JP2016088597A - 包装体用多層シート - Google Patents

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Masayuki Matsuo
雅行 松尾
政男 波多野
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Abstract

【課題】ボトムシートと、当該ボトムシートの上側であるボトムシート上面に重ね合わされて周縁部を固着して製品を収納する密封ポケットを形成するトップシートとを有し、前記ボトムシートの両端側を前記上側方向に向けて折り曲げて前記ボトムシートに形成されている切込み部を破断開封して前記製品を前記密封ポケットから外部へ抽出する破断開封型包装体の前記ボトムシートとして使用される包装体用多層シート。高度なガスバリアー性と容易な破断開封性を有する簡易な構成の包装体用多層シートを提供する。【解決手段】金属膜からなるガス遮断フィルムが2枚の半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の間にサンドイッチ状に挟まれて一体にラミネートされている構造を有する包装体用多層シート。【選択図】図3

Description

本発明は、液体、ペースト、又はこれらに類する製品用の包装体で、当該包装体の半剛性プラスチック製のボトムシートを片手でつまんで折り曲げることにより当該包装体の一部を破断開封し、当該包装体内に収容されている製品を抽出する破断開封型包装体で利用する包装体用多層シートに関する。特に、ガスバリアー性に優れていて、容易に破断開封できる半剛性プラスチックを主材料とする包装体用多層シートに関する。
従来から、破断開封型包装体のボトムシートを片手でつまんで折り曲げることにより、当該包装体の一部を破断開封して当該包装体内に収容されている製品を簡単に抽出できる破断開封型包装体は種々提案されている。
例えば、特許文献1に開示されたサチェットはこれに該当し、破断開封のための嘴状部を廃した簡易な構成で従来の包装体取扱い上の損傷の問題や高価である欠点を改善するとされている。
特許文献1に開示されている「破開可能なサチェット」は、特許文献1に添付されている図面を参照して説明すると、容器を形成するようにシールされたプラスチックフィルム層11、12、13から形成されている。プラスチックフィルム層の一つである半剛性層11と、その上に積層されるプラスチックフィルム層12とでボトムシートが形成され、プラスチックフィルム層13がトップシートの役割をはたし、ボトムシートの上面に重ね合わされて周縁部を固着して内容物を収容する密封ポケットが形成されている。ボトムシートを構成する半剛性層11の外側表面には表側の切込みである刻み15からなる弱化点が形成され、刻み15が形成されている位置に対応する内側ではプラスチックフィルム層12に開口16が形成され、外側表面に表側の切込みである刻み15が形成されている位置に対応する半剛性層11の内側表面は開口16であって、内側のプラスチックフィルム層12が積層されていない領域になっている。
このサチェットは、屈曲された場合に、刻み15に沿って破断し、容器内の内容物が、破断点近傍に形成されている開口16を介して、抑制された仕方で放出するのを可能にするとされている。
特許文献1に開示されている「破開可能なサチェット」では、前記のように、ボトムシートを構成するプラスチックフィルム層(半剛性層)11において外側表面に表側の切込みである刻み15が形成されている位置に対応する内側表面に開口16が形成され、ここでは、プラスチックフィルム層(半剛性層)11の内側にプラスチックフィルム層12が積層されていない。
このため、刻み15及び開口16の部分がガスバリアーの低下要因となるおそれがあり、容器内の内容物が、揮発性成分を含む製品等である場合には、中長期に製品品質を保持する上で更なる改善の余地があった。
特許文献2に開示される「破断開封1回用量包装体」は、特許文献2に添付されている図面を参照して説明すると、半剛性プラスチック材料の第1シート2と、前記半剛性プラスチック材料の第1シート2と重ね合わされて封止され、1回用量の製品5入りの密封ポケット4を画定する、可撓性プラスチック材料の第2シート3と、前記第1シート2の制御された開封を切込み6に沿って誘導して、前記第1シート2に製品5の出口開口を形成するように、前記半剛性プラスチック材料の第1シート2に形成された切込み6とを含み、前記第1シート2を前記切込み6に沿って漸進的に破断するように、前記切込み6の深さが長さ方向に変化するものである。
特許文献2では、特許請求の範囲の請求項20に記載されているように、可撓性プラスチック材料の第2シート3に含まれ得るものの一つにアルミニューム(ALU)をあげ、破断開封型包装体のボトムシートの上面に重ね合わされて周縁部を固着して内容物を収容する密封ポケットを形成するトップシートに相当する可撓性プラスチック材料の第2シート3については、アルミニューム(ALU)素材を採用することによる高度なガスバリアー性の確保が示唆されている。
一方、破断開封型包装体のボトムシートに相当する半剛性プラスチック材料の第1シート2に関しては、特許文献2の「表1」に例示されるように各種のプラチック材料がラミネートされて比較的厚いとは云え、特許文献2に添付されている図面の図3〜図8に示される第1シート2の深い切込み6がガスバリアー性を低下させるおそれがある。
特許文献2では、特許請求の範囲の請求項12に記載されているように、破断開封型包装体のボトムシートに相当する半剛性プラスチック材料の第1シート2を「第1外側支持層および第2内側熱融着可能層を含むラミネート」によって画定することを提案している。そして請求項13に記載の如く「前記支持層と前記熱融着可能層との間にさらなる絶縁層または障壁層が設けられる」構造を提案し、として、半剛性プラスチック材料の第1シート2を構成する支持層として各種のプラスチック材を提案している。
しかし、上述したように、破断開封型包装体のトップシートに相当する可撓性プラスチック材料の第2シート3に採用可能としているアルミニューム(ALU)を、半剛性プラスチック材料の第1シート2を構成する支持層などに採用する提案は特許文献2では行われていない。
特開2006−240747号公報 特表2010−504888号公報
この発明は、化粧品・薬剤の如くアルコール・オイル・香料等揮発性の高い材料を含んで高いガスバリアー性を要求される製品を中長期保存することに耐え、なおかつ簡易な構成の包装体用多層シートを提案することを目的にしている。また、化粧品・薬剤の如くアルコール・オイル・香料等揮発性の高い材料を含んで高いガスバリアー性を要求される製品を中長期保存することに耐えて、破断開封容易で、かつ簡易な構成の包装体用多層シートを提供することを目的にしている。
ボトムシートと、当該ボトムシートの上側であるボトムシート上面に重ね合わされて周縁部を固着して製品を収納する密封ポケットを形成するトップシートとを有し、前記ボトムシートの両端側を前記上側方向に向けて折り曲げて前記ボトムシートに形成されている切込み部を破断開封して前記製品を前記密封ポケットから外部へ抽出する破断開封型包装体の前記ボトムシートとして使用される包装体用多層シートであって、
金属膜からなるガス遮断フィルムが2枚の半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の間にサンドイッチ状に挟まれて一体にラミネートされている構造を有する
ことを特徴とする包装体用多層シート。
前記ボトムシートに形成されている切込み部は、前記包装体用多層シートにおける前記ボトムシート上面に対応する前記包装体用多層シートの上面及び、当該包装体用多層シート上面に対向する前記包装体用多層シートの下面のそれぞれ対応する位置に、前記包装体用多層シート上面及び前記包装体用多層シート下面からそれぞれ前記ガス遮断フィルムの側に向かって延びて形成されている上側切込み部と、下側切込み部であり、
前記上側切込み部が前記包装体用多層シート上面から前記ガス遮断フィルムに向かって延びる長さ及び、前記下側切込み部が前記包装体用多層シート下面から前記ガス遮断フィルムに向かって延びる長さが、いずれも前記ガス遮断フィルムに到達しない長さで、
前記包装体用多層シートの両端側を前記上側方向に向けて折り曲げて前記上側切込み部の前記包装体用多層シート上面における端部同士が当接した点から、前記ガス遮断フィルムの前記上面側の表面までの距離である支点距離Lが150〜300μ
であることを特徴とする包装体用多層シート。
これらによって所期の目的を達成している。
この発明によれば、化粧品・薬剤の如くアルコール・オイル・香料等揮発性の高い材料を含んで高いガスバリアー性を要求される製品を中長期保存することに耐え、かつ簡易な構成の包装体用多層シートを提供することができる。また、化粧品・薬剤の如くアルコール・オイル・香料等揮発性の高い材料を含んで高いガスバリアー性を要求される製品を中長期保存することに耐えて、破断開封容易で、かつ簡易な構成の包装体用多層シートを提供することができる。
この発明の包装体用多層シートがボトムシートとして使用される破断開封型包装体の一実施形態を表す斜視図。 従来のボトムシートが使用されている破断開封型包装体を図1におけるX−X線で断面した状態で説明する概略断面図。 この発明の包装体用多層シートがボトムシートとして使用されている破断開封型包装体を図1におけるX−X線で断面した状態で説明する概略断面図。 この発明の包装体用多層シートがボトムシートとして使用されている破断開封型包装体を破断開封する状態を説明する概略断面図。
この実施形態の包装体用多層シートは、
ボトムシートと、当該ボトムシートの上側であるボトムシート上面に重ね合わされて周縁部を固着して製品を収納する密封ポケットを形成するトップシートとを有し、前記ボトムシートの両端側を前記上側方向に向けて折り曲げて前記ボトムシートに形成されている切込み部を破断開封して前記製品を前記密封ポケットから外部へ抽出する破断開封型包装体の前記ボトムシートとして使用される包装体用多層シートであって、
金属膜からなるガス遮断フィルムが2枚の半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の間にサンドイッチ状に挟まれて一体にラミネートされている構造を有するものである。
従来から知られている破断開封型包装体の実施例としての外観図を図1に示した。この実施形態の包装体用多層シートは、一例として、図1に例示されている破断開封型包装体1のボトムシート2として使用される。
図2は、従来の包装体用多層シートからなる従来のボトムシート2Aが使用されている破断開封型包装体を図1におけるX−X線で断面した状態で説明する概略断面図である。
図2図示の破断開封型包装体1は、ボトムシート2Aと、その上面に重ね合わされて周縁部を固着されて製品5を収納する密封ポケット4を形成するトップシート3とから構成されている。ボトムシート2Aはトップシート3に比較して厚く、トップシート3はボトムシート2Aに比較して薄くなっている。
例えば、ボトムシート2Aとしては、特許文献1に記載されているように、半剛性プラスチック材が使用され、トップシート3としては、可撓性プラスチック材料が使用される。
なお、密封ポケット4の形状は、通常、ボトムシート2Aとトップシート3を周辺部で固着する工程に先立ってあらかじめ公知の手段でトップシート3に成形される。また、通常、周辺部の固着工程と並行して公知の手段で密封ポケット4内への液体、ペースト等の製品5の注入が行われる。
図2の従来のボトムシート2Aが使用されている破断開封型包装体1では、ボトムシート2Aは複数のプラスチック層がラミネートされて構成され、トップシート3は複数の可撓性プラスチック層でラミネートされて構成されている。
図2図示の、従来のボトムシート2Aが使用されている破断開封型包装体1におけるボトムシート2Aの各層の「名称;材質/厚さ」は表1に記載の如く、次のような構成、構造になっている。
支持層21;ポリスチレン/400μ
ガス遮断フィルム22;エバール(登録商標)/20μ
熱融着性フィルム23;ポリエチレン/40μ
トップシート3に関しては表1に記載の如く、次のような構成、構造になっている。
外表層24;PET/12μ
ガス遮断フィルム25;アルミ箔/7μ
熱融着性フィルム26;ポリエチレン/40μ
Figure 2016088597
即ち、図2に例示した従来のボトムシート2Aが使用されている破断開封型包装体1においては、トップシート3ではガス遮断フィルム25として、「アルミ箔/7μ」が使用されて高度なガスバリアー性を確保しているが、ボトムシート2Aにおいては、ガス遮断フィルムとしてプラスチック材では高度なガスバリアー性を有する「エバール(登録商標)/20μ」を使用している。
しかし、エバール(登録商標)のガスバリアー機能はアルミ箔と比較すると高くなく、また製造コストを考慮してその厚さが制約されるのが一般的であった。そこで、ボトムシート2Aの他のラミネート層のガスバリアー機能を加味しても揮発成分を多く含む商品に対しては充分なガスバリアー性が発揮されないおそれがあった。
また、図2に例示した従来のボトムシート2Aのフィルム構成では、ボトムシート2Aの両端を図2の上方に押し曲げて包装体の中央部で破断開封するための切込み7a、7bが、通常は、図示の如くボトムシート2Aの表側(図2における下側)と内側(図2における上側)の両方に設けられる。この場合、内側の切込み7bがガス遮断フィルム22を切断する深さにまで達していると、ガスバリアー性をさらに低下させて、製品の中長期にわたる品質保全を困難にするおそれがあった。
図2に例示した従来のボトムシート2Aのフィルム構成で、エバール(登録商標)のガス遮断フィルム22に替えてアルミ箔を使用しようとしても、図2に示す如く表面(図2における下側面)の切込み7aと共に内側(図2における上側面)の切込み7bを設けた場合、アルミ箔が内側(図2における上側面)の切込み7bで切断されてしまうと、アルミ箔を採用したことによるガスバリアー性の発揮が図れないことになる。
一方、内側(図2における上側面)切込み7bを廃止して表側(図2における下側面)の切込み7aのみの構成とした場合、アルミ箔はガスバリアー性を発揮することは出来るが、ボトムシート2A両端を図示上方に曲げて表側(図2における下側面)の切込み部7aから破断しようとしても、アルミ箔はプラスチック材に比べて塑性が高いので単に折れ曲がるのみで容易に破断できず、破断開封型包装体のボトムシート2Aに要求される破断開封の機能を発揮することが困難になることが考えられる。
そこで、従来方式のボトムシートの構成でアルミ箔をガス遮断フィルム22に使用して、嘴状部を廃した簡易な構成の破断開封型包装体を製造することは、従来は、発想されていなかった。
このように、破断開封型包装体を利用して化粧品・薬剤の如くアルコール・オイル・香料等揮発性の高い材料を含んで高いガスバリアー性を要求される製品を中長期保存することに耐えて、かつ簡易な構成からなる、破断開封型包装体のボトムシートに使用される包装体用多層シートは従来存在しなかった。
本発明におけるこの実施形態では、ボトムシートと、当該ボトムシートの上側であるボトムシート上面に重ね合わされて周縁部を固着して製品を収納する密封ポケットを形成するトップシートとを有し、前記ボトムシートの両端側を前記上側方向に向けて折り曲げて前記ボトムシートに形成されている切込み部を破断開封して前記製品を前記密封ポケットから外部へ抽出する破断開封型包装体の前記ボトムシートとして使用される包装体用多層シートとして、金属膜からなるガス遮断フィルムが2枚の半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の間にサンドイッチ状に挟まれて一体にラミネートされている構造のものを採用している。
これによって、化粧品・薬剤の如くアルコール・オイル・香料等揮発性の高い材料を含んで高いガスバリアー性を要求される製品を中長期保存することに耐えて、かつ簡易な構成からなる、包装体用多層シートを提供することができる。この実施形態の包装体用多層シートは、例えば、破断開封型包装体を利用して化粧品・薬剤の如くアルコール・オイル・香料等揮発性の高い材料を含んで高いガスバリアー性を要求される製品を中長期保存することに耐え、かつ簡易な構成からなる、破断開封型包装体のボトムシートに使用される。
前述した実施形態において、前記ガス遮断フィルムはアルミ箔にすることができる。
あるいは、前述した実施形態において、前記ガス遮断フィルムは金属蒸着フィルムにすることができる。
以上に説明しているいずれの実施形態においても、前記半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層と前記ガス遮断フィルムの間に、プラスチック材料のフィルムを単層ラミネートした、あるいは同種または異種のプラスチック材料のフィルムを複数層ラミネートした構造にすることができる。
以上に説明しているいずれの実施形態においても、前記下面の側における前記半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の下側にプラスチック材料のフィルムを単層ラミネートした、あるいは同種または異種のプラスチック材料のフィルムを複数層ラミネートした構造にすることができる。
以上に説明しているいずれの実施形態においても、前記包装体用多層シートの前記トップシートが重ね合わされる前記上面に熱融着性フィルムがミネートされている構造にすることができる。
以上に説明しているいずれの実施形態においても、前記上面の側における前記半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の厚さが100〜250μ、
前記下面の側における前記半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の厚さが100〜250μ、
前記ガス遮断フィルムの厚さが5〜30μで、
前記包装体用多層シート全体の厚さが250〜600μ
である構造にすることができる。
ガス遮断フィルムは、金属膜からなるガス遮断フィルムによるガスバリア性を効果的に発揮させ、その一方で、破断開封型包装体のボトムシートに採用された場合に容易に破断開封できるという観点から、その厚さは5〜30μの範囲であることが好ましい。
包装体用多層シート全体の厚さは、包装体用多層シートがボトムシートとして使用・採用される破断開封型包装体の強度確保の観点から250μ以上の厚さであることが望ましく、一方で、厚みが増すとゴワゴワした手触り感などが生じるため、600μ以下であることが望ましい。
上面の側における前記半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の厚さ及び、下面の側における前記半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の厚さは上述した包装体用多層シート全体の厚さを考慮して、いずれも、250μ以下の厚さであることが望ましい。
また、容易な破断開封性を確保する観点から、後述するように、包装体用多層シートにおける前記ボトムシート上面に対応する前記包装体用多層シートの上面及び、当該包装体用多層シート上面に対向する前記包装体用多層シートの下面のそれぞれ対応する位置に、前記包装体用多層シート上面及び前記包装体用多層シート下面からそれぞれ前記ガス遮断フィルムの側に向かって延びる上側切込み部と、下側切込み部とを形成し、前記包装体用多層シートの両端側を前記上側方向に向けて折り曲げて前記上側切込み部の前記包装体用多層シート上面における端部同士が当接した点から、前記ガス遮断フィルムの前記上面側の表面までの距離である支点距離Lを150μ以上とする場合や、金属膜からなるガス遮断フィルムによるガスバリア性を効果的に発揮させる観点から、後述するように、前記上側切込み部が前記包装体用多層シート上面から前記ガス遮断フィルムに向かって延びる長さ及び、前記下側切込み部が前記包装体用多層シート下面から前記ガス遮断フィルムに向かって延びる長さをいずれも前記ガス遮断フィルムに到達しない長さにする場合を考慮して、上面の側における前記半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の厚さ及び、下面の側における前記半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の厚さは、いずれも100μ以上であることが望ましい。
以上に説明しているいずれの実施形態においても、前記ボトムシートに形成されている切込み部は、前記包装体用多層シートにおける前記ボトムシート上面に対応する前記包装体用多層シートの上面及び、当該包装体用多層シート上面に対向する前記包装体用多層シートの下面のそれぞれ対応する位置に、前記包装体用多層シート上面及び前記包装体用多層シート下面からそれぞれ前記ガス遮断フィルムの側に向かって延びて形成されている上側切込み部と、下側切込み部であり、
前記上側切込み部が前記包装体用多層シート上面から前記ガス遮断フィルムに向かって延びる長さ及び、前記下側切込み部が前記包装体用多層シート下面から前記ガス遮断フィルムに向かって延びる長さが、いずれも前記ガス遮断フィルムに到達しない長さで、
前記包装体用多層シートの両端側を前記上側方向に向けて折り曲げて前記上側切込み部の前記包装体用多層シート上面における端部同士が当接した点から、前記ガス遮断フィルムの前記上面側の表面までの距離である支点距離Lが150〜300μ
となる構造にすることができる。
これによって、化粧品・薬剤の如くアルコール・オイル・香料等揮発性の高い材料を含んで高いガスバリアー性を要求される製品を中長期保存することに耐えて、破断開封容易で、かつ簡易な構成からなる、包装体用多層シートを提供することができる。この実施形態の包装体用多層シートは、例えば、破断開封型包装体を利用して化粧品・薬剤の如くアルコール・オイル・香料等揮発性の高い材料を含んで高いガスバリアー性を要求される製品を中長期保存することに耐え、破断開封容易で、かつ簡易な構成からなる、破断開封型包装体のボトムシートに使用される。
前記包装体用多層シートの両端側を前記上側方向に向けて折り曲げて前記上側切込み部の前記包装体用多層シート上面における端部同士が当接した点から、前記ガス遮断フィルムの前記上面側の表面までの距離である支点距離Lを150μ以上とするのは、ガス遮断フィルムの前記上面側の表面における点を支点に、前記上側切込み部の前記包装体用多層シート上面における端部同士が当接した点に加えられた力で、ガス遮断フィルムの上面側の表面に対して反対側になるガス遮断フィルムの下面から、テコ(梃子)の原理を利用してガス遮断フィルムを破断することを考慮したものである。
発明者等の検討によると、容易な破断開封性を確保する上で、支点距離Lが150μ以上であることが望ましかった。
一方、上述したように、上面の側における前記半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の厚さは100〜250μの範囲であることが望ましく、また、前記包装体用多層シート全体の厚さの好ましい範囲(250〜600μ)を考慮して、前記半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層と前記ガス遮断フィルムの間に、プラスチック材料のフィルムを単層ラミネートした、あるいは同種または異種のプラスチック材料のフィルムを複数層ラミネートした構造にする場合や、前記包装体用多層シートの前記トップシートが重ね合わされる前記上面に熱融着性フィルムがミネートされている構造にする場合であっても、これらによって追加される厚さは50μ以下であることが望ましい。
そこで、これらの厚さを考慮して、支点距離Lは300μを越えないことが望ましい。
更に、以上に説明しているいずれの実施形態においても、前記上面の側における前記半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の厚さが100〜250μ、
前記下面の側における前記半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の厚さが100〜250μ、
前記ガス遮断フィルムの厚さが5〜30μ、
前記包装体用多層シート全体の厚さが250〜600μで、
前記ボトムシートに形成されている切込み部は、前記包装体用多層シートにおける前記ボトムシート上面に対応する前記包装体用多層シートの上面及び、当該包装体用多層シート上面に対向する前記包装体用多層シートの下面のそれぞれ対応する位置に、前記包装体用多層シート上面及び前記包装体用多層シート下面からそれぞれ前記ガス遮断フィルムの側に向かって延びて形成されている上側切込み部と、下側切込み部であり、
前記包装体用多層シートの両端側を前記上側方向に向けて折り曲げて前記上側切込み部の前記包装体用多層シート上面における端部同士が当接した点から、前記ガス遮断フィルムの前記上面側の表面までの距離である支点距離Lが150〜300μで、
前記上側切込み部が前記包装体用多層シート上面から前記ガス遮断フィルムに向かって延びる長さ及び、前記下側切込み部が前記包装体用多層シート下面から前記ガス遮断フィルムに向かって延びる長さが、いずれも前記ガス遮断フィルムに到達しない長さであって、
前記上側切込み部が前記包装体用多層シート上面から前記ガス遮断フィルムに向かって延びる長さが、前記支点距離Lの長さに対して65%以上の大きさ
である構造にすることができる。
上述した各厚みサイズ、形状の好ましい範囲・形態と、高いガスバリアー性、破断開封容易性を考慮し、更に、製品の抽出状態を良好にするという観点からである。
この実施形態の包装体用多層シートは、ガスバリアー性の高いアルミ箔等の金属膜を2枚のプラスチックの支持層の間にサンドイッチ状にラミネートしている。そこで、液体、ペースト等の製品の破断開封型包装体に用いる場合、高いガスバリアー性を発揮できる包装体用多層シートとして広範囲な製品に利用することができる効果がある。
また、この実施形態の包装体用多層シートは、ガスバリアー性の高いアルミ箔等の金属膜を2枚のプラスチックの支持層の間にサンドイッチ状にラミネートしている構造であって、前記包装体用多層シートの上面及び、当該包装体用多層シート上面に対向する前記包装体用多層シートの下面のそれぞれ対応する位置に、前記包装体用多層シート上面及び前記包装体用多層シート下面からそれぞれ前記ガス遮断フィルムの側に向かって延びる上側切込み部と、下側切込み部とが形成され、前記下側切込み部が形成されている箇所で前記包装体用多層シート下面における破断開封が行われるものであり、前記上側切込み部が前記包装体用多層シート上面から前記ガス遮断フィルムに向かって延びる長さ及び、前記下側切込み部が前記包装体用多層シート下面から前記ガス遮断フィルムに向かって延びる長さが、いずれも前記ガス遮断フィルムに到達しない長さで、前記包装体用多層シートの両端側を前記上側方向に向けて折り曲げて前記上側切込み部の前記包装体用多層シート上面における端部同士が当接した点から、前記ガス遮断フィルムの前記上面側の表面までの距離である支点距離Lが150〜300μである構造にしている。
このため、この実施形態の包装体用多層シートを各種の破断開封型包装体のボトムシートとして使用すれば、折り曲げ位置の表側(包装体用多層シート下面側)・内側(包装体用多層シート上面側)に配置された切込みが金属膜を傷付けないシート構成とすることができる。また、包装体用多層シートを折り曲げる際に2枚の支持層が金属膜を容易に破断することができる構成となっているため、液体、ペースト等の製品の破断開封型包装体に用いる場合、高いガスバリアー性と容易な破断開封性を兼ね備えた包装体用多層シートとして広範囲な製品に利用することができる効果がある。
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して詳しく説明するが、本発明は上述した実施の形態や、以下に説明する実施例に限定されず、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態・構造に変更可能であり、広く各種の破断開封型包装体に適用することができる。
本発明の包装体用多層シートの一実施形態が、図1に例示した破断開封型包装体のボトムシート2に採用される一例を図3を参照して説明する。図3は、図1におけるX−X断面を表すもので、破断開封型包装体1のボトムシート2に本発明の包装体用多層シートが使用された場合を説明するものである。
図3に例示する破断開封型包装体1におけるボトムシート2Bの各層の「名称;材質/厚さ」は表2に記載の如く次のようになっている。なお、以下では、ボトムシート2Bの下面側を表側、ボトムシート2Bの上面側を内側として説明することがある。
表側支持層21a;ポリスチレン/200μ
ガス遮断フィルム22;アルミ箔/9μ
内側支持層21b;ポリスチレン/200μ
熱融着性フィルム23;ポリエチレン/40μ
トップシート3は、図2を用いて説明した従来の包装体用多層シートを使用した破断開封型包装体1の場合と同じものを採用し、次のようになっている。
外表層24;PET/12μμ
ガス遮断フィルム25;アルミ箔/7μ
熱融着性フィルム26;ポリエチレン/40μ
このように、本発明に係る包装体用多層シートにおいては、アルミ箔の上下に2枚の支持層21a、21bが別個に配置されている。破断開封型包装体のボトムシート2Bとして使用されるにあたって、包装体用多層シートにおけるボトムシート上面に対応する包装体用多層シートの上面及び、包装体用多層シート上面に対向する包装体用多層シートの下面のそれぞれ対応する位置に、包装体用多層シート上面及び包装体用多層シート下面からそれぞれガス遮断フィルム22の側に向かって延びる上側切込み部(内側の切込み7b)と、下側切込み部(表側の切込み7a)とが形成される。この下側切込み部(表側の切込み7a)が形成されている箇所でボトムシート下面の破断開封が行われる。
上側切込み部(内側の切込み7b)が包装体用多層シート上面からガス遮断フィルム22に向かって延びる長さ及び、下側切込み部(表側の切込み7a)が包装体用多層シート下面からガス遮断フィルム22に向かって延びる長さが、いずれもガス遮断フィルム22に到達しない長さになっている。
すなわち、ガス遮断フィルム22(アルミ箔)は、図3図示のように、表側の切込み7a及び内側の切込み7bに切断されることなく、ガス遮断フィルム22として高度なガスバリアー性を発揮することができる。
Figure 2016088597
図4は、この発明の包装体用多層シートがボトムシートとして使用されている破断開封型包装体を破断開封する状態を説明する概略断面図であって、ボトムシート2Bを押し曲げて包装体を破断開封する時にアルミ箔に掛かる引っ張り応力を説明している。
図3に例示した、本発明の包装体用多層シートをボトムシートに使用している破断開封型包装体1を破断開封する際には、図4の断面図に示す如く、通常は、ボトムシート2Bの両端を両指で挟んで矢印F1で示す方向に押してボトムシート2Bを押し曲げる。
この時、ボトムシート2Bの表側支持層21aの表側の切込み7aの先端に切込みを広げようとする応力が発生して、表側の切込み7aの先端は図示の如くアルミ箔に到達する位置まで進行する。
そして、この工程と並行して内側支持層21bの内側の切込み7bの開いていた両側面は順次接近して図示の如く内側の切込み7bの端面ポイントP1が互いに接触する。
ここで、端面ポイントP1は、ボトムシート2Bに形成されている内側の切込7bの、ボトムシート2Bの内側の表面(ボトムシート2Bの、破断開封型包装体1において製品5を収容する密封ポケット4に面する表面)における端点である。
そして、さらに押し曲げ工程を進める時、ガス遮断フィルム22(アルミ箔)の、上述したように表面側から伸びてきた表側の切込み7aの先端の近傍部ではF1の応力が端面ポイントP1を支点としてガス遮断フィルム22(アルミ箔)に引っ張り応力F2として作用する。
そこで、表側支持層21a、内側支持層21bと一体にラミネートされたガス遮断フィルム22(アルミ箔)は表側の切込み7aの先端形状による応力集中の効果もあって破断される。
なお、ガス遮断フィルム22(アルミ箔)の破断に際しては、図4に記載のガス遮断フィルム22(アルミ箔)の内側(図4における上側の面)の面から内側の切込み7bの端面ポイントP1までの支点距離Lが大きいほど応力F1が大きくなる。また、ガス遮断フィルム22(アルミ箔)の破断面に発生する引っ張り応力F2も大きくなる。ガス遮断フィルム22の上面の点を支点にボトムシート切込み端部同士の当接した点に加えられた力でその反対の下面からガス遮断フィルム22をテコ(梃子)の原理で破断することになるからである。
このため、適正な力でボトムシート2Bのガス遮断フィルム22(アルミ箔)を破断開封するためには、前述した支点距離Lを適切な寸法に設定することが望ましい。そこで、これに応じて、内側支持層21bの存在とその適切な厚さが要請されることになる。
即ち、図4で内側支持層21bと熱融着性フィルム23が薄くて支点距離Lが極めて小さい場合、ガス遮断フィルム22(アルミ箔)に発生する引張り応力F2は十分な大きさにならない。
このため、表面の切込み7aの先端近傍、内側の切込み7bの先端近傍で、ガス遮断フィルム22(アルミ箔)と内側支持層21bには、主として、接続部を曲げようとする力が働いて、ガス遮断フィルム22(アルミ箔)を円滑に破断することが難しくなる。
なお、上記の支点距離Lと破断開封試験の結果は以下の通りであった。
(破断開封試験)
破断開封型包装体の破断開封試験における包装体用多層シートは表2に示す本発明に係る材料構成とし、試験を実施する変動条件として、表3に示した「支点距離L(μ)」「内側支持層21bの厚さ(μ)」「熱融着フィルム23の厚さ(40μで固定)」「内側切込み深さ7b(μ)」を設定した。
なお、ボトムシート2Bの「表側支持層21a;200μ」「表側の切込み深さ7a;180μ」は固定条件とし、トップシート3に関しては表1(表2も同じ)に記載の材料、厚さのシートを使用した。
表3には、各試験条件に対する各10個の包装体の折り曲げによる破断開封試験の結果を併せて記載した。
Figure 2016088597
表3に示す如く、内側支持層21bを使用しない場合、支点距離Lは熱融着フィルムの厚さ40μとなる。この時、内側の切込みは入れなかったが、支点距離Lが小さいためガス遮断フィルム22(アルミ箔)は単に折り曲がるのみで同じ包装体に対する5回(n=5)程度の繰り返しでは破断する兆候が見られなかった。
支点距離Lを90μ(内側支持層21b;50μ)で内側の切込み30μを入れた場合、5回の折り曲げでガス遮断フィルム22(アルミ箔)には張力が発生したと想定されるアルミ表側面の性状変化が確認されたがガス遮断フィルム22(アルミ箔)の破断には至らなかった。
支点距離Lを140μ(内側支持層21b;100μ)、内側の切込み深さを80μとした場合、5回の折り曲げでガス遮断フィルム22(アルミ箔)は破断するが破断面の形状にばらつきが発生し、製品の抽出状態が商品化のレベルには達しなかった。
ボトムシート2Bとして支点距離Lを190μ(内側支持層21b;150μ)、内側切込み深さ130μにおいて、1回の折り曲げで10個の破断開封型包装体の破断開封が安定して、利用可能なレベルの製品抽出状態に達した。
なお、支点距離Lを190μとしたボトムシート2Bにおいて、内側切込み深さ100μでは1回の折り曲げで破断できたが、確実さに欠け、製品抽出が安定しなかった(製品の斜め抽出、あるいは二筋に抽出される等の不具合があった)。
支点距離Lを240μ(内側支持層;200μ)とした場合、内側切込み深さ150μでは製品の抽出状態が不安定で、内側切込み深さ180μで良好な抽出状態になった。
以上のように、支点距離Lを190μ、240μにすると、良好な破断容易性を確保できているが、この場合、内側の切込み7bの深さの大きさにより、製品の抽出状態が異なっていた。そこで、良好な破断容易性を確保し、なおかつ、製品の抽出状態を良好にするという観点から、内側の切込み7bの深さは、上述した支点距離Lの長さに対して65%以上の大きさであることが望ましいと考えられた。
なお、表側及び内側の支持層、ガス遮断フィルム、熱融着性フィルム等の厚さ、並びに適正な切込み深さ等は、包装体のサイズや対象製品の揮発性や稠度等の物性による。このため、これらの条件を検討して破断開封型包装体のボトムシート2Bに使用する包装体用多層シートの仕様を決める必要がある。
本発明における包装体用多層シートの寸法範囲としては、前記実施例に限定されることなく、包装体用多層シートの表側及び内側支持層フィルムの厚さがそれぞれ100〜2500μ、ガス遮断フィルムの厚さが5〜30μで、包装体用多層シート全体の厚さが250〜600μである。また、ボトムシート2Bとしての支点距離Lが150μ〜250μ、両側の切込み7a、7bの深さがいずれもガス遮断フィルムを傷付けない深さであることが望ましい。これらの厚さ及び、両側の切込み7a、7bの深さがいずれもガス遮断フィルムを傷付けない深さであることから、形成される両側の切込み7a、7bの深さはいずれも100μ〜200μの範囲になると考えられる。
(ガスシールド性の比較試験結果)
従来の包装体用多層シート(図2、表1のシート構成)がボトムシートに採用されている破断開封型包装体と、本発明の包装体用多層シート(図3、表2のシート構成)ボトムシートに採用されている破断開封型包装体に、それぞれ、製品「UVプロテクト化粧品」を充填してガスシールド性比較試験を行った。
試験では各10個のサンプルを高温試験装置に設定温度(50℃)で入れて、ほぼ1ヶ月おきに重量計測して内容の重量ロスによりガスシールド性を評価した。
ここで、従来の包装体用多層シートからなるボトムシート2Aでは、表1のシート構成のボトムシート(全厚さ;4600μ)を使用し、破断開封型包装体1の破断開封性を維持するために、「表側の切込み7aの深さ;140μ」「内側の切込み7bの深さ;160μ」としている。このため、ボトムシート2Aにおいて、ガス遮断フィルム22のエバールが内側の切込み7bにより切断されて、ガスシールド性を低下させている。
表4に示す従来の包装体用多層シートからなるボトムシート2Aの試験結果を要約すると、「試験当初の内容量の平均値3.04gr」が「約3.5ヶ月後に1.08grとになり、1.96gr(約64%)減量」していた。また、試験後に開封して内部の商品を調べたところ、蒸発量が多いため、クリーム成分の凝固と褐変/黄変が見られた。
なお、このUV化粧品試験では50℃、2ヶ月の試験が常温保存での1年間に相当するとされ、50℃、3.5ヶ月は常温保存期間の1.75年間に相当するが、上記結果からはとてもその期間の品質保証に堪えないと判断された。
そして、試験開始1ヶ月後に、すでに製品重量の平均値が16%減量していることを考慮すると、本試験対象品の如く揮発性の高い商品を対象とする場合、従来の包装体用多層シートからなるボトムシート2Aを利用した場合、半年間の品質保証が困難なレベルにあると判断された。
Figure 2016088597
表5に示す試験結果は、本発明に係る包装体用多層シートからなるボトムシートを使用した包装体の評価試験で、表2に記載のフィルム構成によりボトムシート2Bはガス遮断フィルムとしてアルミ箔/9μを使用し、内側支持層21bと熱融着層の合計厚さ240μに対して、内側の切込み7bの深さを180μとしてアルミ箔(ガス遮断フィルム)の損傷を防止している。
また、トップシート3は従来方式と同じ材料構成でアルミ箔/7μを使用してガスシールド性を確保し、ボトムシート2Bのガスシールド性を向上させたことにより破断開封型包装体としてのガスシールド性が大幅に改善している。
なお、参考までに、例示の従来方式のボトムシート2Aの全厚さ460μに対して、この試験に供した本発明に係る包装体用多層シートからなるボトムシート2Bの全厚さは449μである。
本発明に係る包装体用多層シートからなるボトムシートを使用した包装体の評価試験の結果、「試験当初の内容量の平均値3.37gr」が「約9ヶ月後に3.32grとわずか0.05gr(約1.5%)の減量」であった。また、試験後に開封して商品を調べたところ、色の変化はなく、また異臭等の問題もないため結果良好として本試験を終了した。
なお、前述の如く本UV化粧品試験では50℃、2ヶ月の試験が常温保存での1年間に相当するとされ、本試験の50℃、9ヶ月は常温保存の4.5年間に相当するものであり、保証期間を充分クリアするものとして高く評価された。
化粧品の使用期限は商品の種類によって異なるが、比較的期限が永い基礎化粧品において通常「商品の使用期限は未開封で3年、開封後は半年を目安にする。」とされ、薬事法では「通常の保管条件で3年以内に変質するものは、有効期限を表示する」と定められている。
このような観点で、表1に記載の従来の包装体用多層シートからなるボトムシート2Aを利用した破断開封型包装体では揮発性の高い製品の中長期の保存は困難であるが、本発明に係る包装体用多層シートをボトムシート2Bに用いて、これに対応するガスシールド性を有するトップシートを利用すれば、化粧品の如く揮発性の高い製品の包装体として実用上も法規制の観点からも製品品質保証が可能な破断開封型包装体を提供できると考えられる。
また、本試験に用いた、表2に記載の本発明の包装体用多層シートからなるボトムシート2Bを利用した破断開封型包装体では、表3に示す破断開封試験の条件を満たしているため、包装体として円滑に破断開封して製品を抽出することが可能で、ガスバリアー性と破断開封性の両機能を併せて保有している。
Figure 2016088597
(その他の実施形態)
本発明の包装体用多層シートからなるボトムシートを利用した破断開封型包装体の寸法としては、商品に応じて多様なサイズが利用できるが、包装体の平面寸法としては「40mmW×80mmL」、製品充填時の厚さは2〜3mmHとなっている。そして、通常、より大きな包装体に対しては必要に応じてより厚手のシートが利用されるが、包装する製品の揮発性や稠度等の物性に応じてシートの仕様は決定される。
また、上記実施形態では、包装体用多層シートを構成する支持層の材料としてポリスチレンについて説明したが、支持層の材料としてポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリプロピレン(PP)等が利用できる。
また、ガス遮断フィルムとしてはアルミ蒸着フィルム等を利用することも可能で、熱融着性フィルムとしてポリエチレンに替えてポリプロピレン等が利用できる。
また、包装体用多層シートを構成する2枚の支持層フィルムと金属膜の間に支持層とガス遮断フィルムの層間接着度を高めるためにポリエステル等が利用することができる。なお、表側支持層の外側表面にPETやポリポリスチレン等の延伸フィルム等をラミネートして外観や印刷性を高めることもできる。
破断開封型包装体の形状は上述し、図示した実施形態では、ほぼ長方形としたが、本発明に係る包装体用多層シートは楕円形等他の形状も自由に採用可能で、複数の容器ポケットを有する破断開封型包装体に適用することも出来る。
このように、本発明に係る包装体用多層シートは、上記実施形態・実施例の構成に限定されず、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更する事が可能である。
本発明の包装体用多層シートは、液体、ペースト等及びこれらに類する揮発性の高い化粧品、医薬品、食品、調味料等の製品に利用する開封破断型包装体において、半剛性プラスチックを主材料とする破断開封用シートとして簡易な構成でガスバリー性等と容易な破断開封性を備えたボトムシートとして使用することができる。
なお、本発明の包装体用多層シートを利用した包装体は、ガスバリアー性による製品成分の揮発防止に加えて製品の酸化防止、吸湿防止、光劣化防止等の効果も併せて備えているため、今後、幅広い分野のメーカーで多くの製品の包装体に活用されるものと考えられる。
1 破断開封型包装体
2A ボトムシート(従来方式)
2B ボトムシート(本発明方式)
3 トップシート
4 密封ポケット
5 製品
7a 表側の切込み
7b 内側の切込み
21 表側の支持層
21a 表側の支持層
21b 内側の支持層
22 ガス遮断フィルム
23 熱融着性フィルム
24 外表層
25 ガス遮断フィルム
26 熱融着性フィルム
F1 応力
F2 引っ張り応力
L 支点距離
P1 端面ポイント

Claims (8)

  1. ボトムシートと、当該ボトムシートの上側であるボトムシート上面に重ね合わされて周縁部を固着して製品を収納する密封ポケットを形成するトップシートとを有し、前記ボトムシートの両端側を前記上側方向に向けて折り曲げて前記ボトムシートに形成されている切込み部を破断開封して前記製品を前記密封ポケットから外部へ抽出する破断開封型包装体の前記ボトムシートとして使用される包装体用多層シートであって、
    金属膜からなるガス遮断フィルムが2枚の半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の間にサンドイッチ状に挟まれて一体にラミネートされている構造を有する
    ことを特徴とする包装体用多層シート。
  2. 前記ガス遮断フィルムがアルミ箔であることを特徴とする請求項1に記載の包装体用多層シート。
  3. 前記ガス遮断フィルムが金属蒸着フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の包装体用多層シート。
  4. 前記半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層と前記ガス遮断フィルムの間に、プラスチック材料のフィルムを単層ラミネートした、あるいは同種または異種のプラスチック材料のフィルムを複数層ラミネートしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装体用多層シート。
  5. 前記下面の側における前記半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の下側にプラスチック材料のフィルムを単層ラミネートした、あるいは同種または異種のプラスチック材料のフィルムを複数層ラミネートしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装体用多層シート。
  6. 前記包装体用多層シートの前記トップシートが重ね合わされる前記上面に熱融着性フィルムがミネートされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の包装体用多層シート。
  7. 前記上面の側における前記半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の厚さが100〜250μ、
    前記下面の側における前記半剛性プラスチック材料のフィルムからなる支持層の厚さが100〜250μ、
    前記ガス遮断フィルムの厚さが5〜30μで、
    前記包装体用多層シート全体の厚さが250〜600μ
    であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装体用多層シート。
  8. 前記ボトムシートに形成されている切込み部は、前記包装体用多層シートにおける前記ボトムシート上面に対応する前記包装体用多層シートの上面及び、当該包装体用多層シート上面に対向する前記包装体用多層シートの下面のそれぞれ対応する位置に、前記包装体用多層シート上面及び前記包装体用多層シート下面からそれぞれ前記ガス遮断フィルムの側に向かって延びて形成されている上側切込み部と、下側切込み部であり、
    前記上側切込み部が前記包装体用多層シート上面から前記ガス遮断フィルムに向かって延びる長さ及び、前記下側切込み部が前記包装体用多層シート下面から前記ガス遮断フィルムに向かって延びる長さが、いずれも前記ガス遮断フィルムに到達しない長さで、
    前記包装体用多層シートの両端側を前記上側方向に向けて折り曲げて前記上側切込み部の前記包装体用多層シート上面における端部同士が当接した点から、前記ガス遮断フィルムの前記上面側の表面までの距離である支点距離Lが150〜300μ
    であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の包装体用多層シート。
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