JP2014152344A - 複合銅箔および複合銅箔の製造方法 - Google Patents

複合銅箔および複合銅箔の製造方法 Download PDF

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千鶴 後藤
Takuya Aoyama
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Abstract

【課題】粗化処理を施さずに基材との密着性を高めつつ、基材における光の透過率を向上させる。
【解決手段】圧延銅箔と、圧延銅箔の少なくとも片面上に形成され、厚さが0.5μm以上1.5μm以下の銅めっき層と、銅めっき層の上に形成された防錆層と、を備え、防錆層の表面に凹部が存在する場合、凹部の深さの平均値が0.4μm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、銅めっき層を備える複合銅箔および複合銅箔の製造方法に関する。
フレキシブルプリント配線板(FPC:Flexible Printed Circuit)は、薄くて可撓性に優れる。このため、FPCは、折り畳み式携帯電話の折り曲げ部や、デジタルカメラやプリンタヘッド等の可動部のほか、ディスク関連機器の可動部の配線等に用いられることが多い。したがって、FPCやその配線材として用いられる圧延銅箔には、高屈曲特性、つまり、繰り返しの曲げに耐える優れた耐屈曲性が要求されてきた。
FPC用の圧延銅箔は、FPCの製造工程において、ポリイミド等の樹脂からなるFPCのベースフィルム(基材)と加熱等により貼り合わされる。基材上の圧延銅箔は、エッチング等の表面加工を施されて配線となる。圧延銅箔の耐屈曲性は、基材との貼り合わせ時の加熱で、圧延銅箔が再結晶焼鈍されることで向上する。
また、FPC用の圧延銅箔に求められる重要な性能の1つとして、圧延銅箔とFPCの基材との高密着性がある。密着性向上のためには、例えば圧延銅箔の表面に粗化処理を施し表面粗さを高める。粗化処理として、例えば銅めっき液中で限界電流密度以上の電流密度でめっきを行うことで、圧延銅箔の表面に凹凸形状を形成する。例えば粗化処理時の電流値を上げたり、粗化処理を数段階に分けて施したりすることで粒径を大きくすることができ、表面粗さを制御できる。粒径が増大し圧延銅箔の表面粗さが増すほど、表面積が拡大し、アンカー効果により基材との密着性が向上する。
このような粗化処理に先立って、圧延銅箔の表面を平滑化するため、例えば圧延銅箔の表面を電気化学的に溶解したり、圧延銅箔上に銅めっき層を設けたりする方法についての開示がある(例えば、特許文献1,2)。また、粗化処理面上に防錆層の一部としてシランカップリング処理を施し、化学的な観点から圧延銅箔と基材との密着性を更に向上させる場合がある。
特開2004−238647号公報 特開2006−155899号公報
しかしながら、上述のような粗化処理が施された圧延銅箔を基材に貼り合わせると、圧延銅箔の粗化面の凹凸の影響で、基材における光の透過率が低下してしまう。FPCに搭載される電子部品等とFPCとは、例えば基材を透かして位置合わせが行われる。このため、基材における光の透過率が低下していると位置合わせが困難となってしまう。
そこで、圧延銅箔の平滑性を保ち、基材における光の透過率の低下を抑制するため、粗化処理を施さないこととする方法も考えられる。しかし、単純に粗化処理を施さないこととすると、アンカー効果を失い基材との密着性が低下してしまう。粗化処理を施さなくとも基材との密着性を維持するには、例えば圧延銅箔上に銅めっき層や防錆層を形成した複合銅箔とし、これらの層の適正化を図る必要がある。
本発明の目的は、粗化処理を施さずに基材との密着性を高めつつ、基材における光の透過率を向上させることができる複合銅箔および複合銅箔の製造方法を提供することである。
本発明の第1の態様によれば、
圧延銅箔と、
前記圧延銅箔の少なくとも片面上に形成され、厚さが0.5μm以上1.5μm以下の銅めっき層と、
前記銅めっき層の上に形成された防錆層と、を備え、
前記防錆層の表面に凹部が存在する場合、前記凹部の深さの平均値が0.4μm以下である
複合銅箔が提供される。
本発明の第2の態様によれば、
前記防錆層の厚さは11nm以上70nm以下である
第1の態様に記載の複合銅箔が提供される。
本発明の第3の態様によれば、
前記防錆層は、
ニッケルめっき層、亜鉛めっき層、クロメート処理層、シランカップリング処理層をこの順に形成してなる
第1又は第2の態様に記載の複合銅箔が提供される。
本発明の第4の態様によれば、
250℃、5分の熱処理後、
前記銅めっき層における最大径が2.0μm以上の結晶粒の個数が、走査型電子顕微鏡の3500倍の視野内にて1個以上150個以下となる
第1〜第3の態様のいずれかに記載の複合銅箔が提供される。
本発明の第5の態様によれば、
圧延銅箔の少なくとも片面上に形成され、厚さが0.5μm以上1.5μm以下の銅めっき層を形成する工程と、
前記銅めっき層の上に防錆層を形成する工程と、を有し、
前記銅めっき層を形成する工程では、
メルカプト基を有する有機硫黄化合物と、界面活性剤と、塩化物イオンを添加した銅めっき液を用いる
複合銅箔の製造方法が提供される。
本発明の第6の態様によれば、
前記銅めっき層を形成する工程では、
電流密度が5A/dm以上30A/dm未満、液温が15℃以上50℃以下の条件で電解めっきを行う
第5の態様に記載の複合銅箔の製造方法が提供される。
本発明によれば、粗化処理を施さずに基材との密着性を高めつつ、基材における光の透過率を向上させることができる複合銅箔および複合銅箔の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る複合銅箔の製造工程を示すフロー図である。 本発明の実施例及び比較例に係る複合銅箔を用いた評価用サンプルを説明する模式図である。 本発明の実施例及び比較例に係る複合銅箔の耐屈曲性を測定する摺動屈曲試験装置の模式図である。 (a)は実施例12に係る銅めっき層付き圧延銅箔の表面観察写真であり、(b)は比較例10に係る銅めっき層付き圧延銅箔の表面観察写真であり、(a),(b)の上段はそれぞれ熱処理前を示し、下段はそれぞれ熱処理後を示す。 FPCの基材における光の透過率および配線の視認性についての評価例であり、(a)は参考例1に係る複合銅箔を用いた場合の顕微鏡観察写真であり、(b)は参考例2に係る複合銅箔を用いた場合の顕微鏡観察写真である。
<本発明者等が得た知見>
上述のように、粗化処理を施した圧延銅箔をFPCの基材と貼り合わせると、基材における光の透過率が低下してしまう。これは、主に、圧延銅箔の凹凸が基材に転写され、圧延銅箔が除去された後も基材に凹凸が残るためである。近年、特に、液晶ディスプレイの基板とFPCとの接合部分等で、基材における光の透過性への要求が高まっている。
そこで、粗化処理を施さずに基材との密着性を高めつつ、基材における光の透過率を向上させるには、例えば圧延銅箔上に銅めっき層や防錆層を形成した複合銅箔を用いることが考えられる。防錆層による化学的密着性や耐熱性を向上させることで、複合銅箔と基材との密着性が高まることが期待できる。
防錆層については、薄すぎると耐熱性が低下して防錆効果が損なわれ、また、基材との密着性が低下することがある。また、厚すぎると複合銅箔のエッチング性、すなわち、エッチングの容易性を阻害してしまうことがある。よって、充分な防錆効果や密着性の向上効果を果たしつつ、エッチング性に優れるような要件を見いださなければならない。
本発明者等は、防錆層の適正化にあたっては、下地となる銅めっき層の状態も重要であると考えた。特に、銅めっき層の表面の平滑性および結晶状態が、防錆層に多大な影響を及ぼし得ると推察された。また、このような銅めっき層や防錆層の状態は、基材における透過性や、複合銅箔をエッチングにより一部除去した後の配線の視認性にも影響を来すと考えられる。
上述のように、FPCに電子部品等を搭載するときは、基材を透かしてFPCの配線と電子部品の電極パッド等とを位置合わせしながら行う。具体的には、FPCの配線とは反対側にCCDカメラを設置し、CCDカメラによりFPCの配線等を識別させながら位置合わせする等の手法が採られる。
このような位置合わせ手法に基づく基材における光の透過率や配線の視認性に関する評価の一例を、図5の参考例に示す。図5に示されているように、係る評価では、まず、厚さが25μmの基材としてポリイミド樹脂フィルム50f上に複合銅箔を貼り合わせ、エッチングにより一部除去して配線50wの状態とする。係る配線50w上に、スライドガラス等の錘20を配置し、配線50wが形成された側とは反対側、つまり、基材50fの下方の光源30から光を当てて、同じくポリイミド樹脂フィルム50fの下方から配線50wの位置を確認する。
図5(b)に示す参考例2のように、例えば凹凸が転写されるなどした光の透過率の低いポリイミド樹脂フィルム50fであると、配線50wの境界が不明確となり、位置確認が困難となってしまう。また、銅めっき層や防錆層等からなる配線50wの表面状態の影響等によっても、配線50w自体の識別性が低下してしまうこともある。これにより、位置合わせに時間がかかってしまう。
一方、図5(a)に示す参考例1のように、光の透過率の高いポリイミド樹脂フィルム50fであれば、配線50wの境界が明確で、位置確認が容易である。
そこで、本発明者等は、鋭意研究を重ね、銅めっき層の表面の平滑性や結晶状態についての適正値を見いだした。また、適正化された銅めっき層を形成し、これを下地として防錆層を形成することで、適正化された防錆層が得られることを見いだした。これにより、複合銅箔と基材との密着性を向上させることができる。また、基材における光の透過率や、配線の視認性を高めることができる。
また、本発明者等は、銅めっき層の結晶状態を適正化することで、複合銅箔の全体としての耐屈曲性を向上させることが可能であることをも見いだした。銅めっき層が設けられた複合銅箔は、原箔である圧延銅箔よりも耐屈曲性が劣ることがある。本発明者等によれば、このような課題をも解決することが可能となる。
本発明は、発明者等が見いだしたこれらの知見に基づくものである。
<本発明の一実施形態>
(1)複合銅箔の構成
まずは、本発明の一実施形態に係る複合銅箔の構成について説明する。
本実施形態に係る複合銅箔は、無酸素銅やタフピッチ銅、または無酸素銅やタフピッチ銅を母相とする希薄銅合金からなる圧延銅箔と、圧延銅箔の少なくとも片面上に形成された銅めっき層と、銅めっき層の上に形成された防錆層と、を備える。
このように構成された複合銅箔は、例えば銅めっき層と防錆層とを備える面側がFPCの基材と貼り合わされ、FPCにおける可撓性の配線材としての用途に用いられる。
(圧延銅箔の概要)
複合銅箔が備える圧延銅箔は、例えば主表面としての圧延面を備える板状に構成されている。この圧延銅箔は、例えば無酸素銅(OFC:Oxygen-Free Copper)やタフピッチ銅等の純銅を原材料とする鋳塊に、熱間圧延工程や冷間圧延工程等を施し所定厚さとした圧延銅箔である。本実施形態に係る圧延銅箔は、例えばFPCの基材との貼り合わせの工程を兼ねる再結晶焼鈍工程が施されると、再結晶に調質されて優れた耐屈曲性を具備するよう企図されている。
圧延銅箔の原材料となる無酸素銅は、例えばJIS C1020,H3100等に規定の純度が99.96%以上の銅材である。酸素含有量は完全にゼロでなくともよく、例えば数ppm程度の酸素が含まれていてもよい。また、圧延銅箔の原材料となるタフピッチ銅は、例えばJIS C1100,H3100等に規定の純度が99.9%以上の銅材である。タフピッチ銅の場合、酸素含有量は例えば100ppm〜600ppm程度である。或いは、圧延銅箔として、無酸素銅やタフピッチ銅にスズ(Sn)や銀(Ag)やホウ素(B)、チタン(Ti)等の所定の添加材を微量に加えて希薄銅合金とし、耐熱性等の諸特性が調整された原材料を用いてもよい。
(銅めっき層の概要)
複合銅箔が備える銅めっき層は、圧延銅箔の主表面としての圧延面、またはその裏面の、少なくとも片側の面上に、例えば電解めっき等を用いて形成されている。本実施形態に係る銅めっき層は、例えば厚さが0.1μm以上3.0μm以下、好ましくは0.1μm以上2.0μm以下、より好ましくは0.5μm以上1.5μm以下である。なお、銅めっき層の厚さを、めっき量にして0.8g/m以上24g/m以下、好ましくは0.8g/m以上16.0g/m以下、より好ましくは4.0g/m以上12.0g/m以下の厚さ相当と表わすこともできる。
FPCの基材の透過性を向上させ、防錆処理の適正化を可能とするには、銅めっき層が比較的厚い方が好ましい。但し、不必要に生産コストの増大や複合銅箔の屈曲特性の低下を及ぼさないよう、銅めっき層の上限を例えば上述のように定めている。
また、銅めっき層の表面に凹部が存在する場合、凹部の最大径の平均値が5μm以下、凹部の深さの平均値が0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下である。ここで、銅めっき層の表面における凹部の平面視の形状は、例えば真円ではなくいびつな形状となり得るところ、凹部の径を最大径で定義した。
また、本実施形態に係る銅めっき層は、基材との貼り合わせにおける熱処理により再結晶するよう構成されている。具体的には、250℃、5分の熱処理後、銅めっき層において、最大径が2.0μm以上の結晶粒の個数が、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscopy)の3500倍の視野内、つまり、例えば953μm視野内にて、1個以上150個以下となるよう構成されている。ここで、銅めっき層の結晶粒の形状は、例えば球形等ではなくいびつな形状となり得るところ、結晶粒の径を最大径で定義した。
このように、表面の凹部のサイズが所定値以下となり、熱処理により再結晶を起こす銅めっき層を得る方法については後述する。
(防錆層の概要)
複合銅箔が備える防錆層は、例えばニッケルめっき層、亜鉛めっき層、クロメート処理層(3価クロム化成処理層)、シランカップリング処理層が、この順に銅めっき層上に形成された積層構造を備える。防錆層は、例えばめっき量にして、0.1g/m以上0.6g/m以下の厚さ相当、つまり、11nm以上70nm以下の厚さである。
また、防錆層の表面に凹部が存在する場合、凹部の最大径の平均値が5.0μm以下、凹部の深さの平均値が0.4μm以下である。ここで、防錆層の表面における凹部の平面視の形状は、例えば真円ではなくいびつな形状となり得るところ、凹部の径を最大径で定義した。
複合銅箔が防錆層を備えることで、複合銅箔の耐熱性や耐薬品性が向上する。具体的には、防錆層を構成する各層のうち、ニッケルめっき層は銅の拡散を抑制する。また、亜鉛めっき層は耐熱性を向上させる。また、クロメート処理層およびシランカップリング処理層は、化成処理層(化成処理皮膜)として働く。特に、シランカップリング処理層は、複合銅箔と基材との化学的密着性を向上させる。
また、銅めっき層を圧延銅箔の片面にのみ形成した場合であっても、防錆層を銅めっき層が形成された側に形成するとともに、このような防錆層の少なくとも一部、例えばニッケルめっき層、亜鉛めっき層、クロメート処理層を、圧延銅箔のこれとは反対側の面上に形成してもよい。これにより、複合銅箔の銅めっき層を備えない面側においても、耐熱性や耐薬品性を向上させることができる。
(複合銅箔の作用)
以上のように構成される複合銅箔の作用について、以下に説明する。
上述のように、本実施形態では、銅めっき層を比較的厚く形成する。これにより、圧延銅箔の表面に存在するオイルピット等を埋めて、銅めっき層の表面における凹部のサイズを小さくすることができる。オイルピットは、例えば圧延時に用いる圧延油が圧延ロールによって圧延対象の板材の表面に噛み込まれて生じる窪みである。圧延銅箔の表面におけるオイルピットの深さは、例えば0.7μm以上1.0μm以下である。なお、銅めっき層の厚さを、好ましくは2.0μm以下、より好ましくは1.5μm以下とすることで、銅めっき層を形成する際の生産性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、後述する銅めっき層の形成工程において、所定の方法を採ることで、圧延銅箔の表面のオイルピット等を優先的に埋め、銅めっき層上の凹部を更に小さく、例えば上述の所定値以下に抑えている。したがって、防錆層の表面においても、凹部のサイズを例えば上述の所定値以下にすることができる。これにより、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
すなわち、銅めっき層上の凹部のサイズを所定値以下とすることで、防錆層の平滑性が増す。これにより、基材との密着性を向上させることができる。また、基材における光の透過率が向上する。また、複合銅箔から構成される配線の視認性が向上する。
銅めっき層や防錆層の平滑化を図ることで、基材との密着性が向上する理由について、本発明者等は以下のように考察している。
すなわち、平滑性が劣った銅めっき層や防錆層を備える複合銅箔を基材と貼り合わせると、複合銅箔と基材との間に気泡、つまり、ボイドを生じることがある。このようなボイドは、ラミネートと呼ばれる手法により貼り合わせを行ったときに生じ易い。本発明者等は、このようなボイドが生じると、基材との化学的密着性を向上させる役割を担う防錆層の、基材との有効接触面積が減り、密着性が低下すると考えた。
本実施形態では、銅めっき層や防錆層の表面における凹部を所定サイズ以下とし、各層の平滑化を図っているので、貼り合わせの際にボイドの発生を抑制できる。つまり、ボイドの減少が、本実施形態における基材との密着性の向上効果の理由の1つと考えられる。
従来技術においては、上述のように、例えば圧延銅箔の表面に粗化処理を施し、表面を凹凸形状とすることで、アンカー効果により基材との密着性を向上させようとする考え方が主流であった。
しかしながら、本実施形態では、むしろ、銅めっき層や防錆層の表面をより平滑化し、このことによって、基材との密着性を向上させている。これにより、以下に述べるように、従来技術での課題となっていた基材における光の透過率の向上等を図ることも容易となる。
銅めっき層や防錆層の平滑化を図ることで、基材における光の透過率が向上する理由としては、基材への防錆層の凹凸の転写が低減されることが挙げられる。
また、銅めっき層や防錆層の平滑化を図ることで、配線の視認性が向上する理由としては、防錆層の凹凸が抑制され、例えば防錆層の表面での光の乱反射が抑えられることが挙げられる。また、銅めっき層や防錆層が平滑化されて複合銅箔と基材との密着性が向上したことで、配線の境界がより明確となった結果と考えられる。これにより、配線の凹凸によってFPCが外観不良となってしまうことも抑制される。
このように、基材における光の透過性や配線の視認性が向上することで、FPCに電子部品等を搭載する際、基材を透かして見た配線の境界がより明確となって、FPCと電子部品等との位置合わせが容易となる。
また、本実施形態に係る複合銅箔が備える銅めっき層の奏し得る効果としては、銅めっき層の再結晶によるものもある。すなわち、銅めっき層の耐屈曲性の向上や、基材との密着性の向上、基材における光の透過率の向上などが挙げられる。
上述のように、銅めっき層を備える複合銅箔においては、元々の圧延銅箔より耐屈曲性が低下してしまうことがある。特に、上述のように銅めっき層を厚く形成した場合には、耐屈曲性の低下が顕著となる。本発明者等は、係る理由として、銅めっき層がもともと圧延銅箔とは異なる結晶組織を備えているためであると考えた。また、圧延銅箔とは異なり、銅めっき層は、基材との貼り合わせ時の熱処理温度では殆ど再結晶しないと考えた。
そこで、本発明者等は、基材との貼り合わせ時に再結晶するよう銅めっき層を構成したところ、基材との貼り合わせ時、圧延銅箔が再結晶して耐屈曲性を具備するとともに、銅めっき層自体の耐屈曲性も向上させることができることを見いだした。再結晶後は、銅めっき層中の結晶粒が粗大化する。したがって、熱処理後の銅めっき層中の粗大な結晶粒の個数を上述のように規定することで、再結晶した状態の銅めっき層を規定することができる。なお、粗大な結晶粒の個数に上限はないが、後述する銅めっき層の形成方法において得られる個数の最大値として妥当な数値を一応の上限とした。
このように、銅めっき層が再結晶することにより、複合銅箔の全体としての耐屈曲性が向上する。
また、本発明者等は、銅めっき層が再結晶することで、防錆層による基材との密着性が向上することについて、下地となる銅めっき層の結晶粒が再結晶により粗大化することで、その上に防錆層を形成する際、より均等に形成され易くなると推察している。つまり、結晶粒が小さい場合には、微視的にみれば微細な凹凸が密集している状態である。よって、特に極薄な層として形成される、亜鉛めっき層や、クロメート層、シランカップリング処理層等がムラになりやすいと考えられる。
また、銅めっき層が再結晶することで、基材における光の透過率が向上する理由としては、銅めっき層が再結晶した場合、微視的に見た場合、銅めっき層に、より平坦な面が増えるということである。よって、基材に転写される凹凸もより少なくなり、基材の透過率が向上すると考えられる。
このように、基材における光の透過性や配線の視認性が向上することで、FPCと電子部品等との位置合わせが容易となる。
以上のように、本実施形態に係る銅めっき層は、表面の凹部のサイズが所定値以下であり、また、熱処理により再結晶を起こすよう構成されている。このように構成した銅めっき層を下地として防錆層を形成することで、防錆層の適正化を図ることができ、上述の所定の効果が得られる。
次に、防錆層の厚さによる効果について述べる。
すなわち、防錆層の厚さを上述の所定範囲内とすることで、充分な耐熱性や耐薬品性を得つつ、複合銅箔におけるエッチングの容易性、つまり、エッチング性を維持することができる。
防錆層が薄すぎると、耐熱性や耐薬品性が低下し、熱や薬品による変色が発生して外観不良となることがある。また、防錆層の変質により、化学的密着性が低下してしまうことがある。また、防錆層はエッチングが困難な層である。よって、防錆層が厚すぎると、複合銅箔のエッチング性が低下し、根残り、銅残り等と呼ばれるエッチング残りが発生し易くなってしまう。
本実施形態では、防錆層の厚さを上述のように適正化しているため、複合銅箔の基材との密着性やエッチング性を向上させることができる。また、エッチング残りが抑制されることで、基材における光の透過性を更に向上させることができる。
(2)複合銅箔の製造方法
本発明者等は、上述の構成要件を満たす銅めっき層を形成すべく、鋭意研究を行った。その結果、以下の手法により所定の効果を得たので、ここに説明する。
本発明の一実施形態に係る複合銅箔の製造方法について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る複合銅箔の製造工程を示すフロー図である。
(圧延銅箔の準備工程S10)
図1に示されているように、まずは、原箔となる圧延銅箔を準備する。圧延銅箔は、上述の通り、無酸素銅やタフピッチ銅からなる純銅や、またはこれらを母相とする希薄銅合金等を原料とする。係る原料の鋳塊に対し、熱間圧延工程と、冷間圧延処理および焼鈍処理を繰り返す繰り返し工程と、最終冷間圧延工程と、を施し、所定厚さの圧延銅箔が得られる。
(銅めっき層の形成工程S20)
次に、電解脱脂および酸洗処理S21と、銅めっき処理S22とを行って、圧延銅箔の少なくとも片面上に銅めっき層を形成する銅めっき層の形成工程S20を行う。なお、各処理の間には、水洗処理を施す。
すなわち、電解脱脂および酸洗処理S21を行って圧延銅箔の表面を清浄化する。電解脱脂としては、例えば水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液を用いた陰極電解脱脂を行う。アルカリ溶液としては、例えば水酸化ナトリウムを20g/L以上60g/L以下、炭酸ナトリウムを10g/L以上30g/L以下含む水溶液を用いることができる。
酸洗処理としては、例えば硫酸等の酸性水溶液に圧延銅箔を浸漬し、圧延銅箔の表面に残存するアルカリ成分の中和および銅酸化膜の除去を行う。酸性水溶液としては、例えば硫酸を120g/L以上180g/L以下含む水溶液や銅エッチング液等を用いることができる。
続いて、銅めっき処理S22を行って、圧延銅箔上に銅めっき層を形成する。銅めっき処理S22としては、例えば硫酸銅及び硫酸を主成分とする酸性銅めっき浴にて圧延銅箔を陰極とする電解処理を施す。
このとき、酸性銅めっき浴の液組成、液温、電解条件は、広い範囲から選択可能であり、特に限定されるものではないが、例えば下記の範囲から選択されることが望ましい。
硫酸銅五水和物:20g/L以上300g/L以下
硫酸:10g/L以上200g/L以下
液温:15℃以上50℃以下
電流密度:1A/dm以上30A/dm以下
処理時間:1秒以上20秒以下
なお、このときの電流密度は限界電流密度末満である。つまり、所謂、ヤケめっきとはならない電流密度とする。このように、限界電流密度末満の電流密度とすることで、銅めっき層の表面の凹凸を小さくし、平滑化を図ることができる。但し、電流密度が高いほどめっき速度が高まり生産性は向上する。したがって、所定のめっき条件における限界電流密度未満、かつ、極力高い電流密度とすることが好ましい。
また、上述の酸性銅めっき浴には、所定の有機系添加剤を添加する。有機系添加剤としては、3−メルカプト−1−スルホン酸やビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド等のメルカプト基を持つ化合物、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等の界面活性剤、塩酸(HCl水溶液)等の塩化物イオンを所定の組み合わせで用いる。
具体的には、有機硫黄化合物としてビス(3−スルホプロピル)ジスルフィドを10mg/L以上60mg/L以下、界面活性剤として例えばモル質量が3000g/mol程度のポリエチレングリコールを50mg/L以上300mg/L以下、塩化物イオンとして塩化水素(HCl)を20mg/L以上80mg/L以下含む水溶液等を用いることができる。
これらの有機系添加剤は、銅めっき処理において、光沢剤や界面活性剤として用いられるものである。しかしながら、本発明者等は、これらの有機系添加剤を所定の組み合わせで用いることで、銅めっき層により圧延銅箔のオイルピット等の窪みを埋める効果が高まり、銅めっき層の表面に存在し得る凹部のサイズを小さくできることを見いだした。
本発明者等は、メルカプト基を持つ化合物が圧延銅箔の窪みを優先的に埋める効果を促進しているのではないかと推測している。メルカプト基を持つ化合物のこのような働きを、塩化物イオンが更に高めるような相乗効果が起きている可能性もある。
また、本発明者等は、これらの有機系添加剤を所定の組み合わせで用いることで、FPCの製造工程にて行う再結晶焼鈍工程において、圧延銅箔のみならず、銅めっき層も再結晶されることを見いだした。本発明者等によれば、銅めっき層の形成時、これらの有機系添加剤により、銅めっき層の再結晶に必要な何らかのエネルギーが、銅めっき層に蓄積されると推察される。このとき、界面活性剤が、銅めっき層のセルフアニール、つまり、常温で自然に再結晶が進む現象の起きる閾値を下げることで、銅めっき層が再結晶し易いような状態となっている可能性がある。
本発明者等が見いだした、これらの効果や用途、使用法は、これらの有機系添加剤の光沢剤や界面活性像等としての従来の効果や用途、使用法とは全く異なる新規なものである。
なお、上述の効果を得るため、これらの有機系添加剤が予め配合された銅めっき用添加剤等を用いることも可能である。このような銅めっき用添加剤としては、例えば奥野製薬工業株式会社製のトップルチナLS、メルテックス株式会社製のカパーグリームCLX、荏原ユージライト株式会社製のCU−BRITETH−RIII、上村工業株式会社製のスルカップEUC等が挙げられる。これらのいずれかを所定濃度、所定の配合で用いることで、本実施形態の銅めっき層に係る上述の効果を奏する。
以上により、本実施形態に係る銅めっき層付き圧延銅箔が形成される。
(防錆層の形成工程S30)
次に、ニッケルめっき処理S31と、亜鉛めっき処理S32と、クロメート処理(3価クロム化成処理)S33と、シランカップリング処理S34と、を行って、銅めっき層上に防錆層を形成する防錆層の形成工程S30を行う。係る防錆層は、後処理めっき層とも呼ばれる。なお、各処理の間には、水洗処理を施す。
ニッケルめっき処理S31には、例えば硫酸ニッケル六水和物を280g/L以上320g/L以下、塩化ニッケルを40g/L以上50g/L以下、硼酸を40g/L以上60g/L以下含む水溶液を用いることができる。これにより、銅めっき層上にニッケルめっき層が形成される。このとき、コバルト等の他の金属元素を含む化合物を加えて、ニッケル合金から構成されるニッケルめっき層を形成してもよい。
亜鉛めっき処理S32には、例えば硫酸亜鉛を80g/L以上120g/L以下、硫酸ナトリウムを60g/L以上80g/L以下含む水溶液を用いることができる。これにより、ニッケルめっき層上に亜鉛めっき層が形成される。このとき、他の金属元素を含む化合物を加えて、亜鉛合金から構成される亜鉛めっき層を形成してもよい。
その後、クロメート処理S33により、3価クロムタイプの反応型クロメート液を用い、亜鉛めっき層上にクロメート処理層(3価クロム化成処理層)を形成する。また、シランカップリング処理S34として、シランカップリング液を用い、クロメート処理層上にシランカップリング処理層を形成する。
以上により、ニッケルめっき層、亜鉛めっき層、クロメート処理層、シランカップリング処理層が、この順に銅めっき層上に形成されてなる防錆層が形成される。
また、以上により、本実施形態に係る複合銅箔としての防錆層付き圧延銅箔が製造される。
(3)フレキシブルプリント配線板の製造方法
次に、本発明の一実施形態に係る複合銅箔を用いたフレキシブルプリント配線板(FPC)の製造方法について説明する。
(再結晶焼鈍工程(CCL工程))
まずは、本実施形態に係る複合銅箔を所定のサイズに裁断し、例えばポリイミド樹脂フィルム等からなるFPCの基材と貼り合わせてCCL(Copper Clad Laminate)を形成する。すなわち、加熱処理により、基材の表面に設けられたエポキシ系接着剤等の接着剤を硬化させて、複合銅箔の銅めっき層および防錆層を有する面と基材とを密着させ接合する。加熱温度や時間は、接着剤や基材の硬化温度等に合わせて適宜選択することができ、例えば150℃以上400℃以下の温度で、1分以上120分以下、0.5MPa以上3.0MPa以下の圧力を加えながら貼り合わせを行うことができる。
上述のように、複合銅箔が備える圧延銅箔の耐熱性は、このときの加熱温度に合わせて調整されている。したがって、最終冷間圧延工程により加工硬化した状態の圧延銅箔が、上述の加熱により軟化し再結晶に調質される。つまり、基材に複合銅箔を貼り合わせるCCL工程が、複合銅箔の圧延銅箔に対する再結晶焼鈍工程を兼ねている。
このように、CCL工程が再結晶焼鈍工程を兼ねることで、複合銅箔を基材に貼り合わせるまでの工程では、圧延銅箔が最終冷間圧延工程後の加工硬化した状態で複合銅箔を取り扱うことができ、複合銅箔を基材に貼り合わせる際の、伸び、しわ、折れ等の変形を起こり難くすることができる。
また、上述のような圧延銅箔の軟化は、再結晶焼鈍工程により、調質された圧延銅箔、つまり、再結晶組織を有する圧延銅箔が得られたことを示している。これにより、耐屈曲性に優れた圧延銅箔を得ることができる。
一方で、上述の銅めっき層の形成工程S20により形成された銅めっき層もまた、この再結晶焼鈍工程における加熱で再結晶され、上述のような所定サイズ以上の結晶粒を所定個数以上備える結晶組織へと調質される。これにより、銅めっき層自体の耐屈曲性も向上し、複合銅箔の全体としての耐屈曲を向上させることができる。
(表面加工工程)
次に、基材に貼り合わせた複合銅箔に表面加工工程を施す。表面加工工程では、複合銅箔に例えばエッチング等の手法を用いて配線(リード)等を形成する配線形成工程と、配線と他の電子部品等との接続信頼性を向上させるためメッキ処理等の表面処理を施す表面処理工程と、配線等を保護するため配線上の一部を覆うようにソルダレジスト等の保護膜を形成する保護膜形成工程とを行う。
以上により、本実施形態に係る複合銅箔を用いたFPCが製造される。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上述の実施形態においては、複合銅箔は、銅めっき層と防錆層とが、この順に圧延銅箔に形成されてなるとしたが、複合銅箔の構成はこれに限られない。例えば、複合銅箔が、銅めっき層付き圧延銅箔として構成されていてもよい。
また、上述の実施形態においては、FPCの製造工程におけるCCL工程は圧延銅箔に対する再結晶焼鈍工程を兼ねることとしたが、再結晶焼鈍工程は、CCL工程とは別工程として行ってもよい。
また、上述の実施形態においては、接着剤を介して複合銅箔と基材との貼り合わせを行う3層材CCLを製造することとしたが、接着剤を介さず直接貼り合わせを行って2層材CCLを製造してもよい。接着剤を用いない場合には、加熱・加圧により複合銅箔と基材とを直接圧着させてもよい。
また、上述の実施形態においては、複合銅箔はFPC用途に用いられることとしたが、複合銅箔の用途はこれに限られず、例えばリチウムイオン二次電池の負極集電銅箔や、プラズマディスプレイ用電磁波シールド、ICカードのアンテナ等、その他の耐屈曲性を必要とする他の用途にも用いることができる。
また、上述の実施形態においては、上述のような所定の構成要件を有する銅めっき層を形成する方法として、所定の有機系添加剤を用いた電解めっき等に所定の効果が見いだされた。但し、これら以外にも、上述の所定の有機系添加剤と同様の効果を奏する添加剤を用いてもよい。あるいは、上述とは異なる他の銅めっき層の形成工程、或いは、再結晶焼鈍工程等により、上述のような所定の構成要件を有する銅めっき層を形成してもよい。
本発明の主眼は、あくまで、複合銅箔の銅めっき層の表面に存在し得る凹部が所定のサイズ以下となっている点と、銅めっき層が上述の再結晶焼鈍工程にて再結晶することが可能に構成されている点と、にある。また、銅めっき層が適正化されることでそれを下地とする防錆層が適正化される点にある。
次に、本発明に係る実施例について比較例とともに説明する。なお、以下の実施例においては、銅めっき層が形成された圧延銅箔を銅めっき層付き圧延銅箔と呼び、銅めっき層および防錆層が形成された圧延銅箔、すなわち、複合銅箔を防錆層付き圧延銅箔と呼ぶことがある。
(1)銅めっき層付き圧延銅箔および防錆層付き圧延銅箔の製作
種々の評価を行うため、実施例1〜11および比較例1〜9に係る銅めっき層付き圧延銅箔および防錆層付き圧延銅箔を製作した。
(実施例1)
まずは、実施例1に係る銅めっき層付き圧延銅箔および防錆層付き圧延銅箔の製作過程について以下に説明する。
原箔としては、スズ(Sn)を0.01質量%含み、厚さ11μmの圧延銅箔を3本用いた。この圧延銅箔について後述する耐屈曲性の評価を行ったところ、250℃、5分の熱処理後において、屈曲回数は3本の平均で130万回だった。また、この圧延銅箔の表面をレーザ顕微鏡にて無作為に10点測定したところ、表面凹部の深さの平均値は0.7μmであった。
次に、電解脱脂および酸洗処理を施して圧延銅箔の表面を清浄化した。電解脱脂としては、水酸化ナトリウム40g/L、炭酸ナトリウム20g/Lを含む水溶液中にて、液温40℃、電流密度10A/dmの設定で10秒間の処理を行った。圧延銅箔を水洗した後、酸洗として、硫酸150g/Lを含む水溶液中にて液温25℃で10秒間浸漬した。その後、圧延銅箔を更に水洗した。
次に、厚さ0.5μmの銅めっき層を形成した。この工程では、硫酸銅五水和物を170g/L、硫酸を70g/L、有機硫黄化合物としてビス(3−スルホプロピル)ジスルフィドを40mg/L、界面活性剤としてポリエチレングリコール3000(モル質量が3000g/molのポリエチレングリコール)を150mg/L、塩化物イオンとして塩化水素(HCl)を50mg/L含む水溶液を用いた。めっき条件としては、液温35℃、電流密度7A/dmの設定で10秒間とした。その後、圧延銅箔を水洗した。
以上により、実施例1に係る銅めっき層付き圧延銅箔が製作された。
続いて、銅めっき層上に、ニッケルめっき層、亜鉛めっき層、クロメート処理層、シランカップリング処理層をこの順に形成してなる防錆層を形成する。
まずは、厚さ20nmのニッケルめっき層を形成した。この工程では、硫酸ニッケル六水和物200g/L、硫酸コバルト七水和物30g/L、pH緩衝剤としてクエン酸三ナトリウム30g/Lを含む水溶液を用いた。めっき条件としては、液温50℃、電流密度2A/dmの設定で5秒間とした。その後、圧延銅箔を水洗した。
次に、厚さ5nmの亜鉛めっき層を形成した。この工程では、硫酸亜鉛90g/L、硫酸ナトリウム70g/Lを含む水溶液を用いた。めっき条件としては、液温30℃、電流密度1.5A/dmの設定で4秒間とした。その後、圧延銅箔を水洗した。
次に、3価クロム化成処理を行って厚さ5nmのクロメート処理層を形成した。その後、5%の3−アミノプロピルトリメトキシシランを含有するシランカップリング液に、25℃で5秒間浸漬した後、直ちに200℃の温度で乾燥し、シランカップリング処理層を形成した。
上述の各層を形成した面、つまり、この後、ポリイミド樹脂フィルムと貼り合わせる面と反対側の面には、上述のような銅めっき層は形成せず、防錆層の一部、つまり、ニッケルめっき層と亜鉛めっき層とクロメート処理層とを、上述の手法及び手順と同様に形成した。
以上により、実施例1に係る防錆層付き圧延銅箔が製作された。
(実施例2〜11)
続いて、実施例2〜11に係る銅めっき層付き圧延銅箔および防錆層付き圧延銅箔を製作した。
実施例2,3に係る銅めっき層付き圧延銅箔は、上述の実施例1と同一の条件で製作した。また、実施例2,3に係る防錆層付き圧延銅箔は、防錆層の厚さをそれぞれ55nm、および20nmとした以外は、上述の実施例1と同様の条件で製作した。
実施例4〜6に係る銅めっき層付き圧延銅箔は、銅めっき層の厚さを1.0μmとした以外は、上述の実施例1と同様の条件で製作した。また、実施例4,6に係る防錆層付き圧延銅箔は、上述の実施例1と同様の条件で製作した。また、実施例5に係る防錆層付き圧延銅箔は、防錆層の厚さを60nmとした以外は、上述の実施例1と同様の条件で製作した。
実施例7〜9に係る銅めっき層付き圧延銅箔は、銅めっき層の厚さを1.5μmとした以外は、上述の実施例1と同様の条件で製作した。また、実施例7,9に係る防錆層付き圧延銅箔は、上述の実施例1と同様の条件で製作した。また、実施例8に係る防錆層付き圧延銅箔は、防錆層の厚さを60nmとした以外は、上述の実施例1と同様の条件で製作した。
実施例10,11に係る銅めっき層付き圧延銅箔は、上述の実施例1と同様の条件で製作した。また、実施例10,11に係る防錆層付き圧延銅箔は、防錆層の厚さをそれぞれ70nm、および11nmとした以外は、上述の実施例1と同様の条件で製作した。
(比較例1〜6)
次に、比較例1〜9に係る銅めっき層付き圧延銅箔および防錆層付き圧延銅箔を製作した。
比較例1,2に係る銅めっき層付き圧延銅箔は、銅めっき層の厚さをそれぞれ0.2μm、および2.0μmとした以外は、上述の実施例1と同様の条件で製作した。また、比較例1,2に係る防錆層付き圧延銅箔は、上述の実施例1と同様の条件で製作した。
比較例3,4に係る銅めっき層付き圧延銅箔は、上述の実施例1と同様の条件で製作した。また、比較例1に係る防錆層付き圧延銅箔は、防錆層の厚さをそれぞれ10nm、および75nmとした以外は、上述の実施例1と同様の条件で製作した。なお、防錆層の厚さを10nmとするときは、ニッケルめっき層の厚さを5nm、亜鉛めっき層の厚さを2nm、クロメート処理層の厚さを3nmとした。また、防錆層の厚さを75nmとするときは、ニッケルめっき層の厚さを65nm、亜鉛めっき層の厚さを5nm、クロメート処理層の厚さを5nmとした。
比較例5〜9に係る銅めっき層付き圧延銅箔においては、有機硫黄化合物や界面活性剤等の有機系添加剤および塩酸を添加せずに銅めっき層の形成を行った。また、銅めっき層の厚さを、それぞれ上述の実施例1とは異ならせた。それ以外は、実施例1と同様の条件で製作した。また、比較例5〜9に係る防錆層付き圧延銅箔は、防錆層の厚さを、それぞれ上述の実施例1とは異ならせた。それ以外は、実施例1と同様の条件で製作した。
(2)銅めっき層付き圧延銅箔および防錆層付き圧延銅箔の評価
上述のように製作した実施例1〜11および比較例1〜9に係る銅めっき層付き圧延銅箔および防錆層付き圧延銅箔について、以下の評価を行った。
(結晶粒の個数測定)
図2(a)に示されているように評価用サンプルを製作し、実施例1〜11および比較例1〜9に係る銅めっき層付き圧延銅箔50pの結晶粒の状態を評価した。
すなわち、各銅めっき層付き圧延銅箔50pに対し、窒素雰囲気中で250℃、5分の熱処理を施した。係る条件は、フレキシブルプリント配線板のCCL工程で、基材との密着の際に複合銅箔等が実際に受ける熱量の一例を模している。
その後、銅めっき層の表面の、YAG結晶を用いた反射電子(YAG-BSE:YAG-Back-Scattered Electron)像を撮影した。このYAG−BSE像から、3500倍で観察したときの視野範囲である953μm視野範囲内に存在する最大径2.0μm以上の結晶粒の個数を測定した。
(表面粗さ測定)
図2(b)に示されているように評価用サンプルを製作し、実施例1〜11および比較例1〜9に係る防錆層付き圧延銅箔50aの表面粗さ測定を行った。
各防錆層付き圧延銅箔50aに対する表面粗さ測定は、レーザ顕微鏡にて、倍率500倍の視野中に存在する防錆層の表面に存在する凹部の深さを測定して行った。1回あたりの測定では、無作為に選んだ約200μmの測定長の中で最も高い部分を基準点とし、係る測定長の中に存在する凹部について、基準点からどれだけ窪んでいるかを測定した。これを5回繰り返し、凹部の深さの合計値を凹部の個数で割った値を、その防錆層における凹部の深さとした。
(耐熱性試験)
図2(c)に示されているように評価用サンプルを製作し、実施例1〜11および比較例1〜9に係る防錆層付き圧延銅箔50aの耐熱性を評価した。
すなわち、耐熱性試験では、各防錆層付き圧延銅箔50aの、ポリイミド樹脂フィルムとの貼り合わせ予定面(以降、貼り合わせ予定面ともいう)、つまり、銅めっき層と防錆層とを共に設けた面を上面とし、大気中で300℃、3分の熱処理を施した。係る条件も、フレキシブルプリント配線板のCCL工程で、基材との密着の際に複合銅箔等が実際に受ける熱量の一例を模している。
その後、各防錆層付き圧延銅箔50aの貼り合わせ予定面の全体に占める変色領域の割合を算出した。係る変色領域は、熱処理により防錆層付き圧延銅箔50aの表面が黒く焦げた領域である。変色領域の割合が少ないほど耐熱性が高く、10%未満、好ましくは5%未満であることが望ましい。
(ボイドの個数測定)
図2(d)に示されているように評価用サンプルを製作し、実施例1〜11および比較例1〜9に係る防錆層付き圧延銅箔50aを用いたときのボイドの発生状況を評価した。
すなわち、まずは、各防錆層付き圧延銅箔50aを50mm×100mmのサイズに切り出した。真空プレス機により、温度300℃、圧力40MPa、10分間の条件で、各防錆層付き圧延銅箔50aの貼り合わせ予定面を、厚さ50μmのポリイミド樹脂フィルム50fと貼り合せた。このとき、株式会社カネカ製のポリイミドフィルムを用いた。続いて、50mm×100mmの視野内を顕微鏡でポリイミド樹脂フィルム50f側から観察し、20μm以上のボイドの個数を測定した。50mm×100mmの視野内にて、ボイドは1個以下であることが好ましい。
(エッチング性)
図2(e)に示されているように評価用サンプルを製作し、実施例1〜11および比較例1〜9に係る防錆層付き圧延銅箔50aのエッチング性を評価した。
すなわち、上述と同様にポリイミド樹脂フィルム50fと貼り合わせた防錆層付き圧延銅箔50aの圧延銅箔側の上面に、幅1mmのマスキングテープを貼った。次に、塩化第二鉄のスプレーエッチングにて1分間のエッチング処理を行った。これにより、マスキングテープによってマスキングされた領域以外の防錆層付き圧延銅箔50aが除去されて、下地のポリイミド樹脂フィルム50fが露出した状態となった。
1mm幅に残った防錆層付き圧延銅箔50aを配線(リード)50wに見立て、幅方向の両端部を30mmの測定長に亘って、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscopy)により、倍率3500倍にて真上から観察した。このとき、配線50wに見立てた防錆層付き圧延銅箔50aの端部からのはみ出しの最大長が10μm以上の根残りの個数を測定した。係る根残りの個数が、1個以下であることが好ましい。はみ出しの最大長が10μm以上の根残りが複数個存在すると、通常のFPCにおいて配線間が短絡してしまうおそれが高いからである。
(ピール強度)
図2(e)に示されているように評価用サンプルを製作し、実施例1〜11および比較例1〜9に係る防錆層付き圧延銅箔50aを用いたときのポリイミド樹脂フィルム50fとの密着性を評価した。ここでは、以下のように、ピール強度を測定し、防錆層付き圧延銅箔50aとポリイミド樹脂フィルム50fとの密着性の指標とした。以下の測定方法によれば、ピール強度が高いほど密着性が高いといえる。
すなわち、上述のようにポリイミド樹脂フィルム50fに貼り合わされた後、エッチングされて1mm幅となった防錆層付き圧延銅箔50aを、ポリイミド樹脂フィルム50fから90°の角度で引き剥がすときに要する力をピール強度として測定した。0.5N/mm以上となることが好ましい。
(透過率)
図2(f)に示されているように評価用サンプルを製作し、実施例1〜11および比較例1〜9に係る防錆層付き圧延銅箔50aを用いたときの透過率を測定した。
すなわち、上述のエッチング性やピール強度の評価と同様、ポリイミド樹脂フィルム50fに各防錆層付き圧延銅箔50aを貼り合わせてエッチングした。但し、マスキングテープを用いず防錆層付き圧延銅箔50aを全面エッチングし、ポリイミド樹脂フィルム50fを露出させた。露出したポリイミド樹脂フィルム50fに対し、波長700nmにおける光の透過率を分光光度計により測定した。なお、原箔である各層形成前の圧延銅箔を用いた場合の透過率は60%であった。防錆層付き圧延銅箔50aを用いた場合には、係る圧延銅箔を用いたときの透過率よりも、同等以上の透過率となることが好ましい。
(耐屈曲性)
実施例1〜11および比較例1〜9に係る防錆層付き圧延銅箔の耐屈曲性を評価した。係る評価は、図3に示す摺動屈曲試験装置10を用い、IPC(米国プリント回路工業会)規格に準拠して行った。
まずは、圧延方向に長さ200mm、幅12.5mmに各防錆層付き圧延銅箔を切り取った試験片50に対し、大気中で250℃、5分の熱処理を施した。次に、図3に示されているように、試料片50を、摺動屈曲試験装置10の試料固定板11にネジ12で固定した。続いて、試料片50を振動伝達部13に接触させて貼り付け、発振駆動体14により振動伝達部13を上下方向に振動させて試料片50に振動を伝達し、屈曲疲労寿命試験を実施した。測定条件としては、曲げ半径10rを1.5mmとし、ストローク10sを10mmとし、屈曲速度を1500回/分とした。係る条件下、各試料片50が破断するまでの屈曲回数の平均値を比較した。屈曲回数が100万回以上となることが好ましい。
(3)銅めっき層付き圧延銅箔および防錆層付き圧延銅箔の評価結果
以下の表1に、実施例1〜11および比較例1〜9に係る銅めっき層付き圧延銅箔および防錆層付き圧延銅箔についての各評価結果を示す。
表1に示されているように、実施例1〜11に係る銅めっき層付き圧延銅箔および防錆層付き圧延銅箔については、全評価結果において所定値を満たしていた。
一方で、何らかの要件を外れる比較例1〜9に係る銅めっき層付き圧延銅箔および防錆層付き圧延銅箔については、所定の構成を1つ以上外れる結果となってしまった。
例えば、防錆層の表面の凹部が深いほど、ボイドが多いという結果となった。また、ピール強度も低下してしまった。ボイドの増加により、防錆層における基材の有効接触面積が減少してしまったためと考えられる。
また、防錆層の表面の凹部が深いほど、基材における光の透過率も低下してしまった。防錆層の表面の凹凸が基材に転写されてしまったためと考えられる。
また、防錆層が厚いほど、変色領域の割合が減り、耐熱性が向上するという結果となった。一方で、防錆層が厚いほど、エッチング残り、所謂、根残りが増え、エッチング性に劣るという結果であった。このことから、防錆層の厚さには、上述のような適正範囲があることがわかる。
また、銅めっき層が薄いほど、複合銅箔の全体としての厚さが減少するため、屈曲回数が増し、耐屈曲性が向上するという結果であった。但し、銅めっき層が比較的厚くとも、粗大化した再結晶粒の個数が所定数得られていれば、耐屈曲性を向上させることができた。上述の有機系添加剤を銅めっき液に添加した効果と考えられる。但し、銅めっき層を厚く形成することで、複合銅箔としての生産性の悪化が懸念されるため、銅めっき層の厚さにも上述のような適正値がある。
(その他の評価結果)
図4に実施例12および比較例10に係る銅めっき層付き圧延銅箔における銅めっき層の表面のYAG−BSE像を示す。
図4(a)に示される実施例12は、銅めっき層の厚さを1.0μmとした以外は、上述の実施例1と同様の条件で製作した。なお、図4(a)の上段は、熱処理前のYAG−BSE像であり、下段は、250℃、5分の熱処理後のYAG−BSE像である。
図4(b)に示される比較例10は、銅めっき層の厚さを1.0μmとした以外は、上述の比較例3と同様の条件で製作した。つまり、比較例10においては、添加剤を用いずに銅めっき層を形成した。なお、図4(b)の上段は、熱処理前のYAG−BSE像であり、下段は、250℃、5分の熱処理後のYAG−BSE像である。
図4に示されているように、特に熱処理後において、実施例1と同様、添加剤を用いて形成された実施例12の銅めっき層の結晶粒の大きさは、添加剤を用いずに形成された比較例10の銅めっき層の結晶粒の大きさより圧倒的に大きいことがわかる。この結晶粒の大きさの違いをみても、複合銅箔における耐屈曲性に差が生じることが明らかである。
10 摺動屈曲試験装置
11 試料固定板
12 ネジ
13 振動伝達部
14 発振駆動体
20 錘
30 光源
50 試料片
50a 防錆層付き圧延銅箔
50f 基材
50p 銅めっき層付き圧延銅箔
50w 配線

Claims (6)

  1. 圧延銅箔と、
    前記圧延銅箔の少なくとも片面上に形成され、厚さが0.5μm以上1.5μm以下の銅めっき層と、
    前記銅めっき層の上に形成された防錆層と、を備え、
    前記防錆層の表面に凹部が存在する場合、前記凹部の深さの平均値が0.4μm以下である
    ことを特徴とする複合銅箔。
  2. 前記防錆層の厚さは11nm以上70nm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合銅箔。
  3. 前記防錆層は、
    ニッケルめっき層、亜鉛めっき層、クロメート処理層、シランカップリング処理層をこの順に形成してなる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合銅箔。
  4. 250℃、5分の熱処理後、
    前記銅めっき層における最大径が2.0μm以上の結晶粒の個数が、走査型電子顕微鏡の3500倍の視野内にて1個以上150個以下となる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合銅箔。
  5. 圧延銅箔の少なくとも片面上に形成され、厚さが0.5μm以上1.5μm以下の銅めっき層を形成する工程と、
    前記銅めっき層の上に防錆層を形成する工程と、を有し、
    前記銅めっき層を形成する工程では、
    メルカプト基を有する有機硫黄化合物と、界面活性剤と、塩化物イオンを添加した銅めっき液を用いる
    ことを特徴とする複合銅箔の製造方法。
  6. 前記銅めっき層を形成する工程では、
    電流密度が5A/dm以上30A/dm未満、液温が15℃以上50℃以下の条件で電解めっきを行う
    ことを特徴とする請求項5に記載の複合銅箔の製造方法。
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