JP2016091352A - 透明電極用ハードコートフィルム - Google Patents

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Keigo Mochizuki
圭吾 望月
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大輔 村松
昭康 小柳津
Akiyasu Oyaizu
昭康 小柳津
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Abstract

【課題】透明電極層を形成したときの物理的骨見えを抑制できる透明電極用ハードコートフィルムを提供する。
【解決手段】透明電極層が片面に形成される第一基材フィルム10と、第一基材フィルム10の透明電極層が形成される側とは反対側に粘着した第二基材フィルム20とを備え、こわさが2.6mN・m以上であるハードコートフィルム1。第一基材フィルム10は、透光性基体11と、透光性基体11の両面それぞれに積層した第一の易接着層13及び第二の易接着層15と、第一の易接着層13上に積層した第一のハードコート層17と、第二の易接着層15上に積層した第二のハードコート層19とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明電極用ハードコートフィルムに関する。
タッチパネルは、一般に、液晶ディスプレイ等の表示装置の上にタッチパネルセンサを配置した構成を有する。タッチパネルセンサには、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等があり、静電容量方式にはさらに表面型と投影型がある。投影型静電容量方式は、指が触れた位置を精密に判別できる、多点検出が可能である等の点から、スマートフォン等のタブレット型の携帯端末に多く採用されている。
投影型静電容量方式のタッチパネルセンサは、ダイヤ状、細線状等のパターンで形成された透明電極層を複数、絶縁性の透光性基体を介して重ね合わせた構造を有している。たとえば、透光性基体の片面にスパッタリング法等によって透明導電膜を形成し、該透明導電膜をエッチングして透明電極層を形成した透明電極層付き透光性基体を複数貼り合わせることでタッチパネルが形成されている。透明電極層の材質としては、透明性と導電性に優れることから、酸化インジウム錫(ITO)が用いられることが多い。
透光性基体としては、従来、ガラス板が用いられ、近年は透明樹脂フィルムも用いられている。透明樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」ともいう。)フィルムが多く用いられている。
透明樹脂フィルムは、ガラス板に比べて表面硬度が低い。そのため、透明樹脂フィルムの表面には通常、作業時に表面が傷付くことを防止する目的で、ハードコート層が設けられている。ハードコート層にアンチブロッキング機能を持たせてアンチブロッキングハードコート層とする場合もある。
透明電極層付き透光性基体の透明電極層側の表面には、透明電極層が存在する領域と透明電極層が存在しない領域とがあり、透明電極層のパターン形状が見えてしまう、いわゆる骨見えの問題が生じる。
骨見えの原因の一つは、透明電極層が存在する領域と透明電極層が存在しない領域との間での光学特性(光の反射率、透過率等)の違いである。そこで、それらの領域の間での光学特性の差を小さくするために、透光性基体と透明電極層との間に光学調整層を設けることが提案されている(たとえば特許文献1)。
特開平8−240800号公報
近年、携帯端末等の軽量化や薄型化に伴い、透明電極層付き透光性基体についても薄型化が求められる。しかし、透明電極層付き透光性基体の薄型化のために透光性基体の厚みを薄くすると、前記の骨見えの問題がより顕著になる。
本発明者らの検討によれば、透光性基体を薄くすると、前記のような光学特性の差による骨見え(色見え)だけでなく、透明電極層が存在する領域と透明電極層が存在しない領域との境界付近の段差等の立体的要因による骨見え(物理的骨見え)が問題になってくる。
本発明は、透明電極層を形成したときの物理的骨見えを抑制できる透明電極用ハードコートフィルムを提供することを目的とする。
本発明の透明電極用ハードコートフィルムは、透光性基体と、該透光性基体の少なくとも片面上に形成されたハードコート層とを有する、透明電極層が片面に形成される第一基材フィルムと、
前記第一基材フィルムの透明電極層が形成される側とは反対側に粘着した第二基材フィルムと、
を備え、
JIS P 8125:2000に規定される方法により試料幅38mm、試料長さ70mm、曲げ角度15°の条件で測定されるこわさが2.5mN・m以上であることを特徴とする。
本発明によれば、透明電極層を形成したときの物理的骨見えを抑制できる透明電極用ハードコートフィルムを提供できる。
本発明の透明電極用ハードコートフィルムの一実施形態を模式的に示す断面図である。
図1は、本発明の透明電極用ハードコートフィルム(以下、単に「ハードコートフィルム」ともいう。)の一実施形態を模式的に示す断面図である。
本実施形態のハードコートフィルム1は、透明電極層が片面に形成される第一基材フィルム10と、第一基材フィルム10の透明電極層が形成される側とは反対側に粘着した第二基材フィルム20とを備える。
ハードコートフィルム1は、第一基材フィルム10と、第一基材フィルム10の片面に積層した透明電極層とを有する透光性導電性フィルムを製造する用途に用いられる。
第一基材フィルム10は、透光性基体11と、透光性基体11の両面それぞれに積層した第一の易接着層13及び第二の易接着層15と、第一の易接着層13上に積層した第一のハードコート層17と、第二の易接着層15上に積層した第二のハードコート層19とを備える。
第一基材フィルム10においては、第一のハードコート層17が、透明電極層が形成される側の最表層に配置されている。つまり、第一のハードコート層17が、透明電極層が形成される面(以下、「透明電極層形成面」ともいう。)10aを構成している。
第二基材フィルム20は、粘着層21と、粘着層21の片面に積層した支持体23とを備える。
第二基材フィルム20においては、粘着層21が、第一基材フィルム10側の最表層に配置されている。
各層については後で詳しく説明する。
ハードコートフィルム1のこわさ(テーバー)は、2.6mN・m以上であり、2.7mN・m以上が好ましい。該こわさが前記の下限値以上であれば、ハードコートフィルム1の透明電極層形成面10aに透明導電膜を形成する際の熱によって第一基材フィルム10が変形したり、該透明導電膜をエッチングして透明電極層を形成する際にエッチング界面(透明導電膜を除去する領域と除去しない領域との境界)付近で大きな段差が生じたりすることを抑制でき、透明電極層の物理的骨見えを抑制できる。
該こわさの上限は、物理的骨見えの抑制の観点では特に限定されない。ハードコートフィルム1の生産性(たとえばロールツーロールでの搬送性)の点では、8.0mN・m以下が好ましく、4.0mN・m以下がより好ましい。
本発明において「こわさ」は、JIS P 8125:2000(紙及び板紙−こわさ試験方法−テーバーこわさ試験機法)に規定される方法により試料幅38mm、試料長さ70mm、曲げ角度15°の条件で測定される値である。
ハードコートフィルム1のこわさは、第一基材フィルム10及び第二基材フィルム20それぞれのこわさによって調整できる。
第二基材フィルム20のこわさは、第二基材フィルム20全体の厚み、第二基材フィルム20を構成する粘着層21や支持体23の厚みや材質、支持体23の延伸処理の有無等によって調整できる。たとえば、第二基材フィルム20全体の厚みが厚いほど、こわさが大きくなる傾向がある。第一基材フィルム10のこわさも同様に調整できる。
第一基材フィルム10は、透光性導電性フィルムの薄型化の点では、なるべく薄いことが好ましい。したがって、こわさの調整は主に、第二基材フィルム20によって行われることが好ましい。
(透光性基体)
透光性基体11としては、透明樹脂フィルムが好ましい。
透明樹脂フィルムを構成する透明樹脂としては、特に制限はなく、たとえばPET、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、含ノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド等が挙げられる。
透明樹脂フィルムは、延伸フィルムでもよく、無延伸フィルムでもよい。フィルムの引っ張り強度の点では、延伸フィルムが好ましく、2軸延伸フィルムがより好ましい。
透明樹脂フィルムとしては、耐熱性やコストの点で、PETフィルムが好ましく、2軸延伸PETフィルムが特に好ましい。
透明樹脂フィルムの表面に、易接着処理、コロナ処理、プラズマ処理等の処理が施されていてもよい。
透光性基体11の全光線透過率(JIS K7105:2010)は、90%以上が好ましく、91%以上がより好ましい。
透光性基体11の屈折率は、1.59〜1.65が好ましく、1.63〜1.64がより好ましい。
透光性基体11の厚みは、第一基材フィルム10の所望の厚みに応じ、第一の易接着層13及び第一のハードコート層17の厚みを考慮して設定される。
(第一の易接着層)
「易接着層」は、透光性基体とハードコート層との間の密着性を高める層である。
第一の易接着層13を構成する成分としては、特に限定されないが、たとえば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、接着性の点から、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種が好ましい。ポリエステル樹脂とアクリル樹脂、ポリエステル樹脂とウレタン樹脂、アクリル樹脂とウレタン樹脂を組み合わせて用いてもよい。
透光性基体11がPETフィルムである場合、第一の易接着層13を構成する成分としては、ポリエステル樹脂が特に好ましい。ポリエステル樹脂の屈折率は、PETフィルムの屈折率(1.65程度)に近い値であり、ポリエステル樹脂を用いることで、第一の易接着層13とPETフィルムとの屈折率差を小さくすることができ、干渉ムラを抑制することができる。
第一の易接着層13の厚みは、干渉ムラの抑制効果を引き出すため、好ましくは20nm以上200nm以下、より好ましくは50nm以上150nm以下である。
(第二の易接着層)
第二の易接着層15としては、第一の易接着層13と同様のものが挙げられる。好ましい態様も同様である。
第二の易接着層15は、第一の易接着層13と同じでもよく、異なってもよい。例えば構成する成分や厚みが異なってもよい。
(第一のハードコート層)
「ハードコート層」は、ハードコート性を有する層を意味する。「ハードコート性を有する」とは、鉛筆硬度試験(JIS K5600−5−4)でF以上の硬度を示すことを意味する。
本発明において、第一のハードコート層17の硬度、つまり透明電極層形成面10aの硬度は、エッチング時の段差の発生の抑制等の点から、F以上が好ましく、H以上が特に好ましい。
第一のハードコート層17は、アンチブロッキング性を有するハードコート層(アンチブロッキングハードコート層)であってもよい。「アンチブロッキング性を有する」とは、フィルム巻取り時に接する相手側の層の平滑性が高くても、ブロッキングすることなく容易に巻き取ることができる機能をもつことを意味する。第一のハードコート層17は、ハードコート性及びアンチブロッキング性以外の他の機能をさらに有してもよい。
第一のハードコート層17は、典型的には、樹脂成分を含有する材料(以下、「ハードコート層形成材料」ともいう。)から形成される。
樹脂成分としては、ハードコート層に用いられる樹脂成分として公知のものを特に制限なく使用できる。たとえば放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられる。放射線硬化型樹脂における放射線としては、紫外線、電子線等が挙げられる。
放射線硬化型樹脂としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等のラジカル重合性官能基や、エポキシ基、ビニルエーテル基、オキセタン基等のカチオン重合性官能基を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマーを単独で、又は適宜混合した組成物が用いられる。
モノマーとしては、たとえば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、メトキシポリエチレンメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられる。
オリゴマー、プレポリマーとしては、たとえば、アクリルアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アルキットアクリレート、メラミンアクリレート、シリコーンアクリレート等のアクリレート化合物、不飽和ポリエステル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルや各種脂環式エポキシ等のエポキシ系化合物、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル等のオキセタン化合物などが挙げられる。
放射線硬化型樹脂は、電子線照射による効果を行う場合は、単独で硬化可能であるが、紫外線照射による硬化を行う場合は、光重合開始剤の添加が必要である。
光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のラジカル重合開始剤、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物等のカチオン重合開始剤等を単独で又は適宜組み合わせて使用することができる。
熱硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは一種類を単独で使用してもよく、二種類以上を併用してもよい。
ハードコート層形成材料が放射線硬化型樹脂又は熱硬化型樹脂を含む場合、その重合硬化を妨げない範囲で、高分子樹脂をさらに含有してもよい。
該高分子樹脂は、ハードコート層形成材料に使用される液体成分(液状の放射線硬化型樹脂又は熱硬化型樹脂、必要に応じて配合される有機溶剤等)に可溶な熱可塑性樹脂であり、具体的にはアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの高分子樹脂は、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等の酸性官能基を有してもよい。
ハードコート層形成材料は、樹脂成分に加えて、ハードコート層の屈折率の調節のために、無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子の平均粒子径は、1〜1000nmであることが好ましく、5〜500nmがより好ましく、10〜200nmがさらに好ましい。
無機微粒子としては、たとえば、二酸化ケイ素粒子、二酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化錫粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、タルク、カオリン及び硫酸カルシウム粒子等が挙げられる。これらの中でも、二酸化ケイ素粒子、二酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化ジルコニウム粒子が好ましく、酸化ジルコニウム粒子が特に好ましい。
無機微粒子は、表面処理されていてもよい。表面処理としては、シランカップリング処理が代表的である。
無機微粒子の含有量は、ハードコート層の全質量の1〜99質量%であることが好ましく、10〜90質量%がより好ましく、20〜80質量%がさらに好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。
無機微粒子の平均粒子径は、公知の粒度分布計を用いて測定できる。粒度分布計としては、例えば、粒子群にレーザー光を照射し、そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンから計算によって粒度分布を求めるレーザー回折散乱式粒度分布計等が挙げられる。
ハードコート層形成材料は、樹脂成分に加えて、アンチブロッキング性の付与のために、有機微粒子を含有してもよい。
有機微粒子の平均一次粒子径は0.5〜1.5μmが好ましい。有機微粒子の平均一次粒子径が前記範囲の下限値以上であれば、充分なアンチブロッキング性が得られやすく、上限値以下であれば、ヘイズ等の光学特性が良好である。
有機微粒子の材質としては、屈折率が1.42〜1.60の範囲にあるものが、高い光透過性を得ることができるので好ましい。
有機微粒子の材質としては、たとえば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオルエチレン、ジビニルベンゼン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、酢酸セルロース、ナイロン、セルロース、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、耐光性の点で、アクリル樹脂が好ましい。
有機微粒子としては、粒子径分布が狭いほど、優れた光学特性が得られることから好ましい。具体的には、粒子径分布の値が0.8〜1.0であることが好ましく、0.9〜1.0がより好ましい。
有機微粒子の含有量は、ハードコート層(アンチブロッキングハードコート層)の全質量の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%がより好ましく、0.1〜1質量%が特に好ましい。
有機微粒子の平均一次粒子径は、公知の粒度分布計を用いて測定できる。粒度分布計としては、例えば、粒子群にレーザー光を照射し、そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンから計算によって粒度分布を求めるレーザー回折散乱式粒度分布計等が挙げられる。
粒子径分布とは、次式で定義されるもので、粒子径分布が単分散になるほど1.0に近くなり、完全な単分散では1.0になる。
粒子径分布=個数平均一次粒子径÷体積平均一次粒子径。
ハードコート層形成材料が有機微粒子を含む場合、ハードコート層形成材料は、有機微粒子を均一に分散させるために、分散剤をさらに含有することが好ましい。
分散剤としては、アルミネート系分散剤、チタネート系分散剤、カルボキシル基又は無水カルボン酸基含有ポリマー、界面活性剤等が挙げられる。これらの中でもチタネート系分散剤が好ましい。
分散剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して5質量部以下が好ましく、0.001〜5質量部がより好ましい。
ハードコート層形成材料は、必要に応じて、性能を損なわない範囲で、顔料、充填剤、防汚剤、レベリング剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、チクソトロピー化剤等を含有してもよい。これらの添加剤は一種類を単独で使用してもよく、また二種類以上併用してもよい。
ハードコート層形成材料は、必要に応じて、塗布性の向上等のために、有機溶剤を含有してもよい。
有機溶剤としては、樹脂成分を溶解するものが好ましい。ハードコート層形成材料が無機微粒子や有機微粒子を含む場合は、樹脂成分を溶解し、無機微粒子や有機微粒子を分散するものが好ましい。
有機溶剤の例としては、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、1−メトキシ2−プロパノール等が挙げられる。
第一のハードコート層17を形成するためのハードコート層形成材料としては、高い表面硬度のハードコート層を形成できる点で、放射線硬化型樹脂を含有するもの(以下、「ハードコート層形成材料I」という。)が好ましい。
ハードコート層形成材料Iは、必要に応じて、光重合開始剤、高分子樹脂、無機微粒子、有機微粒子、他の添加剤、有機溶剤等を含有してもよい。
第一のハードコート層17の厚みは、1.0〜5.0μmであることが好ましく、1.5〜3.0μmがより好ましく、1.5〜2.0μmがさらに好ましい。第一のハードコート層17の厚みが前記範囲の下限値以上であれば、ハードコートフィルム1の表面硬度が充分に高く、また、骨見え抑制効果が優れる。該厚みが前記範囲の上限値以下であれば、生産性が優れる。
(第二のハードコート層)
第二のハードコート層19としては、第一のハードコート層17と同様のものが挙げられる。
第二のハードコート層19は、第一のハードコート層17と同じでもよく、異なってもよい。例えば含まれる樹脂成分や他の成分の種類や含有割合、厚み等が異なってもよい。また、一方のハードコート層をアンチブロッキングハードコート層とし、他方のハードコート層を、アンチブロッキング性を有しないハードコート層としてもよい。
本発明において、第二のハードコート層19は、アンチブロッキング性を有することが好ましい。すなわち、第二のハードコート層19は、アンチブロッキングハードコート層であることが好ましい。
第二のハードコート層19は、ハードコート性及びアンチブロッキング性以外の他の機能をさらに有してもよい。
第二のハードコート層19を形成するためのハードコート層形成材料としては、優れたアンチブロッキング性を有するハードコート層を形成できる点で、放射線硬化型樹脂と、有機微粒子と、分散剤とを含有するもの(以下、「ハードコート層形成材料II」という。)が好ましい。
ハードコート層形成材料IIは、必要に応じて、光重合開始剤、高分子樹脂、無機微粒子、他の添加剤、有機溶剤等を含有してもよい。
第二のハードコート層19の厚みは、0.5〜10.0μmであることが好ましく、0.7〜7.0μmがより好ましく、1.0〜5.0μmがさらに好ましい。第二のハードコート層19の厚みが前記範囲の下限値以上であれば、ハードコートフィルム1の表面硬度が充分に高く、また、骨見え抑制効果が優れる。該厚みが前記範囲の上限値以下であれば、生産性が優れる。
(第一基材フィルムの厚み)
第一基材フィルム10の厚みは、透光性導電性フィルムの軽量化の観点からは薄い方が好ましい。また、第一基材フィルム10の厚みが厚い場合は、充分なこわさ(剛性)があるため、第二基材フィルム20が無い状態で透明電極層を形成しても、物理的骨見えが問題になりにくい。
したがって、本発明の有用性の点では、第一基材フィルム10の厚みは、75μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。
第一基材フィルム10の厚みの下限は、物理的骨見えの抑制効果、生産性、取り扱い性等を考慮すると、10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましい。
(第一基材フィルムのこわさ)
第一基材フィルム10のこわさは、ハードコートフィルム1全体でのこわさが2.6mN・m以上となる限り特に限定されないが、前述のような本発明の有用性の点から、0.5mN・m以下であることが好ましい。
また、第一基材フィルム10のこわさは、物理的骨見えの抑制効果、生産性、取り扱い性等から、0.1mN・m以上が好ましい。
(粘着層)
粘着層21は、粘着剤組成物から形成される。
粘着剤組成物は、一般に、ベース樹脂を含み、必要に応じて任意成分を含む。ベース樹脂の種類、任意成分の種類や含有量によって、粘着層21の特性を調整できる。
ベース樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系樹脂(EVA)、ポリビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン樹脂等が挙げられる。
任意成分としては、公知の添加剤を用いることができる。たとえば架橋剤、粘着付与剤、可塑剤、充填剤(ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等)、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤、可視光吸収色素、防錆剤等が挙げられる。微粒子を含有させて、光拡散性を示す粘着層などとしてもよい。
粘着剤組成物は、必要に応じて、塗布性の向上等のために、有機溶剤を含有してもよい。
本発明において粘着層21は、アクリル系粘着剤組成物から形成される層であることが好ましい。アクリル系粘着剤組成物は、高い全光線透過率が得られやすく、好ましい接着性を得ることができる。
アクリル系粘着剤組成物は、アクリル系ポリマーを含有する。
アクリル系粘着剤組成物は、粘着層の耐熱性等の点で、架橋剤をさらに含有することが好ましい。
アクリル系粘着剤組成物には、その他、種々の公知の添加剤、有機溶剤等を添加することができる。
[アクリル系ポリマー]
アクリル系ポリマーは、アルキル(メタ)アクリレートに基づく構成単位を少なくとも含有することが好ましく、アルキル(メタ)アクリレートに基づく構成単位と、下記の官能基含有モノマーに基づく構成単位とを含有することがより好ましい。
官能基含有モノマー:水酸基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、アミド基含有モノマー及びエポキシ基含有モノマーからなる群から選択される少なくとも一種。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを示す。「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を示す。
アクリル系ポリマーは、必要に応じて、アルキル(メタ)アクリレート及び官能基含有モノマー以外の他のモノマーに基づく構成単位をさらに含有してもよい。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、たとえばn−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートは1種を単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
アルキル(メタ)アクリレートに基づく構成単位の含有量は、アクリル系ポリマー100質量部中、1〜100質量%が好ましく、50〜99質量%がより好ましく、70〜98質量%がさらに好ましい。
水酸基含有モノマーとしては、たとえばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等が挙げられる。
アミノ基含有モノマーとしては、たとえばアクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
カルボキシル基含有モノマーとしては、たとえば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられる。また、これらのカルボキシル基含有モノマーの無水物も、カルボキシル基含有モノマーとして用いることができる。
アミド基含有モノマーとしては、たとえばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。
エポキシ基含有モノマーとしては、たとえばアクリル酸グリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルエーテル、アクリル酸−2−エチルグリシジルエーテル、メタクリル酸−2−グリシジルエーテル等が挙げられる。
官能基含有モノマーは1種を単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
粘着層21を後述するOCA層として用いる場合は、複数の透光性導電性フィルムを貼り合わせたときに透明電極層に直接接する場合を考慮し、官能基含有モノマーとして、水酸基含有モノマーを用いることが好ましい。
官能基含有モノマーは、架橋剤との架橋点として作用する。
官能基含有モノマーに基づく構成単位の含有量は、アクリル系ポリマー100質量部中、0.1〜15質量%が好ましい。
アクリル系ポリマーは、公知の重合方法により製造することができる。たとえば溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、紫外線照射による重合法等が挙げられる。また、重合に際して用いられる重合開始剤、連鎖移動剤などは、公知のものを適宜用いることが可能である。
アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、10万〜200万が好ましく、30万〜150万がより好ましく、40万〜120万がさらに好ましい。
アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算で測定される値である。
アクリル系ポリマーのガラス転移温度は、粘着性の点から、0℃未満であることが好ましく、−20℃未満がより好ましい。
ガラス転移温度は示差走査熱量計(DSC)により測定されるショルダー値である。
粘着層21を後述するOCA層として用いる場合、アクリル系ポリマーの酸価は0〜300mgKOH/gが好ましく、0〜1mgKOH/gが特に好ましい。アクリル系ポリマーの酸価が0に近づくほど、複数の透光性導電性フィルムを貼り合わせたときに粘着層21と接触した透明電極層を腐食しにくく、腐食による透明電極層の導電性や透明性の低下を抑制できる。
アクリル系ポリマーの含有量は、粘着剤組成物の固形分100質量部のうち50質量部以上が好ましく、60〜99.9質量部がより好ましい。
[架橋剤]
架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤等が挙げられる。これらの中でも、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が好ましい。
イソシアネート系架橋剤は、イソシアネート化合物を含有する。イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネートモノマー、前記イソシアネートモノマーをトリメチロールプロパンなどの多価アルコールと付加したアダクト系イソシアネート化合物、イソシアヌレート化合物、ビュレット型化合物、さらには公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなどを付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネート等が挙げられる。
イソシアネート系架橋剤の使用量は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、0.01〜3質量部がより好ましく、0.02〜2.5質量部がさらに好ましい。
エポキシ系架橋剤は、エポキシ化合物を含有する。エポキシ化合物としては、たとえばグリセリンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
エポキシ系架橋剤の使用量は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.001〜2質量部が好ましく、0.01〜1質量部がより好ましく、0.02〜0.5質量部がさらに好ましい。
粘着層21の厚みは、ハードコートフィルム1全体でのこわさが2.6mN・m以上となる限り特に限定されないが、5〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。粘着層21の厚みが前記範囲の下限値以上であれば、粘着層21の粘着力、耐久性がより優れ、粘着層21が第一基材フィルム10に良好に密着し、物理的骨見えを抑制する効果が発揮されやすい。上限値以下であれば、コストメリットがより優れる。
(支持体)
支持体23としては、特に限定されない。粘着層コーティングやドライラミネート作業性に優れる点で、樹脂フィルムが好ましい。
樹脂フィルムとしては、たとえば、第一基材フィルム10の透光性基体11として挙げた透明樹脂フィルムと同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。ただし、支持体23は、透明電極層の形成後、最終的に(たとえばタッチパネルセンサの組み立て時に)第一基材フィルム10または粘着層21から剥離されるため、透光性でなくてもよい。ハードコートフィルム1を検品しやすい点では、透光性であることが好ましい。
樹脂フィルムの表面(片面又は両面)に剥離層が設けられてもよい。
離型層としては、たとえばシリコーン樹脂と液状媒体とを含むコーティング剤を塗布し、硬化させたものが挙げられる。
支持体23の厚みは、第二基材フィルム20の所望の厚みに応じ、粘着層21の厚みを考慮して設定される。
(第二基材フィルムの厚み)
第二基材フィルム20の厚みは、第一基材フィルム10の厚みと第二基材フィルム20の厚みとの合計が100〜300μmとなる厚みであることが好ましい。第一基材フィルム10の厚みと第二基材フィルム20の厚みとの合計は、100〜250μmがより好ましく、150〜200μmが特に好ましい。該合計が前記範囲の下限値以上であれば、ハードコートフィルム1のこわさが前記の上限値以下となりやすい。該合計が前記範囲の上限値以下であれば、第二の基材フィルム20やハードコートフィルム1の生産性が良好である。
(ハードコートフィルムの製造方法)
ハードコートフィルム1の製造方法としては、たとえば、下記製造方法が挙げられる。
(1)両面にそれぞれ第一の易接着層13及び第二の易接着層15が形成された透光性基体11の第一の易接着層13上にハードコート層形成材料を塗工し、乾燥させ、必要に応じて硬化させて第一のハードコート層17を形成し、次いで、第二の易接着層15上にハードコート層形成材料を塗工し、乾燥させ、必要に応じて硬化させて第二のハードコート層19を形成して第一基材フィルム10を得る工程と、
(2)支持体23とセパレーターフィルムとを、粘着剤組成物を用いてドライラミネートして、支持体23と粘着層21とセパレーターフィルムとがこの順に積層したセパレーターフィルム付き第二基材フィルムを得る工程と、
(3)前記セパレーターフィルム付き第二基材フィルムのセパレーターフィルムを剥離して第二基材フィルム20を得、該第二基材フィルム20の粘着層21側の面に、前記第一基材フィルム10を貼り合わせて、ハードコートフィルム1を得る工程と、を含む製造方法。
工程(1)において、両面にそれぞれ第一の易接着層13及び第二の易接着層15が形成された透光性基体11は、市販のものを用いることができる。公知の方法により製造したものを用いてもよい。
工程(1)におけるハードコート層形成材料の塗工方法は特に限定されず、湿式コーティング法、印刷法等の公知の方法を用いることができる。湿式コーティング法としては、たとえば、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等が挙げられる。印刷法としては、グラビア印刷等の凹版印刷法、スクリーン印刷等の孔版印刷法等の印刷等が挙げられる。
工程(1)において、先に第二のハードコート層19を形成し、その後に第一のハードコート層17を形成してもよい。
工程(2)は、公知のドライラミネート手法により実施できる。例えば、セパレーターフィルムの片面に粘着剤組成物を塗工し、乾燥し、そこに支持体23を重ね合わせてセパレーターフィルムと圧着することにより工程(2)を実施できる。支持体23の方に粘着剤組成物を塗布し、セパレーターフィルムを重ね合わせてもよい。
粘着剤組成物の塗工方法は特に限定されず、ハードコート層形成材料の塗工と同様、湿式コーティング法、印刷法等の公知の方法を用いることができる。
セパレーターフィルムとしては、支持体23よりも粘着層21から剥離しやすいものであれば特に限定されず、粘着層21に積層されるセパレーターとして公知のものを使用できる。たとえば、樹脂フィルムの片面(粘着層側)又は両面に離型層を設けたものが挙げられる。該樹脂フィルムを構成する樹脂としては、たとえばPET、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げられる。これらの中でも、PETが好ましい。離型層としては、たとえばシリコーン樹脂と液状媒体とを含むコーティング剤を塗布し、硬化させたものが挙げられる。
(用途)
ハードコートフィルム1は、前述の通り、第一基材フィルム10と、第一基材フィルムの片面(透明電極層形成面10a)に積層した透明電極層とを有する透光性導電性フィルムを製造する用途に用いられる。
該透光性導電性フィルムにおいては、第一基材フィルム10の透明電極層が積層している側とは反対側に、粘着層が積層していてもよい。該粘着層は、第二基材フィルム20の粘着層21でもよく、透明電極層の形成後、第一基材フィルム10から第二基材フィルム20を剥離し、その剥離面に新たに設けた粘着層でもよい。
透明電極層の材質は、特に限定されず、公知のものであってよい。たとえば、ITO、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、スズ−アンチモン複合酸化物、亜鉛−アルミニウム複合酸化物、インジウム−亜鉛複合酸化物、銀及び銀合金、銅及び銅合金、金等が挙げられる。
透明電極層は、単層でも多層構造でもよい。
透光性導電性フィルムは、たとえば、ハードコートフィルム1の透明電極層形成面10aに透明導電膜を成膜し、該透明導電膜をパターニングして透明電極層を形成する工程を含む製造方法により製造できる。
透明導電膜の成膜方法としては、公知の方法を適宜用いることができる。たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法、化学気相成長(CVD)法、イオンプレーティング法、スプレー法等が挙げられる。
スパッタリング法の場合、酸化物ターゲットを用いた通常のスパッタリング法、あるいは、金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法等が用いられる。この時、反応性ガスとして、酸素、窒素、等を導入したり、オゾン添加、プラズマ照射、イオンアシスト等の手段を併用してもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、基板に直流、交流、高周波などのバイアスを印加してもよい。
透明導電膜の成膜方法としては、表面抵抗値安定性の点で、2.0×10-4Pa程度の高真空度下にてスパッタリング法により透明導電膜を成膜する方法が好ましい。
成膜後、透明導電膜の屈折率を高めるために、135〜170℃で1〜2時間程度の焼結処理を行うことが好ましい。
透明導電膜のパターニング方法としては、公知の方法を適宜用いることができる。たとえば、透明導電膜上に、公知のフォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして透明導電膜をエッチングする方法が挙げられる。
透明電極層の形成後に、第一基材フィルム10から第二基材フィルム20を剥離する工程を行ってもよい。
第二基材フィルム20を剥離した後に、第一基材フィルム10の透明電極層が形成されていない側の表面に光学用透明粘着(Optical Clear Adhesive;以下「OCA」ともいう。)層を積層する工程を行ってもよい。
OCA層は、透明な粘着層である。OCA層の全光線透過率(JIS K7105)は、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。OCA層としては特に限定されず、公知のOCA層を採用できる。
透明電極層の形成後に、第二基材フィルム20の粘着層21から支持体23を剥離する工程を行ってもよい。この場合、剥離されずに残った粘着層21をOCA層として利用できる。支持体23を剥離する場合、支持体23としては、粘着層21からの剥離性の点から、表面に離型層が設けられているものが好ましい。
(作用効果)
本発明のハードコートフィルム1にあっては、上記構成を有するため、第一基材フィルム10側の表面(透明電極層形成面10a)に形成される透明電極層の物理的骨見えを抑制できる。
従来のハードコートフィルムに透明電極層を形成する場合、ハードコートフィルムの厚みを薄くすると、透明電極層が存在する領域と透明電極層が存在しない領域との間での光学特性の差による骨見え(色見え)だけでなく、立体的要因による骨見え(物理的骨見え)が問題になってくる。すなわち、ハードコートフィルムが薄くなると、透明導電膜を形成する際の熱によって収縮、うねり等の変形が生じやすい。また、透明導電膜のエッチングの際に、透明導電膜を除去する領域と除去しない領域との境界(エッチング界面)付近でハードコートフィルムの表面が凹み、透明電極層の厚みよりも大きな段差が生じてしまう。このようにしてハードコートフィルムの表面に凹凸が生じることで、透明電極層の骨見えが生じる。特にエッチング界面は、透明電極層が存在する領域と透明電極層が存在しない領域との境界であり、この部分に大きな段差が形成されると、透明電極層の物理的骨見えが生じやすい。
ハードコートフィルム1にあっては、透明電極層が形成される第一基材フィルム10に第二基材フィルム20が粘着し、全体でのこわさが2.6mN・m以上となっている。そのため、第一基材フィルム10の厚みが薄くても、透明電極層形成面10aに透明導電膜を形成し、該透明導電膜をエッチングして透明電極層を形成する際に、第一基材フィルム10の表面に大きな凹凸が生じにくく、該凹凸による透明電極層の物理的骨見えを抑制できる。
したがって、ハードコートフィルム1を用いて得られる透光性導電性フィルムは、厚みが薄くても透明電極層の物理的骨見えが抑制されている。そのため、投影型静電容量方式のタッチパネルセンサ用等として有用である。
以上、本発明の透明電極用フィルムについて、一実施形態を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
上記実施形態では、第一基材フィルムの透光性基体11の両面に易接着層(第一の易接着層13及び第二の易接着層15)及びハードコート層(第一のハードコート層17及び第二のハードコート層19)が積層した例を示したが、易接着層及びハードコート層が積層されるのは、透光性基体11の片面であってもよい。透光性基体11の両面に易接着層が積層し、それらの易接着層のいずれか一方の上にハードコート層が積層してもよい。ハードコート層が透光性基体11に、易接着層を介さずに直接積層してもよい。
透光性基体11のいずれか一方の面上にハードコート層が積層する場合、該ハードコート層は、透光性基体の透明電極層が形成される側に積層してもよく、その反対側に積層してもよい。透明電極層の耐候性向上の点では、透光性基体11の透明電極層が形成される側に積層することが好ましい。
第一基材フィルムは、透光性基体、易接着層及びハードコート層以外の他の層をさらに有してもよい。
第一基材フィルムが有してもよい他の層としては、たとえば、光学調整層(インデックスマッチング層)、偏光層、光拡散層、低反射層、防汚層、帯電防止層、紫外線・近赤外線(NIR)吸収層、電磁波シールド層等が挙げられる。
第一基材フィルムが他の層を有する場合、該他の層は、たとえば、易接着層とハードコート層との間、ハードコート層上(易接着層側とは反対側)、易接着層及びハードコート層が積層していない側の透光性基体上等に設けることができる。
他の層のうち光学調整層は、通常、透光性基体11の透明電極層が形成される側に配置される。透明電極層が形成される側の最表層に配置されることが好ましい。例えば図1に示したハードコートフィルム1の第一のハードコート層17上に光学調整層が設けられることが好ましい。
光学調整層は、透明電極層の存在する領域の光学特性と、透明電極層の存在しない領域の光学特性との差を小さくする機能を持つ層である。
ハードコートフィルムの透明電極層形成面上にダイヤ状、細線状等のパターンで透明電極層を形成して得られる透光性導電性フィルムの透明電極層側の表面には、透明電極層の存在する領域と透明電極層の存在しない領域とがあり、これらの領域間での光学特性(光の反射率、透過率等)の差による骨見え(色見え)が生じやすい。透明電極層形成面に光学調整層が存在することで、光学特性の差による骨見えが抑制される。
光学調整層の構成は特に限定されず、公知の光学調整層構成を採用できる。たとえば、低屈折率層から構成されるもの、高屈折率層から構成されるもの、低屈折率層と高屈折率層との組み合わせから構成されるもの等が挙げられる。前記の組み合わせにおいて、高屈折率層および低屈折率層はそれぞれ複数存在してもよい。
低屈折率層と高屈折率層とを組み合わせた構成としては、透光性基体側から、高屈折率層と低屈折率層とがこの順に積層した構成が好ましい。
低屈折率層とは、屈折率が、透明電極層形成面上に形成される透明電極層の屈折率よりも低い層である。たとえば透明電極層がITOである場合、低屈折率層の屈折率は、1.40〜1.55が好ましく、1.45〜1.50がより好ましい。
本発明において「屈折率」は、硬化後塗膜のアッベ屈折率計により測定される値である。
低屈折率層の材質としては、フッ素化合物やシリコーンなどの低屈折率材料を含有または配位したアクリレート樹脂、二酸化珪素微粒子、中空シリカ等が挙げられる。
低屈折率層の形成方法としては、湿式法、乾式法等があり、いずれの方法を用いてもよい。湿式法としては、ロールコート法、スピンコート法、スプレーコート等が挙げられる。乾式法としては、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等が挙げられる。低コスト化に有利なことから、ロールコート法が特に好ましい。
高屈折率層とは、屈折率が、前記低屈折率層よりも高い層である。たとえば低屈折率層の屈折率が1.50の場合、高屈折率層の屈折率は、1.62〜1.66が好ましく、1.64〜1.65がより好ましい。
高屈折率層の材質としては、ジルコニア、チタニアなどの金属酸化物膜や、金属酸化物微粒子を分散させた樹脂等が挙げられる。
高屈折率層の形成方法としては、低屈折率層の場合と同様に、湿式法、乾式法等があり、いずれの方法を用いてもよい。低コスト化に有利なことから、ジルコニア粒子を分散させた樹脂をロールコート法でコーティングする方法が特に好ましい。
第一のハードコート層17に、光学調整層としての機能を持たせてもよい。
第一のハードコート層17を高屈折率層とし、その上に低屈折率層を設けて光学調整層としてもよい。
第二基材フィルムは、粘着層及び支持体以外の層をさらに有してもよい。また、第二基材フィルムを、粘着層からなるものとしてもよい。
第二基材フィルムが有してもよい他の層としては、たとえば、オリゴマーブロック層、アンチブロッキング層等が挙げられる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。
各例で用いた評価方法を以下に示す。
<評価方法>
(こわさ)
テーバー型ステフネステスター(商品名:STIFFNESS TESTER、熊谷理機社製)を用い、JIS P 8125:2000に基づいて、試料幅38mm、試料長さ70mm、曲げ角度15°の条件でハードコートフィルム又は第一基材フィルムのこわさ(mN・m)を測定した。
(物理的骨見え)
コベルコ社製スパッタ機でDCスパッタを行って、各例で得られたハードコートフィルムのハードコート層A側の表面にITO膜(In:Sn=90:10(質量比))を成膜した。その後、加熱オーブンで150℃で60分間加熱(結晶化処理)し、空冷して透明導電膜を形成し、透明電極層付きハードコートフィルムを得た。成膜時の真空度は10−4Paとした。形成された透明導電膜の膜厚は0.02μmであった。
次いで、粘着テープ(巴川製紙所製ラボテープ、幅25mm、長さ35mm)に、2mm角の貫通孔を幅方向に等間隔で6個設けて1列作成した後、同様の貫通孔の列を更に5列等間隔に設けた。すなわち、幅25mm、長さ35mmの粘着テープ内に、2mm角の貫通孔を30個設けた。
次に、30個の貫通孔を設けた粘着テープをエッチング用のマスクとして、前記透明電極層付きハードコートフィルムの透明導電膜の表面に貼り付け、得られた積層体を、50℃に加温した22%塩酸に2分間浸漬して透明導電膜をエッチングした。その後、水洗し、乾燥させ、粘着テープを剥離した。これにより、エッチングされた透明導電膜を有する透明電極層付きハードコートフィルムを得た。
次に、上記のエッチングされた透明導電膜を有する透明電極層付きハードコートフィルムを3波長蛍光灯下で目視観察し、物理的骨見えの状態を下記の基準で評価した。
○:透明電極層付きハードコートフィルムを90度及び斜め45度の角度で観察した場合において、透明電極層が存在する領域と透明電極層が存在しない領域との境界が見えない。又は透明電極層付きハードコートフィルムを90度の角度で観察した際には境界が見えないが、斜め45度の角度で観察した際に僅かに境界が見えることにより透明電極層のパターン形状が僅かに観察される。
△:透明電極層付きハードコートフィルムを90度の角度で観察した際には透明電極層が存在する領域と透明電極層が存在しない領域との境界が見えないが、斜め45度の角度で観察した際に境界が見えることにより透明電極層のパターン形状が明確に観察される。
×:透明電極層付きハードコートフィルムを90度及び斜め45度の角度で観察した場合において、透明電極層が存在する領域と透明電極層が存在しない領域との境界が容易に見えることにより透明電極層のパターン形状が前記両方の角度で観察される。
(境界段差)
前記物理的骨見えの評価で作製した透明電極層付きハードコートフィルムの幅方向の断面における厚さをレーザー顕微鏡にて測定した。該測定結果から、前記の断面の幅方向において透明電極層が存在する部分と透明電極層が存在しない部分との境界の位置±1000nmの範囲内での最大厚さと最小厚さとから、下記式により境界段差(μm)を求めた。
境界段差=最大厚さ(μm)−最小厚さ(μm)−透明電極層の厚さ(μm)
<実施例1>
両面に易接着層を備えるPET製の透光性基体(商品名:UH13H、東レ社製、厚み50μm)上に、ハードコート層形成材料aを、乾燥後に層厚2μmとなるように塗工し、80℃で1分間乾燥した後、空気雰囲気下、350mJ/cmのエネルギー相当の高圧水銀灯の照射により硬化させてハードコート層Aを形成した。
次に、上記ハードコート層Aを形成した透光性基体の他方の面に、ハードコート層形成材料bを、乾燥後に層厚0.8μmとなるように塗工し、80℃で1分間乾燥した後、空気雰囲気下、350mJ/cmのエネルギー相当の高圧水銀灯の照射により硬化させてアンチブロッキングハードコート層Bを形成した。これにより第一基材フィルムを得た。
得られた第一基材フィルムについて、こわさを評価した。結果を表1に示す。
前記ハードコート層形成材料aは、下記の原料を混合して調製した。
(ハードコート層形成材料a)
・紫外線硬化型樹脂(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、東亜合成社製、アロニクスM−400)100質量部。
・酸化ジルコニア分散液(平均粒子径30nm、固形分濃度15質量%)400質量部。
・メチルイソブチルケトン35質量部。
・光重合開始剤(商品名:イルガキュア184、チバ・ジャパン社製)3.0質量部。
前記ハードコート層形成材料bは、下記の原料を混合して調製した。
(ハードコート層形成材料b)
・紫外線硬化型樹脂(アクリルアクリレート樹脂)100質量部。
・有機微粒子(アクリル樹脂、平均一次粒子径0.8μm)0.14質量部。
・チタネート系分散剤(ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン)0.01質量部。
・メチルイソブチルケトン100質量部。
・光重合開始剤(商品名:イルガキュア184、チバ・ジャパン社製)1.9質量部。
次に、ポリエチレンテレフタレート製のセパレーターフィルム(厚み38μm)上に、乾燥後に層厚10μmとなるように粘着剤組成物cを塗工し、80℃で3分間乾燥して粘着層を形成した。次いで、この粘着層にポリエチレンテレフタレート製の透光性支持体(厚み125μm)を重ねて圧着した。これにより、セパレーターフィルム付き第二基材フィルムを得た。
前記粘着剤組成物cは、下記の原料を混合して調製した。
(粘着剤組成物c)
以下の手順で調製した粘着剤樹脂A 100.0質量部。
ヘキサメチレンジイソシアネート 4.4質量部。
(粘着性剤樹脂Aの調製)
モノマーとしてブチルアクリレート(334.1g)、2−エチルヘキシルアクリレート(259.9g)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(6.0g)を秤量し、充分に混合して重合性モノマー混合物(A1)を得た。160gの酢酸エチルと300gの重合性モノマー混合物(A1)とをフラスコに入れた。また滴下ロートに300gの重合性モノマー混合物(A1)、16gの酢酸エチル及び0.15gのナイパーBMT−K40(重合開始剤、日油株式会社製)を入れ、よく混合して滴下用混合物(B2)を作成した。窒素ガスを20mL/分で流通させながら、フラスコの内温を95℃まで上昇させ、重合開始剤であるナイパーBMT−K40(0.20g)をフラスコに投入し、重合反応を開始させた。滴下ロートからの滴下用混合物(B1)の滴下を90分掛けて滴下した。滴下用混合物(B1)の滴下終了後、粘度の上昇に応じて酢酸エチルで希釈を行いながら、6時間の熟成を行った。反応終了後、重量平均分子量130万、水酸基価4.6mgKOH/gの粘着剤樹脂Aを得た。
次に、セパレーターフィルム付き第二基材フィルムからセパレーターフィルムを剥離し、得られた第二基材フィルムの粘着層側の面と、第一基材フィルムのアンチブロッキングハードコート層B側の面とを貼り合わせてハードコートフィルムを得た。
<実施例2>
実施例1における第一基材フィルムの作製において、両面に易接着層を備えるPET製の透光性基体を、両面に易接着層を備えるPET製の透光性基体(商品名:U40、東レ社製、厚み23μm)に変更し、セパレーターフィルム付き第二基材フィルムの作製において、PET製の透光性支持体の厚みを188μmへ変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
<比較例1>
実施例1で作製した第一基材フィルムをそのままハードコートフィルムとした。
<比較例2>
第二基材フィルムの作製において、PET製の透光性支持体を、PET製の透光性支持体(商品名:A4300、東洋紡社製、厚み50μm)に変更した以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
<比較例3>
第二基材フィルムの作製において、粘着剤組成物cの代わりに粘着剤樹脂Aをそのまま用いた以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
各例のハードコートフィルムについて、こわさ、物理的骨見え、境界段差を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2016091352
上記結果に示すとおり、実施例1〜2のハードコートフィルムは、透明電極層の物理的骨見えの評価結果が良好であった。また、境界段差が生じていなかった。
これに対し、こわさが0.1mN・mの第一基材フィルムをそのまま用いた比較例1のハードコートフィルムは、物理的骨見えの評価結果が悪かった。また、境界段差が発生していた。
こわさが0.8mN・mの比較例2のハードコートフィルムは、比較例1と同様に、物理的骨見えの評価結果が悪かった。なお、物理的骨見えの評価結果を考慮すると、比較例2において境界段差が確認できなかったのは、ハードコートフィルム全体にうねり等の変形が生じ、境界段差を正確に測定できなかったためと推測される。
こわさが2.5mN・mの比較例3のハードコートフィルムは、物理的骨見えの評価結果が不良であった。また、境界段差が発生していた。
1 ハードコートフィルム
10 第一基材フィルム
10a 透明電極層形成面
11 透光性基体
13 第一の易接着層
15 第二の易接着層
17 第一のハードコート層
19 第二のハードコート層
20 第二基材フィルム
21 粘着層
23 支持体

Claims (2)

  1. 透光性基体と、該透光性基体の少なくとも片面上に形成されたハードコート層とを有する、透明電極層が片面に形成される第一基材フィルムと、
    前記第一基材フィルムの透明電極層が形成される側とは反対側に粘着した第二基材フィルムと、
    を備え、
    JIS P 8125:2000に規定される方法により試料幅38mm、試料長さ70mm、曲げ角度15°の条件で測定されるこわさが2.6mN・m以上であることを特徴とする、透明電極用ハードコートフィルム。
  2. 前記第一基材フィルムの厚みが75μm以下である、請求項1に記載の透明電極用ハードコートフィルム。
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