以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態における車両用表示装置100は、図1,2に示すように、車両のインストルメントパネル2に搭載されている。具体的に、インストルメントパネル2の上部には、車両のウインドシールド6と対向した箇所に、パネル面から窪んで形成される窪み部3が設けられており、車両用表示装置100は、当該窪み部3に設置される。車両用表示装置100は、車両の座席に着席し、当該装置100よりも視認側に位置する視認者に対して、表示内容を視認させることが可能となっている。すなわち視認者は、ウインドシールド6を通して道路及び道路標識等を含む車外の景色を視認すると共に、当該景色からの視線移動によって車両用表示装置100の表示内容を視認することとなる。
また、インストルメントパネル2の上部において、車両用表示装置100の近傍かつ目立ち難い箇所には、図1に示す光センサ7が後述する透過部材40の周囲の光を検出可能に設けられている。光センサ7としては、例えばPN接合を有するフォトダイオードを用いたものを採用することができる。フォトダイオードは、光を受光すると、光起電力効果によって光電流を発生させる。光センサ7は、フォトダイオードと接続された回路により、当該光電流を光量として検出可能となっている。ここで、光電流を発生させる光の波長依存性はフォトダイオードに用いる半導体材料に基づくが、例えば分光視感効率に対応した光学フィルタを用いることで、フォトダイオードに入射する光を調整して、検出光量を視認者が周囲の明るさとして認識する光量と近いものとすることができる。なお、光センサ7は、CCDセンサ、又は光電子倍増管等を用いたものであってもよい。
さらに車両には、図3に示すように、オートクルーズコントロールモードのオン及びオフ状態を切替えるACC切替スイッチ8が設けられている。車両がオートクルーズコントロールモードに設定されていると、例えば車両のアクセルペダルを踏まなくても一定車速が維持されるような車両制御がなされる。
加えて車両には、図3に示すように、エコモードのオン及びオフ状態を切替えるエコ切替スイッチ9が設けられている。車両がエコモードに設定されると、例えばエンジン回転数を低めに抑制するような車両制御がなされる。
このような車両用表示装置100の構成を、以下に詳細に説明する。車両用表示装置100は、制御部20、表示部10、遮光部材30、透過部材40、及び投影器50を主体として構成されている。
図3に示す制御部20は、例えば後述する表示部10の基板13上に実装されている電子回路であり、CPU及びメモリ部を有している。CPUは、メモリ部に記憶されているコンピュータプログラムを実行することで、各種処理を実施可能となっている。また、メモリ部には、投影器が投影する画像データ等も記憶されている。
このような制御部20は、車両の光センサ7、ACC切替スイッチ8、エコ切替スイッチ9、エンジンスイッチ、及びその他の各種センサと通信可能となっている。また、制御部20は、これらのセンサ及びスイッチ等からの電気信号の入力に基づいて、表示部10、投影器50、及び透過部材40の透過率可変層44に対して電気信号を出力することが可能となっている。
表示部10は、図1,2に示すように、表示板11、基板13、ステッパモータ15、指針16、及び照明光源部14を有している。
表示板11は、一般的には文字板とも呼ばれており、例えば半円状の透光性を有する合成樹脂からなる板状基材の表面に、遮光性の印刷層又は半透光性の印刷層が形成された平板状を呈している。本実施形態の表示板11は、遮光性の印刷層(例えば暗色としての黒色)が形成された箇所に、表示部10において背景として機能する遮光部11aを有している。また表示板11には、半透光性の印刷層が形成された箇所、又は印刷層が形成されずに基材が露出する箇所が目盛12a又は燃費効率表示12b等の形状をなすことで、指標部12が形成されている。目盛12aは、表示板11の円弧状外周部11bに沿って配列されて設けられている。特に本実施形態における目盛12aでは、半透光性の印刷層の着色に、遮光部11aに類似する色(例えばグレー)が用いられている。また、燃費効率表示12bは、半透光性の印刷層が形成された箇所、又は印刷層が形成されずに板状基材が露出する箇所を、表示板11の中央にて円弧状に形成して設けられている。
基板13は、表示板11よりも視認側とは反対側である背面側に配置され、例えば合成樹脂により形成されている。基板13には、制御部20、照明光源部14、及びステッパモータ15が保持されている。
ステッパモータ15は、基板13の視認側に配置され、制御部20により駆動を制御されて、機械的に接続される指針16に対して回転を出力する。
指針16は、表示板11よりも視認側に配置される針状部材である。ステッパモータ15の駆動により、指針16は、表示板11を貫通して設けられる回転軸16aの周りに回動するようになっている。指針16は、回転軸16aの周りを、表示板11の円弧状外周部11bの形状に応じた例えば180°未満の範囲で回動して、目盛12aを指示する。このようにして、表示部10は、目盛12aを指示する指針16を用いたアナログ表示により、車両の状態を表示するようになっている。特に本実施形態では、目盛12a及び指針16により、車両の状態としてエンジン回転数が表示される。
また、指針16の回転軸16aが窪み部3の底部に設けられていることにより、指針16を底部に横たわるような位置に移動させることにより、視認者から指針16を隠す表示の形態が可能となっている(図4も参照)。
照明光源部14は、表示板11と基板13との間に配置されている。照明光源部14は、例えば発光ダイオード素子等の複数の発光素子14a,14b,14cにより構成されている。照明光源部14のうち目盛12aの背面側に配置された発光素子14aは、目盛12aを背面側から照明することで、当該目盛12aが発光により表示される。照明光源部14のうちステッパモータ15の隣に配置された発光素子14bは、指針16を照明することで、当該指針16が発光により表示される。照明光源部14のうち、燃費効率表示12bの背面側であって、遮光性の区画壁17に囲まれた箇所に配置された発光素子14cは、燃費効率表示12bを照明することで、当該燃費効率表示12bが発光により表示される。照明光源部14の各発光素子14a〜cは、制御部20により点灯及び消灯を制御される。こうして、目盛12a、指針16、及び燃費効率表示12bは、各発光素子14a〜cに照明された状態にて、発光により車両の状態を表示する発光表示体として機能する。
遮光部材30は、図1,2に示すように、例えば合成樹脂により、遮光性を有する曲面板状に形成されている。遮光部材30は、表示部10を外側から表示板11の円弧状外周部11bに沿って囲んでいる。また、遮光部材30は、表示部10の背面側全体を覆う一方、視認側には開口部32を有している。
透過部材40は、図1〜3に示すように、表示部10よりも視認側に配置されており、全体として板状に形成されている。透過部材40の閉塞部40aは、遮光部材30の視認側端部34と当接することで、視認側に開口する開口部32を全面的に塞いでいる。したがって、透過部材40及び遮光部材30により、表示部10の全体が被覆され、表示部10は、塵や埃、及び興味を持った乗員がこれに触れること等から保護される。また透過部材40は、透光板42及び透過率可変層44を積層して形成されている。
透光板42は、透過部材40のうち視認側に配置され、例えばアクリル樹脂ないしはポリカーボネイト樹脂等の合成樹脂により、透光性を有する板状に形成されている。透光板42は、透過率可変層44よりも硬度が高く形成されることで、透過率可変層44を保護している。
透過率可変層44は、特に図3に模式的に示すように、液晶部44a、及び当該液晶部44aを挟む一対の透明電極部44bを有したフィルム状を呈している。液晶部44aは、二色性色素が溶解した液晶が充填された層である。ここで、二色性色素は、入射する光の偏光方向により光の吸収率が異なっている。各透明電極部44bは、透光板42に対して薄い透光板状に形成されている。そして、電圧印加部44cが制御部20に制御されることによって、一対の透明電極部44b間の電圧を変化させることが可能となっている。オフ状態では透過部材40の厚み方向に配向していた液晶分子は、電圧の変化によりオン状態となると、透過率可変層44の延伸方向に配向する。そして、二色性色素が液晶分子につられて電圧の変化に応答する。こうして、透過率可変層44では、全領域で実質同時に、例えば10〜90%程度の可変範囲で透過率Tfが変化する。また、この透過率Tfは、電圧印加部44cの電圧調整により、連続的に変化可能である。特に本実施形態では、透過率Tfが低下すると、二色性色素による光の吸収により、透過率可変層44は次第に黒っぽく視認される。
こうして、透過部材40は、表示部10の状態表示内容を視認側に透過可能となっている。したがって、視認者は、透過部材40を介して、状態表示内容を光として知覚し、認識することが可能となっている。
投影器50は、図2に示すように、透過部材40よりも視認側において配置されている。詳細に、投影器50は、窪み部3において、ウインドシールド6とは対向して傾斜する傾斜面4においてさらに凹んで設けられた凹部4aに配置されている。本実施形態において投影器50は、画像を投影する液晶パネル52を有している。液晶パネル52には、例えば、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)を用い、2次元方向に配列された複数の液晶画素から形成されるアクティブマトリクス型の液晶パネルが採用されている。バックライトからの光の透過率が液晶画素毎に制御されることで、投影器50は、透過部材40に画像を投影することが可能となっている。
投影器50に投影された画像表示内容は、透過部材40の透光板42による画像の反射により、虚像として、視認側に指向される。したがって、視認者は、透過部材40を介して、画像表示内容を光として知覚し、認識することが可能となっている。
以上説明してきた構成によって、状態表示内容及び画像表示内容を組み合わせた表示が透過部材40を利用して実現される。以下では、表示に関して、図4〜10を用いて、詳細に説明する。
まず、図4に基づいて、車両用表示装置100の電源がオフ状態の場合について説明する。この場合の表示部10は、指針16が窪み部3の底部に移動し、隠れた状態となっている。また、照明光源部14の発光素子14a〜cは全て消灯状態となっている。投影器50は、画像を投影しない状態となっている。透過率可変層44の透過率Tfは、可変範囲における最大値Tmax(例えば90%)となっている。
次に、車両用表示装置100の電源がオン状態である場合について説明していく。電源がオン状態の場合では、制御部20が図5のフローチャートに従った判定及び当該判定に応じた表示の選択を行なう。
図6に示す表示Aは、制御部20のステップS10,S12,S16の処理(図5を参照)により、車両が現在オートクルーズコントロールモードでなく、かつ、エコモードでないと判定された場合に選択される表示である。この場合の表示部10は、発光素子14a〜cの制御により、目盛12a及び指針16は点灯する一方、燃費効率表示12bは消灯した状態となっている。したがって表示部10により、指針16が目盛12aを指示することで、状態表示内容としてエンジン回転数が表示されている。
この場合の投影器50は、画像として、車速を表示する画像Is、燃料残量を表示する画像If、及びオド値を表示する画像Ioを投影している。したがって投影器50により、画像表示内容として、車速、燃料残量、及びオド値が表示されている。
表示Aにおける透過率可変層44の透過率Tfは、光センサ7の検出光量に応じて変化するようになっている。検出光量が多い程、透過率Tfは、漸次低下するようになっている。したがって、図7に示すように、周囲が明るくなって検出光量が増加した場合には、透過率可変層44では、増加前よりも透過率Tfが低くなるように連続的に変化する。また、周囲が暗くなって検出光量が減少した場合には、透過率可変層44は、減少前よりも透過率Tfが高くなるように連続的に変化する。なお、図7においては、ドットの濃淡により透過率可変層44の透過率Tfの変化が表されている。
透過率Tfが変化すると、状態表示内容を表示する表示部10については透過部材40から表示部10に入射する入射光及び表示部10から透過部材40を透過する射出光の光量が変化する。ここで詳細に、発光表示体(例えば、表示Aの場合は目盛12a及び指針16)についての視認に寄与する射出光は、表示部10から透過部材40を1回透過するため、透過率Tfに比例した光量となる。一方、表示板11の遮光部11aについての視認に寄与する射出光は、装置100外部から透過部材40を1回透過して表示部10に入射した後、さらに遮光部11aの表面に反射されて、透過部材40をもう1回透過するため、透過率Tfの2乗に比例した光量となる。
すなわち、透過率Tfの減少に伴って、視認される光の光量自体は減少することとなるが、特に表示板11の遮光部11aの存在自体が視認され難くなり、却って発光表示体の遮光部11aに対するコントラストは高まるようになっている。
また透過率Tfが変化すると、画像表示内容については、その背景に対応する透過部材40を透過する光量が変化する。すなわち透過率Tfの減少に伴って、背景の光量が減少するため、画像表示内容の背景に対するコントラストが向上する。
図8に示す表示Bは、制御部20のステップS10,S11,S14の処理(図5を参照)により、車両が現在オートクルーズコントロールモードであり、かつ、エコモードでないと判定された場合に選択される表示である。この場合の表示部10は、表示Aの場合と同様である。一方で、この場合の投影器50は、画像として、車速を表示する画像Is、及び車間距離を抽象的に表示する画像Idを投影している。したがって投影器50により、画像表示内容として、車速及び車間距離が表示されている。
また、表示Bにおける透過率可変層44の透過率Tfは、表示Aの場合と同様に変化するようになっている。
図9に示す表示Cは、制御部20のステップS10,S11,S13の処理(図5を参照)により、車両が現在オートクルーズコントロールモードであり、かつ、エコモードであると判定された場合に選択される表示である。この場合の表示部10は、発光素子14a〜cの制御により、目盛12a及び指針16は消灯する一方、燃費効率表示12bは点灯した状態となっている。燃費効率表示12bは、車両の燃費効率に基づいて表示色が変化するようになっている。例えば燃費効率が高い程表示色に緑色の割合が多くなり、また、燃費効率が低い程表示色に青色の割合が多くなる。また、この場合の投影器50は、表示Bの場合と同様の画像を投影している。
また、表示Cにおける透過率可変層44の透過率Tfは、表示A,Bの場合と同様に変化するようになっている。
なお、制御部20のステップS10,S12,S15の処理(図5を参照)により、車両が現在オートクルーズコントロールモードでなく、かつ、エコモードであると判定された場合には、表示Cについて、画像表示内容を、表示Aの画像表示内容に差し替えた表示Dが選択される。
これらの表示A〜Dの他に、例えば運転者の手動切替により、図10のような表示に切り替えることができる。この場合の表示部10は、発光素子14a〜cの制御により、目盛12a、指針16、及び燃費効率表示12bが全て消灯した状態となっている。この場合の投影器50は、表示Aの場合と同様に、画像として、車速を表示する画像Is、燃料残量を表示する画像If、及びオド値を表示する画像Ioを投影している。
図10の表示における透過率可変層44の透過率Tfは、可変範囲における最小値Tmin(例えば10%)に固定されているため、画像表示内容の背景に対するコントラストが常時高くなっている。なお、この場合においても、表示A〜Dの場合と同様に、透過率Tfが光センサ7の検出光量に応じて変化するようにしてもよい。
(作用効果)
以上説明した第1実施形態の作用効果を以下に説明する。
第1実施形態によると、透過部材40が表示部10よりも視認側に配置されている。そして、表示部10において、車両の状態が表示されると、当該表示部10の状態表示内容は、透過部材40を透過する。さらに、同透過部材40に、投影器50により画像表示内容が投影されて、視認側に画像表示内容が指向される。共通の透過部材40を利用して、両表示内容を組み合わせることができるのである。
ここで、透過部材40が有する透過率可変層44の透過率Tfが変化すると、投影器50の画像については背景が変化し、表示部10については透過部材40から同表示部10に入射する入射光及び同表示部10から透過部材40を透過する射出光に変化が生じる。こうして透過率Tfの変化により、状態表示内容と画像表示内容とのそれぞれに異なる変化がもたらされるので、両表示内容による複合的な表示の変化によって、車両の状況に適した表示を実現することが可能となる。
また、第1実施形態によると、透過部材40よりも視認側に配置される投影器50に投影された画像の反射により、当該透過部材40は、画像表示内容を視認側に指向させる。このような画像表示内容は、奥行きのある虚像として視認されることとなる。そして、透過率可変層44の透過率Tfの変化により、虚像の背景が変化するので、車両の状況に適した表示を実現することが可能となる。
また、第1実施形態によると、透過率可変層44では、その透過率Tfが連続的に変化する。連続的変化により両表示内容を微調整することができ、車両の状況により適した表示を実現することが可能となる。
また、第1実施形態によると、透過率可変層44では、透過部材40の周囲の光を検出可能に設けられた光センサ7の検出光量に応じて、透過率Tfが変化する。これにより、装置100の周囲の明るさに応じて、状態表示内容及び画像表示内容の少なくとも一方の視認性を向上させることができる。したがって、車両の状況に適した表示を実現することが可能となる。
また、第1実施形態によると、透過率可変層44では、検出光量が増加した場合、透過率Tfが増加前よりも低くなるように変化する。このように変化することで、周囲が明るくても、投影器50が投影する画像の背景が暗くなることで、画像表示内容におけるコントラストが高まって視認性が向上する。したがって、車両の状況に適した表示を実現することが可能となる。
また、第1実施形態によると、遮光性の遮光部材30が表示部10を外側から囲んでいる。ここで、遮光部材30は、視認側に開口する開口部32を有しており、当該開口部32は、透過部材40の閉塞部40aに塞がれている。このような表示部10では、遮光部材30による遮光により、透過率可変層44を介した光の入射光及び射出光の影響が高まる。したがって、透過率可変層44の透過率Tfの変化による状態表示内容の変化はより効果的なものとなるため、車両の状況により適した表示を実現することが可能となる。
また、第1実施形態によると、表示部10は、発光により車両の状態を表示する発光表示体としての目盛12a、指針16、及び燃費効率表示12bと、当該発光表示体の背景として表示される遮光部11aを有する板状の表示板11と、を有する。これによれば、透過率可変層44の透過率Tfが高い場合には、透過部材40から表示部10に入射する入射光を表示板11で視認側に反射することにより、背景としての表示板11の素材感を活かした表示を行なうことができる。一方、透過率Tfが低い場合には、上述の入射光が減少するため、表示板11の存在が視認され難くなり、目盛12a、指針16、及び燃費効率表示12bが暗闇に浮かぶような表示を行なうことができる。したがって、状態表示内容に画像表示内容とは異なった変化が生じて、両表示内容による複合的な表示の変化によって、車両の状況に適した表示を実現することが可能となる。
また、第1実施形態によると、表示部10は、発光表示体として、燃費に応じた色で発光する燃費効率表示12bを有する。したがって、車両の状況としての燃費効率に応じた表示を実現することが可能となる。
また、第1実施形態によると、車両が現在オートクルーズコントロールモードに設定されているか否かを判定し、当該判定に応じて画像表示内容を切替える制御部20を有する。したがって、車両の状況としてのオートクルーズコントロールモードに適した表示を実現することが可能となる。
また、第1実施形態によると、透過率可変層44は、二色性色素が溶解した液晶が充填された液晶部44aと、当該液晶部44aを挟む一対の透明電極部44bと、を有する。一対の透明電極部44b間に印加される電圧を制御することで、液晶の配向状態を変えることができる。したがって、容易に透過率を変化させることができる。
(第2実施形態)
図11〜20に示すように、本発明の第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。
図11,12に示す第2実施形態の透過部材240は、第1実施形態と同様に、閉塞部240aにより、遮光部材30の視認側端部34と当接することで、視認側に開口する開口部32を全面的に塞いでいる。そして、透過部材240は、遮光部材30よりも外側に張り出す張出部240bを有している。透過部材240は、閉塞部240a及び張出部240bに亘って、透光板242及び透過率可変層244を積層して形成されている。透光板242は、第1実施形態と同様に、透過部材240のうち視認側に配置され、例えばアクリル樹脂ないしはポリカーボネイト樹脂等の合成樹脂により、透光性を有する板状に形成されている。ここで、透光板242は、閉塞部240aに対応する部分と張出部240bに対応する部分とを一体的に有している。透光板242のうち張出部240bに対応する部分は、遮光部材30よりも外側に張り出している。
第2実施形態の透過率可変層244は、図11に示すように、複数の領域Ac,Aoに区画されている。各領域Ac,Aoでは、互いに独立して透過率Tfc,Tfoが変化するようになっている。具体的に透過率可変層244は、閉塞部240aに設けられる閉塞領域Acと、張出部240bに設けられる張出領域Aoとに区画されている。閉塞領域Ac及び張出領域Aoのそれぞれに、第1実施形態と同様の液晶部44a及び一対の透明電極部44bが形成されている。こうして、透過率可変層244の透過率Tfとして、閉塞領域Acの透過率Tfc及び張出領域AoのTfoは、互いに独立して変化するようになっている。
このような第2実施形態の構成によって、状態表示内容及び画像表示内容を組み合わせた表示が透過部材240を利用して実現される。以下では、表示に関して、図13〜20を用いて、詳細に説明する。
まず、図13に基づいて、車両用表示装置200の電源がオフ状態の場合について説明する。この場合の表示部10は、指針16が窪み部3の底部に移動し、隠れた状態となっている。また、照明光源部14の発光素子14a〜cは全て消灯状態となっている。投影器50は、画像を投影しない状態となっている。透過率可変層44の透過率Tfc,Tfoは、可変範囲における最大値Tmax(例えば90%)となっている。
次に、車両用表示装置200の電源がオン状態である場合について説明していく。電源がオン状態の場合では、第1実施形態と同様に、制御部20が図5のフローチャートに従った判定及び表示の選択を行なう。
図14に示す表示Aは、制御部20のステップS10,S12,S16の処理(図5を参照)により、車両が現在オートクルーズコントロールモードでなく、かつ、エコモードでないと判定された場合に選択される表示である。この場合の表示部10は、発光素子14a〜cの制御により、目盛12a及び指針16は点灯する一方、燃費効率表示12bは消灯した状態となっている。したがって表示部10により、指針16が目盛12aを指示することで、状態表示内容としてエンジン回転数が表示されている。
この場合の投影器50は、車速を表示する画像Isを透過部材240のうち張出部240bに投影し、燃料残量を表示する画像If及びオド値を表示する画像Ioを閉塞部240aに投影している。したがって、投影器50による画像表示内容としては、車速が張出領域Aoと重畳して、燃料残量及びオド値が閉塞領域Acと重畳して、それぞれ表示されている。
表示Aにおける透過率可変層244の透過率Tfc,Tfoは、光センサ7の検出光量に応じて変化するようになっている。図15のグラフに示すように、周囲が極めて暗く、検出光量が少ない場合には、図16の状態Xとして、閉塞領域Acの透過率Tfc及び張出領域Aoの透過率Tfoは、共に可変範囲の最大値Tmax(例えば90%)となっている。
この状態から周囲が少し明るくなり、検出光量が増加すると、図15に示すように、閉塞領域Acの透過率Tfcは可変範囲の最大値Tmaxから変化しない一方、張出領域Aoの透過率Tfoは低くなるように連続的に変化する。そして、図17の状態Yとして、閉塞領域Acの透過率Tfcが可変範囲の最大値Tmaxとなり、張出領域Aoの透過率Tfoが可変範囲の最小値Tmin(例えば10%)となる。
さらに周囲が明るくなり、検出光量が増加すると、図15に示すように、張出領域Aoの透過率Tfoが可変範囲の最小値Tminとなっている一方、閉塞領域Acの透過率Tfcは低くなるように連続的に変化する。そして、図16の状態Zとして、閉塞領域Acの透過率Tfc及び張出領域Aoの透過率Tfoは、共に可変範囲の最小値Tminとなる。
換言すると、透過率可変層244は、検出光量が第1所定値Q1よりも小さい場合、閉塞領域Acでの透過率Tfc及び張出領域Aoでの透過率Tfoが、共に所定透過率Tfaよりも高い状態となる。なお、状態Xは、この場合に含まれる。
そして、透過率可変層244は、検出光量が第1所定値Q1よりも大きくかつ第2所定値Q2よりも小さい場合、閉塞領域Acの透過率Tfcが所定透過率Tfaよりも高い状態であると共に、張出領域Aoでの透過率Tfoが所定透過率Tfaよりも低い状態となる。なお、状態Yは、この場合に含まれる。
さらに、透過率可変層244は、検出光量が第2所定値Q2よりも大きい場合、閉塞領域Acでの透過率Tfc及び張出領域Aoでの透過率Tfoが、共に所定透過率Tfaよりも低い状態となる。なお、状態Zは、この場合に含まれる。ここで、第2所定値Q2は第1所定値Q1よりも大きい値として定義される。なお、図16においては、ドットの濃淡により透過率可変層244の透過率Tfc,Tfoの変化が表されている。
張出部240bは、背面側にウインドシールド6しかないため、張出領域Aoの透過率Tfoが高い状態では、ウインドシールド6を通した車外の景色と画像表示内容とを重畳して視認させることができる。しかしながら、張出部240bに投影される画像は、遮光部材30の開口部32よりも内側の閉塞部240aに投影される画像とは対照的に、周囲の明るさを遮るものがないため、当該周囲の明るさの影響を受け易く、コントラストの確保が重要となる。したがって、検出光量が第2所定値Q2よりも小さい第1所定値Q1を越えれば、張出領域Aoの透過率Tfoは、閉塞領域Acの透過率Tfcよりも先に低くなるように制御されるのである。
図17に示す表示Bは、制御部20のステップS10,S11,S14の処理(図5を参照)により、車両が現在オートクルーズコントロールモードであり、かつ、エコモードでないと判定された場合に選択される表示である。この場合の表示部10は、表示Aの場合と同様である。一方で、この場合の投影器50は、車速を表示する画像Isを透過部材240のうち張出部240bに投影し、車間距離を抽象的に表示する画像Idを閉塞部240aに投影している。
また、表示Bにおける透過率可変層244の透過率Tfc,Tfoは、表示Aの場合と同様に変化するようになっている。
図18に示す表示Cは、制御部20のステップS10,S11,S13の処理(図5を参照)により、車両が現在オートクルーズコントロールモードであり、かつ、エコモードであると判定された場合に選択される表示である。この場合の表示部10は、発光素子14a〜cの制御により、目盛12a及び指針16は消灯する一方、燃費効率表示12bは点灯した状態となっている。この場合の投影器50は、表示Bの場合と同様の画像を投影している。
また、表示Cにおける透過率可変層244の透過率Tfc,Tfoは、表示A,Bの場合と同様に変化するようになっている。
図19に示す表示Dは、制御部20のステップS10,S12,S15の処理(図5を参照)により、車両が現在オートクルーズコントロールモードでなく、かつ、エコモードであると判定された場合に選択される表示である。この場合の表示部10は、表示Cの場合と同様である。この場合の投影器50は、表示Aの場合と同様の画像を投影している。
また、表示Cにおける透過率可変層244の透過率Tfc,Tfoは、表示A〜Cの場合と同様に変化するようになっている。
これらの表示A〜Dの他に、例えば運転者の手動切替により、図20のような表示に切り替えることができる。この場合の表示部10は、表示A,Bの場合と同様である。一方で、この場合の投影器50は、車速を表示する画像Isを透過部材240のうち張出部240bに投影するが、閉塞部240aには何も投影しない。
以上説明した第2実施形態においても、透過部材240は、透過率Tfc,Tfoが変化する透過率可変層244を有している。したがって、第1実施形態に準じた作用効果を奏することが可能となっている。
また、第2実施形態によると、透過率可変層244は、複数の領域Ac,Aoに区画され、各領域Ac,Aoでは、互いに独立して透過率Tfc,Tfoが変化する。領域Ac,Ao毎に適切な透過率Tfc,Tfoが設定されることで、車両の状況により適した表示を実現することが可能となる。
また、第2実施形態によると、遮光部材30よりも外側に張り出す張出部240bを有する透過部材240の透過率可変層244において、閉塞領域Acと張出領域Aoとでは、互いに独立して透過率Tfc,Tfoが変化する。透過率可変層244は、両表示内容が重畳し得る閉塞領域Acと、画像表示内容のみとなる張出領域Aoとのそれぞれで、適切な透過率Tfc,Tfoに変化することが可能となるので、車両の状況により適した表示を実現することが可能となる。
また、第2実施形態によると、透過率可変層244では、車両に設けられた光センサ7の検出光量に応じて、透過率Tfc,Tfoが変化する。これにより、装置200の周囲の明るさに応じて、状態表示内容及び画像表示内容の少なくとも一方の視認性を向上させることができる。したがって、車両の状況に適した表示を実現することが可能となる。
また、遮光部材30に囲まれた表示部10の状態表示内容よりも、画像表示内容の方が周囲の明るさの影響を受けやすい。そこで第2実施形態によると、検出光量が第1所定値Q1よりも小さい場合、閉塞領域Acでの透過率Tfc及び張出領域Aoでの透過率Tfoは、共に所定透過率Tfaよりも高くなっている。また、検出光量が第1所定値Q1よりも大きくかつ第2所定値Q2よりも小さい場合、閉塞領域Acでの透過率Tfcが所定透過率Tfaよりも高くとなっていると共に、張出領域Aoでの透過率Tfoが所定透過率Tfaよりも低くなっている。また、検出光量が第2所定値Q2よりも大きい場合、閉塞領域Acでの透過率Tfc及び張出領域Aoでの透過率Tfoは、共に所定透過率Tfaよりも低くなっている。
すなわち、第2所定値Q2よりも小さい第1所定値Q1に対応する明るさを越えた場合に、画像表示内容のみとなる張出領域Aoでは、透過率Tfoが所定透過率Tfaよりも低くなる。したがって、周囲の明るさの影響を受けやすい画像の背景が暗くなることで、画像表示内容におけるコントラストが高まって視認性が向上する。
一方、第1所定値Q1よりも大きい第2所定値Q2に対応する明るさを超えた場合に、両表示内容が重畳し得る閉塞領域Acでは、透過率Tfcが所定透過率Tfaよりも低くなる。こうして、表示部10の状態表示内容も周囲の明るさの影響を受け始めるようになってから、透過率は低くなるのである。以上により、両表示内容の特性を考慮して、車両の状況により適した表示を実現することが可能となる。
(第3実施形態)
図21,22に示すように、本発明の第3実施形態は、第1実施形態の変形例である。
第3実施形態における表示部310において、図21に示すように、表示板311に形成される指標部312の目盛312aは、半透光性の印刷層の着色に、遮光部311aの色(例えば暗色としての黒色)とは異なる色(例えば明色としての白色)が用いられている。
第1実施形態と同様に、表示A,Bにおいて、透過率可変層44の透過率Tfは、光センサ7の検出光量に応じて変化するようになっている。検出光量が多い程、透過率Tfは、漸次低下するようになっている。したがって、周囲が明るくなって検出光量が増加した場合には、透過率可変層44は、増加前よりも透過率Tfが低くなるように連続的に変化する。また、周囲が暗くなって検出光量が減少した場合には、透過率可変層44は、減少前よりも透過率Tfが高くなるように連続的に変化する。
ここで、図22に示す第3実施形態の照明光源部314において、目盛312aを背面側から照明する発光素子314aは、透過率Tfが予め設定された設定値Tf1以上の場合に、制御部20により消灯されるようになっている。消灯状態では目盛312aは発光しないが、当該目盛312aの色が遮光部311aの色とは異なる色であるため、装置300外部からの入射光の反射により、目盛312aが視認される。
また、発光素子314aは、透過率Tfが設定値Tf1よりも低い場合に、点灯する。点灯状態では、目盛312aは、発光表示体として機能し、遮光部311aに対して高いコントラストで視認される。
以上説明した第3実施形態においても、透過部材40は、透過率Tfが変化する透過率可変層44を有している。したがって、第1実施形態に準じた作用効果を奏することが可能となっている。
また、第3実施形態によると、発光素子314aは、透過率可変層44の透過率Tfが設定値Tf1以上の場合に消灯すると共に、設定値Tf1よりも低い場合に、点灯して、指標部312としての目盛312aを発光表示体として機能させる。こうして照明される目盛312aが設けられた表示部310は、透過率可変層44の透過率Tfが高い場合には、目盛312aの素材感を活かした表示を行なう。これと共に表示部310は、透過率可変層44の透過率Tfが低い場合には、目盛312aのコントラストを高めることができる。したがって、車両の状況に適した表示を実現することが可能となる。
(第4実施形態)
図23〜27に示すように、本発明の第4実施形態は、第1実施形態の変形例である。第4実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第4実施形態における車両用表示装置400の表示部410は、図23,24に示すように、画像表示素子411を有している。画像表示素子411は、液晶パネル412及び表示用バックライト413を有した平板状に形成されている。
液晶パネル412は、画像表示素子411のうち視認側に、透過部材40と対向して配置されている。液晶パネル412は、例えば、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)を用い、2次元方向に配列された複数の液晶画素から形成されるアクティブマトリクス型となっている。
表示用バックライト413は、液晶パネル412よりも背面側に、当該液晶パネル412と隣接して配置されている。表示用バックライト413は、例えば発光ダイオード素子等の発光素子413a、導光板413b等によって構成されている。表示用バックライト413は、発光素子413aが発した光を導光板413bの導光により液晶パネル412の背面側から当該液晶パネル412に入射させる。
液晶パネル412において、表示用バックライト413からの光の透過率が液晶画素毎に制御されることで、画像表示素子411は、投影器50による画像表示内容とは別の画像を表示可能となっている。本実施形態において液晶パネル412は、ウインドシールド6側に円弧が向く半円状に、視認側に露出している。
以上説明してきた構成によって、状態表示内容及び画像表示内容を組み合わせた表示が透過部材40を利用して実現される。以下では、表示に関して、図23,25〜27を用いて説明する。
まず、図25に基づいて、車両用表示装置400の電源がオフ状態の場合について説明する。この場合の表示部410は、発光素子413aが全て消灯状態となっており、画像表示素子411による画像を表示しない状態となっている。投影器50及び透過率可変層44の状態は、第1実施形態の電源オフ状態と同様である。
次に、車両用表示装置400の電源がオン状態である場合について説明する。電源がオン状態の場合では、第1実施形態と同様に、図5のフローチャートに従った判定及び当該判定に応じた表示の選択を行なう。
図23に示す表示Aは、制御部20のステップS10,S12,S16の処理(図5を参照)により、車両が現在オートクルーズコントロールモードでなく、かつ、エコモードでないと判定された場合に選択される表示である。この場合の表示部410は、画像表示内容とは別の画像として、指標画像IM1及びバー画像IM2を表示する。
指標画像IM1は、画像が目盛及び文字の形状をなすことで、表示される。指標画像IM1のうち目盛画像IM1aは、上述の円弧に沿って配列されている。指標画像IM1のうち文字画像IM1bは、上述の円弧に沿って、目盛画像IM1aよりも内側に配列されている。
バー画像IM2は、上述の円弧に沿って、目盛画像IM1a及び文字画像IM1bよりも内側に配置されている。バー画像IM2のうち、指標画像IM1の車両状態の表示値以下となる範囲の表示色CLが、当該表示値よりも大きい範囲の表示色CHと異なって表示されることで、画像表示素子411により表示部410は、車両の状態(例えば、状態表示内容としてのエンジン回転数)を表示する。特に本実施形態では、表示色CHが背景色と同じ暗色(例えば黒色)であり、表示色CLが表示色CHよりも明度が高い明色(例えば青色)となっている。
この場合の投影器50は、第1実施形態と同様、画像として、車速を表示する画像Is、燃料残量を表示する画像If、及びオド値を表示する画像Ioを投影している。したがって投影器50により、画像表示内容として、車速、燃料残量、及びオド値が表示されている。画像表示内容としての虚像は、状態表示内容としての実像よりも背面側に結像される。
表示Aにおける透過率可変層44の透過率Tfは、図26に示すように、第1実施形態と同様、光センサ7の検出光量に応じて変化するようになっている。ここで第4実施形態では、制御部20により、透過率可変層44の透過率Tfに応じて、発光素子413aの発光強度が制御される。この結果、画像表示素子411が表示する画像の発光強度は、透過率Tfに応じて変化する。特に本実施形態では、透過率Tfが低くなる程、画像表示素子411が表示する画像の発光強度が増大する。
制御部20のステップS10,S11,S14の処理(図5を参照)により、車両が現在オートクルーズコントロールモードであり、かつ、エコモードでないと判定された場合には、本実施形態の表示Aの画像表示内容を、第1実施形態の表示Bの画像表示内容に差し替えた表示Bが選択される。
制御部20のステップS10,S11,S13の処理(図5を参照)により、車両が現在オートクルーズコントロールモードであり、かつ、エコモードであると判定された場合には、例えば、本実施形態の表示Bの指標画像IM1及びバー画像IM2を非表示とし、代わりに、燃費効率画像を表示した表示Cが選択される。燃費効率画像としては、第1実施形態の燃費効率表示を模した画像であってもよく、その他の燃費効率を表示する画像であってもよい。また、燃費効率画像は、液晶パネル412において指標画像IM1及びバー画像IM2を表示していた領域も使用して大きく表示されてもよい。
なお、制御部20のステップS10,S12,S15の処理(図5を参照)により、車両が現在オートクルーズコントロールモードでなく、かつ、エコモードであると判定された場合には、本実施形態の表示Cの画像表示内容を、本実施形態の表示Aの画像表示内容に差し替えた表示Dが選択される。
また、表示B〜Dにおける透過率可変層44の透過率Tfは、表示Aの場合と同様に変化するようになっている。
これらの表示A〜Dの他に、例えば運転者の手動切替により、図27のような表示に切り替えることができる。この場合の表示部410は、発光素子413aが全て消灯状態となっており、画像表示素子411による画像を表示しない状態となっている。この場合の投影器50は、表示Aの場合と同様に、画像として、車速を表示する画像Is、燃料残量を表示する画像If、及びオド値を表示する画像Ioを投影している。
以上説明した第4実施形態においても、透過部材40は、透過率Tfが変化する透過率可変層44を有している。したがって、第1実施形態に準じた作用効果を奏することが可能となっている。
また、第4実施形態によると、表示部410は、画像表示内容とは別の画像を表示する画像表示素子411を有する。このようにすることで、表示部410の表示の自由度が高まるので、車両の状況により適した表示を実現することが可能となる。
また、第4実施形態によると、画像表示素子411が表示する画像IM1,IM2の発光強度は、透過率Tfに応じて変化する。透過率Tfの変化に合わせて、表示部410による表示の明るさが変化することとなるので、車両の状況に適したコントラストで車両の状態を表示可能となる。
また、第4実施形態によると、透過率Tfが低くなる程、画像の発光強度が増大する。透過率Tfが低くなっても、状態表示内容を視認側に確実に透過させることができるので、表示部410による表示の明るさが低下して視認されることが抑制できる。
(第5実施形態)
図28〜35に示すように、本発明の第5実施形態は、第2実施形態又は第4実施形態の変形例である。第5実施形態について、第2実施形態又は第4実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第5実施形態における車両用表示装置500の表示部410は、図28に示すように、第4実施形態と同様に、画像表示内容とは別の画像を表示する画像表示素子411を有している。一方、第5実施形態における透過部材240は、第2実施形態と同様の閉塞部240a及び張出部240bを有し、透過率可変層244は、閉塞部240aに設けられる閉塞領域Acと、張出部240bに設けられる張出領域Aoとに区画されている。閉塞領域Acの透過率Tfc及び張出領域Aoの透過率Tfoは、互いに独立して変化するようになっている。
このような第5実施形態の構成によって、状態表示内容及び画像表示内容を組み合わせた表示が透過部材240を利用して実現される。以下では、表示に関して、図28、30〜35を用いて説明する。
まず、図30に基づいて、車両用表示装置500の電源がオフ状態の場合について説明する。この場合の表示部410は、第4実施形態と同様に、発光素子413aが全て消灯状態となっており、画像表示素子411による画像を表示しない状態となっている。
次に、車両用表示装置500の電源がオン状態である場合について説明していく。電源がオン状態の場合では、第2,4実施形態と同様に、制御部20が図5のフローチャートに従った判定及び表示の選択を行なう。
図28に示す表示Aは、制御部20のステップS10,S12,S16の処理(図5を参照)により、車両が現在オートクルーズコントロールモードでなく、かつ、エコモードでないと判定された場合に選択される表示である。この場合の表示部410は、指標画像IM1及びバー画像IM2によって、状態表示内容としてのエンジン回転数を表示する。指標画像IM1及びバー画像IM2は、基本的に第4実施形態と同様であるが、バー画像IM2が目盛画像IM1aと文字画像IM1bとの間に配置されている点が異なっている。
この場合の投影器50は、第2実施形態と同様に、車速を表示する画像Isを透過部材240のうち張出部240bに投影し、燃料残量を表示する画像If及びオド値を表示する画像Ioを閉塞部240aに投影している。したがって、投影器50による画像表示内容としては、車速が張出領域Aoと重畳して、燃料残量及びオド値が閉塞領域Acと重畳して、それぞれ表示されている。
表示Aにおける透過率可変層244の透過率Tfc,Tfoは、図31に示すように、第2実施形態と同様に、光センサ7の検出光量に応じて変化するようになっている。ここで第5実施形態では、制御部20により、透過率可変層244の閉塞領域Acの透過率Tfcに応じて、発光素子413aの発光強度が制御される。すなわち第5実施形態では、発光素子413aの発光強度は、張出領域Aoの透過率Tfoには無関係となっている。この結果、画像表示素子411が表示する画像の発光強度は、透過率Tfcに応じて変化する。特に本実施形態では、透過率Tfcが低くなる程、画像の発光強度が増大する。
図32に示す表示Bは、制御部20のステップS10,S11,S14の処理(図5を参照)により、車両が現在オートクルーズコントロールモードであり、かつ、エコモードでないと判定された場合に選択される表示である。この場合の表示部410は、表示Aの場合と同様である。一方で、この場合の投影器50は、車速を表示する画像Isを透過部材240のうち張出部240bに投影し、車間距離を抽象的に表示する画像Idを閉塞部240aに投影している。
また、表示Bにおける透過率可変層244の透過率Tfc,Tfoは、表示Aの場合と同様に変化するようになっている。
図33に示す表示Cは、制御部20のステップS10,S11,S13の処理(図5を参照)により、車両が現在オートクルーズコントロールモードであり、かつ、エコモードであると判定された場合に選択される表示である。この場合の表示部410は、発光素子413aが全て消灯状態となっており、画像表示素子411による画像を表示しない状態となっている。この場合の投影器50は、表示Bの場合と同様の画像を投影している。
図34に示す表示Dは、制御部20のステップS10,S12,S15の処理(図5を参照)により、車両が現在オートクルーズコントロールモードでなく、かつ、エコモードであると判定された場合に選択される表示である。この場合の表示部410は、表示Cの場合と同様である。この場合の投影器50は、表示Aの場合と同様の画像を投影している。
これら表示A〜Dの他に、例えば運転者の手動切替により、図35のような表示に切り替えることができる。この場合の表示部410は、表示A,Bの場合と同様である。一方で、この場合の投影器50は、車速を表示する画像Isを透過部材240のうち張出部240bに投影するが、閉塞部240aには何も投影しない。
表示C,D及び図35の場合における透過率可変層244の透過率Tfc,Tfoは、表示Aの場合と同様に変化するようになっている。ただし、表示部410が画像を表示していないので、画像Id又は画像If,Ioのコントラストを優先して、透過率Tfcが最小値Tminに固定されてもよい。
以上説明した第5実施形態においても、透過部材240は、透過率Tfc,Tfoが変化する透過率可変層244を有している。したがって、第1実施形態に準じた作用効果を奏することが可能となっている。
また、第5実施形態によると、画像表示素子411が表示する画像の発光強度は、閉塞領域Acの透過率Tfcに応じて変化する。そして、閉塞領域Acの透過率Tfcが低くなる程、画像の発光強度が増大する。このようにすることで、閉塞領域Acの透過率Tfcが低くなっても、状態表示内容を視認側に確実に透過させることができるので、表示部410による表示の明るさが低下して視認されることが抑制できる。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に、変形例1としては、図36,37に示すように、表示部10は、指針16の代わりにドラム体97を用いて、車両の状態を表示するものであってもよい。ドラム体97は、表示板11よりも背面側に配置される照明部材であり、例えば円筒状に形成されている。ドラム体97の視認側及び背面側の両底面部97a,97bは、例えば合成樹脂により、遮光性を有する円板状に形成されている。ドラム体97の内部において、視認側の底面部97aには例えばLED素子による光源97cが配置されている。
また、ドラム体97の側面部97dは、両底面部97a〜bの縁部に合わせて遮光性のスライド板97eが形成されるスライド部となっている。スライド板97eは、ステッパモータ96の駆動により、その一部がスライドするようになっており、スライドにより、スライド板97e間の開口としての照明窓97fが開閉して、当該照明窓97fの範囲が変化する。このような側面部97dにより、ドラム体97は、照明窓97fを通じて反射体98を照明するようになっている。
反射体98は、表示板11の円弧状外周部11bの外側において、照明窓97fからの光を視認側へ向けて反射する。こうして、視認者は、表示板11の指標部12と、反射体98における照明範囲LRとを照合することで、車両の状態を認識することができる。
特に第2,5実施形態に関する変形例2としては、透過部材240の張出部240bよりも背面側に、投影器50を配置し、この投影器50からの画像を張出部240bに投影して、当該張出部240bの透過により、画像表示内容を視認側に指向させるようにしてもよい。
第1〜3実施形態に関する変形例3としては、表示板11の指標部12は、印刷層の代わりに、二色成形又は凹凸を設けること等により形成されていてもよい。
変形例4としては、表示部10が表示する車両の状態としては、エンジン回転数及び燃費効率以外にも、車速、燃料残量、エンジン冷却水の水温、オド値、車間距離、又は電動モータの電流値等を採用することができる。
変形例5としては、投影器50が投影する画像の画像表示内容としては、車速、燃料残量、オド値、及び車間距離以外にも、エンジン回転数、エンジン冷却水の水温、電動モータの電流値、警報、道路情報、視界補助情報、又は電子メール等を採用することができる。
変形例6としては、視認者の好みにより、手動で透過率可変層44,244の透過率Tf,Tfc,Tfoが変化するようにしてもよい。
変形例7としては、透過率可変層44,244の透過率Tf,Tfc,Tfoは、離散的に変化するものであってもよい。
変形例8としては、遮光部材30は、光の一部を遮光する半透光性の部材であってもよい。また、車両用表示装置100は、遮光部材30の代わりに、表示部10を外側から囲むと共に、視認側に開口する開口部32を有する透光性の透光部材を備えていてもよい。
変形例9としては、光センサ7は、透過部材40の周囲の光を検出可能に設けられたものであれば、車両のインストルメントパネル2上部以外に設けられてもよい。例えば、車両用表示装置100が光センサ7を遮光部材30の上部に備えていてもよい。ここで、透過部材40の周囲とは、透過部材40が組み合わせる両表示内容を視認する環境に近ければ、車内の透過部材40から多少(例えば2〜3m)離れた箇所であってもよい。
第2,5実施形態に関する変形例10としては、透過率可変層244は、図11に示すように、3つ以上の領域に区画され、各領域にて互いに独立して透過率が変化するようにしてもよい。
変形例11としては、画像表示内容としての虚像は、第1〜5実施形態において表示板11,311又は液晶パネル412の実像よりも背面側に結像されるものとしたが、視認側に結像されるものとしてもよい。
第4,5実施形態に関する変形例12としては、画像表示素子411には、半円状の液晶パネル412以外に、矩形状又は円形状の液晶パネル、有機ELディスプレイを用いた素子等を採用することができる。
第4,5実施形態に関する変形例13としては、画像表示素子411は、指標画像IM1及びバー画像IM2以外により、車両の状態を表示してもよい。例えば、視認者の好みに応じて、バー画像IM2の代わりに、指針状の指針画像を表示するようにしてもよい。
第4,5実施形態に関する変形例14としては、表示部410は、実体の指針をさらに有し、当該実体の指針が、画像表示素子411に表示された指標画像IM1を指示するようにしてもよい。
第4,5実施形態に関する変形例15としては、画像表示素子411は、状態を表示する画像IM1,IM2の他に、警報、道路情報、視界補助情報、又は電子メール等も画像として表示することができる。
第5実施形態に関する変形例16としては、表示C又は表示Dが選択された場合、すなわち車両が現在エコモードであると判定された場合に、表示部410は、燃費効率画像を表示するようにしてもよい。