JP2016092466A - 振動素子、振動素子の製造方法、電子デバイス、電子機器、および移動体 - Google Patents

振動素子、振動素子の製造方法、電子デバイス、電子機器、および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】大きな周波数調整を行ってもCI値の上昇率が小さい振動素子、この振動素子の製造方法、この振動素子を用いた電子デバイス、電子機器、および移動体を提供する。
【解決手段】本発明の振動素子100は、基部110と、基部110から延出している振動腕120,130と、振動腕120,130の基部110と反対側の先端部に幅広部140,150と、を有し、平面視で幅広部140,150の面積をSとし、振動腕120,130の幅をwとし、振動腕120,130の厚みをtとしたとき、0<S/(t×w)<7となるように形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動素子、この振動素子の製造方法、この振動素子を用いた電子デバイス、電子機器、および移動体に関する。
モバイルコンピューターやICカードなどの小型の情報機器や、携帯電話などの移動体通信機器、および車体制御や自車位置検出、あるいはデジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの振動制御補正機能(所謂手ぶれ補正)などに、振動素子を用いた振動子やジャイロセンサーなどが広く利用されている。例えば、振動子は、屈曲振動で振動する振動腕を有する振動素子を所定の共振周波数で振動させて得られる出力信号が信号処理のタイミング源として用いられる。また、振動素子をジャイロ素子とするジャイロセンサーは、屈曲振動で振動する振動腕を有するジャイロ素子により、物体の揺れや回転などをジャイロ素子の一部に発生する電気信号を角速度として検出し、回転角を算出することによって物体の変位を求める。
近年、これらの振動素子を用いる電子機器の小型化に伴い、それらに用いられる振動子やジャイロセンサーも小型化が要求されている。そして、振動子やジャイロセンサーが小型化されるにしたがって、振動素子の小型化も必然的に必要となる。そのため、特許文献1では、腕部(振動腕)の先端部に腕部の幅よりも広い腕重り部(幅広部)を設け、腕部の長さの増大を抑えながら所定の振動を得ることができる音叉型水晶振動子(振動素子)が開示されている。
特開昭64−58108号公報
しかしながら、特許文献1に記載の音叉型水晶振動子(振動素子)では、振動素子の小型化が進むにつれて、腕重り部(幅広部)のサイズを大きくするとCI(クリスタルインピーダンス又は等価直列抵抗)が大きくなるという問題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る振動素子は、基部と、前記基部から延出している振動腕と、前記振動腕の前記基部と接続する一端側とは反対側の他端側に幅広部と、を有し、平面視で前記幅広部の面積をSとし、前記振動腕の厚さをtとし、前記振動腕の幅をwとしたとき、0<S/(t×w)<7であることを特徴とする。
本適用例によれば、振動腕に設けられた幅広部の面積Sと、振動腕の厚さtと、振動腕の幅wと、を0<S/(t×w)<7の関係とすることで、振動素子の小型化を図るために幅広部のサイズを大きくすることに伴うCI値の上昇を低減し、小型の振動素子を提供することができる。また、幅広部の単位面積当たりの周波数調整量を大きくすることができるので、漏れ振動を抑制するための周波数調整範囲が広くとれ、より小型で高安定な特性を有する振動素子を提供することができる。
[適用例2]上記適用例に記載の振動素子において、前記基部の一端から延出している一対の前記振動腕と、前記基部の前記一端とは反対側の他端から延出している一対の検出振動腕と、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、振動腕を駆動用とするジャイロ素子として構成すると、駆動用として機能する振動腕と検出振動腕とが、基部の同一軸方向の両端部からそれぞれ延伸されているので、駆動系と検出系が分離されることから、駆動系と検出系の電極間あるいは配線間の静電結合が低減され、角速度の検出感度を安定させることができる。
[適用例3]上記適用例に記載の振動素子において、前記基部から延出し、前記振動腕または前記検出振動腕を挟むように位置する一対の調整用振動腕を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、前述の適用例に加えて、漏れ出力を調整するための調整用振動腕が設けられていることにより、振動漏れ出力によって検出振動腕に発生する電荷を調整用振動腕で発生する電荷でキャンセルすることができる。
[適用例4]本適用例に係る振動素子の製造方法は、基部と、前記基部から延出している振動腕と、前記振動腕の前記基部と接続する一端側とは反対側の他端側に幅広部と、を有する振動素子の製造方法であって、平面視で前記幅広部の面積をSとし、前記振動腕の厚さをtとし、前記振動腕の幅をwとしたとき、0<S/(t×w)<7を含むように前記振動素子の外周形状が形成する外形形成工程を有していることを特徴とする。
本適用例によれば、振動腕に設けられた幅広部の面積Sと、振動腕の厚さtと、振動腕の幅wと、を0<S/(t×w)<7の関係となるように振動素子の外周形状を加工形成することで、振動素子の小型化を図るために幅広部のサイズを大きくすることに伴うCI値の上昇を低減し、小型の振動素子を提供することができる。また、幅広部のサイズを大きくすることに伴う単位面積当たりの周波数調整量の減少を低減することができるので、漏れ振動を抑制するための周波数調整範囲がとれ、より小型で高安定な特性を有する振動素子を提供することができる。
[適用例5]本適用例に係る電子デバイスは、上記適用例のいずれか一例に記載の振動素子と、少なくとも前記振動腕を励振させる駆動回路を含む電子部品と、前記振動素子および前記電子部品の少なくとも一方を収容しているパッケージと、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例のいずれか一例に記載の効果を有する振動素子を備えた電子デバイスを得ることができる。加えて、上記構成のようなパッケージタイプの電子デバイスは、小型化・薄型化に有利であるとともに耐衝撃性を高くすることができる。
[適用例6]本適用例に係る電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の振動素子を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例のいずれか一例に記載の効果を有する振動素子を備えているので、高性能な電子機器を提供することができる。
[適用例7]本適用例に係る移動体は、上記適用例のいずれか一例に記載の振動素子を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例のいずれか一例に記載の効果を有する振動素子を備えているので、高性能な移動体を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る振動素子の概略構成を示し、(a)は平面図、(b)は図1(a)中のA−A線の断面図。 第1実施形態に係る振動素子の寸法比S/(t×w)とCI値上昇率との相関を示すグラフ。 第1実施形態に係る振動素子の寸法比S/(t×w)と周波数調整量との相関を示すグラフ。 本発明の第2実施形態に係る振動素子の一例としてのH型ジャイロ素子の概略構成を示す平面図。 第2実施形態に係る振動素子の電極構成を説明する図であり、(a)は図4中のB−B線の断面図、(b)は図4中のC−C線の断面図。 本発明の第3実施形態に係る振動素子の一例としての調整用振動腕を有するH型ジャイロ素子の概略構成を示す平面図。 本発明の第4実施形態に係る振動素子の一例としてのダブルT型ジャイロ素子の概略構成を示す平面図。 本発明の実施形態に係る振動素子の製造工程の概略を示すフローチャート。 本発明の実施形態に係る電子デバイスの一例としてのジャイロセンサーの概略構成を示す正断面図。 (a)〜(c)は、本発明の実施形態に係る振動素子を備える電子機器の一例を示す斜視図。 本発明の実施形態に係る振動素子を備える移動体の一例としての自動車を示す斜視図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせている。また、図1、図4〜図7では、説明の便宜上、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示しており、その図示した矢印の先端側を「+側」、基端側を「−側」としている。また、以下の説明では、X軸に平行な方向を「X軸方向」と言い、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」と言い、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」と言う。
(第1実施形態)
<振動素子>
先ず、本発明の第1実施形態に係る振動素子の一例として、音叉型構造の振動素子を挙げ、その概略構成について、図1を参照して説明する。図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る振動素子の概略構成を模式的に示す平面図である。図1(b)は、図1(a)におけるA−A線での断面図である。
第1実施形態に係る音叉型構造の振動素子100は、図1に示すように、基部110と、基部110から+Y軸方向に延出している一対の振動腕120,130と、を備えている。基部110は、括れ部112を介して配置された狭幅部111と広幅部113とを備えた平板状をなしている。なお、基部110は、括れ部112が設けられない形状、すなわち略矩形平板状であってもよい。振動腕120,130は、基部110における狭幅部111の+Y側の一端から、Y軸方向に互いに略平行に延びる一対の角柱状の振動体である。
振動腕120,130の先端部には、振動腕120,130より幅が広い(X軸方向の寸法が大きい)略矩形状の幅広部140,150が設けられている。振動腕120,130に、幅広部140,150を設ける構成により、振動腕120,130の長さ(Y軸方向の寸法)の増大を抑えながら所定の周波数で振動することができるため、振動素子100を小型化することが可能となる。振動素子100を構成する基部110、振動腕120,130、および幅広部140,150は、フォトリソグラフィー法およびフッ素系溶液などによるウェットエッチング法やフッ素系ガスなどによるドライエッチング法で基材(主要部分を構成する材料)を加工することにより一体に形成されている。
本実施形態の振動素子100では、基材として圧電体材料である水晶を用いた例について説明する。水晶は、電気軸と呼ばれるX軸、機械軸と呼ばれるY軸および光学軸と呼ばれるZ軸を有している。振動素子100をなす基材は、水晶結晶軸において直交するX軸およびY軸で規定される平面に沿って切り出されて平板状に加工され、平面と直交するZ軸方向に所定の厚みを有している。Z軸は、X軸を中心に0度から2度の範囲で回転して切り出したものを使用することができる。所定の厚みは、振動周波数、外形サイズ、加工性などにより適宜設定される。
振動腕120および振動腕130は、X軸およびY軸で規定される平面と直交する面内方向(X軸方向)に沿って、互いに逆方向に振動する。すなわち、振動腕120が+X軸方向に向かい変位するときは、振動腕130が−X軸方向に向かい変位し、振動腕120が−X軸方向に向かい変位するときは、振動腕130が+X軸方向に向かい変位する。
基部110から延伸された振動腕120および振動腕130は、振動方向と直交する方向(Z軸方向)の寸法として、厚みtをなして形成される。振動腕120は、表面103cと、表面103cと反対側に設けられた裏面103dと、表面103cと裏面103dとを接続する側面103h,103iと、を備えている。また、振動腕130は、表面103gと、表面103gと反対側に設けられた裏面103fと、表面103gと裏面103fとを接続する側面103j,103kと、を備えている。
次に、振動素子100の駆動電極について説明する。振動腕120,130を駆動させるための駆動電極は、第1駆動電極121a,121b,132a,132b、および第2駆動電極122a,122b,131a,131bを備えている。第1駆動電極121a,121b,132a,132b、および第2駆動電極122a,122b,131a,131bは、振動腕120,130の付け根から先端部に向かって延伸するように設けられている。
図1(b)に示すように、振動腕120の一方の側面103hには、振動腕120の延伸方向(Y軸方向)に沿って第2駆動電極122aが設けられている。また、反対側の側面103iには、振動腕120の延伸方向に沿って第2駆動電極122bが設けられている。さらに、振動腕120の表面103cには、第1駆動電極121aが設けられ、裏面103dには、第1駆動電極121bが設けられている。そして、第1駆動電極121aと第1駆動電極121bとは、図示しないが、振動腕120の先端部などを経由して電気的に接続されている。同様に、第2駆動電極122aと第2駆動電極122bとは、図示しないが、振動腕120の先端部などを経由して電気的に接続されている。また、第1駆動電極121a,121bおよび第2駆動電極122a,122bは、図示しない配線を介して図示しない外部接続パッドに、それぞれが電気的に接続されている。
同様に、振動腕130の一方の側面103jには、振動腕130の延伸方向(Y軸方向)に沿って第1駆動電極132aが設けられている。また、反対側の側面103kには、振動腕130の延伸方向に沿って第1駆動電極132bが設けられている。さらに、振動腕130の表面103gには、第2駆動電極131aが設けられ、裏面103fには、第2駆動電極131bが設けられている。そして、第2駆動電極131aと第2駆動電極131bとは、図示しないが、振動腕130の先端部などを経由して電気的に接続されている。同様に、第1駆動電極132aと第1駆動電極132bとは、図示しないが、振動腕130の先端部などを経由して電気的に接続されている。また、第2駆動電極131a,131bおよび第1駆動電極132a,132bは、図示しない配線を介して図示しない外部接続パッドに、それぞれが電気的に接続されている。
振動腕120においては、第1駆動電極121aと第1駆動電極121bとは同電位となるように接続され、第2駆動電極122aと第2駆動電極122bとは同電位となるように接続されている。また、振動腕130においては、第2駆動電極131aと第2駆動電極131bとは同電位となるように接続され、第1駆動電極132aと第1駆動電極132bとは同電位となるように接続されている。このような構成の駆動電極に、位相が異なる交流電圧を印加すると、振動素子100は、振動腕120と振動腕130とが、X軸方向に沿って互いに逆方向へ変位する屈曲運動を繰り返し、所定の共振周波数で屈曲振動する。
上述した第1駆動電極121a,121b,132a,132b、および第2駆動電極122a,122b,131a,131bの構成は、特に限定されず、導電性を有し、薄膜形成が可能であればよい。具体的な構成としては、例えば、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属材料、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電材料により形成することができる。
次に、第1実施形態に係る振動素子100の外周形状とCI値および周波数調整量との相関について、図2および図3を参照して説明する。
図2は、第1実施形態に係る振動素子の寸法比S/(t×w)とCI値上昇率との相関を示すグラフである。図3は、第1実施形態に係る振動素子の寸法比S/(t×w)と周波数調整量との相関を示すグラフである。なお、図2および図3の横軸は、幅広部140,150の平面視での面積S(図1において2点鎖線で囲まれている領域)を振動腕120,130の厚みtと幅wとを乗算した値で除算したものである。また、図2の縦軸は、振動素子100の厚み寸法、振動腕120,130の幅寸法、基部110の外形寸法、および共振周波数が同一で、幅広部140,150が設けられていない振動素子のCI値を基準(0%)とし、幅広部140,150の面積Sを変化させたときの振動素子のCI値の上昇率である。また、図3の縦軸は、振動素子100の厚み寸法、振動腕120,130の幅寸法、基部110の外形寸法、および共振周波数が同一で、幅広部140,150が設けられていない振動素子の単位面積当たりの周波数調整量を基準(1.0)とし、幅広部140,150の面積Sを変化させたときの振動素子の単位面積当たりの周波数調整量である。
振動素子100の寸法比S/(t×w)とCI値上昇率との相関は、図2に示すように、寸法比S/(t×w)が大きくなる、つまり、幅広部140,150の面積Sが大きくなるのに伴い、CI値上昇率は増加する傾向を示し、寸法比S/(t×w)が8.7ではCI値上昇率が200%である。ここで、振動素子100を安定に発振可能とするCIの上限値は2MΩといわれているので、この上限値(2MΩ)を考慮すると、CI値上昇率の上限は200%と予想される。そのため、図2より、振動素子100を安定して発振することができる寸法比S/(t×w)は、0<S/(t×w)<8.7の範囲となる。
次に、振動素子100の寸法比S/(t×w)と周波数調整量△f/fとの相関は、図3に示すように、寸法比S/(t×w)が大きくなる、つまり、幅広部140,150の面積Sが大きくなるのに伴い、周波数調整量△f/fは減少する傾向を示し、寸法比S/(t×w)が7では周波数調整量△f/fが0.6である。よって、幅広部140,150を設けた場合の単位面積当たりの周波数調整量△f/fは、幅広部140,150を設けられていない場合に比べ、約40%効率が劣化することとなる。ここで、漏れ振動を抑制するための周波数調整範囲として、幅広部140,150が設けられていない場合の単位面積当たりの周波数調整量△f/fに比べ60%以上とするには、図3より、寸法比S/(t×w)を0<S/(t×w)<7の範囲とすることが好ましい。
以上の結果、幅広部140,150を設けた振動素子100において、寸法比S/(t×w)を0<S/(t×w)<7の範囲とすることで、振動素子100の小型化を図るために幅広部140,150のサイズを大きくすることに伴うCI値の上昇を、幅広部140,150を設けない場合に比べ、200%以下に低減し、小型の振動素子100を得ることができる。また、幅広部140,150のサイズを大きくすることに伴う単位面積当たりの周波数調整量△f/fの減少を、幅広部140,150を設けない場合に比べ、60%以上とすることができるので、漏れ振動を抑制するための周波数調整範囲がとれ、より小型で高安定な特性を有する振動素子100を得ることができる。
なお、振動素子100においては、振動片として用いる構成の他にも、ジャイロ素子として用いることもできる。この場合は、一対の振動腕120,130の一方の振動腕を駆動振動腕として用い、他の振動腕を検出振動腕として用い、所定の電極を設ける。
(第2実施形態)
<ジャイロ素子−1>
次に、本発明の第2実施形態に係る振動素子としてのジャイロ素子の概略構成について、図4および図5を参照して説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る振動素子の一例としてのH型ジャイロ素子の概略構造を示す平面図である。図4は、第2実施形態に係るジャイロ素子の電極構成を説明する図であり、図5(a)は図4におけるB−B線での断面図、図5(b)は図4におけるC−C線での断面図である。なお、図4においては、説明の便宜上、駆動電極や検出電極などの電極を省略している。
第2実施形態に係るジャイロ素子200は、図4に示すように、基部1と、基部1のY軸方向の端部1a,1bのうち一方の端部1bから、並行するようにY軸に沿って延伸された一対の振動腕としての駆動振動腕2a,2bと、基部1の他方の端部1aからY軸に沿って並行するように延伸された一対の検出振動腕3a,3bと、を有している。なお、駆動振動腕2a,2bおよび検出振動腕3a,3bは、基部1の一端からY軸方向に互いに略平行に延びる一対の角柱状の振動体である。
駆動振動腕2a,2bの先端部には、駆動振動腕2a,2bより幅が広い(X軸方向の寸法が大きい)略矩形状の幅広部4a,4bが設けられている。また、検出振動腕3a,3bの先端部には、検出振動腕3a,3bより幅が広い(X軸方向の寸法が大きい)略矩形状の幅広部5a,5bが設けられている。このように、駆動振動腕2a,2bおよび検出振動腕3a,3bにおいて、幅広部4a,4b,5a,5bが設けられていることにより、駆動振動腕2a,2bおよび検出振動腕3a,3bの長さ(Y軸方向の寸法)の増大を抑えながら所定の周波数で振動することができるため、ジャイロ素子200を小型化することが可能となる。
ジャイロ素子200は、基部1の所定の位置で、図示しないパッケージ等の基板に固定される。ジャイロ素子200を構成する基部1、駆動振動腕2a,2b、検出振動腕3a,3b、および幅広部4a,4b,5a,5bは、フォトリソグラフィー法およびフッ素系溶液などによるウェットエッチング法やフッ素系ガスなどによるドライエッチング法で基材(主要部分を構成する材料)を加工することにより一体に形成されている。
本実施形態のジャイロ素子200では、基材として圧電体材料である水晶を用いた例について説明する。水晶は、電気軸と呼ばれるX軸、機械軸と呼ばれるY軸および光学軸と呼ばれるZ軸を有している。本実施形態では、水晶結晶軸において直交するX軸及びY軸で規定される平面に沿って切り出されて平板状に加工され、平面と直交するZ軸方向に所定の厚みtを有した所謂水晶Z板を基材として用いた例を説明する。なお、ここでいう所定の厚みtは、発振周波数(共振周波数)、外形サイズ、加工性などにより適宜設定される。また、ジャイロ素子200を形成する平板は、水晶からの切り出し角度の誤差を、X軸、Y軸及びZ軸の各々につき多少の範囲で許容できる。例えば、X軸を中心に0度から2度の範囲で回転して切り出したものを使用することができる。Y軸及びZ軸についても同様である。
ジャイロ素子200は、中心部分に位置する略矩形状の基部1と、基部1のY軸方向の端部1a,1bのうち一方の端部(図中−Y軸方向の端部)1bから、並行するようにY軸に沿って延伸された一対の駆動振動腕2a,2bと、基部1の他方の端部(図中+Y軸方向の端部)1aからY軸に沿って並行するように延伸された一対の検出振動腕3a,3bと、を有している。このように、基部1の両端部1a,1bから、一対の駆動振動腕2a,2bと、一対の検出振動腕3a,3bとが、それぞれ同軸方向に延伸されている。
このような形状から、本実施形態に係るジャイロ素子200は、H型ジャイロ素子と呼ばれることがある。H型のジャイロ素子200は、駆動振動腕2a,2bと検出振動腕3a,3bとが、基部1の同一軸方向の両端部1a,1bからそれぞれ延伸されているので、駆動系と検出系が分離される。ジャイロ素子200は、このように駆動系と検出系が分離されることにより、駆動系と検出系の電極間あるいは配線間の静電結合が低減され、検出感度が安定するという特徴を有する。なお、第2実施形態ではH型のジャイロ素子200を例に駆動振動腕および検出振動腕を各々2本ずつ設けているが、振動腕の本数は1本であっても3本以上であっても良い。また、1本の振動腕に後述する駆動電極と検出電極を形成しても良い。
H型のジャイロ素子200は、一対の駆動振動腕2a,2bを面内方向(+X軸方向と−X軸方向)に振動させた状態で、Y軸回りに角速度ωが加わると、駆動振動腕2a,2bにコリオリ力が発生し、駆動振動腕2a,2bが面内方向と交差する面外方向(+Z軸方向と−Z軸方向)に、互いに逆方向に屈曲振動する。そして、検出振動腕3a,3bは、駆動振動腕2a,2bの面外方向の屈曲振動に共振して、同じく面外方向に屈曲振動する。この時、圧電効果により検出振動腕3a,3bに設けられている検出電極に電荷が発生する。ジャイロ素子200は、この電荷を検出することによりジャイロ素子200に加わる角速度ωを検出することができる。
基部1から延伸された一対の駆動振動腕2a,2bは、図5(b)に示すように、表面2c,2gと、表面2c,2gと反対側に設けられた裏面2d,2hと、表面2c,2gと裏面2d,2hとを接続する側面2e,2f,2k,2jと、を備えている。なお、駆動振動腕2a,2bには、駆動振動腕2a,2bを駆動させるための電極が設けられているが、電極の構成については後述する。
基部1から延伸された一対の検出振動腕3a,3bには、図5(a)に示すように、表面3c,3gと、表面3c,3gと反対側に設けられた裏面3d,3fと、表面3c,3gと裏面3d,3fとを接続する側面3h,3i,3j,3kと、を備えている。なお、検出振動腕3a,3bには、検出振動腕3a,3bが振動することによって発生する歪みを検出するための電極が設けられているが、電極の構成については後述する。
また、検出振動腕3a,3bには、検出振動腕3a,3bの延伸方向(Y軸方向)に沿って有底の凹部58a,58bが設けられている。検出振動腕3a,3bに凹部58a,58bを設けることにより、屈曲振動によって発生する熱が拡散(熱伝導)し難くなり、熱弾性損失を抑制することができるので、検出感度を向上させることができる。本実施形態における凹部58a,58bは、図5(a)に示すように、表面3c,3gおよび裏面3d,3fの両面側から掘り込まれている構成であるが、表面3c,3gあるいは裏面3d,3fの一方の面から掘込まれた構成でもよい。また、凹部58a,58bを設けない構成でもよい。
基部1の中央は、ジャイロ素子200の重心とすることができる。そして、X軸、Y軸及びZ軸は、互いに直交し、重心を通るものとする。ジャイロ素子200の外形は、重心を通るY軸方向の仮想の中心線に対して線対称とすることができる。これにより、ジャイロ素子200の外形はバランスのよいものとなり、ジャイロ素子200の特性が安定して、検出感度が向上するので好ましい。このようなジャイロ素子200の外周形状は、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチング(ウェットエッチング又はドライエッチング)により形成することができる。なお、ジャイロ素子200は、1枚の水晶ウェハーから複数個取りすることが可能である。
次に、ジャイロ素子200の電極配置の一実施形態について、図5を参照して説明する。図5(a)は、検出振動腕3a,3bの図4に示すB−B線における概略断面である。図5(b)は、駆動振動腕2a,2bの図4に示すC−C線における概略断面である。
先ず、検出振動腕3a,3bに形成され、検出振動腕3a,3bが振動することによって基材である水晶に発生する歪みを検出する検出電極について説明する。図5(a)に示すように、検出振動腕3a,3bには、前述したように、凹部58a,58bが設けられている。本実施形態における凹部58a,58bは、表面3c,3gおよび裏面3d,3fの両面側に設けられている。
検出振動腕3aには、側面3hに、検出振動腕3aの厚み方向(Z軸方向)の略中央に有って検出振動腕3aの延伸方向(Y軸方向)に沿って設けられた電極分割部3mによって分割された、表面3c側の第1検出電極21aと裏面3d側の第2検出電極22bとが設けられている。第1検出電極21aと対向する凹部58aの内側面には、第2検出電極22aが設けられ、第2検出電極22bと対向する凹部58aの内側面には、第1検出電極21bが設けられている。
また、側面3hとは反対側の側面3iに、検出振動腕3aの厚み方向の略中央に有って検出振動腕3aの延伸方向に沿って設けられた電極分割部3nによって分割された、表面3c側の第2検出電極22aと裏面3d側の第1検出電極21bとが設けられている。第2検出電極22aと対向する凹部58aの内側面には、第1検出電極21aが設けられ、第1検出電極21bと対向する凹部58aの内側面には、第2検出電極22bが設けられている。
更に、第1検出電極21aと第2検出電極22aとは、検出振動腕3aの延伸方向(Y軸方向)に沿って凹部58aの内部で、且つ凹部58aの底面に設けられた電極分割部3pによって分割され、第2検出電極22bと第1検出電極21bとは、検出振動腕3aの延伸方向(Y軸方向)に沿って凹部58aの内部で、且つ凹部58aの底面に設けられた電極分割部3qによって分割されている。
そして、第1検出電極21aと第1検出電極21bとは、図示しないが、検出振動腕3aの先端部などを経由して電気的に接続されている。第2検出電極22aと第2検出電極22bとは、図示しないが、検出振動腕3aの先端部などを経由して電気的に接続されている。なお、第1検出電極21a,21bおよび第2検出電極22a,22bは、検出振動腕3aの先端近傍まで延設されている。また、第1検出電極21a,21bおよび第2検出電極22a,22bは、図示しない配線を介して図示しない外部接続パッドに、それぞれが電気的に接続されている。
同様に、検出振動腕3bには、側面3jに、検出振動腕3bの厚み方向(Z軸方向)の略中央に有って検出振動腕3bの延伸方向(Y軸方向)に沿って設けられた電極分割部3rによって分割された、表面3g側の第2検出電極31aと裏面3f側の第1検出電極32bとが設けられている。第2検出電極31aと対向する凹部58bの内側面には、第1検出電極32aが設けられ、第1検出電極32bと対向する凹部58bの内側面には、第2検出電極31bが設けられている。
また、側面3jとは反対側の側面3kに、検出振動腕3bの厚み方向の略中央に有って検出振動腕3bの延伸方向に沿って設けられた電極分割部3sによって分割された、表面3g側の第1検出電極32aと裏面3f側の第2検出電極31bとが設けられている。第1検出電極32aと対向する凹部58bの内側面には、第2検出電極31aが設けられ、第2検出電極31bと対向する凹部58bの内側面には、第1検出電極32bが設けられている。
更に、第2検出電極31aと第1検出電極32aとは、検出振動腕3bの延伸方向(Y軸方向)に沿って凹部58bの内部で、且つ凹部58bの底面に設けられた電極分割部3xによって分割され、第1検出電極32bと第2検出電極31bとは、検出振動腕3bの延伸方向(Y軸方向)に沿って凹部58bの内部で、且つ凹部58bの底面に設けられた電極分割部3yによって分割されている。
そして、第2検出電極31aと第2検出電極31bとは、図示しないが、検出振動腕3bの先端部などを経由して電気的に接続されている。第1検出電極32aと第1検出電極32bとは、図示しないが、検出振動腕3bの先端部などを経由して電気的に接続されている。なお、第2検出電極31a,31bおよび第1検出電極32a,32bは、検出振動腕3bの先端近傍まで延設されている。また、第2検出電極31a,31bおよび第1検出電極32a,32bは、図示しない配線を介して図示しない外部接続パッドに、それぞれが電気的に接続されている。
検出振動腕3aにおいては、第1検出電極21aと第1検出電極21bとは同電位となるように接続され、第2検出電極22aと第2検出電極22bとは同電位となるように接続されている。これにより、検出振動腕3aの振動によって生じる歪みが、第1検出電極21a,21bと第2検出電極22a,22bとの電極間の電位差を検出することにより検出される。同様に、検出振動腕3bにおいては、第1検出電極32aと第1検出電極32bとは同電位となるように接続され、第2検出電極31aと第2検出電極31bとは同電位となるように接続されている。これにより、検出振動腕3bの振動によって生じる歪みが、第1検出電極32a,32bと第2検出電極31a,31bとの電極間の電位差を検出することにより検出される。
次に、駆動振動腕2a,2bに設けられた、駆動振動腕2a,2bを駆動させるための駆動電極11a,11b,11c,12a,12b,12cについて説明する。図5(b)に示すように、駆動振動腕2aの表面(一方の主面)2cには駆動電極11aが、および裏面(他方の主面)2dには駆動電極11bが、幅広部4a(図4参照)までの間に形成されている。また、駆動振動腕2aの一方の側面2e、および他方の側面2fには駆動電極12cが、駆動振動腕2aの幅広部4a(図4参照)までの間に形成されている。同様に、駆動振動腕2bの表面(一方の主面)2gには駆動電極12aが、および裏面(他方の主面)2hには駆動電極12bが、幅広部4b(図4参照)までの間に形成されている。また、駆動振動腕2bの一方の側面2j、および他方の側面2kには駆動電極11cが、駆動振動腕2bの幅広部4b(図4参照)までの間に形成されている。
駆動振動腕2a,2bに形成された駆動電極11a,11b,11c,12a,12b,12cは、駆動振動腕2a,2bを介して対向配置される駆動電極間において同電位となるように配置される。また、図示しないが、駆動電極11a,11b,11cが、接続される第1固定部に形成された接続パッド、および駆動電極12a,12b,12cが接続される第2固定部に形成された接続パッドを通して、駆動電極11a,11b,11cと駆動電極12a,12b,12cとの間に電位差を交互に与えることにより駆動振動腕2a,2bは、駆動振動腕2aと駆動振動腕2bとがX軸方向に沿って互いに逆方向へ変位する屈曲運動を繰り返し、所定の周波数で屈曲振動する。
上述した各駆動電極11a,11b,11c,12a,12b,12cおよび各検出電極21a,21b,22a,22b,31a,31b,32a,32bを構成する材料は、特に限定されず、導電性を有し、薄膜形成が可能であればよい。具体的な構成としては、例えば、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属材料、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電材料により形成することができる。
上述したジャイロ素子200では、前述の第1実施形態の振動素子100と同様に、幅広部4a,4b,5a,5bと駆動振動腕2a,2bおよび検出振動腕3a,3bにおける寸法比S/(t×w)を0<S/(t×w)<7の範囲とする。このような構成とすることにより、ジャイロ素子200の小型化を図るために幅広部4a,4b,5a,5bのサイズを大きくすることに伴う各振動腕のCI値の上昇を低減し、小型のジャイロ素子200を得ることができる。また、幅広部4a,4b,5a,5bのサイズを大きくすることに伴う単位面積当たりの周波数調整量△f/fの減少を低減することができるので、漏れ振動を抑制するための周波数調整範囲がとれ、より小型で高い検出感度を有するジャイロ素子200を得ることができる。
なお、上記第2実施形態に係るジャイロ素子200の説明では、駆動振動腕2a,2bと検出振動腕3a,3bとの先端部に幅広部4a,4b,5a,5bが設けられている例を用いたが、この構成に限らない。例えば、検出振動腕3a,3bには、幅広部5a,5bを備えていない形態でもよい。
(第3実施形態)
<ジャイロ素子−2>
次に、本発明の第3実施形態に係る振動素子としてのジャイロ素子について、図6を参照して説明する。図6は、本発明の第3実施形態に係る振動素子の一例としての調整用振動腕を有するH型ジャイロ素子の概略構造を示す平面図である。なお、図6においては、説明の便宜上、駆動電極や検出電極などの電極を省略している。
第3実施形態に係るジャイロ素子300は、図6に示すように、基材(主要部分を構成する材料)を加工することにより一体に形成された基部301と、基部301のY軸方向の端部301a,301bのうち一方の端部301bから、並行するようにY軸に沿って延伸された一対の振動腕としての駆動振動腕302a,302bと、基部301の他方の端部301aからY軸に沿って並行するように延伸された一対の検出振動腕303a,303bと、基部301の他方の端部301aからY軸に沿って並行するように延伸された一対の調整用振動腕304a,304bと、を有している。また、検出振動腕303a,303bの表裏主面には、Y軸に沿って有底の凹部358a,358bが設けられている。検出振動腕330a,303bに凹部358a,358bを設けることにより、屈曲振動によって発生する熱が拡散(熱伝導)し難くなり、熱弾性損失を抑制することができるので、検出感度を向上させることができる。
駆動振動腕302a,302bの先端部には、駆動振動腕302a,302bより幅が広い(X軸方向の寸法が大きい)略矩形状の幅広部352a,352bが設けられている。また、検出振動腕303a,303bの先端部には、検出振動腕303a,303bより幅が広い(X軸方向の寸法が大きい)略矩形状の幅広部353a,353bが設けられている。このように、駆動振動腕302a,302bおよび検出振動腕303a,303bの先端部にそれぞれ幅広部352a,352b,353a,353bが設けられていることにより、駆動振動腕302a,302bおよび検出振動腕303a,303bの長さ(Y軸方向の寸法)の増大を抑えながら所定の周波数で振動することができるため、ジャイロ素子300を小型化することが可能となる。
また、基部301から延出する第1連結部305a、および第1連結部305aに連結する第1支持部305bと、基部301から第1連結部305aと反対方向に延出する第2連結部306a、および第2連結部306aに連結する第2支持部306bと、が設けられている。更に、第1支持部305bおよび第2支持部306bは、駆動振動腕302a,302bの側で一体的に繋って、固定枠部307を構成している。そして、ジャイロ素子300は、固定枠部307の所定の位置で、図示しないパッケージ等の基板に固定される。
本実施形態のジャイロ素子300では、基材として圧電体材料である水晶を用いた例について説明する。ジャイロ素子300をなす基材は、水晶結晶軸において直交するX軸およびY軸で規定される平面に沿って切り出されて平板状に加工され、平面と直交するZ軸方向に所定の厚みを有している。Z軸は、X軸を中心に0度から2度の範囲で回転して切り出したものを使用することができる。所定の厚みは、振動周波数、外形サイズ、加工性などにより適宜設定される。
更に、ジャイロ素子300には、図6に示すように、水晶の結晶X軸(電気軸)と交差する方向に検出振動腕303a,303bと並行させて且つ検出振動腕303a,303bを挟むように、基部301の他方の端部301aから延伸された一対の調整用振動腕304a,304bが設けられている。即ち、調整用振動腕304a,304bは、Y軸に沿って+Y軸方向に延伸され、検出振動腕303a,303bと所定の間隔を空けて挟むように位置し、且つ並行するように設けられている。
なお、調整用振動腕304a,304bは、チューニングアームと呼ばれることもある。このような調整用振動腕304a,304bが設けられていることにより、漏れ出力を調整することが可能となる。換言すれば、駆動振動が漏れる(伝播する)、所謂振動漏れ出力の抑制や、一対の駆動振動腕および一対の検出振動腕が同一方向に変位する振動であるTuxモード振動などの不要モード振動の抑制が可能となり、ジャイロ素子300の振動特性を安定させることが可能となる。
また、調整用振動腕304a,304bは、駆動振動腕302a,302bおよび検出振動腕303a,303bよりも全長が短く形成されている。これにより、漏れ出力を調整するための調整用振動腕304a,304bの振動が、駆動振動腕302a,302bと検出振動腕303a,303bによるジャイロ素子300の主要な振動を阻害することがないので、ジャイロ素子300の振動特性が安定するとともに、ジャイロ素子300の小型化にも有利となる。
更に、調整用振動腕304a,304bの先端部には、調整用振動腕304a,304bより幅が広い(X軸方向の寸法が大きい)略矩形状の幅広部354a,354bが設けられている。このように、調整用振動腕304a,304bの先端部に幅広部354a,354bを設けることにより、調整用振動腕304a,304bにおける質量変化を顕著にさせることができ、ジャイロ素子300の高感度化に寄与する効果を更に向上させることができる。
基部301の中央は、ジャイロ素子300の重心とすることができる。そして、X軸、Y軸およびZ軸は、互いに直交し、重心を通るものとする。ジャイロ素子300の外形は、重心を通るY軸方向の仮想の中心線に対して線対称とすることができる。これにより、ジャイロ素子300の外形はバランスのよいものとなり、ジャイロ素子300の特性が安定して、検出感度が向上するので好ましい。このようなジャイロ素子300の外周形状は、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチング(ウェットエッチング又はドライエッチング)により形成することができる。なお、ジャイロ素子300は、1枚の水晶ウェハーから複数個取りすることが可能である。
次に、調整用振動腕304a,304bに設けられた電極について説明する。図示しないが、調整用振動腕304aには、表裏面に同電位の調整用電極が形成されている。また、調整用振動腕304aの両側面のそれぞれには、同電位である他の調整用電極が形成されている。同様に、調整用振動腕304bには、表裏面に同電位の調整用電極が形成されている。また、調整用振動腕304bの両側面には、同電位である他の調整用電極が形成されている。
なお、駆動振動腕302a,302bおよび検出振動腕303a,303bに形成されている電極の構成は、第2実施形態で説明した電極構成と同様であるので、本実施形態での説明は省略する。
上述したジャイロ素子300では、前述の第2実施形態のジャイロ素子200と同様に、幅広部352a,352b,353a,353b,354a,354b、駆動振動腕302a,302b、検出振動腕303a,303b、および調整用振動腕304a,304bにおける寸法比S/(t×w)を0<S/(t×w)<7の範囲とする。このような構成とすることにより、ジャイロ素子300の小型化を図るために幅広部352a,352b,353a,353b,354a,354bのサイズを大きくすることに伴う各振動腕のCI値の上昇を低減し、小型のジャイロ素子300を得ることができる。また、幅広部352a,352b,353a,353b,354a,354bのサイズを大きくすることに伴う単位面積当たりの周波数調整量△f/fの減少を低減することができるので、漏れ振動を抑制するための周波数調整範囲がとれ、より小型で高い検出感度を有するジャイロ素子300を得ることができる。
なお、上記第3実施形態に係るジャイロ素子300の説明では、基部301の他方の端部301aに、一対の検出振動腕303a,303bと、検出振動腕303a,303bを挟む一対の調整用振動腕304a,304bと、が設けられ、一方の端部301bに、一対の駆動振動腕302a,302bが設けられている例を用いたが、この構成に限らない。例えば、駆動振動腕302a,302bと調整用振動腕304a,304bとが、基部301の同じ端から同方向に延出されている形態でもよい。
また、駆動振動腕302a,302b、検出振動腕303a,303b、および調整用振動腕304a,304bの先端部に幅広部352a,352b,353a,353b,354a,354bが設けられている例を用いたが、この構成に限らない。例えば、検出振動腕303a,303b又は調整用振動腕304a,304bには、幅広部353a,353b,354a,354bを備えていない形態でもよい。
更に、検出振動腕303a,303bに設けられている凹部358a,358bは、表裏の主面の両面側から掘り込まれている構成であるが、表面あるいは裏面の一方の面から掘込まれた構成でもよい。また、凹部358a,358bを設けない構成でもよい。
(第4実施形態)
<ジャイロ素子−3>
次に、本発明の第4実施形態に係る振動素子としてのジャイロ素子について、図7を参照して説明する。図7は、本発明の第4実施形態に係る振動素子の一例としてのダブルT型ジャイロ素子の概略構造を示す概略平面図である。なお、ジャイロ素子400には、検出信号電極、検出信号配線、検出信号端子、検出接地電極、検出接地配線、検出接地端子、駆動信号電極、駆動信号配線、駆動信号端子、駆動接地電極、駆動接地配線および駆動接地端子などが設けられているが、図7においては省略している。
第4実施形態に係るジャイロ素子400は、Z軸回りの角速度を検出する「面外検出型」のセンサー素子であって、図示しないが、基材と、基材の表面に設けられている複数の電極、配線および端子とで構成されている。ジャイロ素子400は、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの圧電材料で構成することができるが、これらの中でも、水晶で構成するのが好ましい。これにより、優れた振動特性(周波数特性)を発揮することのできるジャイロ素子400が得られる。
このようなジャイロ素子400は、所謂ダブルT型をなす振動体4と、振動体4を支持する支持部としての第1支持部51および第2支持部52と、振動体4と第1支持部51および第2支持部52とを連結する第1梁61、第2梁62、第3梁63および第4梁64とを有している。
振動体4は、XY平面に拡がりを有し、Z軸方向に厚みを有している。このような振動体4は、中央に位置する基部41と、基部41からY軸方向に沿って両側に延出している振動腕としての第1検出振動腕421、第2検出振動腕422と、基部41からX軸方向に沿って両側に延出している基部41の第1連結腕431、基部41の第2連結腕432と、基部41の第1連結腕431の先端部からY軸方向に沿って両側に延出している振動腕としての第1駆動振動腕441、および第2駆動振動腕442と、基部41の第2連結腕432の先端部からY軸方向に沿って両側に延出している振動腕としての第3駆動振動腕443、および第4駆動振動腕444と、を有している。なお、基部41は、第1連結腕431、第2連結腕432を含んでいる。
第1、第2検出振動腕421,422および第1、第2、第3、第4駆動振動腕441,442,443,444の先端部には、それぞれ、基端側よりも幅の大きい幅広部としての略矩形状の幅広部425,426,445,446,447,448が設けられている。このような幅広部425,426,445,446,447,448を設けることで、各振動腕の長さ(Y軸方向の寸法)の増大を抑えながら所定の周波数で振動することができ、ジャイロ素子400を小型化することが可能となる。また、ジャイロ素子400の角速度の検出感度が向上する。
第1検出振動腕421には、有底の凹部458が設けられ、第2検出振動腕422には、有底の凹部459が設けられている。凹部458,459は、表面および裏面の両面側から堀込まれている。第1検出振動腕421および第2検出振動腕422に凹部458,459を設けることにより、屈曲振動によって発生する熱が拡散(熱伝導)し難くなり、熱弾性損失を抑制することができるので、検出感度を向上させることができる。なお、凹部458,459は、表面あるいは裏面のいずれか一方の面から掘込まれた構成でもよい。また、凹部458,459は、設けない構成でもよい。
また、第1、第2支持部51,52は、それぞれ、X軸方向に沿って延在しており、これら第1、第2支持部51,52の間に振動体4が位置している。言い換えれば、第1、第2支持部51,52は、振動体4を介してY軸方向に沿って対向するように配置されている。第1支持部51は、第1梁61、および第2梁62を介して基部41と連結されており、第2支持部52は、第3梁63、および第4梁64を介して基部41と連結されている。
第1梁61は、第1検出振動腕421と第1駆動振動腕441との間を通って第1支持部51と基部41を連結し、第2梁62は、第1検出振動腕421と第3駆動振動腕443との間を通って第1支持部51と基部41を連結し、第3梁63は、第2検出振動腕422と第2駆動振動腕442との間を通って第2支持部52と基部41を連結し、第4梁64は、第2検出振動腕422と第4駆動振動腕444との間を通って第2支持部52と基部41を連結している。
第1梁61〜第4梁64は、それぞれ、X軸方向に沿って往復しながらY軸方向に沿って延びる蛇行部を有する細長い形状で形成されているので、あらゆる方向に弾性を有している。そのため、外部から衝撃が加えられても、各梁61,62,63,64で衝撃を吸収する作用を有するので、これに起因する検出ノイズを低減又は抑制することができる。
このような構成のジャイロ素子400は、次のようにしてZ軸回りの角速度ωを検出する。ジャイロ素子400は、角速度ωが加わらない状態において、駆動信号電極(図示せず)および駆動接地電極(図示せず)の間に電界が生じると、各駆動振動腕441,442,443,444がX軸方向に屈曲振動を行う。このとき、第1、第2駆動振動腕441,442と、第3、第4駆動振動腕443,444とは、中心点(重心)を通るYZ平面に関して面対称の振動を行っているため、基部41と、基部41の第1、第2連結腕431,432と、第1、第2検出振動腕421,422とは、ほとんど振動しない。
この駆動振動を行っている状態にて、ジャイロ素子400にZ軸回りに角速度ωが加わると、駆動振動腕441,442,443,444および基部41の連結腕431,432にY軸方向のコリオリの力が働き、このY軸方向の振動に呼応して、X軸方向の検出振動が励起される。そして、この振動により発生した検出振動腕421,422の歪みを検出信号として検出することによって角速度ωが求められる。
上述したジャイロ素子400では、前述の第2実施形態のジャイロ素子200と同様に、幅広部425,426,445,446,447,448、各駆動振動腕441,442,443,444、および検出振動腕421,422における寸法比S/(t×w)を0<S/(t×w)<7の範囲とする。このような構成とすることにより、ジャイロ素子400の小型化を図るために幅広部425,426,445,446,447,448のサイズを大きくすることに伴う各振動腕のCI値の上昇を低減し、小型のジャイロ素子400を得ることができる。また、幅広部425,426,445,446,447,448のサイズを大きくすることに伴う単位面積当たりの周波数調整量△f/fの減少を低減することができるので、漏れ振動を抑制するための周波数調整範囲がとれ、より小型で高い検出感度を有するジャイロ素子400を得ることができる。
なお、上記第4実施形態に係るジャイロ素子400の説明では、駆動振動腕441,442,443,444と検出振動腕421,422との先端部に幅広部425,426,445,446,447,448が設けられている例を用いたが、この構成に限らない。例えば、検出振動腕421,422には、幅広部425,426を備えていない形態でもよい。
<振動素子の製造方法>
次に、振動素子の製造方法について、図8を参照して、外形形成工程と電極形成工程を中心に概略を説明する。図8は、実施形態に係る振動素子の製造工程の概略を示す工程フローチャートである。本説明では、第1実施形態に係る振動素子100を例に説明する。従って、説明中に登場する構成部位あるいは符号などについては、図1と同じものを用いている。
振動素子100の製造方法においては、水晶Z板基板を形成する基板準備工程S102と、振動素子100の外周形状を形成する外形形成工程S104と、基板の露出面に電極膜を形成する電極膜形成工程S106と、電極膜を所定の形状に分割するためのレジストを露光する露光工程S108と、電極を形成する電極分割工程S110と、を含んでいる。
まず、基板準備工程S102では、水晶結晶軸において直交するX軸およびY軸で規定される平面に沿って切り出された所謂水晶Z板の基板に、例えば研磨加工などの加工を行い、Z板の水晶基板を用意する。
次に、外形形成工程S104では、基板準備工程S102にて用意された水晶基板に、金属膜などにより所定のマスキングを行う。その後、フッ素系水溶液などによるウェットエッチング法やフッ素系ガスなどによるドライエッチング法を用いて、振動素子100の外周形状を振動素子100の振動腕120,130に設けられた幅広部140,150の面積Sと、振動腕120,130の厚みtと、振動腕120,130の幅wと、が0<S/(t×w)<7の関係となるように外周形状を形成する。
次に、電極膜形成工程S106では、振動素子100の外周形状が形成された水晶基板の露出面の全面に、スパッタリング法などによって金属膜を形成する。この金属膜が、後にそれぞれの電極となる。
次に、露光工程S108では、金属膜の表面にフォトレジスト層を形成する。その後、電極を形成しない部分に相当する部分のフォトレジスト層に光を照射する露光処理および現像処理を行い、露光された部分のフォトレジスト層を除去する。
次に、電極分割工程S110では、残ったフォトレジスト層をマスクとして、フォトレジスト層が除去された部分に対応する金属膜をウェットエッチング法などによって除去することによって金属膜を分割する。この分割によって、それぞれの電極(電極パターン)を形成する。そして、残ったフォトレジスト層を剥離させれば、振動素子100の電極を形成することができる。以上の工程で、振動素子100を形成することができる。
上述した振動素子100の製造工程により、振動素子100を幅広部140,150と振動腕120,130との寸法比S/(t×w)が0<S/(t×w)<7となる外周形状に加工することで、振動素子100の小型化を図るために幅広部140,150のサイズを大きくすることに伴う各振動腕のCI値の上昇を、幅広部140,150を設けない場合に比べ、200%以下に低減し、小型の振動素子100を製造することができる。また、幅広部140,150のサイズを大きくすることに伴う単位面積当たりの周波数調整量△f/fの減少を、幅広部140,150を設けない場合に比べ、60%以上とすることができるので、漏れ振動を抑制するための周波数調整範囲がとれ、より小型で高安定な特性を有する振動素子100を製造することができる。
<電子デバイスとしてのジャイロセンサー>
次に、前述の実施形態に係る振動素子を備えた電子デバイスとしてのジャイロセンサーについて、図9を参照して説明する。なお、以下の説明では、振動素子の一例としてジャイロ素子300を用いた例について説明する。図9は、本発明の実施形態に係る電子デバイスの一例としてのジャイロセンサーの概略構成を示す正断面図である。
ジャイロセンサー500は、図9に示すように、パッケージ510の凹部に、ジャイロ素子300と、電子部品としての半導体装置520と、を収容し、パッケージ510の開口部を蓋体530により密閉し、内部を気密に保持されている。パッケージ510は、図9に示すように、平板状の第1基板511と、第1基板511上に、枠状の第2基板512、第3基板513、第4基板514、を順に積層、固着して形成され、半導体装置520とジャイロ素子300とが収容される凹部が形成される。基板511,512,513,514は、例えばセラミックスなどにより形成される。
第1基板511は、凹部側の半導体装置520が搭載される電子部品搭載面511aには、半導体装置520が載置され固定されるダイパッド515が設けられている。半導体装置520はダイパッド515上に、例えば、ろう材(ダイアタッチ材)540によって接着され、固定されている。
半導体装置520は、ジャイロ素子300を駆動振動させるための励振手段としての駆動回路と、角速度が加わったときにジャイロ素子300に生じる検出振動を検出する検出手段としての検出回路と、を有する。具体的には、半導体装置520が有する駆動回路は、ジャイロ素子300の一対の駆動振動腕302a,302b(図6参照)にそれぞれ形成された駆動電極(図示せず)に駆動信号を供給する。また、半導体装置520が有する検出回路は、ジャイロ素子300の一対の検出振動腕303a,303b(図6参照)にそれぞれ形成された検出電極(図示せず)に生じる検出信号を増幅させて増幅信号を生成し、該増幅信号に基づいてジャイロセンサー500に加わった回転角速度を検出する。
第2基板512は、ダイパッド515上に搭載される半導体装置520が収容可能な大きさの開口を有する枠状の形状に形成されている。第3基板513は、第2基板512の開口より広い開口を有する枠状の形状に形成され、第2基板512上に積層され、固着される。そして第2基板512に第3基板513が積層されて第3基板513の開口の内側に現れる第2基板面512aには、半導体装置520の図示しない電極パッドと電気的に接続するボンディングワイヤーBWが接続される複数のIC接続端子512bが形成されている。
そして、半導体装置520の図示しない電極パッドとパッケージ510に設けられたIC接続端子512bとが、ワイヤーボンディング法を用いて電気的に接続されている。すなわち、半導体装置520に設けられた複数の電極パッドと、パッケージ510の対応するIC接続端子512bとが、ボンディングワイヤーBWにより接続されている。また、IC接続端子512bのいずれかは、パッケージ510の図示しない内部配線により、第1基板511の外部底面511bに設けられた複数の外部接続端子511cに電気的に接続されている。
第3基板513上には、第3基板513の開口より広い開口を有する第4基板514が積層され、固着されている。そして、第3基板513に第4基板514が積層されて第4基板514の開口の内側に現れる第3基板面513aには、ジャイロ素子300に形成された接続パッド(図示せず)と接続される複数のジャイロ素子接続端子513bが形成されている。
ジャイロ素子接続端子513bは、パッケージ510の図示しない内部配線によってIC接続端子512bのいずれかと電気的に接続されている。ジャイロ素子300は、第3基板面513aにジャイロ素子300の第1支持部305b、第2支持部306b(図6参照)を、接続パッドとジャイロ素子接続端子513bとに位置を合わせて載置され、導電性接着剤550によって接着固定される。
更に、第4基板514の開口の上面に蓋体530が配置され、パッケージ510の開口を封止し、パッケージ510の内部が気密封止され、ジャイロセンサー500が得られる。蓋体530は、例えば、42アロイ(鉄にニッケルが42%含有された合金)やコバール(鉄、ニッケルおよびコバルトの合金)等の金属、セラミックス、あるいはガラスなどを用いて形成することができる。例えば、金属により蓋体530を形成した場合には、コバール合金などを矩形環状に型抜きして形成されたシールリング560を介してシーム溶接することによりパッケージ510と接合される。パッケージ510および蓋体530によって形成される凹部空間は、ジャイロ素子300が動作するための空間となるため、減圧雰囲気又は不活性ガス雰囲気に密閉・封止することが好ましい。
電子デバイスとしてのジャイロセンサー500において、小型化を図るのに伴う各振動腕のCI値の上昇と周波数調整量△f/fとを減少した小型のジャイロ素子300を備えているため、小型で高い検出感度を有するジャイロセンサー500を得ることができる。また、上記構成のようなパッケージタイプのジャイロセンサー500は、小型化・薄型化に有利であるとともに耐衝撃性を高くすることができる。
なお、本発明に係る振動素子を適用可能な電子デバイスとしては、ジャイロセンサー500の他にも、例えば、パッケージ内に振動素子を収納したタイミングデバイスとしての振動子、またはパッケージ内に振動素子および振動素子を振動させる機能を少なくとも備えた回路素子を収納したタイミングデバイスとしての発振器などがある。
<電子機器>
次に、前述の実施形態に係る振動素子を備えた電子機器について、図10を参照して説明する。なお、以下の説明では、振動素子の一例としてジャイロ素子200を用いた例について説明する。図10(a)〜図10(c)は、本発明の実施形態に係るジャイロ素子200を備える電子機器の一例を示す斜視図である。
図10(a)は、電子機器としてのデジタルビデオカメラ1000にジャイロ素子200を適用した例を示す。デジタルビデオカメラ1000は、受像部1100、操作部1200、音声入力部1300、および表示ユニット1400を備えている。このようなデジタルビデオカメラ1000に、上述の実施形態のジャイロ素子200を搭載する手ぶれ補正機能を具備させることができる。
図10(b)は、電子機器としての携帯電話機2000にジャイロ素子200を適用した例を示す。図10(b)に示す携帯電話機2000は、複数の操作ボタン2100およびスクロールボタン2200、並びに表示ユニット2300を備える。スクロールボタン2200を操作することによって、表示ユニット2300に表示される画面がスクロールされる。
図10(c)は、電子機器としての情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)3000にジャイロ素子200を適用した例を示す。図10(c)に示すPDA3000は、複数の操作ボタン3100および電源スイッチ3200、並びに表示ユニット3300を備える。電源スイッチ3200を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が表示ユニット3300に表示される。
このような携帯電話機2000やPDA3000に、上述の実施形態のジャイロ素子200を搭載することにより、様々な機能を付与することができる。例えば、図10(b)の携帯電話機2000に、図示しないカメラ機能を付与した場合に、上記のデジタルビデオカメラ1000と同様に、手振れ補正を行うことができる。また、図10(b)の携帯電話機2000や、図10(c)のPDA3000に、GPS(Global Positioning System)として広く知られる汎地球測位システムを具備した場合に、上述の実施形態のジャイロ素子200を搭載することにより、GPSによって、携帯電話機2000やPDA3000の位置や姿勢を認識させることができる。
なお、本発明の実施形態に係るジャイロ素子200は、図10(a)のデジタルビデオカメラ1000、図10(b)の携帯電話機2000、および図10(c)の情報携帯端末3000の他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。
<移動体>
次に、前述の実施形態に係る振動素子を備えた移動体について、図11を参照して説明する。なお、以下の説明では、振動素子の一例としてジャイロ素子200を用いた例について説明する。図11は、本発明の実施形態に係るジャイロ素子を備える移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。
自動車4000には実施形態に係るジャイロ素子200が搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車4000には、ジャイロ素子200を内蔵してタイヤなどを制御する電子制御ユニット4010が車体に搭載されている。また、ジャイロ素子200は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS:Antilock Brake System)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)に広く適用できる。
以上、実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、振動素子100やジャイロ素子200,300,400の形成材料として水晶を用いた例を説明したが、水晶以外の圧電体材料を用いることができる。例えば、窒化アルミニウム(AlN)や、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、四ホウ酸リチウム(Li247)、ランガサイト(La3Ga5SiO14)などの酸化物基板や、ガラス基板上に窒化アルミニウムや五酸化タンタル(Ta25)などの圧電体材料を積層させて構成された積層圧電基板、あるいは圧電セラミックスなどを用いることができる。
また、圧電体材料以外の材料を用いて振動素子100やジャイロ素子200,300,400を形成することができる。例えば、シリコン半導体材料などを用いて振動素子100やジャイロ素子200,300,400を形成することもできる。また、振動素子100やジャイロ素子200,300,400の振動(駆動)方式は圧電駆動に限らない。圧電基板を用いた圧電駆動型のもの以外に、静電気力を用いた静電駆動型や、磁力を利用したローレンツ駆動型などの振動素子100やジャイロ素子200,300,400においても、本発明の構成およびその効果を発揮させることができる。
110…基部、111…狭幅部、112…括れ部、113…広幅部、120,130…振動腕、121a,121b,132a,132b…駆動電極としての第1駆動電極、122a,122b,131a,131b…駆動電極としての第2駆動電極、140,150…幅広部、200…振動素子としてのH型ジャイロ素子、300…振動素子としての調整用振動腕を有するH型ジャイロ素子、400…振動素子としてのダブルT型ジャイロ素子、500…電子デバイスとしてのジャイロセンサー、1000…電子機器としてのデジタルビデオカメラ、2000…電子機器としての携帯電話機、3000…電子機器としての情報携帯端末(PDA)、4000…移動体としての自動車、S…幅広部の面積、t…振動腕の厚み、w…振動腕の幅。

Claims (7)

  1. 基部と、
    前記基部から延出している振動腕と、
    前記振動腕の前記基部と接続する一端側とは反対側の他端側に幅広部と、を有し、
    平面視で前記幅広部の面積をSとし、前記振動腕の厚さをtとし、前記振動腕の幅をwとしたとき、0<S/(t×w)<7であることを特徴とする振動素子。
  2. 請求項1に記載の振動素子において、
    前記基部の一端から延出している一対の前記振動腕と、
    前記基部の前記一端とは反対側の他端から延出している一対の検出振動腕と、
    を備えていることを特徴とする振動素子。
  3. 請求項2に記載の振動素子において、
    前記基部から延出し、前記振動腕または前記検出振動腕を挟むように位置する一対の調整用振動腕を備えていることを特徴とする振動素子。
  4. 基部と、
    前記基部から延出している振動腕と、
    前記振動腕の前記基部と接続する一端側とは反対側の他端側に幅広部と、を有する振動素子の製造方法であって、
    平面視で前記幅広部の面積をSとし、前記振動腕の厚さをtとし、前記振動腕の幅をwとしたとき、0<S/(t×w)<7を含むように前記振動素子の外周形状が形成する外形形成工程を有していることを特徴とする振動素子の製造方法。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の振動素子と、
    少なくとも前記振動腕を励振させる駆動回路を含む電子部品と、
    前記振動素子および前記電子部品の少なくとも一方を収容しているパッケージと、を備えていることを特徴とする電子デバイス。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の振動素子を備えていることを特徴とする電子機器。
  7. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の振動素子を備えていることを特徴とする移動体。
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