図1〜図7を参照して、図1に示す本発明の実施形態のホース長さ測定装置20、およびホース10について説明する。
ホース10は、流体を移送するための配管である。ホース10は、自動車用、二輪車用、または住宅設備用などである。ホース10は、制動用、空調用、操舵用、または給水用などである。ホース10は、液圧用(油圧用、水圧用など)または空圧用などである。ホース10の軸方向をホース軸方向Hとする。ホース10は、ホース本体11と、第1口金具13と、第2口金具15と、を備える。ホース本体11は、可撓性の管である。
第1口金具13は、ホース本体11の一端側に接続される。第1口金具13は、ホース本体11のホース軸方向H外側両端部のうち一方に接続された、口金具(スカート部が形成されたソケット)である。第1口金具13のホース軸方向H外側には、金属パイプなどが接続される(下記の第2口金具15も同様)(金属パイプなどが接続されなくてもよい)。第1口金具13は、第1口金具内側端部13aを備える。第1口金具内側端部13aは、第1口金具13のホース軸方向H内側の端部(スカート部の端面)である。ホース軸方向Hから見た第1口金具内側端部13aの断面は、環状である(下記の第2口金具内側端部15aも同様)。第1口金具内側端部13aの外径は、ホース本体11の外径よりも大径である(下記の第2口金具内側端部15aも同様)。
第2口金具15は、ホース本体11の他端側に接続される。第2口金具15は、ホース本体11のホース軸方向H外側の両端部のうち、第1口金具13が接続されていない側に接続された、口金具である。第2口金具15は、第2口金具内側端部15aを備える。第2口金具内側端部15aは、第2口金具15のホース軸方向H内側の端部(スカート部の端面)である。
ホース長さ測定装置20は、ホース10の長さを測定する装置である。ホース長さ測定装置20は、ロボットアームA(図2参照)に取り付けられる。ホース長さ測定装置20は、フレーム30と、スライダ35と、能動ハンド40と、受動ハンド50と、受動ハンド周辺機器60と、を備える。
フレーム30は、ロボットアームA(図2参照)に固定される。フレーム30には、各種機器が取り付けられる。フレーム30は、例えば板状などである。フレーム30は、スライダ取付部31と、受動ハンド周辺機器取付部33と、を備える。スライダ取付部31は、スライダ35が取り付けられる部分である。
受動ハンド周辺機器取付部33は、受動ハンド周辺機器60が取り付けられる部分である。受動ハンド周辺機器取付部33は、スライダ取付部31からY2側(下記)に突出する。図3および図4に示すように、受動ハンド周辺機器取付部33は、部分33aと、部分33bと、部分33cと、部分33d(図4参照)と、を備える。部分33aは、スライダ取付部31からY2側に突出する。部分33aは、例えば板状である。部分33bおよび部分33cそれぞれは、部分33aに固定され、部分33aからZ2側(下記)に突出する。図4に示す部分33dは、部分33aに固定され、部分33aからZ1側(下記)に突出する。なお、受動ハンド周辺機器取付部33の形状は適宜変更してもよい。
スライダ35は、図1に示すように、フレーム30に対して能動ハンド40をスライド(直線移動)させる。スライダ35は、フレーム30(スライダ取付部31)に取り付けられる。スライダ35は、例えば電力により作動する電動スライダである(電動アクチュエータである)(空気圧や油圧により作動するアクチュエータでもよい)。スライダ35は、レール35aと、テーブル35bと、モータ35cと、を備える。レール35aは、フレーム30(スライダ取付部31)に固定される。テーブル35bは、レール35aに対してスライド可能に、レール35aに取り付けられる。モータ35cは、レール35aに対してテーブル35bをスライドさせる。モータ35cは、例えばシャフト(図示なし)を回転させることにより、テーブル35bをレール35aに対してスライドさせる。なお、図4では、スライダ35の内部構造を省略した。
(方向の定義)
方向を次のように定義する。図1に示すように、方向には、X方向と、Y方向と、Z方向と、がある。X方向は、レール35aに対するテーブル35bのスライドの方向(スライド方向)である。X方向は、例えば水平方向(横方向)である。X方向において、能動ハンド40から受動ハンド50に向かう側(向き)をX1側とする。X方向におけるX1側とは逆側(逆向き)をX2側とする。Y方向は、X方向に直交し、かつ、フレーム30のスライダ取付部31の表面と平行な方向である。Y方向において、受動ハンド周辺機器取付部33からスライダ取付部31に向かう側をY1側とする。Y方向におけるY1側とは逆側をY2側とする。Z方向は、X方向およびY方向に直交する方向である。Z方向は、フレーム30のスライダ取付部31の表面に直交する方向(フレーム直交方向)である。図2に示すように、Z方向において、ホース長さ測定装置20に支持されたホース10からフレーム30に向かう側をZ1側とする。Z方向におけるZ1側とは逆側をZ2側とする。
能動ハンド40および受動ハンド50は、ホース10を支持する、ロボットハンドである。能動ハンド40および受動ハンド50は、能動チャック43(下記)および受動チャック53(下記)によりホース10を支持する。能動ハンド40および受動ハンド50は、少なくとも能動チャック43(下記)および受動チャック53(下記)の部分では、ホース軸方向Hが水平方向になるように、ホース10を支持する。
能動ハンド40は、ホース10の一端側を支持する。能動ハンド40は、フレーム30にスライド可能に取り付けられる。上記「スライド」とは、X方向の直線移動である(受動ハンド50についても同様)。能動ハンド40は、スライダ35を介してフレーム30に取り付けられる。能動ハンド40は、スライダ35によりスライドさせられる。能動ハンド40は、能動ベース41と、能動チャック43と、を備える。
能動ベース41は、スライダ35に取り付けられる。能動ベース41は、テーブル35b(Z2側の面)に固定される。能動ベース41は、テーブル35bと一体的にスライドする。能動ベース41は、例えば、部分41aと、部分41bと、を備える。部分41aは、テーブル35bに固定される。図1に示すように、部分41aは、テーブル35bからY2側に突出する。図2に示すように、部分41bは、部分41a(X2側端部)から、Z1側およびZ2側に突出する。なお、能動ベース41の形状は適宜変更してもよい。
能動チャック43は、ホース10(ホース本体11)を支持する。能動チャック43は、ホース10の一端側のホース本体11(ホース本体11の一部であって、ホース10の一端側の部分)を支持する。能動チャック43は、能動ベース41に取り付けられる。能動チャック43は、部分41b(Z2側端部)から、Z2側に突出する。図1に示すように、能動チャック43は、2つの爪部43a・43aを備える。2つの爪部43a・43aは開閉可能に構成される。2つの爪部43a・43aは、互いの間隔(Y方向の間隔)を変えることができるように構成される。2つの爪部43a・43aの開閉は、例えば空気圧により動作するアクチュエータ(エアシリンダ、図示なし)により行われる。2つの爪部43a・43aの開閉は、油圧や電力により動作するアクチュエータにより行われてもよい。2つの爪部43a・43aは、ホース10を支持可能に構成される。2つの爪部43a・43aそれぞれは、X方向から見たとき、ホース本体11の外周の形状に対応するような円弧状の凹部を備える(図4に示す受動ハンド50の爪部53aを参照)。
この能動チャック43は、図1に示す2つの爪部43a・43aを開閉することにより、ホース10を解放可能な状態(解放状態)と、ホース10を支持する状態(支持状態)と、を切り替える。上記「解放状態」は、能動チャック43からホース10を、ホース軸方向Hに直交する方向に、取り外すことが可能な状態である。上記「支持状態」には、チャック状態と、ルーズ状態と、がある。上記「チャック状態」は、能動チャック43に対してホース10が固定された状態である。チャック状態は、2つの爪部43a・43aがホース10を挟んだ状態である。上記「ルーズ状態」は、2つの爪部43a・43aが半開きになった状態である。ルーズ状態のときには、能動チャック43からホース10を、ホース軸方向Hに直交する方向に、取り外すことはできない。ルーズ状態のときは、能動チャック43に対してホース10がホース軸方向Hに移動可能である。但し、ルーズ状態であっても、第1口金具13の第1口金具内側端部13aが能動チャック43に突き当てられた状態のときには、ホース10はX1側に移動不可能である(詳細は下記)。
受動ハンド50は、ホース10の他端側を支持する。受動ハンド50は、図2に示すように、フレーム30にスライド可能に取り付けられる。受動ハンド50は、能動ハンド40のスライド方向(X方向)と同じ方向にスライド可能である。受動ハンド50は、スライダ35によって直接スライドさせられることはない(詳細は下記)。受動ハンド50は、受動ベース51と、受動チャック53と、を備える。
受動ベース51は、フレーム30(受動ハンド周辺機器取付部33)にスライド可能に取り付けられる。図3に示すように、受動ベース51は、部分51aと、部分51bと、部分51cと、部分51dと、を備える。部分51aは、フレーム30(受動ハンド周辺機器取付部33の部分33a)に取り付けられる。図2に示すように、部分51bは、部分51a(X1側端部)から、Z1側およびZ2側に突出する。図3に示すように、部分51cは、部分51a(Z2側の面)からY1側に突出する。部分51dは、部分51b(Y2側端部)からY2側に突出する。なお、受動ベース51の形状は適宜変更してもよい。また、図5では、図3に示す部分51aおよび部分51bを省略した。
受動チャック53は、図2に示すように、ホース10(ホース本体11)を支持する。受動チャック53は、ホース10の他端側のホース本体11(ホース本体11の一部であって、ホース10の他端側の部分)を支持する。受動チャック53は、受動ベース51に取り付けられる。受動チャック53は、部分51aのZ2側端部から、Z2側に突出する。受動チャック53は、能動チャック43と同軸に配置される。受動チャック53および能動チャック43は、ホース本体11をX方向に真っ直ぐに(直線状に)支持できるように配置される。図4に示すように、受動チャック53は、2つの爪部53a・53aを備える。受動チャック53は、2つの爪部53a・53aの開閉により、ホース10を解放可能な状態(解放状態)と、ホース10を支持する状態(支持状態(チャック状態およびルーズ状態))と、を切り替える。2つの爪部53a・53aの機能は、能動チャック43の2つの爪部43a・43aと同様である。
受動ハンド周辺機器60は、図3に示すように、受動ハンド50の作動の規制などを行う。受動ハンド周辺機器60は、フレーム30(受動ハンド周辺機器取付部33)に取り付けられる。受動ハンド周辺機器60は、ガイド61と、第1ストッパ63(ストッパ)と、第2ストッパ65と、付勢部材67と、シリンダ71と、位置検出器73(図2参照)と、を備える。なお、図2では、受動ハンド周辺機器60のうち位置検出器73のみを図示した。
ガイド61は、図3に示すフレーム30(受動ハンド周辺機器取付部33)に対して、受動ハンド50をスライド可能にする。ガイド61は、フレーム30と受動ハンド50とに取り付けられる。ガイド61は、レール部材61aと、スライド部材61bと、を備える。レール部材61aは、フレーム30(受動ハンド周辺機器取付部33の部分33aのZ2側の面)に固定される。スライド部材61bは、レール部材61aに取り付けられる。スライド部材61bは、レール部材61aに対して(レール部材61aに沿って)X方向にスライド可能である。スライド部材61bは、受動ハンド50(受動ベース51の部分51aのZ1側の面)に固定される。
第1ストッパ63(ストッパ)は、受動ハンド50のスライドを規制する。第1ストッパ63は、フレーム30に対する、受動ハンド50のX方向のスライドを規制する。第1ストッパ63は、受動ハンド50のX1側へのスライドを規制する。第1ストッパ63は、フレーム30(受動ハンド周辺機器取付部33の部分33aのZ2側の面)に固定される。第1ストッパ63は、受動ハンド50(受動ベース51の部分51c(第1ストッパ接触部)のX1側端部)に接触可能な位置に配置される。第1ストッパ63は、部分51cよりもX1側に配置される。例えば、第1ストッパ63は、ガイド61よりもY1側に配置される。例えば、第1ストッパ63は、スライダ35よりもY2側に配置される。第1ストッパ63は、例えば直方体状である(円柱状、角柱状、板状などでもよい)。第1ストッパ63は、連結部材(ボルトなど)により、フレーム30(受動ハンド周辺機器取付部33)に対して着脱可能に固定される(図5参照)。
第2ストッパ65は、受動ハンド50のスライドを規制する。第2ストッパ65は、フレーム30に対する、受動ハンド50のX方向のスライドを規制する。第2ストッパ65は、受動ハンド50のX2側へのスライド(第1ストッパ63による規制の向きとは逆向きのスライド)を規制する。第2ストッパ65は、フレーム30(受動ハンド周辺機器取付部33の部分33c)に固定される。第2ストッパ65は、受動ハンド50(受動ベース51の部分51d(第2ストッパ接触部)のX2側端部)に接触可能な位置に配置される。第2ストッパ65は、部分51dよりもX2側に配置される。例えば、第2ストッパ65は、ガイド61よりもY2側に配置される。第2ストッパ65は、受動ハンド50のスライドを規制する位置(スライド規制位置)を調整可能に構成される。第2ストッパ65は、フレーム30(部分33c)に対してX方向に進退可能に、フレーム30に取り付けられる。第2ストッパ65は、フレーム30(部分33c)に取り付けられたボルト(ストッパボルト)である。なお、第2ストッパ65は、スライド規制位置の調整が不可能に構成されてもよい。また、第2ストッパ65と同様に、第1ストッパ63は、スライド規制位置を調整可能に構成されてもよい。
付勢部材67は、受動ハンド50を付勢する。図1に示すように、付勢部材67は、能動ハンド40および受動ハンド50に支持されたホース10を、真っ直ぐにのばそうとする向きに、受動ハンド50を付勢する。付勢部材67は、能動ハンド40から受動ハンド50が離れようとする向き(X1側)に、受動ハンド50を付勢する。図3に示すように、付勢部材67の一端部(X2側端部)は、フレーム30(受動ハンド周辺機器取付部33の部分33b)に接触する。付勢部材67の他端部(X1側端部)は、受動ハンド50(受動ベース51の部分51cのX2側の面)に接触する。付勢部材67は、ガイド61よりもY1側に配置される。図3および図5に示すように、付勢部材67と第1ストッパ63とは、X方向に直線上に並ぶように配置される。付勢部材67の付勢力の延長線上に第1ストッパ63が配置されるように、付勢部材67が配置される。付勢部材67は、例えばコイルばねである(板ばねなどでもよい)。コイルばねである付勢部材67の軸方向は、X方向である。
シリンダ71は、図3に示す受動ハンド50のスライドを規制する。シリンダ71は、例えば空気圧により動作するエアシリンダである(油圧や電力により動作するアクチュエータでもよい)。シリンダ71は、フレーム30に取り付けられる。例えば、シリンダ71は、ガイド61よりもY2側に配置される。シリンダ71は、第2ストッパ65よりもY2側に配置される。シリンダ71は、シリンダ基部71aと、シリンダロッド71b(押付部)と、を備える。
シリンダ基部71a(シリンダチューブ)は、シリンダロッド71bを進退させる部分である。シリンダ71がエアシリンダの場合、シリンダ基部71aには、空気(空気圧)が供給される。シリンダ基部71aは、フレーム30(受動ハンド周辺機器取付部33の部分33aのZ2側の面)に固定される。
シリンダロッド71b(押付部)は、受動ハンド50がスライド可能な状態と、受動ハンド50がスライド不可能な状態と、に切り替える。シリンダロッド71bは、第1ストッパ63に、受動ハンド50(受動ベース51の部分51cのX1側の面)を、押し付けた状態(押付状態)と、押し付けていない状態(非押付状態)と、に切り替える。シリンダロッド71bは、シリンダ基部71aに対してX方向に進退(X1側に進出、X2側に退避)する。シリンダロッド71bの進退により、上記の「押付状態」と「非押付状態」との切り替えが行われる。シリンダロッド71bは、例えばX方向に延びる棒状部材である。シリンダロッド71bの基端部(X2側端部)は、シリンダ基部71aの内部に収容される。シリンダロッド71bの先端部(X1側端部)は、受動ハンド50(受動ベース51の部分51d(押付部接触部)のX2側端部)に接触する。シリンダロッド71bの先端部は、部分51dよりもX2側に配置される。
位置検出器73は、図2に示すように、受動ハンド50の位置(X方向における位置)を検出する。位置検出器73は、フレーム30に対する受動ハンド50の位置を検出することにより、能動ハンド40に対する受動ハンド50の位置を検出する。位置検出器73は、所定位置αで能動ハンド40が停止した状態のとき(詳細は下記)の、能動ハンド40に対する受動ハンド50の位置を検出する。位置検出器73は、接触式であり、例えばリニアゲージである。位置検出器73は、非接触式でもよく、例えばレーザ光や反射光を利用したものなどでもよい。位置検出器73が接触式の場合は、非接触式の場合に比べ、安価な位置検出器73を用いることができる。以下では、位置検出器73が接触式である場合について説明する。位置検出器73は、フレーム30に取り付けられる。例えば、位置検出器73は、受動ハンド周辺機器取付部33(部分33a)よりもZ1側に配置される。位置検出器73は、ゲージ基部73aと、ゲージ接触子73bと、を備える。
ゲージ基部73aは、フレーム30(受動ハンド周辺機器取付部33の部分33d)に固定される。
ゲージ接触子73bは、ゲージ基部73aから突出する。ゲージ接触子73bは、ゲージ基部73aから進退可能にX方向に(X1側に)突出する。ゲージ接触子73bは、例えばX方向に延びる棒状部材である。ゲージ接触子73bの基端部(X2側端部)は、ゲージ基部73aの内部に収容される。ゲージ接触子73bの先端部(X1側端部)は、受動ハンド50(受動ベース51の部分51b(位置検出器接触部)のX2側端部)に接触する。
(作動)
ホース長さ測定装置20は次のように作動する。ホース長さ測定装置20により、口金具接続工程と、ホース長さ測定工程と、が行われる。
口金具接続工程は、図6および図7に示すホース本体11に、第1口金具13および第2口金具15が接続される工程である。口金具接続工程は、ホース10のアセンブリ(組み立て)が行われる工程である。口金具接続工程は、受動ハンド固定工程と、チャック工程と、第1口金具接続工程と、第2口金具接続工程と、を備える。以下、各工程が行われる順に沿って説明する(工程の順序は適宜変更してもよい)。
受動ハンド固定工程は、図6に示すフレーム30に対して受動ハンド50を固定する(スライド不可能にする)工程である。受動ハンド固定工程は、次のように行われる。[工程a1]シリンダロッド71bは、シリンダ基部71aに対して進出する(X1側に移動する)。[工程a2]上記[工程a1]により、シリンダロッド71bは、受動ハンド50(受動ベース51の部分51d)をX1側に押す。その結果、受動ハンド50は、フレーム30に対してX1側にスライドする。[工程a3]上記[工程a2]により、受動ハンド50(受動ベース51の部分51c)は、第1ストッパ63に接触し、第1ストッパ63に押し付けられる。その結果、受動ハンド50は、フレーム30に対してスライド不可能になる。なお、このとき、能動ハンド40は、スライダ35によりフレーム30に対して位置決めされている。そのため、能動ハンド40も、フレーム30に対してスライド不可能になっている(フレーム30に対して固定されている)。
チャック工程は、能動ハンド40および受動ハンド50が、ホース本体11を支持する工程である。チャック工程は、次のように行われる。[工程b1]所定の位置にホース本体11が配置される。[工程b2]図7に示すロボットアームAが作動することにより、ホース長さ測定装置20が移動する。[工程b3]能動チャック43および受動チャック53は、ホース本体11をチャック状態で支持する。能動チャック43および受動チャック53それぞれは、ホース軸方向Hにおけるホース本体11の両端よりも内側部分の所定箇所を支持する。
第1金具接続工程は、第1口金具13がホース本体11に接続される工程である。第1金具接続工程は、次のように行われる。[工程c1]口金具保持装置(口金具を保持する装置、図示なし)は、第1口金具13を保持する。[工程c2]ロボットアームAが作動することにより、ホース本体11の一方側端部が、第1口金具13に挿入される。[工程c3]加締め装置(図示なし)により、ホース本体11に第1口金具13が接続される。[工程d]第2金具接続工程は、第2口金具15がホース本体11の他方側端部に接続される工程である。第2金具接続工程は、第1金具接続工程と同様に行われる。その結果、ホース10が組み立てられる。
ホース長さ測定工程は、ホース長さ測定装置20によりホース10の長さが測定される工程である。ホース長さ測定工程は、口金具接続工程よりも後(例えば直後)に行われる。ホース長さ測定工程で測定される長さは、ホース10を真っ直ぐに伸ばした状態(ホース軸方向Hが直線の状態)での、第1口金具内側端部13aと第2口金具内側端部15aとの距離(ホース軸方向Hにおける距離、間隔)である。ここで、ホース軸方向Hにおける第1口金具13の寸法、および、ホース軸方向Hにおける第2口金具15の寸法は、予め分かっている。そのため、第1口金具内側端部13aと第2口金具内側端部15aとの距離が測定される結果、第1口金具13のホース軸方向H外側端部と、第2口金具15のホース軸方向H外側端部と、の距離を測定できる。ホース長さ測定工程は、測定準備工程と、能動ハンドスライド工程と、受動ハンドスライド工程と、能動ハンド停止工程と、位置検出工程と、を備える。
測定準備工程は、ホース10の長さを測定するための準備が行われる工程である。測定準備工程は、口金具接続工程の後に行われる。測定準備工程は、ホース水平配置工程と、押付解除工程と、ルーズ工程と、を備える。
ホース水平配置工程は、ホース10(ホース本体11)が、水平に配置される工程である。ホース水平配置工程は、次のように行われる。[工程e1]ロボットアームAが作動する(ホース長さ測定装置20全体が移動する)。[工程e2]上記[工程e1]により、少なくとも能動チャック43および受動チャック53の位置では、ホース本体11が(ホース軸方向Hが)水平方向になる。例えば、このとき、ホース本体11の全体が真っ直ぐに配置される。なお、このとき、能動チャック43と受動チャック53との間の位置のホース本体11は、真っ直ぐでなくてもよい(多少(いくらか、少し)撓んでいてもよい)。
押付解除工程は、上記の受動ハンド固定工程での、フレーム30に対する受動ハンド50の固定を解除する工程である。押付解除工程は、次のように行われる。[工程f1]図6に示すシリンダロッド71bは、上記「押付状態」から「非押付状態」になる。具体的には、シリンダロッド71bは、シリンダ基部71aに対して退避する(X2側に移動する)。その結果、図1に示すように、シリンダロッド71bは、受動ハンド50(受動ベース51の部分51d)から離れる。[工程f2]図6に示すように、上記[工程f1]が行われても、受動ハンド50(受動ベース51の部分51c)は、第1ストッパ63に接触した状態を維持する。なぜなら、付勢部材67が、受動ハンド50(受動ベース51の部分51c)を、X1側に付勢しているからである。ここで、付勢部材67の付勢力(受動ハンド50をX1側に押す力)は、シリンダロッド71bの押付力(受動ハンド50をX1側に押す力)よりも小さい。そのため、上記[工程f1]が行われた状態では、[工程f1]が行われる前に比べ、受動ハンド50がX2側に容易にスライド可能な状態となる。
[工程g]ルーズ工程は、能動チャック43および受動チャック53をルーズ状態にする工程である。この工程により、能動ハンド40および受動チャック53に対してホース10がX方向(ホース軸方向H)に移動可能となる。
能動ハンドスライド工程は、能動ハンド40をスライドさせる工程である。能動ハンドスライド工程は、次のように行われる。[工程h1]能動ハンド40は、受動ハンド50から能動ハンド40が離れる向き(X2側)にスライドする。このスライドは、レール35aに対してテーブル35bが作動する(X2側に移動する)ことにより行われる。[工程h2]図1に示すように、上記[工程h1]により、能動チャック43の先端部(X2側端部)は、第1口金具13(第1口金具内側端部13a)に突き当てられる(引っ掛かる)。[工程h3]上記[工程h2]の後、能動ハンド40は、さらにX2側にスライドする。このとき、能動ハンド40は、能動チャック43が第1口金具13に突き当てられた状態で、ホース10を伸ばそうとする向きにスライドする。[工程h4]その結果、ホース10は、能動ハンド40に連れられてX2側にスライドする。
受動ハンドスライド工程は、能動ハンド40のスライドに伴って(能動ハンドスライド工程に伴って)、図6に示す受動ハンド50がスライドする工程である。能動ハンドスライド工程は次のように行われる。[工程i1]上記の[工程h4]では、ホース10がX2側にスライドする。図1に示すように、このホース10のスライドにより、受動チャック53の先端部(X1側端部)は、第2口金具15(第2口金具内側端部15a)に突き当てられる(引っ掛かる)。[工程i2]上記[工程i1]の後、能動ハンド40がさらにX2側にスライドすると、受動ハンド50がX2側にスライドする。さらに詳しくは、受動ハンド50は、受動チャック53が第2口金具15に突き当てられた状態で、能動ハンド40に従動してスライドする。受動ハンド50は、能動ハンド40からホース本体11を介して伝わる力により、スライドする。[工程i3]上記[工程i2]のとき、受動ハンド50は、付勢部材67の付勢力(X1側向きの力)に逆らって、スライドする。その結果、ホース本体11は、確実に真っ直ぐな状態になる。[工程i4]図2に示すように、上記[工程i2]のとき、受動ハンド50がスライド(X2側にスライド)することにより、ゲージ基部73aに対してゲージ接触子73bが押し込まれる(X2側に移動する)。
[工程j]能動ハンド停止工程は、能動ハンド40が、予め定められた位置(所定位置α)で停止する工程である。所定位置αは、ホース10の長さに応じて設定される。所定位置αは、下記の位置検出工程でホース10の長さの検査ができるように設定される。具体的には例えば、所定位置αは、次の条件を満たすように設定される。[所定位置αの条件1]図1に示すように、能動ハンド40が所定位置αにあるときに、受動ハンド50(受動ベース51の部分51c)が第1ストッパ63に接することがないように、所定位置αが設定される。[所定位置αの条件2]能動ハンド40が所定位置αにあるときに、受動ハンド50が過度にX2側に配置されることがないように、所定位置αが設定される。[所定位置αの条件2−1]具体的には例えば、図3に示す受動ベース51の部分51dが、第2ストッパ65やシリンダロッド71bに接することがないように、所定位置αが設定される。[所定位置αの条件2−2]また例えば、図2に示す受動ベース51の部分51bが、受動ハンド周辺機器取付部33の部分33aに接することがないように、所定位置αが設定される。[所定位置αの条件2−3]また例えば、ゲージ基部73aに対してゲージ接触子73bが完全に押し込まれることがないように、所定位置αが設定される。
[工程k]位置検出工程は、所定位置αで能動ハンド40が停止した状態のとき([工程j]の後)の、受動ハンド50の位置を検出する工程である。さらに詳しくは、位置検出器73は、ゲージ基部73aに対するゲージ接触子73bの押し込み量から、フレーム30に対する受動ハンド50の位置を検出する。その結果、能動ハンド40に対する受動ハンド50の位置が特定(測定)される。その結果、第1口金具13と第2口金具15との距離が特定(算出)され、ホース10の長さが特定(算出)される。
上記のように、受動ハンド50(受動チャック53)および能動ハンド40(能動チャック43)は、口金具接続工程に用いられ、かつ、ホース長さ測定工程に用いられる。さらに詳しくは、ホース長さ測定工程に用いられる受動ハンド50および能動ハンド40それぞれは、第1口金具13および第2口金具15をホース本体11に接続するとき(口金具接続工程のとき)にホース本体11を支持するものである。受動チャック53および能動チャック43それぞれは、口金具接続工程からホース長さ測定工程にわたって、ホース10を支持した状態を維持する(口金具接続工程とホース長さ測定工程との間で、解放状態にならない)。
ホース10の長さの測定結果に基づいて、ホース10の長さ検査(合否判定、NG品の選別)が行われる。ホース10の長さ検査は、例えば次のように行われる。[工程l1]ホース長さ測定装置20により、長さが既知のホース10(マスターサンプル)の長さが測定される。このとき、上記[工程i2]のように、ゲージ接触子73bが押し込まれる。[工程l2]上記[工程l1]のときのゲージ接触子73bの押し込み量を、長さ=0[mm]とする。[工程l3]ホース長さ測定装置20により、長さが未知のホース10の長さが測定される。[工程l4]上記[工程l3]で測定されたホース10の長さと、上記[工程l1]で測定されたホース10の長さと、の差異が求められる。この差異が所定範囲内(例えば±5[mm]以内など)であれば、上記[工程l3]で測定されたホース10が「合格」と判定され、所定範囲外であれば「不合格」と判定される。
(効果1)
図1に示すホース長さ測定装置20による効果を説明する。ホース長さ測定装置20は、ホース10の長さを測定する装置である。図2に示すように、ホース10は、ホース本体11と、ホース本体11の一端側に接続された第1口金具13と、ホース本体11の他端側に接続された第2口金具15と、を備える。ホース長さ測定装置20は、フレーム30と、能動ハンド40と、受動ハンド50と、位置検出器73と、を備える。能動ハンド40は、フレーム30にスライド可能に取り付けられ、ホース10の一端側を支持する。受動ハンド50は、能動ハンド40のスライド方向と同じ方向(X方向)にスライド可能にフレーム30に取り付けられ、ホース10の他端側を支持する。位置検出器73は、受動ハンド50の位置を検出する。能動ハンド40は、ホース10の一端側のホース本体11を支持する能動チャック43を備える。受動ハンド50は、能動チャック43と同軸に、ホース10の他端側のホース本体11を支持する受動チャック53を備える。
[構成1−1]能動ハンド40は、能動チャック43が第1口金具13に突き当てられた状態で、ホース10を伸ばそうとする向きに、予め定められた所定位置αまでスライドする(図7および図2参照)。
[構成1−2]受動ハンド50は、受動チャック53が第2口金具15に突き当てられた状態で、能動ハンド40からホース本体11を介して伝わる力により、能動ハンド40に従動してスライドする(図7および図2参照)。
[構成1−3]位置検出器73は、所定位置αで能動ハンド40が停止した状態のときの、能動ハンド40に対する受動ハンド50の位置を検出する。
ホース長さ測定装置20は、上記[構成1−1]および[構成1−2]を備える。よって、能動チャック43および受動チャック53に、第1口金具13および第2口金具15が突き当てられた状態で、能動ハンド40に従動して(引っ張られて)受動ハンド50がスライドする。その結果、ホース10が真っ直ぐな状態になる(略真っ直ぐな状態になってもよい)。この状態で、上記[構成1−3]のように、位置検出器73により、能動ハンド40に対する受動ハンド50の位置が検出される。よって、ホース10が真っ直ぐな状態で、ホース10の長さを正確に測定できる。
(効果2)
図1に示すように、ホース長さ測定装置20は、付勢部材67を備える。
[構成2−1]付勢部材67は、能動ハンド40から受動ハンド50が離れようとする向きに、受動ハンド50を付勢する。
[構成2−2]受動ハンド50は、能動ハンド40に従動するときに、付勢部材67の付勢力に逆らってスライドする(図6および図1参照)。
ホース長さ測定装置20は、上記[構成2−1]および[構成2−2]を備える。よって、受動ハンド50が能動ハンド40に従動するとき、付勢部材67は、ホース10が伸びようとする向きに、受動ハンド50を付勢する。よって、ホース10がより確実に真っ直ぐな状態で、ホース10の長さをより正確に測定できる。
(効果3)
[構成3]能動チャック43および受動チャック53は、ホース軸方向Hが水平方向となるようにホース10を支持する。
ホース長さ測定装置20は、上記[構成3]を備える。また、上記のように、[構成1−1]および[構成1−2]により、能動チャック43および受動チャック53に、第1口金具13および第2口金具15が突き当てられる。よって、第1口金具13または第2口金具15が垂れ下がることが抑制される。よって、第1口金具13または第2口金具15の重量によりホース本体11が伸びる、という問題が抑制される。よって、ホース10の長さをさらに正確に測定できる。
この効果の詳細は次の通りである。上記の特許文献1の第3図には、高圧ホース(3)の上端の口金具(4a)がストッパ(10)に掛けられ、高圧ホース(3)が鉛直方向に懸架されたものが記載されている。同文献の請求項1には、高圧ホース(3)の下端部の位置が所定範囲内にあるか否かを検査する、と記載されている。この技術では、高圧ホース(3)の下端の口金具(4b)の重量により、高圧ホース(3)が伸びるおそれがある。そのため、高圧ホース(3)の長さを正確に測れないおそれがある。一方、本実施形態のホース長さ測定装置20では、主に上記[構成3]により、第1口金具13または第2口金具15の重量によりホース本体11が伸びる、という問題を抑制できるので、ホース10の長さを正確に測定できる。
(効果4)
ホース長さ測定装置20は、図1に示すように、第1ストッパ63と、シリンダロッド71bと、を備える。
[構成4−1]第1ストッパ63は、フレーム30に固定され、受動ハンド50のスライドを規制する。
[構成4−2]シリンダロッド71bは、第1ストッパ63に受動ハンド50を押し付けた状態(押付状態)と押し付けていない状態(非押付状態)とに切り替える(図6および図1参照)。
ホース長さ測定装置20は、上記[構成4−1]および[構成4−2]を備える。よって、図1に示すように、シリンダロッド71bが非押付状態のときは、第1ストッパ63から受動ハンド50が離れることが可能である。よって、受動ハンド50が能動ハンド40に従動できる(上記[構成1−2]の従動ができる)。よって、ホース10の長さを測定できる。図6に示すように、シリンダロッド71bが押付状態のときは、第1ストッパ63に受動ハンド50が押し付けられる。よって、フレーム30に対して受動ハンド50がスライドしない。よって、ホース10の長さを測定しないときに、受動ハンド50でホース10の所定箇所を確実に支持できる。
(効果5)
[構成5]受動ハンド50および能動ハンド40それぞれは、第1口金具13および第2口金具15をホース本体11に接続するときにホース本体11を支持するものである。
ホース長さ測定装置20は、上記[構成5]を備える。よって、第1口金具13および第2口金具15をホース本体11に接続するための装置(口金具接続工程を行うための装置)と、ホース10の長さを測定するための装置(ホース長さ測定工程を行うための装置)と、が共通である。よって、口金具接続工程とホース長さ測定工程とを、別個の装置で行う場合に比べ、コストを削減できる。また、上記[構成5]により、受動ハンド50および能動ハンド40がホース10を支持した状態のままで、口金具接続工程とホース長さ測定工程とを連続して行える。よって、これらの工程を連続して行えない場合に比べ、口金具接続工程およびホース長さ測定工程の作業時間(タクト)を短縮できる。
この効果の詳細は次の通りである。従来、ホース10の長さ検査は、例えば次のように行われていた。ホース10を組み立てる工程(口金具接続工程)で、ホース支持装置(図示なし)により、ホース10が支持される。ホース10の組立後、ホース支持装置から、ホース10が離される(解放される)。このホース10は、ホース支持装置とは異なる検査治具(ゲージ、図示なし)に入れられる。そして、この検査治具により、ホース10の長さ検査が行われていた。このように、口金具接続工程とホース長さ測定工程とが、別個の装置で(連続することなく)行われていた。一方、本実施形態では、上記[構成5]により、口金具接続工程とホース長さ測定工程とを連続して行える。
(変形例)
上記実施形態は様々に変形できる。上記実施形態では、図1に示す能動チャック43および受動チャック53は、ホース軸方向Hが水平方向になるようにホース10を支持した。しかし、ホース軸方向Hが水平方向以外の方向になるように、ホース10が支持されてもよい。例えば、能動チャック43および受動チャック53は、ホース軸方向Hが鉛直方向になるように、ホース10を支持してもよい。例えば、X1側が鉛直方向下向きでもよい。この場合、付勢部材67はなくてもよい。なぜなら、受動ハンド50には、付勢部材67による付勢力(X1側向きの力)に代えて、受動ハンド50の自重(X1側向きの力)が作用するからである。また例えば、X2側が鉛直方向下向きでもよい。この場合、受動ハンド50が第1ストッパ63に押し付けられる程度に、付勢部材67の付勢力を十分大きくする必要がある。
上記実施形態では、押付部(受動ハンド50を第1ストッパ63に押し付ける部分)は、X方向に直線運動するシリンダロッド71bであった。しかし、押付部は、シリンダロッド71bでなくてもよく、X方向に直線運動するものでなくてもよい。例えば押付部は、回転運動するもの(カムなど)でもよい。
上記実施形態では、押付部(シリンダロッド71b)は、受動ハンド50をX1側に押すことで、受動ハンド50(受動ベース51の部分51c)を第1ストッパ63に押し付けた。しかし、押付部は、受動ハンド50をX2側に押すことで、受動ハンド50(受動ベース51の部分51d)を第2ストッパ65に押し付けてもよい。この場合、シリンダロッド71bは、例えば、受動ハンド50(部分51d)をX2側に引っ張ることにより、受動ハンド50(部分51d)を第2ストッパ65に押し付ける。また例えば、シリンダ71が受動ハンド50(部分51d)よりもX1側に配置され、シリンダロッド71bが受動ハンド50(部分51d)をX2側に押してもよい。