JP2016096343A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】均一性が高く、また、歩留りの高い半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、基板10の上に設けられた、第1半導体層21と第1半導体層21の上に設けられた第2半導体層22とを含む窒化物半導体層と、窒化物半導体層の上に設けられた第1絶縁膜31と、第1絶縁膜31の上に設けられ、第1絶縁膜31の密度よりも密度が高い第2絶縁膜32と、第2絶縁膜32の上に設けられたゲート電極41と、窒化物半導体層の上に設けられたソース電極42及びドレイン電極43と、を有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、半導体装置に関する。
窒化物半導体であるGaN、AlN、InNまたは、これらの混晶からなる材料等は、広いバンドギャップを有しており、高出力電子デバイスまたは短波長発光デバイス等として用いられている。例えば、窒化物半導体であるGaNは、バンドギャップが3.4eVであり、Siのバンドギャップ1.1eV、GaAsのバンドギャップ1.4eVよりも大きい。
このような高出力電子デバイスとしては、電界効果型トランジスタ(FET:Field effect transistor)、特に、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)がある。このような窒化物半導体を用いたHEMTは、高出力・高効率増幅器、大電力スイッチングデバイス等に用いられる。具体的には、AlGaNを電子供給層、GaNを電子走行層に用いたHEMTでは、AlGaNとGaNとの格子定数差による歪みによりAlGaNにピエゾ分極等が生じ、高濃度の2DEG(Two-Dimensional Electron Gas:2次元電子ガス)が発生する。このため、高電圧における動作が可能であり、高効率スイッチング素子、電気自動車用等における高耐圧電力デバイスに用いることができる。
このような2DEGは、通常、ゲート電極等に電圧を印加しない状態においても、ゲート直下の領域において存在しているため、作製されるデバイスはノーマリオンとなってしまう。このため、ノーマリーオフにするために、ゲート電極が形成される領域の窒化物半導体層の一部をエッチングにより除去し、チャネルとゲート電極との距離を縮めて、ゲートリセス構造を形成する方法が、一般的に用いられている。
また、デバイスの特性の向上等の観点より、ゲート電極と窒化物半導体層の間には、ゲート絶縁膜が形成される場合がある。このようなゲート絶縁膜としては、ALD(Atomic Layer Deposition)法により成膜された酸化アルミニウム(Al)が、絶縁耐圧が10〜30MV/cmと高いことから、特に有望な材料とされている。
特開2002−359256号公報
ところで、ALD法により成膜された酸化アルミニウム膜は原料ガスに起因する不純物が残留しやすい。具体的には、ALD法により成膜された酸化アルミニウム膜には、水酸基(OH基)が水酸化アルミニウム(Al(OH)x)の状態で残留しやすく、このOH基は電子トラップとして作用する。これにより、ゲート電圧における閾値変動の原因となり、ノーマリーオフ化等の妨げとなる。
また、酸化アルミニウム膜は、GaN等の窒化物半導体層の上に形成されるが、GaNと酸化アルミニウム膜との界面には、GaOxが形成される場合があり、このように形成されたGaOxも電子トラップとして作用する。従って、ゲート電圧における閾値変動の原因となり、同様にノーマリーオフ化の妨げとなる。
尚、ゲートリセスが形成されたものの上に、ゲート絶縁膜を形成する場合には、ステップカバレッジが問題となる場合があるが、ALD法により成膜された酸化アルミニウム膜は、段差被覆性に優れており、良好なステップカバレッジが得られる。
よって、窒化物半導体を用いた半導体装置において、ゲート電圧における閾値変動を少なくすることができ、均一性が高く、また、歩留りの高い半導体装置の製造方法及び半導体装置が求められている。
本実施の形態の一観点によれば、基板の上に、窒化物半導体層を形成する工程と、前記窒化物半導体層の上に、HOを含む原料ガスを用いて水蒸気酸化によるALD法により第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜の上に、Oを含む原料ガスを用いて酸素プラズマ酸化によるALD法またはOを含む原料ガスを用いた酸化によるALD法により第2の絶縁膜を形成する工程と、前記第2の絶縁膜の上に、ゲート電極を形成する工程と、前記窒化物半導体層の上に、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、を有し、前記窒化物半導体層は、基板の上に形成された第1の半導体層と、前記第1の半導体層の上に形成された第2の半導体層とを含むものであることを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、基板の上に設けられた、第1半導体層と前記第1半導体層の上に設けられた第2半導体層とを含む窒化物半導体層と、前記窒化物半導体層の上に設けられた第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜の上に設けられ、前記第1絶縁膜の密度よりも密度が高い第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、前記窒化物半導体層の上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、を有することを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、基板の上に形成された窒化物半導体層と、前記窒化物半導体層の上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、前記窒化物半導体層と接して形成されたソース電極及びドレイン電極と、を有し、前記窒化物半導体層は、基板の上に形成された第1の半導体層と、前記第1の半導体層の上に形成された第2の半導体層と、を含むものであって、前記窒化物半導体層における前記窒化物半導体層と前記絶縁膜との界面近傍には、前記窒化物半導体に含まれる金属原子に対する酸素原子の割合が、0.4以下であることを特徴とする。
開示の半導体装置の製造方法及び半導体装置によれば、窒化物半導体を用いた半導体装置において、ゲート電圧における閾値変動を少なくすることができるため、均一性が高く、また、歩留りを向上させることができる。
リセスが形成されていない構造の半導体装置の説明図 リセスが形成されていない構造の半導体装置のGaN表面におけるO/Ga比の説明図 リセスが形成されていない構造の半導体装置の閾値変動の説明図 リセスが形成されていない構造の半導体装置における絶縁膜の密度の説明図 リセスが形成されていない構造の半導体装置の耐圧の説明図 熱処理を行なった場合の水酸化アルミニウムの濃度と閾値変動の説明図 第1の実施の形態における半導体装置の構造図 第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(1) 第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(2) 第1の実施の形態における半導体装置のGaN表面におけるO/Ga比の説明図 第1の実施の形態における半導体装置の閾値変動の説明図 第1の実施の形態における半導体装置における絶縁膜の密度の説明図 第1の実施の形態における半導体装置の耐圧の説明図 リセスが形成されている構造の半導体装置の説明図 リセスが形成されている構造の半導体装置のAlGaN又はGaN表面におけるO/(Al+Ga)比の説明図 リセスが形成されている構造の半導体装置の閾値変動の説明図 リセスが形成されている構造の半導体装置における絶縁膜の密度の説明図 リセスが形成されている構造の半導体装置の耐圧の説明図 第2の実施の形態における半導体装置の構造図 第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(1) 第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(2) 第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(3) 第2の実施の形態における半導体装置のAlGaN又はGaN表面におけるO/(Al+Ga)比の説明図 第2の実施の形態における半導体装置の閾値変動の説明図 第2の実施の形態における半導体装置における絶縁膜の密度の説明図 第2の実施の形態における半導体装置の耐圧の説明図 第3の実施の形態における半導体デバイスの説明図 第3の実施の形態におけるPFC回路の回路図 第3の実施の形態における電源装置の回路図 第3の実施の形態における高出力増幅器の構造図
発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
(ALD法により成膜した酸化アルミニウム膜の特性)
ところで、ALD法により酸化アルミニウム(Al)膜を成膜する方法としては2つの方法がある。1つは、原料ガスとしてトリメチルアルミニウム(Al(CH)とHOとを用いて成膜する水蒸気酸化方式であり、もう一つは、原料ガスとしてAl(CHとOとを用いて成膜する酸素プラズマ酸化方式である。尚、ALD法において、水蒸気酸化方式ではプラズマを発生させることなく成膜を行なうものであるが、酸素プラズマ酸化方式では、酸素やオゾンによりプラズマを発生させて成膜を行なうものである。
ここで、図1に示すように、ゲート絶縁膜に水蒸気酸化方式により成膜した酸化アルミニウム膜を用いた半導体装置と、酸素プラズマ酸化方式により成膜した酸化アルミニウム膜を用いた半導体装置とを作製した。
図1(a)に示す半導体装置は、酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931をゲート絶縁膜に用いた構造のHEMTである。具体的には、基板910の上に、窒化物半導体層として、GaNにより形成された電子走行層921、AlGaNにより形成された電子供給層922、GaNにより形成されたキャップ層923が積層形成されている。これにより、電子走行層921と電子供給層922との界面近傍における電子走行層921には、2DEG921aが形成される。また、キャップ層923の上には、ゲート絶縁膜として、酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931が形成されており、この酸化アルミニウム膜931の上には、ゲート電極941が形成されている。尚、電子供給層922の上には、ソース電極942及びドレイン電極943が形成されている。
また、図1(b)に示す半導体装置は、水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932をゲート絶縁膜に用いた構造のHEMTである。具体的には、基板910の上に、窒化物半導体層として、GaNにより形成された電子走行層921、AlGaNにより形成された電子供給層922、GaNにより形成されたキャップ層923が積層形成されている。これにより、電子走行層921と電子供給層922との界面近傍における電子走行層921には、2DEG921aが形成される。また、キャップ層923の上には、ゲート絶縁膜として、水蒸気酸化方式により形成された酸化アルミニウム膜932が形成されており、この酸化アルミニウム膜932の上には、ゲート電極941が形成されている。尚、電子供給層922の上には、ソース電極942及びドレイン電極943が形成されている。
次に、図2〜図5に、図1(a)に示される構造のHEMTと図1(b)に示される構造のHEMTにおける諸特性を示す。尚、図1(a)に示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTを1Aに示し、図1(b)に示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTを1Bに示す。
図2は、キャップ層923となるGaNの表面におけるO/Ga比を示すものである。1Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTの場合では、O/Gaの比は約0.78であった。これに対し、1Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTの場合では、O/Gaの比は約0.34であった。このように、GaNの表面におけるO/Ga比は、1Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTよりも、1Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTの方が低い。
図3は、ゲート電極941における閾値変動を示すものである。1Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTの場合では、閾値変動は約1.9Vであった。これに対し、1Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTの場合では、閾値変動は約0.25Vであった。このように、ゲート電極941における閾値変動は、1Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTよりも、1Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTの方が低い。
図4は、ゲート絶縁膜における密度を示すものである。1Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931の場合では、密度は約3.3g/cmであった。これに対し、1Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932の場合では、密度は約2.9g/cmであった。このように、ゲート絶縁膜における膜密度は、1Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931よりも、1Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932の方が低い。
図5は、ドレイン−ソース間における耐圧を示すものである。1Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTの場合では、耐圧は約420Vであった。これに対し、1Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTの場合では、耐圧は約120Vであった。このように、ドレイン−ソース間における耐圧は、1Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTよりも、1Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTの方が低い。
以上より、ゲート絶縁膜としては、GaNの表面におけるO/Ga比及びゲート電極941における閾値変動の観点からは、1Aに示される酸化アルミニウム膜931を用いたものよりも、1Bに示される酸化アルミニウム膜932を用いたものの方が好ましい。一方、ゲート絶縁膜における密度及びドレイン−ソース間における耐圧の観点からは、1Bに示される酸化アルミニウム膜932を用いたものよりも、1Aに示される酸化アルミニウム膜931を用いたものの方が好ましい。
即ち、ゲート絶縁膜は、GaNの表面におけるO/Ga比及び閾値変動の観点からは、水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932が好ましく、膜密度及び耐圧の観点からは酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931が好ましい。尚、原料ガスとしてAl(CHとOとを用いて酸化して成膜する方式により得られる膜は、原料ガスとしてAl(CHとOとを用いて成膜する酸素プラズマ酸化方式により得られる膜と同等の膜を得ることができる。よって、原料ガスとしてAl(CHとOとを用いて成膜する酸素プラズマ酸化方式によるALD法に代えて、原料ガスとしてAl(CHとOとを用いて酸化して成膜する方式によるALD法により成膜してもよい。
(酸化アルミニウムにおける水酸化アルミニウムの濃度)
次に、ALD法により成膜された酸化アルミニウムにおける水酸化アルミニウムの濃度について説明する。蒸気酸化方式及び酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜は、ともに成膜直後においては、水酸化アルミニウム(Al(OH)x)が残留している。しかしながら、成膜後のアニール(Post Deposition Anneal:PDA)により、水酸化アルミニウムの残留濃度を低下させることができ、具体的には、水酸化アルミニウムの残留濃度を2%以下に低減することができることが知見として得られている。
図6は、ALD法により酸化アルミニウムを成膜した後、アニールを行なった場合における酸化アルミニウムにおける水酸化アルミニウムの濃度と閾値変動との関係を示す。図6において、酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜を6Aに示し、水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜を6Bに示す。
成膜直後においては、6Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜の方が、6Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜よりも、水酸化アルミニウムの残留濃度は若干低いが、閾値変動が若干大きい。
成膜後アニールを行なうことにより、6Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜は、水酸化アルミニウムの残留濃度の値及び閾値変動の値が小さくなる。具体的には、アニール温度が700℃で水酸化アルミニウムの残留濃度が約3.0%となり、閾値変動は約2.6Vとなり、更に、アニール温度が800℃で水酸化アルミニウムの残留濃度が約1.3%となり、閾値変動は約2.2Vとなる。
同様に、成膜後アニールを行なうことにより、6Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜は、水酸化アルミニウムの残留濃度の値及び閾値変動の値が小さくなる。具体的には、アニール温度が700℃で水酸化アルミニウムの残留濃度が約3.5%となり、閾値変動は約1.5Vとなり、更に、アニール温度が800℃で水酸化アルミニウムの残留濃度が約1.5%となり、閾値変動は約0.4Vとなる。
このように、アニールを行なうことにより、6Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜は、6Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜よりも、閾値変動をより一層低くすることができる。尚、図6に基づくならば、アニール温度は、水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜において、閾値変動が2V以下となる700℃以上、800℃以下であることが好ましい。この場合、水酸化アルミニウムの残留濃度が4%以下となる。また、このアニール温度では、酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜では、閾値変動が3V以下となり、水酸化アルミニウムの残留濃度が4%以下となる。尚、800℃を超える温度でアニールを行なうと、窒化物半導体層等において影響を与えるため好ましくない。
(半導体装置)
次に、第1の実施の形態における半導体装置であるHEMTについて、図7に基づき説明する。本実施の形態における半導体装置であるHEMTは、基板10の上に、窒化物半導体層として、GaNにより形成された電子走行層21、AlGaNにより形成された電子供給層22、GaNにより形成されたキャップ層23が積層形成されている。これにより、電子走行層21と電子供給層22との界面近傍における電子走行層21には、2DEG21aが形成される。本実施の形態においては、電子走行層21を第1の半導体層と、電子供給層22を第2の半導体層と、キャップ層23を第3の半導体層と記載する場合がある。
また、本実施の形態においては、キャップ層23の上には、ゲート絶縁膜となる絶縁膜30が形成されている。絶縁膜30は、酸化アルミニウム膜により形成されているものであって、キャップ層23が形成されている側より、第1の絶縁膜31、第2の絶縁膜32の順に積層されたものである。第1の絶縁膜31は、水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜により形成されており、第2の絶縁膜32は、酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜により形成されている。また、絶縁膜30の上には、ゲート電極41が形成されており、電子供給層22の上には、ソース電極42及びドレイン電極43が形成されている。尚、図7においては、キャップ層23の上に絶縁膜30が形成されている構造のものを示すが、本実施の形態における半導体装置は、キャップ層23が形成されていないものであって、電子供給層22の上に絶縁膜30が形成されている構造のものであってもよい。
また、本実施の形態における半導体装置は、AlGaNとGaNを用いたHEMT以外にも、InAlN、InGaAlN等の材料を用いた窒化物半導体材料を用いた半導体装置においても適用可能である。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における半導体装置の製造方法について、図8〜図9に基づき説明する。
最初に、図8(a)に示すように、基板10上に、不図示のバッファ層、電子走行層21、電子供給層22、キャップ層23等からなる窒化物半導体層を有機金属気相成長(MOVPE:Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy)法により形成する。尚、これらの窒化物半導体層は、MOVPEによるエピタキシャル成長により形成されているが、MOVPE以外の方法、例えば、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法により形成してもよい。基板10には、シリコン基板が用いられており、不図示のバッファ層は、厚さが0.1μmのAlNにより形成されている。電子走行層21は、厚さが3μmのi−Ganにより形成されており、電子供給層22は、厚さが30nmのn−AlGaNにより形成されており、キャップ層23は、厚さが5nmのn−GaNにより形成されている。これにより、電子走行層21において、電子走行層21と電子供給層22との界面近傍には2DEG21aが形成される。
本実施の形態においては、MOVPEによりAlN、GaN、AlGaNを形成する際には、原料ガスとして、Al源となるトリメチルアルミニウム(TMA)、Ga源となるトリメチルガリウム(TMG)、N源となるアンモニア(NH)等のガスが用いられる。窒化物半導体層であるAlN、GaN、AlGaNの層は、上述した原料ガスを成膜される窒化物半導体層の組成に応じて所定の割合で混合させて供給することにより成膜することができる。尚、本実施の形態における半導体装置において、MOVPEにより窒化物半導体層を形成する際には、アンモニアガスの流量は100ccm〜10LMであり、成膜する際の装置内部の圧力は50Torr〜300Torr、成長温度は1000℃〜1200℃である。
電子供給層22となるn−AlGaNには、n型となる不純物元素としてSiがドープされている。具体的には、電子供給層22の成膜の際に、SiHガスを所定の流量で原料ガスに添加することにより、電子供給層22にSiをドーピングすることができる。このように形成されたn−AlGaNにドーピングされているSiの濃度は、1×1018cm−3〜1×1020cm−3、例えば、約5×1018cm−3である。
また、キャップ層23となるn−GaNには、n型となる不純物元素としてSiがドープされている。具体的には、キャップ層23の成膜の際に、SiHガスを所定の流量で原料ガスに添加することにより、キャップ層23にSiをドーピングすることができる。このように形成されたn−GaNにドーピングされているSiの濃度は、1×1018cm−3〜1×1020cm−3、例えば、約5×1018cm−3である。
次に、図8(b)に示すように、ゲート絶縁膜となる絶縁膜30を形成する。具体的には、キャップ層23の表面に形成されている変質層を硫酸過水、フッ酸により洗浄した後、水洗する。この後、ALD法により、キャップ層23の上に、原料ガスとしてAl(CHとHOとを用いて水蒸気酸化方式により酸化アルミニウム膜を成膜することにより、第1の絶縁膜31を形成する。この際形成される第1の絶縁膜31の厚さは、5〜10nmであり、本実施の形態においては、厚さが5nmの第1の絶縁膜31を形成した。次に、第1の絶縁膜31の上に、原料ガスとしてAl(CHとOとを用いて酸素プラズマ酸化方式により酸化アルミニウム膜を成膜することにより、第2の絶縁膜32を形成する。この際形成される第2の絶縁膜32の厚さは、10〜100nmであり、本実施の形態においては、厚さが35nmの第2の絶縁膜32を形成した。これにより、第1の絶縁膜31と第2の絶縁膜32により絶縁膜30が形成される。この後、700℃〜800℃の温度でアニールを行なう。
次に、図9(a)に示すように、ソース電極42及びドレイン電極43を形成する。具体的には、絶縁膜30の上に、フォトレジストを塗布し露光装置による露光、現像を行なうことによりソース電極42及びドレイン電極43が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、フッ素系ガス、塩素系ガス等を用いたRIE等によるドライエッチングにより、レジストパターンが形成されていない領域における絶縁膜30、キャップ層23及び電子供給層22の一部または全部を除去する。この際行われる窒化物半導体におけるドライエッチングの条件は、例えば、塩素(Cl)ガスの流量が約30sccm、チャンバー内の圧力が約2Pa、RF投入電力が20Wである。この後、不図示のレジストパターンを除去した後、再びフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、ソース電極42及びドレイン電極43が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、真空蒸着により、積層金属膜であるTa/Alを成膜した後、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に形成された積層金属膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去する。これにより、残存する積層金属膜により、ソース電極42及びドレイン電極43が形成される。この後、約550℃でアニール処理を行なうことにより、ソース電極42及びドレイン電極43をオーミックコンタクトさせる。
次に、図9(b)に示すように、ゲート電極41を形成する。具体的には、絶縁膜30の上に、下層レジスト(例えば、商品名PMGI:米国マイクロケム社製)及び上層レジスト(例えば、商品名PFI32−A8:住友化学社製)を各々スピンコート法等により塗布する。この後、露光装置による露光、現像を行なうことにより、上層レジストに、例えば、直径が約0.8μmの開口部を形成する。この後、上層レジストをマスクとして、上層レジストの開口部において露出している下層レジストをアルカリ現像液によりウェットエッチングにより除去する。次に、真空蒸着により積層金属膜であるNi/Au(Ni:膜厚が約10nm/Au:膜厚が約300nm)を成膜した後、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に形成された積層金属膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去する。これにより、残存する積層金属膜により、ゲート電極41が形成される。
(本実施の形態における半導体装置の特性)
図10〜図13は、図1(a)に示される構造のHEMT、図1(b)に示される構造のHEMT及び本実施の形態における半導体装置であるHEMTにおける諸特性を示す。尚、図10〜図13においては、本実施の形態における半導体装置であるHEMTを7Aに示す。また、前述したように、図1(a)に示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTを1Aに示し、図1(b)に示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTを1Bに示す。
図10は、キャップ層となるGaNの表面におけるO/Ga比を示すものである。7Aに示される本実施の形態における半導体装置であるHEMTの場合では、O/Gaの比は約0.34であった。この値は、1Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTよりも低く、1Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTと同程度である。
図11は、ゲート電極における閾値変動を示すものである。7Aに示される本実施の形態における半導体装置であるHEMTの場合では、閾値変動は約0.2Vであった。この値は、1Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTよりも低く、更には、1Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTよりも低い。
図12は、ゲート絶縁膜となる絶縁膜における密度を示すものである。7Aに示される本実施の形態における半導体装置であるHEMTの場合では、密度は約3.3g/cmであった。この値は、1Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTよりも高く、1Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTと同程度である。
図13は、ドレイン−ソース間における耐圧を示すものである。7Aに示される本実施の形態における半導体装置であるHEMTの場合では、耐圧は約410Vであった。この値は、1Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTよりも高く、1Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTと同程度である。
このように、本実施の形態における半導体装置であるHEMTは、酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜を用いたHEMTの利点と水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜を用いたHEMTの利点の双方を兼ね備えている。
即ち、本実施の形態における半導体装置におけるHEMTは、GaNの表面におけるO/Ga比及びゲート電極における閾値変動の観点においては、1Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜を用いたものと同程度以上の特性を有している。また、絶縁膜における密度及びドレイン−ソース間における耐圧の観点においては、1Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜を用いたものと同程度の特性を有している。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態はゲートリセス構造を有する半導体装置である。
(ALD法により成膜した酸化アルミニウム膜の特性)
最初に、第1の実施の形態において記載したものとは異なる構造のゲートリセスが形成された構造の半導体装置を作製した。具体的には、図14に示すように、ゲートリセスを形成したものに、ゲート絶縁膜に水蒸気酸化方式により成膜した酸化アルミニウム膜を用いた半導体装置と、酸素プラズマ酸化方式により成膜した酸化アルミニウム膜を用いた半導体装置とを作製した。
図14(a)に示す半導体装置は、酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いた構造のHEMTである。具体的には、基板910の上に、窒化物半導体層として、GaNにより形成された電子走行層921、AlGaNにより形成された電子供給層922、GaNにより形成されたキャップ層923が積層形成されている。これにより、電子走行層921と電子供給層922との界面近傍における電子走行層921には、2DEG921aが形成される。この後、窒化物半導体層の一部、例えば、キャップ層923と電子供給層922の一部をエッチング等により除去することによりゲートリセス950を形成する。このように形成されたゲートリセス950及びキャップ層923の上には、ゲート絶縁膜として、酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931が形成されており、この酸化アルミニウム膜931の上には、ゲート電極941が形成されている。尚、電子供給層922の上には、ソース電極942及びドレイン電極943が形成されている。
また、図14(b)に示す半導体装置は、ゲート絶縁膜を水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いた構造のHEMTである。具体的には、基板910の上に、窒化物半導体層として、GaNにより形成された電子走行層921、AlGaNにより形成された電子供給層922、GaNにより形成されたキャップ層923が積層形成されている。これにより、電子走行層921と電子供給層922との界面近傍における電子走行層921には、2DEG921aが形成される。この後、窒化物半導体層の一部、例えば、キャップ層923と電子供給層922の一部をエッチング等により除去することによりゲートリセス950を形成する。このように形成されたゲートリセス950及びキャップ層923の上には、ゲート絶縁膜として、水蒸気酸化方式により形成された酸化アルミニウム膜932が形成されており、この酸化アルミニウム膜932の上には、ゲート電極941が形成されている。また、電子供給層922の上には、ソース電極942及びドレイン電極943が形成されている。
図15〜図18は、図14(a)に示される構造のHEMTと図14(b)に示される構造のHEMTにおける諸特性を示す。尚、図14(a)に示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTを14Aに示し、図14(b)に示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTを14Bに示す。
図15は、電子供給層922及びキャップ層923となるAlGaN及びGaNの表面におけるO/(Al+Ga)比を示すものである。14Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTの場合では、O/(Al+Ga)の比は約0.78である。これに対し、14Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTの場合では、O/(Al+Ga)の比は約0.38である。即ち、GaNの表面のO/(Al+Ga)の比は、14Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたものよりも、14Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたものの方が低い。
図16は、ゲート電極941における閾値変動を示すものである。14Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTの場合では、閾値変動は約2Vである。これに対し、14Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTの場合では、閾値変動は約0.3Vである。即ち、ゲート電極941における閾値変動は、14Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTよりも、14Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTの方が低い。
図17は、ゲート絶縁膜における密度を示すものである。14Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931の場合では、密度は約3.3g/cmである。これに対し、14Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932の場合では、密度は約2.9g/cmである。このように、ゲート絶縁膜における膜密度は、14Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931よりも、14Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932の方が低い。
図18は、ドレイン−ソース間における耐圧を示すものである。14Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTの場合では、耐圧は約410Vである。これに対し、14Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTの場合では、耐圧は約110Vである。即ち、ドレイン−ソース間における耐圧は、14Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTよりも、14Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTの方が低い。
以上より、ゲート絶縁膜としては、表面におけるO/(Al+Ga)の比及びゲート電極における閾値変動の観点からは、14Aに示される酸化アルミニウム膜931を用いたものよりも、14Bに示される酸化アルミニウム膜932を用いたものの方が好ましい。一方、ゲート絶縁膜における密度及びドレイン−ソース間における耐圧の観点からは、14Bに示される酸化アルミニウム膜932を用いたものよりも、14Aに示される酸化アルミニウム膜931を用いたものの方が好ましい。
即ち、ゲート絶縁膜は、表面におけるO/(Al+Ga)の比及び閾値変動の観点からは、水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932が好ましい。また、膜密度及び耐圧の観点からは酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931が好ましい。
以上、ゲートリセスを形成したHEMTにおいても、若干の差はあるものの、上述したゲートリセスが形成されていないHEMTと同様の傾向にある。
(半導体装置)
次に、第2の実施の形態における半導体装置であるHEMTについて、図19に基づき説明する。本実施の形態における半導体装置であるHEMTは、基板10の上に、窒化物半導体層として、GaNにより形成された電子走行層21、AlGaNにより形成された電子供給層22、GaNにより形成されたキャップ層23が積層形成されている。これにより、電子走行層21と電子供給層22との界面近傍における電子走行層21には、2DEG21aが形成される。本実施の形態においては、電子走行層21を第1の半導体層と、電子供給層22を第2の半導体層と、キャップ層23を第3の半導体層と記載する場合がある。
また、本実施の形態においては、窒化物半導体層の一部、例えば、キャップ層23と電子供給層22の一部をエッチング等により除去することによりゲートリセス150が形成されている。このようにゲートリセス150を形成することにより、ゲートリセス150が形成されている領域の直下において、2DEG21aを消失させることができる。ゲート絶縁膜となる絶縁膜30は、露出している電子供給層22及びキャップ層23の上に形成されている。絶縁膜30は、酸化アルミニウム膜により形成されており、電子供給層22及びキャップ層23が形成されている側より、第1の絶縁膜31、第2の絶縁膜32の順に積層されたものである。第1の絶縁膜31は、水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜により形成されており、第2の絶縁膜32は、酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜により形成されている。また、絶縁膜30の上には、ゲート電極41が形成されており、電子供給層22の上には、ソース電極42及びドレイン電極43が形成されている。尚、図19においては、キャップ層23の上に絶縁膜30が形成されている構造のものを示すが、本実施の形態における半導体装置は、キャップ層23が形成されていないものであって、電子供給層22の上に絶縁膜30が形成されている構造のものであってもよい。
また、本実施の形態における半導体装置は、AlGaNとGaNを用いたHEMT以外にも、InAlN、InGaAlN等の材料を用いた窒化物半導体材料を用いた半導体装置においても適用可能である。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における半導体装置の製造方法について、図20〜図22に基づき説明する。
最初に、図20(a)に示すように、基板10上に、不図示のバッファ層、電子走行層21、電子供給層22、キャップ層23等からなる窒化物半導体層をMOVPE法により形成する。尚、これらの窒化物半導体層は、MOVPEによるエピタキシャル成長により形成されているが、MOVPE以外の方法、例えば、MBE法により形成してもよい。基板10には、シリコン基板が用いられており、不図示のバッファ層は、厚さが0.1μmのAlNにより形成されている。電子走行層21は、厚さが3μmのi−Ganにより形成されており、電子供給層22は、厚さが30nmのn−AlGaNにより形成されており、キャップ層23は、厚さが5nmのn−GaNにより形成されている。これにより、電子走行層21において、電子走行層21と電子供給層22との界面近傍には2DEG21aが形成される。
本実施の形態においては、MOVPEによりAlN、GaN、AlGaNを形成する際には、原料ガスとして、Al源となるトリメチルアルミニウム(TMA)、Ga源となるトリメチルガリウム(TMG)、N源となるアンモニア(NH)等のガスが用いられる。窒化物半導体層であるAlN、GaN、AlGaNの層は、上述した原料ガスを成膜される窒化物半導体層の組成に応じて所定の割合で混合させて供給することにより成膜することができる。尚、本実施の形態における半導体装置において、MOVPEにより窒化物半導体層を形成する際には、アンモニアガスの流量は100ccm〜10LMであり、成膜する際の装置内部の圧力は50Torr〜300Torr、成長温度は1000℃〜1200℃である。
電子供給層22となるn−AlGaNには、n型となる不純物元素としてSiがドープされている。具体的には、電子供給層22の成膜の際に、SiHガスを所定の流量で原料ガスに添加することにより、電子供給層22にSiをドーピングすることができる。このように形成されたn−AlGaNにドーピングされているSiの濃度は、1×1018cm−3〜1×1020cm−3、例えば、約5×1018cm−3である。
また、キャップ層23となるn−GaNには、n型となる不純物元素としてSiがドープされている。具体的には、キャップ層23の成膜の際に、SiHガスを所定の流量で原料ガスに添加することにより、キャップ層23にSiをドーピングすることができる。このように形成されたn−GaNにドーピングされているSiの濃度は、1×1018cm−3〜1×1020cm−3、例えば、約5×1018cm−3である。
次に、図20(b)に示すように、窒化物半導体層であるキャップ層23及び電子供給層22の一部にゲートリセス150を形成する。具体的には、キャップ層23の表面にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、ゲートリセス150が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されていない領域におけるキャップ層23及び電子供給層22の一部をRIE等により除去する。これにより、ゲートリセス150を形成することができる。これにより、ゲートリセス150が形成されている領域の直下において、2DEG21aを消失させることができる。この後、不図示のレジストパターンは有機溶剤等により除去する。
次に、図21(a)に示すように、ゲート絶縁膜となる絶縁膜30を形成する。具体的には、ゲートリセス150が形成されている電子供給層22及びキャップ層23の表面に形成されている変質層を硫酸過水、フッ酸により洗浄した後、水洗する。この後、ALD法により、ゲートリセス150が形成されている電子供給層22及びキャップ層23の上に、原料ガスとしてAl(CHとHOとを用いて水蒸気酸化方式により酸化アルミニウム膜を成膜することにより、第1の絶縁膜31を形成する。この際形成される第1の絶縁膜31の厚さは、5〜10nmであり、本実施の形態においては、厚さが5nmの第1の絶縁膜31を形成した。次に、第1の絶縁膜31の上に、原料ガスとしてAl(CHとOとを用いて酸素プラズマ酸化方式により酸化アルミニウム膜を成膜することにより、第2の絶縁膜32を形成する。この際形成される第2の絶縁膜32の厚さは、10〜100nmであり、本実施の形態においては、厚さが35nmの第2の絶縁膜32を形成した。これにより、第1の絶縁膜31と第2の絶縁膜32により絶縁膜30が形成される。この後、700℃〜800℃の温度でアニールを行なう。
次に、図21(b)に示すように、ソース電極42及びドレイン電極43を形成する。具体的には、絶縁膜30の上に、フォトレジストを塗布し露光装置による露光、現像を行なうことによりソース電極42及びドレイン電極43が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、フッ素系ガス、塩素系ガス等を用いたRIE等によるドライエッチングにより、レジストパターンが形成されていない領域における絶縁膜30、キャップ層23及び電子供給層22の一部または全部を除去する。この際行われる窒化物半導体におけるドライエッチングの条件は、例えば、塩素(Cl)ガスの流量が約30sccm、チャンバー内の圧力が約2Pa、RF投入電力が20Wである。この後、不図示のレジストパターンを除去した後、再びフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、ソース電極42及びドレイン電極43が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、真空蒸着により、積層金属膜であるTa/Alを成膜した後、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に形成された積層金属膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去する。これにより、残存する積層金属膜により、ソース電極42及びドレイン電極43が形成される。この後、約550℃でアニール処理を行なうことにより、ソース電極42及びドレイン電極43をオーミックコンタクトさせる。
次に、図22に示すように、ゲート電極41を形成する。具体的には、絶縁膜30の上に、下層レジスト(例えば、商品名PMGI:米国マイクロケム社製)及び上層レジスト(例えば、商品名PFI32−A8:住友化学社製)を各々スピンコート法等により塗布する。この後、露光装置による露光、現像を行なうことにより、上層レジストに、例えば、直径が約0.8μmの開口部を形成する。この後、上層レジストをマスクとして、上層レジストの開口部において露出している下層レジストをアルカリ現像液によりウェットエッチングにより除去する。次に、真空蒸着により積層金属膜であるNi/Au(Ni:膜厚が約10nm/Au:膜厚が約300nm)を成膜した後、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に形成された積層金属膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去する。これにより、残存する積層金属膜により、ゲート電極41が形成される。
(本実施の形態における半導体装置の特性)
図23〜図26は、図14(a)に示される構造のHEMT、図14(b)に示される構造のHEMT及び本実施の形態における半導体装置であるHEMTにおける諸特性を示す。尚、図23〜図26においては、本実施の形態における半導体装置であるHEMTを19Aに示す。また、前述したように図14(a)に示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTを14Aに示し、図14(b)に示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTを14Bに示す。
図23は、電子供給層及びキャップ層となるAlGaN及びGaNの表面におけるO/(Al+Ga)の比を示すものである。19Aに示される本実施の形態における半導体装置であるHEMTの場合では、O/(Al+Ga)の比は約0.34であった。この値は、14Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTよりも低く、14Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTと同程度である。
図24は、ゲート電極における閾値変動を示すものである。19Aに示される本実施の形態における半導体装置であるHEMTの場合では、閾値変動は約0.25Vであった。この値は、14Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTよりも低く、更には、14Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTよりも低い。
図25は、ゲート絶縁膜となる絶縁膜における密度を示すものである。19Aに示される本実施の形態における半導体装置であるHEMTの場合では、密度は約3.3g/cmであった。この値は、14Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTよりも高く、14Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTと同程度である。
図26は、ドレイン−ソース間における耐圧を示すものである。19Aに示される本実施の形態における半導体装置であるHEMTの場合では、耐圧は約410Vであった。この値は、14Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜932を用いたHEMTよりも高く、14Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜931を用いたHEMTと同程度である。
このように、本実施の形態における半導体装置であるHEMTは、酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜を用いたHEMTの利点と水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜を用いたHEMTの利点の双方を兼ね備えている。
即ち、本実施の形態における半導体装置におけるHEMTは、GaNの表面におけるO/Ga比及びゲート電極における閾値変動の観点においては、14Bに示される水蒸気酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜を用いたものと同程度以上の特性を有している。また、ゲート絶縁膜となる絶縁膜における密度及びドレイン−ソース間における耐圧の観点においては、14Aに示される酸素プラズマ酸化方式により成膜された酸化アルミニウム膜を用いたものと同程度の特性を有している。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、半導体デバイス、電源装置及び高周波増幅器である。
本実施の形態における半導体デバイスは、第1または第2の実施の形態における半導体装置をディスクリートパッケージしたものであり、このようにディスクリートパッケージされた半導体デバイスについて、図23に基づき説明する。尚、図23は、ディスクリートパッケージされた半導体装置の内部を模式的に示すものであり、電極の配置等については、第1及び第2の実施の形態に示されているものとは、異なっている。
(半導体デバイス)
図27に示されるものは、第1または第2の実施の形態における半導体装置をディスクリートパッケージしたものである。
最初に、第1または第2の実施の形態において製造された半導体装置をダイシング等により切断することにより、GaN系の半導体材料のHEMTの半導体チップ410を形成する。この半導体チップ410をリードフレーム420上に、ハンダ等のダイアタッチ剤430により固定する。尚、この半導体チップ410は、第1または第2の形態における半導体装置に相当するものである。
次に、ゲート電極411をゲートリード421にボンディングワイヤ431により接続し、ソース電極412をソースリード422にボンディングワイヤ432により接続し、ドレイン電極413をドレインリード423にボンディングワイヤ433により接続する。尚、ボンディングワイヤ431、432、433は、Al等の金属材料により形成されている。また、本実施の形態においては、ゲート電極411はゲート電極パッドの一種であり、第1または第2の実施の形態における半導体装置のゲート電極41と接続されている。また、ソース電極412はソース電極パッドの一種であり、第1または第2の実施の形態における半導体装置のソース電極42と接続されている。また、ドレイン電極413はドレイン電極パッドの一種であり、第1または第2の実施の形態における半導体装置のドレイン電極43と接続されている。
次に、トランスファーモールド法によりモールド樹脂440による樹脂封止を行なう。このようにして、GaN系の半導体材料を用いたHEMTのディスクリートパッケージされている半導体デバイスを作製することができる。
(PFC回路、電源装置及び高周波増幅器)
次に、本実施の形態におけるPFC回路、電源装置及び高周波増幅器について説明する。本実施の形態におけるPFC回路、電源装置及び高周波増幅器は、第1または第2の実施の形態におけるいずれかの半導体装置を用いた電源装置及び高周波増幅器である。
(PFC回路)
次に、本実施の形態におけるPFC(Power Factor Correction)回路について説明する。本実施の形態におけるPFC回路は、第1または第2の実施の形態における半導体装置を有するものである。
図28に基づき、本実施の形態におけるPFC回路について説明する。本実施の形態におけるPFC回路450は、スイッチ素子(トランジスタ)451と、ダイオード452と、チョークコイル453と、コンデンサ454、455と、ダイオードブリッジ456と、不図示の交流電源とを有している。スイッチ素子451には、第1または第2の実施の形態における半導体装置であるHEMTが用いられている。
PFC回路450では、スイッチ素子451のドレイン電極とダイオード452のアノード端子及びチョークコイル453の一方の端子とが接続されている。また、スイッチ素子451のソース電極とコンデンサ454の一方の端子及びコンデンサ455の一方の端子とが接続されおり、コンデンサ454の他方の端子とチョークコイル453の他方の端子とが接続されている。コンデンサ455の他方の端子とダイオード452のカソード端子とが接続されており、コンデンサ454の双方の端子間にはダイオードブリッジ456を介して不図示の交流電源が接続されている。このようなPFC回路450においては、コンデンサ455の双方端子間より、直流(DC)が出力される。
(電源装置)
次に、本実施の形態における電源装置について説明する。本実施の形態における電源装置は、第1または第2の実施の形態における半導体装置であるHEMTを有する電源装置である。
図29に基づき本実施の形態における電源装置について説明する。本実施の形態における電源装置は、前述した本実施の形態におけるPFC回路450を含んだ構造のものである。
本実施の形態における電源装置は、高圧の一次側回路461及び低圧の二次側回路462と、一次側回路461と二次側回路462との間に配設されるトランス463とを有している。
一次側回路461は、前述した本実施の形態におけるPFC回路450と、PFC回路450のコンデンサ455の双方の端子間に接続されたインバータ回路、例えばフルブリッジインバータ回路460とを有している。フルブリッジインバータ回路460は、複数(ここでは4つ)のスイッチ素子464a、464b、464c、464dを有している。また、二次側回路462は、複数(ここでは3つ)のスイッチ素子465a、465b、465cを有している。尚、ダイオードブリッジ456には、交流電源457が接続されている。
本実施の形態においては、一次側回路461におけるPFC回路450のスイッチ素子451において、第1または第2の実施の形態における半導体装置であるHEMTが用いられている。更に、フルブリッジインバータ回路460におけるスイッチ素子464a、464b、464c、464dにおいて、第1または第2の実施の形態における半導体装置であるHEMTが用いられている。一方、二次側回路462のスイッチ素子465a、465b、465cは、シリコンを用いた通常のMIS構造のFETが用いられている。
(高周波増幅器)
次に、本実施の形態における高周波増幅器について説明する。本実施の形態における高周波増幅器は、第1または第2の実施の形態における半導体装置であるHEMTが用いられている構造のものである。
図30に基づき、本実施の形態における高周波増幅器について説明する。本実施の形態における高周波増幅器は、ディジタル・プレディストーション回路471、ミキサー472a、472b、パワーアンプ473及び方向性結合器474を備えている。
ディジタル・プレディストーション回路471は、入力信号の非線形歪みを補償するものである。ミキサー472aは、非線形歪みが補償された入力信号と交流信号をミキシングするものである。パワーアンプ473は、交流信号とミキシングされた入力信号を増幅するものであり、第1または第2の実施の形態における半導体装置であるHEMTを有している。方向性結合器474は、入力信号や出力信号のモニタリング等を行なう。尚、図30では、例えばスイッチの切り替えにより、出力側の信号をミキサー472bで交流信号とミキシングしてディジタル・プレディストーション回路471に送出することができる。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
基板の上に、窒化物半導体層を形成する工程と、
前記窒化物半導体層の上に、HOを含む原料ガスを用いて水蒸気酸化によるALD法またはOを含む原料ガスを用いた酸化によるALD法により第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜の上に、Oを含む原料ガスを用いて酸素プラズマ酸化によるALD法により第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜の上に、ゲート電極を形成する工程と、
前記窒化物半導体層の上に、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記窒化物半導体層は、基板の上に形成された第1の半導体層と、前記第1の半導体層の上に形成された第2の半導体層とを含むものであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記2)
前記窒化物半導体層は、前記第2の半導体層の上に形成された第3の半導体層を含むものであることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記3)
前記窒化物半導体層を形成する工程の後であって、前記第1の絶縁膜を形成する工程の前に、
前記ゲート電極が形成される領域において、窒化物半導体層の一部を除去することにより、リセスを形成する工程を有するものであることを特徴とする付記1または2に記載の半導体装置の製造方法。
(付記4)
前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜は、ともに酸化アルミニウムにより形成されているものであることを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記5)
前記第1の絶縁膜を形成する工程において、前記第1の絶縁膜は、原料ガスとして、トリメチルアルミニウムとHOとを用いて水蒸気酸化によるALD法により形成されるものであることを特徴とする付記4に記載の半導体装置の製造方法。
(付記6)
前記第2の絶縁膜を形成する工程において、前記第2の絶縁膜は、原料ガスとして、トリメチルアルミニウムとOまたはオゾンを用いて酸素プラズマ酸化によるALD法により形成されるものであることを特徴とする付記4または5に記載の半導体装置の製造方法。
(付記7)
前記第2の絶縁膜を形成する工程の後、700℃以上、800℃以下の温度で熱処理を行なう熱処理工程を有することを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記8)
基板の上に形成された窒化物半導体層と、
前記窒化物半導体層の上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、
前記窒化物半導体層と接して形成されたソース電極及びドレイン電極と、
を有し、
前記窒化物半導体層は、基板の上に形成された第1の半導体層と、前記第1の半導体層の上に形成された第2の半導体層と、を含むものであって、
前記絶縁膜は、ALD法により成膜されたものであって、前記第2の半導体層の側より、第1の絶縁膜、第2の絶縁膜が順次積層されたものであって、
前記第1の絶縁膜の密度よりも、前記第2の絶縁膜の密度が高いものであることを特徴とする半導体装置。
(付記9)
前記第1の絶縁膜は、HOを含む原料ガスを用いて水蒸気酸化により形成されたものであって、
前記第2の絶縁膜は、Oを含む原料ガスを用いて酸素プラズマ酸化により形成されたものまたはOを含む原料ガスを用いた酸化により形成されたものであることを特徴とする付記8に記載の半導体装置。
(付記10)
基板の上に形成された窒化物半導体層と、
前記窒化物半導体層の上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、
前記窒化物半導体層と接して形成されたソース電極及びドレイン電極と、
を有し、
前記窒化物半導体層は、基板の上に形成された第1の半導体層と、前記第1の半導体層の上に形成された第2の半導体層と、を含むものであって、
前記窒化物半導体層における前記窒化物半導体層と前記絶縁膜との界面近傍には、前記窒化物半導体に含まれる金属原子に対する酸素原子の割合が、0.4以下であることを特徴とする半導体装置。
(付記11)
前記絶縁膜は、アルミニウム、ハフニウム、シリコン、ニッケルにおける酸化物、窒化物、酸窒化物のうち、1または2以上が含まれるものであることを特徴とする付記10に記載の半導体装置。
(付記12)
前記絶縁膜は、酸化アルミニウムであることを特徴とする付記8から11のいずれかに記載の半導体装置。
(付記13)
前記絶縁膜に含まれる水酸化アルミニウムの濃度は、4%以下であることを特徴とする付記12に記載の半導体装置。
(付記14)
前記窒化物半導体層は、前記第2の半導体層の上に形成された第3の半導体層を含むものであることを特徴とする付記8から13のいずれかに記載の半導体装置。
(付記15)
前記第3の半導体層は、GaNを含む材料により形成されているものであることを特徴とする付記14に記載の半導体装置。
(付記16)
前記第1の半導体層は、GaNを含む材料により形成されているものであることを特徴とする付記8から15のいずれかに記載の半導体装置。
(付記17)
前記第2の半導体層は、AlGaNを含む材料により形成されているものであることを特徴とする付記8から16のいずれかに記載の半導体装置。
(付記18)
前記半導体装置はHEMTを含むものであることを特徴とする付記8から17のいずれかに記載の半導体装置。
(付記19)
付記8から18のいずれかに記載の半導体装置を有することを特徴とする電源装置。
(付記20)
付記8から18のいずれかに記載の半導体装置を有することを特徴とする増幅器。
10 基板
21 電子走行層(第1の半導体層)
21a 2DEG
22 電子供給層(第2の半導体層)
23 キャップ層(第3の半導体層)
30 絶縁膜
31 第1の絶縁膜
32 第2の絶縁膜
41 ゲート電極
42 ソース電極
43 ドレイン電極

Claims (7)

  1. 基板の上に設けられた、第1半導体層と前記第1半導体層の上に設けられた第2半導体層とを含む窒化物半導体層と、
    前記窒化物半導体層の上に設けられた第1絶縁膜と、
    前記第1絶縁膜の上に設けられ、前記第1絶縁膜の密度よりも密度が高い第2絶縁膜と、
    前記第2絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、
    前記窒化物半導体層の上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、
    を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 基板の上に設けられた、第1半導体層と前記第1半導体層の上に設けられた第2半導体層とを含む窒化物半導体層と、
    前記窒化物半導体層の上に設けられた第1絶縁膜と、
    前記第1絶縁膜の上に設けられた第2絶縁膜と、
    前記第2絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、
    前記窒化物半導体層の上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、
    を有し、
    前記窒化物半導体層における前記窒化物半導体層と前記第1絶縁膜との界面近傍では、前記窒化物半導体層に含まれる金属原子に対する酸素原子の割合が、0.4以下であることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜は、ともに酸化アルミニウムであることを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記窒化物半導体層は、前記第2半導体層の上に設けられた第3半導体層を含むものであることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 前記第2絶縁膜の厚さは前記第1絶縁膜の厚さよりも大きいことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の半導体装置。
  6. 前記第1絶縁膜の厚さは5nm〜10nmであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか記載の半導体装置。
  7. 前記第2絶縁膜の厚さは10nm〜100nmであることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の半導体装置。
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