JP2016089193A - 表面処理銅箔及び積層板 - Google Patents
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Abstract
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銅箔基材と、
前記銅箔基材のいずれかの主面上に設けられる粗化銅めっき層と、を備える表面処理銅箔であって、
前記粗化銅めっき層が設けられた側の面の最大山高さ(Rp)が0.1μm以上3.0μm以下であり、最大谷深さ(Rv)が0.1μm以上3.0μm以下である表面処理銅箔が提供される。
銅箔基材、及び前記銅箔基材の少なくともいずれかの主面上に設けられた粗化銅めっき層、を備える表面処理銅箔と、
前記粗化銅めっき層に対向するように前記表面処理銅箔と貼り合わせられた樹脂基材と、を備え、
前記粗化銅めっき層が設けられた側の面の最大山高さ(Rp)が0.1μm以上3.0μm以下であり、最大谷深さ(Rv)が0.1μm以上3.0μm以下である積層板が提供される。
まず、本発明の実施形態の説明に先立ち、発明者等が得た知見について説明する。積層板において表面処理銅箔と樹脂基材との密着性を維持しつつ、表面処理銅箔を貼り合わせた後に表面処理銅箔を除去した樹脂基材の透明性(以下では、単に「透明性」とも言う。)を確保するために、樹脂基材に接する表面処理銅箔の面の表面粗さを制御することが考えられている。例えば、樹脂基材に接する表面処理銅箔の面の算術平均粗さ(Ra)及び十点平均粗さ(Rz)を制御することが考えられている。しかしながら、表面処理銅箔の厚さを薄くすると、Ra及びRzの値をそれぞれ所定の範囲に制御した場合であっても、所望の密着性を維持しつつ、所望の透明性を確保することができないことがあることを、本発明者等は見出した。本発明は、発明者が見出した上記知見に基づくものである。
本発明の一実施形態にかかる積層板及び表面処理銅箔の構成について、主に図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかる積層板(CCL:Copper Clad Laminate)10は、少なくともいずれかの主面上に粗化銅めっき層3が設けられた表面処理銅箔1と、粗化銅めっき層3に対向するように設けられた樹脂基材11と、を備えている。例えば、積層板10は、樹脂基材11の両主面上にそれぞれ表面処理銅箔1を貼り合わせることで形成されている。具体的には、積層板10は、樹脂基材11を挟んで表面処理銅箔1が対向するとともに、粗化銅めっき層3が樹脂基材11に対向するように、樹脂基材11の両主面上に表面処理銅箔1を貼り合わせて形成されている。
上述の積層板10に用いられる表面処理銅箔1は、銅箔基材2を備えている。銅箔基材2としては、例えば圧延銅箔や電解銅箔を用いることができる。銅箔基材2として、電解銅箔よりも耐屈曲性に優れ、繰り返し折り曲げても破断しにくい圧延銅箔が用いられることがより好ましい。銅箔基材2の厚さは例えば4.4μm以上17μm以下であることが好ましい。
次に、本実施形態にかかる表面処理銅箔1及び積層板10の製造方法の一実施形態について説明する。
まず、本実施形態にかかる表面処理銅箔1を形成する。
銅箔基材2として、例えば圧延銅箔や電解銅箔を形成する。例えば、銅箔基材2としての圧延銅箔を形成する場合、まず、無酸素銅やタフピッチ銅からなる純銅の鋳塊や、無酸素銅やタフピッチ銅を母相とし、母相中に所定量のSnやAg等の添加剤を添加した希薄銅合金の鋳塊を鋳造する。そして、鋳造した鋳塊に対し、所定の熱間圧延処理、所定の冷間圧延処理、所定の焼鈍処理等を行い、所定厚さ(例えば4.4μm以上17μm以下)の圧延銅箔を形成する。
銅箔基材形成工程が終了したら、銅箔基材2の少なくともいずれかの主面上に所定厚さ(例えば0.5μm以下)の下地めっき層4を形成する。具体的には、下地めっき層4を形成するめっき液(下地めっき液)中で、例えば下地めっき液の限界電流密度よりも小さい電流密度で電解めっき処理を行い、下地めっき層4を形成する。下地めっき液として、例えば硫酸銅および硫酸を主成分とする酸性銅めっき浴を用いることができる。なお、電流密度を限界電流密度以上にすると、下地めっき層4の表面の凹凸が大きくなり、表面が平坦な下地めっき層4を形成することができないことがある。
下地めっき層形成工程が終了したら、例えばロール・ツー・ロール(roll to roll)形式の連続電解(電気)めっき処理により、下地めっき層4上に所定厚さ(例えば0.1μm以上1.1μm以下)の粗化銅めっき層3を形成する。具体的には、粗化銅めっき層3を形成するめっき液(粗化銅めっき液)中で、例えば粗化銅めっき液の限界電流密度以上の電流密度(いわゆる「やけめっき」になるような電流密度)で電解めっき処理(粗化処理)を行い、粗化銅めっき層3を形成する。粗化銅めっき液として、例えば硫酸銅や硫酸を主成分とする酸性銅めっき浴を用いることができる。また、粗化銅めっき液中に所定量のMo酸Naを添加することが好ましい。
粗化銅めっき層形成工程が終了したら、粗化銅めっき層3上に所定厚さ(例えば0.05μm以上0.3μm以下)のめっき粒子脱落抑制層5を形成する。具体的には、めっき粒子脱落抑制層5を形成するめっき液中で、例えばめっき液の限界電流密度よりも小さい電流密度で電解めっき処理を行い、めっき粒子脱落抑制層5を形成する。めっき粒子脱落抑制層5を形成するめっき液として、例えば硫酸銅および硫酸を主成分とする酸性銅めっき浴を用いることができる。
めっき粒子脱落抑制層形成工程が終了したら、めっき粒子脱落抑制層5上に所定厚さ(例えば6nm以上35nm以下)の防錆層6を形成する。例えば、防錆層6として、粗化銅めっき層3の側から順に、所定厚さ(例えば4nm以上20nm以下)のNiめっき層(又はNi合金めっき層)と、所定厚さ(例えば1nm以上10nm以下)のZnめっき層(又はZn合金めっき層)と、所定厚さ(例えば1nm以上5nm以下)の3価クロム化成処理層と、シランカップリング層と、を形成する。3価クロム化成処理層は、例えば3価クロムタイプの反応型クロメート液を用いて形成することが好ましい。
防錆層形成工程が終了し、表面処理銅箔形成工程が終了したら、表面処理銅箔1と樹脂基材11とを貼り合わせて積層板10を形成する。具体的には、樹脂基材11を挟んで表面処理銅箔1がそれぞれ対向するとともに、粗化銅めっき層3が樹脂基材11に対向するように表面処理銅箔1を樹脂基材11の両主面上に配置し、表面処理銅箔1と樹脂基材11とを貼り合わせて積層板10を形成する。表面処理銅箔1と樹脂基材11との貼り合わせは、例えば、真空プレス機を用い、表面処理銅箔1と樹脂基材11とを所定温度(例えば150℃以上350℃以下)に加熱しつつ、表面処理銅箔1と樹脂基材11とに所定圧力(例えば20MPa以下)を所定時間(例えば1分以上120分以下)加えて行うことができる。
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
以上、本発明の一実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
(試料1)
まず、銅箔基材として、無酸素銅(OFC)で形成され、厚さが10μmである圧延銅箔を準備した。
試料2〜試料19ではそれぞれ、下地めっき層、粗化銅めっき層、めっき粒子脱落抑制層の厚さや、各層の電解めっき処理における電流密度を適宜変更した。この他は、実施例1と同様にして表面処理銅箔を作製した。これらをそれぞれ、試料2〜試料19とする。
試料1〜19の各表面処理銅箔についてそれぞれ、粗化銅めっき層が設けられた側の面(粗化面)のRp及びRvを測定した。粗化面のRp及びRvの測定は、JIS B0601 ’2001に基づいて行った。具体的には、レーザ顕微鏡(株式会社キーエンス製のVK―8700(登録商標))を用い、観察倍率を500倍にし、銅箔基材である圧延銅箔の圧延方向と直交する方向において、測定長を280μmとして、粗化面のRp及びRvをそれぞれ測定した。このとき、カットオフは行っていない。試料1〜19の各表面処理銅箔のRp及びRvの測定結果をそれぞれ、下記の表4に示す。
樹脂基材の両主面上に、試料1〜19の各表面処理銅箔を貼り合わせて積層板を作製した。なお、樹脂基材として、接着剤層である熱可塑性ポリイミド(TPI)層が両主面上にそれぞれ設けられ、総厚が25μmであるポリイミドフィルムを用いた。
試料1〜19の各表面処理銅箔を用いて作製した積層板についてそれぞれ、表面処理銅箔と樹脂基材との密着性の評価として、表面処理銅箔を樹脂基材から剥離する際のピール強度の測定を行った。
試料1〜19の各表面処理銅箔を用いて形成した積層板についてそれぞれ、積層板から各試料である表面処理銅箔を除去した後の樹脂基材の透明性の評価として、銅箔除去後の樹脂基材のHAZE値の測定を行った。
試料1〜11から、積層板において樹脂基材と貼り合される面となる表面処理銅箔の粗化面のRpが0.1μm以上3.0μm以下であり、Rvが0.1μm以上3.0μm以下であると、所望の密着性を維持しつつ、所望の透明性を確保できることを確認した。具体的には、ピール強度を0.7N/mm以上に維持しつつ、HAZE値を80%以下にすることができることを確認した。その結果、表面処理銅箔を用いて形成したFPCに電子部品等を実装する際、目視やCCDカメラ等により、銅箔が除去された箇所の樹脂基材越しに銅配線を認識でき、電子部品の実装位置の位置決めを容易に行うことができることを確認した。また、銅配線が樹脂基材から剥離しにくく、FPCの信頼性を高めることができることを確認した。
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
本発明の一態様によれば、
銅箔基材と、
前記銅箔基材のいずれかの主面上に設けられる粗化銅めっき層と、を備える表面処理銅箔であって、
前記粗化銅めっき層が設けられた側の面の最大山高さ(Rp)が0.1μm以上3.0μm以下であり、最大谷深さ(Rv)が0.1μm以上3.0μm以下である表面処理銅箔が提供される。
付記1の表面処理銅箔であって、好ましくは、
前記表面処理銅箔を樹脂基材に貼り合わせた後に前記表面処理銅箔を前記樹脂基材から引き剥がす際のピール強度が0.7N/mm以上であり、
前記樹脂基材を挟んで前記表面処理銅箔が対向するとともに、前記粗化銅めっき層が前記樹脂基材に対向するように、前記樹脂基材の両主面上に前記表面処理銅箔を貼り合わせた後、前記樹脂基材の両主面上から前記表面処理銅箔を除去した前記樹脂基材のHAZE値が80%以下である。
付記1又は2の表面処理銅箔であって、好ましくは、
前記粗化銅めっき層の平均厚さは0.1μm以上1.1μm以下である。
付記1ないし3のいずれかの表面処理銅箔であって、好ましくは、
前記銅箔基材と前記粗化銅めっき層との間には、下地めっき層が設けられている。
付記4の表面処理銅箔であって、好ましくは、
前記下地めっき層の厚さは0.5μm以下である。
付記1ないし5のいずれかの表面処理銅箔であって、好ましくは、
前記粗化銅めっき層の上面には、前記粗化銅めっき層が有するめっき粒子の脱落を抑制するめっき粒子脱落抑制層が設けられている。
付記6の表面処理銅箔であって、好ましくは、
前記めっき粒子脱落抑制層の厚さは0.05μm以上0.3μm以下である。
本発明の他の態様によれば、
銅箔基材、及び前記銅箔基材の少なくともいずれかの主面上に設けられた粗化銅めっき層、を備える表面処理銅箔と、
前記粗化銅めっき層に対向するように前記表面処理銅箔と貼り合わせられた樹脂基材と、を備え、
前記粗化銅めっき層が設けられた側の面の最大山高さ(Rp)が0.1μm以上3.0μm以下であり、最大谷深さ(Rv)が0.1μm以上3.0μm以下である積層板が提供される。
2 銅箔基材
3 粗化銅めっき層
11 樹脂基材
Claims (4)
- 銅箔基材と、
前記銅箔基材のいずれかの主面上に設けられる粗化銅めっき層と、を備える表面処理銅箔であって、
前記粗化銅めっき層が設けられた側の面の最大山高さ(Rp)が0.1μm以上3.0μm以下であり、最大谷深さ(Rv)が0.1μm以上3.0μm以下である
表面処理銅箔。 - 前記表面処理銅箔を樹脂基材に貼り合わせた後に前記表面処理銅箔を前記樹脂基材から引き剥がす際のピール強度が0.7N/mm以上であり、
前記樹脂基材を挟んで前記表面処理銅箔が対向するとともに、前記粗化銅めっき層が前記樹脂基材に対向するように、前記樹脂基材の両主面上に前記表面処理銅箔を貼り合わせた後、前記樹脂基材の両主面上から前記表面処理銅箔を除去した前記樹脂基材のHAZE値が80%以下である
請求項1に記載の表面処理銅箔。 - 前記粗化銅めっき層の平均厚さは0.1μm以上1.1μm以下である
請求項1又は2に記載の表面処理銅箔。 - 銅箔基材、及び前記銅箔基材の少なくともいずれかの主面上に設けられた粗化銅めっき層、を備える表面処理銅箔と、
前記粗化銅めっき層に対向するように前記表面処理銅箔と貼り合わせられた樹脂基材と、を備え、
前記粗化銅めっき層が設けられた側の面の最大山高さ(Rp)が0.1μm以上3.0μm以下であり、最大谷深さ(Rv)が0.1μm以上3.0μm以下である
積層板。
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