JP2016090403A - 車両用表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】見栄えの良い車両用表示装置を提供する。
【解決手段】車両に搭載される車両用表示装置は、互いに並んで配置され、車両の状態量を前方に向けて表示する複数の状態量表示領域2a,2bと、画像を前方に向けて表示する画像表示パネル32であって、各状態量表示領域2a,2bの間から状態量表示領域2a,2bまで達することにより、前後方向において状態量表示領域2a,2bと重複する重複領域4a,4bを形成し、重複領域4a,4bの前方に画像の光を透過させる画像表示パネル32とを備える。画像表示パネル32の制御により、状態量の値に応じて重複領域4a,4bにおける画像の表示状態を変化させるステップS10,S20,S21が実施される。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載される車両用表示装置に関する。
従来、車両に搭載される車両用表示装置が知られている。例えば、特許文献1に開示されている車両用表示装置は、互いに並んで配置され、車両の状態量を前方に向けて表示する複数の状態量表示領域と、画像を前方に向けて表示する画像表示パネルとを備えている。画像表示パネルは、各状態量表示領域の間から状態量表示領域まで達することにより、前後方向において状態量表示領域と重複する重複領域を形成している。重複領域の前方に画像の光を透過させる画像表示パネルとを備えている。具体的に、画像表示パネルは、液晶表示部となっており、重複領域に非液晶部分が設けられ、非液晶部分と重なる表示板の照明を行なっている。
特開2010−127832号公報
しかしながら、各状態量表示領域の間に画像表示パネルを設ける車両用表示装置において、画像表示パネルの表示スペースを確保しようとすると、複数の状態量表示領域が離れすぎて一体感を欠いてしまい、車両用表示装置の見栄えが十分ではないことが懸念される。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、見栄えの良い車両用表示装置を提供することにある。
開示される発明のひとつは、車両に搭載される車両用表示装置であって、
互いに並んで配置され、車両の状態量を前方に向けて表示する複数の状態量表示領域(2a,2b)と、
画像を前方に向けて表示する画像表示パネルであって、各状態量表示領域の間から状態量表示領域まで達することにより、前後方向において状態量表示領域と重複する重複領域(4a,4b)を形成し、重複領域の前方に画像の光を透過させる画像表示パネル(32)と、
画像表示パネルの制御により、状態量の値に応じて重複領域における画像の表示状態を変化させる制御手段(S10,S20,S21)とを備えることを特徴とする。
このような発明によると、状態量表示領域の表示状態は、状態量の値に応じて変化する。これによれば、状態量に注目させることができるので、複数の状態量表示領域の離れすぎが意識されることを抑制することができる。ここで、この変化は、画像表示パネルの制御により、状態量表示領域と画像表示パネルとが重複する重複領域にて行われる。これによれば、画像表示パネルを利用して、各状態量表示領域のうち近い箇所同士となる重複領域にアクセントが加えられることで、当該重複領域を注目させることができるので、複数の状態量表示領域の離れすぎが意識されることを抑制することができる。以上により、見栄えが十分でない箇所への意識抑制による見栄えの良い車両用表示装置を提供することができる。
加えて、開示される発明の他のひとつでは、状態量表示領域は、当該状態量表示領域内の指標(61a,62a,61b,62b)を指針(28)が指示することにより、状態量を表示し、
制御手段は、指針が重複領域に接近した場合に、画像の光を変色させることを特徴とする。
このような発明によると、状態量表示領域内の指標を指示することにより状態量を表示する指針が重複領域に接近した場合に、画像表示パネルの画像の光が変色する。重複領域の前方に透過される画像の光が変色することで、重複領域における指標の色が変わる。これによれば、画像表示パネルが指針と連動して制御されることで、車両用表示装置の一体感が高まるので、見栄えが良くなる。また、指針が重複領域に接近して重複領域における指標が指示されようという場合に、指標の色にアクセントが加えられることとなるので、状態量の表示に注目させることができるのと同時に、重複領域を注目させることができる。したがって、複数の状態量表示領域の離れすぎが意識されることが抑制され、車両用表示装置の見栄えが良くなる。
なお、括弧内の符号は、記載内容の理解を容易にすべく、後述する実施形態において対応する構成を例示するものに留まり、発明の内容を限定することを意図したものではない。
第1実施形態における車両用表示装置の正面図である。 図1のII−II線断面図である。 図2の一部を拡大して示す拡大図であって、光源の光及び画像表示パネルの画像の進み方を示す図である。 第1実施形態における車両用表示装置にて実施されるフローチャートである。 第1実施形態の一状態量表示領域における表示の変化を説明するための図であって、指針が重複領域に接近した場合を示す図である。 第1実施形態の一状態量表示領域における表示の変化を説明するための図であって、指針が重複領域から離れた場合を示す図である。 第1実施形態の他の一状態量表示領域における表示の変化を説明するための図であって、指針が重複領域に接近した場合を示す図である。 第1実施形態の他の一状態量表示領域における表示の変化を説明するための図であって、指針が重複領域から離れた場合を示す図である。 第2実施形態における図3に対応する図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第1実施形態)
図1に示す本発明の第1実施形態による車両用表示装置100は、車両に搭載され、座席と向かい合うインストルメントパネルに設置されている。車両用表示装置100は、コンビネーションメータ1及び制御ユニット5等から構成され、これら要素1,5はケース部10に収容されている。
車両用表示装置100は、コンビネーションメータ1において、複数の状態量表示領域2a,2b、及び画像表示領域3を備えている。
複数の状態量表示領域2a,2bは、本実施形態では2つ設けられ、互いに左右に並んで配置され、それぞれが個別に外縁部を装飾部材40に取り囲まれた略円状の領域となっている。各状態量表示領域2a〜b内では、光源22及び画像表示パネル32により照明された表示板60a,60bに形成された指標61a,62a,61b,62bを、指針28が指示することにより、車両の状態量が前方に向けて表示される。特に本実施形態において、前方から見て左側の状態量表示領域2aでは、状態量としての車速が表示され、右側の状態量表示領域2bでは状態量としてのエンジン回転数が表示される。
画像表示領域3は、各状態量表示領域2a〜bの間に配置され、画像表示パネル32によって画像が前方に向けて表示される。ここで、画像は、車両の運転に必要な車両情報につきその種を固定して又は切り換えて報知するものであり、そうした車両情報としては、例えば燃費、冷却水温度、シフトチェンジ、道路交通情報、警報情報等が採用されている。
制御ユニット5は、図2に示されているが、CPU及びメモリ等からなる電子回路であり、基板20上に実装されている。CPUは、メモリに記憶されているコンピュータプログラムを実行することで、各種処理を実施可能となっている。制御ユニット5は、コンビネーションメータ1と電気的に接続されており、制御信号をコンビネーションメータ1に出力する。
ケース部10は、後方ケース12、見返し板14、及び透明板16を有している。後方ケース12は、例えば合成樹脂により形成され、コンビネーションメータ1及び制御ユニット5を後方から覆うと共にこれら要素1,5を保持している。見返し板14は、例えば遮光性を有する合成樹脂により形成され、車両用表示装置100の外周輪郭に沿って前方に開口を有する筒状に形成されている。透明板16は、例えばアクリル樹脂等の透光性樹脂により、見返し板14の開口を塞ぐ板状に形成されることで、コンビネーションメータ1及び制御ユニット5を前方から覆っている。
ここで本実施形態における前方とは、車両用表示装置100に対して座席に座る視認者が位置する方向を示しており、各表示領域2a〜b,3から車両の状態量及び画像が前方に向けて表示されることで、視認者が表示された情報を視認することができる。また、後方とは、前方の反対方向を示す。
このような車両用表示装置100が備える、基板20、画像表示パネル32、装飾部材40、光源22、表示板60a〜b、及び指針28について、図1〜3を用いつつ詳細に説明する。なお、これらのうち装飾部材40、光源22、表示板60a〜b、及び指針28は、各状態量表示領域2a〜bに対応して複数(本実施形態では2つずつ)設けられている。
基板20は、後方ケース12と締結されることにより後方ケース12の前方に配置され、例えばガラスエポキシ樹脂等の合成樹脂により板状に形成されている。基板20は、制御ユニット5を実装すると共に、その前方側表面上に光源22、及びステッピングモータ30等を保持している。
画像表示パネル32は、画像を表示する板パネル状の表示素子であり、表示する画像の色を変更可能となっている。特に本実施形態では、画像表示パネル32として、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)を用いた液晶表示パネルであって、2次元方向に配列された複数の液晶画素から形成されるアクティブマトリクス型の液晶パネルが採用されている。画像表示パネル32には、バックライト34からの白色光が後方より照射される。そして、画像表示パネル32と電気的に接続された制御ユニット5からの制御信号により、各液晶画素におけるバックライト34からの光の透過率が制御されることで、画像を形成可能となっている。ここで、隣り合う液晶画素には、互いに異なる色(例えば、赤、緑、及び青)のカラーフィルタが設けられており、これらの組み合わせにより様々な色が再現される。このようにして形成された画像の光が前方に透過する。
画像表示パネル32は、基板20の前方において、各状態量表示領域2a〜bの間(すなわち画像表示領域3)から各表示板60a〜bの後方まで達するように、基板20及び各表示板60a〜bと実質平行に配置されている。これにより、画像表示パネル32は、前後方向において状態量表示領域2a〜bと重複する重複領域4a,4bを形成する。重複領域4a〜bは、各状態量表示領域2a〜bに個別に対応して複数(本実施形態では2領域)形成される。
画像表示領域3においては、画像表示パネル32の表示部32aが前方に露出しているので、画像表示パネル32が画像を直接的に前方に向けて表示可能となる。
また、画像表示パネル32は、バックライト34と共に、例えば合成樹脂等の遮光性材料により形成されている遮光カバー36によって、後方及び側方を覆われている。
なお、画像表示パネル32は、表示する画像の色を変更可能であれば、他の方式のものが採用されてもよい。
装飾部材40は、各状態量表示領域2a〜bに対応して複数設けられ、それぞれ表示板60a〜bに対して前方に突出し、各状態量表示領域2a〜bをそれぞれ個別に取り囲むように形成されている。各装飾部材40は、それぞれ、全体として略円環状を呈しており、透過部42、透過規制部44、外壁部46、及び内壁部48を一体的に有している。
透過部42及び透過規制部44は、透光性樹脂からなる基材を主体として形成されている。透過部42及び透過規制部44のうち前方に位置する前面42a,44aには、めっき層が、金属を蒸着させること等により形成されている。このめっき層は、薄膜状に形成されることで後方からの光の透過が可能となっている。
また、透過部42及び透過規制部44のうち一方の透過規制部44では、当該透過規制部44のうち後方に位置する後面44bに黒色印刷がなされている。これにより、透過規制部44は、後方からの光の透過を規制する。なお、後方からの光の透過を規制するものとして、印刷の代わりに、塗装が施されていてもよい。
他方の透過部42では、当該透過部42のうち後方に位置する後面42bにおいて透光性樹脂からなる基材が光学的に露出している。これにより、透過部42は、後方からの光を透過させる。
ここで透過部42は、画像表示パネル32の前方に重複する部分を含んで設けられている。より詳細に、円弧状の透過部42が画像表示パネル32の前方に重複する部分のうち、画像表示が可能な表示部32aの前方に重複する一部分に設けられている。表示部32aの前方において、透過部42の範囲(図1のドット範囲参照)は、上述した後面42b,44bの黒色印刷の有無で設定されている。なお本実施形態では、上記構成に倣って図2,3,9では透過規制部44にも透光性樹脂を示すハッチングが施されているが、あくまでも後面42b,44bの黒色印刷の有無で透過部42と透過規制部44の範囲が決まるのである。
このように設けられた透過部42は、後面42bを画像表示パネル32の表示部32a表面に接触している。したがって、この接触箇所から前方に射出される画像表示パネル32からの光は、透過部42の後面42bを通った後、前方に向かって透過部42を透過する。すなわち、特に図3に光の進み方を示すように、透過部42が画像表示パネル32からの光によって照明される。
各外壁部46は、各透過部42の外周側において、暗色に形成されている。特に本実施形態では、画像表示領域3に隣接する外壁部46の全域に黒色印刷がなされている。なお、印刷の代わりに透過部42との二色成形によって外壁部46を暗色に形成してもよい。
各内壁部48は、各透過部42の内周側において、暗色に形成されている。特に本実施形態では、状態量表示領域2a〜bに隣接する内壁部48の全域に黒色印刷がなされている。なお、印刷の代わりに透過部42との二色成形によって内壁部48を暗色に形成してもよい。
各光源22は、それぞれ基板20上に配置され、前方に光を照射する発光素子である。特に本実施形態では、光源22として発光ダイオードが採用されており、制御ユニット5を通して電源と接続されることで発光する。特に本実施形態では、光源22は、白色に発光する。光源22から照射された光は、特に図3に光の進み方を示すように、透光性樹脂により形成された導光板24を介して表示板60a〜bの後方に導光されてゆく。
各表示板60a〜bは、一般的に文字板とも呼ばれており、それぞれ透光性樹脂の板状基材に透光性の印刷層又は遮光性の印刷層が形成された平板である。本実施形態において、各表示板60a〜bは、それぞれ対応する装飾部材40の内周側において、別個の円板状に形成され、前方に露出している。画像表示パネル32を露出させる開口を形成する枠板18が、装飾部材40の外周側において、例えば合成樹脂等により遮光性の板状に設けられているが、当該枠板18と装飾部材40とは別体となっている。
各表示板60a〜bは、当該表示板60a〜bの後方全域に形成された導光板24からの光を部分的に透過させることで、指標61a,62a,61b,62bを発光表示可能となっている。特に本実施形態では、透光性の印刷層が目盛及び文字の形状をなすことで、光源22により指標61a,62a,61b,62bが照明されて、指標61a,62a,61b,62bとしての目盛及び文字を発光表示することができる。
また各表示板60a,60bは、導光板24の平板部24bと共に、例えば合成樹脂等の遮光性材料により形成されるカバーバルブ38によって、後方を覆われている。ただし、各カバーバルブ38には、導光板24の平板部24bから光源22に向かって突出する突出部24aを通す導光孔38a、及び回転軸28aを通す貫通孔38bが開けられている。さらに各カバーバルブ38には、重複領域4aに位置する指標62a〜bの後方において、画像表示パネル32からの画像の光を当該指標62a〜bに向けて透過させる透光孔38cが開けられている。各透光孔38cは指標62a〜bの後方を含んで設けられていればよく、重複領域4a〜bに対応する箇所全体が透光孔38cとなっていてもよい。
このような配置及び構成によって、特に図3に光の進み方を示すように、各表示板60a〜bのうち、各重複領域4a〜bにおいては、光源22の光に加えて、画像表示パネル32の画像の光が導光板24の平板部24bを透過して表示板60a,60bに入射し、透光性の印刷層に対応する指標62a〜bを透過することとなる。すわなち、制御ユニット5によって、重複領域4a〜bにおいて画像表示パネル32が画像を表示するように制御されると、当該画像の光が重複領域4a〜bの前方に透過するようになっているのである。
各指針28は、それぞれ表示板60a〜bの前方に配置される針状部材である。各指針28は、制御ユニット5により制御されるステッピングモータ30の駆動により、対応する表示板60a〜bの中央(すなわち状態量表示領域2a〜bの中央)及び導光板24を貫通して設けられる回転軸28aの周りに回動するようになっている。各指針28の先端が指標61a,62a,61b,62bのうち目盛を指示することで、上述のように車両の状態量が表示される。
なお、導光板24、及びステッピングモータ30についても、各状態量表示領域2a〜bに対応して複数(本実施形態では2つずつ)設けられている。
前方から見て左側の状態量表示領域2aでは、時計回りに状態量が大きくなるように指標61a,62aが配置され、重複領域4aに位置する指標62aは、重複領域値以上の状態量の値に対応している。特に本実施形態では、上述のように状態量表示領域2aに対応する状態量は車速であり、重複領域値は120km/hとなっている。したがって、重複領域4aに位置する指標62aは、重複領域値である120km/h以上の値に対応している。そして、表示可能な状態量の最大値である180km/hまで、重複領域4aに位置する指標62aが対応している。
前方から見て右側の状態量表示領域2bでは、時計回りに状態量が大きくなるように指標61b,62bが配置され、重複領域4bに位置する指標62bは、重複領域値以下の状態量の値に対応している。特に本実施形態では、上述のように状態量表示領域2bに対応する状態量はエンジン回転数であり、重複領域値は3,000r/minとなっている。したがって、重複領域4bに位置する指標62bは、重複領域値である3,000r/min以下の値に対応している。そして、表示可能な状態量の最小値である0r/minまで、重複領域4bに位置する指標62bが対応している。
次に、車両用表示装置100の制御ユニット5が画像表示パネル32の画像を制御することにより実現される表示状態の変化について説明する。なお、以下では、各状態量表示領域2a〜bについて、順に説明する。各状態量表示領域2a〜bに対応する処理は、詳細には異なるものの、大まかには共通するため、同じ図4のフローチャートを用いて説明する。
状態量表示領域2aについて説明する。ステップS10では、指針28が重複領域4aに接近しているか否かを判定する。具体的に、指針28が指示する指標61a,62aに対応する値が設定値以上であるか否かを判定する。実際には、指針28の指示方向そのものを解析しなくてもよく、指針28の指示のため制御ユニット5が取得している状態量の値が設定値以上であるか否かを判定すればよい。特に状態量表示領域2aでは、速度としての設定値が、対応する重複領域値よりも小さい100km/hに設定されている。ステップS10にて肯定判定を下すと、ステップS20に移る。ステップS10にて否定判定を下すと、ステップS21に移る。
指針28が重複領域4aに接近した場合のステップS20では、重複領域4aにおいて画像表示パネル32の画像を設定色で表示する。具体的には、制御ユニット5が描画信号を画像表示パネル32に出力し、これに応じた画像表示パネル32が画像を描画又は再描画することで、重複領域4aにおいて画像が設定色で表示され、表示状態が変化することとなる。本実施形態では、設定色としてグラデーションが採用されている。重複領域4aにおいて、状態量表示領域2aの中央側から外縁部側に向かうに従って漸次明色となるグラデーションにて画像が表示される。特に状態量表示領域2aでは、中央側が外縁部側に対して明度及び彩度が低い赤色、また外縁部側が中央側に対して明度及び彩度が高い赤色となり、これらの間が中間色で補完されている。
この結果、図5に示すように、状態量表示領域2aのうち重複領域4aを除く箇所に位置する指標61aでは、光源22の光が表示板60aの透光性の印刷層の形成箇所に対応する指標61aを透過し、白色に照明される。一方、画像表示パネル32の制御により、重複領域4aに位置する指標62aでは、光源22の白色光に、画像表示パネル32の設定色表示が加わり、これらの光が表示板60aの透光性の印刷層の形成箇所に対応する指標62aを透過する。そして、重複領域4aに位置する指標62aは、外縁部側に向かうに従って鮮やかなピンク色に表示される。ステップS20を以って一連の処理を終了する。
指針28が重複領域4aから離れた場合のステップS21では、画像表示パネル32の画像を重複領域4aにおいて消す。具体的には、制御ユニット5が描画信号を画像表示パネル32に出力し、これに応じた画像表示パネル32が画像を描画又は再描画することで、重複領域4aにおいて画像が消え、表示状態が変化することとなる。このような画像表示パネル32の制御により、図6に示すように、状態量表示領域2aの全域における指標61a,62aは、光源22により白色に照明される。ステップS21を以って一連の処理を終了する。
このようにして、制御ユニット5により画像表示パネル32が制御されて、重複領域4aでは状態量としての車速の値に応じて画像の表示状態が変化する。指針28に連動して、指標62aの表示が変色する。状態量として車速を表示する状態量表示領域2aにおいては、当該車速の値が大きくなる、すなわち設定値以上となると、重複領域4aに位置する指標62aを設定色に変色させて車速の値を目立たせる。この処理は、例えば設定時間毎に実施される。
状態量表示領域2bについて説明する。ステップS10では、指針28が重複領域4bに接近しているか否かを判定する。具体的に、指針28が指示する指標61b,62bに対応する値が設定値以下であるか否かを判定する。実際には、指針28の指示方向そのものを解析しなくてもよく、指針28の指示のため制御ユニット5が取得している状態量の値が設定値以下であるか否かを判定すればよい。特に状態量表示領域2bでは、エンジン回転数としての設定値が、3,000r/minに設定されている。ステップS10にて肯定判定を下すと、ステップS20に移る。ステップS10にて否定判定を下すと、ステップS21に移る。
指針28が重複領域4bに接近した場合のステップS20では、重複領域4bにおいて画像表示パネル32の画像を設定色で表示する。具体的には、制御ユニット5が描画信号を画像表示パネル32に出力し、これに応じた画像表示パネル32が画像を描画又は再描画することで、重複領域4bにおいて画像が設定色で表示され、表示状態が変化することとなる。本実施形態では、設定色としてグラデーションが採用されている。重複領域4aにおいて、状態量表示領域2bの中央側から外縁部側に向かうに従って漸次明色となるグラデーションにて画像が表示される。特に状態量表示領域2bでは、中央側が外縁部側に対して明度及び彩度が低い青色、また外縁部側が中央側に対して明度及び彩度が高い青色となり、これらの間が中間色で補完されている。
この結果、図7に示すように、状態量表示領域2bのうち重複領域4bを除く箇所に位置する指標61bでは、光源22の光が表示板60bの透光性の印刷層の形成箇所に対応する指標61bを透過し、白色に照明される。一方、画像表示パネル32の制御により、重複領域4aに位置する指標62aでは、光源22の白色光に、画像表示パネル32の設定色表示が加わり、これらの光が表示板60bの透光性の印刷層の形成箇所に対応する指標62bを透過する。そして、重複領域4bに位置する指標62bは、外縁部側に向かうに従って鮮やかな水色に表示される。なお、このグラデーションにおいて青色に代えて緑色が採用されてもよい。ステップS20を以って一連の処理を終了する。
指針28が重複領域4bから離れた場合のステップS21では、画像表示パネル32の画像を重複領域4bにおいて消す。詳細は重複領域4aの場合と同様である(図8参照)。ステップS21を以って一連の処理を終了する。
このようにして、制御ユニット5により画像表示パネル32が制御されて、重複領域4bでは状態量としての車速の値に応じて画像の表示状態が変化する。指針28に連動して、指標62bの表示が変色する。状態量としてエンジン回転数を表示する状態量表示領域2bにおいては、エンジン回転数が小さくなる、すなわち設定値以下となると、重複領域4bに位置する指標62bを設定色に変色させる。つまりエンジン回転数と燃費との間に正の相関が認められる本実施形態の車両において、エンジン回転数が小さい場合、燃費状態の良好なエコ状態であるとみなして、エコ状態を意識させるのである。この処理は、例えば設定時間毎に実施される。
以上説明した各状態量表示領域2a〜bの各重複領域4a〜bに対応する処理は、交互に行なわれるようにしてもよい。また処理は、各重複領域4a〜bにおけるステップにS10に対応する判定が順番に行なわれた後、各重複領域4a〜bのステップS20,S21の処理がまとめて行なわれるようにしてもよい。また、各重複領域4a〜bにおけるステップにS10に対応する判定の結果、現在表示の画像と比較して表示状態を変化させる必要がない場合は、再描画の処理をスキップするようにしてもよい。
なお、図5,7では、色がドットの濃淡によって表現されており、外縁部側に向かうに従ってドットが濃く表現されている。一方、図1では、図5,7に用いた指標のドット表現が省略されている。また、図1,5〜8において指標61a,62a,61b,62bの符号は、その一部に付されている。
また第1実施形態では、ステップS10,S20,S21の処理を実行する制御ユニット5が「制御手段」を構成する。
(作用効果)
以上説明した第1実施形態の作用効果を以下に説明する。
第1実施形態によると、状態量表示領域2a〜bの表示状態は、状態量の値に応じて変化する。これによれば、状態量に注目させることができるので、複数の状態量表示領域2a〜bの離れすぎが意識されることを抑制することができる。ここで、この変化は、画像表示パネル32の制御により、状態量表示領域2a〜bと画像表示パネル32とが重複する重複領域4a〜bにて行われる。これによれば、画像表示パネル32を利用して、各状態量表示領域2a〜bのうち近い箇所同士となる重複領域4a〜bにアクセントが加えられることで、当該重複領域4a〜bを注目させることができるので、複数の状態量表示領域2a〜bの離れすぎが意識されることを抑制することができる。以上により、見栄えが十分でない箇所への意識抑制による見栄えの良い車両用表示装置100を提供することができる。
また、第1実施形態によると、状態量表示領域2a〜b内の指標61a,62a,61b,62bを指示することにより状態量を表示する指針28が重複領域4a〜bに接近した場合に、画像表示パネル32の画像の光が変色する。重複領域4a〜bの前方に透過される画像の光が変色することで、重複領域4a〜bにおける指標62a〜bの色が変わる。これによれば、画像表示パネル32が指針28と連動して制御されることで、車両用表示装置100の一体感が高まるので、見栄えが良くなる。また、指針28が重複領域4a〜bに接近して重複領域4a〜bにおける指標62a〜bが指示されようという場合に、指標62a〜bの色にアクセントが加えられることとなるので、状態量の表示に注目させることができるのと同時に、重複領域4a〜bを注目させることができる。したがって、複数の状態量表示領域2a〜bの離れすぎが意識されることが抑制され、車両用表示装置100の見栄えが良くなる。
また、第1実施形態によると、状態量表示領域2a〜bの指標61a,62a,61b,62bを照明する光源22を備え、指針28が重複領域4a〜bから離れた場合に、画像表示パネル32は重複領域4a〜bにおいて画像を消し、指針28が重複領域4a〜bに接近した場合に、画像表示パネル32は重複領域4a〜bにおいて画像を設定色で表示することとなる。これによれば、指針28が重複領域4a〜bから離れると、指標61a,62a,61b,62bは状態量表示領域2a〜b全域において光源22により照明され、指針28が重複領域4a〜bに接近すると、指標62a,62bは重複領域4a〜bにおいて当該光源22に画像表示パネル32の設定色表示が加わる。したがって、指針28が重複領域4a〜bに接近すると重複領域4a〜bにおける指標62a,62bの照明における輝度が高くなり、当該重複領域4a〜bがより注目され易くなる。したがって、複数の状態量表示領域2a〜bの離れすぎが意識されることが抑制され、車両用表示装置100の見栄えが良くなる。
また、第1実施形態によると、重複領域4a〜bにおいて状態量表示領域2a〜bの中心側から外縁部側に向かうに従って漸次明色となるグラデーションにて画像が表示される。これによれば、重複領域4a〜bにおいて外縁部側、すなわち他の状態量表示領域により近い箇所に注目させることができるので、さらに複数の状態量表示領域2a〜bの離れすぎが意識され難くなり、車両用表示装置の見栄えが良くなる。
(第2実施形態)
図9に示すように、本発明の第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第2実施形態における各導光板224の平板部224bは、各表示板60a〜bの後方のうち、各重複領域4a〜bを除く箇所に形成されている。そして、各状態量表示領域2a〜bにおいて、各表示板60a〜bの後方には、それぞれの重複領域4a〜bと重複領域4a〜bを除く箇所との境界に沿って形成される仕切り部材239が備えられている。各仕切り部材239は、例えば合成樹脂等の遮光性部材により形成され、重複領域4a〜bと重複領域4a〜bを除く箇所とを光学的に仕切る。これにより、各光源22は、各状態量表示領域2a〜bのうち各重複領域4a〜bを除く箇所の指標61a〜bを照明する。一方、各重複領域4a〜bに位置する指標62a〜bは、画像表示パネル32の画像の光が前方に透過されることにより照明される。
このような第2実施形態における車両用表示装置200の制御ユニット5が画像表示パネル32の画像を制御することにより実現される表示状態の変化については、第1実施形態と同様に、指針28が重複領域4a〜bから離れた場合に、重複領域4a〜bにおいて画像が消えるようにしてもよい。しかしながら、このようにすると重複領域4a〜bに位置する指標62a〜bの視認性が悪化することが懸念されるので、指針28が重複領域4a〜bから離れた場合に、重複領域4a〜bにおいて画像が各光源22と同色で表示されるようにすることが好ましい。
第2実施形態においても、画像表示パネル32の制御により、状態量の値に応じて重複領域4a〜bにおける画像の表示状態が変化する。したがって、第2実施形態によっても、第1実施形態に準じた作用効果の発揮が可能となる。
また、第2実施形態によると、状態量表示領域2a〜bのうち重複領域4a〜bを除く箇所に位置する指標61a,61bを照明する光源22と、状態量表示領域2a〜bにおいて重複領域4a〜bと重複領域4a〜bを除く箇所との境界に沿って形成され、重複領域4a〜bと重複領域4a〜bを除く箇所とを光学的に仕切る仕切り部材239とを備える。これによれば、光源22の光が混ざることを抑制して、画像表示パネル32の画像の光を重複領域4a〜bの前方に透過させることができるので、重複領域4a〜bにおいて発色性を高めることができ、車両用表示装置200の見栄えが良くなる。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に、第1〜第2実施形態に関する変形例1としては、重複領域4a〜bにおける画像表示パネル32の画像の表示状態の変化として、当該画像の光を変色させる変化以外が採用されてもよい。この例として、表示板60a〜bのうち重複領域4a〜bに印刷層を形成せずに、指標62a〜bを画像表示した画像表示パネル32の画像をそのまま透過させ、当該指標62a〜bの色以外を変化させるようにしてもよい。
変形例2としては、制御ユニット5において、CPUやメモリは、複数設けられてもよい。
変形例3としては、制御ユニット5は、全部又は一部がケース部10外に配置されていてもよい。
変形例4としては、装飾部材40は、照明されなくてもよい。また、装飾部材40を備えていなくてもよい。
100,200 車両用表示装置、2a,2b 状態量表示領域、4a,4b 重複領域、22 光源、28 指針、32 画像表示パネル、239 仕切り部材、61a,62a,61b,62b 指標

Claims (5)

  1. 車両に搭載される車両用表示装置であって、
    互いに並んで配置され、前記車両の状態量を前方に向けて表示する複数の状態量表示領域(2a,2b)と、
    画像を前方に向けて表示する画像表示パネルであって、各前記状態量表示領域の間から前記状態量表示領域まで達することにより、前後方向において前記状態量表示領域と重複する重複領域(4a,4b)を形成し、前記重複領域の前方に前記画像の光を透過させる画像表示パネル(32)と、
    前記画像表示パネルの制御により、前記状態量の値に応じて前記重複領域における前記画像の表示状態を変化させる制御手段(S10,S20,S21)とを備えることを特徴とする車両用表示装置。
  2. 前記状態量表示領域は、当該状態量表示領域内の指標(61a,62a,61b,62b)を指針(28)が指示することにより、前記状態量を表示し、
    前記制御手段は、前記指針が前記重複領域に接近した場合に、前記画像の光を変色させることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
  3. 前記状態量表示領域の前記指標を照明する光源(22)を備え、
    前記制御手段は、
    前記指針が前記重複領域から離れた場合に、前記重複領域において前記画像を消し、
    前記指針が前記重複領域に接近した場合に、前記重複領域において前記画像を設定色で表示することを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
  4. 前記制御手段は、前記重複領域において前記状態量表示領域の中央側から外縁部側に向かうに従って漸次明色となるグラデーションにて前記画像を表示することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
  5. 前記状態量表示領域のうち前記重複領域を除く箇所に位置する前記指標(61a,61b)を照明する光源(22)と、
    前記状態量表示領域において前記重複領域と前記重複領域を除く箇所との境界に沿って形成され、前記重複領域と前記重複領域を除く箇所とを光学的に仕切る仕切り部材(239)とを備えることを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
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