JP2016096917A - 医療用材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】心房中隔欠損症に対して、遠隔期の不具合の可能性がほとんどない、低侵襲の治療を実現する欠損孔閉鎖材を提供する。
【解決手段】欠損孔閉鎖材100は、生体吸収性材料の編み目状組織の2つの筒体(第1の筒部110および第2の筒部120)により形成され、砂時計型、8の字型、2連の紡錘型またはピーナッツ型の形状を備える。第1の端部112を固定して他の端部である第2の端部122を第1の端部112側へ紐140を引っ張ると、筒径が拡張されたり、略中央部130を中心にして第1の筒部110と第2の筒部120とが接近したりする。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体組織に形成された欠損孔、動脈瘤等を治療するための医療用材料に関し、特に、カテーテルにセットされて血管内を通じて治療部位まで送り込まれて生体内に留置される医療用材料に関する。
人間の心臓は中隔という組織で左右の部屋が仕切られており、左右それぞれに心房と心室とがあり、右心房、右心室、左心房、左心室の2心房2心室で構成されている。このような構成の心臓において、胎児期の発達障害により、先天的に欠損孔と呼ばれる穴が、右心房と左心房とを隔てる心房中隔に開いている心房中隔欠損症(ASD:Atrial Septal Defect)という疾患がある。
この心房中隔欠損症の治療としては、以下に示す2つの方法がある。ひとつは胸を切って行う外科手術、もうひとつが胸を切らずに、閉鎖栓を使ったカテーテル治療である。
外科手術(パッチ手術)は、人工心肺を使用し、開胸して、欠損孔をパッチにて閉じる。カテーテル治療は、カテーテルに閉鎖栓をセットし、カテーテルを血管内に挿入し、目的の位置(欠損孔)まで送り込んで、その後、閉鎖栓を放出し体内に留置する。このカテーテル治療では胸を切開しないで足の付け根の静脈(大腿静脈)から、細長く折り畳んだ閉鎖栓とよばれる小さな治具(デバイス)を心房中隔に開いた穴の位置まで送り込み、穴を塞ぐものである。このカテーテル治療の長所は、全身麻酔が必要な開胸手術をすることなく、足の付け根(そけい部)という目立たない場所から、ごく小さな皮膚の切開(数ミリ)で治療ができる点である。
特表2008−512139号公報(特許文献1)は、心房中隔欠損症のカテーテル治療に用いられるアセンブリ(閉鎖栓)を開示する。このアセンブリは、心臓の通路(欠損孔)を密閉する。このアセンブリは、通路の第一端の近位に配置するために使用される第一アンカー、通路の第二端の近位に配置するために使用される第二アンカー、および通路を通って伸び、第一および第二アンカーに結合するために使用される可撓性延長材を含む心臓の通路を密閉する閉鎖装置からなり、第二アンカーは可撓性延長材に対して移動可能で第一および第二アンカーの間の可撓性延長材の長さを変更し、閉鎖装置を心臓の通路に供給する供給システムからなり、供給装置はガイドカテーテルの内腔の中を移動するように設定され、第二アンカーの可撓性延長材に沿った運動を制御するワイヤーを含む。
そして、この特許文献1において、卵円孔開存(PFO:Patent Oval Foramen)閉鎖装置(閉鎖栓)は、左心房アンカー、右心房アンカー、テザーおよびロックを含み、左心房アンカー、テザーを介して左心房アンカーに結合する右心房アンカーおよびロックは心臓内に残留してPFOを密閉することが開示されている。
特表2008−512139号公報
パッチ手術の場合には、人工心肺を使用し、また、侵襲性が高いため入院期間が長くなるという問題がある。カテーテル治療の場合には、人工心肺は使用せず、また、侵襲性も低いため入院期間も短く好ましい。
特許文献1に開示されるように、左心房アンカーおよび右心房アンカーは心臓内に残留する。そして、左心房アンカーおよび右心房アンカーは一つまたはそれ以上のアームを含み、アームはハブから放射状に外側に向かって伸びており、このアームは好適には二成分ニッケルチタン合金の圧延シートから形成されている。そして、これらの左心房アンカーおよび右心房アンカーを生体内で拡張させて欠損孔を塞ぐことになるが、アンカーの拡張を開始させると、容易には元に戻すことはできない。特許文献1に開示されているような、複雑な構造で、かつ、生体外からの操作が難しい、専用の取出し装置を用いてアンカー
を折りたたむことになる。
しかしながら、たとえば、アンカーが心房内の生体組織に引っ掛かり傷付ける等の事態になった場合には、このような専用の取出し装置でアンカーを折りたたむだけの時間的余裕がない場合もある。このような場合には、開胸手術に即座に切り換えざるを得ない。これでは、結局、侵襲性が高い開胸手術を受けることになるという問題点がある。
さらに、金属製の欠損孔閉鎖栓が体内に一生涯残存するため、遠隔期の不具合が懸念されるという問題点がある。
また、このような欠損孔以外にも、カテーテル治療が適用される疾患として、生体内各部に形成される動脈瘤がある。このような動脈瘤に対しても、上述した問題点と同様の問題点を有する。
本発明は、従来技術の上記の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、生体内の治療部位にて放出・留置できる低侵襲のカテーテル治療を、複雑な構造を備えず容易な操作で可能となり、体内に残存しても遠隔期の不具合の可能性がほとんどない、医療用材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る医療用材料は以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明に係る医療用材料は、線材を用いた編み目状組織の筒体により形成された医療用材料であって、前記筒体の略中央部の筒径が他の部分の筒径よりも小さい形状を備え、前記医療用材料における筒体長手方向の両端部における編み目状組織が、一方端が前記筒体の外側へ向けて出っ張った形状の第1の集合部を形成するとともに、他方端が前記筒体の内側へ向けてへこんだ形状の第2の集合部を形成することを特徴とする。
好ましくは、前記医療用材料における筒体長手方向の第1の端部を固定して他の端部である第2の端部を第1の端部側へ引っ張ることにより、前記他の部分の筒径が拡張されるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記略中央部を中心にして第1の端部側の第1の筒部と第2の端部側の第2の筒部とが形成され、前記円筒形状の第1の端部を固定して他の端部である第2の端部を第1の端部側へ引っ張ることにより、前記第1の筒部と前記第2の筒部とが前記略中央部を中心にして接近するように構成することができる。
さらに好ましくは、前記第2の端部に係合され、前記第1の端部側まで前記筒体の内部に通された紐をさらに備えるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記第1の端部側に前記筒体の外側へ向けて出っ張った形状の第1の集合部を備え、前記第2の端部側に前記筒体の内側へ向けてへこんだ形状の第2の集合部を備えるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記略中央部を中心にして第1の端部側の第1の筒部と第2の端部側の第2の筒部とが形成され、前記円筒形状の第1の端部を固定して前記第1の筒部における略中央部側を第1の端部側へ引っ張ることにより、前記第1の筒部の筒径が拡張されるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記第1の筒部における略中央部側に係合され、前記第1の端部側まで前記筒体の内部に通された紐をさらに備えるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記略中央部を中心にして第1の端部側の第1の筒部と第2の端部側の第2の筒部とが形成され、前記第1の端部側から前記第2の端部側まで前記筒体の内部に通され、前記第2の端部に係合され前記第1の端部側まで前記筒体の内部に通され、前記第1の端部に係合され前記第2の端部側まで前記筒体の内部に再度通され、前記第2の端部に再度係合され前記第1の端部側まで筒体の内部に再度通された紐を備えるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記略中央部を中心にして第1の端部側の第1の筒部と第2の端部側の第2の筒部とが形成され、前記第1の端部側から前記第2の端部側まで前記筒体の内部に通され、前記第2の端部に係合され前記略中央部まで前記筒体の内部に通され、前記略中央部に係合され前記第2の端部側まで前記筒体の内部に再度通され、前記第2の端部に再度係合され前記第1の端部側まで筒体の内部に再度通された紐を備えるように構成す
ることができる。
さらに好ましくは、前記形状は、砂時計型、8の字型または2連の紡錘型であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記線材は、生体吸収性材料であるように構成することができる。
さらに好ましくは、生体吸収性材料からなる不織布、スポンジ、フィルムおよびこれらの複合体のいずれかから構成された多孔質筒状層が、前記筒体の内面に配置されているように構成することができる。
本発明の医療用材料によれば、生体内の治療部位にて放出・留置できる低侵襲のカテーテル治療を、複雑な構造を備えず容易な操作で可能となる。さらに、本発明の医療用材料によれば、体内に残存しても遠隔期の不具合の可能性がほとんどない。
本発明に係る医療用材料の一例である欠損孔閉鎖材の全体斜視図である。 (A)は図1の欠損孔閉鎖材の部分的な側面図であって、(B)はそのA−A断面図である。 図1の欠損孔閉鎖材を心房中隔欠損症のカテーテル治療に用いる場合の概念図である。 カテーテル治療の手順を示す図3のB部の拡大図(その1)である。 カテーテル治療の手順を示す図3のB部の拡大図(その2)である。 カテーテル治療の手順を示す図3のB部の拡大図(その3)である。 カテーテル治療の手順を示す図3のB部の拡大図(その4)である。 カテーテル治療の手順を示す図3のB部の拡大図(その5)である。 動脈瘤に対するカテーテル治療の手順を示す図(その1)である。 動脈瘤に対するカテーテル治療の手順を示す図(その2)である。 動脈瘤に対するカテーテル治療の手順を示す図(その3)である。 本発明の第1の変形例に係る医療用材料の一例である欠損孔閉鎖材の全体斜視図である。 本発明の第2の変形例に係る医療用材料の一例である欠損孔閉鎖材の全体斜視図である。
以下、本発明に係る医療用材料を、図面に基づき詳しく説明する。なお、以下においては、本発明に係る医療用材料の一例として、カテーテル治療に用いられる欠損孔閉鎖材について説明するが、その他の開口または通路、たとえば心室中隔欠損、動脈管開存等の心臓のその他の開口、および動静脈瘻等の生体のその他の部位(たとえば胃)の開口または通路の閉鎖にも適している。従って、本発明の実施の形態に係る欠損孔閉鎖材は、心房中隔欠損症の穴を閉鎖するための使用に限定されるものではない。特に、他の使用態様として説明するように動脈瘤のカテーテル治療に適用することが可能であることをはじめ、他の疾患に対するカテーテル治療に適用することが可能である。
さらに、以下の実施の形態においては、欠損孔閉鎖材100の編み目状組織は生体吸収性繊維(線材の一例)を編成したものとして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。生体に形成された欠損孔を閉鎖するカテーテル治療ができる欠損孔閉鎖材であればよく、その編み目状組織は、後述する第1の特徴および第2の特徴を備え第1の作用および第2の作用を発現する素材であれば生体吸収性繊維以外の線材で編成されていても構わない。このような線材としては、形態保持性を備えるためにある程度の硬度を備えることが好ましい。
[構成]
図1に本実施の形態に係る欠損孔閉鎖材(閉鎖栓)100の全体斜視図を、図2(A)に、この欠損孔閉鎖材100の部分的な側面図を、図2(B)に図2(A)のA−A断面図を、それぞれ示す。なお、図2(B)は、欠損孔閉鎖材100の断面図であるが、紐140、生体吸収性繊維150および多孔質筒状層160の断面のみを図示して、矢示A方
向から視認できる生体吸収性繊維150の編み目を図示していない。また、図1および図2において、紐140の存在および生体吸収性繊維150の編み目についての理解を容易にするために、多孔質筒状層160は透明な素材として図示している。
これらの図に示すように、この欠損孔閉鎖材100は、生体吸収性材料を用いた編み目状組織の2つの筒体(第1の筒部110および第2の筒部120)により形成されており、その形状はこのような2つの筒体から構成される、たとえば砂時計型、8の字型、2連の紡錘型(細長い棒状の真ん中が太く両端が細い紡錘形状物が2つ連続した形状)またはピーナッツ型(2粒の実を内包するピーナッツの殻の外観形状)と呼ばれるような形状を備える。このような形状を備える欠損孔閉鎖材100は、筒体の略中央部130の筒径が他の部分の筒径よりも小さくなるように略中央部130が絞られた形状を備える。すなわち、略中央部130を中心にして第1の端部112側の第1の筒部110と第2の端部122側の第2の筒部120とが形成されている。
なお、限定されるものではないが、この欠損孔閉鎖材100は、第1の筒部110および第2の筒部120が一体的に編まれて略同一径の筒体を編成した後に、第1の筒部110および第2の筒部120と同素材の紐により略中央部130において絞られて、2つの筒体から構成される砂時計型、8の字型、2連の紡錘型またはピーナッツ型に形成される。
さらに、この欠損孔閉鎖材100は、第2の端部122に係合され(第2の端部122のループに引っかけられ)、第1の端部112側まで筒体の内部に通された紐140を備える。この紐140を用いることにより、欠損孔閉鎖材100における筒体の長手方向の第1の端部112を固定して他の端部である第2の端部122を第1の端部112側へ引っ張ることができる。このように紐140を用いて第2の端部122を第1の端部112側へ引っ張ることにより、略中央部130の他の部分の筒径(第1の筒部110および第2の筒部120における胴部分の筒径)が拡張されたり、第1の筒部110と第2の筒部120とが略中央部130を中心にして接近したりする。
なお、この欠損孔閉鎖材100においては、生体吸収性材料からなる不織布、スポンジ、フィルムおよびこれらの複合体のいずれかから構成された多孔質筒状層160が、筒体の内面に配置されている。第1の筒部110および第2の筒部120は、生体吸収性繊維150の編み物、組み紐状織物、または、筒編み状編み物で構成されており、全体が編み目状組織とされている。多孔質筒状層160は、薬剤を塗布、含浸、埋め込みなどで保持させるために、不織布、スポンジ、フィルム、または、これらの複合体のいずれかで構成されている。さらに、この多孔質筒状層160は、生体吸収性材料に限定されるものではなく、生体に吸収されない材料であっても構わない。
このように、第1の筒部110、第2の筒部120、紐140(略中央部130を絞る紐を含む)および多孔質筒状層160により本実施の形態に係る欠損孔閉鎖材100が構成されている。これらの素材は全て生体吸収性材料で構成されているために、欠損孔閉鎖材100の全体が生体吸収性を備える。さらに、欠損孔閉鎖材100の形状が変化するが、このように生体内で形状が変化しても生体内組織を損傷することがない、素材、編み目形状、繊維組織および繊維断面で形成されている。なお、通常、紐140は、後述するカテーテル治療が終わると生体外に取り出される。この点において、紐140は、必ずしも生体吸収性を備える必要はない。
第1の筒部110、第2の筒部120、紐140(略中央部130を絞る紐を含む)を構成している生体吸収性繊維150は、たとえば、ポリグリコール酸、ポリラクチド(D、L、DL体)、ポリカプロラクトン、グリコール酸−ラクチド(D、L、DL体)共重合体、グリコール酸−ε−カプロラクトン共重合体、ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体、ポリ(p−ジオキサノン)、グリコール酸−ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体、ゼラチン、コラーゲン、シルク(セリシン)等から選択される少なくとも1種とされ、モノフィラメント糸、マルチフィラメント糸、撚糸、組み紐などのいずれかに加工した形態で使用されるが、モノフィラメント糸の形態で使用されるのが好ましい。
さらに、この生体吸収性繊維150の素材は、生分解性合金であっても構わない。このような生分解性合金の一例として、原材料としてマグネシウムをベースとする合金が挙げられる。
生体吸収性繊維150の直径は、0.001mm〜1.5mm程度とされ、適用するカテーテル治療に適切な繊維径および種類が選定される。また、生体吸収性繊維150の断面は、生体内組織を損傷しないことを条件として、円、楕円、その他の異形(たとえば星形)などのいずれであってもよい。さらに、生体吸収性繊維150の表面は、プラズマ放電、電子線処理、コロナ放電、紫外線照射、オゾン処理等により親水化処理してもよい。また、生体吸収性繊維150は、X線不透過材(たとえば、硫酸バリウム、金チップ、白金チップ等)の塗布、スパッタリングまたは含浸処理や、薬剤(たとえば、心房中隔欠損症のカテーテル治療に適した薬剤)の付着処理、コラーゲン、ゼラチン等の天然高分子あるいはポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の合成高分子でコーティング処理してもよい。
第1の筒部110および第2の筒部120は、生体吸収性繊維150が、たとえば、モノフィラメント糸として所望される外径のシリコーン製ゴム管(図示省略)の回りに複数(たとえば、8口または12口)の給糸口をもつ組紐機を用いて組み紐状織物に製作され、または、丸編機(図示省略)で、略同一径の筒体の編み目状組織に編成される。編成後、上記したように、第1の筒部110および第2の筒部120と同素材の紐により略中央部130において絞られて、2つの筒体から構成される砂時計型、8の字型、2連の紡錘型またはピーナッツ型に形成される。第1の筒部110および第2の筒部120の筒径は、縮径した場合にカテーテルの内径よりも小さく、拡径した場合に心房中隔欠損症のカテーテル治療に好適な大きさを備える。たとえば、拡径した場合の第1の筒部110および第2の筒部120の筒径は、5mm〜80mm、好ましくは15mm〜25mm程度である。また、第1の筒部110および第2の筒部120の長さ、ならびに、欠損孔閉鎖材100の編み目状組織の密度についても、心房中隔欠損症のカテーテル治療に好適な密度を備える。なお、第1の筒部110および第2の筒部120の筒径および長さは、同じである必要はなく、心房中隔欠損症のカテーテル治療に好適なように変更すれば良い。
多孔質筒状層160を構成する生体吸収性材料としては特に限定されず、たとえば、ポリグリコール酸、ポリラクチド(D、L、DL体)、ポリカプロラクトン、グリコール酸−ラクチド(D、L、DL体)共重合体、グリコール酸−ε−カプロラクトン共重合体、ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体、ポリ(p−ジオキサノン)、グリコール酸−ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体、ゼラチン、コラーゲン、シルク(セリシン)等の吸収性高分子が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、適度な分解挙動を示すことから、ポリグリコール酸、ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体、グリコール酸−ε−カプロラクトン共重合体およびグリコール酸−ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が好適で、不織布、スポンジ、フィルムまたはこれらの複合体のいずれかから構成される。特に、好ましい態様としては、不織布を例示できる。
さらに、この多孔質筒状層160の素材は、生分解性合金であっても構わない。このような生分解性合金の一例として、原材料としてマグネシウムをベースとする合金が挙げられる。
この多孔質筒状層160が不織布の場合は、親水化処理が施されていてもよい。親水化処理としては特に限定されず、たとえば、プラズマ処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、オゾン処理、表面グラフト処理または紫外線照射処理等が挙げられる。なかでも、不織布層の外観を変化させることなく吸水率を飛躍的に向上できることからプラズマ処理が好適である。なお、多孔質筒状層160は、スポンジ層またはフィルム層でもよく、または、不織布とスポンジ層との複合層、不織布とフィルム層との複合層、スポンジ層とフィルム層との複合層、不織布とスポンジ層とフィルム層との複合層、としてもよい。
この多孔質筒状層160には、心房中隔欠損症のカテーテル治療に適した薬剤が保持さ
れる。
以上のように、本実施の形態に係る欠損孔閉鎖材100は、以下の特徴を備える。
(第1の特徴)略中央部130において絞られた(同素材の紐で縛られた)第1の筒部110および第2の筒部120から構成される砂時計型、8の字型、2連の紡錘型またはピーナッツ型に形成されている。
(第2の特徴)第2の端部122に係合され(第2の端部122のループに引っかけられ)、第1の端部112側まで筒体の内部に通された紐140を備えている。
(第3の特徴)第1の筒部110、第2の筒部120、紐140(略中央部130を絞る紐を含む)および多孔質筒状層160により構成され、これらの素材は全て生体吸収性材料で構成されている(紐140は、必ずしも生体吸収性を備える必要はない)。
そして、第1の特徴および第2の特徴により、紐140を用いて、第1の端部112を固定して第2の端部122を第1の端部112側へ引っ張ることにより、略中央部130の他の部分の筒径(第1の筒部110および第2の筒部120における胴部分の筒径)が拡張されたり、第1の筒部110と第2の筒部120とが略中央部130を中心にして接近したりする。
特に、この欠損孔閉鎖材100は、以下の作用を発現する点で、心房中隔欠損症のカテーテル治療に適している。
(第1の作用)第2の端部122を第1の端部112側へ引っ張っていない状態、より詳しくは、生体外において第1の端部112と第2の端部122とが離隔する方向へ引っ張ると、この欠損孔閉鎖材100の筒径がカテーテルの内径よりも細くなり、カテーテルにセットすることができる。
(第2の作用)カテーテルにセットして心房中隔に開いた穴の位置まで送り込まれて心房内で放出され、生体内で第1の端部112を固定して第2の端部122を第1の端部112側へ紐140を生体外から引っ張ると、略中央部130の他の部分の筒径(第1の筒部110および第2の筒部120における胴部分の筒径)が拡張されて、右心房側に配置された第1の筒部110と左心房側に配置された第2の筒部120とが略中央部130を中心にして接近して、心房中隔に開いた穴を塞ぐことができる。また、紐140を引っ張ることを解除すると、第1の筒部110および第2の筒部120の拡張および接近が解除されて元の状態に戻り、さらに、第1の端部112を別の糸または紐140で引っ張ったり、鉗子等で引っ張ったりすることにより、欠損孔閉鎖材100の筒径がカテーテルの内径よりも細くなってカテーテルに再セットされ、生体外に取り出してカテーテル治療をやり直すことができる。
(第3の作用)この欠損孔閉鎖材100を構成する素材は全て生体吸収性材料であるので、最終的に生体内に吸収されるので遠隔期の不具合の可能性がほとんどなくなる。
このような作用を容易に理解するために、この欠損孔閉鎖材100を心房中隔欠損症のカテーテル治療に使用した場合について、図3〜図8を参照して説明する。
[使用態様]
図3に、この欠損孔閉鎖材100を心房中隔欠損症のカテーテル治療に用いる場合の概念図を、図4〜図8に、このカテーテル治療の手順を示す図3のB部の拡大図を、それぞれ示す。なお、以下においては、本実施の形態に係る欠損孔閉鎖材100の使用態様に特有の事項についてのみ説明し、一般的な事項については、公知の心房中隔欠損症のカテーテル治療と同じ説明であるのでここでの詳細な説明は繰り返さない。
図3に示すように、人間の心臓200は、上大静脈および下大静脈に接続され全身から静脈血を受け入れる右心房210、肺動脈および三尖弁260を介して右心房210に接続され肺へ静脈血を送り出す右心室220、肺静脈に接続され肺からの動脈血を受け入れる左心房230、大動脈および僧帽弁270を介して左心房230に接続され全身へ動脈血を送り出す左心室240の2心房2心室で構成されている。心房中隔欠損症は、右心房210と左心房230とを隔てる心房中隔250に欠損孔252が開いているという疾患である。なお、図3においては、理解しやすくするために、カテーテル300から欠損孔閉鎖材100を露出している状態を示す。
まず、生体外において、欠損孔252に対して適切な大きさの欠損孔閉鎖材100の第1の端部112と第2の端部122とが離隔する方向へ引っ張って欠損孔閉鎖材100の筒径がカテーテル300の内径よりも細くして、カテーテル300にセットする。大腿静脈よりカテーテル300を挿入して、右心房210側より欠損孔252を通して左心房230側に欠損孔閉鎖材100を近づける。
図4に示すように、欠損孔閉鎖材100の略中央部130が欠損孔252付近に対応するような位置で、欠損孔閉鎖材100を停止させる。生体内で第1の端部112を固定して第2の端部122を第1の端部112側へ紐140を生体外から引っ張ると、図5〜図7に示すように、略中央部130の他の部分の筒径(第1の筒部110および第2の筒部120における胴部分の筒径)が拡張されて、右心房側に配置された第1の筒部110と左心房側に配置された第2の筒部120とが略中央部130(欠損孔252)を中心にして徐々に接近するとともに、第1の筒部110の筒径および第2の筒部120の筒径が拡張する。最終的には、図8に示すように、第1の筒部110と第2の筒部120とにより心房中隔250をその両側から挟み込み、欠損孔閉鎖材100により、心房中隔250に開いた欠損孔252を塞ぐことができる。
なお、これらの図4〜図8においては、第1の筒部110と第2の筒部120とが同時に拡径してかつ接近しているが、第1の筒部110を先に拡径させて第2の筒部120に近づけてから第2の筒部120を拡径させて第1の筒部110に近づけることも、その逆に、第2の筒部120を先に拡径させて第1の筒部110に近づけてから第1の筒部110を拡径させて第2の筒部120に近づけることも可能である。この場合、たとえば、紐140の係合位置を第2の端部122から別の位置へ変更したり、紐140を第2の端部122に加えて他の部位に係合させたり、紐140を複数に増やしたりすることにより、形態を、容易にかつ様々に変化させることが可能になる。
その後、カテーテル300および紐140を生体外に取り出して治療が完了する。これにより、生体内には(正確には欠損孔252付近)には、全て生体吸収性材料から構成された欠損孔閉鎖材100が留置される。このように生体内に留置された欠損孔閉鎖材100の素材は全て生体吸収性材料であるので、最終的に生体内に吸収されるので遠隔期の不具合の可能性がほとんどない。
なお、欠損孔閉鎖材100を生体内に留置する前に、欠損孔閉鎖材100の形態を、図8に示す形態に固定する必要がある。欠損孔閉鎖材100をこの形態に固定するためには、たとえば、生体吸収性繊維150が熱融着性を備えるようにしておいて、生体内で生体吸収性繊維150を熱セットすることが考えられる。
さらに、特許文献1に示すアセンブリと決定的に相違する長所を、この欠損孔閉鎖材100は備える。上記したように、生体内で欠損孔閉鎖材100の形態を図8に示す形態で固定する前であれば、生体内で紐140を緩めることにより、生体内で欠損孔閉鎖材100の形態を図8に示す形態から図7、図6および図5に示す形態を経て図4に示す形態まで戻すことができる。さらには、第1の端部112を別の糸または紐140で引っ張ったり、鉗子等で引っ張ったりすることにより、欠損孔閉鎖材100の筒径をカテーテル300の内径よりも細くしてカテーテル300の内部へ収納して、カテーテル300を生体外に戻せば、このカテーテル治療を最初からやり直すことを容易に行うことができる。たとえば、欠損孔閉鎖材100のサイズを変更してカテーテル治療を最初からやり直す事態が想定できる。これは、一旦、図8のような形態に固定してしまうと、複雑な取出し装置を用いて難しい操作を行うことによってしか取り出すことができない特許文献1に開示されたアセンブリでは実現的でないことは明らかである。なお、特許文献1に開示されたアセンブリの場合には、このような事態が発生すると、侵襲性の高い開胸手術をしなければならない。
以上のようにして、本実施の形態に係る欠損孔閉鎖材100によると、その全てが生体吸収性材料から構成されており最終的に体内に吸収されるため、遠隔期の不具合の可能性がほとんどない。また、欠損孔閉鎖材100の筒径が容易に変化するので、欠損孔閉鎖材100の筒径を細く変化させてカテーテルに容易にセットすることができる。さらに、欠
損孔の位置にて、欠損孔閉鎖材100の筒径を太くかつ2つの筒体が接近するように変化させて、その形態を固定してから生体内に留置して心房中隔に開いた欠損孔を塞ぐことができる。さらに、形態を固定する前であれば、生体内で欠損孔閉鎖材100の筒径が容易に変化させることができるので、カテーテルにセットしなおして、カテーテル治療を容易にやり直すことができる。このようにして、低侵襲の治療が可能となる。
[他の使用態様]
図9〜図11に、この欠損孔閉鎖材100を動脈瘤のカテーテル治療に用いる場合の手順を示す。なお、以下においても、本実施の形態に係る欠損孔閉鎖材100の他の使用態様に特有の事項についてのみ説明し、一般的な事項については、公知の動脈瘤のカテーテル治療と同じ説明であるのでここでの詳細な説明は繰り返さない。また、上述した使用態様(心房中隔欠損症のカテーテル治療)と同じ説明については繰り返して説明しない。
この欠損孔閉鎖材100は、第1の筒部110における略中央部130側に係合して(第1の端部112とは逆側のループに引っかけられ)、第1の端部112側まで筒体の内部に通された紐140を備えている。図9に示すように、欠損孔閉鎖材100の略中央部130が動脈の血管壁350付近に対応するような位置で、欠損孔閉鎖材100を停止させる。このとき、第2の筒部120は動脈瘤352内に配置され、第1の筒部110は動脈内に配置される。生体内で第2の筒部120の形状は維持して(少なくとも拡径しないようにして)第1の筒部110の筒径が拡張するように、紐140を生体外から操作すると(引っ張ると)、図10に示すように、第1の筒部110の筒径が拡張する。さらにこの操作を続けることにより、最終的には、図11に示すように、第1の筒部110により動脈瘤352の入口部分を塞ぐことができる。これにより、動脈瘤352に動脈血が流入しないようになる。
ここで、上述の図1のように、紐140を第2の端部122に係合して(第2の端部122のループに引っかけて)、第1の端部112側まで筒体の内部に通しておいて、略中央部130を固定して紐140を生体外から操作すると(引っ張ると)、第1の筒部110の形状は維持して(少なくとも拡径しないようにして)第2の筒部120の筒径を拡径することもできる。生体内の治療部位によって、このような使用態様も考えられる。
[第1の変形例]
図12に、本発明の第1の変形例に係る医療用材料の一例である欠損孔閉鎖材(閉鎖栓)400の全体斜視図を示す。この欠損孔閉鎖材400は、上述した欠損孔閉鎖材100の紐140とは異なる態様で係合された紐440を備える。この欠損孔閉鎖材400において、紐が係合する態様が相違する以外の構成および作用効果は、欠損孔閉鎖材100と同じである。
図12に示すように、この欠損孔閉鎖材400は、第1の端部112側から第2の端部122側まで筒体の内部に通され、第2の端部122に係合され(第2の端部122のループに引っかけられ)、第1の端部112側まで筒体の内部に通され、第1の端部112に係合され(第1の端部112のループに引っかけられ)、第2の端部122側まで筒体の内部に再度通され、第2の端部122に再度係合され(第2の端部122のループに再度引っかけられ)、第1の端部112側まで筒体の内部に再度通された紐440を備える。この紐440を用いて第2の端部122を第1の端部112側へ引っ張ること(第1の端部112を第2の端部122側へ引っ張ることと同じ)により、欠損孔閉鎖材100と同様に、欠損孔閉鎖材400において、略中央部130の他の部分の筒径(第1の筒部110および第2の筒部120における胴部分の筒径)が拡張されたり、第1の筒部110と第2の筒部120とが略中央部130を中心にして接近したりする。
この場合において、欠損孔閉鎖材400においては欠損孔閉鎖材100と異なり、紐440を引っ張るだけで(紐440を固定することなく)、欠損孔閉鎖材400の形態を保持することができる。このように、欠損孔閉鎖材400においては、紐440を固定することなく、その形態を容易に保持することができる。
なお、この欠損孔閉鎖材400において、紐440の二重ループを第2の端部122に係合させる(第2の端部122のループに引っかける)代わりに、第2の筒部120にお
ける略中央部130側に係合させる(第2の端部122とは逆側のループに引っかける)と、図9〜図11を用いて説明したように、第2の筒部120の形状は維持して(少なくとも拡径しないようにして)第1の筒部110の筒径が拡張するようにできるとともに、紐440を固定することなく欠損孔閉鎖材400の形態を容易に保持することができる。
さらに、これとは逆に、この欠損孔閉鎖材400において、紐440の一重ループを第1の端部112に係合させる(第1の端部112のループに引っかける)代わりに、第1の筒部110における略中央部130側に係合させる(第1の端部112とは逆側のループに引っかける)と、図9〜図11を用いて説明したように(正確にはこれらの図9〜図11における逆側の筒部の筒径が拡張)、第1の筒部110の形状は維持して(少なくとも拡径しないようにして)第2の筒部120の筒径が拡張するようにできるとともに、紐440を固定することなく欠損孔閉鎖材400の形態を容易に保持することができる。
この欠損孔閉鎖材400における紐440は、カテーテル治療が終わると生体外に取り出されない場合が多く、その場合には、紐440は、必ず生体吸収性を備える必要がある。
[第2の変形例]
図13に、本発明の第2の変形例に係る医療用材料の一例である欠損孔閉鎖材(閉鎖栓)500の全体斜視図を示す。この欠損孔閉鎖材500は、上述した欠損孔閉鎖材100または欠損孔閉鎖材400に適用できる変形例である。この欠損孔閉鎖材500においては、
(第1の相違点)第1の筒部110および第2の筒部120と同素材の紐により略中央部130において絞られていない点、
(第2の相違点)第1の端部112側に欠損孔閉鎖材500を構成する筒体の外側へ向けて出っ張った形状の第1の集合部510を備え、第2の端部122側に欠損孔閉鎖材500を構成する筒体の内側へ向けてへこんだ形状の第2の集合部520を備える点、
で相違し、これら以外の点で一致する。すなわち、上記2つの相違点以外の構成および作用効果は、欠損孔閉鎖材100または欠損孔閉鎖材400と同じである。
以下において、これらの相違点について詳しく説明する。
欠損孔閉鎖材100および欠損孔閉鎖材400においては、第1の筒部110および第2の筒部120と同素材の紐により略中央部130において絞って(縛って)いたために、カテーテル300への装着時および/または患部への装着時(欠損孔閉鎖材100または欠損孔閉鎖材400の略中央部130が欠損孔252付近に対応するような位置で欠損孔閉鎖材100または欠損孔閉鎖材400を停止させる時)に、第1の筒部110および第2の筒部120が不安定になりぐらぐらしてしまい取り扱うことが困難である場合があった。
これに対して、欠損孔閉鎖材500においては、第1の筒部110および第2の筒部120と同素材の紐により略中央部130において絞らない(縛らない)で、かつ、第1の筒部110の第1の端部112側に第1の集合部510および第2の筒部120の第2の端部122側に第2の集合部520を形成している。そして、この第1の集合部510および/または第2の集合部520は、生体吸収性繊維150により形成される編み目状組織であって、生体吸収性繊維150の集合塊となっている。このため、略中央部130が太くなり、
カテーテル300への装着時および/または患部への装着時に、第1の筒部110および第2の筒部120が不安定になることを回避することができるようになるので取り扱いが容易になった。
また、このように第1の端部112側に欠損孔閉鎖材500を構成する筒体の外側へ向けて出っ張った形状の第1の集合部510を備えているので、カテーテル300に収納するときにこの第1の集合部510がカテーテル300の内壁310へのガイドとなり、欠損孔閉鎖材500をカテーテル300に収納する作業が容易になった。
さらに、このように第2の端部122側に欠損孔閉鎖材500を構成する筒体の内側へ向けてへこんだ形状の第2の集合部520を備えているので、欠損孔閉鎖材500をカテ
ーテル300に収納する場合に、第2の筒部120が容易にその径が小さくなりやすく(細くなりやすく)欠損孔閉鎖材500をカテーテル300に収納する作業が容易になった。
ここで、限定されるものではないが、第1の集合部510および第2の集合部520においては、生体吸収性繊維150が結束されていたり(縛られていたり)、ヒートセットにより接着されたり、生分解性を阻害しない接着剤等により接着されていたりして、集合塊を形成している。
また、限定されるものではないが、上述した実施の形態に係る欠損孔閉鎖材100、上述した第1の変形例に係る欠損孔閉鎖材400または上述した第2の変形例に係る欠損孔閉鎖材500をカテーテル300に収納する場合には、第1の端部112側に紐等を係合して、その紐等をカテーテル300の開口部320の反対側から引っ張って欠損孔閉鎖材をカテーテル300内に収納する。この場合において、紐等を第1の端部112側に係合する場合には、上述したように紐140を第2の端部122に係合する(第2の端部122のループに引っかける)ようにして処理される。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、生体組織に形成された欠損(孔、瘤)を治療するためにカテーテルにセットされる医療用材料に好適であり、治療部位にて放出・留置できて低侵襲の治療が可能で、医療用材料が体内に残存しても遠隔期の不具合の可能性がほとんどない点で、特に好ましい。
100、400、500 医療用材料(閉鎖栓)
110 第1の筒部
112 第1の端部
120 第2の筒部
122 第2の端部
130 略中央部
140、440 紐
150 生体吸収性繊維
160 多孔質筒状層
200 心臓
250 心房中隔
252 欠損孔
300 カテーテル
350 (動脈の)血管壁
352 動脈瘤

Claims (12)

  1. 線材を用いた編み目状組織の筒体により形成された医療用材料であって、
    前記筒体の略中央部の筒径が他の部分の筒径よりも小さい形状を備え、
    前記医療用材料における筒体長手方向の両端部における編み目状組織が、一方端が前記筒体の外側へ向けて出っ張った形状の第1の集合部を形成するとともに、他方端が前記筒体の内側へ向けてへこんだ形状の第2の集合部を形成することを特徴とする医療用材料。
  2. 前記医療用材料における筒体長手方向の第1の端部を固定して他の端部である第2の端部を第1の端部側へ引っ張ることにより、前記他の部分の筒径が拡張されることを特徴とする、請求項1に記載の医療用材料。
  3. 前記略中央部を中心にして第1の端部側の第1の筒部と第2の端部側の第2の筒部とが形成され、
    前記円筒形状の第1の端部を固定して他の端部である第2の端部を第1の端部側へ引っ張ることにより、前記第1の筒部と前記第2の筒部とが前記略中央部を中心にして接近することを特徴とする、請求項1に記載の医療用材料。
  4. 前記第2の端部に係合され、前記第1の端部側まで前記筒体の内部に通された紐をさらに備えることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の医療用材料。
  5. 前記第1の端部側に前記筒体の外側へ向けて出っ張った形状の第1の集合部を備え、前記第2の端部側に前記筒体の内側へ向けてへこんだ形状の第2の集合部を備えることを特徴とする、請求項4に記載の医療用材料。
  6. 前記略中央部を中心にして第1の端部側の第1の筒部と第2の端部側の第2の筒部とが形成され、
    前記円筒形状の第1の端部を固定して前記第1の筒部における略中央部側を第1の端部側へ引っ張ることにより、前記第1の筒部の筒径が拡張されることを特徴とする、請求項1に記載の医療用材料。
  7. 前記第1の筒部における略中央部側に係合され、前記第1の端部側まで前記筒体の内部に通された紐をさらに備えることを特徴とする、請求項6に記載の医療用材料。
  8. 前記略中央部を中心にして第1の端部側の第1の筒部と第2の端部側の第2の筒部とが形成され、
    前記第1の端部側から前記第2の端部側まで前記筒体の内部に通され、前記第2の端部に係合され前記第1の端部側まで前記筒体の内部に通され、前記第1の端部に係合され前記第2の端部側まで前記筒体の内部に再度通され、前記第2の端部に再度係合され前記第1の端部側まで筒体の内部に再度通された紐を備えることを特徴とする、請求項1に記載の医療用材料。
  9. 前記略中央部を中心にして第1の端部側の第1の筒部と第2の端部側の第2の筒部とが形成され、
    前記第1の端部側から前記第2の端部側まで前記筒体の内部に通され、前記第2の端部に係合され前記略中央部まで前記筒体の内部に通され、前記略中央部に係合され前記第2の端部側まで前記筒体の内部に再度通され、前記第2の端部に再度係合され前記第1の端部側まで筒体の内部に再度通された紐を備えることを特徴とする、請求項1に記載の医療用材料。
  10. 前記形状は、砂時計型、8の字型または2連の紡錘型であることを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の医療用材料。
  11. 前記線材は、生体吸収性材料であることを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の医療用材料。
  12. 生体吸収性材料からなる不織布、スポンジ、フィルムおよびこれらの複合体のいずれかから構成された多孔質筒状層が、前記筒体の内面に配置されていることを特徴とする、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の医療用材料。
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