JP2016090482A - 環境試験方法及び環境試験装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】環境試験装置1は、試験室2と、空調装置(空調部)3によって構成されている。そして両者の間が往き側ダクト5と、戻り側ダクト6によって接続されている。試料10に低温空気を当てることによって試料10の温度を下げる。その後、試験室2内の環境を低温空気の温度よりも高温であってその露点が試料10の温度以上である高温環境に変化させる。そのため試料10の表面は、周囲の環境の露点以下の温度となり、周囲の空気に含まれる水蒸気が凝固し、試料10の表面で結露する。また試料の温度が氷点下である場合には、試料の表面に結霜する。
【選択図】図1
Description
環境試験には、試料を過酷な環境にさらすことを目的とするものと、特殊な環境を人工的に作ってその環境下に試料を置くことを目的とするものがあると言える。
前者の環境試験は、試料を過酷な環境下におき、その耐久性を調べることを目的とするものである。例えば、試料を高温環境や、低温環境に置き、耐久性を調べる。また試料を高湿度の環境にさらし、試料に結露を生じさせたり、結霜を生じさせる試験も、この範疇に入る環境試験であると言える。
市場において、この様な特殊な環境を再現したいという要求がある。特に物品が氷点下の状態にあるにも係わらず結露や結霜がなく、あるきっかけで突然に結露や結霜が生じる様な環境を人工的に作りたいという要求がある。
また本発明は、試料に突然に結露や結霜を生じさせることができる環境試験装置を開発することを目的とするものである。
本発明では、温度低下工程に続いて試験室内の環境を前記空気の温度よりも高温であってその露点が試料の温度以上である高温環境に変化させる。そのため試料の表面は、周囲の環境の露点以下の温度となり、周囲の空気に含まれる水蒸気が凝固し、試料の表面で結露する。また試料の温度が氷点下である場合には、試料の表面に結霜する。
そのため本発明の環境試験方法によると、試料の表面に突然、結露や結霜が生じることとなる。
そこで本発明では、環境変化工程は、前記空気の温度よりも高温であってその露点が前記空気の温度以上に調整された高温空気を試験室内に導入することとした。本発明によると、試験室内の環境が、前記空気の温度よりも高温であってその露点が試料の温度以上となった高温環境に変化する。
本発明によると、試料の温度を検知したり監視する必要はないが、監視してもよい。
本発明の環境試験装置では、低温空気送風口から試料の温度より低温の空気を放出する。ここで前記した様に低温空気送風口は、試料に近接した位置に開口しているから、低温の空気は、試料に直接的に当たる。本発明の環境試験装置では、この様にして温度低下工程を実行する。
また本発明の環境試験装置では、高温空気送風口から低温の空気より高温の高温空気を放出する。高温空気送風口は、試料から離れた位置に開口しているから、高温空気は、直接試料には当たらない。そのため高温空気送風口から試験室内に高温空気を放出すると、試験室全体の環境が、高温空気の雰囲気に変化する。本発明の環境試験装置では、この様にして環境変化工程を実行する。
本発明の環境試験装置によると、試料の表面に突然に結露や結霜を発生させる様な特殊な環境を作り出すことができる。
従って本発明の環境試験装置によると、試料の表面に突然に結露や結霜を発生させる様な特殊な環境を作り出すことができる。
環境試験装置1は、試験室2と、空調装置(空調部)3によって構成されている。そして両者の間が往き側ダクト5と、戻り側ダクト6によって接続されている。
低温空気導入口13と、高温空気送風口11とは、図1の様に試験室2の天井部に開口している。
これに対して空気排出口12は、試験室2の側面部であって上下方向には下部に設けられている。
本実施形態では、フレキシブルダクト15の先端に吹き出し口があり、当該吹き出し口が低温空気送風口17となっている。即ち本実施形態では、フレキシブルダクト15の先端の低温空気送風口17から試験室2内に空気が供給される。
空調用流路21には、上流側たる空気導入口22から順番に、加湿装置36、蒸発器(冷却器)26、加熱ヒータ(加熱装置)27及びファン28が配されている。
また空気送り口23の近傍には、温度検知手段30と湿度検知手段31が設けられている。温度検知手段30は、例えば、従来公知の熱電対やサーミスタ等の温度センサである。一方、湿度検知手段31は、例えば、湿球温度計である。
加湿装置36は、蒸発皿37と、電気ヒータ32によって構成されるものであり、蒸発皿37内の水を電気ヒータ32で加熱して蒸発させるものである。
蒸発器(冷却器)26は、具体的には後述する冷却装置33の蒸発器であり、内部に相変化する冷媒が流通するものであり、冷却能力と表面温度を変化させることができるものである。
ファン28は、従来公知の送風機であり、空気を送り出すものである。
即ち温度検知手段30と湿度検知手段31の検知信号がフィードバックされて空調用流路21内の各機器が運転され、空気送り口23から送風される空気の温度と湿度が所望の温度と湿度に調節される。
往き側ダクト5は、空調装置3の空気送り口23と、試験室2とを接続するものであり、途中で二流路に分岐されて、低温空気送風路50と高温空気送風路51とに分かれている。そして低温空気送風路50は、試験室2の低温空気導入口13に接続されている。また高温空気送風路51は、高温空気送風口11に接続されている。
往き側ダクト5の低温空気導入口13との接続部分には、低温空気断続ダンパ7が設けられている。往き側ダクト5の高温空気送風口11との接続部分には、高温空気断続ダンパ8が設けられている。
低温空気断続ダンパ7及び高温空気断続ダンパ8は、流路切り換え手段として機能する。
試験室2の空気排出口12と、空調装置3の空気導入口22との間が、戻り側ダクト6によって接続されている。
即ち低温空気断続ダンパ7を開くと共に、高温空気断続ダンパ8を閉じ、その状態で空調装置3のファン28を回転すると、空調装置3で所望の温度及び湿度に調整された空気が、低温空気導入口13を経てフレキシブルダクト15に流れフレキシブルダクト15の先端の低温空気送風口17から試験室2内に吹き出される。
また試験室2内の空気は、試験室2の空気排出口12から排出され、戻り側ダクト6を経て空調装置3に戻る。
この場合においても、試験室2内の空気は、試験室2の空気排出口12から排出され、戻り側ダクト6を経て空調装置3に戻る。
即ち環境試験が開始されると、ステップ1が開始し、温度低下工程が実行される。即ちステップ1で、空調装置3の各機器が動作し、空調装置3を通過する空気が低温空気に調整される。ここで低温空気は、後記する高温空気と比較して温度が低い空気である。また低温空気は湿度(相対湿度)が高い空気であることが望ましい。
続くステップ3では、所定のタイマが計時を開始する。
続くステップ4では、前記したタイマの計時が終了したか否かが判断される。タイマの計時が終了している場合は、ステップ5に進み、計時が終了していない場合は、計時が終了するまで待機する。
即ちステップ5では、空調装置3の設定が切り換えられ、空調装置3を通過する空気が高温空気に調整される。高温空気は、前記した低温空気よりも温度が高い空気である。高温空気は高湿の空気でもあり、少なくともその露点は、低温空気の温度よりも高い。また高温空気の絶対湿度は、低温空気の絶対湿度よりもはるかに高い。
またこれと平行して前記したダンパが切り換えられ、高温空気断続ダンパ8を開くと共に、低温空気断続ダンパ7を閉じる。これらの切替えによって環境変化工程が開始される。
続くステップ7では、前記したタイマの計時が終了したか否かが判断される。タイマの計時が終了している場合は、ステップ8に進み、計時が終了していない場合は、計時が終了するまで待機する。
ステップ8では、制御装置に内蔵されたカウンタに1が追加される。そしてステップ9に進み、所定の繰り返し回数が実施されたか否かが判断される。所定の繰り返し回数が実施されていたならば一連の環境試験を終了する。繰り返し回数が所定の回数に満たない場合には、ステップ1に戻り、前記した工程が繰り返される。
試験の準備として、被試験物たる試料10が、図1の様に試料設置台18に設置される。そしてフレキシブルダクト15を手動で曲げ、低温空気送風口17を試料10に向ける。
そして上記したプログラムに従い、一連の動作を実行させる。
図示しないスタートボタンを押すことにより、環境試験装置1が起動し、温度低下工程が実行される。即ちステップ1で、空調装置3の各機器が動作し、空調装置3を通過する空気が低温空気に調整され、ステップ2で空調装置3から低温空気送風口17に至る空気流路が開かれる。その結果、低温空気が低温空気送風口17から吹き出され、低温空気が試料10に直接当てられる。より詳細には、低温空気送風口17から吹き出される風が、直接、試料10に当たる。
試料10には、低温空気送風口17から低温空気(低温・高湿)が直接的に吹きつけられるので、試料10の温度は急激に低下する。これに対して試験室2内の温度低下は緩慢であり、試料10ほどには低下しない。即ち低温空気送風口17は試料10の近傍に開いており、試験室2内における空気の流れは、局部的なものとなっている。より具体的には、低温空気送風口17は高さ方向には試験室2の中程にあり、平面方向にも中程にある。一方、空気排出口12は、試験室2の下部側に寄った位置にある。そのため低温空気送風口17から導入された空気は、試料10と衝突した後に下部の空気排出口12に吸い込まれ、試験室2の上方には流れない。そのため試験室2内の温度低下は、試料10に比べると小さい。
その結果、試料10の温度が、十分に低下する。その一方で試験室2内の温度は、前記した様にそれぼと低下しない。また試験室内の湿度は高い。
試料10に対して、低温空気が吹きつけられている間においては、試料10に結露や結霜が発生することはない。
即ち本実施形態では、試料10の温度よりも低い温度に設定された低温空気を吹きつけて試料10の温度を低下させているのであるから、試料10の表面温度は、少なくとも吹きつけている低温空気の温度よりも高い。そのため少なくとも試料10の表面温度は、低温空気の露点温度よりも高く、結露等は発生しない。
即ち試料10に当てられた低温空気は、逆に温度が上昇する傾向となるので、低温空気はその露点以下の温度となることがなく、水蒸気の凝縮は起こらない。そのため試料10の表面に結露等が発生することはない。
またステップ5でダンパが切り換えられ、高温空気断続ダンパ8を開くと共に、低温空気断続ダンパ7が閉じられる。
その結果、低温空気送風口17から吹き出されていた空気噴射が停止し、代わって、試験室2の天井部に設けられた高温空気送風口11から高温空気(高温高湿空気)が導入される。以下、環境変化工程が実行されることとなる。
高温空気送風口11は、比較的、試料10から離れた位置に開口しており、高温空気送風口11から導入される高温空気は、直接的には試料10に当たらない。高温空気送風口11は、試験室2の天井部に開口しているから、高温空気送風口11から導入された空気は、試験室2内にくまなく行き渡る。
従って試料10の温度は低いままの状態であって温度変化が少なく、試験室2内の環境が、高温高湿環境に変化する。
そのため、あたかも低温の試料10が突然高温高湿環境に移されたのと同様の環境変化が生じ、試料10の表面で空気中の水蒸気が凝縮して突然に結露が発生する。また試料10の表面温度が氷点下であるならば、結露はたちまちのうちに結霜する。
単位時間当たりに発生する結露量や、総結露量や総結霜量は、低温空気の温度と湿度、高温空気の温度と湿度及び試験室2内の空気を置換する置換速度を制御することによって調整することができる。
例えば高温空気の湿度を上げることによって単位時間当たりに発生する結露量や、総結露量を増大させることができる。高温空気の温度を上げることによっても同様に単位時間当たりに発生する結露量や、総結露量を増大させることができる。
逆に高温空気の湿度を下げたり高温空気の温度を下げることによって単位時間当たりに発生する結露量や、総結露量を減少させることができる。
低温空気の温度を下げることによっても単位時間当たりに発生する結露量や、総結露量を増大させることができる。
逆に低温空気の温度を上げると単位時間当たりに発生する結露量や、総結露量を減少させることができる。
高温空気の温度を上げるか、低温空気の温度を下げ、両者の温度差を大きくして試料10の温度が一定の温度に達するまでの時間を長くすることによっても結露が発生する時間を増加させることができる。
また先に希望する結露量や結霜量を決め、それに見合う様に低温空気の温度と湿度、高温空気の温度と湿度を制御することも考えられる。
さらに実際に試料10に発生した露や霜の量を何らかの方法で検知し、露や霜の量が一定量に達するまで試験を行うことも考えられる。露や霜の量を測定する方法としては、試料10の総重量の変化を測定する方法や、画像処理による方法が考えられる。
例えば、高温高湿の空気を試験室2に供給する場合には、蒸発器(冷却器)26の機能を停止させ、加熱ヒータ27と加湿装置36とを運転する。
一方、高温低湿の空気を試験室2に供給する場合には、加熱ヒータ27を稼働させて空調用流路21を高温雰囲気にすると共に、蒸発器26を機能させることで空気を低湿度のものとすることができる。この際、蒸発器26を除湿器として機能させており、蒸発器26の表面温度を露点以下として蒸発器26に結露させることで、除湿を行う。
なお本発明は、以下に説明する様な蒸発器26が加湿装置36を補助する機能を有するものに限定されるものではなく、以下に説明する構成は、あくまでも推奨される構成に過ぎない。本発明で採用する空調装置3は、以下に説明する様な蒸発器26が加湿装置36を補助する機能を有するものである必要はなく、蒸発器26の機能が冷却と除湿だけであってもよい。
(1)圧縮機50を駆動して冷却装置33を運転し、主として空調用流路21の温度を低下させる温度降下工程。
(2)第一膨張弁38の開度を絞った状態で冷却装置33を運転し、蒸発器26の表面で空調用流路21に含まれる水蒸気を凝縮させ、主として空調用流路21の相対湿度を低下させる湿度降下工程。
(3)第二膨張手段39の開度を調節した状態で冷却装置33を運転し、蒸発器26の表面の温度を上昇させて蒸発器26の表面に付着した水分の一部又は全部を蒸発又は昇華させる湿度調節工程。
湿度降下工程では、第一膨張弁38の開度を絞ることで冷媒の蒸発圧が低下し、冷媒の温度が低下して蒸発器の表面温度が低下する。そのため蒸発器26と接触する空気は、内包する水蒸気を凝縮させる。その結果、蒸発器26と接触する空気は水蒸気を奪われて絶対湿度が低下し、相対湿度も低下する。
即ち第一膨張弁38の開度を絞ったことで冷媒の温度が低下し、蒸発器26の表面温度が露点以下まで低くなって、蒸発器26の表面に結露し、空調用流路21の相対湿度が低下する。
一方、第二工程たる湿度降下工程においても、空調用流路21の温度が低下するが、温度低下勾配は、第一工程たる「温度降下工程」よりも小さい。
即ち「湿度降下工程」においては、第一膨張弁38の開度が絞られている。そして第一膨張弁38は、蒸発器26の上流側にあるから、蒸発器26に流れる冷媒の量は少なくなる。その結果、蒸発器26の冷却能力自体が小さくなり、空調用流路21の温度低下は少ない。
また蒸発器26の出口側が絞られて、蒸発器26内における冷媒の滞留時間が延びることによっても、蒸発器26の表面の温度が第二工程の段階に比べて上昇する。
即ち第二膨張弁39の開度の調節具合と、冷却装置33の運転によって、空調用流路21内の温度と相対湿度を制御することが可能である。
本実施形態で採用する冷却装置33は、気・液間で相変化する冷媒が流れる冷媒循環回路35を備えている。冷媒循環回路35は、相変化する冷媒を圧縮して凝縮し、これを蒸発させて冷却する一連のサイクル(冷凍サイクル)を実行するもので、圧縮機50、凝縮器42、第一膨張弁38、蒸発器26、第二膨張弁39と、それらの機器を環状に接続する冷媒循環配管41を備えた冷凍機である。第一膨張弁38並びに第二膨張弁39は、それぞれ開度を調整可能なものである。
なお、凝縮器42と第一膨張弁38と間には、電磁弁43が設けられている。
一方、蒸発器26の下流側には、第二冷媒温度検知手段46と、冷媒圧力検知手段47が設けられている。第二冷媒温度検知手段46は、第一冷媒温度検知手段45と同じく、従来公知の熱電対や温度センサである。第二冷媒温度検知手段46は、蒸発器26を通過した後の冷媒ガスの温度を検知できる。つまり、蒸発器26の蒸発温度を検知できる。冷媒圧力検知手段47は、例えば、従来公知の圧力センサである。
冷媒循環回路35の圧縮機50を起動すると、気相状態の冷媒が圧縮され、凝縮器42で冷却されて、液化される。そして、その液状の冷媒は、第一膨張弁38を経て蒸発器26に入り、気化される。そして、蒸発器26が冷媒により温度降下され、空調用流路21を通過する空気を冷却することができる。蒸発器26に流れ込む冷媒の温度は、蒸発器26の上流側に設けられた第一冷媒温度検知手段45で検知される。
あるいは蒸発器26に導入される冷媒の温度と、蒸発器26内における冷媒の蒸発圧力と、蒸発器26の表面温度の関係を予め実験によって求め、この実験データに照らして蒸発器26の表面温度を演算してもよい。
また単に、蒸発器26の出口側における冷媒の温度から蒸発器26の表面温度を求めてもよい。
他の方策として、第一膨張弁38及び第二膨張弁39の開度と、蒸発器26の表面温度との関係を予め実験で求め、第一膨張弁38及び第二膨張弁39の開度から蒸発器26の表面温度を演算等で求めてもよい。
またこの際に、圧縮機50の回転数、冷媒圧力検知手段47の検知圧や雰囲気温度を参酌することが推奨される。
一つ目は、蒸発器26の表面温度を「目標環境の露点近傍」となる様に第一膨張弁38を制御する温度降下プログラムである。温度降下プログラムは、前記した「冷房運転」を実行するものである。ここで、「露点近傍」とは、目標環境の露点温度のプラスマイナス5度、より望ましくは目標環境の露点温度のプラスマイナス3度の範囲の温度である。蒸発器26の表面温度は、前記した様に冷媒温度検知手段45,46及び冷媒圧力検知手段47からの検知信号に基づいて求められる。
本実施形態の空調装置3では、図示しない制御装置によって、空調用流路21の空気送り口23が目標の温度と相対湿度となる様に制御される。
自動プログラムの実行に先立ち、「目標環境」となる空調用流路21の空気送り口23の温度と湿度を図示しない制御装置に入力して設定を行う。より具体的には、低温空気の目標温度及び目標湿度と、高温空気の目標温度及び目標湿度を設定する。
そして温度降下プログラムを実行し、空調用流路21の空気送り口23の温度が「目標環境の温度近傍」となるまで、「冷房運転」を行う。
即ち「冷房運転」が実行されると、第一膨張弁38の開度が比較的開かれた状態で冷却装置33が運転され、蒸発器26の冷却能力が大きい状態で運転される。また蒸発器26の表面温度が「目標環境の露点近傍」となる様に第一膨張弁38が制御される。
ここで、「目標環境の露点」は、当然に「目標環境の温度」以下であるから、空調用流路21の空気送り口23の温度は、「目標環境の温度」以下の温度たる「目標環境の露点」に向かって降下する。
即ち第一膨張弁38を絞って蒸発器26の表面温度を「目標環境の露点以下」となる様に制御する。
その結果、蒸発器26に結露し、空調用流路21の空気送り口23の相対湿度が低下する。ただし、「除湿運転」においては、冷却能力が小さいので、空調用流路21の空気送り口23の温度は大きくは変化しない。即ち「除湿運転」が実行されている間は、空調用流路21の空気送り口23の温度は「目標環境の温度近傍」を維持している。
空調用流路21の空気送り口23の相対湿度が「目標環境の相対湿度以下」となったことが確認されると、湿度調節プログラムを実行し、空調用流路21の空気送り口23が目標環境の相対湿度となるまで、湿度の微調整を行う。
その結果、蒸発器26に付着していた結露水が気化し、空調用流路21の空気送り口23の相対湿度が僅かに上昇する。その結果、空調用流路21の空気送り口23の相対湿度が微調整される。
そして、温度調整プログラムと、湿度調節プログラムとを平行して実施し、空調用流路21の空気送り口23が「目標環境」となる様に「温度と湿度の微調整」を行う。
本方法を採用すると、加湿装置36の運転時間を短縮することができ、消費電力を低減することができる。
2 試験室
3 空調装置(空調部)
5 往き側ダクト
6 戻り側ダクト
7 低温空気断続ダンパ(流路切り換え手段)
8 高温空気断続ダンパ(流路切り換え手段)
10 試料
11 高温空気送風口
17 低温空気送風口
21 空調用流路
22 空気導入口
23 空気送り口
26 蒸発器(冷却器)
27 加熱ヒータ(加熱装置)
28 ファン
36 加湿装置
50 低温空気送風路
51 高温空気送風路
Claims (5)
- 試験室に設置した試料に対して空気を当てて試料の温度を低下させる温度低下工程を実行し、
その後に、試験室内の環境を前記空気の温度よりも高温であってその露点が試料の温度以上である高温環境に変化させる環境変化工程を実行し、試料の表面に結露及び/又は結霜を生じさせることを特徴とする環境試験方法。 - 環境変化工程は、前記空気の温度よりも高温であってその露点が試料の温度以上に調整された高温空気を試験室内に導入することによって実行されることを特徴とする請求項1に記載の環境試験方法。
- 環境変化工程は、前記空気の温度よりも高温であってその露点が前記空気の温度以上に調整された高温空気を試験室内に導入することによって実行されることを特徴とする請求項1又は2に記載の環境試験方法。
- 試料を設置する試験室と、空調部とを有し、前記試験室には、試料に近接した位置に開口する低温空気送風口と、低温空気送風口よりも試料から離れた位置に開口する高温空気送風口があり、
空調部は空気導入口と空気送り口を有し、空気導入口から導入された空気の温度及び湿度を調整して空気送り口から排出することが可能であり、
空気送り口と低温空気送風口とを連通する低温空気送風路と、空気送り口と高温空気送風口とを連通する高温空気送風路と、前記低温空気送風路への送風と高温空気送風口への送風を切り換える流路切り換え手段を有することを特徴とする環境試験装置。 - 試料を設置する試験室と、空調部とを有する環境試験装置において、
前記試験室には、試料に近接した位置に開口する低温空気送風口と、低温空気送風口よりも試料から離れた位置に開口する高温空気送風口があり、
空調部は空気導入口と空気送り口を有し、空気導入口から導入された空気の温度及び湿度を調整して空気送り口から排出することが可能であり、
空気送り口と低温空気送風口とを連通する低温空気送風路と、空気送り口と高温空気送風口とを連通する高温空気送風路と、前記低温空気送風路への送風と高温空気送風口への送風を切り換える流路切り換え手段を有し、
低温空気送風口から空気を送風する低温空気送風運転と、高温空気送風路から前記空気の温度よりも高温であってその露点が前記空気の温度以上に調整された高温空気を送風する高温空気送風運転を実行可能であり、
低温空気送風運転の直後に高温空気送風運転が実行されることを特徴とする環境試験装置。
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