JP2016088799A - 窒化硼素粉末の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 硼素化合物、カーボンブラック、平均粒径100〜2000μmのポリオール化合物、及び含酸素金属化合物を含有する混合物を、硼素化合物とポリオール化合物との割合が、元素比(B/C)換算で5.1〜40となるように配合し、窒素雰囲気下、1700℃以上の温度に加熱することを特徴とする窒化硼素粉末の製造方法であり、硼素化合物とカーボンブラックとの割合が、元素比(B/C)換算で0.5〜1.0、硼素化合物、カーボンブラック、及びポリオール化合物との合計量(H3BO3、C換算値)100質量部に対して含酸素カルシウム化合物をCaO換算で3〜30質量部であることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明の窒化硼素粉末の製造方法は、硼素化合物、カーボン源及び結晶化触媒の混合物を窒素雰囲気下に加熱して硼素化合物を還元窒化する方法を基本とするものであり、上記原料組成に特定のポリオール化合物を特定量併用することを特徴とする。
上記本発明の製造方法において、原料の硼素化合物としては、硼素原子を含有する化合物が制限なく使用される。例えば、硼酸、無水硼酸、メタ硼酸、過硼酸、次硼酸、四硼酸ナトリウム、過硼酸ナトリウムなどが使用できる。一般的には、入手が容易な硼酸が好適に用いられる。また、使用する硼素化合物の平均粒子径も特に限定されないが、操作性及び還元反応制御の観点から、1〜1000μmが好ましく、10〜900μmがより好ましく、20〜800μmが更に好ましい。即ち、硼素化合物の平均粒子径が1μmより大きいものを使用することによって、取扱いが容易となる。しかし、1000μmを超えると硼素化合物の還元反応が進行し難くなる虞がある。
(還元窒化)
本発明の製造方法において、結晶性の高い六方晶窒化硼素粉末を得るために、通常1700℃以上、好ましくは、1700〜2200℃、更に好ましくは1800〜2000℃で熱処理を行うことが好ましい。即ち、かかる熱処理温度が1700℃未満では結晶性の高い六方晶窒化硼素は得られ難い傾向にあり、2200℃を超える場合は、効果が頭打ちとなり、経済的に不利である。
(酸洗浄)
本発明の製造方法において、上述の還元窒化処理を施した直後は窒化硼素を主成分とするが、硼酸カルシウム等の副生成物も含まれているため、酸を用いて洗浄することが必要となる。酸洗浄の方法は特に制限されず、公知の方法が制限無く採用されるが、例えば、窒化処理後に得られた副生成物含有窒化硼素を解砕して容器に投入し、該副生成物含有窒化硼素の5〜10倍量の希塩酸(10〜20重量%HCl)を加え、4〜8時間接触せしめる方法が挙げられる。
前記本発明の窒化硼素粉末の製造方法によれば、厚みが厚い、低アスペクト比の窒化硼素単粒子と前記窒化硼素凝集粒子とを均一に含有する窒化硼素粉末を得ることができる。具体的には、平均粒子径1〜15μm、アスペクト比が10を超え、30以下の窒化硼素一次粒子が凝集した、平均粒径が、20〜150μmの窒化硼素凝集粒子と、平均粒径が、10〜75μm、アスペクト比が3〜10の窒化硼素単粒子とを、前記窒化硼素凝集粒子100質量部に対して前記窒化硼素単粒子が10〜60質量%の割合で含む窒化硼素粉末を製造することができる。
本発明の窒化硼素粉末の用途は、特に限定されず、公知の用途に特に制限無く適用可能である。好適に使用される用途を例示するならば、電気絶縁性向上や熱伝導性付与等の目的で樹脂に充填剤として使用する用途が挙げられる。上記窒化硼素粉末の用途において、得られる樹脂組成物は、高い電気絶縁性や熱伝導性を有する。
窒化硼素粉末を、倍率2000倍で観察した60μm×40μm四方の複数のSEM観察像を画像解析装置(A像くん:旭化成エンジニアリング株式会社製)により解析し、異なる凝集粒子100個を無作為に選び、それぞれの凝集粒子の長軸の長さを測定し、凝集粒子の平均粒子径(D1)とした。各凝集粒子から無作為に一次粒子10個を選択し、それぞれの一次粒子について長軸の長さを測定し、合計1000個の一次粒子について、上記測定値の平均値を算出して平均一次粒子径(D2)とした。また同時に厚み方向の長さを測定し、長軸の長さ/厚み方向の長さをアスペクト比(A1)とした。
窒化硼素粉末を、倍率2000倍で観察した60μm×40μm四方の複数のSEM観察像を画像解析装置(A像くん:旭化成エンジニアリング株式会社製)により解析し、異なる単粒子を無作為に選び、長軸の長さを測定し、合計1000個の一次粒子について、上記測定値の平均値を算出して平均粒子径(d)とした。また同時に厚み方向の長さを測定し、長軸の長さ/厚み方向の長さをアスペクト比(A2)とした。
窒化硼素粉末を、倍率500倍で観察した250μm×170μm四方のSEM観察像を画像解析装置(A像くん:旭化成エンジニアリング株式会社製)により解析し、異なる粒子5000個となるまで無作為に選び、凝集粒子と単粒子に選別した。尚、2つ以上の単粒子を含むものを凝集粒子とした。選別した粒子について画像解析により、質量割合を算出した。
得られた窒化硼素粉末を樹脂に充填した際の粘度、熱伝導率及び絶縁耐力の評価は、以下のようにして行った。
硼酸(平均粒径75μm)、ファーネスブラック(平均粒径0.08μm)、酸化カルシウム(平均粒径:100μm)、平均粒子径500μmのPVAを表1に示す割合(元素比)で含有する混合物100gをボールミルにて混合した。該混合物50gを、黒鉛製タンマン炉を用い、窒素ガス雰囲気下、15℃/分で1900℃まで昇温し、1900℃で6時間保持することで窒化処理した。
PVAの平均粒子径を1500μmとした以外は実施例1と同様にして、白色の六方晶窒化硼素粉末を得た。各測定値を表2に示した。
硼酸とPVAの割合(元素比(B/C)換算)を15.0とした以外は実施例1と同様にして、白色の六方晶窒化硼素粉末を得た。各測定値を表2に示した。
硼酸とPVAの割合(元素比(B/C)換算)を15.0、PVAの平均粒子径を1500μmとした以外は実施例1と同様にして、白色の六方晶窒化硼素粉末を得た。各測定値を表2に示した。
硼酸とPVAの割合(元素比(B/C)換算)を18.0とした以外は実施例1と同様にして白色の六方晶窒化硼素粉末を得た。各測定値を表2に示した。
硼酸とPVAの割合(元素比(B/C)換算)を18.0、PVAの平均粒子径を1500μmとした以外は実施例1と同様にして、白色の六方晶窒化硼素粉末を得た。各測定値を表2に示した。
ポリオールを添加しない以外は実施例1と同様にして、六方晶窒化硼素粉末を得た。各測定値を表2に示した。ポリオールを添加していないため一次粒子径が15.0μmと大きく、窒化硼素凝集粒子100質量部に対しての窒化硼素単粒子の割合が72質量%と高かった。
硼酸とPVAの割合(元素比(B/C)換算)を3.0とした以外は実施例2と同様にして六方晶窒化硼素粉末を得た。各測定値を表2に示した。添加したPVAが増加したため、窒化硼素単粒子のアスペクト比が24と高く、窒化硼素凝集粒子100質量部に対しての窒化硼素単粒子の割合が8質量%と低かった。
PVAの平均粒子径を1μmとした以外は実施例3と同様にした。各測定値を表2に示して六方晶窒化硼素粉末を得た。添加したPVAの粒径を小さくしたため、窒化硼素凝集粒子を構成する一次粒子の平均粒子径が12.0μmと大きく、窒化硼素凝集粒子100質量部に対しての窒化硼素単粒子の割合が65質量%と高かった。
窒化硼素凝集粒子と高アスペクト比単粒子をV字混合器で10分間混合し、表2比較例4に示す窒化硼素粉末を作製した。得られた窒化硼素粉末は窒化硼素単粒子のアスペクト比が13.1と高いことが特徴である。
Claims (5)
- 硼素化合物、カーボンブラック、平均粒径100〜2000μmのポリオール化合物、及び含酸素金属化合物を含有する混合物を、硼素化合物とポリオール化合物との割合が、元素比(B/C)換算で5.1〜40となるように配合し、窒素雰囲気下、1700℃以上の温度に加熱することを特徴とする窒化硼素粉末の製造方法。
- 硼素化合物とカーボンブラックとの割合が、元素比(B/C)換算で0.5〜1.0、含酸素カルシウム化合物の割合が、硼素化合物、カーボンブラック、及びポリオール化合物の合計量(H3BO3、C換算値)100質量部に対してCaO換算で3〜30質量部である請求項1記載の窒化硼素粉末の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の方法によって得られた窒化硼素粉末。
- 請求項3に記載の窒化硼素粉末を充填してなる樹脂組成物。
- 請求項4記載の樹脂組成物よりなる電子部品の放熱材。
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JPS60155507A (ja) * | 1984-01-26 | 1985-08-15 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 窒化ほう素の連続的製造方法 |
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JP2014094878A (ja) * | 2012-10-11 | 2014-05-22 | Mizushima Ferroalloy Co Ltd | 放熱性に優れる高吸油性窒化ホウ素粉末および化粧料 |
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