JP2016090032A - 液体の排出構造及び密封構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】メカニカルシールの下方に配置された、漏出液体を排出する液体の排出構造において、環状溝に滴下した漏出液体の排出を促進し、以って環状溝内における漏出液体の水位の過度な上昇を抑制する。【解決手段】メカニカルシール200の下方に同心的に配置される環状部材300に設けられた、シール端面211、222間から漏れ出た液体を受けた後に排出する液体の排出構造310は、液体を受ける環状溝320と、環状溝320の外周側側壁323に設けられた排出口330とを備え、内周側段差部322の端縁322Aと外周側段差部324の端縁324Aは、環状溝320に溜まった液体の液面が両端縁322A、324Aに達している状態で、液面の両端縁322A、324A間の部分が、液体の表面張力によって両端縁322A、324Aよりも高い位置まで上昇するように、両端縁322A、324Aが略同じ高さの位置に設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、液体の排出構造及び密封構造に関する。
従来、メカニカルシールが備える回転環と固定環のそれぞれのシール端面間から漏れ出た液体(密封対象流体やクエンチング液)を排出するために、ドレイン通路等から構成された液体の排出構造を設ける技術が知られている(特許文献1、2参照)。回転環と固定環とが鉛直方向に対向して配置されたメカニカルシールに対しては、シール端面間から漏れ出た液体(以下、単に「漏出液体」ともいう。)を排出するための排出構造が設けられた環状部材が、当該メカニカルシールの下方に同心的に配置されることがある。当該環状部材の排出構造は、一般に、滴下する漏出液体を受ける環状溝と、環状溝の外周側の側壁に設けられた排出口とを備えている。このような排出構造が設けられることにより、漏出液体は、環状溝によって受け止められた後に排出口から排出される。これにより、漏出液体が密封対象領域に侵入してしまうことなどが回避される。
しかしながら、上述の環状部材が配置された場合であっても、漏出液体の表面張力などの性質に起因して、環状溝に滴下した漏出液体が排出口から速やかに排出されないことがあった。例えば、漏出液体の種類や環状部材の材質によっては、漏出液体が環状溝に滴下し始めた際に、滴下した漏出液体が表面張力によって滴下した位置に留まって玉状に集まってしまうことがあった。そして、排出口の近傍に漏出液体が溜まった場合であっても、漏出液体が表面張力によって環状溝内に留まってしまうことにより、排出口から排出されないことがあった。このような場合には、環状溝全体がほぼ満液になるまで漏出液体が排出されないことがあった。漏出液体を環状溝から溢れさせることなく確実に排出させるという観点からは、環状溝内においてこのようにして漏出液体の水位が過度に上昇することは好ましくない。
特開2006−250306号公報 特開2012−97761号公報
本発明は、メカニカルシールの下方に配置された、漏出液体を排出する液体の排出構造において、環状溝に滴下した漏出液体の排出を促進し、以って環状溝内における漏出液体の水位の過度な上昇を抑制することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下の構成を採用した。
すなわち、本発明に係る液体の排出構造は、
回転環と固定環とを備えるメカニカルシールの下方に同心的に配置される環状部材に設けられた、前記回転環と前記固定環のそれぞれのシール端面間から漏れ出た液体を受けた後に排出する液体の排出構造であって、
前記環状部材の上面に設けられた、前記シール端面間から漏れ出て滴下する液体を受ける環状溝と、
前記環状溝の外周側の側壁に設けられた、前記環状溝が受けた液体を排出する排出口と、
を備える液体の排出構造において、
前記環状溝は、内周側の側壁に沿って設けられた内周側段差部と、前記外周側の側壁に沿って設けられた外周側段差部とを備え、
前記内周側段差部の端縁と前記外周側段差部の端縁は、前記環状溝に溜まった液体の液面が前記両端縁に達している状態で、前記液面の前記両端縁間の部分が、前記液体の表面張力によって前記両端縁よりも高い位置まで上昇するように、前記両端縁が略同じ高さの位置に設けられている。
本発明に係る液体の排出構造によれば、環状溝に溜まった液体の液面が両端縁に達している状態で、液面の両端縁間の部分が、液体の表面張力によって両端縁よりも高い位置まで上昇することができる。このような状態にある液面は、表面張力の影響によって高さが更に上昇しにくい。そのため、このような液面が形成されているときに更に環状溝に液体が滴下すると、環状溝内を周方向に流れる液体の流れの発生が促される。これにより、環状溝の排出口からの液体の排出が促進されるため、環状溝内における液体の水位の過度な上昇を抑制することが可能になる。
また、本発明に係る液体の排出構造によれば、前記環状溝には径方向外側に部分的に拡幅した拡幅部が設けられており、前記拡幅部における外周側の側壁に前記排出口が設けられていてもよい。この構成を採用することにより、環状溝内の液体が排出口までより速やかに導かれるようになるため、環状溝に滴下した液体の排出がより促進される。
なお、本発明は、メカニカルシールを備える密封構造として捉えることもできる。すなわち、本発明に係る密封構造は、
回転環と固定環とを備えるメカニカルシールと、
前記メカニカルシールの下方に同心的に配置された環状部材と、
を備える密封構造において、
前記環状部材は、前記回転環と前記固定環のそれぞれのシール端面間から漏れ出た液体を受けた後に排出する液体の排出構造を備え、
前記液体の排出構造は、
前記環状部材の上面に設けられた、前記シール端面間から漏れ出て滴下する液体を受ける環状溝と、
前記環状溝の外周側の側壁に設けられた、前記環状溝が受けた液体を排出する排出口と、
を備え、
前記環状溝は、内周側の側壁に沿って設けられた内周側段差部と、前記外周側の側壁に沿って設けられた外周側段差部とを備え、
前記内周側段差部の端縁と前記外周側段差部の端縁は、前記環状溝に溜まった液体の液面が前記両端縁に達している状態で、前記液面の前記両端縁間の部分が、前記液体の表面張力によって前記両端縁よりも高い位置まで上昇するように、前記両端縁が略同じ高さの位置に設けられている。
本発明に係る密封構造においても、上述した本発明に係る液体の排出構造と同様に、環状溝に滴下した液体の排出が促進されるため、環状溝における液体の水位の過度な上昇を抑制することできる。
また、本発明に係る密封構造によれば、前記環状溝には径方向外側に部分的に拡幅した拡幅部が設けられており、前記拡幅部の外周側の側壁に前記排出口が設けられていてもよい。この構成を採用することにより、上述した本発明に係る液体の排出構造と同様に、環状溝に滴下した液体の排出がより促進される。
本発明によれば、メカニカルシールの下方に配置された、漏出液体を排出する液体の排出構造において、環状溝に滴下した漏出液体の排出を促進し、以って環状溝における漏出液体の水位の過度な上昇を抑制することが可能になる。
実施例に係る密封構造の模式的断面図である。 実施例に係る液体の排出構造が設けられた環状部材の模式的な上面図である。 実施例に係る環状部材に設けられた環状溝の模式的な断面図である。 変形例に係る液体の排出構造が設けられた環状部材の模式的な上面図である。 環状溝の両側壁の形状の他の例を示す模式的な断面図である。 環状溝の両側壁の形状の他の例を示す模式的な断面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[実施例]
図1〜図3を参照して、本発明の実施例に係る液体の排出構造、及び、メカニカルシールと、当該排出構造が設けられた環状部材とを備える密封構造について説明する。なお、本実施例においては、半導体製造装置や一般産業機器のハウジングと、当該ハウジング内に回転導入するための回転軸との間の環状隙間を密封する密封構造を例にして説明する。
<密封構造全体>
特に、図1を参照して、本発明の実施例に係る密封構造の全体構成について説明する。図1は、本発明の実施例に係る密封構造の模式的断面図であって、回転軸500の中心軸線Cを含む平面による模式的断面図である。なお、説明の便宜上、特徴的な部分を示すために切断位置の位相は適宜変更させている。また、奥行きは適宜省略されており、基本的に端面のみが図示されている。
本実施例に係る密封構造100は、第1メカニカルシール200と、第1メカニカルシール200の下方に同心的に配置される環状部材300とを備える。密封構造100は、中心軸Cが鉛直方向を向くように設けられた回転軸500と、回転軸500が挿通される軸孔を有するハウジング600との間の環状隙間を密封するために設けられる。図1中、領域(A)は大気側であり、領域(B)は密封対象領域としてのハウジング600の内部である。なお、密封構造100は、更に第2メカニカルシール400を備えている。つまり、密封構造100は、2つのメカニカルシールによって領域(B)を密封している。なお、密封構造100においては、上方側(大気側)に第2メカニカルシール400が設けられ、下方側(密封領域側)に第1メカニカルシール200が設けられている。
回転軸500の外周には、第1スリーブ510が取り付けられている。なお、回転軸500と第1スリーブ510との間はOリングによって密封されている。第1スリーブ510は、下端部近傍に径方向外側に突出した段部511が形成されており、この段部511上には、下から順に第1メカニカルシール200の回転環210、第2スリーブ520及び第2メカニカルシール400の回転環410が設置されている。なお、これらの部品と第1スリーブ510との間はOリングによって密封されている。第2スリーブ520は、
回転環210と回転環410の間隔を規定するために設置されている。第1スリーブ510及び回転環410の上方には、セットスクリュー531によって回転軸500の外周に対して固定された、環状の固定部材530が取り付けられている。固定部材530には、径方向外側から下方へ突出した円筒部532が形成されている。円筒部532の内周面が第1スリーブ510の外周面を押圧すると共に、円筒部532の下端が回転環410を上方から押圧することによって、第1スリーブ510、第2スリーブ520、回転環210及び回転環410の回転軸500に対する位置決めがなされている。これにより、回転環210及び回転環410は、回転軸500と共に回転する。
ハウジング600の上方には、下から順に、詳細は後述する環状部材300と、環状のシールケース700と、環状のシールカバー730とが設置されている。これらの部材は、スタッドボルト601及びスクリュー602によって、互いに且つハウジング600に対して固定されている。シールケース700の内周側には、シールケース700に対して固定された、第1メカニカルシール200の固定環220と、第2メカニカルシール400の固定環420とが設けられている。詳細には、固定環220の外周面とシールケース700の内周面との間に、圧縮されたOリングが介在しており、更に、固定環220の外周に設けられた切欠き溝221に、シールケース700に設けられたノックピン701が嵌っている。このような構成により、固定環220は、シールケース700に対する変位がある程度許容された状態で、シールケース700に対して固定されている。同様に、固定環420も、固定環420の外周面とシールケース700の内周面との間に介在するOリングと、固定環420の外周に設けられた切欠き溝421に嵌っているノックピン702とによって、シールケース700に対する変位がある程度許容された状態で、シールケース700に対して固定されている。
シールケース700には、固定環220を下方側、すなわち、回転環210へ向かって付勢するスプリング703が設けられている。このような構成により、鉛直方向に対向している回転環210のシール端面211と、固定環220のシール端面222との間が密封されるため、回転軸500の回転時においても第1メカニカルシール200の密封機能が発揮される。また、シールケース700には、固定環420を上方側、すなわち、回転環410へ向かって付勢するスプリング704が設けられている。このような構成により、鉛直方向に対向している回転環410のシール端面411と、固定環420のシール端面422との間が密封されるため、回転軸500の回転時においても第2メカニカルシール400の密封機能が発揮される。
シールケース700は、第1メカニカルシール200及び第2メカニカルシール400の冷却や、両メカニカルシールのシール端面間を洗浄するためのクエンチング液が供給される供給通路710と、供給されたクエンチング液が排出されるドレイン通路711、712を備えている。なお、ドレイン通路711、712から排出されたクエンチング液は不図示の回収容器に回収される。ここで、供給通路710から供給されたクエンチング液は、第1メカニカルシール200及び第2メカニカルシール400によって密封された領域内に流入する。当該領域内に流入した後に、第2メカニカルシール400のシール端面411、422間から漏れ出たクエンチング液は、基本的にドレイン通路712から排出される。一方、当該領域内に流入した後に、第1メカニカルシール200のシール端面211、222間から漏れ出たクエンチング液は、基本的にドレイン通路711から排出される。ここで、第1メカニカルシール200のシール端面211、222間から漏れ出たクエンチング液が、密封領域である領域(B)に侵入することなく、確実にドレイン通路711から排出されるように、シールケース700の内周面には、回転環210の外周面との間の環状隙間を密封するためのオイルシール720が設置されている。
しかしながら、以上のように構成された密封構造100においても、第1メカニカルシ
ール200から漏れ出たクエンチング液が、更にオイルシール720からも漏れ出ることがある。そこで、密封構造100においては、第1メカニカルシール200のシール端面211、222間から漏れ出た後に、更にオイルシール720からも漏れ出たクエンチング液(以下、単に「漏出液体」ともいう。)を排出するための液体の排出構造を備える環状部材300が設けられている。
<液体の排出構造>
図1から図3を参照して、本発明の実施例に係る液体の排出構造について説明する。なお、図2は、本発明の実施例に係る液体の排出構造が設けられた環状部材の模式的な上面図である。また、図3は、実施例に係る環状部材に設けられた環状溝の模式的な断面図であって、環状溝に滴下した漏出液体の水位が側壁溝に達したときの状態を示している。なお、図3は、図2に示されるAA断面における切断面のみを示している。
環状部材300は、ステンレス鋼から形成されており、その上面には、上述のスタッドボルト601やスクリュー602が挿通されるボルト孔301が複数形成されている。環状部材300が備える、漏出液体を受けた後に排出する液体の排出構造310は、環状部材300の上面に設けられた環状溝320と、環状溝320の外周側側壁323に設けられた、環状溝320が受けた液体を排出する排出口330と、を備える。なお、排出口330は、詳細は後述する環状溝320の拡幅部340における外周側側壁323に設けられている。
環状溝320は、内周側側壁321に沿って設けられた内周側段差部322と、外周側側壁323に沿って設けられた外周側段差部324とを備えている。なお、外周側段差部324は、排出口330が形成された部分を除き、外周側側壁323のほぼ全周に亘って設けられている。そして、内周側段差部322の端縁322Aと外周側段差部324の端縁324Aは、略同じ高さの位置に設けられている(図3参照)。なお、ここでいう高さは、環状溝320の底面320Aからの高さである。このような高さに両端縁322A、324Aが設けられることにより、環状溝320に溜まった漏出液体の液面が両端縁322A、324Aに達している状態で、液面の両端縁322A、324A間の部分が、漏出液体の表面張力によって両端縁322A、324Aよりも高い位置まで上昇することができる。なお、内周側段差部322の上面322B、外周側段差部324の上面324B、及び環状溝320の底面320Aは、平坦且つ水平な面で構成されている。そして、内周側端縁322Aにおいて上面322Bと内周側段差部322の外周面とがなす角度は直角になっている。また、外周側端縁324Aにおいて上面324Bと外周側段差部324の内周面とがなす角度も直角になっている。なお、本実施例においては、図3に示されるように、内周側段差部322は、内周側側壁321に設けられた径方向内側に窪んだ側壁溝325の下方の部分として捉えることができる。また、同様に、外周側段差部324は、外周側側壁323に設けられた径方向外側に窪んだ側壁溝326の下方の部分として捉えることができる。
拡幅部340は、環状溝320に設けられた、径方向外側に部分的に拡幅した部分であって、環状溝320に1つ設けられている。本実施例に係る排出構造310においては、拡幅部340は、径方向外側へ弧を描く半月形状で構成されている。なお、拡幅部340は、図2において破線で示されるように、環状部材300の内部に形成されている。そして、排出口330は、拡幅部340における外周側側壁323の最も径方向外側の位置に1つ設けられている。なお、拡幅部340における外周側側壁323にも外周側段差部324は形成されている。また、環状部材300は、排出口330から径方向外側に延びるドレイン通路350を更に備えている。ドレイン通路350は、不図示のクエンチング液回収容器に連通している。
以上のように構成される、環状部材300に設けられた液体の排出構造310においては、回転軸500の回転時に供給通路710からクエンチング液が供給されると、そのうちの一部が、第1メカニカルシール200のシール端面211、222間から漏出した後に、更にオイルシール720からも漏出して、環状溝320に滴下することがある。環状溝320に滴下したクエンチング液(漏出液体)は、量が少ない間は、表面張力によって滴下した位置に留まって玉状に集まってしまうため、環状溝320内を流動しにくい。そして、漏出液体の量が徐々に増大して、環状溝320の広範囲(あるいは全周)が漏出液体によって満たされると、環状溝320内において漏出液体の水位が徐々に上昇する。ここで、排出口330の近傍に漏出液体が溜まった場合であっても、表面張力によって漏出液体が環状溝320内に留まってしまうことにより、排出口330から排出されないことがある。あるいは、漏出液体が環状溝320から拡幅部340に流入しないことがある。この場合には、漏出液体の水位が更に上昇し得る。
ただし、本実施例に係る排出構造310においては、両端縁322A、324Aは、環状溝320に溜まった漏出液体の液面が両端縁322A、324Aに達している状態で、液面の両端縁322A、324A間の部分が、漏出液体の表面張力によって両端縁322A、324Aよりも高い位置まで上昇するように、両端縁322A、324Aが略同じ高さの位置に設けられている。そのため、漏出液体の液面が上昇して液面が両端縁322A、324Aに達した後に、更に環状溝320に漏出液体が滴下したときには、図3に示されるように、液面Lが両端縁322A、324Aに達している状態のまま、液面Lの両端縁322A、324A間の部分が、表面張力によって両端縁322A、324Aよりも高い位置まで上昇することができる。このような状態にある液面Lは、表面張力の影響によって高さが更に上昇しにくい。そのため、液面Lが形成されているときに更に環状溝320に漏出液体が滴下すると、環状溝320内を周方向に流れる漏出液体の流れの発生が促される。これにより、排出口330からの漏出液体の排出が促進されるため、環状溝320内における漏出液体の水位の過度な上昇を抑制することが可能になる。つまり、環状溝320内における漏出液体の水位の上昇は、両端縁側壁溝322A、324Aが設けられていない場合よりも緩やかになる。
また、排出構造310によれば、環状溝320には径方向外側に部分的に拡幅した拡幅部340が設けられており、拡幅部340における外周側側壁323に排出口330が設けられている。これにより、環状溝320における拡幅されていない部分から拡幅部340に向かって漏出液体が流れやすくなる。その結果、環状溝320内の漏出液体が排出口330までより速やかに導かれるようになるため、環状溝320内の漏出液体の排出がより促進される。また、本実施例においては、拡幅部340は半月形状で構成されている。このように、拡幅部340における径方向に垂直な方向の幅が徐々に狭くなる構成(すなわち、拡幅部340を排出口330に向かう流路として見たときに、流入側が広く且つ排出側が狭くなる構成)とすることで、拡幅部340内の漏出液体を更に速やかに排出口330に導くことが可能になる。その結果、漏出液体の排出が更により促進される。
<本実施例の優れた点>
本実施例に係る液体の排出構造によれば、第1メカニカルシール200の下方に配置された環状溝320には、内周側段差部322の端縁322Aと外周側段差部324の端縁324Aとが略同じ高さの位置に設けられている。これにより、環状溝320内に溜まった漏出液体の液面が上昇したときには、液面が両端縁322A、324Aに達している状態のまま、液面の両端縁322A、324A間の部分が、表面張力によって両端縁322A、324Aよりも高い位置まで上昇することができる。その結果、更に環状溝320内に漏出液体が滴下したときには、環状溝320内を周方向に流れる漏出液体の流れの発生が促される。これにより、排出口330からの漏出液体の排出が促進されるため、環状溝320内における漏出液体の水位の過度な上昇を抑制することが可能になる。
また、本実施例に係る液体の排出構造によれば、環状溝320の拡幅部340における外周側側壁323に排出口330が設けられている。これにより、環状溝320に滴下した漏出液体の排出がより促進されるため、環状溝320における漏出液体の水位の過度な上昇を更に抑制することできる。
なお、本実施例は、第1メカニカルシール200と、第1メカニカルシール200の下方に同心的に配置された、排出構造310を備える環状部材300と、を備える密封構造としても捉えることもできる。この場合には、当該密封構造は、上述の排出構造が奏する優れた効果と同様の効果を奏することができる。
<変形例>
本発明に係る液体の排出構造の構成は、上述の実施例における構成に限られない。例えば、本発明に係る液体の排出構造の変形例としては、環状溝320に拡幅部340が設けられていない構成が挙げられる。つまり、図4に示されるように、変形例としての液体の排出構造810が設けられた環状部材800においては、環状溝320の幅は、排出口330が形成された位置を除いて概ね一定に形成されている。このような構成を備える排出構造810においても、内周側段差部322の端縁322Aと外周側段差部324の端縁324Aが設けられているため、排出口330からの漏出液体の排出が促進される。したがって、排出構造810においても、上述の排出構造310と同様に、環状溝320内における漏出液体の水位上昇は効果的に抑制される。また、第1メカニカルシール200と、第1メカニカルシール200の下方に同心的に配置された環状部材800と、を備える密封構造においても、同様の効果が奏される。
また、環状溝320の両側壁321、323の形状や、両段差部322、324の形状は、上述したものに限られない。例えば、図5に示すように、内周側側壁321に側壁溝325を設けずに、内周側段差部322よりも上方の側壁面を垂直に形成してもよい。外周側側壁323についても同様の形状とすることができる。また、例えば、図6に示すように、両段差部322、324のそれぞれと、環状溝320の底面320Aとの間に空間を設けてもよい。図6に示される構成においては、内周側段差部322は、内周側側壁321に設けられた、径方向外側に突出した部分として捉えることができる。同様に、外周側段差部324は、外周側側壁323に設けられた、径方向内側に突出した部分として捉えることができる。
また、両端縁322A、324Aの形状や設置高さは、上述したものに限られない。つまり、環状溝320に溜まった漏出液体の液面が両端縁322A、324Aに達している状態で、液面の両端縁322A、324A間の部分が、漏出液体の表面張力によって両端縁322A、324Aよりも高い位置まで上昇する限りにおいて、種々の形状や高さを採用することができる。例えば、内周側端縁322Aにおいて上面322Bと内周側段差部322の外周面とがなす角度は直角に限られない。つまり、このような液面が形成される限りにおいて、上面322Bと内周側段差部322の外周面とがなす角度が直角以外であってもよい。また、内周側端縁322Aが丸みを帯びていたり面取りされていたりしてもよい。外周側段差部324及び外周側端縁324Aについても同様である。なお、漏出液体の性質によっては、両端縁322A、324Aの設置位置が同一の高さでなくても、両端縁322A、324Aの設置位置の高さの差が僅かであれば、上述の液面は形成され得る。ゆえに、本発明において「両端縁が略同じ高さの位置に設けられている」というときには、両端縁が同一の高さに設けられている場合の他、両端縁が設けられた位置の高さに上述の液面が形成され得る程度の差がある場合も含む。また、拡幅部340の形状は、上述の実施例における半月形状に限られず、他の形状であってもよい。つまり、拡幅部340を排出口330に向かう流路として見たときに、流入側が広く且つ排出側が狭くなる形
状であれば、扇形等の他の形状であってもよい。また、上述の実施例においては、環状部材300はステンレス鋼から構成されるが、使用環境により、金属(合金)以外の材料を選定することができる。
また、上述の実施例においては、液体の排出構造310は、第1メカニカルシール200から密封領域側に漏れ出た後に滴下する液体を受けるように構成されているが、本発明に係る液体の排出構造の構成はこれに限られない。すなわち、本発明に係る液体の排出構造は、メカニカルシールから非密封領域側(例えば、大気側)に漏れ出た後に滴下する液体を排出するように構成することもできる。この場合には、排出構造によって排出される液体は、メカニカルシールによって密封される密封流体になる。このような構成においても、上述した実施例の有利な効果は同様に奏される。
100:密封構造
200:第1メカニカルシール、 210:回転環、 220:固定環
300:環状部材、 310:排出構造、 320:環状溝
321:内周側側壁、 322:内周側段差部、 322A:内周側端縁
323:外周側側壁、 324:外周側段差部、 324A:外周側端縁
330:排出口、 340:拡幅部
400:第2メカニカルシール、 410:回転環、 420:固定環
500:回転軸、 600:ハウジング、 700:シールケース
800:環状部材、 810:排出構造

Claims (4)

  1. 回転環と固定環とを備えるメカニカルシールの下方に同心的に配置される環状部材に設けられた、前記回転環と前記固定環のそれぞれのシール端面間から漏れ出た液体を受けた後に排出する液体の排出構造であって、
    前記環状部材の上面に設けられた、前記シール端面間から漏れ出て滴下する液体を受ける環状溝と、
    前記環状溝の外周側の側壁に設けられた、前記環状溝が受けた液体を排出する排出口と、
    を備える液体の排出構造において、
    前記環状溝は、内周側の側壁に沿って設けられた内周側段差部と、前記外周側の側壁に沿って設けられた外周側段差部とを備え、
    前記内周側段差部の端縁と前記外周側段差部の端縁は、前記環状溝に溜まった液体の液面が前記両端縁に達している状態で、前記液面の前記両端縁間の部分が、前記液体の表面張力によって前記両端縁よりも高い位置まで上昇するように、前記両端縁が略同じ高さの位置に設けられている、液体の排出構造。
  2. 前記環状溝には径方向外側に部分的に拡幅した拡幅部が設けられており、前記拡幅部における外周側の側壁に前記排出口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体の排出構造。
  3. 回転環と固定環とを備えるメカニカルシールと、
    前記メカニカルシールの下方に同心的に配置された環状部材と、
    を備える密封構造において、
    前記環状部材は、前記回転環と前記固定環のそれぞれのシール端面間から漏れ出た液体を受けた後に排出する液体の排出構造を備え、
    前記液体の排出構造は、
    前記環状部材の上面に設けられた、前記シール端面間から漏れ出て滴下する液体を受ける環状溝と、
    前記環状溝の外周側の側壁に設けられた、前記環状溝が受けた液体を排出する排出口と、
    を備え、
    前記環状溝は、内周側の側壁に沿って設けられた内周側段差部と、前記外周側の側壁に沿って設けられた外周側段差部とを備え、
    前記内周側段差部の端縁と前記外周側段差部の端縁は、前記環状溝に溜まった液体の液面が前記両端縁に達している状態で、前記液面の前記両端縁間の部分が、前記液体の表面張力によって前記両端縁よりも高い位置まで上昇するように、前記両端縁が略同じ高さの位置に設けられている、密封構造。
  4. 前記環状溝には径方向外側に部分的に拡幅した拡幅部が設けられており、前記拡幅部における外周側の側壁に前記排出口が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の密封構造。
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