JP2016090337A - 漏電検出装置 - Google Patents

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Shingo Tsuchiya
真吾 槌矢
鎌田 誠二
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Abstract

【課題】 小型の漏電検出装置を提供する。
【解決手段】 漏電検出装置は、バッテリ11と、分圧抵抗器DRと、電圧検出部Dと、を備え、例えば処理部Mで、バッテリ11に漏電が生じているか否かを判定する。バッテリ11は、複数の電池c1,cnを有し、分圧抵抗器DRは、バッテリ11に並列に配置され、電圧検出部Dは、分圧抵抗器DRの第1のノードND1の第1の電位に基づく第1の電圧を検出電圧として検出可能である。漏電検出装置は、印加部Oと、所定の素子Cと、を更に備え、例えば処理部Mに配置される印加部Oは、判定電位を生成し、所定の素子Cは、分圧抵抗器DRの第2のノードND2の第2の電位と印加部Oの側の判定電位とを電気的に絶縁する。第2の電位は、第1の電位よりも高く、且つ判定電位は、第2の電位よりも低い。印加部Oによって判定電位が印加される所定の素子Cは、判定電位を第2の電位に反映させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、漏電を検出する装置(漏電検出装置)に関する。
例えば特許文献1は、電圧検出装置を開示し、その電圧検出装置は、複数の電池(セル)を有するバッテリと、バッテリの両端に接続されるコンデンサと、コンデンサの両端に接続される電圧検出回路と、を備えている。また、その電圧検出装置は、バッテリとコンデンサとの接続又は非接続を制御可能なスイッチ部と、コンデンサと電圧検出回路との接続又は非接続を制御可能な他のスイッチ部と、を更に備え、バッテリの電力でコンデンサを充電した後に、コンデンサの電圧をバッテリの電圧として検出することができる。
ところで、バッテリが例えば電気自動車又はハイブリッド自動車の駆動部を構成するモータの電源である時に、そのバッテリは、例えば数百[V]程度の出力電圧を有することになる。従って、バッテリに漏電が生じているか否かを判定することも重要である。
特開2014−153129号公報
しかしながら、例えば特許文献1の電圧検出装置(いわゆるフライングキャパシタ型の電圧検出装置)で検出される電圧(バッテリの電圧に起因するコンデンサの電圧)に基づき漏電の有無が判定される時に、バッテリとコンデンサとの接続又は非接続を制御可能なスイッチ部が利用されることになる。このスイッチ部は、一般に高電圧を出力可能なバッテリと電気的に接続されており、スイッチ部は、高電圧領域に設定されている。従って、スイッチ部は、高耐圧のスイッチ部である必要がある。
特許文献1の電圧検出装置は、例えばマイグレーション(イオン化した金属が電極間を移動する現象)によるスイッチ部の短絡を防止するために、スイッチ部に並列に接続される抵抗器(電圧制限回路)も備える必要がある。
例えば高耐圧のスイッチ部の面積は、大きくなってしまうとともに、そのスイッチ部を保護するために必要な部品(電圧制限回路)の数は、増加してしまう。従って、このようなスイッチ部が実装される基板を有する電圧検出装置又は漏電検出装置も、大きくなってしまう。また、スイッチ部を保護する時に、追加の部品又は(電圧制限回路)が更に実装される基板を有する電圧検出装置又は漏電検出装置は、より一層大きくなってしまう。
本発明の1つの目的は、小型の漏電検出装置を提供することである。本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び最良の実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
第1の態様において、複数の電池を有するバッテリと、前記バッテリに並列に配置される分圧抵抗器と、前記分圧抵抗器の第1のノードの第1の電位に基づく第1の電圧を検出電圧として検出可能な電圧検出部と、を備え、前記検出電圧に基づき前記バッテリに漏電が生じているか否かを判定する漏電検出装置は、
判定電位を生成する印加部と、前記分圧抵抗器の第2のノードの第2の電位と前記印加部の側の前記判定電位とを電気的に絶縁する所定の素子と、を更に備え、
前記第2の電位は、前記第1の電位よりも高く、且つ前記判定電位は、前記第2の電位よりも低く、前記印加部によって前記判定電位が印加される前記所定の素子は、前記判定電位を前記第2の電位に反映させる。
第1の態様では、所定の素子は、バッテリと接続される分圧抵抗器が配置される領域(高電圧領域)と印加部が配置される領域(低電圧領域)とを区分けすることができる。言い換えれば、印加部は、高耐圧の印加部で構成する必要がない。また、第1の態様では、印加部は、判定電位を所定の素子に印加し、これにより、所定の素子は、その判定電位を第2の電位に反映させることができる。同時に、判定電位は、第1の電位にも反映されるので、結果として、電圧検出部によって検出される検出電圧(第1の電位に基づく第1の電圧)にも、判定電位が反映される。漏電検出装置は、この検出電圧に基づきバッテリに漏電が生じているか否かを判定することができる。言い換えれば、漏電検出装置は、印加部を備えているので、例えば特許文献1に開示の高耐圧のスイッチ部を高電圧領域に配置する必要がない。これにより、小型の漏電検出装置が提供される。
第1の態様に従属する第2の態様において、前記電圧検出部は、アイソレーションアンプを含んでもよい。
第2の態様では、アイソレーションアンプは、バッテリと接続される分圧抵抗器が配置される領域(高電圧領域)と漏電が生じているか否かを判定する部品が配置される領域(低電圧領域)とを区分けすることができる。言い換えれば、第1の電圧を検出した後の後段又は後続の回路は、高耐圧の仕様で構成される必要がない。また、第2の態様では、アイソレーションアンプの入力側が高耐圧の仕様で構成されるので、分圧抵抗器は、必ずしも高耐圧の分圧抵抗器でなくてもよい。このように、第2の態様は、漏電検出装置をより一層小型化することができる。
第2の態様に従属する第3の態様において、漏電検出装置は、前記検出電圧に基づき前記バッテリに漏電が生じているか否かを判定する処理部を更に備えてもよく、
前記処理部は、前記印加部の側に配置されてもよく、又は、前記処理部は、前記印加部を有してもよい。
第3の態様では、処理部が低電圧領域に配置される。従って、第3の態様は、漏電検出装置をより一層小型化することができる。
第1乃至第3の何れか1つの態様に従属する第4の態様において、前記検出電圧と所定値とを比較することによって、前記前記バッテリの高電位側及び/又は低電位側に漏電が生じているか否かが判定されてもよい。
第4の態様では、漏電検出装置は、バッテリの漏電がどこで生じたかのかを把握することができる。
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
図1(A)及び図1(B)の各々は、本発明に従う漏電検出装置の構成例を示す。 図2(A)及び図2(B)の各々は、図1(A)の漏電検出装置の典型的な構成例を示し、図2(A)及び図2(B)は、それぞれ、高電位側及び低電位側の漏電の説明図を示す。 図3(A)は、図2(A)及び図2(B)の地絡抵抗値と検出電圧との関係を表すグラフを示し、図3(A)及び図3(B)は、それぞれ、高電位側及び低電位側の典型的な地絡抵抗値での検出電圧の時間依存性を表すグラフを示す。
以下に説明する最良の実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
図1(A)及び図1(B)の各々は、は、本発明に従う漏電検出装置の構成例を示し、その漏電検出装置は、例えばバッテリ11と、分圧抵抗器DRと、電圧検出部Dと、を備えることができる。図1(A)及び図1(B)において、漏電検出装置のバッテリ11は、複数の電池、例えばn個の電池c1,c2,・・・,c(n−1),cnを有している。電池c1,c1,・・・,c(n−1),c1nは、例えばリチウムイオン電池、水素ニッケル電池等の再充電が可能な蓄電池(二次電池)である。電池(セル)の数「n」は、2以上の任意である。バッテリ11に並列に配置され分圧抵抗器DRは、少なくとも3つの抵抗器R1,R2,R3で構成され、少なくとも2つのノード、例えば第1のノードND1及び第2のノードND2を有している。
図1(A)及び図1(B)において、電圧検出部Dは、分圧抵抗器DRの第1のノードND1の第1の電位に基づく第1の電圧を検出電圧として検出可能である。漏電検出装置は、印加部Oと、所定の素子Cと、を更に備えることができ、所定の素子Cには、分圧抵抗器DRと印加部Oとの双方が、電気的に接続されている。印加部Oは、判定電位を生成し、その判定電位を所定の素子Cに印加することができる。所定の素子Cは、分圧抵抗器DRの第2のノードND2の第2の電位と印加部Oの側の判定電位とを電気的に絶縁することができ、制御ユニット10内に絶縁領域Iが形成されている。所定の素子Cは、例えばコンデンサ(図2(A)、図2(B)参照)等で構成することができる。
印加部Oによって判定電位が所定の素子Cに印加される時に、第2のノードND2(第2の電位)と判定電位とは、電気的に絶縁されているが、判定電位は、第2の電位の影響を受けることになる。言い換えれば、判定電位の変動によって、第2のノードND2の第2の電位は、変動してしまう。第2のノードND2は、第1のノードND1の高電位側に配置されるので、第2のノードND2の第2の電位は、第1のノードND1の第1の電位よりも高く、従って、第2の電位の変動によって、第1の電位は、変動してしまう。
ところで、分圧抵抗器DRは、基本的に又は本質的に、バッテリ11の両端電圧を分割し、これにより、第1及び第2のノードND1,ND2の第1及び第2の電位は、基本的に又は本質的に、バッテリ11の両端電圧及び例えば3つの抵抗器R1,R2,R3の3つの抵抗値(抵抗値の比率)に依存し、又はそれらによってバランスがとれている。しかしながら、印加部Oによって判定電位が所定の素子Cに印加される時に、第1及び第2の電位は、バランスが崩れ、従って、バッテリ11の両端電圧及び例えば3つの抵抗値(抵抗値の比率)だけでなく判定電位にも依存してしまう。
図1(A)及び図1(B)において、電圧検出部Dによって検出される検出電圧(第1のノードND1の第1の電位に基づく第1の電圧)には、印加部Oからの判定電位が所定の素子C及び抵抗器R2を介して反映されている。漏電検出装置は、この検出電圧に基づきバッテリ11に漏電が生じているか否かを判定することができる。具体的には、図1(A)において、電圧検出部Dは、検出電圧を処理部Mに出力し、例えば処理部Mで漏電の有無が判定されている。図1(B)において、電圧検出部Dは、検出電圧を例えば絶縁素子FCを介して処理部Mに出力することができる。代替的に、図1(B)の電圧検出部Dで漏電の有無が判定されてもよく、電圧検出部Dは、その判定結果を例えば絶縁素子FCを介して処理部Mに出力してもよい。
なお、バッテリ11が例えば電気自動車又はハイブリッド自動車の駆動部を構成するモータ(図示せず)の電源である時に、言い換えれば、車両駆動モータ用のバッテリである時に、バッテリ11の両端電圧は、例えば100[V]以上、或いは、例えば200[V]又は300[V]以上である。従って、バッテリ11と接続される分圧抵抗器DRが配置される領域は、高電圧領域である。図1(A)において、所定の素子Cの一部又は一端、電圧検出部Dの一部又は一端、及び第1の電源回路P1も、高電圧領域に配置されている。第1の電源回路P1は、例えばバッテリ11からの電力に基づき、電圧検出部Dの一部の駆動電圧(例えば12[V])を生成することができる。図1(A)の電圧検出部Dは、分圧抵抗器DRの第1のノードND1の第1の電位(に基づく第1の電圧)と検出電位(に基づく検出電圧)とを電気的に絶縁することができ、絶縁領域Iが所定の素子C及び電圧検出部Dによって形成されている。言い換えれば、絶縁領域Iは、高電圧領域と印加部Oが配置される領域(低電圧領域)とを区分けすることができる。
図1(A)の低電圧領域には、例えば所定の素子Cの残部又は他端、電圧検出部Dの残部又は他端、処理部M、及び第2の電源回路P2が配置されている。第2の電源回路P2は、例えば鉛蓄電池(例えば12[V])からの電力に基づき、例えば電圧検出部Dの残部、印加部O、及び処理部Mの駆動電圧(例えば5[V])を生成することができる。このように、印加部O等が低電圧領域に配置されているので、印加部Oによって生成される判定電位は、通常、高電圧領域に配置される分圧抵抗器DRの第2のノードND2の第2の電位よりも低く設定されている。もちろん、バッテリ11は、車両駆動モータ用のバッテリに限定されず、言い換えれば、バッテリ11の両端電圧が例えば100[V]よりも小さくてもよく、高電圧領域の駆動電圧が低電圧領域の駆動電圧よりも低く設定されていれば十分である。高電圧領域は、例えば特許文献1に開示の高耐圧のスイッチ部のような部品を備える必要がなく、これにより、小型の漏電検出装置が提供される。
図1(B)において、分圧抵抗器DRが配置される高電圧領域には、所定の素子Cの一部又は一端、電圧検出部Dの全部、絶縁素子FCの一部又は一端、及び第1の電源回路P1が配置されている。絶縁素子FCは、例えばフォトカプラである。絶縁素子FCは、電圧検出部Dの出力(例えば、検出電圧、漏電の有無等)と処理部Mの入力とを電気的に絶縁することができ、絶縁領域Iが例えば所定の素子C及び絶縁素子FCによって形成されている。図1(B)の低電圧領域には、印加部Oだけでなく、例えば所定の素子Cの残部又は他端、絶縁素子FCの残部又は他端、処理部M、及び第2の電源回路P2が配置されている。
図1(B)において、印加部Oは、高耐圧の印加部で構成する必要がない。漏電検出装置は、低電圧領域に配置される印加部Oを備えているので、例えば特許文献1に開示の高耐圧のスイッチ部を高電圧領域に配置する必要がない。これにより、小型の漏電検出装置が提供される。但し、図1(B)の電圧検出部Dは、高耐圧の電圧検出部である。言い換えれば、図1(A)の漏電検出装置は、図1(B)の漏電検出装置と比べて、より一層小型化されている。また、図1(A)の処理部M(及び例えば図1(B)の漏電の有無を判定する処理部M)も、高耐圧の処理部で構成される必要がない。このような処理部M及び印加部O(並びに第2の電源回路P2)が実装される基板(図示せず)を有する漏電検出装置は、小型化された実装面積を有している。
加えて、図1(A)及び図1(B)の漏電検出装置は、例えば特許文献1に開示の高耐圧のスイッチ部を保護する追加の部品又は電圧制限回路を高電圧領域に配置する必要がない。これにより、高電圧領域での配線の増加を抑制することができる。
図2(A)及び図2(B)の各々は、図1(A)の漏電検出装置の典型的な構成例を示す。図2(A)及び図2(B)において、図1(A)の所定の素子C及び電圧検出部Dは、それぞれ、コンデンサ及びアイソレーションアンプである。コンデンサの容量及びアイソレーションアンプの増幅率は、任意であるが、検出電圧を検出又は認識し易いように、当業者は、それらを容易に設定又は調整することができる。アイソレーションアンプは、バッテリ11と接続される分圧抵抗器DRが配置される領域(高電圧領域)と漏電が生じているか否かを判定する処理部Mが配置される領域(低電圧領域)とを区分けすることができる。言い換えれば、第1のノードND1の第1の電位に基づく第1の電圧を検出した後のアイソレーションアンプ(アイソレーションアンプの出力側又は電圧検出部Dの残部)及び処理部Mは、高耐圧の仕様で構成される必要がない。また、アイソレーションアンプの入力側(電圧検出部Dの一部)が高耐圧の仕様で構成されるので、分圧抵抗器DRは、必ずしも高耐圧の分圧抵抗器でなくてもよい。これにより、漏電検出装置は、より一層小型化される。
なお、アイソレーションアンプ(電圧検出部D)は、第2のノードND2の第2の電位と例えば分圧抵抗器DRの下端の第3の電位との差(例えば抵抗器R3又は検出抵抗器の両端電圧)を第1の電圧として入力し、第1の電圧に基づく又は比例する検出電圧(出力電位又は検出電位とグランドGNDの電位との差)を処理部Mに出力することができる。抵抗器R1,R2,R3の抵抗値は、任意であるが、検出電圧を検出又は認識し易いように、当業者は、それらを容易に設定又は調整することができる。抵抗器R1,R2,R3の抵抗値は、例えば1[kΩ]〜1[MΩ]の範囲に設定することができ、好ましくは、抵抗器R2の抵抗値は、抵抗器R1の抵抗値よりも小さく、抵抗器R2の抵抗値は、抵抗器R3の抵抗値よりも小さい。これにより、判定電位又は判定電圧を下げても、判定電位又は判定電圧は、検出電圧により一層反映され易くなる。
図2(A)及び図2(B)において、印加部Oは、例えば処理部Mに内蔵されている。ここで、処理部Mは、典型的には例えばマイクロコンピュータで構成され、例えばCPUと、ROM、RAM等のメモリと、A/Dコンバータと、処理部M(A/Dコンバータ)の入力及び処理部M(印加部O)の出力を構成する入出力インターフェース等を含むことができる。印加部Oは、典型的には、処理部M又はCPUの動作クロック又は内部クロックに入力し、例えば論理回路等で構成される印加部Oは、例えば正弦波、矩形波等の交流電圧(判定電圧)を生成することができる。交流電圧(判定電圧)の周期は、任意であるが、検出電圧を検出又は認識し易いように、言い換えれば、バッテリ11の充放電に伴うバッテリ11の両端電圧の変動の影響を少なくするように、当業者は、それを容易に設定又は調整することができる。
例えば、メモリ又は例えばROMは、CPUに所定の動作を実行させるプログラムを記憶し、メモリ又は例えばRAMは、CPUのワーク領域を形成することができる。また、処理部M又はメモリ(例えばROM)は、例えばアイソレーションアンプ(電圧検出部D)からの検出電圧でバッテリ11の漏電の有無を判定するために必要なデータ、例えば所定値(閾値)を記憶することができる。
図2(A)及び図2(B)は、それぞれ、高電位側及び低電位側の漏電の説明図を示す。図2(A)において、バッテリ11の正極と分圧抵抗器DRの上端とを電気的に接続するハーネス又は配線の一部又は途中に、何らかの異常が発生したことが想定されている。言い換えれば、図2(A)は、何らかの原因でバッテリ11の正極が地絡抵抗器Rp(仮想抵抗器)を介してグランドGNDと電気的に接続されてしまったことを示している。なお、低電圧領域又は処理部M側のグランドGNDは、例えば車体グランドであり、図2(A)のバッテリ11の正極も、地絡抵抗器Rp(何らかの部品又は材料)を介して例えば車体グランドと電気的に接続されている。代替的に、図2(B)において、バッテリ11の例えば負極が、地絡抵抗器Rn(何らかの部品又は材料)を介して高電圧領域又は分圧抵抗器DR側のグランドGND(例えば車体グランド)と電気的に接続されている。
図3(A)は、図2(A)及び図2(B)の地絡抵抗値と検出電圧との関係を表すグラフを示し、図3(A)及び図3(B)は、それぞれ、高電位側及び低電位側の典型的な地絡抵抗値での検出電圧の時間依存性を表すグラフを示す。図3(A)において、地絡抵抗器Rp,Rnの地絡抵抗値が例えば10[MΩ]以上である時に、言い換えれば、ハーネス又は配線の周りの被覆、空気等の絶縁物の抵抗値が高い時に、アイソレーションアンプ又は電圧検出部Dでの検出電圧は、一定値を示している。このような状況では、例えば処理部Mは、バッテリ11に漏電が発生していないと判定することができる。地絡抵抗器Rpの地絡抵抗値が例えば10[MΩ]よりも小さくなる程に、検出電圧は、増加する。地絡抵抗器Rpの地絡抵抗値が例えば10[kΩ]よりも小さい時に、検出電圧は、もう1つの一定値をほぼ示すことになる。従って、例えば処理部Mは、検出電圧が所定値(第1の所定値:一定値ともう1つの一定値との間の検出電圧を表す第1の閾値)よりも大きい時に、バッテリ11の正極側又は高電位側に漏電が発生していると判定することができる(p地絡)。
図3(A)において、地絡抵抗器Rnの地絡抵抗値が例えば10[MΩ]よりも小さくなる程に、検出電圧は、減少する。地絡抵抗器Rnの地絡抵抗値が例えば10[kΩ]よりも小さい時に、検出電圧は、他の一定値をほぼ示すことになる。従って、例えば処理部Mは、検出電圧がもう1つの所定値(第2の所定値:一定値と他の一定値との間の検出電圧を表す第2の閾値)よりも小さい時に、バッテリ11の負極側又は低電位側に漏電が発生していると判定することができる(n地絡)。
バッテリ11の正極側又は高電位側に漏電が発生している時に、図2(A)のバッテリ11の正極から地絡抵抗器Rpを介してグランドGNDに電流が流れてしまう。これにより、第2のノードNDに伝わる又は反映される判定電位の影響が相対的に大きくなり、検出電圧は、増加することになる(図3(A)の「p地絡」参照)。代替的に、バッテリ11の負極側又は低電位側に漏電が発生している時に、図2(B)のバッテリ11の負極から地絡抵抗器Rnを介してグランドGNDに電流が流れてしまう。これにより、第2のノードNDに伝わる又は反映される判定電位の影響が相対的に小さくなり、検出電圧は、減少することになる(図3(A)の「n地絡」参照)。
ところで、印加部Oは、判定電圧として、例えば正弦波の交流電圧又は変動電圧を生成することができる。これにより、コンデンサ又は所定の素子Cの他端に伝わる又は印加される判定電位も、変動する。結果として、コンデンサ又は所定の素子Cの一端の電位(第2のノードND2の第2の電位)が変動し、第1のノードND1の第1の電位が変動する。従って、第1の電位に基づく第1の電圧、即ちアイソレーションアンプの入力電圧も、例えば正弦波の交流電圧又は変動電圧を示す。結果として、アイソレーションアンプの出力電圧、即ち検出電圧が例えば正弦波の交流電圧又は変動電圧を示す(図3(B)及び図3(C)参照)。
図3(B)は、地絡抵抗器Rpが100[Ω]、400[kΩ]及び100[MΩ]である時の例えば3つの検出電圧を示している。地絡抵抗器Rpの地絡抵抗値が大きい程に、検出電圧は、減少する。処理部Mは、所定値(第1の所定値)として、地絡抵抗器Rpが例えば400[kΩ]である時の電圧を設定することができる。即ち、検出電圧が所定値(第1の所定値)よりも大きい時に、処理部Mは、バッテリ11の正極側又は高電位側に漏電が発生していると判定することができる。
図3(C)は、地絡抵抗器Rnが100[Ω]、400[kΩ]及び100[MΩ]である時の例えば3つの検出電圧を示している。地絡抵抗器Rnの地絡抵抗値が大きい程に、検出電圧は、増加する。処理部Mは、もう1つの所定値(第2の所定値)として、地絡抵抗器Rnが例えば400[kΩ]である時の電圧を設定することができる。即ち、検出電圧が所定値(第2の所定値)よりも小さい時に、処理部Mは、バッテリ11の負極側又は低電位側に漏電が発生していると判定することができる。
なお、バッテリ11の漏電が発生していると判定した後に、漏電検出装置又は例えば処理部Mは、漏電検出装置のユーザ又は例えば車両の運転者に異常を報知する報知信号を生成することができる。漏電検出装置又は例えば処理部Mは、好ましくは、バッテリ11の充放電を管理又は制御し、報知信号の代わりに、又は報知信号に加えて、バッテリ11の充放電を停止又は中断することができる。
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
10・・・制御ユニット、11・・・バッテリ、c・・・電池(セル)、C・・・所定の素子(例えばコンデンサ)D・・・電圧検出部(例えばアイソレーションアンプ)、DR・・・分圧抵抗器、FC・・・絶縁素子、GND・・・グランド、I・・・絶縁領域、M・・・処理部(例えばマイクロコンピュータ)、ND・・・ノード、O・・・印加部、P・・・電源回路、R1,R2,R3・・・抵抗器、Rn,Rp・・・地絡抵抗器(仮想抵抗器)。

Claims (4)

  1. 複数の電池を有するバッテリと、前記バッテリに並列に配置される分圧抵抗器と、前記分圧抵抗器の第1のノードの第1の電位に基づく第1の電圧を検出電圧として検出可能な電圧検出部と、を備え、前記検出電圧に基づき前記バッテリに漏電が生じているか否かを判定する漏電検出装置であって、
    判定電位を生成する印加部と、前記分圧抵抗器の第2のノードの第2の電位と前記印加部の側の前記判定電位とを電気的に絶縁する所定の素子と、を更に備え、
    前記第2の電位は、前記第1の電位よりも高く、且つ前記判定電位は、前記第2の電位よりも低く、
    前記印加部によって前記判定電位が印加される前記所定の素子は、前記判定電位を前記第2の電位に反映させることを特徴とする漏電検出装置。
  2. 前記電圧検出部は、アイソレーションアンプを含むことを特徴とする請求項1に記載の漏電検出装置。
  3. 前記検出電圧に基づき前記バッテリに漏電が生じているか否かを判定する処理部を更に備え、
    前記処理部は、前記印加部の側に配置され、又は、前記印加部を有することを特徴とする請求項2に記載の漏電検出装置。
  4. 前記検出電圧と所定値とを比較することによって、前記前記バッテリの高電位側及び/又は低電位側に漏電が生じているか否かが判定されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の漏電検出装置。
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