JP2016090153A - 電気炉のメンテナンス方法 - Google Patents

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JP2016090153A JP2014225633A JP2014225633A JP2016090153A JP 2016090153 A JP2016090153 A JP 2016090153A JP 2014225633 A JP2014225633 A JP 2014225633A JP 2014225633 A JP2014225633 A JP 2014225633A JP 2016090153 A JP2016090153 A JP 2016090153A
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規之 冨田
Noriyuki Tomita
規之 冨田
田中 良和
Yoshikazu Tanaka
良和 田中
小川 正人
Masato Ogawa
正人 小川
松尾 国雄
Kunio Matsuo
国雄 松尾
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Abstract

【課題】電気炉における炉体周りの複数のメンテナンス対象部を、高所作業車や新たな足場を用いなくても、予め設定してある足場を用いてメンテナンス作業することを可能とし、以てメンテナンス対象部に対するメンテナンス作業を行い易くする。
【解決手段】炉体16を中心軸線回りに回転させる回転装置を備えた電気炉で、炉体16に備えてある機能部であってメンテナンスを必要とする、周方向に離れた位置の複数個所のメンテナンス対象部としての出湯口27,開閉装置72のそれぞれを、回転装置による炉体16の回転とともに周方向に位置移動させることで、予め設定してあるスライドデッキ65の位置まで持ち来たし、メンテナンス作業する。
【選択図】 図10

Description

この発明は電気炉のメンテナンス方法に関し、詳しくは炉体を電極に対して回転させる回転装置を備えた電気炉のメンテナンス方法に関する。
金属スクラップ等の金属材料を溶解する溶解炉として、従来、炉体内に挿入した3本の電極と、炉体内の金属材料との間にアークを発生させ、アーク熱によって金属材料を溶解する三相交流式アーク炉が広く用いられている。
この種電気炉において、出湯口が詰まってしまうことがある。そうなると溶湯が出湯口から出てこなくなってしまうので、出湯口を酸素で洗ったりして詰りを解消し、出湯口を開放するなどの処置が必要である。このような処置或いは他の処置を含めて、出湯口に対してはこれを正常に機能させるためのメンテナンスを行う必要がある。
ところが電気炉設備にあっては、出湯口からの湯を受けるための取鍋を出湯口直下に配置するための空間が必要である等の理由により、出湯口の位置が高所位置となる。そこで一般には出湯口についてはメンテナンス作業のための足場が特別に設けられることが多い。
その足場としては、出湯口直下の位置と退避位置との間で水平方向に直進移動するスライドデッキや、旋回移動によって退避位置と出湯口直下の位置との間で移動するデッキ等が設けられていることが多い。
ところで電気炉設備にあっては、溶解時に出湯口を蓋する出湯口蓋の開閉装置や、電気炉の操業に際してメンテナンスが必要なその他の付帯装置が、主として炉体の外周側の位置の高所に設置されている。
これらの装置は、炉体からの熱を受けて故障したり壊れたりし易く、この場合、故障を直したり部品交換や装置全体の取替えをしたりなどのメンテナンスを行う必要がある。
しかしながら従来、出湯口のメンテナンスのための足場は用意されているものの、上記出湯口蓋の開閉装置などをメンテナンスするための足場は用意されておらず、メンテナンスの必要が生じたときには、やむなく高所作業車を現場まで持ってきたり、新たに足場を設置したりして、メンテナンスのための高所作業を行っているのが実情である。
しかしながら高所作業車や新たな足場の設置は準備に時間がかかるため、大きな生産ロスにつながる。加えて高所作業車を用いての高所作業は、不安定な場所や姿勢であるいは狭い場所で行わなければならず、作業性や安全性に問題がある。
電気炉設備におけるその他の問題として、炉内の耐火物の修理等のための炉内メンテナンスの問題がある。
炉内メンテナンスのために炉内に入るパターンとしては、炉体上端の大きな解放部(直径が例えば7メートル位の大きさ)である材料の装入口から梯子を降ろし、これを伝って降りて行くパターンと、他に、出滓口から炉内に進入するパターンとがある。
装入口は出滓口に比べて高所(炉体の高さは4〜5メートル位ある)であることから、出滓口からの炉内への進入がより安全且つ作業負担が少ないパターンと言える。
しかしながら従来において、出滓口は、一般に炉体周りを取り囲んで炉体と一体に傾動するプラットフォームと、更にそのプラットフォーム周りの、固定の作業フロアとの間に生ずる大きな開口部(隙間)に直面して(臨んで)いるため、作業者が出滓口から炉内に進入するには足場板を固定の作業フロアからプラットフォームに、若しくは直接出滓口に跨って掛け渡し、その足場板を伝って出滓口に到り、そこから炉内に進入しなければならない。
前述したように作業フロア,プラットフォーム,上記の足場の何れもが高所であり、固定の作業フロアとプラットフォーム若しくは出滓口との間の開口部を足場板を伝って出滓口まで通過し、そこから炉内に出入りする作業は危険な作業となる。また、足場設置のための作業負荷も生じる。
尚、本発明の先行技術として下記特許文献1,特許文献2には、炉体を固定状態の電極に対して回転させるようにした電気炉が開示されている。
この回転装置を備えた電気炉では、溶解中に炉体を電極に対し回転させ、当初コールドスポットにあった金属材料をホットスポットに、またホットスポットに位置していた金属材料をコールドスポットに位置移動させることでホットスポットとコールドスポットとで溶解の不均一の生じていた問題を解決することが可能である(ここでは炉体を電極に対して周方向に約60度相対回転させることで、当初ホットスポットの周方向の中心部に位置していた電極を隣接するコールドスポットの周方向中心部に位置させるようにしている)。
但しこれらの特許文献には本発明の解決手段について開示するところはなく、本発明とは別異のものである。
特開昭60−122886号公報 特開2014−40965号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、電気炉における炉体周りの複数のメンテナンス対象部を、高所作業車や新たな足場を設置しなくても、予め設定してある共通の足場を用いてメンテナンス作業することを可能とし、以てメンテナンス対象部に対するメンテナンス作業を行い易くすることを目的としてなされたものである。
また他の目的として、出滓口を進入口として炉内メンテナンスを行う際のメンテナンス作業を安全に且つ容易に行うことを可能とするメンテナンス方法を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、(a)円筒状の周壁部及び炉底部を備えた炉体と、(b)炉蓋の側に設けられた複数の電極と、(c)前記炉体を中心軸線回りに回転させる回転装置と、を備え、前記電極と該炉体内に装入された金属材料との間に発生させたアークの熱で該金属材料を溶解する電気炉のメンテナンス方法であって、前記炉体に備えてある機能部であってメンテナンスを必要とする、周方向に離れた位置の複数個所のメンテナンス対象部のそれぞれを、前記回転装置による前記炉体の回転とともに周方向に位置移動させることで、予め設定してある共通のメンテナンス用足場の位置まで持ち来たし、メンテナンス作業することを特徴とする。
請求項2のものは、(a)円筒状の周壁部及び炉底部を備えた炉体と、(b)炉蓋の側に設けられた複数の電極と、(c)前記炉体を中心軸線回りに回転させる回転装置と、を備え、前記電極と該炉体内に装入された金属材料との間に発生させたアークの熱で該金属材料を溶解する電気炉のメンテナンス方法であって、炉内メンテナンスの際の進入口となる出滓口を、前記回転装置による前記炉体の回転とともに周方向に位置移動させ、メンテナンス作業することを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記電気炉が、溶解時に前記回転装置により炉体を電極に対して回転させることで、金属材料に対する電極による加熱位置を周方向に相対的に変化させるものであることを特徴とする。
以上のように請求項1の方法は、炉体に備えてある機能部であって複数個所のメンテナンス対象部を、回転装置による炉体の回転とともに周方向に位置移動させることで、予め設定してある共通のメンテナンス用足場の位置まで持ち来し、メンテナンス作業するもので、この方法によれば、例えば1箇所にメンテナンス用足場を設けただけであっても、複数のメンテナンス対象部のそれぞれを、その足場を使いながら支障なくメンテナンス作業することが可能となる。
例えば出湯口のメンテナンスのための足場として、もともとデッキが設けられているような場合には、複数のメンテナンス対象部を、炉体の回転によってそのデッキの位置まで持ち来すことで、それらメンテナンス対象部をメンテナンス作業することができる。
この場合、デッキ自体が出湯口用としてもともと用意されているものであるため、敢えて新規にメンテナンス足場を設置しなくても済む利点が得られる。
但し出湯口用のメンテナンス用の足場としてデッキ以外の足場が設けられている場合には、それを足場として使うことができるし、あるいはまた、出湯口用のメンテナンス用足場とは別途に他の足場を設けて、その足場の位置まで出湯口以外の複数個所のメンテナンス対象部を炉体の回転により持ち来し、メンテナンス作業するといったことも可能である。
この請求項1の方法では、上記メンテナンス対象部の一つを出湯口とし、他の一つを出湯口蓋の開閉装置とし、メンテナンス作業することができる。
一方、請求項2のメンテナンスのための方法では、炉内メンテナンスの際の進入口となる出滓口を、回転装置による炉体の回転とともに周方向に位置移動させ、メンテナンス作業する。
このようにすることで、高所での開口部を有さない安全な進入スペースを確保したうえで炉内に侵入してメンテナンス作業をすることができる。
炉体が回転しない従来の電気炉設備はもとより、炉体を回転させる装置を備えた電気炉設備にあっても、従来、炉内メンテナンスの際の出滓口の位置は、前述したように炉体と一体に傾動するプラットフォームと、その周りの固定のフロアとの間に生ずる大きな開口部(隙間)に直面した(臨んだ)位置にある。
そのような状況で炉内メンテナンスのために作業者が、架け渡した足場板を通って出滓口から炉内に出入りするのは危険を伴うが、請求項2の方法では、炉体の回転により出滓口を周方向に回動させ、位置移動させることで、安全性高く出滓口を通じて炉内メンテナンス作業等を行うことが可能となる。
具体的には、例えばプラットフォームの、上記開口部から大きく離れた場所まで、炉体の回転により出滓口を回動させ、位置移動させることで、プラットフォームの特定個所を足場としつつ、安全に出滓口を通じての炉内メンテナンス等を行うことが可能となる。
勿論プラットフォーム以外に他のメンテナンス用足場を設定しておいて、そこに出滓口を持ち来すことも可能である。
本発明は、上記電気炉が、溶解時に上記の回転装置により炉体を電極に対し回転させることで、金属材料に対する電極による加熱位置を周方向に相対変化させるものである場合に適用して好適である。
以上のような本発明によれば、電気炉における炉体周りの複数のメンテナンス対象部を、高所作業車や新たな足場を用いなくても、予め設定してある共通の足場を用いてメンテナンス作業することが可能となり、以てメンテナンス対象部に対するメンテナンス作業が行い易くなる。また出滓口を進入口として炉内メンテナンスを行う際のメンテナンス作業を安全に且つ容易に行うことが可能となる。
本発明の一実施形態で用いる電気炉の構成を示した図である。 図1の電気炉を異なる断面で示した図である。 図1の回転装置の全体斜視図である。 同回転装置の全体平面図である。 図4のV−V断面図である。 図4のVI−VI断面図である。 操業方法の内容を工程毎に示した説明図である。 電気炉関連設備の配置を示した図である。 出湯口蓋開閉装置の構成を示した図である。 同実施形態の作用説明図である。 電気炉及びその周辺を示した平面図である。 図10とは異なる作用説明図である。
次に本発明を金属材料(ここでは鉄鋼材料)を溶解する電気炉に適用した場合の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1及び図2は本実施形態で用いる電気炉の構成を示した図である。
図1において、10は電気炉で、円筒状の周壁部12及び炉底部14を備えた炉体16と、炉体16の上端の装入口18を開閉可能に閉鎖する炉蓋20と、炉蓋20を挿通して炉体16内に下向きに挿入される3本の電極22とを備えている。
各電極22は、平面視略円形をなした炉蓋20の中心近くに、炉体16の中心軸線周りに等間隔(120°間隔)で配置されており、図示しない昇降装置にて個別に高さ調節自在に支持され、電極22の下端と炉体16内に装入された金属材料との上下方向の離間距離を調節し得るように構成されている。
本実施形態の電気炉10は、EBT炉であり、図2で示したように炉底部14が炉体16の周壁部12よりも径方向外方に一部突出して棚状の突出部26を形成しており、そしてそこにこれを、上下に貫通した出湯口(出鋼口)27が設けられている。
炉体16内の金属材料の溶湯(溶鋼)は、炉体16全体を傾動させることで、出湯口27から取鍋23(図1)に向けて出湯される。
また出湯口27と径方向の反対位置(対称位置)には出滓口29が設けられている。出滓口29は炉体16の周壁部12を内外方向に貫通して設けられている。
本例では炉体16全体を上記出湯時とは反対の方向に傾動させることで、溶解操業の際に生じるスラグを出滓口29より外部に排出することができる。
本実施形態の電気炉10は、炉体16が傾動可能で且つ炉蓋20及び電極22に対して相対回転可能となっている。
図1において、34は炉体16を支持したまま傾動し、炉体16を傾動させる傾動体で、地面に設けられた炉台36により傾動自在に支持されている。
傾動体34を支持する炉台36の上面及びこれに接する傾動体34の下向きに凸曲形状をなす脚部37の下面にはそれぞれ係合歯が形成されており、傾動の際これら係合歯の係合により炉台36に対する傾動体34のずれが防止されている。
傾動体34は炉体16を支持するための傾動床35を有し、炉体16は後述する回転装置32を介して、傾動体34の傾動床35で支持されている。
本発明では回転装置を次のように構成することができる。
即ち回転装置は、イ)炉体を回転可能に傾動体上に支持する支持手段と、ロ)炉体と傾動体との間に設けられ、炉体をその中心軸線周りに回転案内するガイドレールと、ハ)炉体の側に設けられた、回転駆動力を受ける被駆動部と、ニ)傾動体側に設けられ、被駆動部と係合して、回転駆動力を被駆動部に伝える駆動部材と、ホ)傾動体側に設けられ、駆動力を発生させる駆動源と、を備えて構成し、傾動体と一体に傾動する形態で設けておくことができる。
この実施形態において、回転装置は具体的には以下のように構成されている。
先ずは傾動機構について説明する。
図2に示すように、傾動体34の図中右端には駆動シリンダ38の一端側が回転可能に連結されている。駆動シリンダ38の他端は地面側に回転可能に連結されており、この駆動シリンダ38を伸長させることで傾動体34は炉体16とともに図中左側が下向き、右側が上向きになる様に傾動する。これにより炉体16内の溶鋼が出湯口27から取鍋23に向けて出湯される。
図3は本実施形態における回転装置32の全体斜視図を、図4はその平面図を示している。
回転装置32は多数の立壁を備えた円形リング状の支持フレーム40を有しており、この支持フレーム40の上面に炉体16が載置固定されている。
リング状の支持フレーム40の下面の内周部にはリング状歯車体42が設けられ、その内周の円周面に沿って歯形が形成されている。
一方、歯車体42の外周中間部は、図5で示すように外方に角型断面をなして突出し、ベアリング部材44の内輪部46を構成している。
内輪部46を包むようにコ字形断面の外輪部48が配設されており、外輪部48の凹面と内輪部46の凸面即ち上下面及び外周端面との間には、コロ軸受49が介設されている。
このような構造により、支持フレーム40はベアリング部材44等に支持されて、そのリング中心回りに傾動床35に平行な面内で回転可能となっている。これにより回転装置32に支持された炉体16が炉体16の中心軸線を回転中心として電極22に対し回転可能となる。
支持フレーム40のリング内方の径方向対称位置の傾動床35上にはギアボックス50が設けられ(図4)、その内部にギア体が配設されている。図5において傾動床35側には駆動源としての油圧モータ52が設けてあり、その出力軸に歯車体53が装着されている。
歯車体53は傾動床35側に立設された軸体54に回転可能に支持された歯車体55に噛合しており、この歯車体55が上記リング状歯車体42の歯形に噛合している。
これにより、油圧モータ52を正逆回転させると、歯車体53,55,42を介して支持フレーム40が正逆回転させられる。
この実施形態では、支持フレーム40,歯車体42,ベアリング部材44が支持手段を構成し、そのうちベアリング部材44における内輪部46,外輪部48がガイドレールを兼ねて構成されている。
また歯車体42の歯形が被駆動部を、歯車体55,53が駆動部を、更に油圧モータ52が駆動源を構成している。
本実施形態では、油圧モータ52によって、炉体16の出湯口27が出湯ヤードに正対した図4に示す原位置から反時計方向へ60°の範囲で支持フレーム40即ち炉体16を回転させることができる。
両ギアボックス50,50の間の、支持フレーム40の周方向中間位置にはストッパ機構56が配設されている。ストッパ機構56の詳細を図6に示す。図6において、支持フレーム40には内方に向けて鞘部材57が設けてある。鞘部材57は円筒体で内方側の半部内周が内方に向けて漸次拡開するテーパ状に形成されている。
一方、傾動床35側の架台58上に駆動シリンダ59によって内外方向へ直線進退させられる栓部材60が設けられている。栓部材60は外方側に位置する先端部が先端方向へ漸次縮径する円柱体となっており、栓部材60の後端は駆動シリンダ59のロッド61に連結されている。
支持フレーム40が原位置にある時には、図6に示すように、鞘部材57が栓部材60に正対しており、駆動シリンダ59によって栓部材60を進出させると、栓部材60が鞘部材57内に進入して、栓部材60のテーパ状の先端部が鞘部材57のテーパ状の半部内に嵌合する。これにより、支持フレーム40、即ち炉体16の回動が確実に規制され、この状態で炉体16の出湯傾動ないし出滓傾動を行うことができる。
次に金属材料を溶解するための電気炉10の操業方法について図7を用いて説明する。
通常、スクラップ等の金属材料は複数回に分けて炉内に装入される。本例では金属材料を2回に分けて炉内に装入するものとする。
先ず、炉蓋20を旋回回避させ炉体16の装入口18を開放状態とし、金属材料を保持するスクラップバケットをクレーンにて装入口18の上方にまで移動させ、スクラップバケット内の金属材料を炉内に装入する。
材料装入を終えたら炉蓋20及び電極22を炉体16上部に載置し、電極22先端より下向きのアークを発生させ、電極22の先端部分に位置する材料を優先的に溶かし、電極22は金属材料中を掘り進んで行く(この工程を以下ボーリング工程とする)。図7(A)はこのボーリングを行っている状態を示している。
ボーリングが完了し電極22が炉底部近くに到ったところで、電極22周囲の材料を溶解させていく(図7(B))。
これにより電極22の周りに未溶解金属が無くなると、炉体16を電極22に対して相対回転させることが可能となる。尚、図中炉内を網点で示した部分が未溶解金属材料、白地で示した部分が溶解金属材料である。この段階ではいまだ極端な溶解の不均一は生じていない。
次に溶解が進み炉内の未溶解金属材料の嵩が減った後、残りの金属材料の追装を行う。
具体的には炉蓋20を旋回回避させ、炉体16を原位置から図中反時計方向に60°回転させて、その後に金属材料を追装する(図7(C))。その後炉蓋20及び電極22を炉体16上部に載置し、再びボーリング工程を含むアーク放電による金属材料の溶解を行うと、炉体16の周方向に三箇所ずつのホットスポットとコールドスポットが生じて金属材料が不均一に溶解される(図7(D))。
そこで炉蓋20を上方に離間させた状態で炉体16を図中時計方向に原位置まで60°回転させ、未溶解の金属材料をホットスポットに移動させる((図7(E))。この状態で炉蓋20を閉鎖して電極22からの放電を開始することで未溶解の金属材料に対して電極22からの加熱を効果的に行うことができる。そして図7(F)で示すように炉内に装入された金属材料の溶解を完了する。
図8は、電気炉10における炉体16の下側に設置されている電気炉関連設備の配置を示した図である。
本図及び図1で示すように炉体16の下方図中左右両側にはそれぞれ炉台36が配置され、これら炉台36及び傾動体34によって炉体16が地面から上方に設置されている。そして高所にある出湯口27の直下には、取鍋23の配置空間が形成されている。取鍋23は、通常時はその空間、即ち出湯口27の下に待機させられている。
取鍋23は台車66上に載置されており、図8中上下方向に延びるレール67上を図中上下方向に移動可能とされている。
かかる本実施形態の電気炉10においては、出湯口27を正常に機能させるため出湯口27のメンテナンスが必要であり、そのための足場として出湯口27よりも低い位置にスライドデッキ65が配置されている。
図示されたスライドデッキ65は退避位置に位置しているが、出湯口27のメンテナンスを行う際には、図中の2点鎖線で示すように直進して出湯口27直下の位置に移動し、メンテナンスするための足場としての役割を果たす。
一方、炉体16の外周部における高所位置、詳しくは出湯口27下面周りには、出湯機能を正常に維持するための必要な装置が取り付けられている。
その一例として、図8に出湯口27の図中右側に取り付けられた出湯口蓋開閉装置72が示されている。
図9で示すように出湯口蓋開閉装置72は、先端に出湯口蓋74を保持したロッドを、駆動シリンダ73からの上下の伸縮動作でリンク機構75を介し出湯口蓋74とともに上下及び左右方向に円弧状軌跡を描いて平行移動させ、出湯口蓋74を出湯口27直下の出湯口閉鎖位置と出湯口27から離間した出湯口解放位置との間で移動させる。
出湯口蓋開閉装置72は炉体16の外周部の高所において出湯口27の下面近くに設置されているため、炉体16からの熱を受けて故障したり壊れたりし易く、故障を直したり部品交換や装置全体の取替えをしたりなどのメンテナンスを行う必要がある。
しかしながら図8で示すように、メンテナンス対象部としてのこの出湯口蓋開閉装置72は出湯口27から周方向に離れた位置に取り付けられており、駆動シリンダ73が設けられている装置後端部分は特に出湯口27から離れた位置となっている。
このため炉体16を原位置に位置固定した状態では、スライドデッキ65を炉体16に対して接近移動させても、これを出湯口蓋開閉装置72のメンテナンス用の足場として利用することができない。
そこで本実施形態では、周方向に離れた位置にある出湯口蓋開閉装置72のメンテナンスを行う場合、出湯口蓋開閉装置72を炉体16とともに周方向に位置移動させ、出湯口27のメンテナンス用に用意してあるスライドデッキ65の位置(詳しくは延出動作させた後の先端部)まで持ち来す。そして出湯口27のメンテナンスに用いるためのスライドデッキ65を、周方向に離れた位置にある出湯口蓋開閉装置72のメンテナンスを行なうための共通の足場とする。
図10は出湯口蓋開閉装置72のメンテナンスを行なう場合を示したものである。
炉体16を原位置より反時計方向に約60°回転させると、出湯口27に替わって出湯口蓋開閉装置72がスライドデッキ65上に位置するため、出湯口蓋開閉装置72のメンテナンス、例えば駆動シリンダの交換その他所要作業を別途に他の足場を設けることなく、スライドデッキ65を共通の足場として容易に行うことができる。
尚、出湯口蓋開閉装置72はメンテナンス対象部の一例であり、出湯口27から周方向に離れた位置に取り付けられたその他の装置についても同様の方法で、スライドデッキ65を共通の足場として容易にメンテナンスを行うことができる。
図11は、電気炉10及びその周辺を示した平面図である。
炉体16の周りには図1及び図2にも示すように炉体16と一体に傾動する傾動体34に備えられたプラットフォーム25が設けられており、更にそのプラットフォーム25の周りには、固定の(傾動しない)作業フロア80が設けられている。
プラットフォーム25には、図示を省略した電気炉10の附帯設備が設置されており、炉体16とともにプラットフォーム25が傾動する際、これら電気炉10の附帯設備が作業フロア80の開口端部と干渉しないよう、更には出滓口を下向きに傾動させて、スラグ排出動作を支障なく行えるように、出滓口側(図中下方向)では、プラットフォーム25と固定の作業フロア80との間に大きな開口部81が設けられている。
このため炉内メンテナンスの際、従来にあっては作業者が出滓口29から炉内に進入するためには、固定の作業フロア80とプラットフォーム25との間の開口部に、若しくは固定の作業フロア80と出滓口29との間の開口部に足場板を掛け渡さなければならず、出滓口29から炉内16に出入りする作業が困難なものとなっていた。
そこで本実施形態では、図12で示すように、回転装置32により炉体16を回転させ、炉内メンテナンスの際の進入口となる出滓口29を、プラットフォーム25に設けられている切欠部92及びプラットフォーム25と作業フロア80との間の開口部81から大きく離れた場所に位置移動させる。
このようにすることで、作業者は大きな開口部に架け渡した足場板を通ることなく、作業フロア80からプラットフォーム25を経由して出滓口29に進入し、メンテナンス作業を行うことができる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。例えば、鉄鋼以外の金属を溶解する電気炉のメンテナンスに適用することも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
10 電気炉
12 周壁部
14 炉底部
16 炉体
18 装入口
20 炉蓋
22 電極
27 出湯口
29 出滓口
32 回転装置
65 スライドデッキ
72 開閉装置
80 作業フロア

Claims (3)

  1. (a)円筒状の周壁部及び炉底部を備えた炉体と、
    (b)炉蓋の側に設けられた複数の電極と、
    (c)前記炉体を中心軸線回りに回転させる回転装置と、
    を備え、前記電極と該炉体内に装入された金属材料との間に発生させたアークの熱で該金属材料を溶解する電気炉のメンテナンス方法であって、
    前記炉体に備えてある機能部であってメンテナンスを必要とする、周方向に離れた位置の複数個所のメンテナンス対象部のそれぞれを、前記回転装置による前記炉体の回転とともに周方向に位置移動させることで、予め設定してある共通のメンテナンス用足場の位置まで持ち来たし、メンテナンス作業することを特徴とする電気炉のメンテナンス方法。
  2. (a)円筒状の周壁部及び炉底部を備えた炉体と、
    (b)炉蓋の側に設けられた複数の電極と、
    (c)前記炉体を中心軸線回りに回転させる回転装置と、
    を備え、前記電極と該炉体内に装入された金属材料との間に発生させたアークの熱で該金属材料を溶解する電気炉のメンテナンス方法であって、
    炉内メンテナンスの際の進入口となる出滓口を、前記回転装置による前記炉体の回転とともに周方向に位置移動させ、メンテナンス作業することを特徴とする電気炉のメンテナンス方法。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記電気炉が、溶解時に前記回転装置により炉体を電極に対して回転させることで、金属材料に対する電極による加熱位置を周方向に相対的に変化させるものであることを特徴とする電気炉のメンテナンス方法。
JP2014225633A 2014-11-05 2014-11-05 電気炉のメンテナンス方法 Pending JP2016090153A (ja)

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