JP2016094742A - 鋼管杭のチャック補助具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鋼管杭回転圧入装置によって、鋼管杭の上端部内周面をチャック部材で把持して地面に回転圧入する際に、チャック部材の把持力によって鋼管杭上端部に生じる変形を防止し、鋼管杭への伝達トルクを高めることのできる鋼管杭のチャック補助具を提供する。【解決手段】 円筒状の上側チャック部材10及び下側チャック部材11と、これらのチャック部材の中心軸線に対して外周面の中心軸線の偏心量が可変な円筒状の偏心チャック部材12を鋼管杭Pの上端部内周面に押し当てて鋼管杭Pを回転駆動する際に、鋼管杭Pの外周面に、チャック補助具1の中空円筒体26を嵌装し、これらのチャック部材10、11、12の把持力によって鋼管杭Pの上端部に生じる変形を当該中空円筒体の内周面で規制する。【選択図】 図2

Description

本発明は、鋼管杭回転圧入装置によって、鋼管杭の上端部内周面をチャック部材で把持して地面に回転圧入する際に、チャック部材の押圧力で鋼管杭の上端部が変形することを防止するためのチャック補助具に関する。
従来、小規模住宅等の基礎の下に設置する杭としては、一般に、小径鋼管からなる鋼管杭が用いられている。この設置作業は、鋼管杭回転圧入装置の駆動ヘッドに設けられた回転駆動軸の下端に鋼管杭の上端部をチャック装置で把持し、前記回転駆動軸を回転させながら駆動ヘッドを下降することで、前記鋼管杭を基礎地盤の中に圧入している。
このような作業で用いられるチャック装置は、例えば、特許文献1に記載されているような、鋼管杭の内周面に放射状に配列された複数のチャック部材を押し付けて把持する構造のものや、特許文献2に記載されているような、回転駆動軸と同軸の円筒状のチャック部材と、このチャック部材に対して偏心した軸回りに、軸孔位置を偏心させて回動可能に取り付けられた円筒状のチャック部材とを組み合わせた構造のものが提案されている。
特開2004−100260号公報 特許第2681272号公報
前述した特許文献1に記載されているような、複数のチャック部材を放射状に配列した構造のチャック装置は、チャック部材の開閉機構が複雑で小型化が困難であり、また、小径の鋼管杭に適合するように各チャック部材のサイズを小さくすると、十分な把持力が得られなくなる問題があった。
これに対し、特許文献2に記載されているような、円筒状のチャック部材を偏心させて鋼管杭の内周面を把持する構造のものは、部品点数が少なく機構が簡単であるため、小径の鋼管杭に好適である。
しかしながら、このような円筒状のチャック部材を偏心させて鋼管杭を把持する構造のチャック装置は、チャック部材の外周面の円周方向の一部のみが鋼管杭の内周面を押圧するため、薄肉の鋼管杭は、その上端部の変形によりチャック部材の把持力が低下して、回転駆動軸から鋼管杭への伝達トルクが不足したり、チャック部材を外した後に、鋼管杭の上端部に変形が残ってしまう問題があった。
そこで、本発明は、前述したような従来技術における問題を解消し、鋼管杭の上端部内周面にチャック部材を押し付けて鋼管杭を回転駆動する際に、チャック部材の把持力によって鋼管杭上端部に生じる変形を防止し、鋼管杭への伝達トルクを高めることのできる鋼管杭のチャック補助具を提供することを目的とする。
前記目的のために提供される本発明の鋼管杭のチャック補助具は、チャック軸の回転軸線と同軸に配置された、円筒状の上側チャック部材と下側チャック部材の間に、前記回転軸線に対して外周面の中心軸線の偏心量が可変な円筒状の偏心チャック部材を設けたチャック装置により、鋼管杭の上端部を把持して回転駆動する鋼管杭回転圧入装置に用いる鋼管杭のチャック補助具であって、鋼管杭の上端部外径に適合する内径を有して当該鋼管杭の上端部外周面に嵌装される、直径方向に分割された一対の半割円筒部からなる中空円筒体と、
前記一対の半割円筒部どうしを、前記直径方向の一端側で当該中空円筒体の中心軸線と平行な軸線周りに開閉可能に連結するヒンジ機構と、前記直径方向の他端側で前記一対の半割円筒部の円周方向に対向する端面どうしを開かないように保持する開放可能な鎖錠機構を備え、前記チャック装置の把持力によって鋼管杭上端部に生じる変形を、前記中空円筒体の内周面で規制するようにしたことを特徴としている。
本発明のチャック補助具においては、チャック装置の全てのチャック部材が、チャック軸に対して個別に回動可能に装着されていることが望ましい。また、チャック軸の少なくとも上側チャック部材より上方位置で、当該チャック軸の回転軸線回りに回動可能に取り付けられた回動連結部材を有し、当該回動連結部材にはそれぞれの半割円筒部が、半割円筒部どうし開閉可能に連結されていることも望ましい。
また、本発明のチャック補助具においては、鎖錠機構は、中空円筒体の外周面に、中心軸線方向に所定間隔で且つ分割位置を跨ぐように複数交互に配列され、前記外周面と対向する矩形状の切欠部をそれぞれ有する、第1の鉤状保持片及び第2の鉤状保持片と、これらの鉤状保持片の切欠部内を上下方向に貫通する閂部材とを備え、前記第1の鉤状保持片のそれぞれは、中空円筒体を構成する一方の半割円筒部に片持ち状態で固定されて、その切欠部の自由端側の内面は、前記閂部材の一方の縁に形成された上方に向けて当該自由端側に傾斜する楔面と当接する閂部材当接面として構成され、前記第2の鉤状保持片のそれぞれは、中空円筒体の他方の半割円筒部に片持ち状態で固定されて、その切欠部の自由端側の内面は、前記閂部材の他方の縁に形成された上方に向けて当該自由端側に傾斜する楔面と当接する閂部材当接面として構成され、閂部材の自重で当該閂部材の各楔面がそれぞれ対応する閂部材当接面と摩擦係合することにより、一対の半割円筒部の円周方向に対向する端面どうしが開かないように保持され、前記閂部材をこれらの鉤状保持片に対して上方に引き上げることにより、保持状態が開放されることも望ましい。
請求項1に記載された発明に係る鋼管杭のチャック補助具によれば、鋼管杭に内側から作用するチャック部材の押圧力のよって当該鋼管杭の上端部が外側に僅かに変形すると、その外周面がチャック補助具の中空円筒体の内周面に押し当てられ、それ以上の外側への変形が規制されるため、鋼管杭上端部の変形を防止することができる。
また、鋼管杭の外周面が中空円筒体の内周面に当接した後は、チャック部材の押圧力は、鋼管杭の管壁を介して中空円筒体の内周面が受けるため、大きな把持力を維持することができ、チャック部材と鋼管杭内周面間の滑りが防止されて鋼管杭に伝達されるトルクを大きくすることができる。
請求項2に記載された発明に係る鋼管杭のチャック補助具によれば、さらに、チャック装置の全てのチャック部材が、チャック軸に対して個別に回動可能に装着されていることにより、従来の偏心チャック部材のみチャック軸に対して回動可能なチャック装置を用いる場合と比較して、それぞれのチャック部材が鋼管杭の内周面を把持する力を高めることができ、その際、鋼管杭はその外周面を中空円筒体の内周面で保持されているため、肉薄の鋼管杭内周面に大きな把持力が作用しても変形や破損を生じる虞が無く、鋼管杭をより大きなトルクで回転駆動することができる。
請求項3に記載された発明に係る鋼管杭のチャック補助具によれば、さらに、チャック補助具がチャック装置と一体化されるため、鋼管杭へのチャック補助具の装着や取り外し作業を迅速且つ容易に行うことができる。
請求項4に記載された発明に係る鋼管杭のチャック補助具によれば、さらに、鋼管杭の上端部に生じているゆがみ等により、中空円筒体を閉じたままで鋼管杭への装着や取り外しを行うことが困難な場合においても、閂部材を引き上げることによって当該中空円筒体を構成している一対の半割円筒部どうしの対向間隔を簡単に拡げることができるため、チャック補助具の鋼管杭へ着脱作業を容易に行うことができる。
本発明の鋼管杭のチャック補助具の第1の実施形態のものを適用した鋼管杭回転圧入装置の側面である。 本発明のチャック補助具の第1の実施形態のものを、チャック装置で把持された鋼管杭の上端部外周面に装着した状態を示す縦断面図である。 図2のA−A断面図である。(各チャック部材は、外周面の輪郭線のみ表示。) チャック装置の斜視図である。 チャック装置の縦断面図である。 チャック装置の分解斜視図である。 図2に示すチャック補助具をヒンジ機構側から見た斜視図である。 図2に示すチャック補助具を鎖錠機構側から見た斜視図である。 図2に示すチャック補助具の分解斜視図である。 図2に示すチャック補助具に用いられている閂部材の斜視図である。 閂部材の働きを説明する図である。 本発明の第2の実施形態におけるチャック補助具の斜視図である。 図12に示すチャック補助具の縦断面図である。 図12に示すチャック補助具を一部分解した斜視図である。 図12に示すチャック補助具に用いられている回動連結部材の平面図である。 図12に示すチャック補助具に用いられている中空円筒体の平面図である。
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る鋼管杭のチャック補助具を適用した鋼管杭回転圧入装置の側面図であって、同図に示すように、本発明のチャック補助具1は、鋼管杭回転圧入装置2によって地面に打設される鋼管杭Pの上端部の外周に装着して使用される。
前記鋼管杭回転圧入装置2は、作業車3のアーム4に連結して地上に垂直に支持されるガイド柱5を有しており、このガイド柱5には駆動ヘッド6が昇降移動可能に設けられている。駆動ヘッド6は下面から垂直に突出する回転駆動軸7を有していて、その下端には自在継手8を介して、鋼管杭Pの上端部内周面を把持するチャック装置9が取り付けられている。なお、前記自在継手8は、回転駆動軸7の回転軸線と鋼管杭Pの中心軸線の角度のずれを吸収するために設けられている。
ここで使用している鋼管杭Pには、その下端部外周面にスクリューSが設けられていて、駆動ヘッド6をガイド柱5に沿って下降させながら回転駆動軸7を駆動し、前記スクリューSを地中で螺進させて鋼管杭Pを地盤表面GLから所望の深さまで打設した後は、前記スクリューSは、鋼管杭Pに上方から作用する荷重を地中に分散して、鋼管杭Pの沈降を防止する役割を果たしている。なお、鋼管杭Pが支持する荷重が小さい場合は、スクリューSは省略してもよい。
図2は、本発明のチャック補助具1を、チャック装置9で把持された鋼管杭Pの上端部外周面に装着した状態を示す縦断面図、図3は、図2のA−A断面図、図4は、チャック装置9の斜視図であって、これらの図に示すように、チャック装置9は、前記回転駆動軸7と同軸に設けられた円筒状の上側チャック部材10と下側チャック部材11との間に、円筒状の偏心チャック部材12が組み込まれて構成されている。
なお、図3では、チャック装置9の図示は省略してあり、同図においては、上側チャック部材10と下側チャック部材11の外周輪郭を細い実線で、また偏心チャック部材12の外周輪郭を細い一点鎖線でそれぞれ表示してある。
これらの3つのチャック部材10、11、12は、鋼管杭Pの内径より僅かに小径の、互いに等しい外径を有していて、下側チャック部材11の外周面の下端部分には、鋼管杭P内への挿入を容易にするために、下方に向けて外径が縮小するテーパ面を形成してある。
このチャック装置9は、中間の偏心チャック部材12を、上側チャック部材10と下側チャック部材11に対して偏心させることで、上側チャック部材10と下側チャック部材11の外周面の一部が鋼管杭Pの内周面に当接するとともに、偏心チャック部材12が、これらのチャック部材10、11の当接位置と、当該鋼管杭Pの直径方向反対側の内周面に当接して、鋼管杭Pを内側から把持する。
この際、チャック補助具1は、図2及び図3に示すように、これらのチャック部材10、11、12によって内周面に押圧力を受ける鋼管杭P上端部の外周面を支持して、薄肉の鋼管杭Pが変形することを防止する。なお、チャック補助具1の詳細な構造については後述する。
図5は、チャック装置9の内部構造を示す縦断面図、図6はその分解斜視図であって、これらの図に示すように、前記各チャック部材10、11、12の内側には、チャック軸13の下方部分が貫通している。
また、これらの図には示していないが、チャック軸13は、前述した図1に示す自在継手8に連結される連結部を上端に有している。前記連結部の下方には、鋼管杭Pの外径より大径の円形の鍔部14が形成されている。
前記チャック軸13の鍔部14の下方部分には、上側チャック部材10が回動可能に嵌装される円筒状の上側軸部15が形成されていて、当該上側軸部15の下方には、偏心チャック部材12が回動可能に嵌装される円筒状の偏心軸部16が形成されている。
前記偏心軸部16は、上側軸部15よりも小径で且つ、上側軸部15とは円周方向の一カ所において外周面が軸方向に連続するように、チャック軸13の回転軸線O(図5参照)に対して所定量偏心して設けられている。
また、この偏心軸部16のさらに下方には、下側チャック部材11が回動可能に嵌装される円筒状の下側軸部17が形成されている。下側軸部17は偏心軸部16よりもさらに小径で、上側軸部15と同軸に形成されており、且つ偏心軸部16とは、円周方向の一カ所で外周面が軸方向に連続するように設けられている。
下側軸部17の下端は、下側チャック部材11の下端から突出して、エンドピース18の上面に設けられている円形の凹部18a内に嵌め込まれている。前記エンドピース18は、下側チャック部材10の下端部外径と最大径が等しい倒立円錐台状の部品であり、その下面に開口する2つのボルト孔18bをそれぞれ貫通させた2つの固定ボルト19を、下側軸部17の下端面に形成された2つのねじ穴17aにそれぞれ螺合固定することにより、下側軸部17に対して取り外し可能に取り付けてある。
なお、エンドピース18は、前記3つのチャック部材10、11、12がチャック軸13から下方に脱落しないように保持するとともに、これらのチャック部材10、11、12を鋼管杭P内へ挿入する際のガイドとしての役割を果たしている。
これらの3つのチャック部材10、11、12の内側にはそれぞれ、対応する上側軸部15、偏心軸部16、下側軸部17の外周面と摺動接触する、中空円筒状の軸受メタル10a、11a、12aが組み込まれている。
また、各チャック部材10、11、12の外周面には、前記それぞれの軸受メタル10a、11a、12aの内周面と、上側軸部15、偏心軸部16、下側軸部17の外周面との間をそれぞれ潤滑するグリースを給油するための、グリスニップル10b、11b、12bが設けられている。
さらに、チャック軸13の鍔部14の下面と上側チャック部材10の上端面との間、上側チャック部材10の下端面と偏心チャック部材12の上端面との間、偏心チャック部材12の下端面と下側チャック部材11の上端面との間、ならびに、下側チャック部材11の下端面とエンドピース18との間にはそれぞれ、これら全てのチャック部材の外周より外側に突出しない外径を有する、扁平な円環状のスラスト受けメタル20、21、22、23が組み込まれている。
偏心チャック部材12は、その円筒状の外周面の中心位置が、軸受メタル12aの中心位置に対して、前述したチャック軸13の偏心軸部16の偏心量と等しい距離だけ偏心している。
そのため、偏心チャック部材12の偏心の向きが、偏心軸部16の偏心の向きと反対になっているときは、両者の偏心量は相殺されて、偏心チャック部材12の外周面は、上側チャック部材10の外周面と下側チャック部材12の外周面と同様に、チャック軸13の回転軸線O(図5参照)と同軸となり、この状態において、各チャック部材10、11、12は鋼管杭Pの上端開口部から挿入可能となる。
また、この位置の偏心チャック部材12に対して、チャック軸13を相対的に180度回動させた位置では、偏心軸部16の偏心の向きは、偏心チャック部材12の偏心の向きと一致するため、両者の偏心量は加算されてこれらの2倍となり、最大偏心量となる。
したがって、鋼管杭P内にこれらの各チャック部材10、11、12を挿入した状態で、図1に示す回転駆動軸7を駆動し、これに自在継手8を介して連結されたチャック軸13を正逆何れかの向きに回転させると、上下2つのチャック部材10、12に対して偏心チャック部材12の外周面の相対的な偏心量e(図5参照)が増加して、各チャック部材10、11、12は、鋼管杭Pの内周面に押し付けられ、回転駆動軸7の回転トルクが鋼管杭Pに伝達される。
なお、図6に示すように、偏心チャック部材12の外周面の偏心方向外側寄りの部分に複数の縦溝12cを刻設することによって、鋼管杭Pの内周面に対する偏心チャック部材12の外周面の滑りを効果的に防止することができる。
次に、本発明のチャック補助具1の構造について詳細に説明する。図7は、チャック補助具1の斜視図、図8は、図7の反対側から見たチャック補助具1の斜視図、図9は、チャック補助具1の分解斜視図(一部の部品を省略)である。
これらの図に示すように、チャック補助具1は、図2に示す鋼管杭Pの上端部外周面に適合する内径を有し、直径方向に分割された一対の半割円筒部24、25からなる、中空円筒体26を備えている。
これらの半割円筒部24、25どうしは、図7に示すように、中空円筒体26の分割位置における、直径方向の一方の端側の外周面に配置されたヒンジ機構27によって、中空円筒体26の中心軸線と平行な軸線周りに開閉可能に連結されている。
前記ヒンジ機構27は、これらの半割円筒部24、25の円周方向の一側で対向する端面近傍のそれぞれの外周面に、上下方向(中心軸線方向)に所定間隔で取り付けられた4組のヒンジブラケット28、29と、これらのヒンジブラケット28、29を上下方向に貫通するヒンジ軸30から構成されている。
なお、本実施形態のものにおいては、ヒンジ軸30の抜け落ちを阻止するため、その上端部に、最上部のヒンジブラケット29の上面に係合する大径部30aを形成してある。また図示していないが、これらのヒンジブラケット28、29の上方へのヒンジ軸30の抜け出しは、最下部のヒンジブラケット29から下方に突出させたヒンジ軸30の軸端部の周囲に環状溝を形成してそこに止輪を装着したり、前記軸端部の直径方向に割ピンを貫通させる等の適宜手段によって阻止してある。
また、図8に示すように、中空円筒体26の分割位置における直径方向の反対側の外周面には、半割円筒部24、25どうしを前記ヒンジ軸30回りに開かないように保持しておく鎖錠機構31が設けられている。
前記鎖錠機構31は、一方の半割円筒部24の外周面に、上下方向に複数並べて固定された、鉤状保持片32(第1の鉤状保持片)と、他方の半割円筒部25の外周面に、上下方向に複数並べて固定された鉤状保持片33(第2の鉤状保持片)と、これらの2組の鉤状保持片32、33どうしを結合する閂部材34から構成されている。
図9に示すように、それぞれの鉤状保持片32は、半割円筒部24のヒンジブラケット28が固定されている側とは反対側の円周方向の端面近傍の外周面に、一端が片持ち状態で固定され、その自由端側は、当該端面を越えて円周方向に突出しており、内側に平面視コ字状の切欠部32aが形成されている。
切欠部32aは、図3に示すように、二つの半割円筒部24、25の外周面に跨って設けられ、これらの外周面との間に閂部材34を保持している。また、鉤状保持片32の自由端側の切欠部32aの内面は、閂部材34が当接してこの閂部材34から押圧力を受ける、閂部材当接面32bとなっている。
一方、鉤状保持片33は図9に示すように、半割円筒部25のヒンジブラケット29が固定されている側とは反対側の円周方向の端面近傍の外周面に、一端が片持ち状態で固定され、その自由端側は、当該端面を越えて円周方向に突出しており、前述した半割円筒部24側に設けられている鉤状保持片32と同様に、内側に設けられた平面視コ字状の切欠部33aを有している。
切欠部33aは前記切欠部32aと同様に、二つの半割円筒部24、25の外周面に跨って設けられ、これらの外周面との間に前記閂部材34を保持している。また、鉤状保持片33の自由端側の切欠部33aの内面は、閂部材34が当接してこの閂部材34から押圧力を受ける、閂部材当接面33bとなっている。
図10に示すように、閂部材34の一方の縁には、上方に向けて外側に傾斜する楔面34aと、垂直な側面34bとが交互に配列されている。また同様に、当該閂部材34の他方の縁には、上方に向けて外側に傾斜する楔面34cと、垂直な側面34dとが交互に配列されている。
また、閂部材34の一方の縁に配列されている各々の楔面34aと、他方の縁に配列されている各々の楔面34cとは上下方向に互い違いになっており、一方の縁の各々の楔面34aは、他方の縁の各々の側面34dと対応する位置に配置され、また、前記他方の縁の各々の楔面34cは、前記一方の縁の各々の側面34bと対応する位置になるように配置されている。
なお、閂部材34は、図9に示すように2つの半割円筒部24、25を分離した状態で、それぞれの鉤状保持片32の切欠部32aと、鉤状保持片33の切欠部33aの中に嵌入した後、ヒンジ軸30でこれらの半割円筒部24、25どうしを連結することで図8に示す状態に組み付けることができる。
図11に示すように、閂部材34の一方の縁に配列されている楔面34aは、当該閂部材34の自重によって、一方の半割円筒部24側に固定されているそれぞれの鉤状保持片32の閂部材当接面32bと当接し、これらの鉤状保持片32を同図の右向きに押圧している。
一方、閂部材34の長手方向の他方の縁に配列されている楔面34cは、他方の半割円筒部25側に固定されているそれぞれの鉤状保持片33の閂部材当接面33bと当接し、これらの鉤状保持片33を同図左向きに押圧している。
したがって、2つの半割円筒部24、25間の閂部材34側で円周方向に当接する端面間には、これらを常に閉じる向きに付勢する、図11中に白抜きの矢印で示す力が作用している。
なお、閂部材34のそれぞれの楔面34a、34cの傾斜角度は、これらが当接する閂部材当接面32b、33bとの間の静止摩擦角よりも小さく設定しておくことで、半割円筒部24、25に開く向きの外力が作用しても、これらを開かないように保持しておくことができる。
また、閂部材34は、その上端に設けられている把手34eを持って引き上げるか、孔34fに連結したワイヤロープ等を介して引き上げて、これらの楔面34a、34cとそれぞれが対向する閂部材当接面32b、33bとの間に隙間を空けることにより、前記隙間分を限度として、半割円筒部24、25どうしをヒンジ軸30回りに少しだけ開くことができる。
図8乃至図10に示されているように、それぞれの半割円筒部24、25の上端面の周方向中間位置にはストッパ片35がそれぞれ固定されている。前記それぞれのストッパ片35は、これらの半割円筒部24、25で構成される中空円筒体26の上端面から、図2に示す鋼管杭Pの上端面に係合可能な必要長だけ、直径方向内側に突出して設けられている。
また、半割円筒部24、25のそれぞれのストッパ片35下方の外周面には、図1に示す回転圧入装置2のチャック装置9等の回転部分から図示しないワイヤで吊り下げるためのワイヤ取付孔36aを有する吊り耳36が取り付けられている。
以下、前述したチャック補助具1の使用方法について説明する。図1に示す回転圧入装置2を用いて鋼管杭Pを打設する際には、当該回転圧入装置2の回転駆動軸7に設けた図示しない連結部と前述した一対の吊り耳36間をワイヤで連結してチャック補助具1を回転駆動軸7から吊り下げ、地面に直立させた鋼管杭Pの真上に移動させて、図2に示すように、鋼管杭Pの上端部外周面に、チャック補助具1の中空円筒体26を装着する。
なお、本実施形態のものにおいては、中空円筒体26の内径は、鋼管杭Pの外径よりも僅かに大きく製作されていて、チャック補助具1を下降させることにより、鋼管杭Pの上端部は中空円筒体26の内側へ円滑に挿入され、中空円筒体26はその上端面両側に取り付けられている一対のストッパ片35が鋼管杭Pの上端面と当接して鋼管杭Pの上端部に位置決めされる。
なお、鋼管杭Pの上端部にゆがみ等があって、中空円筒体26を閉じたまま嵌装することが困難である場合には、閂部材34を引き上げて当該中空円筒体26を構成している2つの半割円筒部24、25どうしが僅かに開かれた状態にして鋼管杭Pの上端部に装着すればよい。
その後、図1に示す回転圧入装置2の駆動ヘッド6を下降させて、チャック装置9の3つのチャック部材10、11、12を鋼管杭Pの上端部内側に挿入する。
この際、鋼管杭P内への挿入時に、偏心チャック部材12の外周面が上下2つのチャック部材10、11の外周面に対して偏心して側方へ突出していると、鋼管杭Pの上端面と干渉するため、図5に示す、チャック部材10、11の中心軸線(チャック軸13の回転軸線)Oに対して偏心チャック部材12の偏心量eが0になるように、チャック軸13を回動して調整する。
なお、偏心チャック部材12の外周面の下端部分には、鋼管杭P内への挿入を容易にするために、下側チャック部材11と同様に下方に向けて外径が縮小するテーパ面を形成してもよい。
次に回転駆動軸7を駆動してこれに連結されているチャック軸13を正転方向(鋼管杭Pを掘進する回転方向)に回転すると、図5に示す偏心チャック部材12の外周面の回転軸線Oに対する偏心量eが増加して、上下のチャック部材10、11と偏心チャック部材12はそれぞれ直径方向で反対側の鋼管杭Pの内周面に押し付けられ、鋼管杭Pが回転駆動される。
このとき、それぞれのチャック部材10、11、12はチャック軸13に対して個別に回動することができるため、円滑且つ確実なチャック動作を行うことができるとともに、把持動作の開始時に、これらのチャック部材10、11、12の外周面と鋼管杭Pの内周面との間に生じる滑りがほとんど無いため、チャック部材の偏摩耗を低減することができる。
また、鋼管杭Pが、内側から作用するこれらのチャック部材10、11、12の押圧力のよって外側に僅かな変形を生じると、その外周面はこれを包囲しているチャック補助具1の中空円筒体26の内周面に当接し、鋼管杭Pのそれ以上の変形は規制される。
そして、鋼管杭Pの外周面が中空円筒体26の内周面に当接した後は、それぞれのチャック部材10、11、12の押圧力は、鋼管杭Pの管壁を介して中空円筒体26の内周面が受けるため大きな把持力を発生することができる。その結果、これらのチャック部材10、11、12と鋼管杭Pの内周面間の滑りが防止されるため、鋼管杭Pへ伝達可能なトルクを大きくすることができる。
こうして、鋼管杭Pを所定深さまで地中に打設した後、回転駆動軸7を僅かに逆転させると、図5に示す偏心量eは減少するので、これらのチャック部材10、11、12を鋼管杭Pの上方へ抜き出すことができる。
この際、それぞれのチャック部材10、11、12は、鋼管杭Pとともに回転を停止した状態で、チャック軸13のみ前記偏心量eを減少する向きに回転させることができるので、鋼管杭Pからチャック装置9を容易に分離することができる。
なお、鋼管杭Pの外周面がチャック補助具1の中空円筒体26の内周面に密着したときの鋼管杭Pの半径方向外側への変形量が弾性変形の範囲内であれば、これらのチャック部材10、11、12の把持を開放すると同時に、鋼管杭Pの外径はもとのサイズに弾性復元するため、チャック補助具1は中空円筒体26を閉じたまま鋼管杭Pの上方に引き抜いて取り外すことが可能である。
しかしながら、鋼管杭Pの上端部が変形して中空円筒体26からの抜き出しが困難な場合には、閂部材34を上方に引き上げて、2つの半割円筒部24、25の保持状態を開放することにより、チャック補助具1を鋼管杭Pから簡単に取り外すことができる。
なお、前述した実施形態のものにおいては、2つの半割円筒部24、25どうしを閉じた状態に保持する開放可能な鎖錠機構31を、2組の鉤状保持片32、33と閂部材34によって構成しているが、鎖錠機構はこれに限定するものではなく、2つの半割円筒部の円周方向に対向する端面どうしを開かないように結合するとともに、必要に応じて開放できる構造であればよい。
次に、図12は、本発明のチャック補助具の第2の実施形態を示す斜視図、図13は、その縦断面図であって、これらの図に示すチャック補助具1’は、チャック軸13’に回動可能に取り付けた回動連結部材37の下面に中空円筒体26’の上端を連結して、チャック装置9’と一体化したものである。なお、これらの図に示すチャック補助具1’において、先に説明したチャック補助具1と共通の符号で示している箇所については、チャック補助具1と同一構造である。
本実施形態においては、図13に示すように、チャック装置9’のチャック軸13’に形成されている上側軸部15’は、前述した第1の実施形態におけるチャック軸9の上側軸部15よりも延長されており、当該上側軸部15’のスラスト受けメタル20より上方の部分に、円板状の回動連結部材37が回動可能に嵌装されている。
また、前記上側軸部15’の上方には、図5に示す鍔部14に代えて段差部14’が形成されており、その下面と前記回動連結部材37の上面との間にスラスト受けメタル38が組み込まれている。
図14は、チャック補助具1’を一部分解した斜視図、図15は回動連結部材37の平面図であって、これらの図に示すように、回動連結部材37は、その中心部に図13に示すチャック軸13’の上側軸部15’が貫通するチャック軸孔37aが形成されている。
また、前記チャック軸孔37aの周囲にはそれぞれ、長孔からなる3つの取付孔37b、37c、37dが形成されている。また、回動連結部材37の周縁部の、前記取付孔37bと直径方向に対向する位置には、図12に示すように閂部材34の上端部が係入する閂部材係入凹部37eが形成されている。
図16は、中空円筒体26’の平面図であって、同図及び図14に示すように、中空円筒体26’には一対の懸架ブラケット39、40が設けられている。これらの一方の懸架ブラケット39は、中空円筒体26’を構成している一方の半割円筒部24’の上端部外周面に、また、他方の懸架ブラケット40は、他方の半割円筒部25’の上端部外周面にそれぞれ設けられている。
なお、中空円筒体26’の外周面最上部で半割円筒部24’側に取り付けられているヒンジブラケット28の上端面と、これらの懸架ブラケット39、40の上端面はそれぞれ、当該中空円筒体26’の上端面と同一レベルの平坦面に仕上げられている。
これらの懸架ブラケット39、40にはそれぞれ、縦方向(中空円筒体26’の中心軸線と平行な方向)に貫通するねじ孔39a、40aが形成されている。これらのねじ孔39a、40aには、中空円筒体26’の各半割円筒部24’、25’をそれぞれ回動連結部材37の下面に連結するための懸架ボルト41、42が螺着される。
図16に示すように、2つの懸架ブラケット39、40の各ねじ孔39a、40aの中心位置と、ヒンジブラケット28’を貫通するヒンジ軸30’の中心位置は、当該中空円筒体26’の中心に対して同一円周上に配置され、且つ、これら3つの位置は、正三角形の各頂点となるように配置されている。
図13及び図14に示すように、ヒンジ軸30’は、座金43とガイドブッシュ44を大径部30’aの首下まで通して、前記ガイドブッシュ44を回動連結部材37の取付孔37b内に配置し、さらに、各ヒンジブラケット28、29を貫通して、最下部のヒンジブラケット29の下面からねじ部30’bが形成されている下端部を突出させ、この部分に座金45を通して抜け止め用のナット46を螺着してある。なお、図示していないが、前記ナット46は振動等で適正な螺合位置がずれないように、ヒンジ軸30’に対して回り止めされている。
前記取付孔37bは、回動連結部材37の直径方向に長く形成されており、その円周方向に対向する内面間の幅を、所定の遊びを持たせてガイドブッシュ44の外径に適合させてある。また、前記ガイドブッシュ44は、回動連結部材37の厚さを僅かに超える長さに形成されている。
また、座金43の外径は、前記取付孔37bの最小幅よりも大きく形成されているため、ガイドブッシュ44は、取付孔37B内に拘束されて、回動連結部材37に対してその直径方向に変位可能になっている。
また、懸架ボルト41には、座金48とガイドブッシュ49を装着し、このガイドブッシュ49を回動連結部材37の取付孔37c内に配置して、懸架ブラケット39のねじ孔39aに螺着してある。同様に、懸架ボルト42には、座金50とガイドブッシュ51を装着し、このガイドブッシュ51を取付孔37d内に配置して、懸架ブラケット40のねじ孔40aに螺着してある。
これらのガイドブッシュ49、51は、回動連結部材37の厚さを僅かに超える、前述のガイドブッシュ44と同一長さに形成されている。また、前記それぞれの取付孔37c、37dの内面間の幅は、所定の遊びを持たせて各ガイドブッシュ49、51の外径に適合させてある。
また、前記2つの取付孔37c、37dは、ヒンジ軸30’回りの2つの半割円筒部24’25’の開閉に伴う各ヒンジブラケット39、40のねじ孔39a、40aの位置の変位に対応させるために、図15に示すように、取付孔37bと閂部材係入凹部37eを通る回動連結部材37の直径方向に対して、左右対称に逆ハ字形に向いた長孔で形成されている。
また、前記2つの座金48、50の外径は、これらの取付孔37c、37dの最小幅よりも大きく形成されており、各ガイドブッシュ49、51は、取付孔37c、37d内にそれぞれ拘束されて、これらの長孔方向に回動連結部材37に対して変位可能になっている。
本実施形態のチャック補助具1’は、中空円筒体26’を構成している2つの半割円筒部24’25’がそれぞれ回動連結部材37を介してチャック軸13’と連結されているため、これらの半割円筒部24’、25’どうしをヒンジ軸30’回りに開閉可能で、且つチャック軸13’に対して回動可能に取り付けることができ、チャック補助具1’とチャック装置9’を一体化することができる。
以下に、前述したチャック補助具1’の使用方法について説明する。この実施形態におけるチャック補助具1’は、図13に示すようにチャック装置9’と一体になっているため、先に図1で説明した回転圧入装置2の回転駆動軸7にチャック補助具1’と一体化されたチャック装置9’取り付け、これを、地面に直立させた鋼管杭Pの真上に移動する。
次いで、駆動ヘッド6を下降させて、図13に示すように、チャック装置9’の3つのチャック部材10、11、12を鋼管杭Pの上端部内側に挿入する。このとき同時に、チャック補助具1’の中空円筒体26’が鋼管杭Pの上端部外周面に被嵌される。
なお、チャック装置9’は、鋼管杭P内への挿入時に、偏心チャック部材12の外周面が上下2つのチャック部材10、11の外周面に対して偏心して側方へ突出していると、鋼管杭Pの上端面と干渉するため、チャック部材10、11の中心軸線に対して偏心チャック部材12の偏心量が0になるようにその向きを予め調整しておく。
一対の3つのチャック部材10、11、12が鋼管杭Pの内側に完全に挿入されると、回動連結部材37の下面が鋼管杭Pの上端面に当接する。本実施形態のものにおいては回動連結部材37が、前述したチャック補助具1の中空円筒体26の上端面に設けられている一対のストッパ片35の役割を兼ねている。
次に、前記回転駆動軸7を駆動してこれに連結されているチャック軸13’を正転方向(鋼管杭Pを掘進する回転方向)に回転させると、回転開始時にチャック軸13’の回転軸線Oに対して、偏心チャック部材12の外周面の偏心量が増加して、上下のチャック部材10、11と偏心チャック部材12が協働して鋼管杭Pの内周面を把持し、鋼管杭Pにチャック軸13’の回転が伝達される。
この際、鋼管杭Pがチャック軸13’の回転に完全に追随するまでは、中空円筒体26’に連結されている回動連結部材37を残してチャック軸13’が回転するため、中空円筒体26’にチャック軸13’のトルクが負荷されることはない。
鋼管杭Pを所定深さまで地中に打設した後、回転駆動軸7を僅かに逆転させて鋼管杭Pからチャック部材10、11、12の把持を開放する。この際、回動連結部材3を残してチャック軸13’のみが逆転し、鋼管杭Pの上端外周面に装着されている中空円筒体26’にチャック軸13’から逆転トルクが負荷されることはない。
こうして鋼管杭Pの把持を開放した後、駆動ヘッド6を上昇させてチャック装置9’とともにチャック補助具1’を鋼管杭Pの上方に引き上げて、3つのチャック部材10、11、12を鋼管杭Pの内部から抜き取ると同時に、その外周面に装着されている中空円筒体26’を上方に抜き取る。
なお、先の実施形態で説明した場合と同様に、鋼管杭Pの上端部にゆがみ等があって、中空円筒体26’を閉じたまま嵌装したり抜き取ることが困難である場合には、閂部材34を引き上げて当該中空円筒体26’を構成している2つの半割円筒部24、25どうしが僅かに開かれた状態にしてから着脱を行えばよい。
ここで説明したチャック補助具1’においては、回動連結部材37を上側軸部15’に取り付けているが、本実施形態に限定するものではなく、回動連結部材37は少なくとも上側チャック部材10より上方位置でチャック軸13に対してその回転軸線回りに回動可能に支持されていればよい。
1、1’ チャック補助具
2 回転圧入装置
3 作業車
4 アーム
5 ガイド柱
6 駆動ヘッド
7 回転駆動軸
8 自在継手
9、9’ チャック装置
10 上側チャック部材
11 下側チャック部材
12 偏心チャック部材
10a、11a、12a 軸受メタル
10b、11b、12b グリスニップル
12c 縦溝
13、13’ チャック軸
14 鍔部
15、15’ 上側軸部
16 偏心軸部
17 下側軸部
17a ねじ穴
18 エンドピース
18a 凹部
18b ボルト孔
19 固定ボルト
20、21、22、23、38 スラスト受けメタル
24、24’、25、25’ 半割円筒部
26、26’ 中空円筒体
27 27’ ヒンジ機構
28、29 ヒンジブラケット
30、30’ ヒンジ軸
30a、30’a 大径部
30b ねじ部
31 鎖錠機構
32 鉤状保持片(第1の鉤状保持片)
32a 切欠部
32b 閂部材当接面
33 鉤状保持片(第2の鉤状保持片)
33a 切欠部
33b 閂部材当接面
34 閂部材
34a、34c 楔面
34b、34d 側面
34e 把手
34f 孔
35 ストッパ片
36 吊り耳
36a ワイヤ取付孔
37 回動連結部材
37a チャック軸孔
37b、37c、37d 取付孔
37e 閂部材係入凹部
39、40 懸架ブラケット
39a、40a ねじ孔
41、42 懸架ボルト
43、45、48、50 座金
44、49、51 ガイドブッシュ
46 ナット
P 鋼管杭
S スクリュー
GL 地表面

Claims (4)

  1. チャック軸の回転軸線と同軸に配置された、円筒状の上側チャック部材と下側チャック部材の間に、前記回転軸線に対して外周面の中心軸線の偏心量が可変な円筒状の偏心チャック部材を設けたチャック装置により、鋼管杭の上端部を把持して回転駆動する鋼管杭回転圧入装置に用いる鋼管杭のチャック補助具であって、
    鋼管杭の上端部外径に適合する内径を有して当該鋼管杭の上端部外周面に嵌装される、直径方向に分割された一対の半割円筒部からなる中空円筒体と、
    前記一対の半割円筒部どうしを、前記直径方向の一端側で当該中空円筒体の中心軸線と平行な軸線周りに開閉可能に連結するヒンジ機構と、
    前記直径方向の他端側で前記一対の半割円筒部の円周方向に対向する端面どうしを開かないように保持する開放可能な鎖錠機構を備え、
    前記チャック装置の把持力によって鋼管杭上端部に生じる変形を、前記中空円筒体の内周面で規制するようにしたことを特徴とする鋼管杭のチャック補助具。
  2. チャック装置の全てのチャック部材がチャック軸に対して個別に回動可能に装着されていることを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の鋼管杭のチャック補助具。
  3. チャック軸の少なくとも上側チャック部材より上方位置で、当該チャック軸の回転軸線回りに回動可能に取り付けられた回動連結部材を有し、当該回動連結部材にはそれぞれの半割円筒部が、半割円筒部どうし開閉可能に連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼管杭のチャック補助具。
  4. 鎖錠機構は、中空円筒体の外周面に、中心軸線方向に所定間隔で且つ分割位置を跨ぐように複数交互に配列され、前記外周面と対向する矩形状の切欠部をそれぞれ有する、第1の鉤状保持片及び第2の鉤状保持片と、これらの鉤状保持片の切欠部内を上下方向に貫通する閂部材とを備え、
    前記第1の鉤状保持片のそれぞれは、中空円筒体を構成する一方の半割円筒部に片持ち状態で固定されて、その切欠部の自由端側の内面は、前記閂部材の一方の縁に形成された上方に向けて当該自由端側に傾斜する楔面と当接する閂部材当接面として構成され、
    前記第2の鉤状保持片のそれぞれは、中空円筒体の他方の半割円筒部に片持ち状態で固定されて、その切欠部の自由端側の内面は、前記閂部材の他方の縁に形成された上方に向けて当該自由端側に傾斜する楔面と当接する閂部材当接面として構成され、
    閂部材の自重で当該閂部材の各楔面がそれぞれ対応する閂部材当接面と摩擦係合することにより、一対の半割円筒部の円周方向に対向する端面どうしが開かないように保持され、前記閂部材をこれらの鉤状保持片に対して上方に引き上げることにより、保持状態が開放されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の鋼管杭のチャック補助具。
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