JP2016089751A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の制御装置に関し、エンジン始動時に選択還元型NOx触媒内に水が吸着しているかどうかに関係なくリーン燃焼運転を許可するタイミングを適切に定められるようにすることを目的とする。【解決手段】排気通路14にSCR触媒38を備えてリーン燃焼運転を行う内燃機関10において、SCR触媒38に水が吸着している状態で内燃機関10が始動した場合には、SCR触媒38に水が吸着していない状態で内燃機関10が始動した場合と比べて、エンジン始動後にリーン燃焼運転を許可するタイミングを遅らせる。【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、排気通路に選択還元型NOx触媒を備えてリーン燃焼運転を行う内燃機関を制御する装置として好適な内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、選択還元型NOx触媒を備えてリーン燃焼運転を行う内燃機関の排気浄化システムが開示されている。選択還元型NOx触媒の温度が活性温度よりも低い場合には、それが活性温度よりも高い場合と比べて、NOx浄化性能が低下する。そこで、この排気浄化システムは、選択還元型NOx触媒の温度が活性温度よりも低い場合には、それが活性温度よりも高い場合と比べて、空燃比が積極的に理論空燃比に切り替わるように構成されている。
特開2013−249779号公報
選択還元型NOx触媒(ここでは、「SCR触媒」とも称する)を備えることにより、リーン燃焼運転時にNOxの排出抑制を図ることができる。エンジン始動後にNOxの排出抑制に配慮しつつリーン燃焼運転を開始できるようにするためには、SCR触媒の温度(床温)が活性温度に到達するタイミングを正確に把握しつつリーン燃焼運転を許可するタイミングを決定することが重要である。しかしながら、現実には、オンボードでSCR触媒の床温を直接計測するセンシング手法を構築することは難しい。このため、床温が活性温度に到達したか否かの判断は、SCR触媒に流入する排気ガスの温度、もしくはSCR触媒から流出した排気ガスの温度を利用して行うことが一般的である。また、上記の判断は、SCR触媒の床温の推定値を利用して行うことも考えられる。
その一方で、本発明者らの鋭意研究により、エンジン始動時にSCR触媒内に水(HO)が吸着しているか否かに応じて、SCR触媒の床温が活性温度に向けて上昇していく暖機過程における床温の上がり方が変化することが分かった。このことが考慮されていないと、暖機過程でのSCR触媒の床温の挙動を適切に把握することは難しく、また、SCR触媒に対して流入出する排気ガスの温度を利用して床温が活性温度に到達したか否かを判断することも難しくなる。その結果、エンジン始動時にSCR触媒内に水が吸着しているかどうかに関係なくリーン燃焼運転を許可するタイミングを適切に決定することが難しくなる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、エンジン始動時に選択還元型NOx触媒内に水が吸着しているかどうかに関係なくリーン燃焼運転を許可するタイミングを適切に定められるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、排気通路に選択還元型NOx触媒を備え、理論空燃比よりも大きな空燃比にてリーン燃焼運転が行われる内燃機関を制御するものである。内燃機関の制御装置は、リーン運転制御手段を備える。リーン運転制御手段は、前記選択還元型NOx触媒に水が吸着している状態で前記内燃機関が始動した場合には、前記選択還元型NOx触媒に水が吸着していない状態で前記内燃機関が始動した場合と比べて、エンジン始動後にリーン燃焼運転を許可するタイミングを遅らせるリーン運転制御を行う。
前記リーン運転制御手段は、前記選択還元型NOx触媒の温度が、当該選択還元型NOx触媒が活性している所定温度以上である状態で前記内燃機関の前回の運転が停止されていた場合には、前記選択還元型NOx触媒に水が吸着していない状態で前記内燃機関が今回始動したと判断し、前記選択還元型NOx触媒の温度が前記所定温度未満である状態で前記内燃機関の前回の運転が停止されていた場合には、前記選択還元型NOx触媒に水が吸着している状態で前記内燃機関が今回始動したと判断するものであってもよい。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記選択還元型NOx触媒から流出した排気ガスの温度である触媒流出ガス温度を計測する排気ガス温度センサをさらに備えるものであってもよい。
前記リーン運転制御は、エンジン始動後の触媒流出ガス温度が第1所定値未満の温度で推移しつつ前記選択還元型NOx触媒の温度が停滞する温度停滞期間が完了する場合には、エンジン始動後の触媒流出ガス温度が前記第1所定値以上になった後に前記温度停滞期間が完了する場合と比べて、エンジン始動後にリーン燃焼運転を許可するタイミングを遅らせるものであってもよい。
前記第1所定値は、前記選択還元型NOx触媒に水が吸着していない状態で前記内燃機関が始動した場合における前記温度停滞期間中の前記選択還元型NOx触媒の温度と、前記選択還元型NOx触媒に水が吸着している状態で前記内燃機関が始動した場合における前記温度停滞期間中の前記選択還元型NOx触媒の温度との間に位置する温度であることが好ましい。
前記リーン運転制御は、エンジン始動直後の触媒流出ガス温度が第2所定値よりも高い場合には、エンジン始動後の触媒流出ガス温度が前記第1所定値以上になった後に前記温度停滞期間が完了する場合と比べて、エンジン始動後にリーン燃焼運転を許可するタイミングを早める制御を含むものであってもよい。
前記第2所定値は、前記選択還元型NOx触媒にて吸着と脱離とが生じない温度の下限値に所定の余裕代を持たせた値であることが好ましい。
前記第2所定値は、100℃以上150℃以下であることが好ましい。
前記第1所定値は、50℃以上100℃以下であることが好ましい。
選択還元型NOx触媒に水が吸着している状態で内燃機関が始動した場合には、選択還元型NOx触媒に水が吸着していない状態で内燃機関が始動した場合と比べて、選択還元型NOx触媒への水の吸着に伴う発熱反応が減少するため、暖機過程において選択還元型NOx触媒の温度が活性温度に到達するまでに要する時間が長くなる。本発明によれば、選択還元型NOx触媒に水が吸着している状態で内燃機関が始動した場合には、選択還元型NOx触媒に水が吸着していない状態で内燃機関が始動した場合と比べて、エンジン始動後にリーン燃焼運転を許可するタイミングが遅延される。これにより、エンジン始動時に選択還元型NOx触媒内に水が吸着しているかどうかに関係なくリーン燃焼運転を許可するタイミングを適切に定められるようになる。
本発明の実施の形態1に係る内燃機関のシステム構成を概略的に説明するための図である。 SCR触媒の床温が活性温度に向けて上昇していく暖機過程の動作を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2においてリーン運転許可時間として用いられる所定値CおよびDの設定を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3において温度停滞完了判定値として用いられる所定値EおよびFの設定を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3および4において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3の変形例において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態4に係る内燃機関のシステム構成を概略的に説明するための図である。 本発明の実施の形態4のリーン運転制御の特徴を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施の形態4において用いられる温度停滞完了判定値とSCR流出ガス温度との関係をまとめた図である。 本発明の実施の形態4において実行されるルーチンのフローチャートである。 SCR流出ガス温度に基づく温度停滞完了判定値の設定手法の変形例を説明するための図である。
実施の形態1.
まず、図1〜図4を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。
[実施の形態1のシステムの構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る内燃機関10のシステム構成を概略的に説明するための図である。図1に示す内燃機関10は、火花点火式エンジン(一例として、ガソリンエンジン)であり、車両に搭載され、その動力源とされているものとする。内燃機関10は、理論空燃比よりも大きな(リーンな)空燃比にて運転が可能なリーンバーンエンジンである。ここでは、過給エンジンである内燃機関10を例示しているが、本発明の対象となるリーンバーンエンジンは、自然吸気エンジンであってもよい。
内燃機関10の各気筒には、吸気通路12および排気通路14が連通している。吸気通路12の入口付近には、エアクリーナ16が設けられている。エアクリーナ16には、吸気通路12に取り入れられた空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ18が設けられている。エアクリーナ16よりも下流側の吸気通路12には、ターボ過給機20のコンプレッサ20aが配置されている。コンプレッサ20aよりも下流側の吸気通路12には、吸気通路12を開閉する電子制御式のスロットルバルブ22が配置されている。
各気筒には、燃焼室24内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁26と、燃焼室24内の混合気に点火するための点火プラグ28とが備えられている。燃焼室24内に燃料を供給する燃料噴射弁としては、燃料噴射弁26に代え、あるいはそれとともに各吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁が用いられていてもよい。
排気通路14には、タービン20bをバイパスする排気バイパス通路30が接続されている。排気バイパス通路30には、電子制御式のウェイストゲートバルブ(WGV)32が配置されている。タービン20bよりも上流側の排気通路14には、排気ガスを浄化するための各種触媒が配置されている。ここでは、一例として、排気ガスの上流側から順に、三元触媒34、吸蔵還元型NOx触媒(以下、「NSR触媒」と称する)36および選択還元型NOx触媒(以下、「SCR触媒」と称する)38が備えられている。NSR触媒36よりも下流側であってSCR触媒38よりも上流側の排気通路14には、SCR触媒38に流入する排気ガスの温度(以下、「SCR流入ガス温度」と称する)を検出する排気温度センサ40が配置されている。
SCR触媒38は、例えば、鉄(Fe)などの金属を担持したゼオライト系触媒として構成することができる。SCR触媒38は、リッチ雰囲気下で三元触媒34およびNSR触媒36において生成されたアンモニア(NH)を吸着し、リーン雰囲気下では、吸着したNHを還元剤として用いて排気ガス中のNOxを選択的に還元する機能を有している。本明細書においてリーン雰囲気とは、理論空燃比の混合気の燃焼により得られる排気ガスの酸素濃度よりも高い酸素濃度の雰囲気を意味し、リッチ雰囲気とは、理論空燃比の混合気の燃焼により得られる排気ガスの酸素濃度よりも低い酸素濃度の雰囲気を意味する。なお、本発明の対象となる排気浄化触媒の構成は、SCR触媒を備えて当該SCR触媒にNHが供給されるようになっていれば、上述の構成に限られない。
さらに、本実施形態のシステムは、内燃機関10を制御する制御装置として、ECU(Electronic Control Unit)50と、下記の各種アクチュエータを駆動するための駆動回路(図示省略)などを備えている。ECU50は、少なくとも入出力インターフェースとメモリと演算処理装置(CPU)とを備え、内燃機関10のシステム全体の制御を行うものである。入出力インターフェースは、内燃機関10もしくはこれを搭載する車両に取り付けられた各種センサからセンサ信号を取り込むとともに、内燃機関10が備える各種アクチュエータに対して操作信号を出力するために設けられている。ECU50が信号を取り込むセンサには、上述したエアフローメータ18および排気温度センサ40に加え、クランク角度を検出するためのクランク角センサ52、および、エンジン冷却水温度を検出する水温センサ54等のエンジン運転状態を取得するための各種センサが含まれる。上記センサには、車両の運転者が車両システムの起動およびその停止を行うためのイグニッションスイッチ(IGスイッチ)56、および、車両のアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するためのアクセルポジションセンサ58も含まれる。ECU50が操作信号を出すアクチュエータには、上述したスロットルバルブ22、燃料噴射弁26、点火プラグ28を利用する点火装置(図示省略)、およびWGV32等のエンジン運転を制御するための各種アクチュエータが含まれる。メモリには、内燃機関10を制御するための各種の制御プログラムおよびマップ等が記憶されている。CPUは、制御プログラム等をメモリから読み出して実行し、取り込んだセンサ信号に基づいて各種アクチュエータの操作信号を生成する。
具体的には、ECU50は、まず、アクセルポジションセンサ58によって計測されるアクセルペダルの踏み込み量に応じて内燃機関10の要求トルクを算出する。そして、要求トルクと、クランク角センサ52が出力する信号から計算される現在のエンジン回転速度とで規定されるエンジン運転領域に基づいて内燃機関10の運転モードを決定し、決定した運転モードに従って各アクチュエータを操作する。ECU50によって選択される内燃機関10の運転モードには、筒内空燃比を理論空燃比に制御して運転するストイキ燃焼運転モードと、筒内空燃比を理論空燃比よりも大きな(燃料リーンな)空燃比に制御して運転するリーン燃焼運転モードとが含まれる。
[実施の形態1のシステムの動作]
(SCR触媒での水の吸着と脱離)
多孔性構造を有するSCR触媒38は、NHだけでなく、排気ガス中に含まれる水(HO)をも吸着する特性を有している。より具体的には、SCR触媒38は、その温度(床温)が活性温度以上になっているときにはNHを有効に吸着する一方で、床温が活性温度未満であるときには水を吸着し易いという特性を有している。水がSCR触媒38に吸着すると発熱反応が生じ、逆に、吸着していた水がSCR触媒38から脱離(脱着)すると吸熱反応が生じる。
次に、SCR触媒38の床温が活性温度に向けて上昇していく暖機過程におけるSCR触媒38での水の吸着と脱離について説明する。床温が所定温度(約50℃)以下であるときには、水がSCR触媒38に吸着する。その結果、実験結果によれば、SCR流入ガス温度に対して床温が25〜50℃程度上昇する。ただし、SCR触媒38が水を吸着できる量には上限があるため、水の吸着量が上限に到達すると水の吸着は行われなくなる。その一方で、床温が上記所定温度以下であるときには、水の脱離は生じない。当該所定温度は、SCR触媒38の組成(より具体的には、SCR触媒38が備えるゼオライトの量、または、SCR触媒38に担持された金属の種類もしくは量等)に応じて変化する。
SCR触媒38の床温が上記所定温度を超えると、SCR触媒38に水が吸着していた場合にはその水の脱離が発生する。したがって、上記所定温度は、SCR触媒38からの水の脱離の開始温度であるといえる。そして、水の脱離に伴う吸熱反応によって、SCR流入ガス温度の上昇の影響を受けずに床温がほぼ一定値を示す温度停滞が発生する。実験結果によれば、この温度停滞が生じたときの床温は、約50〜120℃の温度範囲内の値となる。より具体的には、温度停滞が生じたときの床温は、SCR触媒38に水が吸着する速度とSCR触媒38から水が脱離する速度とのバランスによって上記温度範囲内の値として定まる。例えば、この温度停滞期間中に水の吸着と脱離とが並行して行われている場合には床温が高くなり、一方、温度停滞期間中に新たな水の吸着がない場合には床温が低くなる。また、温度停滞が生じたときの床温、および温度停滞期間の長短は、SCR触媒38の組成(ゼオライトの量など)によっても異なる。
SCR触媒38の床温が常用温度域(約200℃である活性温度よりも高い温度域)では、水の吸着と脱離とによる発熱反応と吸熱反応はほとんど生じない。
(SCR触媒の活性判定に伴うリーン燃焼運転の許可に関する課題)
エンジン始動後にNOxの排出抑制に配慮しつつリーン燃焼運転を開始できるようにするためには、SCR触媒の床温が活性温度に到達するタイミングを正確に把握しつつリーン燃焼運転を許可するタイミングを決定することが重要である。しかしながら、現実には、オンボードでSCR触媒の床温を直接計測するセンシング手法を構築することは難しい。このため、床温が活性温度に到達したか否かの判断は、SCR流入ガス温度、もしくはSCR触媒から流出した排気ガスの温度(以下、「SCR流出ガス温度」と称する)を利用して行うことが一般的である。また、上記の判断は、SCR触媒の床温の推定値が活性温度に到達したか否かに基づいて行うことも考えられる。
上述のように、暖機過程におけるSCR触媒38の床温は、SCR触媒38での水の吸着と脱離の影響を受ける。その結果、SCR流入ガス温度がSCR触媒38の活性温度よりも十分に高くなっていても、床温は温度停滞期間での一定値を示す状況があり得る。このような状況下では、SCR流入ガス温度に基づいてSCR触媒38の活性判断を行うことは難しい。また、SCR触媒38での吸熱反応は、水の脱離が完了するまで継続するものであり、水の脱離完了は、SCR触媒38の上流側の部位から下流側の部位に向けて進行していく。その結果、SCR触媒38の中央付近の部位では脱離完了に伴って既に温度が上昇していても、SCR触媒38の下流側の部位では未だ温度停滞期間の温度を保っているためにSCR流出温度も温度停滞期間の温度と同程度の温度となっている状況があり得る。このような状況下では、SCR流出ガス温度に基づいてSCR触媒38の活性判断を行うことは難しい。また、床温の推定値を利用する場合であっても、利用する推定手法が温度停滞を考慮したものとなっていないと、SCR触媒38の活性判断を適切に行うことは難しい。以上のことから、SCR触媒38での水の吸着と脱離が床温に与える影響が考慮されていないと、暖機過程における床温の挙動を適切に把握することは難しく、その結果、エンジン始動時にSCR触媒38に水が吸着しているかどうかに関係なくリーン燃焼運転を許可するタイミングを適切に決定することは難しくなる。
(実施の形態1におけるリーン運転制御の概要)
本発明者らの鋭意研究により、エンジン始動時にSCR触媒38に水が吸着しているか否かに応じて、SCR触媒38の床温が活性温度に向けて上昇していく暖機過程での床温の上がり方が変化することが分かった。以下、図2を参照して、より詳細に説明する。なお、ここでいう「エンジン始動時」とは、IGスイッチ56のONに伴う車両の新たなトリップの開始(車両システムの起動)に伴ってエンジン始動が行われた時のことである。アイドリングストップ制御によるエンジン自動停止に伴うエンジン再始動時は、上記のエンジン始動時には含まれない。
図2は、SCR触媒38の床温が活性温度に向けて上昇していく暖機過程の動作を説明するためのタイムチャートである。図2は、同一条件の下で、SCR触媒38に水が吸着していない状態で内燃機関10が始動した場合(以下、「ケース1」と称する)の動作と、SCR触媒38に水が吸着している状態で内燃機関10が始動した場合(以下、「ケース2」と称する)の動作とを比較して表した図である。ここでいう同一条件とは、始動時の機関温度(エンジン水温および油温等)が同じで、かつ、使用される内燃機関10の運転パターンが同じとなる条件のことである。図2中に示す車速の波形は運転パターンの一例に相当する。図2中に示すSCR触媒38の床温の波形は、SCR触媒38の前後方向および径方向の中心の温度の波形である。さらに付け加えると、図2は、常温(図2では、一例として25℃)からの始動、つまり、始動後にSCR触媒38で温度停滞が生じる温度範囲(約50〜120℃)よりも低い温度からの始動に関する動作を示している。
図2に示すように、ケース1とケース2とでは、暖機過程における床温の挙動が異なり、これに伴い、SCR流出ガス温度の挙動も異なっている。SCR流入ガス温度は、SCR触媒38での水の吸着と脱離の影響を受けないので、ケース1とケース2との違いによる差は生じない。
まず、ケース1は、SCR触媒38に水が吸着していない状態で始動が行われたものであるため、始動後の時間経過とともにSCR触媒38への水の吸着量がゼロから増えていき、水の吸着に伴う発熱反応によって床温が上昇していく。床温の上昇に伴ってSCR触媒38の上流側の部位から水の脱離が開始し、脱離に伴う吸熱反応によって温度停滞期間が到来する。温度停滞期間中には、水の吸着量と脱離量とがバランスすることで水の吸着量が一定値を示す。一方、温度停滞期間中にSCR流入ガス温度が床温よりも高くなると、SCR触媒38に流入する排気ガスからSCR触媒38に対して熱エネルギが投入され始める。積算投入エネルギの増加に伴って脱離量が吸着量を上回ると、吸着量が減少し始める。吸着量がゼロに近づくと(つまり、脱離がほとんど完了すると)、吸熱反応がほとんど生じなくなる。その結果、温度停滞期間が終了し、投入エネルギによって床温が活性温度に向けて再び上昇し始める。SCR流出ガス温度は、床温の上昇に遅れて上昇し始める。なお、図2中に示す活性判定温度(一例として200℃)は、本実施形態の制御では使用されずに、実施の形態3の制御で用いられるものである。
一方、ケース2のように、SCR触媒38に水が吸着している状態で始動が行われた場合には、今回の始動時にSCR触媒38に吸着される水の量が減少する。その結果、始動後の初期に水の吸着による発熱反応が生じにくくなる。その結果、発熱反応によってSCR触媒38に与えられる熱量が少なくなるため、図2に示すように、ケース2では、ケース1と比べて、温度停滞が生じたときの床温が低くなるとともに、温度停滞の解消のためにより多くの時間を要することとなる。なお、ケース2を説明する上記の例は、SCR触媒38に水を吸着可能な部位が残されていた状態で今回の始動が行われた例を示している。この例よりも多くの水がSCR触媒38に吸着している状態、例えば、仮にSCR触媒38の水の吸着量が飽和している状態で始動が行われた場合には、今回の始動時にSCR触媒38に水を吸着できなくなるため、吸着に伴う発熱反応は生じなくなる。その結果、この例では、上記の例と比べて、温度停滞が生じたときの床温がより低くなるとともに、温度停滞期間がより長くなる。
以上説明したように、ケース2では、車両の前回のトリップにおけるエンジン運転中にSCR触媒38に吸着していた水の存在によって、吸着に伴う発熱が今回の始動後にケース1と比べて生じにくくなり、もしくは生じなくなる。その結果、ケース2では、ケース1と比べて温度停滞期間が長くなる。このため、ケース2では、ケース1と比べてSCR触媒38が活性温度に到達するまでに要する時間が長くなる。この点に鑑みると、エンジン始動時のSCR触媒38に水が吸着しているか否かを考慮することなくリーン燃焼運転を許可するタイミングを一律に設定することは適切とはいえない。
そこで、本実施形態では、SCR触媒38に水が吸着している状態で始動した場合には、SCR触媒38に水が吸着していない状態で始動した場合と比べて、リーン燃焼運転を許可するタイミング(以下、単に「リーン運転許可タイミング」と略することがある)を長くすることとした。
より具体的には、前回のトリップ中(車両システムの前回の起動中)にSCR触媒38の床温が、当該SCR触媒38が活性している所定温度(所定の活性判定温度)以上に到達した状態(すなわち、SCR触媒38が完全に暖機している状態)でIGスイッチ56に伴う内燃機関10の運転停止がなされた場合には、SCR触媒38での水の脱離が完了した状態にあり、このため、SCR触媒38に水は吸着していないと判断することができる。そして、SCR触媒38での水の吸着と脱離は、SCR触媒38にガスの流れがない限り生じない。このため、前回のトリップ終了時に内燃機関10の運転を停止してから次回のトリップ開始時に内燃機関10を始動するまでの期間(ソーク期間)中には、SCR触媒38の雰囲気の温度および湿度が変化したとしても、その変化は水の吸着と脱離にほとんど影響を与えない。したがって、前回のトリップ終了時に内燃機関10の運転が停止したときにSCR触媒38に水が吸着していないと判断できる場合であれば、次回のトリップ開始に伴って内燃機関10が始動するときにもSCR触媒38に水が吸着していないと判断することができる。なお、ここでいうSCR触媒38に水が吸着していない状態とは、水の分子が1つも吸着していないという程度で完全に水が存在していないことまでを要求するものではなく、SCR触媒38に水が実質的に吸着していない状態となっていることを意味する。
一方、前回のトリップ中にSCR触媒38の床温が活性判定温度に到達していない状態でIGスイッチ56に伴う内燃機関10の運転停止がなされた場合については、本実施形態では、SCR触媒38には(より厳密には、SCR触媒38の少なくとも一部には)水が吸着していると判断することとした。そして、既述したように、ソーク期間中には、SCR触媒38の雰囲気の温度および湿度が変化したとしても、その変化は水の吸着と脱離にほとんど影響を与えない。したがって、前回のトリップ終了時に内燃機関10の運転が停止したときにSCR触媒38に水が吸着していると判断できる場合であれば、次回のトリップ開始に伴って内燃機関10が始動するときにもSCR触媒38に水が吸着していると判断することができる。なお、以下の明細書中においては、前回のトリップ中にSCR触媒38の床温が活性判定温度に到達していない状態、すなわち、SCR触媒38の暖機が未完了な状態のことを、「半暖機状態」と称する。
本実施形態では、前提として、始動時点からの経過時間が所定のリーン運転許可時間に到達した時にリーン燃焼運転を許可するという手法を採用している。このように、リーン運転許可時間とは、エンジン始動後にリーン燃焼運転の実行を許可するリーン許可タイミングを決定するために用いられる時間である。本実施形態では、前回のトリップ終了時のSCR触媒38の床温が活性判定温度以上か否かを判定し、その判定結果(すなわち、SCR触媒38が完全暖機状態にあるか或いは半暖機状態にあるかの判定結果)をECU50に記憶させておくこととした。そのうえで、新たなトリップ開始に伴って内燃機関10が始動する際に、前回のトリップ終了時のSCR触媒38の暖機状態の記憶情報を読み出すようにした。そして、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が完全暖機状態であった場合に用いるリーン運転許可時間を、SCR触媒38が半暖機状態であった場合に用いる値と比べて短くすることとした。
(実施の形態1における具体的処理)
図3は、リーン運転許可時間を決定するためにECU50が実行するルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンの処理は、車両の新たなトリップの開始に伴うエンジン始動時に1回だけ起動されて実行されるものである。
図3に示すルーチンでは、ECU50は、まず、ステップ100において、前回のトリップ終了に伴うエンジン停止時にSCR触媒38が完全暖機状態であったか或いは半暖機状態であったかを判定する。上述のように、本判定は、上記エンジン停止時にSCR触媒38の床温が所定の活性判定温度(例えば、200℃)に到達していたか否かに基づいて判断することができる。ECU50のメモリには、前回のトリップ終了時に行った暖機状態の判断結果がフラグとして記憶されている。本ステップ100では、そのようなフラグを参照した判定が行われる。SCR触媒38の床温の推定値TSCRは、一例として、次の数1の式を利用して、SCR流入ガス温度TINの一次遅れで算出することができる。
Figure 2016089751
ただし、上記の式において、符号(i)が付された値は今回値であり、符号(i−1)が付された値は前回値である。Kは、重み付け係数である。SCR触媒38に流入する排気ガスの流量が多いほど、SCR流入ガス温度の変化がより早く床温に反映されるようになる。このため、重み付け係数Kは、この排気ガスの流量に応じて可変にすることが好ましい。そこで、本実施形態では、重み付け係数Kは、この排気ガスの流量に比例する吸入空気量との関係で重み付け係数Kを定めたマップ(図示省略)を利用して算出されるようになっている。なお、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が完全暖機状態にあったか或いは半暖機状態にあったかの判断は、推定床温を利用した上記の手法に限らず、例えば、前回のトリップ終了時の機関温度(エンジン水温もしくはエンジン油温など)が所定の判定値以上であったか否かに基づいて行われてもよい。
ステップ100において前回のトリップ終了時にSCR触媒38が完全暖機状態であったと判定した場合には、ECU50は、ステップ102に進み、リーン許可タイミングの決定のために用いるリーン運転許可時間として所定値Aを選択する。所定値Aは、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が完全暖機状態であった状況下において今回のトリップにてSCR触媒38の床温が活性判定温度に到達するタイミングを判断するための始動時点からの経過時間として、事前に実験等によって決定された値である(図2参照)。この所定値Aおよび下記の所定値Bは、SCR触媒38の暖機過程での内燃機関10の運転パターンによらずに一律に使用される固定値である。
一方、ステップ100において前回のトリップ終了時にSCR触媒38が半暖機状態であったと判定した場合には、ECU50は、ステップ104に進み、リーン運転許可時間として所定値Bを選択する。所定値Bは、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が半暖機状態であった状況下において今回のトリップにてSCR触媒38の床温が活性判定温度に到達するタイミングを判断するための始動時点からの経過時間として、事前に実験等によって決定された値であり、上記所定値Aよりも長い時間として決定されている(図2参照)。
図4は、リーン運転許可タイミングを決定するためにECU50が実行するルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは新たなトリップの開始に伴うエンジン始動時に図3に示すルーチンの実行直後に起動される。本ルーチンの処理は、リーン運転許可フラグがONとされる時(リーン運転許可タイミング)が到来するまで、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
図4に示すルーチンでは、ECU50は、まず、ステップ200において、エンジン始動時点からの経過時間がリーン運転許可時間に到達したか否かを判定する。本ステップ200において使用されるリーン運転許可時間は、図3に示すルーチンの処理によって決定された所定値AもしくはBである。
ステップ200の判定が不成立となる間は、ECU50は、ステップ202に進み、リーン運転許可フラグをOFFに設定する。一方、ステップ200の判定が成立した場合には、ECU50は、ステップ204に進み、リーン運転許可フラグをONに設定する。
SCR触媒38に水が吸着している状態で始動したことに起因するSCR触媒38の活性化の遅れを認識せずにリーン運転許可タイミングが上記所定値Aを利用して一律に設定されていた場合には、SCR触媒38に水が吸着している状態で始動したときに、SCR触媒38が活性化する前にリーン燃焼運転が開始されることになる。このことは、NOx排出量の増加に繋がる。逆に、SCR触媒38に水が吸着している状態での始動にて床温が活性判定温度に到達するまでに要する時間(上記所定値B)を利用してリーン運転許可タイミングが一律に設定されていた場合には、SCR触媒38に水が吸着していない状態で始動したときに、SCR触媒38は既に活性化しているにもかかわらず、リーン燃焼運転の開始が遅れてしまうことになる。このことは、リーン燃焼運転の利用による燃費向上の観点で改善の余地を残す結果となる。
これに対し、以上説明した図3および図4に示すルーチンの処理によれば、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が半暖機状態にあった場合(すなわち、今回のトリップでのエンジン始動時にSCR触媒38に水が吸着していると判断できる場合)には、SCR触媒38が完全暖機状態にあった場合(すなわち、SCR触媒38に水が吸着していないと判断できる場合)と比べて、リーン運転許可タイミングが遅延されるようになる。これにより、エンジン始動時にSCR触媒38に水が吸着しているか否かに応じてSCR触媒38の床温の上がり方が異なる点を考慮して、リーン運転許可タイミングを適切に設定できるようになる。その結果、NOxの排出抑制に配慮しつつリーン燃焼運転による燃費向上を図ることができる。
なお、上述した実施の形態1においては、ECU50が図3および図4に示すルーチンの一連の処理を実行することにより本発明における「リーン運転制御手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図5〜図7を新たに参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
実施の形態2のシステム構成は、図1を参照して既述した実施の形態1のシステム構成と同じであるものとする。
[実施の形態2のシステムの動作]
(実施の形態2におけるリーン運転制御の概要)
図5は、本発明の実施の形態2においてリーン運転許可時間として用いられる所定値CおよびDの設定を説明するためのタイムチャートである。図5に示す各動作の例自体は、図2に示したものと同じである。
上述した実施の形態1においては、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が半暖機状態であったか或いは完全暖機状態であったかに応じて(すなわち、今回のトリップ開始に伴うエンジン始動時にSCR触媒38に水が吸着しているか否かに応じて)、エンジン始動時点を起点とするリーン運転許可時間を変更することとしている。これに対し、本実施形態では、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が半暖機状態であったか或いは完全暖機状態であったかに応じて、SCR流入ガス温度がSCR触媒38の活性判定温度に到達した時点を起点とするリーン運転許可時間を変更することを特徴としている。より具体的には、図5に示すように、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が半暖機状態であった場合にリーン運転許可時間として用いる所定値Dは、SCR触媒38が完全暖機状態であった場合にリーン運転許可時間として用いる所定値Cと比べて大きくなるように設定されている。
(実施の形態2における具体的処理)
図6は、リーン運転許可時間を決定するためにECU50が実行するルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンの起動条件は、図3に示すルーチンと同様である。
図6に示すルーチンでは、ECU50は、ステップ100において前回のトリップ終了時にSCR触媒38が完全暖機状態であったと判定した場合には、ステップ300に進む。ステップ300では、ECU50は、リーン許可タイミングの決定のために用いるリーン運転許可時間として所定値Cを選択する。所定値Cは、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が完全暖機状態であった状況下において今回のトリップでのエンジン始動後にSCR流入ガス温度がSCR触媒38の活性判定温度に到達した時点からSCR触媒38の床温が当該活性判定温度に到達するタイミングを判断するための上記時点からの経過時間として、事前に実験等によって決定された値である(図5参照)。この所定値Cおよび下記の所定値Dは、SCR触媒38の暖機過程での内燃機関10の運転パターンによらずに一律に使用される固定値である。
一方、ステップ100において前回のトリップ終了時にSCR触媒38が半暖機状態であったと判定した場合には、ECU50は、ステップ302に進み、リーン運転許可時間として所定値Dを選択する。所定値Dは、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が半暖機状態であった状況下において今回のトリップでのエンジン始動後にSCR流入ガス温度が上記活性判定温度に到達した時点からSCR触媒38の床温が当該活性判定温度に到達するタイミングを判断するための上記時点からの経過時間として、事前に実験等によって決定された値であり、上記所定値Cよりも長い時間として決定されている(図5参照)。
図7は、リーン運転許可タイミングを決定するためにECU50が実行するルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンの起動条件は、図4に示すルーチンと同様である。
図7に示すルーチンでは、ECU50は、まず、ステップ400において、排気温度センサ40を用いて計測されるSCR流入ガス温度がSCR触媒38の活性判定温度に到達したか否かを判定する。その結果、本判定が不成立となる間は、ECU50は、ステップ202に進み、リーン運転許可フラグをOFFに設定する。
一方、ステップ400の判定が成立した場合には、ECU50は、ステップ402に進み、SCR流入ガス温度が活性判定温度に到達した時点からの経過時間がリーン運転許可時間に到達したか否かを判定する。本ステップ400において使用されるリーン運転許可時間は、図6に示すルーチンの処理によって決定された所定値CもしくはDである。
ステップ402の判定が不成立となる間は、ECU50は、ステップ202に進み、リーン運転許可フラグをOFFに設定する。一方、ステップ402の判定が成立した場合には、ECU50は、ステップ204に進み、リーン運転許可フラグをONに設定する。
以上説明した図6および図7に示すルーチンの処理によっても、実施の形態1の処理と同様に、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が半暖機状態にあった場合には、SCR触媒38が完全暖機状態にあった場合と比べて、リーン運転許可タイミングが遅延されるようになる。これにより、基本的に実施の形態1と同様の効果を奏することができる。そのうえで、本実施形態では、SCR流入ガス温度を起点としてリーン運転許可時間が設けられていることで、次のような効果が得られる。すなわち、実施の形態1の手法によれば、エンジン始動時点を起点としているため、暖機過程での運転パターンの違いによってSCR流入ガス温度の上がり方が変化すること(つまり、SCR触媒38への熱量の与えられ方が変化すること)に伴って床温の上がり方が変化することを考慮して、リーン運転許可時間に余裕を持たせる必要がある。これに対し、本実施形態の手法によれば、暖機過程での運転パターンの違いによるSCR流入ガス温度の上がり方の変化の影響を受けずに、リーン運転許可時間を実施の形態1と比べてより適切に設定できるようになる。具体的には、例えば、始動後のSCR流入ガス温度の上昇が早い運転がなされた場合には、SCR触媒38が活性判定温度に到達するタイミングが早くなる。この場合にも、実施の形態1の手法だとリーン運転許可タイミングは変化しないが、本実施形態の手法によれば、SCR流入ガス温度の早期上昇に伴ってリーン運転許可タイミングが早くなる。その結果、リーン燃焼運転の実施が早められるので燃費向上機会を増やすことができる。
なお、上述した実施の形態2においては、ECU50が図6および図7に示すルーチンの一連の処理を実行することにより本発明における「リーン運転制御手段」が実現されている。
実施の形態3.
次に、図8〜図10を新たに参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
実施の形態3のシステム構成も、図1を参照して既述した実施の形態1のシステム構成と同じであるものとする。
[実施の形態3のシステムの動作]
(実施の形態3におけるリーン運転制御の概要)
実施の形態3の制御は、SCR流入ガス温度に基づく床温の推定値が活性判定温度に到達したときにリーン燃焼運転を許可することを前提としている。そのうえで、SCR流入ガスからSCR触媒38に投入される熱量の積算値である積算投入エネルギが所定の温度停滞完了判定値に到達するまでの期間は、温度停滞期間であるとしてみなし、この期間中の床温の推定値は、事前に決定された一定値を保つものとして実際の床温の挙動(図8参照)を模擬することとしている。
図8は、本発明の実施の形態3において温度停滞完了判定値として用いられる所定値EおよびFの設定を説明するためのタイムチャートである。図8に示す各動作の例自体は、図2に示したものと同じである。
本実施形態では、積算投入エネルギが温度停滞完了判定値よりも大きくなったときに温度停滞期間が終了するものとしている。温度停滞期間が終わると、上述した床温の推定値の模擬が終了され、その後の床温の推定は、再びSCR流入ガス温度に基づいて行われる。その結果、SCR流入ガス温度の上昇に対する遅れを伴って床温の推定値が増加していくことになる。このような推定手法によれば、リーン運転許可タイミングの決定に用いる床温の推定値を、図8中に示す実際の床温と同じような傾向で算出できるようになる。
本実施形態では、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が半暖機状態であったか或いは完全暖機状態であったかに応じて、温度停滞完了判定値が変更される。より具体的には、図8に示すように、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が半暖機状態であった場合に温度停滞完了判定値として用いる所定値Fは、SCR触媒38が完全暖機状態であった場合にリーン運転許可時間として用いる所定値Eと比べて大きくなるように設定されている。
前回のトリップ終了時にSCR触媒38が半暖機状態であった場合には、SCR触媒38に水が吸着している状態で今回のトリップ開始に伴ってエンジン始動が行われることになる。この場合には、既述したように、今回のエンジン始動後に水の吸着に起因する発熱反応が少なくなる或いはないため、温度停滞期間を抜けるために必要とされる積算投入エネルギは、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が完全暖機状態であった場合と比べて多くなる。所定値EおよびFの上記設定が採用されていることで、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が半暖機状態であった場合には、SCR触媒38が完全暖機状態であった場合と比べて、積算投入エネルギが温度停滞完了判定値に到達するタイミングが遅くなる。その結果、SCR触媒38が半暖機状態であった場合には、SCR触媒38が完全暖機状態であった場合と比べて、床温が一定値で模擬される期間(すなわち、温度停滞期間)が長くなるように床温の推定を行うことができる。これにより、エンジン始動時のSCR触媒38に水が吸着しているか否かに応じた温度停滞期間の変化を考慮して、暖機過程での床温をより正確に推定できるようになる。より具体的には、温度停滞期間の長短を反映した形で床温を推定できるようになることで、水の吸着の有無による床温の上がり方の違い(図8参照)を床温の推定値に適切に反映させられるようになる。そして、このようにして推定される床温を用いてSCR触媒38の活性判定を行うことにより、SCR触媒38に水が吸着している状態で始動した場合のリーン運転許可タイミングを、SCR触媒38に水が吸着していない状態で始動した場合と比べて遅らせるという作用を得ることができる。
(実施の形態3における具体的処理)
図9は、温度停滞完了判定値を決定するためにECU50が実行するルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンの起動条件は、図3に示すルーチンと同様である。
図9に示すルーチンでは、ECU50は、ステップ100において前回のトリップ終了時にSCR触媒38が完全暖機状態であったと判定した場合には、ステップ500に進む。ステップ500では、ECU50は、温度停滞完了判定値として所定値Eを設定する。所定値Eは、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が完全暖機状態であった状況下において今回のトリップでのエンジン始動後に温度停滞期間を抜けるときの積算投入エネルギを判断可能な値として、事前に実験等によって決定された値である(図8参照)。この所定値Eと下記の所定値Fは、SCR触媒38の暖機過程での内燃機関10の運転パターンによらずに一律に使用される固定値である。
一方、ステップ100において前回のトリップ終了時にSCR触媒38が半暖機状態であったと判定した場合には、ECU50は、ステップ502に進み、温度停滞完了判定値として所定値Fを設定する。所定値Fは、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が半暖機状態であった状況下において今回のトリップでのエンジン始動後に温度停滞期間を抜けるときの積算投入エネルギを判断可能な値として、事前に実験等によって決定された値であり、上記所定値Eよりも大きな値として決定されている(図8参照)。
図10は、リーン運転許可タイミングを決定するためにECU50が実行するルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンの起動条件は、図4に示すルーチンと同様である。
図10に示すルーチンでは、ECU50は、まず、ステップ600において、積算投入エネルギQが温度停滞完了判定値よりも大きいか否かを判定する。エンジン始動時の初回の積算投入エネルギQの値はゼロであり、後述のステップ604の処理によって投入エネルギの積算が進むことで積算投入エネルギQの値が大きくなっていく。本ステップ600において使用される温度停滞完了判定値は、図9に示すルーチンの処理によって決定された所定値EもしくはFである。
ステップ600の判定が不成立となる場合には、ECU50は、ステップ602に進み、SCR触媒38の床温の推定値を所定の一定値に設定する。この一定値は、SCR触媒38に水が吸着していない状態で始動した場合の温度停滞期間中の床温と、SCR触媒38に水が吸着している状態で始動した場合の温度停滞期間中の床温との間に位置する値となるように設定される。本実施形態では、上記の一定値は、上記の2つの床温の中間値とされている。これらの床温の値は、SCR触媒38の組成に応じて変化する。このため、上記の一定値は、使用するSCR触媒38の組成を考慮して決定されており、一例として60℃が用いられている。
次に、ECU50は、ステップ604に進み、SCR流入ガス温度TINに基づいて始動後の投入エネルギの積算値である積算投入エネルギQを算出(更新)する。積算投入エネルギQは、次の数2の式に従って算出される。なお、数2の式中の60℃は、ステップ602における一定値に対応している。SCR触媒38への熱量の投入は、SCR流入ガス温度が上記一定値(すなわち、温度停滞期間中の床温の推定値)よりも高くなってから開始される。このため、数2の式では、SCR流入ガス温度TINが60℃になってから投入エネルギの積算が開始されるようになっている。そして、本ルーチンの制御周期毎に積算が進んでいく。
Figure 2016089751
ただし、上記の式において、αは、熱伝達係数である。熱伝達係数αは、SCR触媒38に流入する排気ガスの流量によって変化する。このため、熱伝達係数αは、この排気ガスの流量に応じて可変されることが好ましい。そこで、本実施形態では、熱伝達係数αは、この排気ガスの流量と比例関係にある吸入空気量との関係で熱伝達係数αを定めたマップ(図示省略)を利用して算出される。
ステップ604において積算投入エネルギQを算出した後には、ECU50は、ステップ202に進み、リーン運転許可フラグをOFFに設定する。一方、積算投入エネルギQが温度停滞完了判定値に到達したことに伴ってステップ600の判定が成立する場合には、ECU50は、ステップ606に進む。ステップ606では、床温の推定手法として、SCR流入ガス温度TINを利用した推定手法(数1の式を利用する手法)が選択される。
次に、ECU50は、ステップ608に進み、ステップ606にて推定された床温TSCRが活性判定温度よりも高いか否かを判定する。その結果、本ステップ608の判定が不成立となる間は、ECU50は、ステップ202に進み、リーン運転許可フラグをOFFに設定する。一方、ステップ608の判定が成立した場合には、ECU50は、ステップ204に進み、リーン運転許可フラグをONに設定する。
以上説明した図9および図10に示すルーチンの処理によっても、実施の形態1および2の処理と同様に、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が半暖機状態にあった場合には、SCR触媒38が完全暖機状態にあった場合と比べて、リーン運転許可タイミングが遅延されるようになる。これにより、基本的に実施の形態1と同様の効果を奏することができる。そのうえで、本実施形態では、積算投入エネルギQが水の吸着の有無に応じて異なる温度停滞完了判定値を超えるまでは、温度停滞期間の床温として想定される値で床温の推定値が一定とされる。これにより、エンジン始動時のSCR触媒38に水が吸着しているか否かに応じた温度停滞期間の変化を考慮して、暖機過程での床温をより正確に推定できるようになる。その結果、実施の形態2の手法と比べても、リーン運転許可時間をより適切に設定できるようになるといえる。その理由は、実施の形態2の手法では、SCR流入ガス温度がSCR触媒38の活性判定温度に到達した後については、運転パターンの違いによらずにリーン運転許可時間(所定値CまたはD)を利用して一律でリーン運転許可タイミングを決定することになる。これに対し、本実施形態の手法では、温度停滞期間を抜けた後の床温がSCR流入ガス温度に基づいて推定され、推定された床温が活性判定温度に到達したときがリーン運転許可タイミングとなる。このため、暖機過程での運転パターンの違いによらずに、リーン運転許可時間をさらに適切に設定できるようになるといえる。
なお、上述した実施の形態3においては、ECU50が図9および図10に示すルーチンの一連の処理を実行することにより本発明における「リーン運転制御手段」が実現されている。
ところで、上述した実施の形態3においては、図10に示すように、積算投入エネルギQを利用して、エンジン始動時のSCR触媒38に水が吸着しているか否かに応じた温度停滞期間の変化を考慮しつつ暖機過程での床温を推定し、推定した床温が活性判定温度に到達したときにリーン燃焼運転を許可することとしている。これにより、上述のように、暖機過程での床温を水の吸着の有無によらずに正確に推定できるようになる。しかしながら、積算投入エネルギQを利用したリーン運転許可タイミングの決定手法としては、例えば、以下に図11を参照して示すように床温推定を伴わない簡易的なものが用いられていてもよい。
図11は、本発明の実施の形態3の変形例としてのリーン運転許可タイミングの決定手法を表したルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンの起動条件は、図10に示すルーチンと同様である。
図11に示すルーチンでは、ECU50は、まず、ステップ700において、積算投入エネルギQが活性温度判定値よりも大きいか否かを判定する。ステップ700の処理とステップ600の処理との違いは、温度停滞完了判定値(所定値EもしくはF)に代えて、活性温度判定値(所定値E’もしくはF’)が使用されることにある。
所定値E’は、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が完全暖機状態であった状況下において今回のトリップでのエンジン始動後にSCR触媒38が活性判定温度に到達するタイミングを判断可能とするための積算投入エネルギの値として、事前に実験等によって決定された値である(図8参照)。所定値F’は、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が半暖機状態であった状況下において今回のトリップでのエンジン始動後にSCR触媒38が活性判定温度に到達するタイミングを判断可能とするための積算投入エネルギの値として、事前に実験等によって決定された値であり、上記所定値E’よりも大きな値として決定されている(図8参照)。これらの所定値E’およびF’は、SCR触媒38の暖機過程での内燃機関10の運転パターンによらずに使用される固定値である。なお、所定値E’と所定値F’のどちらを用いるかについては、図9に示すルーチンと同様のルーチンを実行することで決定することができる。
ステップ700の判定が不成立となる場合、つまり、SCR触媒38が未だ活性判定温度に到達していないと判断できる場合には、ECU50は、ステップ604に進み、積算投入エネルギQを算出(更新)する。次いで、ECU50は、ステップ202に進み、リーン運転許可フラグをOFFに設定する。
一方、ステップ700の判定が成立する場合、つまり、SCR触媒38が活性判定温度に到達したと判断できる場合には、ECU50は、ステップ204に進み、リーン運転許可フラグをONに設定する。
実施の形態4.
次に、図12〜15を新たに参照して、本発明の実施の形態4について説明する。
[実施の形態4のシステムの構成]
図12は、本発明の実施の形態4に係る内燃機関60のシステム構成を概略的に説明するための図である。本実施形態のシステムは、排気温度センサ62を追加的に備えている点を除き、実施の形態1のシステムと同様に構成されている。排気温度センサ62は、SCR流出ガス温度を計測するために、SCR触媒38よりも下流側の排気通路14に配置されている。排気温度センサ62は、ECU50に電気的に接続されている。
[実施の形態4のシステムの動作]
(実施の形態4におけるリーン運転制御の概要)
上述した実施の形態1〜3においては、SCR触媒38の床温が活性判定温度以上である状態(すなわち、完全暖機状態)で前回のトリップの終了時にエンジン運転が停止されていた場合には、SCR触媒38に水が吸着していない状態で今回のエンジン始動が行われたと判断し、SCR触媒38の床温が活性判定温度未満である状態(すなわち、半暖機状態)で前回のトリップの終了時にエンジン運転が停止されていた場合には、SCR触媒38に水が吸着している状態で今回のエンジン始動が行われたと判断している。これに対し、本実施形態では、上記の判断を行う機能を、排気温度センサ62により計測されるSCR流出ガス温度を利用して実現している点に特徴を有している。
図13は、本発明の実施の形態4のリーン運転制御の特徴を説明するためのタイムチャートである。図13に示す各動作の例自体は、図2に示したものと同じである。
本実施形態では、リーン運転許可タイミングを決定するための手法自体は、実施の形態3と同じものが使用される。実施の形態3に対する実施の形態4の違いは、温度停滞完了判定値として所定値EもしくはFを選択する手法にある。すなわち、本実施形態では、前回のトリップの終了時にSCR触媒38が完全暖機状態にあったか或いは半暖機状態にあったかではなく、エンジン始動後のSCR流出ガス温度の挙動に基づいて所定値EおよびFのどちらを選択するのかが決定される。
上記の選択のために、SCR流出ガス温度の所定値Gが使用される。所定値Gは、SCR触媒38に水が吸着していない状態で始動した場合の温度停滞期間中の床温と、SCR触媒38に水が吸着している状態で始動した場合の温度停滞期間中の床温との間に位置する値となるように設定される。この2つの床温の数値は、採用するSCR触媒38の組成によって異なるが実験等によって求めることができる。このため、実験等で求めた2つの床温の間に位置する値として所定値Gを決定することができる。図13に示す一例では、所定値Gは、2つの床温の中間値となるように設定されている。
既述したように、温度停滞期間中の床温は、水が吸着していない状態で始動した場合の方が、水が吸着している状態で始動した場合よりも高くなる。そして、図13に示すように、温度停滞期間中は、SCR流出ガス温度が床温とほぼ同じ値を示す。したがって、エンジン始動後の初期(より具体的には、SCR流出ガス温度が床温とともに停滞する時期)にSCR流出ガス温度が所定値Gよりも高ければ、今回の始動中にSCR触媒38への水の吸着に伴う発熱反応が生じていると判断することができる。逆に、同時期のSCR流出ガス温度が所定値Gよりも低い場合には、発熱反応が生じていないと判断することができる。つまり、このような手法によって、今回のエンジン始動時にSCR触媒38に水が吸着しているか否かを判断することができる。
そこで、本実施形態では、エンジン始動後にSCR流出ガス温度を継続的に監視し、SCR流出ガス温度が所定値Gよりも低い間は温度停滞完了判定値として所定値Fが選択され、一方、始動後にSCR流出ガス温度が所定値Gを超えた場合には温度停滞完了判定値として所定値Eが選択されるようにした。図13に示すように、SCR触媒38に水が吸着している状態で始動した場合であれば、SCR触媒38に水が吸着していない状態で始動した場合に温度停滞期間を抜けるタイミングよりも遅いタイミングまで、SCR流出ガス温度は所定値G未満の温度で推移する。このため、この場合には、積算投入エネルギが実際に所定値Fと同じ値に到達するタイミングまで、上記の処理によって所定値Fが選択され続ける結果となる。一方、SCR触媒38に水が吸着していない状態で始動した場合であれば、SCR触媒38に水が吸着している状態で始動した場合に温度停滞期間を抜けるタイミングよりも早いタイミングで、SCR流出ガス温度が所定値Gを上回る。その結果、温度停滞完了判定値は、所定値Fから所定値Eに変更される。このため、この場合には、所定値Eが選択された状態で、積算投入エネルギが実際に所定値Eと同じ値に到達することになる。以上のことから、上記の処理によれば、今回のエンジン始動時にSCR触媒38に水が吸着しているか否かに応じて温度停滞完了判定値を所定値EもしくはFを選択できるようになる。
ここで、車両の使用態様によっては、エンジン始動直後のSCR流出ガス温度が、SCR触媒38にて水の吸着と脱離が行われないような高い温度となることがある。このような例としては、SCR触媒38が完全暖機状態であった状態で前回のトリップが終了し、その後に短いソーク期間を経たうえで新たなトリップが開始して内燃機関10が再び始動する状況が考えられる。このような場合には、上述した床温の停滞が起こらないため、始動後の初期に床温の推定値を一定値で模擬する必要がなくなる。そこで、本実施形態では、エンジン始動後のSCR流出ガス温度が所定値Hよりも高い場合には、温度停滞完了判定値をゼロに設定することとした。所定値Hは、SCR触媒38にて吸着と脱離とが生じない温度の下限値に所定の余裕代を持たせた値として事前に設定される値である。このような処理によれば、積算投入エネルギQがゼロから増加に転じた際に、直ちに床温の推定値を一定値で模擬する処理が終了するようにすることができる。その結果、SCR流入ガス温度に基づく床温の推定が速やかに開始されることになる。これにより、この場合には不必要な温度停滞の模擬が行われないために、床温の推定値がより早く活性判定温度に到達し、リーン燃焼運転の許可をより早く行えるようになる。
図14は、本発明の実施の形態4において用いられる温度停滞完了判定値とSCR流出ガス温度との関係をまとめた図である。以上説明した本実施形態の制御によれば、図14に示すように、エンジン始動後のSCR流出ガス温度が所定値G未満である場合には、温度停滞完了判定値として所定値Fが選択される。SCR流出ガス温度が所定値G以上であって所定値H以下である場合には、温度停滞完了判定値として所定値Eが選択される。そして、SCR流出ガス温度が所定値Hよりも高い場合には、温度停滞完了判定値としてゼロが使用される。
温度停滞が生じるときの床温は、既述したように、SCR触媒38に水が吸着する速度とSCR触媒38から水が脱離する速度とのバランスによって上記温度範囲(約50〜120℃)内の値として定まる。また、温度停滞が生じたときの床温は、SCR触媒38の組成(ゼオライトの量など)によっても異なる。より具体的には、実験結果によれば、SCR触媒38に水が十分に吸着している状態で始動した場合には、温度停滞が生じたときの温度は50〜70℃であった。また、前回のトリップ終了時にSCR触媒38が完全暖機状態で停止した後にエンジン始動が行われた場合のように、SCR触媒38に水が(実質的に)吸着していない状態で始動した場合には、温度停滞が生じたときの温度は80〜120℃であった。そこで、採用するSCR触媒38の組成を考慮して、所定値Gを50℃以上100℃以下の範囲内の値に設定し、所定値Hを100℃以上150℃以下の範囲内の値に設定することとすれば、エンジン始動時にSCR触媒38に水が吸着しているか否かについての実用的な判断を行えるようになる。
(実施の形態4における具体的処理)
図15は、温度停滞完了判定値を決定するためにECU50が実行するルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは新たなトリップの開始に伴うエンジン始動時に起動される。本ルーチンの処理は、本ルーチンの処理に続いて毎回実行される図10に示すルーチンにおいてリーン運転許可フラグがONとされる時(リーン運転許可タイミング)が到来するまで、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
図15に示すルーチンでは、ECU50は、まず、ステップ800において、SCR流出ガス温度が所定値Hよりも高いか否かを判定する。その結果、本判定が成立する場合、つまり、床温の停滞は生じないと判断できる場合には、ECU50は、ステップ802に進み、温度停滞完了判定値をゼロに設定する。ECU50は、ステップ802の処理を実行した後には、図10に示すルーチンのステップ600に進む。ECU50は、ステップ500または502の処理を実行した後にも同様にステップ600に進む。
一方、ステップ800の判定が不成立となる場合、つまり、床温の停滞が生じると判断できる場合には、ECU50は、ステップ804に進む。ステップ804では、ECU50は、SCR流出ガス温度が所定値Gよりも低いか否かを判定する。その結果、本判定が成立する場合には、ECU50は、ステップ502に進み、温度停滞完了判定値として所定値Fを設定する。本判定が不成立となる場合には、ECU50は、ステップ500に進み、温度停滞完了判定値として所定値Eを設定する。
以上説明した図15に示すルーチンを実施の形態3の図10に示すルーチンと組み合わせて実行させることで、エンジン始動後のSCR流出ガス温度が所定値G未満の温度で推移しつつ温度停滞期間が完了する場合には、エンジン始動後のSCR流出ガス温度が所定値G以上になった後に温度停滞期間が完了する場合と比べて、リーン運転許可タイミングが遅延されるようになる。このように、本実施形態の手法によっても、エンジン始動時にSCR触媒38に水が吸着しているかどうかに関係なく、リーン運転許可タイミングを適切に設定できるようになる。
なお、上述した実施の形態4においては、ECU50が図15および図10に示すルーチンの一連の処理を実行することにより本発明における「リーン運転制御手段」が実現されている。また、所定値Gが本発明における「第1所定値」に、所定値Hが本発明における「第2所定値」に、それぞれ相当している。
ところで、上述した実施の形態4の制御は、SCR流出ガス温度を利用してエンジン始動時にSCR触媒38に水が吸着しているか否かを判断する手法と、実施の形態3のリーン運転許可タイミングの決定手法とを組み合わせたものであるといえる。しかしながら、SCR流出ガス温度を利用した判断手法は、実施の形態3ではなく実施の形態1または2のリーン運転許可タイミングの決定手法と組み合わせてもよい。具体的には、実施の形態1または2の手法と組み合わせる場合のSCR流出ガス温度を利用した判断手法は、例えば、次のようなものであってもよい。すなわち、エンジン始動時にSCR触媒38に水が吸着している状態および吸着していない状態のどちらの場合であっても温度停滞期間中であるといえるタイミングを事前に実験等を行って決定しておく。そのうえで、エンジン始動後に上記タイミングでのSCR流出ガス温度が所定値G未満である場合には、リーン運転許可時間として所定値B(実施の形態1の場合)または所定値D(実施の形態2の場合)を選択し、逆に、上記タイミングでのSCR流出ガス温度が所定値G以上である場合には、リーン運転許可時間として所定値A(実施の形態1の場合)または所定値C(実施の形態2の場合)を選択するようにする。このような手法によっても、エンジン始動後のSCR流出ガス温度が所定値G未満の温度で推移しつつ温度停滞期間が完了する場合には、エンジン始動後のSCR流出ガス温度が所定値G以上になった後に温度停滞期間が完了する場合と比べて、リーン運転許可タイミングが遅延されるようになるといえる。また、エンジン始動直後のSCR流出ガス温度が所定値Hよりも高い場合には、所定値A(もしくは所定値C)よりも短い時間をリーン運転許可時間として設定するようにしてもよい。
また、図16は、SCR流出ガス温度に基づく温度停滞完了判定値の設定手法の変形例を説明するための図である。実施の形態4では、SCR流出ガス温度が所定値G未満であるか否かに応じて温度停滞完了判定値として所定値FもしくはEを選択し、SCR流出ガス温度が所定値Hよりも高いか否かに応じて温度停滞完了判定値としてゼロもしくはEを選択するようにしている。ここで、エンジン始動時にSCR触媒38に水が吸着している状態の中には、SCR触媒38の全体に水が吸着している場合と、SCR触媒38の一部に水が吸着している場合とがある。一部に水が吸着している場合には、エンジン始動時に新たに水を吸着する部位が残されているので、その部位での発熱分だけ、全体に水が吸着している場合と比べて温度停滞期間中の床温が高くなり、温度停滞期間を抜けるタイミングも早くなる。そこで、図16に示すように、1点の温度(所定値G)を境に切り替えて所定値FもしくはEを用いるのではなく、SCR流出ガス温度が高いほど、所定値Fから所定値Eの間で連続的に値が小さくなるように温度停滞完了判定値を設定してもよい。これにより、始動後に床温とともに停滞しているSCR流出ガス温度が高いほど(つまり、エンジン始動時にSCR触媒38に吸着している水の量が少ないほど)、リーン運転許可タイミングが早めることができるようになる。また、同様に、1点の温度(所定値H)を境に切り替えて所定値Eもしくはゼロを用いるのではなく、SCR流出ガス温度が高いほど、所定値Eからゼロの間で連続的に値が小さくなるように温度停滞完了判定値を設定してもよい。
(各実施形態のリーン運転制御の結果として変化するリーン燃焼運転の開始時期について)
ところで、上述した実施の形態1〜4においては、リーン運転許可タイミングの決定手法として3通りの手法について説明した。1つ目の手法は、実施の形態1で説明したように、エンジン始動時間からの経過時間を所定のリーン運転許可時間(所定値AまたはB)と比較してリーン運転許可タイミングを決定するものである。2つ目の手法は、実施の形態2で説明したように、SCR流入ガス温度がSCR触媒38の活性判定温度に到達した時点からの経過時間を所定のリーン運転許可時間(所定値CまたはD)と比較してリーン運転許可タイミングを決定するものである。3つ目の手法は、実施の形態3(および4)で説明したように、積算投入エネルギが温度停滞完了判定値(所定値EまたはF)に到達するまでは推定値を一定値とするという処理を伴いつつ推定される床温を活性判定温度と比較してリーン運転許可タイミングを決定するものである。エンジン始動時にSCR触媒38に水が吸着しているか否かに応じてリーン運転許可タイミングを切り替えるために上記の3通りの何れの手法を利用した場合であっても、リーン燃焼運転の開始時期がSCR触媒38への水の吸着の有無に応じて(すなわち、ケース1であるかケース2であるかに応じて)変更されたことを、以下に説明するように把握することができる。
まず、1つ目の実施の形態1の手法について説明する。リーン運転許可タイミングが到来してリーン燃焼運転の実行が許可された時にエンジン運転領域がリーン燃焼運転モードを要求する運転領域であった場合には、速やかにリーン燃焼運転が開始されることになる。したがって、この場合であれば、実施の形態1の手法によってケース2のリーン運転許可タイミングがケース1のリーン運転許可タイミングよりも遅延されることを受けて、リーン燃焼運転の開始時期についてもケース2の方がケース1よりも確実に遅くなる。一方、リーン燃焼運転の実行が許可された時にエンジン運転領域がストイキ燃焼運転モードを要求する運転領域であった場合には、その後にリーン燃焼運転モードを要求する運転領域に移行した時に速やかにリーン燃焼運転が開始されることになる。この場合であっても、エンジン始動時点からリーン燃焼運転開始までの期間中は同一の運転パターンで内燃機関10が運転されるという条件の下での比較であれば、リーン燃焼運転モードが要求されるタイミングはケース1とケース2のどちらの場合でも同じとなる。その結果、この場合においても、本実施形態のリーン運転制御の採用の結果として、リーン燃焼運転の開始時期は、ケース2の方がケース1よりも確実に遅くなる。
次に、2つ目の実施の形態2の手法について説明する。この手法が用いられている場合には、運転パターンが変わると、SCR流入ガス温度の上がり方が変化するので、リーン運転許可タイミングが異なるものとなる。しかしながら、この手法が用いられている場合であっても、エンジン始動時点からリーン燃焼運転開始までの期間中は同一の運転パターンで内燃機関10が運転されるという条件の下での比較であれば、本実施形態のリーン運転制御の採用の結果として、リーン燃焼運転の開始時期は、ケース2の方がケース1よりも確実に遅くなる。
次に、3つ目の実施の形態3の手法について説明する。この手法が用いられている場合には、運転パターンが変わると、SCR触媒38への熱エネルギの与えられ方が変化するので、リーン運転許可タイミングが異なるものとなる。しかしながら、この手法が用いられている場合であっても、エンジン始動時点からリーン燃焼運転開始までの期間中は同一の運転パターンで内燃機関10が運転されるという条件の下での比較であれば、本実施形態のリーン運転制御の採用の結果として、リーン燃焼運転の開始時期は、ケース2の方がケース1よりも確実に遅くなる。
10、60 内燃機関
12 吸気通路
14 排気通路
18 エアフローメータ
20 ターボ過給機
22 スロットルバルブ
24 燃焼室
26 燃料噴射弁
28 点火プラグ
32 ウェイストゲートバルブ(WGV)
34 三元触媒
36 吸蔵還元型NOx触媒(NSR触媒)
38 選択還元型NOx触媒(SCR触媒)
40、62 排気温度センサ
50 ECU(Electronic Control Unit)
52 クランク角センサ
54 水温センサ
56 IGスイッチ
58 アクセルポジションセンサ

Claims (6)

  1. 排気通路に選択還元型NOx触媒を備え、理論空燃比よりも大きな空燃比にてリーン燃焼運転が行われる内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、
    前記選択還元型NOx触媒に水が吸着している状態で前記内燃機関が始動した場合には、前記選択還元型NOx触媒に水が吸着していない状態で前記内燃機関が始動した場合と比べて、エンジン始動後にリーン燃焼運転を許可するタイミングを遅らせるリーン運転制御を行うリーン運転制御手段を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記リーン運転制御手段は、前記選択還元型NOx触媒の温度が、当該選択還元型NOx触媒が活性している所定温度以上である状態で前記内燃機関の前回の運転が停止されていた場合には、前記選択還元型NOx触媒に水が吸着していない状態で前記内燃機関が今回始動したと判断し、前記選択還元型NOx触媒の温度が前記所定温度未満である状態で前記内燃機関の前回の運転が停止されていた場合には、前記選択還元型NOx触媒に水が吸着している状態で前記内燃機関が今回始動したと判断することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記選択還元型NOx触媒から流出した排気ガスの温度である触媒流出ガス温度を計測する排気ガス温度センサをさらに備え、
    前記リーン運転制御は、エンジン始動後の触媒流出ガス温度が第1所定値未満の温度で推移しつつ前記選択還元型NOx触媒の温度が停滞する温度停滞期間が完了する場合には、エンジン始動後の触媒流出ガス温度が前記第1所定値以上になった後に前記温度停滞期間が完了する場合と比べて、エンジン始動後にリーン燃焼運転を許可するタイミングを遅らせるものであって、
    前記第1所定値は、前記選択還元型NOx触媒に水が吸着していない状態で前記内燃機関が始動した場合における前記温度停滞期間中の前記選択還元型NOx触媒の温度と、前記選択還元型NOx触媒に水が吸着している状態で前記内燃機関が始動した場合における前記温度停滞期間中の前記選択還元型NOx触媒の温度との間に位置する温度であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記リーン運転制御は、エンジン始動直後の触媒流出ガス温度が第2所定値よりも高い場合には、エンジン始動後の触媒流出ガス温度が前記第1所定値以上になった後に前記温度停滞期間が完了する場合と比べて、エンジン始動後にリーン燃焼運転を許可するタイミングを早める制御を含み、
    前記第2所定値は、前記選択還元型NOx触媒にて吸着と脱離とが生じない温度の下限値に所定の余裕代を持たせた値であることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記第2所定値は、100℃以上150℃以下であることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記第1所定値は、50℃以上100℃以下であることを特徴とする請求項3〜5の何れか1つに記載の内燃機関の制御装置。
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