JP6402534B2 - モーター駆動制御システム及び電子機器 - Google Patents

モーター駆動制御システム及び電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、モーター駆動制御システム及び電子機器等に関係する。
プリンターにおいては、複数のモーターを制御して紙送りやヘッド送り等を行っている。例えば紙送りを想定した場合には、モーターによって紙が移動し、位置検出センサー(エンコーダー)によって、その位置情報がモーター制御部にフィードバックされる。そして、フィードバックされた情報に基づいて、モーターが制御される。
また、直流モーターの駆動電流を制御する手法としては、例えば特許文献1において開示されているように、チョッピング電流を制御する手法が知られている。この手法では、ブリッジ回路にセンス抵抗を接続し、そのセンス抵抗の一端の電圧が、チョッピング電流を規定する基準電圧に達したか否かをコンパレーターにより検出する。そして、センス抵抗の一端の電圧が基準電圧に達したときにチャージ期間からディケイ期間に切り替える。
特開2008−043171号公報
モーター駆動制御システムにおいて、いかに低消費電流化を図るかは、プリンターの小型化やモバイル化において、重要な要求である。
従来技術では、上位指令部、モーター制御部、記憶部等がマイクロプロセッサーに集積されて作られており、モータードライバーは、そのマイクロプロセッサーの制御のもとでモーターを駆動していた。そして、モータードライバーに着目して低消費電流化を進める場合、従来はモータードライバーの内部で電流検出を行う等の、モーターの状態を検出する手段によって、自己完結型の低消費電流化を行っていた。しかし、このような手法では、大きな効果は望めなかった。
本発明の幾つかの態様によれば、より低消費電流化を図ることができるモーター駆動制御システム及び電子機器等を提供することができる。
本発明の一態様は、モーターを駆動するモータードライバーと、前記モータードライバーを制御する処理部と、を含み、前記モータードライバーは、ハイサイド側のトランジスターとローサイド側のトランジスターとを有するブリッジ回路と、前記ハイサイド側のトランジスター及び前記ローサイド側のトランジスターのオン・オフ制御を行う制御部と、前記ブリッジ回路を流れる電流を検出する検出回路と、を有し、前記検出回路は、前記処理部の指示情報に基づいて、前記モーターの所与の期間において、電流検出を停止するモーター駆動制御システムに関係する。
本発明の一態様では、処理部の指示情報に基づいて、モーターの所与の期間において、モータードライバーによる電流検出を停止する。よって、モーター駆動制御システム全体において、より低消費電流化を図ることが可能となる。
また、本発明の一態様では、前記モータードライバーは、前記モーターの加速期間又は前記モーターの減速期間の少なくとも一方の期間では、前記ブリッジ回路に流れる前記電流を前記検出回路により検出して、前記電流を増加させるチャージ期間から、前記電流を減少させるディケイ期間への切り替えを行い、前記所与の期間では、前記電流を検出せずに、前記チャージ期間から前記ディケイ期間への切り替えを行ってもよい。
これにより、所与の期間では、モータードライバーの検出回路による電流検出処理(電圧比較処理)を動作させる必要がなくなり、所与の期間において、低消費電流化を図ること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記モータードライバーは、チャージ期間カウンターを有し、前記所与の期間においては、前記チャージ期間カウンターのカウント値に基づいて、前記チャージ期間から前記ディケイ期間への切り替えてもよい。
これにより、所与の期間において、センス抵抗の一端の電圧と基準電圧との比較処理を、検出回路により行わずに、チャージ期間からディケイ期間への切り替えを行うこと等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記チャージ期間の長さの情報を含むチャージ期間情報を、前記モータードライバーに設定し、前記制御部は、前記チャージ期間カウンターの前記カウント値と前記チャージ期間の長さとを比較して、前記チャージ期間から前記ディケイ期間への切り替えを行ってもよい。
これにより、所与の期間において、例えばチャージ期間カウンターのカウント値がチャージ期間の長さを超えた場合に、チャージ期間からディケイ期間への切り替えを行うこと等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記チャージ期間情報を記憶する記憶部を含み、前記処理部は、前記記憶部に記憶された前記チャージ期間情報に基づいて、前記モータードライバーに前記チャージ期間情報を設定してもよい。
これにより、例えばモーター駆動制御システムの使用者がチャージ期間情報を変更すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記モーターの位置検出を行う位置検出センサーを含み、前記処理部は、前記モータードライバーが前記電流検出を行って、前記電流を増加させるチャージ期間から、前記電流を減少させるディケイ期間に切り替える第1モードから、前記モータードライバーが前記電流検出を行わずに前記チャージ期間から前記ディケイ期間に切り替える第2モードへと、前記位置検出の結果に基づいて切り替えてもよい。
これにより、所与の期間において、モータードライバーの検出回路が電流検出を行うために消費していた電流を削減すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記位置検出センサーによって検出される前記モーターの位置と、前記チャージ期間に関するチャージ期間情報とが対応付けられたテーブルデータを記憶する記憶部を含み、前記処理部は、前記テーブルデータに基づいて、前記チャージ期間情報を前記モータードライバーに設定してもよい。
これにより、モーターの現在位置に応じて異なるチャージ期間情報に基づいて、モーターを制御すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記検出回路は、D/A変換器と、前記D/A変換器の出力電圧と、前記ブリッジ回路に流れる前記電流に対応する検出電圧と、を比較するコンパレーターと、を有し、前記記憶部は、前記D/A変換器に入力される比較用デジタル値と、前記モーターの位置が対応付けられた前記テーブルデータを記憶し、前記処理部は、前記モーターの加速期間及び前記モーターの減速期間の少なくとも一方の期間においては、前記モーターの位置に対応付けられた前記比較用デジタル値を前記モータードライバーに設定し、前記所与の期間においては、前記モーターの位置に対応付けられた前記チャージ期間情報を前記モータードライバーに設定してもよい。
これにより、例えば使用者が比較用デジタル値を設定することによって、加速期間と減速期間のモーターの駆動を制御し、所与の期間においては、チャージ期間情報に基づいて、モーターの駆動を制御すること等が可能になる。
また、本発明の他の態様では、前記モーター駆動制御システムを含む電子機器に関係する。
モーターの速度PID制御と位置PID制御の説明図。 モーターの回転速度の説明図。 本実施形態のシステム構成例。 本実施形態のモータードライバーの構成例。 本実施形態の検出回路の詳細な構成例。 通常動作モードの動作を説明するタイミングチャート。 通常動作モードの詳細な動作を説明するタイミングチャート。 自走モードの詳細な動作を説明するタイミングチャート。 本実施形態の全体の処理の流れを説明するフローチャート。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.概要
従来は、モーター駆動制御システムの省電流化を図るために、モータードライバーに着目し、モータードライバー単体の動作で低消費電流化を図っていた。しかし、このような手法では、大幅な低消費電流化を図ることができなかった。
そこで、本実施形態では、モータードライバーだけではなく、モーター駆動制御システム全体で低消費電流化を図る。
具体例を挙げて説明すると、本実施形態のモーター駆動制御システムは、例えば、印刷装置(液体消費装置、プリンター)等に搭載される。そして、モーター駆動制御システムは、印刷装置において、紙送りを行うPF(Paper Feed)モーターや、ヘッド送りを行うCR(Carriage)モーター等の制御を行う。なお、以下ではモーター駆動によりヘッドや紙送りを制御する印刷装置を例にとり説明するが、本実施形態はこれに限定されず、種々の電子機器に適用可能である。
そして、本実施形態の印刷装置では、プリント時に、印刷モードを選択して、印刷を行う。ここで、印刷モードとは、印刷速度の程度が異なる設定(モード)、例えば印刷用紙の搬送工程の程度が異なる設定(モード)のことである。印刷モードには、搬送速度が速いものから順に、例えば高速モード、通常モード、高精細モード等がある。
印刷の実行に際しては、モーター駆動制御システムの後述する処理部からモータードライバーに対して、それぞれの印刷モードに対応するPFモーターの駆動指令が発せられ、PFモーターは、速度テーブルに従って、駆動させられる。
この時、処理部及びモータードライバーは、図1に示すように、最初に速度PID制御を行うことにより、PFモーターを制御駆動させる。すなわち、PFモーターは、目標速度に収束するように、目標速度と現在速度との間の速度偏差ΔVに基づいて、速度PID制御させられる。なお、図1は、横軸をモーターの現在位置とし、縦軸を、モーターの現在位置に対応する目標速度としたグラフである。図1の例では、モーターは、位置P1から位置P2になるまでは、速度PID制御により制御駆動させられている。
また、モーターが目標位置P3に近づいた場合には、処理部及びモータードライバーは、図1に示すように、位置PID制御を行うことにより、PFモーターを制御駆動させる。図1の例では、モーターは、位置P2から位置P3になるまで、速度PID制御により制御駆動させられている。
その結果、いずれの印刷モードであれ、図2に示されるような速度特性が得られる。図2には、横軸を時間とし、縦軸を、その時間に対応するDCモーター(PFモーター)の回転速度としたグラフを示す。
このような図2のグラフでは、モーターが駆動制御されている期間を、加速期間T1、定速期間T2、減速期間T3の3つの期間に分けることが出来る。加速期間T1及び減速期間T3では、処理部からのPID制御に基づいて、モータードライバーがモーターを制御するため、モータードライバーに流れる電流(回転状況)を検出し、フィードバック制御を行っている。
本実施形態では、3つの期間(T1〜T3)のうち、一番長い期間の定速期間T2において、速度変化がなく、負荷状況もそれほど変動しないことを前提に、電流検出からのフィードバックを極力少なくする。すなわち、この期間においては、電流検出系及びフィードバック系を動作させないようにして低消費電力化を図る。
2.システム構成例
具体的に本実施形態のシステム構成例を図3に示す。本実施形態のモーター駆動制御システム100は、モーター280を駆動するモータードライバー200と、モータードライバー200を制御する処理部110と、を含む。さらに、モーター駆動制御システム100は、後述するように、記憶部120や位置検出センサー130等を含んでいてもよい。
また、モータードライバー200の詳細な構成例を図3に示す。モータードライバー200は、ブリッジ回路210と、制御部240と、検出回路220と、を有する。ブリッジ回路210は、ハイサイド側のトランジスターとローサイド側のトランジスターとを有する。そして、制御部240は、ハイサイド側のトランジスター及びローサイド側のトランジスターのオン・オフ制御を行う。さらに、検出回路220は、ブリッジ回路210を流れる電流を検出する。
本実施形態では、このようなシステム構成のモーター駆動制御システム100において、検出回路220が、処理部110の指示情報に基づいて、モーター280の所与の期間(定速期間)において、電流検出を停止する。なお、モーター280の所与の期間は、例えばモーター280の定速期間である。定速期間は、モーター280の回転速度を定速に保つように、モーター280を制御する期間である。ただし、モーター280の回転速度に対して、定速とみなす許容範囲を設けてもよい。言い換えれば、多少モーター280の回転速度が変動し、完全に定速ではない場合であっても、回転速度の変動量が許容範囲内である場合には、定速であるものとし判断、定速になっている期間を定速期間と判断してもよい。
具体的には、モータードライバー200は、モーター280の加速期間又はモーター280の減速期間の少なくとも一方の期間では、ブリッジ回路210に流れる電流を検出回路220により検出して、電流を増加させるチャージ期間から、電流を減少させるディケイ期間への切り替えを行う。なお、モーター280の加速期間は、モーター280の回転速度を加速させるように、モーター280を制御する期間であり、モーター280の減速期間は、モーター280の回転速度を減速させるように、モーター280を制御する期間である。
一方、モータードライバー200は、定速期間(所与の期間)では、ブリッジ回路210に流れる電流を検出回路220により検出せずに、チャージ期間からディケイ期間への切り替えを行う。
そのため、定速期間(所与の期間)では、検出回路220による電流検出処理(電圧比較処理)を行う必要がなくなる。これにより、定速期間(所与の期間)において、低消費電流化を図ること等が可能になる。
ここで、本実施形態のより詳しい動作の説明を行う前に、モータードライバー200のより詳細な構成について、再度、図3を参照して説明する。
モータードライバー200は、モーター280(例えば、直流モーター、ステッピングモーター)に駆動電流を供給するブリッジ回路210と、ブリッジ回路210にPWM信号を出力する制御部240と、PWM信号をバッファリングするプリドライバー260と、チャージ電流を検出する検出回路220と、クロック生成回路270と、レジスター部250と、を含む。
モータードライバー200は、例えばICチップ(集積回路装置)で構成されており、モータードライバー200の端子は、ICチップのパッケージの端子或いはシリコン基板上のパッドに相当する。そして、モータードライバー200を構成するICチップは、プリント基板に実装されている。また、センス抵抗290は回路部品としてプリント基板に実装されている。
ブリッジ回路210は、ハイサイド側のトランジスターQ1、Q2と、ローサイド側のトランジスターQ3、Q4と、を含む。トランジスターQ1〜Q4は、Hブリッジに構成されたCMOSトランジスターである。ハイサイド側のトランジスターQ1、Q2は、例えばP型トランジスターであり、ローサイド側のトランジスターQ3、Q4よりも高電位電源側に接続される。ローサイド側のトランジスターQ3、Q4は、例えばN型トランジスターであり、ハイサイド側のトランジスターQ1、Q2よりも低電位電源側に接続される。
具体的には、ハイサイド側のトランジスターQ1、Q2のソースノードは電源電圧VCCのノードに接続され、ローサイド側のトランジスターQ3、Q4のソースノードは、端子RNFに接続されたノードN1に接続される。端子RNFには、センス抵抗290の一端が接続される。センス抵抗290の他端はグランド電圧のノードに接続される。トランジスターQ1、Q3のドレインノードは、モーター280の一端が接続された端子OUT1に接続される。トランジスターQ2、Q4のドレインノードは、モーター280の他端が接続された端子OUT2に接続される。
なお、トランジスターQ1〜Q4は、CMOS構造により構成される寄生ダイオードD1〜D4を含み、それらはトランジスターQ1〜Q4に並列に接続される。
ここで、トランジスターQ1〜Q4は全てN型のCMOSトランジスターで構成してもよい。あるいは、トランジスターQ1〜Q4はバイポーラトランジスターで構成してもよい。この場合、ダイオードD1〜D4は寄生ダイオードでなく、回路素子である。
また、制御部240は、PWM信号として駆動信号S1〜S4を生成する駆動信号生成部241を含む。
そして、検出回路220は、基準電圧VRを生成して出力するD/A変換回路222と、基準電圧VRとセンス抵抗290の一端の電圧VSとを比較するコンパレーター221と、を含む。ここで、基準電圧VRは、D/A変換器222の出力電圧であり、電圧VSは、ブリッジ回路210に流れる電流に対応する検出電圧である。
コンパレーター221は、基準電圧VRとセンス抵抗290の一端の電圧VSとの比較結果に基づいて、信号CQ1を出力する。信号CQ1は、アクティブレベルの時に、チャージ期間からディケイ期間への切り替えを指示する信号である。
また、図4に示す検出回路220には、D/A変換回路222とコンパレーター221だけを図示しているが、本実施形態の検出回路220は、より具体的には例えば図5に示すような構成である。
つまり、検出回路220は、前述したコンパレーターである第1コンパレーター221と、第2コンパレーター226と、第1セレクター部223と、チャージ期間カウンター224と、第2セレクター部225と、を有する。
第2コンパレーター226には、後述するチャージ期間カウンター224と、後述する第2セレクター部225が接続されている。そして、第2コンパレーター226は、チャージ期間カウンター224のカウンター値と、第2セレクター部225から出力されるチャージカウント値とを比較し、比較結果に基づいて、信号CQ2を出力する。信号CQ2は、信号CQ1と同様に、アクティブレベルの時に、チャージ期間からディケイ期間への切り替えを指示する信号である。
第1セレクター部223には、第1コンパレーター221と、第2コンパレーター226とが接続されている。第1セレクター部223には、第1コンパレーター221からの出力信号CQ1と、第2コンパレーター226からの出力信号CQ2と、自走モードが設定されているか否かのモード設定情報とが入力される。そして、第1セレクター部223は、自走モード(定速モード)に設定されている時には、第2コンパレーター226の出力信号CQ2を出力し、自走モードに設定されていない時(通常動作モード設定時)には、第1コンパレーター221の出力信号CQ1を出力する。
ここで、自走モードとは、チョッピング電流の検出結果を用いずにデジタル的に自律して期間の切り替えを行うモードである。このモードは、ブリッジ回路210が出力する駆動電流が一定である場合に設定されるモードである。例えばモーター280が直流モーターである場合には、モーター280を定速動作させる際に設定される。例えば、レジスター部250は、処理部110からモード設定が書き込まれる不図示のモード設定レジスター251を含む。そして、書き込まれたモード設定信号MDに基づいて制御部240が通常動作モード又は自走モードにおける動作を行う。
チャージ期間カウンター224は、自走モードに設定されている時に、チャージ期間が開始されてからの時間をカウントする。
第2セレクター部225には、レジスター部250等が接続されている。第2セレクター部225には、ROMからのチャージカウント値と、外部からレジスター部250に設定されたチャージカウント値と、選択情報selとが入力される。選択情報selは、ROMからのチャージカウント値と、外部から設定されたチャージカウント値のどちらを選択するかを示す情報である。そして、第2セレクター部225は、選択情報selに基づいて選択されたチャージカウント値を第2コンパレーター226に出力する。
また、本実施形態のモーター駆動制御システム100は、モーター280の位置検出を行う位置検出センサー130を含む。そして、処理部110は、モータードライバー200が電流検出を行ってチャージ期間からディケイ期間に切り替える第1モードから、モータードライバー200が電流検出を行わずにチャージ期間からディケイ期間に切り替える第2モードへと、位置検出の結果に基づいて切り替える。なお、位置検出センサー130が検出するモーター280の位置には、モーター280の回転角度と回転速度とが含まれる。
ここで、第1モードは、加速期間及び減速期間に設定されるモードであり、第2モードは、定速期間(所与の期間)において設定されるモードである。例えば第1モードは、前述した通常動作モードであり、第2モードは、前述した自走モードである。つまり、処理部110は、加速期間及び減速期間において第1モードに設定し、モータードライバー200が電流検出を行ってチャージ期間からディケイ期間に切り替える。そして、処理部110は、定速期間(所与の期間)において第2モードに設定し、モータードライバー200が電流検出を行わずに、位置検出センサー130の位置検出の結果に基づいて、チャージ期間からディケイ期間に切り替える。
これにより、電流検出を行うために消費していた電流を削減すること等が可能になる。
また、本実施形態のモーター駆動制御システム100は、チャージ期間情報を記憶する記憶部120を含む。そして、処理部110は、記憶部120に記憶されたチャージ期間情報に基づいて、モータードライバー200にチャージ期間情報を設定する。
これにより、モータードライバー200の外部に記憶されたチャージ期間情報を、モータードライバー200のレジスター部250に設定すること等が可能になる。したがって、例えばモーター駆動制御システム100の使用者が、モーター駆動制御システム100の使用時にチャージ期間情報を変更すること等が可能になる。
3.加速期間及び減速期間における処理の詳細
次に、図4〜図6を参照しながら、第1モード設定時、つまり加速期間又は減速期間におけるモータードライバー200の動作を説明する。
チャージ期間TCでは、ブリッジ回路210のトランジスターQ1、Q4がオンになり、トランジスターQ2、Q3がオフになる。このとき、モーター280を流れる電流Id(チャージ電流)は増加するため、図6に示すように、電圧VSが上昇していく。コンパレーター221は、電圧VSが基準電圧VRに達したことを検出して信号CQ1をアクティブにし、制御部240は、アクティブになった信号CQ1を受けて、チャージ期間TCからディケイ期間TDに切り替える。電圧VSが基準電圧VRに達したときの電流をチョッピング電流ILと呼ぶ。
ディケイ期間TDでは、ブリッジ回路210のトランジスターQ2、Q3がオンになり、トランジスターQ1、Q4がオフになる。このとき、モーター280を流れる電流Id(ディケイ電流)は減少していく。
このようにして、モーター280を流れる電流がチョッピング電流ILを上限として上下し、その平均がモーター280の駆動電流となる。レジスター部250には、D/A変換回路222の設定値(基準電圧VRの設定値)を可変に設定可能である。チョッピング電流は基準電圧VRによって決まるので、D/A変換回路222の設定値を変えることによって駆動電流が設定され、モーター280の回転数やトルクを制御できる。
図7に、上記動作のより詳細なタイミングチャートを示す。まず、チャージ期間からディケイ期間への切り替えるときの動作を説明する。
図7のA1に示すように、制御部240は、クロック信号CLKの立ち上がりで信号CQ1をサンプリングし、そのサンプリングした信号CQ1に基づいて期間の切り替えを制御する。
具体的には、クロック信号CLKの1回目の立ち上がりで信号CQ1がHレベルであったとする。次の2回目の立ち上がりまでの間に電流Idが設定値を下から上に超えた場合(電圧VSが基準電圧VRを下から上に超えた場合)、コンパレーター221の出力信号CQ1は、Hレベル(非アクティブ)からLレベル(アクティブ)に変化する。そうすると、2回目の立ち上がりで信号CQ1はLレベルに変化する。そして、更に次の3回目の立ち上がりで信号CQ1がLレベルを維持している場合に、制御部240はチャージ期間からディケイ期間へ切り替える。切り替えるタイミングは、Lレベルを2回確認した次の4回目の立ち上がりである。
このように、少なくとも2回のクロックでコンパレーター221の出力信号CQ1がLレベル(アクティブ)であることを確認し、期間を切り替える処理を、マスク処理と呼ぶ。このマスク処理により、ノイズによる信号CQ1の反転を排除し、チョッピング電流が真に設定値を超えた場合にだけチャージ期間からディケイ期間に切り替えることができる。
ディケイ期間に切り替わると、制御部240は不図示のカウンターにカウントを開始させる。制御部240は、所定のカウント値(図7の例では“1F”)に達したことを確認すると、ディケイ期間からチャージ期間へ切り替える。
4.定速期間における処理の詳細
次に、第2モード(自走モード)設定時、つまり定速期間(所与の期間)におけるモータードライバー200の動作を説明する。
モータードライバー200は、チャージ期間カウンター224を有し、定速期間(所与の期間)においては、チャージ期間カウンター224のカウント値に基づいて、チャージ期間からディケイ期間への切り替えを行う。
これにより、センス抵抗290の一端の電圧と基準電圧との比較処理を、検出回路220により行わずに、チャージ期間からディケイ期間への切り替えを行うこと等が可能になる。
その際に、処理部110は、チャージ期間の長さの情報を含むチャージ期間情報を、モータードライバー200のレジスター部250に設定する。そして、制御部240は、チャージ期間カウンター224のカウント値とチャージ期間の長さとを比較して、チャージ期間からディケイ期間への切り替えを行う。
これにより、例えばチャージ期間カウンター224のカウント値がチャージ期間の長さを超えた場合に、チャージ期間からディケイ期間への切り替えを行うこと等が可能になる。
ここで、図8を用いて、自走モードにおける具体的な動作について説明する。自走モードでは、チャージ期間カウンター224により所定のチャージ期間までカウントし、チャージ期間を一定に保つ。
本例では自走モードに設定されているため、図5の検出回路220からは、第1セレクター部223により、第2コンパレーター226の出力信号CQ2が選択され、信号CQ2がそのまま出力される。
例えば、レジスター部250にチャージ期間情報としてチャージカウント設定値“F”が記憶されているとする。図8のC1に示すように、検出回路220は、チャージ期間カウンター224のチャージカウント値が“F”に達したときのクロック信号CLKの立ち上がりで、検出信号CQ2をLレベル(非アクティブ)からHレベル(アクティブ)にして出力する。
そして、C2に示すように、制御部240はクロック信号CLKの立ち上がりで検出信号CQ2をサンプリングし、そのサンプリングした検出信号CQ2がHレベルである場合に、チャージ期間からディケイ期間へ切り替え、ディケイ期間における駆動信号S1〜S4を出力する。なお、制御部240は、ディケイ期間に切り替える際にチャージ期間カウンター224のチャージカウント値をリセットする。ディケイ期間からチャージ期間への切り替えは、通常動作モードと同じである。
さらに、記憶部120は、位置検出センサー130によって検出されるモーター280の位置と、チャージ期間に関するチャージ期間情報とが対応付けられたテーブルデータを記憶していてもよい。そして、処理部110は、テーブルデータに基づいて、チャージ期間情報をモータードライバー200に設定してもよい。
これにより、モーター280の現在位置に応じて異なるチャージ期間情報に基づいて、モーター280を制御すること等が可能になる。
また、記憶部120は、D/A変換器222に入力される比較用デジタル値と、モーター280の位置が対応付けられたテーブルデータを記憶してもよい。この比較用デジタル値は、モータードライバー200のD/A変換器222が、参照電圧Vrefを基準電圧(出力電圧)VRに変換するために用いるデータである。
そして、処理部110は、モーター280の加速期間とモーター280の減速期間の少なくとも一方の期間においては、モーター280の位置に対応付けられた比較用デジタル値をモータードライバー200に設定し、定速期間(所与の期間)においては、モーター280の位置に対応付けられたチャージ期間情報をモータードライバー200に設定する。
これにより、使用者が比較用デジタル値を設定することによって、加速期間と減速期間のモーター280の駆動を制御すること等が可能になる。また、定速期間(所与の期間)においては、チャージ期間情報に基づいて、モーター280の駆動を制御すること等が可能になる。
5.全体の動作
次に、図9のフローチャートを用いて、本実施形態における全体の処理の流れについて説明する。
まず、使用者がモーター駆動制御システム100の電源を投入する(S101)。そして、モーター駆動制御システム100がリセット状態を解除し(S102)、レジスター部250への書き込みを可能にする。次に、モーター駆動制御システム100は、ENABLEオン状態に設定する。これにより、レジスター部250の設定が有効になり、モーター駆動制御システム100が、動作開始可能になる。
次に、モーター駆動制御システム100の処理部110が、自走モードに設定されているか否かを判定する(S104)。自走モードは、前述した第2モードのことである。つまり、加速期間又は減速期間である場合には、第1モードに設定されているため、自走モードではないと判定し、定速期間である場合には、第2モードに設定されているため、自走モードであると判定する。
まず、自走モードではないと判定した場合には、図6及び図7を用いて説明した動作を行う。すなわち、まずモータードライバー200がチャージ動作を開始し(S105)、コンパレーター221が、基準電圧VRとセンス抵抗290の一端の電圧VSとを比較する。そして、電圧VSが基準電圧VRよりも大きくなったことを検出した時に、チャージ期間からディケイ期間に移行させる(S106)。
次に、ディケイ期間カウンターをインクリメントし(S107)、カウント値がディケイカウント設定値と等しいか否かを判定する(S108)。カウント値がディケイカウント設定値と異なると判定した場合には、ステップS107に戻り、ディケイ期間カウンターのインクリメントを継続する。
一方、カウント値がディケイカウント設定値と等しいと判定した場合には、ステップS105に戻り、チャージ動作を開始する。
また、自走モードであると判定した場合には、定速期間であると判定し、図8を用いて説明した動作を行う。
自走モードでは、まず、チャージ期間カウンター224をインクリメントし(S109)、カウント値がチャージカウント設定値と等しいか否かを判定する(S110)。カウント値がチャージカウント設定値と異なると判定した場合には、ステップS109に戻り、チャージ期間カウンター224のインクリメントを継続する。
一方、カウント値がチャージカウント設定値と等しいと判定した場合には、ステップS111に戻り、チャージ期間からディケイ期間に移行する。
そして、ディケイ期間に移行した後は、ステップS107及びステップS108と同様に、ディケイ期間カウンターをインクリメントし(S111)、カウント値がディケイカウント設定値と等しいか否かを判定する(S112)。カウント値がディケイカウント設定値と異なると判定した場合には、ステップS111に戻り、ディケイ期間カウンターのインクリメントを継続する。
一方、カウント値がディケイカウント設定値と等しいと判定した場合には、ステップS109に戻り、チャージ動作を開始する。以上が本実施形態の処理の流れである。
本実施形態では以上のようにして、モーター駆動制御システム100全体において、より低消費電流化を図ることが可能となる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。また、モーター駆動制御システム及び電子機器の構成・動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
100 モーター駆動制御システム、110 処理部、120 記憶部、
130 位置検出センサー、200 モータードライバー、210 ブリッジ回路、
220 検出回路、221 コンパレーター(第1コンパレーター)、
222 D/A変換回路(D/A変換器)、223 第1セレクター部、
224 チャージ期間カウンター、225 第2セレクター部、
226 第2コンパレーター、240 制御部、241 駆動信号生成部、
250 レジスター部、251 モード設定レジスター、260 プリドライバー、
270 クロック生成回路、280 モーター、290 センス抵抗

Claims (8)

  1. モーターを駆動するモータードライバーと、
    前記モータードライバーを制御する処理部と、
    を含み、
    前記モータードライバーは、
    ハイサイド側のトランジスターとローサイド側のトランジスターとを有するブリッジ回路と、
    前記ハイサイド側のトランジスター及び前記ローサイド側のトランジスターのオン・オフ制御を行う制御部と、
    前記ブリッジ回路を流れる電流を検出する検出回路と、
    を有し、
    前記モータードライバーは、
    前記モーターの加速期間又は前記モーターの減速期間の少なくとも一方の期間では、前記ブリッジ回路に流れる前記電流を前記検出回路により検出して、前記電流を増加させるチャージ期間から、前記電流を減少させるディケイ期間への切り替えを行い、
    前記モーターの所与の期間では、前記電流を前記検出回路により検出せずに、前記チャージ期間から前記ディケイ期間への切り替えを行うことを特徴とするモーター駆動制御システム。
  2. 請求項において、
    前記モータードライバーは、
    チャージ期間カウンターを有し、
    前記所与の期間においては、前記チャージ期間カウンターのカウント値に基づいて、前記チャージ期間から前記ディケイ期間への切り替えを行うことを特徴とするモーター駆動制御システム。
  3. 請求項において、
    前記処理部は、
    前記チャージ期間の長さの情報を含むチャージ期間情報を、前記モータードライバーに設定し、
    前記制御部は、
    前記チャージ期間カウンターの前記カウント値と前記チャージ期間の長さとを比較して、前記チャージ期間から前記ディケイ期間への切り替えを行うことを特徴とするモーター駆動制御システム。
  4. 請求項において、
    前記チャージ期間情報を記憶する記憶部を含み、
    前記処理部は、
    前記記憶部に記憶された前記チャージ期間情報に基づいて、前記モータードライバーに前記チャージ期間情報を設定することを特徴とするモーター駆動制御システム。
  5. モーターを駆動するモータードライバーと、
    前記モータードライバーを制御する処理部と、
    前記モーターの位置検出を行う位置検出センサーと、
    を含み、
    前記モータードライバーは、
    ハイサイド側のトランジスターとローサイド側のトランジスターとを有するブリッジ回路と、
    前記ハイサイド側のトランジスター及び前記ローサイド側のトランジスターのオン・オフ制御を行う制御部と、
    前記ブリッジ回路を流れる電流を検出する検出回路と、
    を有し、
    前記検出回路は、
    前記処理部の指示情報に基づいて、前記モーターの所与の期間において、電流検出を停止し、
    前記処理部は、
    前記モータードライバーが前記電流検出を行って、前記電流を増加させるチャージ期間から、前記電流を減少させるディケイ期間に切り替える第1モードから、
    前記モータードライバーが前記電流検出を行わずに前記チャージ期間から前記ディケイ期間に切り替える第2モードへと、
    前記位置検出の結果に基づいて切り替えることを特徴とするモーター駆動制御システム。
  6. 請求項において、
    前記位置検出センサーによって検出される前記モーターの位置と、前記チャージ期間に関するチャージ期間情報とが対応付けられたテーブルデータを記憶する記憶部を含み、
    前記処理部は、
    前記テーブルデータに基づいて、前記チャージ期間情報を前記モータードライバーに設定することを特徴とするモーター駆動制御システム。
  7. 請求項において、
    前記検出回路は、
    D/A変換器と、
    前記D/A変換器の出力電圧と、前記ブリッジ回路に流れる前記電流に対応する検出電圧と、を比較するコンパレーターと、
    を有し、
    前記記憶部は、
    前記D/A変換器に入力される比較用デジタル値と、前記モーターの位置が対応付けられた前記テーブルデータを記憶し、
    前記処理部は、
    前記モーターの加速期間及び前記モーターの減速期間の少なくとも一方の期間においては、前記モーターの位置に対応付けられた前記比較用デジタル値を前記モータードライバーに設定し、前記所与の期間においては、前記モーターの位置に対応付けられた前記チャージ期間情報を前記モータードライバーに設定することを特徴とするモーター駆動制御システム。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載されたモーター駆動制御システムを含むことを特徴とする電子機器。
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