JP2016092565A - 回路装置及び電子機器 - Google Patents

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清秀 友原
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Abstract

【課題】回路規模の増大を抑制しつつ、ノイズによる誤動作を低減することができる回路装置及び電子機器等の提供。【解決手段】回路装置100は、ハイサイド側のトランジスターとローサイド側のトランジスターとを有するブリッジ回路210と、ハイサイド側のトランジスター及びローサイド側のトランジスターのオン・オフ制御を行って、ブリッジ回路210を流れる電流を増加させるチャージ期間と、電流を減少させるディケイ期間とを切り替える制御部240と、アナログ信号に基づいて、制御部240に入力される入力信号FBSWを生成する信号生成部110と、チャージ期間とディケイ期間とが切り替わる時のアナログ信号のノイズ幅に対応する遅延時間情報を記憶する記憶部120と、遅延時間情報に基づいて、入力信号に対してノイズキャンセルを行うノイズキャンセル回路130を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、回路装置及び電子機器等に関係する。
プリンターは、複数のモーターを制御して紙送りやヘッド送り等を行っている。例えば
紙送りを想定した場合には、モーターによって紙が移動し、位置検出センサー(エンコー
ダー)によって、その位置情報がモーターの制御部にフィードバックされる。そして、フ
ィードバックされた情報に基づいて、モーターが制御される。
この際には、制御部がモーター制御用の信号を生成してモーターを制御するが、例えば
ノイズ等の原因により、制御部に誤ってリセット信号が入力されてしまう場合がある。制
御部に誤ってリセット信号が入力された場合には、制御部がモーター制御用の信号を正し
く生成することができなくなり、モーターを正常に制御することができない。
そのため、従来は、ICの内部で基板電位を十分にとったり、ショート電流を低減する
ためにプリドライバーのon−offタイミングにデッドタイムを設けたりといった対策
が取られていた。また、電圧低下検出回路及びその出力を受ける回路等のノイズに敏感な
部分を、ノイズ発生源からできるだけ遠ざけたり、ガードリングで囲んだりする等して、
ノイズの影響を受けにくくしていた。
他にも、これらのノイズ除去に関する発明としては特許文献1や特許文献2に記載され
る従来技術がある。例えば、特許文献1では、ディレイ回路にインバーターを用いたもの
とシフトレジスターを用いたものを両方有したノイズキャンセル回路が開示されている。
これは、使用条件によって異なるノイズ特性に対するものである。また、特許文献2では
、ノイズキャンセル回路を2段直列接続の構成にした発明が開示されている。
特開2011−66547号公報 特開2009−55470号公報
従来技術では、ノイズが発生しにくくなる回路構成を採用していたが、実際にノイズが
発生してしまった場合には、対応できずにモーターの制御部及びモーターが誤動作してし
まっていた。
また、従来技術では、ノイズ発生源とノイズに敏感な部分との間の距離を大きくとった
り、ガードリングでノイズ発生源を囲んだりして回路が占める面積を大きくしていたが、
効果が小さく、効果とコストとの兼ね合いで距離や面積を大きくするのにも限界があった
本発明の幾つかの態様によれば、回路規模の増大を抑制しつつ、ノイズによる誤動作を
低減できる回路装置及び電子機器等を提供することができる。
本発明の一態様は、ハイサイド側のトランジスターとローサイド側のトランジスターと
を有するブリッジ回路と、前記ハイサイド側のトランジスター及び前記ローサイド側のト
ランジスターのオン・オフ制御を行って、前記ブリッジ回路を流れる電流を増加させるチ
ャージ期間と、前記電流を減少させるディケイ期間とを切り替える制御部と、アナログ信
号に基づいて、前記制御部に入力される入力信号を生成する信号生成部と、前記チャージ
期間と前記ディケイ期間とが切り替わる時の前記アナログ信号のノイズ幅に対応する遅延
時間情報を記憶する記憶部と、前記遅延時間情報に基づいて、前記入力信号に対してノイ
ズキャンセルを行うノイズキャンセル回路と、を含む回路装置に関係する。
本発明の一態様では、ノイズキャンセル回路を有し、ノイズキャンセル回路が、チャー
ジ期間とディケイ期間とが切り替わる時のアナログ信号のノイズ幅に対応する遅延時間情
報に基づいて、制御部に入力されるデジタルの入力信号に対してノイズキャンセルを行う
。よって、回路規模の増大を抑制しつつ、ノイズによる誤動作を低減することが可能とな
る。
また、本発明の一態様は、前記チャージ期間と前記ディケイ期間とが切り替わる時の前
記ノイズ幅を検出するノイズ検出回路を含んでいてもよい。
これにより、モード切替時に発生するノイズをキャンセル可能なように、ノイズキャン
セル回路にディレイ値を設定すること等が可能になる。
また、本発明の一態様は、電源投入時に前記アナログ信号の前記ノイズ幅を検出するノ
イズ検出回路を含んでいてもよい。
これにより、電源投入時に発生するノイズをキャンセル可能なように、ノイズキャンセ
ル回路にディレイ値を設定すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記記憶部は、第1の遅延時間情報と第2の遅延時間情報
とを記憶し、前記ノイズキャンセル回路は、前記ノイズ幅の検出前には、前記第2の遅延
時間情報に基づいて、前記ノイズキャンセルを行い、前記ノイズ幅の検出後には、前記第
1の遅延時間情報に基づいて、前記ノイズキャンセルを行ってもよい。
これにより、いたずらに長いディレイ値を設定する必要がなくなり、正常に出力された
信号の検出を早めること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記第1の遅延時間情報は、前記ノイズ幅に対応する前記
遅延時間情報であってもよい。
これにより、ノイズ幅の検出後に、ノイズ幅に対応する遅延時間情報に基づいて、ディ
レイ値を設定すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記第2の遅延時間情報は、前記ノイズキャンセル回路に
設定可能な遅延時間の最大値に対応する前記遅延時間情報であってもよい。
これにより、ノイズ幅の検出前には、設定可能な最大のディレイ値を設定して、正しい
ノイズ幅を検出可能にすること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記入力信号は、前記制御部に入力されるデジタルのリセ
ット信号であってもよい。
これにより、制御部の駆動をリセット(非アクティブ状態に)又はアクティブ状態にす
ること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記アナログ信号は、前記制御部に入力される電圧の低下
を検出する電圧低下検出回路の出力信号であってもよい。
これにより、信号生成部が、アナログ信号に基づいて、制御部に入力される電圧が低下
したと判断した場合に、制御部に対してリセット信号を出力すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記信号生成部は、コンパレーターを含み、前記コンパレ
ーターは、第1入力端子に入力される前記アナログ信号の電圧と、第2入力端子に入力さ
れる基準電圧とを比較して、前記入力信号を出力してもよい。
これにより、信号生成部は、第1入力端子に入力されるアナログ信号の電圧が、第2入
力端子に入力される基準電圧よりも小さい時に、制御部の駆動をリセット(非アクティブ
状態に)する非アクティブレベルの入力信号を出力すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記ノイズキャンセル回路は、直列に接続されたN個(N
は2以上の整数)のシフトレジスター回路と、NAND回路と、OR回路と、フリップフ
ロップ回路と、を有し、前記N個のシフトレジスター回路のうちの第1シフトレジスター
回路は、入力される前記入力信号と、クロック信号と、外部リセット信号とに基づいて、
前記入力信号をシフトした第1シフト出力信号を出力し、前記N個のシフトレジスター回
路のうちの第i(iは、2≦i≦Nの整数)シフトレジスター回路は、入力される第(i
−1)シフトレジスター回路からの第(i−1)シフト出力信号と、前記クロック信号と
、前記外部リセット信号とに基づいて、前記第(i−1)シフト出力信号をシフトした第
iシフト出力信号を出力し、前記NAND回路は、入力される前記入力信号と、前記第1
シフト出力信号〜第Nシフト出力信号とに基づいて、NAND信号を出力し、前記OR回
路は、入力される前記入力信号と、前記第1シフト出力信号〜第Nシフト出力信号とに基
づいて、OR信号を出力し、前記フリップフロップ回路は、入力される前記NAND信号
と、前記OR信号とに基づいて、前記制御部のリセット信号を出力してもよい。
これにより、シフトレジスター回路の数よりも短いクロック数に対応するノイズ幅のノ
イズをキャンセルすること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記ノイズキャンセル回路は、検出された前記ノイズ幅に
基づいて、前記N個のシフトレジスター回路によるN個のシフト出力信号のうち、前記フ
リップフロップ回路に出力する前記NAND信号及び前記OR信号を決定するために使用
するシフト出力信号を選択してもよい。
これにより、発生し得るノイズをキャンセルすることができ、かつノイズが乗っていな
い信号の検出遅れを抑制すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記ノイズキャンセル回路は、直列に接続されたN個(N
は2以上の整数)のシフトレジスター回路と、N個のNAND回路と、N個のOR回路と
、第1セレクター部と、第2セレクター部と、フリップフロップ回路と、を有し、前記N
個のシフトレジスター回路のうちの第1シフトレジスター回路は、入力される前記入力信
号と、クロック信号と、外部リセット信号とに基づいて、前記入力信号をシフトした第1
シフト出力信号を出力し、前記N個のシフトレジスター回路のうちの第k(kは、2≦k
≦Nの整数)シフトレジスター回路は、入力される第(k−1)シフトレジスター回路か
らの第(k−1)シフト出力信号と、前記クロック信号と、前記外部リセット信号とに基
づいて、前記第(k−1)シフト出力信号をシフトした第kシフト出力信号を出力し、前
記N個のNAND回路のうちの第1のNAND回路は、入力される前記入力信号と前記第
1シフト出力信号とに基づいて、第1のNAND信号を前記第1セレクター部に出力し、
前記N個のNAND回路のうちの第kのNAND回路は、入力される前記入力信号と、前
記第1シフト出力信号〜第kシフト出力信号とに基づいて、第kのNAND信号を前記第
1セレクター部に出力し、前記N個のOR回路のうちの第1のOR回路は、入力される前
記入力信号と前記第1シフト出力信号とに基づいて、第1のOR信号を前記第2セレクタ
ー部に出力し、前記N個のOR回路のうちの第kのOR回路は、入力される前記入力信号
と、前記第1シフト出力信号〜第kシフト出力信号とに基づいて、第kのOR信号を前記
第2セレクター部に出力し、前記第1セレクター部は、検出された前記ノイズ幅に基づい
て、入力された前記第1のNAND信号〜第NのNAND信号の中からいずれか1つのN
AND信号を選択して、前記フリップフロップ回路に出力し、前記第2セレクター部は、
検出された前記ノイズ幅に基づいて、入力された前記第1のOR信号〜第NのOR信号の
中からいずれか1つのOR信号を選択して、前記フリップフロップ回路に出力し、前記フ
リップフロップ回路は、入力される前記NAND信号と、前記OR信号とに基づいて、前
記制御部のリセット信号を出力してもよい。
これにより、複数のシフトレジスター回路のうち、使用するシフトレジスター回路をノ
イズ幅に応じて選択すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記ノイズキャンセル回路は、直列に接続されるM個(M
は2以上の整数)のキャンセルブロックと、デコーダー部と、セレクター部と、を有し、
前記M個のキャンセルブロックのうちの第1キャンセルブロックは、入力された前記入力
信号に基づいて、第1ディレイ信号を出力する第1ディレイ回路と、入力された前記入力
信号と前記第1ディレイ信号に基づいて、第1のNAND信号を出力する第1のNAND
回路と、を有し、前記M個のキャンセルブロックのうちの第j(jは、2≦j≦Mの整数
)キャンセルブロックは、入力された前記第(j−1)ディレイ信号に基づいて、第jデ
ィレイ信号を出力する第jディレイ回路と、入力された前記入力信号と前記第jディレイ
信号に基づいて、第jのNAND信号を出力する第jのNAND回路と、を有し、前記デ
コーダー部は、入力された前記第1のNAND信号〜前記第MのNAND信号に基づいて
、デコード信号を出力し、前記セレクター部は、入力された前記第1のNAND信号〜前
記第MのNAND信号と、前記デコード信号に基づいて、前記制御部のリセット信号を出
力してもよい。
これにより、適切なディレイ値を設定して、ノイズをキャンセルすること等が可能にな
る。
本発明の他の態様は、前記回路装置を含む電子機器に関係する。
本実施形態のシステム構成例。 図2(A)、図2(B)は、ノイズキャンセル回路の接続位置の説明図。 本実施形態の詳細なシステム構成例。 図4(A)〜図4(C)は、チャージ期間及びディケイ期間の説明図。 チャージとディケイの繰り返し動作を説明するタイミングチャート。 モード切替時の詳細な動作を説明するタイミングチャート。 モード切替時のノイズ発生タイミングの説明図。 2段のシフトレジスター回路を有するノイズキャンセル回路の構成例。 ノイズキャンセル時の詳細な動作を説明するタイミングチャート。 フリップフロップ回路の真理値表の説明図。 8段のシフトレジスター回路を有するノイズキャンセル回路の構成例。 アナログのノイズキャンセル回路の構成例。 ディレイ値を調整可能なノイズキャンセル回路の構成例。 電圧の検出回路による検定タイミングとノイズの関係の説明図。 ディレイ値を調整可能なノイズキャンセル回路の構成例。 図16(A)〜図16(D)は、ノイズキャンセルのシミュレーション結果の説明図。 電子機器の構成例。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下で説明する本実施形態は、特許請求の
範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明
される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.概要
前述したように、プリンター等のモーターを用いる機器では、制御部(モータードライ
バー用IC)がモーター制御用の信号を生成してモーターを制御する。しかし、この際に
、例えばノイズ等の原因により、制御部に誤ってリセット信号が入力されてしまうと、制
御部がモーターを正常に制御することができないという問題があった。
そこで、本実施形態では、例えば電圧低下検出回路の出力に含まれるノイズが原因で制
御部が誤動作する不具合等に対し、電圧低下検出回路とその出力を受け入れる回路の間に
ノイズキャンセル回路を挿入して誤動作を防止する。
具体的に、本実施形態の回路装置100の構成例を図1に示す。本実施形態の回路装置
100は、ハイサイド側のトランジスターとローサイド側のトランジスターとを有するブ
リッジ回路210と、ハイサイド側のトランジスター及びローサイド側のトランジスター
のオン・オフ制御を行って、ブリッジ回路210を流れる電流を増加させるチャージ期間
と、電流を減少させるディケイ期間とを切り替える制御部240と、アナログ信号に基づ
いて、制御部240に入力されるデジタルの入力信号を生成する信号生成部110と、チ
ャージ期間とディケイ期間とが切り替わる時のアナログ信号のノイズ幅に対応する遅延時
間情報を記憶する記憶部120と、遅延時間情報に基づいて、入力信号に対してノイズキ
ャンセルを行うノイズキャンセル回路130と、を含む。
例えば、回路装置100は、図1に示すように、モーター280を駆動させる回路(モ
ータードライバー)であり、ブリッジ回路210を流れる電流により、モーター280を
駆動させる。ただし、回路装置100は、図1の構成に限定されず、これらの一部の構成
要素を省略したり、他の構成要素を追加したりするなどの種々の変形実施が可能である。
本実施形態では、例えば不図示の電圧低下検出回路が信号生成部110に接続されてお
り、電圧低下検出回路からの出力信号(アナログ信号)に基づいて、信号生成部110が
、制御部240の動作をリセットさせるリセット信号(入力信号)を出力する。より具体
的には、電圧低下検出回路の出力信号が電圧低下を示していれば、制御部240の動作を
リセット(非アクティブ状態に)するH(High)レベルのリセット信号を出力し、電圧低
下検出回路の出力信号が電圧低下していないことを示していれば、制御部240の動作を
アクティブにするL(Low)レベルのリセット信号を出力する。この際に、電圧低下検出
回路からの出力信号(アナログ信号)に含まれるノイズに対してなんら対策を施していな
いと、ノイズが原因で出力信号が電圧低下を示していると誤って判断される場合に、信号
生成部110がHレベルのリセット信号を出力して、制御部240の動作を誤ってリセッ
トしてしまうことがある。
他の回路装置では、図2(A)に示すように、信号生成部と制御部(制御部内のフリッ
プフロップ回路FF)の間にノイズキャンセル回路を有していないが、本実施形態の回路
装置100は、図2(B)に示すように、信号生成部110と制御部240(制御部内の
フリップフロップ回路FF)の間にノイズキャンセル回路130を有する。
本実施形態のように回路装置100が、信号生成部110と制御部240の間にノイズ
キャンセル回路130を有する場合には、ノイズキャンセル回路130が入力信号に含ま
れるノイズを検出するためにかかるディレイ時間分だけ、ブリッジ回路210を流れる電
流を検出する(後述する図3に記載の)検出回路220の動作開始時間が遅れることにな
る。そこで、本実施形態では、ノイズキャンセル回路130で用いるディレイ値を実際の
ノイズ幅に対応する期間に対応した値にすることで、検出回路220における電流検出の
開始タイミングを可能な限り早める。
具体的には、回路装置100がノイズ検出回路140をさらに有しており、ノイズ検出
回路140が、電源投入後最初のチャージ期間とディケイ期間の切替タイミングにおける
ノイズ幅を検出して、電源投入後最初の切替時のノイズ幅に対応したディレイ値を選択す
る。具体的に、ディレイ値の選択はディレイ回路(シフトレジスター回路)を複数直列に
接続し、その接続点でのノイズの有無を検定することによって行う。そして、最適なディ
レイ値の設定データを記憶部120(レジスター)に保存し、以降、ノイズキャンセル回
路130は、記憶したディレイ値の設定データに基づいて入力信号を出力する。これによ
り、電流検出の開始タイミングを可能な限り早めることができる。
このように本実施形態では、ノイズが発生しにくくするだけでなく、ノイズが発生した
場合であっても、ノイズをキャンセルすることができる。またこの際に、ノイズに影響を
受けやすい部分とノイズ発生源と間の距離を大きくしたり、ガードリングで囲んだりする
必要もないため、回路規模の増大を抑制できる。
よって、本実施形態によれば、回路規模の増大を抑制しつつ、ノイズによる誤動作を低
減することが可能となる。つまり、制御部240に入力される入力信号のノイズをキャン
セルすることができる。その結果、入力信号が入力される制御部240の誤動作を防止で
きる。また、ディレイ値を設定することにより、最適で確実なノイズキャンセルができ、
制御部240の安定した動作を維持することが出来る。さらに、後述するプリドライバー
260のon−offタイミングにデッドタイムを設ける必要もないので、モーター制御
の即応性も向上することができる。
また、前述したように、特許文献1には、ディレイ回路にインバーターを用いたものと
シフトレジスターを用いたものを両方有したノイズキャンセル回路が開示されている。こ
れは、使用条件によって異なるノイズ特性にたいするものであるが、2種類のディレイ回
路が補い合うようになっており、本実施形態のようにノイズ幅自体でディレイ値を調整す
るものではない。また前述した特許文献2には、ノイズキャンセル回路130を2段直列
接続構成にした発明が開示されている。これも本実施形態とは異なり、キャンセル回路の
ディレイ値をノイズ幅によって調整するものではない。
2.システム構成例
次に、図3に本実施形態の回路装置100の詳細な構成例を示す。本実施形態の回路装
置100は、モーター280(例えば、直流モーター、ステッピングモーター)に駆動電
流を供給するブリッジ回路210と、ブリッジ回路210にPWM信号を出力する制御部
240と、PWM信号をバッファリングするプリドライバー260と、チャージ電流を検
出する検出回路220と、クロック生成回路270と、レジスター部250と、前述した
信号生成部110と、記憶部120と、ノイズキャンセル回路130と、ノイズ検出回路
140と、を含む。ただし、回路装置100は、図3の構成に限定されず、これらの一部
の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したりするなどの種々の変形実施が可能で
ある。
回路装置100は、例えばICチップ(集積回路装置)で構成されており、回路装置1
00の端子は、ICチップのパッケージの端子或いはシリコン基板上のパッドに相当する
。そして、回路装置100を構成するICチップは、プリント基板に実装されている。ま
た、センス抵抗290は回路部品としてプリント基板に実装されている。
ブリッジ回路210は、ハイサイド側のトランジスターTR1、TR2と、ローサイド
側のトランジスターTR3、TR4と、を含む。トランジスターTR1〜TR4は、Hブ
リッジに構成されたCMOSトランジスターである。ハイサイド側のトランジスターTR
1、TR2は、例えばP型トランジスターであり、ローサイド側のトランジスターTR3
、TR4よりも高電位電源側に接続される。ローサイド側のトランジスターTR3、TR
4は、例えばN型トランジスターであり、ハイサイド側のトランジスターTR1、TR2
よりも低電位電源側に接続される。
具体的には、ハイサイド側のトランジスターTR1、TR2のソースノードは電源電圧
VCCのノードに接続され、ローサイド側のトランジスターTR3、TR4のソースノー
ドは、端子RNFに接続されたノードN1に接続される。端子RNFには、センス抵抗2
90の一端が接続される。センス抵抗290の他端はグランド電圧のノードに接続される
。トランジスターTR1、TR3のドレインノードは、モーター280の一端が接続され
た端子OUT1に接続される。トランジスターTR2、TR4のドレインノードは、モー
ター280の他端が接続された端子OUT2に接続される。
なお、トランジスターTR1〜TR4は、CMOS構造により構成される寄生ダイオー
ドD1〜D4を含み、それらはトランジスターTR1〜TR4に並列に接続される。
ここで、トランジスターTR1〜TR4は全てN型のCMOSトランジスターで構成し
てもよい。あるいは、トランジスターTR1〜TR4はバイポーラトランジスターで構成
してもよい。この場合、ダイオードD1〜D4は寄生ダイオードでなく、回路素子である
また、制御部240は、PWM信号として駆動信号S1〜S4を生成する駆動信号生成
部241を含む。
そして、検出回路220は、入力電圧Vrefに基づいて、基準電圧VRを生成して出
力するD/A変換回路(D/A変換器)222と、基準電圧VRとセンス抵抗290の一
端の電圧VSとを比較するコンパレーター221と、を含む。ここで、基準電圧VRは、
D/A変換回路222の出力電圧であり、電圧VSは、ブリッジ回路210に流れる電流
に対応する検出電圧である。
コンパレーター221は、基準電圧VRとセンス抵抗290の一端の電圧VSとの比較
結果に基づいて、信号CQ1を出力する。信号CQ1は、アクティブレベルの時に、チャ
ージ期間からディケイ期間への切り替えを指示する信号である。
そして、駆動信号生成部241は、検出回路220を介して入力される信号CQ1に基
づいて、ブリッジ回路210を駆動させる駆動信号S1〜S4を生成する。一方、制御部
240には、ノイズキャンセル回路130から入力信号SW_UVLOが入力される。こ
の入力信号SW_UVLOは、駆動信号S1〜S4を生成するために直接用いる信号では
なく、制御部240内のフリップフロップ等の駆動状態をアクティブ状態にするか非アク
ティブ状態にするかを指示するリセット信号である。
本実施形態では、図2(B)に示すように、信号生成部110が、ノイズキャンセル前
の入力信号FBSWをノイズキャンセル回路130に出力し、ノイズキャンセル回路13
0がノイズキャンセル後の入力信号SW_UVLOを制御部240に出力する。そして、
制御部240は、入力信号SW_UVLOに基づいて非アクティブ状態に遷移した場合又
は非アクティブ状態を継続する場合には、駆動信号S1〜S4を生成せず、入力信号SW
_UVLOに基づいてアクティブ状態に遷移した場合又はアクティブ状態を継続する場合
には、信号CQ1に基づいて、駆動信号S1〜S4を生成する。
ここで、各種の信号について順を追って詳しく整理すると、まずアナログ信号(図3の
ana)は、例えば、制御部240に入力される電圧の低下を検出する(不図示の)電
圧低下検出回路の出力信号である。
制御部240(ロジック回路)の電源は、回路装置100の外部(又は内部でもよい)
に設けられた不図示の電源回路によって生成される。この電源の電圧が低下すると制御部
240が正常に動作しない可能性があり、その制御部240によって制御されるブリッジ
回路210が異常動作する(例えばモーター280の発熱等につながる)可能性がある。
そのため電圧低下検出回路を設け、電源電圧が低下した場合に制御部240をリセットで
きるようにしている。電圧低下検出回路は、制御部240の電源電圧に基づくアナログ電
圧(アナログ信号)Vanaを出力しており、例えば電源電圧が低下するとアナログ電圧
も低下するように構成されている。
これにより、信号生成部110が、アナログ信号Vanaに基づいて、制御部240に
入力される電圧が低下したと判断した場合に、制御部240に対してリセット信号(図3
のFBSW)を出力すること等が可能になる。ただし、アナログ信号はこれに限定されな
い。
具体的に、信号生成部110はコンパレーター111を含む。そして、コンパレーター
111は、第1入力端子(+端子)に入力されるアナログ信号の電圧Vanaと、第2入
力端子(−端子)に入力される基準電圧Vref2とを比較して、入力信号FBSWを出
力する。入力信号FBSWはノイズキャンセル回路130に入力される。
これにより、信号生成部110は、第1入力端子に入力されるアナログ信号の電圧V
naが、第2入力端子に入力される基準電圧Vref2よりも小さい時に、制御部240
の駆動をリセット(非アクティブ状態に)する非アクティブレベル(Lレベル)の入力信
号FBSWを出力すること等が可能になる。つまり、電圧低下検出回路が制御部240に
供給される電圧が低下したと判断した場合には、基準電圧Vred2よりも小さい電圧V
anaの信号を出力して、制御部240をリセットする。
また、アナログ信号の電圧Vanaが、基準電圧Vref2以上である時に、制御部2
40の駆動をアクティブ状態にするアクティブレベル(Hレベル)の入力信号FBSWを
出力すること等が可能になる。つまり、電圧低下検出回路が制御部240に供給される電
圧が安定していると判断した場合には、基準電圧Vred2以上の電圧Vanaの信号を
出力して、制御部240をアクティブ状態にする。
このように入力信号FBSWは、制御部240の駆動をリセット(非アクティブ状態に
)するリセット信号である。入力信号FBSWは、デジタル信号であるため、VDDかV
SSのいずれか一方の信号レベルをとる。
そして、入力信号SW_UVLOは、入力信号FBSWに対してノイズキャンセル回路
130がノイズキャンセル処理を行った後の信号である。入力信号SW_UVLOも、入
力信号FBSWと同様に、制御部240の駆動のリセットを指示するリセット信号である
と言え、実際に制御部240に入力されるリセット信号は、SW_UVLOの方である。
そして、この入力信号SW_UVLOを制御部240に入力することにより、前述した
ように、制御部240の駆動をリセット(非アクティブ状態に)又はアクティブ状態にす
ること等が可能になる。また、元のリセット信号(入力信号)FBSWにノイズが含まれ
ている場合でも、前述したように、ノイズキャンセル回路130によりノイズを除去(又
は抑圧)するため、制御部240が誤ってリセットされることを防止できる。
3.加速期間及び減速期間における処理の詳細
本実施形態のノイズキャンセル処理を説明する前に、図4(A)、図4(B)及び図5
を参照しながら、加速期間(チャージ期間)及び減速期間(ディケイ期間)における回路
装置100の動作を説明する。
チャージ期間TCでは、図4(A)に示すように、ブリッジ回路210のトランジスタ
ーTR1、TR4がオンになり、トランジスターTR2、TR3がオフになる。そして、
図4(A)に示すように、チャージ電流Idがブリッジ回路210に流れる。このとき
、モーター280を流れるチャージ電流Idは増加するため、図5に示すように、電圧
VSが上昇していく。コンパレーター221は、電圧VSが基準電圧VRに達したことを
検出して信号CQ1をアクティブにし、制御部240は、アクティブになった信号CQ1
を受けて、チャージ期間TCからディケイ期間TDに切り替える。電圧VSが基準電圧V
Rに達したときの電流をチョッピング電流ILと呼ぶ。
一方、ディケイ期間TDでは、図4(B)に示すように、ブリッジ回路210のトラン
ジスターTR2、TR3がオンになり、トランジスターTR1、TR4がオフになる。そ
して、図4(B)に示すように、ディケイ電流Idがブリッジ回路210に流れる。こ
のとき、モーター280を流れるディケイ電流Idは減少していく。
このようにして、モーター280を流れる電流がチョッピング電流ILを上限として上
下し、その平均がモーター280の駆動電流となる。レジスター部250には、D/A変
換回路222の設定値(基準電圧VRの設定値)を可変に設定可能である。チョッピング
電流は基準電圧VRによって決まるので、D/A変換回路222の設定値を変えることに
よって駆動電流が設定され、モーター280の回転数やトルクを制御できる。
図6に、上記動作のより詳細なタイミングチャートを示す。まず、チャージ期間からデ
ィケイ期間への切り替えるときの動作を説明する。
図6のA1に示すように、制御部240は、クロック信号CLKの立ち上がりで信号C
Q1をサンプリングし、そのサンプリングした信号CQ1に基づいて期間の切り替えを制
御する。
具体的には、クロック信号CLKの1回目の立ち上がりで信号CQ1がHレベルであっ
たとする。次の2回目の立ち上がりまでの間に電流Idが設定値を下から上に超えた場合
(電圧VSが基準電圧VRを下から上に超えた場合)、コンパレーター221の出力信号
CQ1は、Hレベル(非アクティブ)からLレベル(アクティブ)に変化する。そうする
と、2回目の立ち上がりで信号CQ1はLレベルに変化する。そして、更に次の3回目の
立ち上がりで信号CQ1がLレベルを維持している場合に、制御部240はチャージ期間
からディケイ期間へ切り替える。切り替えるタイミングは、Lレベルを2回確認した次の
4回目の立ち上がりである。
このように、少なくとも2回のクロックでコンパレーター221の出力信号CQ1がL
レベル(アクティブ)であることを確認し、期間を切り替える処理を、マスク処理と呼ぶ
。このマスク処理により、ノイズによる信号CQ1の反転を排除し、チョッピング電流が
真に設定値を超えた場合にだけチャージ期間からディケイ期間に切り替えることができる
ディケイ期間に切り替わると、制御部240は不図示のカウンターにカウントを開始さ
せる。制御部240は、所定のカウント値(図6の例では“1F”)に達したことを確認
すると、ディケイ期間からチャージ期間へ切り替える。
また、前述した図4(B)、図5及び図6の例におけるディケイ期間は、ファーストデ
ィケイ(Fast Decay)期間のことであるが、ディケイ期間には、図4(C)に示すように
、ブリッジ回路210のトランジスターTR3、TR4がオンになり、トランジスターT
R1、TR2がオフになるスローディケイ(Slow Decay)期間もある。この場合には、図
4(C)に示すように、ディケイ電流Idがブリッジ回路210に流れる。以下の例で
は、チャージ期間、ファーストディケイ期間、スローディケイ期間の3つの期間を繰り返
して、Hブリッジ210を制御する場合を例にとって説明する。
4.ノイズキャンセル処理の詳細
次に、ノイズキャンセル処理の詳細について説明する。まず、ノイズの発生タイミング
を説明するため、Hブリッジ210の制御に関するタイミングチャートを図7に示す。各
信号の名称は図3に記載する通り、S1〜S4が駆動信号生成部241により出力される
駆動信号であり、OUT1及びOUT2は、回路装置100とモーター280との接続端
子OUT1及びOUT2における信号を表す。また、VCCとGNDはブリッジ回路の電
源電圧信号を表し、FBSWは、制御部240へ入力される入力信号(リセット信号)を
表す。
本例において、制御部240がモーター280を駆動する際には図7に示されるように
、“CHG(charge:チャージ)”→“FD(Fast Decay:ファーストディケイ)”→“
SD(Slow Decay:スローディケイ)”→“CHG”→“FD”→“SD”と、3つの期
間(モード)を繰り返す。以下、CHG→FD、FD→SD、SD→CHGへとそれぞれ
モードを切り替えることをモード切替と呼ぶ。
ここで、モード切替時にHighサイドとLowサイドのトランジスターのon−of
fタイミングのずれによって、瞬間的に大きなショート電流が流れ、それに起因するノイ
ズが基板を経由してさまざまな信号ラインに乗ってしまうことがある。例えば、図7に示
すように、モードがCHGからFDに切り替わるタイミングT1や、SDからCHGに切
り替わるタイミングT2に、電源ライン(図3に示すVCC、GND)や、入力信号FB
SWにノイズが乗ってしまう。前述したように、特に入力信号FBSWにノイズが乗ると
、つまり図7に示すようなグリッチGRが発生すると、制御部240内のフリップフロッ
プのリセット端子に非アクティブレベル(Lレベル)のリセット信号が入力され、制御部
240の動作がリセット(非アクティブ状態に)されてしまうことがある。
本実施形態では、動作上、特に重要な制御部240内のフリップフロップのリセット端
子にノイズキャンセル回路130を接続して、制御部240の誤動作を防ぐ。すなわち、
入力信号FBSWに代表される誤動作に結びつく信号ラインとリセット等の入力端子の間
にノイズキャンセル回路130を挿入する。
図8に、ノイズキャンセル回路130の具体的な構成例を示す。図8のノイズキャンセ
ル回路130は、直列に接続された2個のシフトレジスター回路(SR1、SR2)と、
NAND回路(3in_NAND)と、OR回路(3in_OR)と、フリップフロップ
回路FFと、を有する。ここでは、説明を分かりやすくするため、最小の回路構成を示す
2個のシフトレジスター回路のうちの第1シフトレジスター回路SR1は、D端子に入
力される入力信号FBSWと、C端子に入力されるクロック信号CLKと、R端子に入力
される外部リセット信号RSTとに基づいて、入力信号FBSWをシフトした第1シフト
出力信号Q1を出力する。
次に、2個のシフトレジスター回路のうちの第2シフトレジスター回路SR2は、D端
子に入力される第1シフトレジスター回路SR1からの第1シフト出力信号Q1と、C端
子に入力されるクロック信号CLKと、R端子に入力される外部リセット信号RSTとに
基づいて、第1シフト出力信号Q1をシフトした第2シフト出力信号Q2を出力する。
そして、NAND回路(3in_NAND)は、入力される入力信号FBSWと、第1
シフト出力信号Q1及び第2シフト出力信号Q2とに基づいて、NAND信号NDSを出
力する。また、OR回路(3in_OR)は、入力される入力信号FBSWと、第1シフ
ト出力信号Q1及び第2シフト出力信号Q2とに基づいて、OR信号ORSを出力する。
そして、フリップフロップ回路FFが、入力されるNAND信号NDSと、OR信号O
RSに基づいて、制御部240のリセット信号SW_UVLOを出力する。
次に、図9に示すタイミングチャートを用いて、図8に示すノイズキャンセル回路13
0の動作の一例について詳しく説明する。
まず、アクティブレベル(Hレベル)の外部リセット信号RSTが各シフトレジスター
回路に入力され、各シフトレジスター回路がアクティブ状態になる(T0)。タイミング
T0の直後には、各シフトレジスター回路にLレベルの入力信号FBSWが入力されるも
のとする。
そして、1クロック分だけHレベルの入力信号FBSWが、1クロックの途中の立ち下
り時に第1シフトレジスター回路SR1に入力される(T1)。この1クロック分のHレ
ベルの入力信号は、前述したモード切替により発生したグリッチである。次に、グリッチ
に相当する入力信号FBSWが入力された第1シフトレジスター回路SR1は、入力信号
FBSWの信号レベル(Hレベル)を保ったまま、出力タイミングを半クロック分だけシ
フトさせて、次のクロック信号CLKの立ち上がり時に第1シフト出力信号Q1を出力す
る(T2〜T4)。また、第2シフトレジスター回路SR2も同様に、第1シフト出力信
号Q1の信号レベル(Hレベル)を保ったまま、出力タイミングを1クロック分だけシフ
トさせて、次のクロック信号CLKの立ち上がり時に第2シフト出力信号Q2を出力する
(T3〜T6)。
タイミングT1〜タイミングT6の間は、入力信号FBSW、第1シフト出力信号Q1
及び第2シフト出力信号Q2のうち、3つの入力のうち少なくとも1つの信号の信号レベ
ルがHレベルになっている。また、入力信号FBSW、第1シフト出力信号Q1及び第2
シフト出力信号Q2の全てがHレベルになる期間もない。そのため、タイミングT1〜タ
イミングT6の期間では、NAND信号NDSが終始Hレベルになり、OR信号ORSも
終始Hレベルになる。
ここで、図8(及び後述する図11)のフリップフロップ回路FFはD型フリップフロ
ップ回路であり、フリップフロップ回路FFの真理値表を図10に示す。なお、C端子へ
の入力の欄に示す↑は、クロック信号CLKの立ち上がりを表し、×は当該入力に依らな
いこと(don’t care)を表す。また、フリップフロップ回路FFでは、C端子
及びD端子がグランドに接続されているため、C端子及びD端子の入力は常に0Vになる
。つまり、本実施形態では、フリップフロップ回路FFは図10の真理値表の3行目から
6行目の動作をする。
そして、タイミングT1〜タイミングT6の期間中は、SB端子への入力が終始Hレベ
ル(1)であり、RB端子への入力も終始Hレベル(1)であるため、図10の真理値表
の3行目に従い、Q端子からの出力であるリセット信号SW_UVLOは、前のタイミン
グの出力を保持することになる。また、タイミングT1よりも前のタイミングでは、SB
端子への入力がHレベル(1)であり、RB端子への入力がLレベル(0)であるため、
図10の真理値表の5行目に従い、Lレベル(0)のリセット信号SW_UVLOが出力
される。そのため、タイミングT1〜タイミングT6の期間中も、リセット信号SW_U
VLOの信号レベルは、Lレベル(0)のままとなる。つまり、1クロック分のグリッチ
(ノイズ)をキャンセルし、グリッチが入力されなかった場合と同じレベルのリセット信
号SW_UVLOを出力し続けることができる。
次に、図9の例では、ノイズキャンセル回路130に再度Hレベルの入力信号FBSW
が入力される(T7)。しかし、今回はノイズにより入力信号FBSWが一時的にHレベ
ルになってしまったのではなく、入力信号FBSWの信号レベルが正常に変更されたもの
である。そのため、タイミングT7からタイミングT8までの1.5クロック分(実質的
には1クロック分)の期間は、Lレベルのリセット信号SW_UVLOが出力されるが、
タイミングT8以降は、Hレベルのリセット信号SW_UVLOが出力されるようになる
。これにより、タイミングT8に制御部240をリセットすることができる。
さらに、タイミングT8の後、Hレベルの入力信号FBSWが入力されている期間に、
ノイズによりLレベルの入力信号FBSWが誤って入力されることもある(T9)。ここ
では、1クロック分の期間だけ、入力信号がLレベルになってしまったものとする。この
場合には、タイミングT1〜タイミングT3の期間にノイズが乗った時と同様に、ノイズ
をキャンセルすることができ、タイミングT9〜タイミングT10の期間中も、Hレベル
のリセット信号SW_UVLOを出力し続けることができる。これにより、制御部240
を誤ってリセットすることを防ぐことができる。
ただし、図8に示すノイズキャンセル回路では2クロック以上の期間、ノイズが入力信
号FBSWに乗ってしまうと、ノイズをキャンセルすることができない。そこで、本実施
形態では、よりノイズ幅が大きいノイズに対応する必要がある場合には、図11に示すよ
うに、シフトレジスター回路の数を増やしたノイズキャンセル回路130を用いる。
図11に示すノイズキャンセル回路130は、直列に接続されたN個(Nは2以上の整
数)のシフトレジスター回路(SR1〜SRN)と、NAND回路と、OR回路と、フリ
ップフロップ回路FFと、を有する。
そして、N個のシフトレジスター回路のうちの第1シフトレジスター回路SR1は、入
力される入力信号FBSWと、クロック信号CLKと、外部リセット信号RSTとに基づ
いて、入力信号FBSWをシフトした第1シフト出力信号Q1を出力する。
また、N個のシフトレジスター回路のうちの第i(iは、2≦i≦Nの整数)シフトレ
ジスター回路SRiは、入力される第(i−1)シフトレジスター回路SR(i−1)か
らの第(i−1)シフト出力信号Q(i−1)と、クロック信号CLKと、外部リセット
信号RSTとに基づいて、第(i−1)シフト出力信号Q(i−1)をシフトした第iシ
フト出力信号Qiを出力する。
そして、NAND回路は、入力される入力信号FBSWと、第1シフト出力信号Q1〜
第Nシフト出力信号QNとに基づいて、NAND信号NDSを出力し、OR回路は、入力
される入力信号FBSWと、第1シフト出力信号Q1〜第Nシフト出力信号QNとに基づ
いて、OR信号ORSを出力する。
フリップフロップ回路FFは、入力されるNAND信号NDSと、OR信号ORSとに
基づいて、制御部240のリセット信号SW_UVLOを出力する。
これにより、シフトレジスター回路の数Mよりも短いクロック数に対応する(つまりN
クロック以下の)ノイズ幅のノイズをキャンセルすること等が可能になる。例えば、シフ
トレジスター回路が図8のように、2個である場合には、2クロックまでのノイズをキャ
ンセルすることができ、シフトレジスター回路が8個である場合には、8クロックまでの
ノイズをキャンセルすることができる。
また、ノイズキャンセル回路130は、図12に示すC、Rで構成された回路でも十分
にノイズキャンセル効果が望める。ノイズキャンセル回路130はデジタル構成でも、L
PFのようなアナログ構成でも良い。
ここで、前述したようにノイズキャンセル回路130は、ノイズに対応できるディレイ
を有した信号(図9の例ではQ1、Q2等)とディレイなしの入力(図9の例ではFBS
W)とを比較することにより、ノイズをキャンセルする。しかし、ノイズ(ノイズ幅)は
、回路装置100の使用環境や使用状況によって異なり、ノイズ幅が小さい場合や大きい
場合がある。そのため、起こりうる最大幅のノイズに対応できるようにしなければならな
い。
これらのノイズキャンセル回路130においては、どれくらいの長さのノイズをリジェ
クトできるかをディレイ値の長さが決定付ける。ディレイ値が大きければ大きいほど長期
間に渡るノイズをキャンセルすることができるが、いたずらにディレイ値を大きくすれば
よいというわけではない。ディレイ値が大きければ大きいだけ、正常に出力された信号の
検出が遅れてしまうためである。
そこで本実施形態では、ノイズの幅を検出し、その長さに最適なディレイ値をディレイ
回路に設定する。例えば、ノイズキャンセル回路130は、検出されたノイズ幅に基づい
て、N個のシフトレジスター回路によるN個のシフト出力信号のうち、フリップフロップ
回路に出力するNAND信号及びOR信号を決定するために使用するシフト出力信号を選
択してもよい。
これにより、発生し得るノイズをキャンセルすることができ、かつノイズが乗っていな
い信号の検出遅れを抑制すること等が可能になる。
ここで具体的に、N個のシフト出力信号のうち、使用するシフト出力信号を、ノイズ幅
に応じて変更可能なノイズキャンセル回路130の構成例を図13に示す。
図13に示すノイズキャンセル回路130は、図11に示すノイズキャンセル回路13
0を変形したものであり、直列に接続されたN個(Nは2以上の整数)のシフトレジスタ
ー回路と、N個のNAND回路と、N個のOR回路と、第1セレクター部SL1と、第2
セレクター部SL2と、フリップフロップ回路FFと、を有する。図13の例では、N=
8であり、以下ではN=8の場合について具体的な動作を説明するが、本実施形態はこれ
に限定されない。
まず、8個のシフトレジスター回路(SR1〜SR8)の動作については、図11を用
いて説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。
次に、8個のNAND回路のうちの第1のNAND回路ND1は、入力される入力信号
FBSWと第1シフト出力信号Q1とに基づいて、第1のNAND信号NDS1を第1セ
レクター部SL1に出力する。同様に、8個のNAND回路のうちの第kのNAND回路
NDk(kは、2≦k≦8の整数)は、入力される入力信号FBSWと、第1シフト出力
信号Q1〜第kシフト出力信号Qkとに基づいて、第kのNAND信号NDSkを第1セ
レクター部SL1に出力する。
また、8個のOR回路のうちの第1のOR回路OR1は、入力される入力信号FBSW
と第1シフト出力信号Q1とに基づいて、第1のOR信号ORS1を第2セレクター部S
L2に出力する。同様に、8個のOR回路のうちの第kのOR回路ORkは、入力される
入力信号FBSWと、第1シフト出力信号Q1〜第kシフト出力信号Qkとに基づいて、
第kのOR信号ORSkを第2セレクター部SL2に出力する。
そして、第1セレクター部SL1は、検出されたノイズ幅に基づいて、入力された第1
のNAND信号NDS1〜第8のNAND信号NDS8の中から、いずれか1つのNAN
D信号を選択して、フリップフロップ回路FFに出力する。図13では、選択されたNA
ND信号をNDSと呼ぶ。例えば、第1セレクター部SL1に図13に示すSEL信号(
選択信号)として「001」が入力された場合には、第1セレクター部SL1により第1
のNAND信号NDS1が選択される。第1のNAND信号NDS1が選択された場合に
は、ノイズ幅が小さく、第1シフトレジスター回路SR1だけで十分に対応可能であり、
第1シフトレジスター回路SR1だけしか使用しない。また例えば、第1セレクター部S
L1にSEL信号として「111」が入力され、第8のNAND信号NDS8が選択され
た場合には、ノイズ幅が大きく、第1シフトレジスター回路SR1〜第8シフトレジスタ
ー回路SR8の全てを使用する。
一方、第2セレクター部SL2は、検出されたノイズ幅に基づいて、入力された第1の
OR信号ORS1〜第8のOR信号ORS8の中から、いずれか1つのOR信号を選択し
て、フリップフロップ回路FFに出力する。図13では、選択されたOR信号をORSと
呼ぶ。なお、第1セレクター部SL1で第1のNAND信号NDS1が選択された場合に
は、第2セレクター部SL2にもSEL信号として「001」が入力されて、第1のOR
信号ORS1が選択される。つまり、本例では、第1セレクター部SL1と第2セレクタ
ー部SL2において、使用するシフトレジスター回路として、同数のシフトレジスター回
路が選択される。
そして、フリップフロップ回路FFは、入力されるNAND信号NDSと、OR信号O
RSとに基づいて、リセット信号SW_UVLOを出力する。
これにより、複数のシフトレジスター回路のうち、使用するシフトレジスター回路をノ
イズ幅に応じて選択すること等が可能になる。
このような処理を行うために、本実施形態の回路装置100は、チャージ期間とディケ
イ期間とが切り替わる時のノイズ幅を検出するノイズ検出回路140を含む。例えばノイ
ズ検出回路140は、回路装置100の電源が投入されて、安定駆動に入った時点から最
初のSDからCHGに切り替わるタイミングや、CHGからFDに切り替わるタイミング
等におけるノイズを検出する。そして、検出したノイズに基づいて、最適なディレイ値(
遅延時間情報)を設定し、記憶部120に記憶し、その記憶情報に基づいてノイズキャン
セル回路130にディレイ値を設定する。
これにより、モード切替時に発生するノイズをキャンセル可能なように、ノイズキャン
セル回路130にディレイ値を設定すること等が可能になる。
また、ノイズ検出回路140は、電源投入時にアナログ信号のノイズ幅を検出してもよ
い。
これにより、電源投入時に発生するノイズをキャンセル可能なように、ノイズキャンセ
ル回路130にディレイ値を設定すること等が可能になる。
また、ノイズの最初の検出では、ノイズ検出回路140がノイズ幅を検出するために、
最低でもそのノイズ幅分だけ遅れが発生する。そのため、最初はノイズキャンセル回路1
30のディレイ値が十分大きな値に設定されている。そして、ノイズ幅がある程度検出さ
れた場合には、それ以降は記憶部120に記憶された遅延時間情報に基づいて、最適なデ
ィレイ値を設定する。
つまり、記憶部120は、第1の遅延時間情報と第2の遅延時間情報とを記憶する。そ
して、ノイズキャンセル回路130は、ノイズ幅の検出前には、第2の遅延時間情報に基
づいて、ノイズキャンセルを行い、ノイズ幅の検出後には、第1の遅延時間情報に基づい
て、ノイズキャンセルを行う。
これにより、いたずらに長いディレイ値を設定する必要がなくなり、正常に出力された
信号の検出を早めること等が可能になる。
この場合、第1の遅延時間情報は、例えば実際に検出されたノイズ幅に対応する遅延時
間情報であり、第2の遅延時間情報は、例えばノイズキャンセル回路130に設定可能な
遅延時間の最大値に対応する遅延時間情報である。
これにより、ノイズ幅の検出後に、ノイズ幅に対応する遅延時間情報に基づいて、ディ
レイ値を設定すること等が可能になる。また、ノイズ幅の検出前には、設定可能な最大の
ディレイ値を設定して、正しいノイズ幅を検出可能にすること等が可能になる。
また、回路装置100は電流の検出回路220を有し、モード切替が正常に行われたか
否か、あるいはモード切替終了期間を検定する。この検定はモード切替が行われるタイミ
ングにできるだけ早く追随することが望ましい。しかし、ノイズが発生する可能性がある
期間に、この検定を行っても正常な結果が得られないため、ノイズキャンセルに必要なデ
ィレイの後に検定が開始される。
そこで、モーター駆動が開始された直後の最初のノイズ幅をモニターし、最適なディレ
イ値を記憶部120に設定し、それ以降のノイズ発生タイミングについては、記憶部12
0の設定データに基づいてノイズキャンセル回路130を制御する。
このようにすれば検出回路220の検出開始タイミングをできるだけ早くすることがで
きる。
具体的に、図14にこのことについての説明図を示す。図11に示すような幅tnのノ
イズが電源VSSに乗った場合には、電流検出をするノード(被検定端子)にも同様なノ
イズが乗り、そのしばらく後に実際にモード切替の結果、期待する値に変化する。このノ
イズを除去するために、ディレイ値をtcとして、ディレイ値tcからやや余裕をとった
所定期間td後に、電流検出を開始するための検定イネーブル信号をHレベル(アクティ
ブレベル)にする。従って、ノイズ幅tnが大きければディレイ値tcも大きくなり、所
定期間tdも大きくなる。逆にノイズ幅tnが小さければ所定期間tdも小さくできる。
5.ノイズキャンセル回路の変形例
次に、本実施形態において、検出されたノイズ幅に応じて適切なディレイ値を設定可能
なノイズキャンセル回路130の変形例を図15に示す。
本実施形態のノイズキャンセル回路130は、直列に接続されるM個(Mは2以上の整
数)のキャンセルブロック(CNC1〜CNC4)と、デコーダー部DCと、セレクター
部SCと、を有する。図15の例では、M=4であるが、それに限定されない。
そして、M個のキャンセルブロックのうちの第1キャンセルブロックCNC1は、入力
された入力信号FBSWに基づいて、第1ディレイ信号DLS1を出力する第1ディレイ
回路DL1と、入力された入力信号FBSWと第1ディレイ信号DLS1に基づいて、第
1のNAND信号NDS1を出力する第1のNAND回路ND1を有する。
さらに、M個のキャンセルブロックのうちの第j(jは、2≦j≦Mの整数)キャンセ
ルブロックCNCjは、入力された第(j−1)ディレイ信号DLS(j−1)に基づい
て、第jディレイ信号DLSjを出力する第jディレイ回路DLjと、入力された入力信
号FBSWと第jディレイ信号DLSjに基づいて、第jのNAND信号NDSjを出力
する第jのNAND回路NDjを有する。
そして、デコーダー部DCは、入力された第1のNAND信号NDS1〜第MのNAN
D信号NDSMに基づいて、デコード信号DCSを(レジスターRSに)出力し、セレク
ター部SCは、入力された第1のNAND信号NDS1〜第MのNAND信号NDSMと
、デコード信号DCSに基づいて、制御部240のリセット信号SW_UVLOを出力す
る。
これにより、キャンセルすることができるノイズ幅が、図15のキャンセルブロックの
下側から順に大きくなっていく。つまり、キャンセルブロックCNC1がキャンセル可能
なノイズ幅よりも、キャンセルブロックCNC2がキャンセル可能なノイズ幅の方が大き
くなり、キャンセルブロックCNC2がキャンセル可能なノイズ幅よりも、キャンセルブ
ロックCNC3がキャンセル可能なノイズ幅の方が大きくなる。
ここで具体的に、入力信号FBSWに乗る様々なノイズ幅のノイズに対してノイズキャ
ンセルを行った時のシミュレーション結果を、図16(A)〜図16(D)に示す。図1
6(A)の波形は図14のキャンセルブロックCNC1によるノイズキャンセル結果を表
しており、図16(B)の波形は図14のキャンセルブロックCNC2によるノイズキャ
ンセル結果を、図16(C)の波形は図14のキャンセルブロックCNC3によるノイズ
キャンセル結果を、図16(D)の波形は図14のキャンセルブロックCNC4によるノ
イズキャンセル結果をそれぞれ表している。また、図16(A)〜図16(D)の各グラ
フの縦軸は、ノイズの強度を表しており、0Vになればノイズが完全にキャンセルされた
ことを示す。そして各グラフの横軸は、時間を表しており、図16(A)〜図16(D)
の例では、50nsec、40nsec、30nsec、20nsec、10nsec、
8nsec、6nsecのノイズ幅のノイズに対して順番にノイズキャンセルを行った結
果を示している。
まず、図16(A)のシミュレーション結果によると、キャンセルブロックCNC1で
は、6nsec幅のノイズはほぼ消すことができるものの、8nsec幅以上のノイズは
消すことができないことが分かる。
次に、図16(B)のシミュレーション結果によると、キャンセルブロックCNC2で
は、8nsec幅までのノイズはほぼ消すことができるものの、10nsec幅以上のノ
イズは消すことができないことが分かる。
そして、図16(C)のシミュレーション結果によると、キャンセルブロックCNC3
では、10nsec幅までのノイズはほぼ消すことができるものの、20nsec幅以上
のノイズは消すことができないことが分かる。
さらに、図16(D)のシミュレーション結果によると、キャンセルブロックCNC4
では、20nsec幅までのノイズはほぼ消すことができるものの、30nsec幅以上
のノイズは消すことができないことが分かる。
このようにこのキャンセルブロックの各出力をモニターすることにより、この例では4
つのディレイ値を選択することができる。これにより、適切なディレイ値を設定すること
等が可能になる。
6.電子機器
図17に、本実施形態の回路装置100(モータードライバー)が適用された電子機器
の構成例を示す。電子機器は、処理部300、記憶部310、操作部320、入出力部3
30、回路装置100、これらの各部を接続するバス340、モーター280を含む。以
下ではモーター駆動によりヘッドや紙送りを制御するプリンターを例にとり説明するが、
本実施形態はこれに限定されず、種々の電子機器に適用可能である。
入出力部330は例えばUSBコネクターや無線LAN等のインターフェースで構成さ
れ、画像データや文書データが入力される。入力されたデータは、例えばDRAM等の内
部記憶装置である記憶部310に記憶される。操作部320により印刷指示を受け付ける
と、処理部300は、記憶部310に記憶されたデータの印刷動作を開始する。処理部3
00は、データの印刷レイアウトに合わせて回路装置100(モータードライバー)に指
示を送り、回路装置100は、その指示に基づいてモーター280を回転させ、ヘッドの
移動や紙送りを行う。
以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から
実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう
。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細
書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載され
た用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えること
ができる。また、回路装置及び電子機器の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定
されず、種々の変形実施が可能である。
100 回路装置、110 信号生成部、111 コンパレーター、120 記憶部、
130 ノイズキャンセル回路、140 ノイズ検出回路、
210 ブリッジ回路(Hブリッジ)、220 検出回路、221 コンパレーター、
222 変換回路(DAC)、240 制御部、241 駆動信号生成部、
250 レジスター部、260 プリドライバー、270 クロック生成回路、
280 モーター、290 センス抵抗

Claims (14)

  1. ハイサイド側のトランジスターとローサイド側のトランジスターとを有するブリッジ回
    路と、
    前記ハイサイド側のトランジスター及び前記ローサイド側のトランジスターのオン・オ
    フ制御を行って、前記ブリッジ回路を流れる電流を増加させるチャージ期間と、前記電流
    を減少させるディケイ期間とを切り替える制御部と、
    アナログ信号に基づいて、前記制御部に入力される入力信号を生成する信号生成部と、
    前記チャージ期間と前記ディケイ期間とが切り替わる時の前記アナログ信号のノイズ幅
    に対応する遅延時間情報を記憶する記憶部と、
    前記遅延時間情報に基づいて、前記入力信号に対してノイズキャンセルを行うノイズキ
    ャンセル回路と、
    を含むことを特徴とする回路装置。
  2. 請求項1において、
    前記チャージ期間と前記ディケイ期間とが切り替わる時の前記ノイズ幅を検出するノイ
    ズ検出回路を含むことを特徴とする回路装置。
  3. 請求項1又は2において、
    電源投入時に前記アナログ信号の前記ノイズ幅を検出するノイズ検出回路を含むことを
    特徴とする回路装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記記憶部は、
    第1の遅延時間情報と第2の遅延時間情報とを記憶し、
    前記ノイズキャンセル回路は、
    前記ノイズ幅の検出前には、前記第2の遅延時間情報に基づいて、前記ノイズキャンセ
    ルを行い、
    前記ノイズ幅の検出後には、前記第1の遅延時間情報に基づいて、前記ノイズキャンセ
    ルを行うことを特徴とする回路装置。
  5. 請求項4において、
    前記第1の遅延時間情報は、
    前記ノイズ幅に対応する前記遅延時間情報であることを特徴とする回路装置。
  6. 請求項4又は5において、
    前記第2の遅延時間情報は、
    前記ノイズキャンセル回路に設定可能な遅延時間の最大値に対応する前記遅延時間情報
    であることを特徴とする回路装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記入力信号は、
    前記制御部に入力されるデジタルのリセット信号であることを特徴とする回路装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記アナログ信号は、
    前記制御部に入力される電圧の低下を検出する電圧低下検出回路の出力信号であること
    を特徴とする回路装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかにおいて、
    前記信号生成部は、
    コンパレーターを含み、
    前記コンパレーターは、
    第1入力端子に入力される前記アナログ信号の電圧と、第2入力端子に入力される基準
    電圧とを比較して、前記入力信号を出力することを特徴とする回路装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかにおいて、
    前記ノイズキャンセル回路は、
    直列に接続されたN個(Nは2以上の整数)のシフトレジスター回路と、
    NAND回路と、
    OR回路と、
    フリップフロップ回路と、
    を有し、
    前記N個のシフトレジスター回路のうちの第1シフトレジスター回路は、
    入力される前記入力信号と、クロック信号と、外部リセット信号とに基づいて、前記入
    力信号をシフトした第1シフト出力信号を出力し、
    前記N個のシフトレジスター回路のうちの第i(iは、2≦i≦Nの整数)シフトレジ
    スター回路は、
    入力される第(i−1)シフトレジスター回路からの第(i−1)シフト出力信号と、
    前記クロック信号と、前記外部リセット信号とに基づいて、前記第(i−1)シフト出力
    信号をシフトした第iシフト出力信号を出力し、
    前記NAND回路は、
    入力される前記入力信号と、前記第1シフト出力信号〜第Nシフト出力信号とに基づい
    て、NAND信号を出力し、
    前記OR回路は、
    入力される前記入力信号と、前記第1シフト出力信号〜第Nシフト出力信号とに基づい
    て、OR信号を出力し、
    前記フリップフロップ回路は、
    入力される前記NAND信号と、前記OR信号とに基づいて、前記制御部のリセット信
    号を出力することを特徴とする回路装置。
  11. 請求項10において、
    前記ノイズキャンセル回路は、
    検出された前記ノイズ幅に基づいて、前記N個のシフトレジスター回路によるN個のシ
    フト出力信号のうち、前記フリップフロップ回路に出力する前記NAND信号及び前記O
    R信号を決定するために使用するシフト出力信号を選択することを特徴とする回路装置。
  12. 請求項1乃至9のいずれかにおいて、
    前記ノイズキャンセル回路は、
    直列に接続されたN個(Nは2以上の整数)のシフトレジスター回路と、
    N個のNAND回路と、
    N個のOR回路と、
    第1セレクター部と、
    第2セレクター部と、
    フリップフロップ回路と、
    を有し、
    前記N個のシフトレジスター回路のうちの第1シフトレジスター回路は、
    入力される前記入力信号と、クロック信号と、外部リセット信号とに基づいて、前記入
    力信号をシフトした第1シフト出力信号を出力し、
    前記N個のシフトレジスター回路のうちの第k(kは、2≦k≦Nの整数)シフトレジ
    スター回路は、
    入力される第(k−1)シフトレジスター回路からの第(k−1)シフト出力信号と、
    前記クロック信号と、前記外部リセット信号とに基づいて、前記第(k−1)シフト出力
    信号をシフトした第kシフト出力信号を出力し、
    前記N個のNAND回路のうちの第1のNAND回路は、
    入力される前記入力信号と前記第1シフト出力信号とに基づいて、第1のNAND信号
    を前記第1セレクター部に出力し、
    前記N個のNAND回路のうちの第kのNAND回路は、
    入力される前記入力信号と、前記第1シフト出力信号〜第kシフト出力信号とに基づい
    て、第kのNAND信号を前記第1セレクター部に出力し、
    前記N個のOR回路のうちの第1のOR回路は、
    入力される前記入力信号と前記第1シフト出力信号とに基づいて、第1のOR信号を前
    記第2セレクター部に出力し、
    前記N個のOR回路のうちの第kのOR回路は、
    入力される前記入力信号と、前記第1シフト出力信号〜第kシフト出力信号とに基づい
    て、第kのOR信号を前記第2セレクター部に出力し、
    前記第1セレクター部は、
    検出された前記ノイズ幅に基づいて、入力された前記第1のNAND信号〜第NのNA
    ND信号の中からいずれか1つのNAND信号を選択して、前記フリップフロップ回路に
    出力し、
    前記第2セレクター部は、
    検出された前記ノイズ幅に基づいて、入力された前記第1のOR信号〜第NのOR信号
    の中からいずれか1つのOR信号を選択して、前記フリップフロップ回路に出力し、
    前記フリップフロップ回路は、
    入力される前記NAND信号と、前記OR信号とに基づいて、前記制御部のリセット信
    号を出力することを特徴とする回路装置。
  13. 請求項1乃至9のいずれかにおいて、
    前記ノイズキャンセル回路は、
    直列に接続されるM個(Mは2以上の整数)のキャンセルブロックと、
    デコーダー部と、
    セレクター部と、
    を有し、
    前記M個のキャンセルブロックのうちの第1キャンセルブロックは、
    入力された前記入力信号に基づいて、第1ディレイ信号を出力する第1ディレイ回路と

    入力された前記入力信号と前記第1ディレイ信号に基づいて、第1のNAND信号を出
    力する第1のNAND回路と、
    を有し、
    前記M個のキャンセルブロックのうちの第j(jは、2≦j≦Mの整数)キャンセルブ
    ロックは、
    入力された前記第(j−1)ディレイ信号に基づいて、第jディレイ信号を出力する第
    jディレイ回路と、
    入力された前記入力信号と前記第jディレイ信号に基づいて、第jのNAND信号を出
    力する第jのNAND回路と、
    を有し、
    前記デコーダー部は、
    入力された前記第1のNAND信号〜前記第MのNAND信号に基づいて、デコード信
    号を出力し、
    前記セレクター部は、
    入力された前記第1のNAND信号〜前記第MのNAND信号と、前記デコード信号に
    基づいて、前記制御部のリセット信号を出力することを特徴とする回路装置。
  14. 請求項1乃至13のいずれかに記載の回路装置を含むことを特徴とする電子機器。
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