg/de)、弾性糸の場合は0.0088mN/dtex(1mg/de)の荷重をかけて測定する。そして、(糸長Aの平均値)/(糸長Bの平均値)をA/Bとする。ここで、小片から取り出す吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とは織編物中において同一方向のものである必要がある。例えば、吸水自己伸張糸を織物の経糸(緯糸)から取り出す場合、他方の非自己伸張糸も経糸(緯糸)から取り出す必要がある。また、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とが、複合糸として織編物を構成する場合には、裁断された小片(30cm×30cm)から複合糸を取り出し(n数=5)、さらに複合糸から吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とを取り出して前記と同様にして測定するものとする。
前記のように、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸との糸長差をもうける方法としては、以下の方法が例示される。
例えば、その1として、前記の織編物1を製編織する際、吸水自己伸張糸として、前記の弾性を有するポリエーテルエステル繊維を使用し、該ポリエーテルエステル繊維をドラフト(延伸)しながら非自己伸張糸と引き揃え、同一の給糸口に給糸して製編織する方法があげられる。その際、ポリエーテルエステル繊維のドラフト率としては、10%以上(好ましくは20%以上300%以下)が好ましい。なお、該ドラフト率(%)は、下記式で求められる。
ドラフト率(%)=((引き取り速度)−(供給速度))/(供給速度)×100
ポリエーテルエステル繊維は、通常弾性性能を有しているため、織編物中において、ポリエーテルエステル繊維は、弾性回復してその糸長が短くなり、他方の非自己伸張糸との糸長差をもうけることができる。
その2として、前記の織編物1を製編織する際、吸水自己伸張糸の沸水収縮率を非自己伸張糸の沸水収縮率よりも大きくする方法があげられる。かかる織編物を通常の染色加工工程に供することにより、吸水自己伸張糸の糸長が短くなり、他方の非自己伸張糸との糸長差をもうけることができる。
その3として、非自己伸張糸をオーバーフィード(過供給)させながら吸水自己伸張糸と引き揃えて、通常の空気混繊加工、撚糸、カバリング加工なより複合糸を得て、該複合糸を用いて織編物を製編織する方法があげられる。
次に、織編物2は潜在捲縮性能が発現してなる捲縮を有する複合繊維を含む織編物である。その際、前記複合繊維はポリエステル成分とポリアミド成分とがサイドバイサイド型に接合された繊維が好ましい。
ここで、ポリエステル成分としては、他方のポリアミド成分との接着性の点で、スルホン酸のアルカリまたはアルカリ土類金属、ホスホニウム塩を有し、かつエステル形成能を有する官能基を1個以上もつ化合物が共重合された、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンタレフタレート等の変性ポリエステルが好ましく例示される。なかでも、汎用性およびポリマーコストの点で、前記化合物が共重合された、変性ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。その際、共重合成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸およびそのエステル誘導体、5−ホスホニウムイソフタル酸およびそのエステル誘導体、p−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウムなどがあげられる。なかでも、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が好ましい。共重合量としては、2.0〜4.5モル%の範囲が好ましい。該共重合量が2.0モル%よりも小さいと、優れた捲縮性能が得られるものの、ポリアミド成分とポリエステル成分との接合界面にて剥離が生じるおそれがある。逆に、該共重合量が4.5モル%よりも大きいと、延伸熱処理の際、ポリエステル成分の結晶化が進みにくくなるため、延伸熱処理温度を上げる必要があり、その結果、糸切れが多発するおそれがある。
一方のポリアミド成分としては、主鎖中にアミド結合を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−46、ナイロン−12などがあげられる。なかでも、汎用性、ポリマーコスト、製糸安定性の点で、ナイロン−6およびナイロン−66が好適である。
なお、前記ポリエステル成分およびポリアミド成分には、公知の添加剤、例えば、顔料、顔料、艶消し剤、防汚剤、蛍光増白剤、難燃剤、安定剤、帯電防止剤、耐光剤、紫外線吸収剤等が含まれていてもよい。
前記のサイドバイサイド型に接合された複合繊維は、任意の断面形状および複合形態をとることができ、サイドバイサイド型や偏心芯鞘型であってもよい。さらには、三角形や四角形、その断面内に中空部を有するものであってもよい。なかでも、サイドバイサイド型が好ましい。両成分の複合比は任意に選定することができるが、通常、ポリエステル成分とポリアミド成分の重量比で30:70〜70:30(より好ましくは40:60〜60:40)の範囲内であることが好ましい。
前記複合繊維の単糸繊度、単糸数(フィラメント数)としては特に限定されないが、単糸繊度1〜10dtex(より好ましくは2〜5dtex)、単糸数10〜200本(より好ましくは20〜100本)の範囲内であることが好ましい。
また、前記複合繊維は、潜在捲縮性能が発現してなる捲縮構造を有している必要がある。異種ポリマーがサイドバイサイド型に接合された複合繊維は、通常、潜在捲縮性能を有しており、後記のように、染色加工等で熱処理を受けると潜在捲縮性能が発現する。捲縮構造としては、ポリアミド成分が捲縮の内側に位置し、ポリエステル成分が捲縮の外側に位置していることが好ましい。かかる捲縮構造を有する複合繊維は、後記の製造方法により容易に得ることができる。複合繊維がこのような捲縮構造を有していると、湿潤時に、内側のポリアミド成分が膨潤、伸張し、外側のポリエステル成分はほとんど長さ変化を起こさないため、捲縮率が低下する(複合繊維の見かけの長さが長くなる。)。一方、乾燥時には、内側のポリアミド成分が収縮し、外側のポリエステル成分はほとんど長さ変化を起こさないため、捲縮率が増大する(複合繊維の見かけの長さが短くなる。)。このように、湿潤時に、複合繊維の捲縮率が可逆的に低下し見かけの糸長が増大するため、織編物の寸法が大きくなる。
前記の複合繊維は、湿潤時に、容易に捲縮が低下しみかけの糸長が増大する上で、無撚糸、または300T/m以下の撚りが施された甘撚り糸であることが好ましい。特に、無撚糸であることが好ましい。強撚糸のように、強い撚りが付与されていると、湿潤時に捲縮が低下しにくく好ましくない。なお、交絡数が20〜60ケ/m程度となるようにインターレース空気加工および/または通常の仮撚捲縮加工が施されていてもさしつかえない。
織編物2の構造としては、その織編組織、層数は特に限定されるものではない。例えば、平織、綾織、サテンなどの織組織や、天竺、スムース、フライス、鹿の子、そえ糸編、デンビー、ハーフなどの編組織が好適に例示される。特に丸編物またはメッシュ状の織編物が好ましい。
かかる織編物2は、例えば下記の製造方法によって容易に得ることができる。
まず、固有粘度が0.30〜0.43(オルソクロロフェノールを溶媒として35℃で測定)の、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が2.0〜4.5モル%共重合された変性ポリエステルと、固有粘度が1.0〜1.4(m−クレゾールを溶媒として30℃で測定)のポリアミドとを用いてサイドバイサイド型に溶融複合紡糸する。その際、ポリエステル成分の固有粘度が0.43以下であることが特に重要である。ポリエステル成分の固有粘度が0.43よりも大きいと、ポリエステル成分の粘度が増大するため、複合繊維の物性がポリエステル単独糸に近くなり好ましくない。逆に、ポリエステル成分の固有粘度が0.30よりも小さいと、溶融粘度が小さくなりすぎて製糸性が低下するとともに毛羽発生が多くなり、品質および生産性が低下するおそれがある。
溶融紡糸の際に用いる紡糸口金としては、特開2000−144518号公報の図1のような、高粘度側と低粘度側の吐出孔を分離し、かつ高粘度側吐出線速度を小さくした(吐出断面積を大きくした)紡糸口金が好適である。そして、高粘度側吐出孔に溶融ポリエステルを通過させ、低粘度側吐出孔に溶融ポリアミドを通過させ冷却固化させることが好ましい。その際、ポリエステル成分とポリアミド成分との重量比は、前述のとおり、30:70〜70:30(より好ましくは40:60〜60:40)の範囲内であることが好ましい。
また、溶融複合紡糸した後、一旦巻き取った後に延伸する別延方式を採用してもよいし、一旦巻き取らずに延伸熱処理を行う直延方式を採用してもよい。その際、紡糸・延伸条件としては、通常の条件でよい。例えば、直延方式の場合、1000〜3500m/分程度で紡糸した後、連続して100〜150℃の温度で延伸し巻き取る。延伸倍率は最終時に得られる複合繊維の切断伸度が10〜60%(好ましくは20〜45%)、切断強度が3.0〜4.7cN/dtex程度となるよう、適宜選定すればよい。
次いで、前記複合繊維を単独で用いるか、他の繊維も同時に用いて織編物を織編成した後、染色加工などの熱処理により前記複合繊維の捲縮を発現させる。
ここで、織編物2を織編成する際、重量基準で織編物全重量に対して、10重量%以上(好ましくは40重量%以上)であることが好ましい。また、織編組織は特に限定されず、前述のものを適宜選定することができる。
前記染色加工の温度としては100〜140℃(より好ましくは110〜135℃)、時間としてはトップ温度のキープ時間が5〜40分の範囲内であることが好ましい。かかる条件で、織編物に染色加工を施すことにより、前記複合繊維は、ポリエステル成分とポリアミド成分との熱収縮差により捲縮を発現する。その際、ポリエステル成分とポリアミド成分として、前述のポリマーを選定することにより、ポリアミド成分が捲縮の内側に位置する捲縮構造となる。
染色加工が施された織編物2には、通常、乾熱ファイナルセットが施される。その際、乾熱ファイナルセットの温度としては120〜200℃(より好ましくは140〜180℃)、時間としては1〜3分の範囲内であることが好ましい。かかる、乾熱ファイナルセットの温度が120℃よりも低いと、染色加工時に発生したシワが残り易く、また、仕上がり製品の寸法安定性が悪くなるおそれがある。逆に、該乾熱ファイナルセットの温度が200℃よりも高いと、染色加工の際に発現した複合繊維の捲縮が低下したり、繊維が硬化し生地の風合いが硬くなるおそれがある。
かかる織編物2に含まれる複合繊維において、乾燥時の捲縮率をDCF(%)、吸湿時の捲縮率をHCF(%)とするとき、DCF−HCF≧10(%)であることが好ましい。
ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、吸湿時とは、試料を温度30℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態である。
また、前記織編物1または織編物2に吸水加工を施してもよい。織編物に吸水加工を施すことにより、少量の汗でも通気性が向上しやすくなる。かかる吸水加工としては特に限定されず、ポリエチレングリコールジアクリレートやその誘導体、または、ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体などの吸水加工剤(親水化剤)を織編物に、織編物の重量に対して0.25〜0.50重量%付着させることが好ましく例示される。吸水加工の方法としては、例えば染色加工時に染液に吸水加工剤を混合する浴中加工法や、乾熱ファイナルセット前に、織編物を吸水加工液中にデイッピングしマングルで絞る方法、グラビヤコーテング法、スクリーンプリント法といった塗布による加工方法等が例示される。
本発明の布団において、側地には前記のような吸湿時に通気性が向上する布帛が含まれる。側地は吸湿時に通気性が向上する布帛のみで構成されていてもよいし、吸湿時に通気性が向上する布帛と通気性が変化しない通常の布帛とで構成されていてもよい。例えば、布団の表裏どちらか一方の側地に吸湿時に通気性が向上する布帛を配し、他方に通気性が変化しない通常の布帛を配してもよい。
ここで、通気性が変化しない通常の布帛を構成する繊維の種類としては、綿、羊毛、麻などの有機天然繊維、ポリエステル、ナイロン、及びポリオレフィン繊維などの有機合成繊維、セルロースアセテート繊維などの有機半合成繊維及、ビスコースレーヨン繊維などの有機再生繊維から選ばれるものであり、特にその種類は限定されない。
なかでも、繊維強度や取り扱い性の点でポリエステル繊維が好適である。ポリエステル繊維は、ジカルボン酸成分と、ジグリコール成分とから製造される。ジカルボン酸成分としは、主としてテレフタル酸が用いられることが好ましく、ジグリコール成分としては主としてエチレングリコール、トリメチレングリコール及びテトラメチレングリコールから選ばれた1種以上のアルキレングリコールを用いることが好ましい。また、ポリエステルには、前記ジカルボン酸成分及びグリコール成分の他に第3成分を含んでいてもよい。第3成分としては、カチオン染料可染性アニオン成分、例えば、ナトリウムスルホイソフタル酸;テレフタル酸以外のジカルボン酸、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸;及びアルキレングリコール以外のグリコール化合物、例えばジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールスルフォンの1種以上を用いることができる。
かかる繊維には、必要に応じて艶消し剤(二酸化チタン)、微細孔形成剤(有機スルホン酸金属塩)、着色防止剤、熱安定剤、難燃剤(三酸化二アンチモン)、蛍光増白剤、着色顔料、制電剤(スルホン酸金属塩)、吸湿剤(ポリオキシアルキレングリコール)、抗菌剤、その他の無機粒子の1種以上を含有させてもよい。
かかる繊維の形態は特に限定されず、長繊維(マルチフィラメント)、短繊維いずれでもよいが、柔軟な風合いを得る上で長繊維が好ましい。さらには、通常の仮撚捲縮加工、撚糸、インターレース空気加工が施されていてもよい。繊維の繊度は特に限定されないが、柔軟な風合いを得る上で単繊維繊度は0.1〜3dtex、フィラメント数は20〜150、総繊度は30〜300dtexであることが好ましい。単繊維の断面形状には制限はなく、通常の円形断面のほかに三角、扁平、十字形、六様形、あるいは中空形の断面形状を有していてもよい。
通気性が変化しない通常の布帛を形成する織編物の組織も特に限定されず、通常のものでよい。例えば、織物の織組織としては、平織、斜文織、朱子織等の三原組織、変化組織、変化斜文織等の変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示される。編物の種類は、よこ編物であってもよいしたて編物であってもよい。よこ編組織としては、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が好ましく例示され、たて編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等が例示される。
本発明の布団には、中綿として吸水性中綿を用いる。かかる中綿としては、具体的には、親水化剤が付着した合成繊維(例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維など)、架橋アクリル繊維(例えばサンバーナ(商品名))、レーヨン、ウール、綿、絹、麻、キュプラ、テンセル(商品名)、リヨセル(商品名)、ダウン、フェザーなどが例示される。その際、前記親水化剤としては、吸水性アミノシリコーン、ポリエチレングリコールジアクリレートやその誘導体、ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体、ポリアクリル酸ソーダなどが例示される。特に、JIS L1912に規定される吸水性の試験方法のうち6.12.2項の吸水時間が2秒以下であることが好ましい。かかる吸水性中綿として市販品では帝人社製「ポリテイ」(商品名)などが例示される。
かかる吸水性中綿において、単繊維繊度、繊維長は特に制限はないが、優れた保温性を得る上で、単繊維繊度が0.1〜5.0dtexの短繊維が好ましい。
本発明の布団は、キルテイング、染色加工、さらには、常法の起毛加工、紫外線遮蔽あるいは抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤、撥水剤等の機能を付与する各種加工や装飾などが施されていてもよい。
本発明の布団において、発汗した汗を吸水性中綿が吸水しその湿度により側地の通気性が向上し、布団内(敷き布団と掛け布団との間)温度を自己調節でき、快適な睡眠環境が得られる。
なお、本発明の布団には、掛け布団、敷き布団、こたつ布団、寝袋、ざぶとんなどが含まれる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)通気性および通気性変化率
JIS L 1096−1998、6.27.1、A(フラジール型通気性試験機法)により乾燥時の通気性(cc/cm/s)と吸水時の通気性(cc/cm/s)を測定した。ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、吸湿時とは、試料を温度30℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、それぞれ通気性(n数=5)を測定し、その平均を求めた。そして、通気性の変化率を下記式により算出した。
通気性の変化率(%)=((吸水時の通気性)−(乾燥時の通気性))/(乾燥時の通気性)×100
(2)複合繊維の捲縮率
織編物中における複合繊維の捲縮率は、下記の方法により測定した。まず、織編物を乾燥状態とし、該織編物から織編物と同じ方向の30cm×30cmの小片を裁断した(n数=5)。次いで、各々の小片から、複合繊維を取り出し、1.76mN/dtex(200mg/de)の荷重をかけて糸長L0fを測定し、除重1分後0.0176mN/dtex(2mg/de)の荷重をかけて糸長L1fを測定した。さらにこの糸を吸湿状態とし、1.76mN/dtex(200mg/de)の荷重をかけて糸長L0f’を測定し、除重1分後0.0176mN/dtex(2mg/de)の荷重をかけて糸長L1f’を測定した。以上の測定数値から下記の計算式にて、乾燥時の捲縮率DC(%)、湿潤時の捲縮率HC(%)、乾燥時と湿潤時の捲縮率差(DC−HC)(%)を算出した。なお、n数は5でその平均値を求める。
乾燥時の捲縮率DC(%)=((L0f−L1f)/L0f)×100
湿潤時の捲縮率HC(%)=(L0f’−L1f’)/L0f’)×100
ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、吸湿時とは、試料を温度30℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態である。
(3)ポリエステルの固有粘度
オルソクロロフェノールを溶媒として使用し温度35℃で測定した。
(4)ポリアミドの固有粘度
m−クレゾールを溶媒として使用し温度30℃で測定した。
(5)吸水時間
JIS L1912に規定される吸水性の試験方法のうち6.12.2項の吸水時間を測定した。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレートを常法により紡糸・延伸した後、吸水性アミノシリコーン(親水化剤)のエマルジョンを油剤として付与し、単繊維繊度が3.3dtexのポリエチレンテレフタレートトウを得た。該トウに常法により捲縮を付与し繊維長51mmにカットした。そして、カットされた短繊維をローラーカードにかけてカーディングし、成型機でカードウェブを積層し吸水性中綿1を作製した。該吸水性中綿1において吸水時間は1.5秒であった。
一方、固有粘度[η]が1.3のナイロン6と、固有粘度[η]が0.39で2.6モル%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合させた変性ポリエチレンテレフタレートとをそれぞれ270℃、290℃にて溶融し、特開2000−144518号公報の図1と同様の複合紡糸口金を用い、それぞれ12.7g/分の吐出量にて押し出し、図1(イ)の単糸横断面形状を有するサイドバイサイド型複合繊維を形成させ、冷却固化、油剤を付与した後、糸条を速度1000m/分、温度60℃の予熱ローラーにて予熱し、ついで、該予熱ローラーと、速度3050m/分、温度150℃に加熱された加熱ローラー間で延伸熱処理を行い、巻取り、84dtex/24filの複合繊維を得た。該複合繊維において、破断強度3.4cN/dtex、破断伸度40%であった。また、該複合繊維に沸水処理を施して捲縮率を測定したところ、乾燥時の捲縮率DCが3.3%、湿潤時の捲縮率HCが1.6%、乾燥時の捲縮率DCと湿潤時の捲縮率HCとの差(DC−HC)が1.7%であった。
次いで、通常の28ゲージトリコット編機を使用して、前記複合繊維をフルセットでバック筬に通し、捲縮率20%の通常のポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸条(33dtex/36fil)をフルセットでフロント筬に通し、ハーフ組織(バック10−12、フロント23−10)の編物、80コース/2.54cmの機上密度にてハーフ組織の編物2を編成した。
そして、編物2を、温度130℃、キープ時間15分で染色加工し、複合繊維の潜在捲縮性能を顕在化させた後、フッ素樹脂系撥水加工液を用いてパデング処理し、次いで100℃の温度で乾燥させ、温度160℃、時間1分で乾熱ファイナルセットを施した。
得られた編物2において、目付け220g/m、経方向の伸張率13%、緯方向の伸張率30%、乾燥時の通気性45cc/cm/s、吸湿時の通気性64cc/cm/s、通気性の変化率42%と吸湿時に通気性が大きく向上し満足なものであった。また、編物2から抜き取った複合繊維において、乾燥時の捲縮率DCFが64%、吸湿時の捲縮率HCFが32%、乾燥時と吸湿時の捲縮率差(DCF−HCF)が32%であった。
また編物2においては、乾燥時の通気性45cc/cm/s、吸湿時の通気性64cc/cm/s、通気性の変化率42%と吸湿時に通気性が大きく向上し満足なものであった。
次いで、吸水性中綿1を編物2(側地)で包み端部を縫製して布団を作製した。この布団を断熱材の上に寝かせた発汗サーマルマネキン(京都電子工業株式会社製)の上にかぶせ、温度および湿度センサーを胸部に配置し、40分間33℃で安定化したのち、計測を開始し、20分間放置ついで10分間胸部より発汗代替として水分排出、計測開始60分後の温湿度を計測した。結果を表1に示す。
[比較例1]
側地として、艶消し剤として二酸化チタンをポリマー重量対比0.30重量%含むポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸SD167dtex/48filを経糸と緯糸に配した平組織織物を製織した。次いで常法により、該織物に染色加工を行い経糸密度87本/2.54cm、緯密度51本/2.54cmの側地用織物3(カバーファクター(CF)1949、吸湿時に通気性が向上しない布帛)を得た。実施例1と同じ吸水性中綿1を側地用織物3で包み端部を縫製して布団を作製した。実施例1と同様、サーマルマネキンを使用し温湿度を計測した。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、親水化剤を含有しない油剤を用いて中綿(吸水時間は3.0秒であった。)を得ること以外は実施例1と同様にした。実施例1と同様、サーマルマネキンを使用し温湿度を計測した。結果を表1に示す。
[比較例3]
比較例2の中綿を比較例1の側地用織物3で包み端部を縫製して布団を作製した。実施例1と同様、サーマルマネキンを使用し温湿度を計測した。結果を表1に示す。
Figure 2016097074
本発明によれば、使用者の発汗に応じて外気を導入し布団内温度を自己調節できる布団が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (8)

  1. 吸湿時に通気性が向上する布帛を含む側地と、吸水性中綿とを含むことを特徴とする布団。
  2. 前記布帛において、下記式により算出する通気性変化率が5%以上である、請求項1に記載の布団。
    通気性の変化率(%)=((吸湿時の通気性)−(乾燥時の通気性))/(乾燥時の通気性)×100
    ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、吸湿時とは、試料を温度30℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、通気性は、JIS L 1096−1998、6.27.1、A(フラジール型通気性試験機法)により測定する。
  3. 前記布帛が、吸湿時に自己伸張する繊維を含む、請求項1または請求項2に記載の布団。
  4. 前記吸湿時に自己伸張する繊維が、潜在捲縮性能が発現してなる捲縮構造を有する複合繊維である、請求項3に記載の布団。
  5. 前記複合繊維において、乾燥時の捲縮率をDCF(%)、吸湿時の捲縮率をHCF(%)とするとき、DCF−HCF≧10(%)である、請求項4に記載の布団。
    ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、吸湿時とは、試料を温度30℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態である。
  6. 前記複合繊維が、ポリエステル成分とポリアミド成分とがサイドバイサイド型に接合された複合繊維である、請求項4または請求項5に記載の布団。
  7. 前記吸水性中綿において、JIS L1912に規定される吸水性の試験方法のうち6.12.2項の吸水時間が2秒以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の布団。
  8. 前記吸水性中綿が、親水化剤が付着したポリエステル繊維で構成される、請求項1〜7のいずれかに記載の布団。
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