JP2016095962A - 電気化学素子用セパレータ - Google Patents

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祐輔 花木
太一 後藤
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太一 後藤
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Yoshiyuki Hashimoto
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Abstract

【課題】孔径が小さくて均一であり、かつ薄膜化しても高強度でピンホールが発生しない電気化学素子用セパレータを提供する。【解決手段】下記[A]ないし[D]を満たすセルロース繊維を主成分とすることを特徴とする電気化学素子用セパレータ。[A]数平均繊維径が2nm以上500nm以下[B]繊維のアスペクト比が50以上[C]セルロース分子中の水酸基に置換基が導入されており、置換度が0.01以上0.5以下[D]I型及び/又はII型の結晶構造を有する【選択図】なし

Description

本発明は、電気化学素子用セパレータに関するものである。
近年、セルロース繊維で構成された不織布を、電気化学素子用セパレータとして利用する技術が提案されている。電子機器等の小型化、軽量化に伴い、セパレータもより薄く、かつ高性能のものが望まれている。例えば、特許文献1、2には、微小繊維状セルロースを用いて不織布(セルロース不織布)を作製し、これをセパレータとする技術が提案されている。
特開2008−274525号公報 特許第3805851号公報
しかしながら、上記セルロース不織布では微小繊維の繊維径が不均一で、不織布の孔径も不均一であるため、電池セパレータとして利用した場合、電解液の保持力、電気絶縁性が不充分であり、短絡しやすい。また、不織布の孔径が不均一であるため、薄膜化した場合にピンホールが発生しやすい等の難点もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、孔径が小さくて均一であり、かつ薄膜化しても高強度でピンホールが発生しない電気化学素子用セパレータの提供をその目的とする。
すなわち、本発明は下記に掲げる発明に関する。
〔1〕下記[A]ないし[D]を満たすセルロース繊維を主成分とすることを特徴とする電気化学素子用セパレータ。
[A]数平均繊維径が2nm以上500nm以下
[B]繊維のアスペクト比が50以上
[C]セルロース分子中の水酸基に置換基が導入されており、置換度が0.01以上0.5以下
[D]I型及び/又はII型の結晶構造を有する
〔2〕好ましい実施形態としては、上記置換基が、アルキル基、カルボキシアルキル基、シアノアルキル基、ヒドロキシアルキル基、およびアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の電気化学素子用セパレータ。
本発明の電気化学素子用セパレータは、孔径が小さくて均一であることから、電解液の保持力、電気絶縁性に優れている。また、本発明の電気化学素子用セパレータは、高強度であることから、薄膜化してもピンホールが発生せず、電子機器の小型化、軽量化に対応することができる。
次に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の電気化学素子用セパレータは、下記[A]ないし[D]を満たすセルロース繊維を含有するものである。
[A]数平均繊維径が2nm以上500nm以下
[B]繊維のアスペクト比が50以上
[C]セルロース分子中の水酸基に置換基が導入されており、置換度が0.01以上0.5以下
[D]I型及び/又はII型の結晶構造を有する
上記数平均繊維径は2nm以上500nm以下であり、より好ましくは2nm以上150nm以下である。数平均繊維径が500nmを超えると、十分な強度の皮膜を得ることができない。
ここで、上記数平均繊維径の解析は、例えば、次のようにして行うことができる。すなわち、固形分率で0.05〜0.1質量%のセルロース繊維の水分散体を調製し、その分散体を、親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストして、透過型電子顕微鏡(TEM)の観察用試料とする。なお、本発明外の大きな繊維径の繊維を含む場合には、ガラス上へキャストした表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像を観察してもよい。そして、構成する繊維の大きさに応じて5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。その際に、得られた画像内に縦横任意の画像幅の軸を想定し、その軸に対し、20本以上の繊維が交差するよう、試料および観察条件(倍率等)を調節する。そして、この条件を満たす観察画像を得た後、この画像に対し、1枚の画像当たり縦横2本ずつの無作為な軸を引き、軸に交錯する繊維の繊維径を目視で読み取っていく。このようにして、最低3枚の重複しない表面部分の画像を、電子顕微鏡で撮影し、各々2つの軸に交錯する繊維の繊維径の値を読み取る(したがって、最低20本×2×3=120本の繊維径の情報が得られる)。このようにして得られた繊維径のデータにより、数平均繊維径を算出する。
上記アスペクト比は50以上であるが、より好ましくは100以上である。アスペクト比が50未満の場合、十分な強度の皮膜を得ることができない。
上記アスペクト比は、例えば以下の方法で測定することが出来る、すなわち、セルロースを親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストした後、2%ウラニルアセテートでネガティブ染色したTEM像(倍率:10000倍)から、セルロースの短幅の方の数平均幅、および長幅の方の数平均幅を観察した。すなわち、各先に述べた方法に従い、短幅の方の数平均幅、および長幅の方の数平均幅を算出し、これらの値を用いてアスペクト比を下記の式(1)に従い算出した。
Figure 2016095962
上記置換基としては、セルロース分子中の水酸基との間にエーテル結合が生じる置換基であれば特に限定されない。例えば、アルキル基、カルボキシアルキル基、シアノアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基などが挙げられる。より好ましくは、カルボキシアルキル基、メチル基、エチル基、シアノエチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、エチルヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピルメチル基であり、カルボキシメチル基がさらに好ましい。置換基は一種であっても二種以上であっても良い。
上記置換度は、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数の平均値を表している。
上記置換度は0.01以上0.5以下であり、好ましくは0.01以上0.25以下である。置換度が0.01未満ではセルロース繊維の解繊が困難となり、0.5超では十分な強度の皮膜を得ることができない。
本発明のセルロース繊維はI型及び/又はII型の結晶構造を有する。結晶構造を有することは、例えば、広角X線回折像測定により得られる回折プロファイルにおいて、セルロースI型またはII型に典型的なX線回折パターン(I型:回折角2θ=14.8°、16.8°、22.6°、II型:回折角2θ=12.1°、19.8°、22.0°)をもつことから確認できる。
本発明のセルロース繊維は、セルロースを公知の方法を用いてアニオン変性させることにより得ることができる。その一例として次のような製造方法をあげることができる。すなわち、セルロースを原料とし、溶媒に重量で3〜20倍の低級アルコール、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の単独、又は2種以上の混合物と水の混合媒体を使用する。なお、低級アルコールの混合割合は、60〜95質量%である。マーセル化剤としては、セルロースのグルコース残基当たり0.5〜20倍モルの水酸化アルカリ金属、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用する。セルロースと溶媒、マーセル化剤を混合してマーセル化処理を行う。このときの反応温度は0〜70℃、好ましくは10〜60℃であり、反応時間は15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間である。その後、カルボキシメチル化剤をグルコース残基当たり0.05〜10.0倍モル添加してエーテル化反応を行う。このときの反応温度は30〜90℃、好ましくは40〜80℃であり、反応時間は30分〜10時間、好ましくは1時間〜4時間である。
本発明のセルロース原料は、晒又は未晒木材パルプ、精製リンター、酢酸菌等の微生物によって生産されるセルロース等の天然セルロースや、セルロースを銅アンモニア溶液、モルホリン誘導体等、何らかの溶媒に溶解し、改めて紡糸された再生セルロース、及び上記セルロース系素材の加水分解、アルカリ加水分解、酵素分解、爆砕処理、振動ボールミル処理等によって解重合処理した微細セルロース又は機械的に処理した微細セルロースが例示される。
本発明のセルロース繊維は、アニオン変性したセルロースを高圧ホモジナイザー等によって解繊処理することで得ることができる。高圧ホモジナイザーとは、ポンプによって流体に加圧し、流路に設けた非常に繊細な間隙より噴出させる装置である。粒子間の衝突、圧力差による剪断力等の総合エネルギーによって乳化・分散・解繊・粉砕・超微細化を行うことができる。
本発明のホモジナイザーによる処理条件としては、特に限定されるものではないが、圧力条件としては、30MPa以上、好ましくは100MPa以上、さらに好ましくは140MPa以上である。また、高圧ホモジナイザーでの解繊・分散処理に先立って、必要に応じて、高速せん断ミキサーなどの公知の混合、攪拌、乳化、分散装置を用いて、アニオン変性されたセルロースに予備処理を施すことも可能である。
本発明の電気化学素子用セパレータは、例えば、上記セルロース繊維の分散体を支持体に塗工またはキャストした後、これを乾燥することにより得ることができる。上記セルロース繊維の分散体の塗工法としては、凸版印刷方式、凹版印刷方式、オフセット印刷方式、スクリーン印刷方式、スプレー塗装方式、ダイコーター方式、浸漬方式、バーコーター方式等があげられる。また、乾燥法としては、例えば、加熱乾燥方式、真空乾燥方式、送風乾燥方式、凍結乾燥方式、ろ過脱水方式等が用いられる。
なお、本発明の効果を妨げない範囲で、上記セルロース繊維に、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂粒子や繊維、無機微粒子、バインダー等を併用して用いても差し支えない。
このようにして得られる電気化学素子用セパレータの厚みは、信頼性があれば薄いほど好ましいが、通常、5〜50μmであり、好ましくは7〜25μmである。
本発明の電気化学素子用セパレータにおける平均孔径は、10μm以下が好ましく、特に好ましくは1μm以下である。平均孔径が大きすぎると、電解液の保持力、電気絶縁性が不充分で短絡しやすくなる傾向がみられる。
なお、上記平均孔径は、例えば、電気化学素子用セパレータを走査型電子顕微鏡で観察し、表面の孔径を50点抽出した平均値により求めることができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<グルコース単位当たりの置換度の測定方法>
セルロース繊維を0.6質量%スラリーに調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.4とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量からカルボキシル基量を測定し、下式を用いて算出した。ここで言う置換度とは、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数の平均値を表している。
Figure 2016095962
<数平均繊維径の測定方法>
セルロース繊維に水を加えて2質量%のスラリーとして、ディスパー型ミキサーを用いて回転数8,000rpmで10分間微細化処理を行った。各セルロース繊維の最大繊維径および数平均繊維径を、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子社製、JEM−1400)を用いて観察した。すなわち、各セルロース繊維を親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストした後、2%ウラニルアセテートでネガティブ染色したTEM像(倍率:10000倍)から、先に述べた方法に従い、数平均繊維径を算出した。
<結晶構造の確認方法>
X線回折装置(リガク社製、RINT−Ultima3)を用いて広角X線回折像を測定し、各セルロース繊維の回折プロファイルにセルロースI型またはII型に典型的なX線回折パターン(I型:回折角2θ=14.8°、16.8°、22.6°、II型:回折角2θ=12.1°、19.8°、22.0°)がみられる場合は結晶構造を有すると判断した。
<アスペクト比の測定方法>
セルロースを親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストした後、2%ウラニルアセテートでネガティブ染色したTEM像(倍率:10000倍)から、セルロースの短幅の方の数平均幅、長幅の方の数平均幅を観察した。すなわち、各先に述べた方法に従い、短幅の方の数平均幅、および長幅の方の数平均幅を算出し、これらの値を用いてアスペクト比を前述の式(1)に従い算出した。
〔製造例1〕
撹拌機に、パルプ(LBKP、日本製紙(株)製)を乾燥質量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で18g加え、パルプ固形分濃度が15%になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後に70℃まで昇温し、モノクロロ酢酸ナトリウムを23g(有効成分換算)添加した。1時間反応した後に、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりの置換度0.01のアニオン変性されたセルロースを得た。その後、アニオン変性したパルプに水を添加して固形分濃度5%とし、高圧ホモジナイザーにより20℃、140MPaの圧力で5回処理し、数平均繊維径74nm、アスペクト比67で、結晶構造を有するセルロース繊維1の分散液を得た。
〔製造例2〕
水酸化ナトリウムを176g、モノクロロ酢酸ナトリウムを234g(有効成分換算)に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維2の分散液を得た。なお、得られたセルロース繊維のグルコース単位当たりの置換度は0.10であり、数平均繊維径は10nm、アスペクト比140で、結晶構造を有していた。
〔製造例3〕
水酸化ナトリウムを308g、モノクロロ酢酸ナトリウムを410g(有効成分換算)に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維3の分散液を得た。なお、得られたセルロース繊維のグルコース単位当たりの置換度は0.25であり、数平均繊維径は6nm、アスペクト比160で、結晶構造を有していた。
〔製造例4〕
水酸化ナトリウムを9g、モノクロロ酢酸ナトリウムを12g(有効成分換算)に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維4の分散液を得た。なお、得られたセルロース繊維のグルコース単位当たりの置換度は0.005であり、数平均繊維径は620nm、アスペクト比18で、結晶構造を有していた。
〔製造例5〕
水酸化ナトリウムを476g、モノクロロ酢酸ナトリウムを632g(有効成分換算)に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維5の分散液を得た。なお、得られたセルロースのグルコース単位当たりの置換度は0.6であり、数平均繊維径は測定できず、結晶構造はみられなかった。
〔製造例6〕
水酸化ナトリウムを308g、モノクロロ酢酸ナトリウムを410g(有効成分換算)、高圧ホモジナイザーによる処理を20回に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維6の分散液を得た。なお、得られたセルロース繊維のグルコース単位当たりの置換度は0.25であり、数平均繊維径は測定できず、結晶構造はみられなかった。
〔製造例7〕
撹拌機に、パルプ(LBKP、日本製紙(株)製)を乾燥質量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で308g加え、パルプ固形分濃度が15%になるように水を加えた。その後、70℃で9時間攪拌した後に、モノクロロ酢酸ナトリウムを410g(有効成分換算)添加した。1時間反応した後に、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりの置換度0.28のアニオン変性されたセルロースを得た。その後、アニオン変性したパルプに水を添加して固形分濃度5%とし、高圧ホモジナイザーにより20℃、140MPaの圧力で5回処理し、セルロース繊維7の分散液を得た。数平均繊維径は測定できず、結晶構造はみられなかった。
<皮膜の評価>
(皮膜の製造)
〔実施例1〕
固形分濃度1質量%のセルロース繊維1をプラスチックシャーレにキャストし、40℃で15時間乾燥させた後、100℃で1時間乾燥し膜厚10μmの皮膜を作成した。
〔実施例2,3、比較例1〜4〕
上記セルロース繊維1を下記表1の通りに変更した以外は実施例1と同様に皮膜を製造し、膜厚10μmの皮膜を作成した。
<皮膜の評価>
実施例1〜3、比較例1〜4で製造した皮膜を以下の評価基準に従って評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
〔平均孔径〕
各皮膜を走査型電子顕微鏡FE−SEM(日本電子社製、JSM−6701F)で観察し、表面の孔径を50点抽出して平均孔径を求めた。
○:10μm以下
×:10μm超
観察不可:孔径が小さすぎるため観察できない
〔ピンホールの有無〕
各皮膜をライトテーブルの上に置き、目視で確認可能なピンホールの有無を観察した。
○:ピンホールなし
×:ピンホールあり
〔引張強度〕
各皮膜から試験片(5mm×60mm)を切り出し、引張試験機(ORIENTEC社製、RTC−1225A)を用いて、移動速度5mm/min、20℃、40%RHの条件で、試験片が破断した点の応力(MPa)を測定した。
○:30MPa以上
×:30MPa未満
〔電解液保液率〕
15cm×10cmの大きさに切り取った皮膜の重量(W1 )を計測し、次いで電解液に1分間浸漬した後、ピンセットで取り出した。電解液が垂れなくなったところで該試料の重量(W2 )を計測した。下記式(3)により皮膜の自重に対する電解液保液率(%)を求めた。電解液としては、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C25 3 (CH3 )NBF4 を溶解させたものを用いた。
Figure 2016095962
○:200%以上
×:200%未満
Figure 2016095962
表1より、セルロース繊維1ないし3を使用した皮膜は孔径、ピンホール、引張強度、電解液保液率に優れていることが明らかとなった。これに対し、セルロース繊維4を使用した皮膜ではいずれの評価項目においても、セルロース繊維1ないし3を使用した皮膜に対し劣る結果となった。一方、セルロース繊維5〜7を使用した皮膜においては、電解液保液率は優れているものの、ピンホールが生じ、引張強度が劣る結果となった。
本発明の電気化学素子用セパレータは、電池(リチウム電池、リチウム二次電池、燃料電池、アルカリ二次電池、ニッケル水素二次電池、ニッケル−カドミウム電池、鉛蓄電池等)、コンデンサ、キャパシタ等の蓄電素子のセパレータとして有用である。特に、本発明の電気化学素子用セパレータは、薄膜化しても高強度でピンホールが発生しないことから、電子機器、電気機器、自動車(ハイブリッド自動車、大型自動車等)、電力貯蔵等の電源や補助電源等のキャパシタに非常に有用である。

Claims (2)

  1. 下記[A]ないし[D]を満たすセルロース繊維を主成分とすることを特徴とする電気化学素子用セパレータ。
    [A]数平均繊維径が2nm以上500nm以下
    [B]繊維のアスペクト比が50以上
    [C]セルロース分子中の水酸基に置換基が導入されており、置換度が0.01以上0.5以下
    [D]I型及び/又はII型の結晶構造を有する
  2. 上記置換基が、アルキル基、カルボキシアルキル基、シアノアルキル基、ヒドロキシアルキル基、およびアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の電気化学素子用セパレータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109980166A (zh) * 2019-04-28 2019-07-05 中国科学技术大学 一种生物质纳米纤维隔膜、其制备方法和应用

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