JP2016087488A - ワイパー装置 - Google Patents

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誠司 山浦
Seiji Yamaura
誠司 山浦
勝美 磨知
Katsumi Machi
勝美 磨知
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Abstract

【課題】浸漬方式で電極シートの両面に電極スラリーを安定して塗布するために有用はワイパー装置を提供する。
【解決手段】ワイパー装置20は、水平方向に延びた軸23aおよび23bの周りに凸に湾曲した面24aおよび24bを含む一対のローラー22aおよび22bを有する。ローラー22aおよび22bは、浸漬槽11に溜められた電極スラリー2を通過して鉛直方向に引き上げられた帯状の電極シート1が通過する間隙21を挟んで向かい合わせに配置される。ワイパー装置20は、さらに間隙21の寸法を制御する機構25aおよび25bと、ローラー22aおよび22bから電極スラリー2を掻きとる一対のブレード26aおよび26bを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電極シートにスラリー状の電極材料を塗布して電極を製造する際に有用な装置に関するものである。
特許文献1には、正極材及び負極材とされる帯状電極材に対して、ゲル状のポリマーを両面同時に精度良く塗布、乾燥させてゲル層を形成する塗布装置が記載されている。この塗布装置は、塗布液が溜められ、帯状電極材が浸漬されて走行される貯槽と、帯状電極材の表裏両面に付着した塗布液を一定厚さに掻き取るブレードと、このブレードに対して帯状電極材を案内するロールとを有する塗膜調整部材とを備えて構成される。塗膜調整部材は、少なくとも一対、帯状電極材を挟んで両側に対向して配設され、ロールが塗布液内で帯状電極材を挟み込んで走行されるとともに、ブレードが塗布液の液面上に位置するように位置決めされる。
特許文献2には、電極箔に塗布された電極スラリー中で活物質等を均質な状態に保ったまま、電極スラリーを乾燥させることにより、電極スラリーを乾燥させて得られた活物質層の電気的特性を良好に保つ装置が開示されている。このリチウムイオン二次電池の電極塗工装置は、電極箔を巻取りロールにより引出しながら活物質及び導電助剤が分散した電極スラリーを電極箔に塗布する塗布装置と、電極箔に塗布された電極スラリーを乾燥させる乾燥装置とをこの順に備える。また塗布装置と乾燥装置との間に、電極スラリーに振動を加える加振装置が設けられる。
特許文献3には、隆起部分の高さを抑制できる電極製造装置及び電極の製造方法を提供することが開示されている。電極製造装置は、金属箔に対して、活物質が含まれたスラリーを塗布する塗布部と、金属箔に塗布されたスラリーの塗膜のうち当該塗膜の端部に沿って存在する隆起部分以外の平坦部分に対して電界を印加することにより、平坦部分に上方に向かう引力を生じさせる電界印加部とを備えている。これにより、隆起部分のスラリーが平坦部分に移動し、隆起部分の高さが抑制される。
特開2000−317366号公報 特開2014−182971号公報 特開2014−175254号公報
特許文献1に開示されている浸漬を用いた塗布装置により、活物質等を含む電極スラリーを電極箔に塗布することができる。この方法は、電極箔の両面に同時に電極スラリーを塗布できる反面、両面に電極スラリーが均質に塗布された状態で乾燥炉に導くことが難しい。
本発明の一態様は、水平方向に延びた軸の周りに凸に湾曲した面を含む一対のワイパー部材であって、浸漬槽に溜められたスラリー状の電極材料を通過して鉛直方向に引き上げられた帯状の電極シートが通過する間隙を挟んで向かい合わせに凸に湾曲した面が配置された、一対のワイパー部材と、間隙の寸法を制御する機構とを有するワイパー装置である。一対のワイパー部材の凸に湾曲した面により形成される間隙を、両面にスラリー状の電極材料が塗布された電極シートが通過する際に、湾曲した面により、電極シートの両面に所定の厚み以上に塗布されたスラリー状の電極材料が電極シートの両側から加圧されながら除去される(押しのけられる)。したがって、このワイパー装置により、スラリー状の電極材料の塗布厚を制御できるとともに塗布された電極材料を加圧でき、さらに塗布された電極材料の表面を平滑化できる。このため、電極材料がより均質に塗布された状態の電極シートをドライヤーに送り、乾燥させることができる。
ワイパー装置は、一対のワイパー部材のそれぞれからスラリー状の電極材料を掻き取る一対のブレードを有していてもよい。ワイパー部材に付着する電極材料の状態を制御でき、また、押しのけられた電極材料を浸漬槽に戻すことができる。
一対のワイパー部材は、間隙を開けて配置された一対のローラーを含み、ワイパー装置は、さらに、一対のローラーの回転を制御する機構を有してもよい。回転を制御する機構は、一対のローラーを停止した状態で電極材料の厚みを制御してもよく、電極シートの送り方向に対して順方向に回転させて電極材料の厚みを制御してもよく、逆方向に回転させて電極材料の厚みを制御してもよい。
一対のワイパー部材は、間隙の両側または一方の端に、凸に湾曲した面からさらに突き出た凸部を含んでもよい。電極シートの縁に電極材料が塗布されていない無地領域(非塗布領域)を形成できる。非塗布領域は電極シートを電気的に接続する端子などとして使用される。凸部は弾性的に変形可能な部材、たとえば、ゴム、スポンジなどを含むことが望ましい。凸部を電極シートの両側に密着させて、凸部同士で電極シートを挟み込んだ状態で通過させることにより電極材料を掻き落としても、電極シートに損傷を与え難い。
本発明の他の態様の1つは、上記のワイパー装置と、浸漬槽と、ワイパー装置の上方に設置されたドライヤーと、電極シートが浸漬槽、ワイパー装置およびドライヤーを通過するように供給する供給装置とを有する塗布装置である。この塗布装置は、浸漬槽とワイパー部材の間隙との距離を制御する機構を有してもよい。塗布装置は、浸漬槽に溜められたスラリー状の電極材料の内部で帯状の電極シートをガイドするガイドローラーを有してもよく、ガイドローラーとワイパー部材の間隙との距離が100〜500mmの範囲にしてもよい。
浸漬槽から電極シートを引き上げるとスラリー状の電極材料が電極シートとともに引き上げられる。電極材料の付着厚みは、電極材料の粘性、自重、電極シートの送り速度などの条件により、引き上げられた高さ方向で変化する。このため、ワイパー部材の間隙と浸漬槽に溜められたスラリー状の電極部材の表面との間に適当な距離を確保することによりワイパー部材の間隙に入力されるスラリー状の電極部材の厚みを制御できる。
塗布装置の概要を示す図。 ワイパー装置の詳しい構成を示す図。 ワイパー装置の異なる例を示す図であり、図3(a)はローラーが組み合わされた状態を示し、図3(b)は一方のローラーを抜き出して示している。
図1に、塗布装置として、引上げ式コーターの一例を示している。この塗布装置10は、表面改質箔、立体箔、穿孔箔といった電極箔(電極シート)1へ、スラリー状の電極材料2を効率的に塗布できる。表面改質箔とは箔の表面に化学的処理によって微細な凹凸を設け、平面に比べて被表面積を増やした箔を示す。立体箔とは、機械的な処理によって、微細な凹凸を設け、平面に比べて被表面積を増やした箔を示す。穿孔箔とは、機械的な処理よって微細な穴を設け、イオンの往来を円滑にした箔を示す。
塗布装置10は、スラリー状の電極材料2が溜められた浸漬槽11と、浸漬槽11の上方に配置されたワイパー装置20と、ワイパー装置20の上方に配置されたドライヤー13と、電極シート1を浸漬槽11、ワイパー装置20およびドライヤー13を通過するように供給する供給装置30とを含む。供給装置30は、塗布前の帯状の電極シート1を巻き出す供給ローラー31と、電極シート1を浸漬槽11へ導くガイドローラー32と、浸漬槽11の内部において電極材料2に沈んだ状態で電極シート1の向きを鉛直方向に変えるガイドローラー33と、ドライヤー13により電極材料2が乾燥された状態で電極シート1をピンチローラー34とともに挟み込んで電極シート1の送り速度を制御する駆動ローラー35と、塗布乾燥後の帯状の電極シート3を巻き取る巻き取りローラー36とを含む。ガイドローラー33と駆動ローラー35とにより、電極シート1は浸漬槽11から鉛直方向Xに引き上げられる。
ワイパー装置20は、浸漬槽11から鉛直方向Xに引き上げられた帯状の電極シート1が通過する間隙(隙間)21を挟んで向か合せに配置された一対のローラー22aおよび22bを含む。ローラー22aおよび22bの軸23aおよび23bは、水平方向に、間隙21を通過する電極シート1と平行に配置され、ローラー22aおよび22bの円筒状の面24aおよび24bが軸23aおよび23bの周りに凸に湾曲した面であって、間隙21を挟んで対峙した面を形成する。軸の周りに凸に湾曲した面は、軸に垂直な断面が円形、扇型、放物線、双曲線などの軸に対して凸に突きでた部分を備えた面であればよい。典型的な凸に湾曲した面は、本例のように軸の周りに回転対称な円筒または円柱の部材(ローラー)により形成された面である。
ローラー22aおよび22bの一例は、ステンレススチール製の、ストレート(クラウン形状を含まない)な円柱状または円筒状(パイプ)の部材であって、長さは250mm程度、直径は50mm程度である。ローラー22aおよび22bの長さは電極シート1の幅に対して裕度があるものであればよい。ローラー22aおよび22bの直径は30〜70mm程度が好ましく、ローラー22aおよび22bの湾曲した凸面24aおよび24bにより、その間21を塗布済みの電極シート1が通過することにより、余分な電極スラリー2を電極シート1の方向に加圧されながら押し除けるのに適した曲率を備えたワイパーを構成できる。
ワイパー装置20は、さらに、ローラー22aおよび22bの水平方向の位置を調整して間隙21の寸法を制御する移動機構25aおよび25bを含む。間隙21の寸法は1〜100μmの範囲で制御できることが望ましく、1〜200μmの範囲で制御できることがさらに望ましい。間隙21の寸法は、少なくとも10μmの単位で制御できることが望ましく、1μm単位で制御できることがさらに好ましい。このため、ワイパー装置20はマイクロメータを用いた移動機構25aおよび25bを含む。
ワイパー装置20は、さらに、ローラー22aおよび22bの面24aおよび24bのそれぞれから電極スラリー2を掻き取る一対のブレード26aおよび26bを含む。ブレード26aおよび26bは、ローラー22aおよび22bの下側の面に装着されており、ローラー22aおよび22bにより押し除けられ、ローラー22aおよび22bに付着した電極スラリー2をローラー22aおよび22bから剥がして浸漬槽11に戻すことができる。また、ローラー22aおよび22bの面24aおよび24bの状態を一定に保つことができる。特にローラー22aおよび22bが回転制御されるときに有効である。
ワイパー装置20は、さらに、ローラー22aおよび22bの回転を制御する駆動ユニット27を含む。駆動ユニット27は、ローラー22aおよび22bを電極シート1に対して静止させたり、順方向に電極シート1の送り速度と異なる速度で回転させたり、逆方向に回転させることができる。駆動ユニット27は、ローラー22aおよび22bの回転を独立して異なる回転速度あるいは方向に制御できるものであってもよい。本例では、ローラー22aおよび22bはタイミングギアで連結されており、同期した速度で、逆方向に回転する。
さらに、塗布装置10は、浸漬槽11とワイパー部材22aおよび22bの間隙21との距離Hを制御する高さ調整機構40を含む。高さ調整機構40は、浸漬槽11の内部の電極スラリー2の表面2aとワイパー装置20の間隙21との距離を制御するためのものである。たとえば、高さ調整機構40は、浸漬槽11に溜められた電極スラリー2の内部で電極シート1をガイドするガイドローラー33の中心軸33aとワイパー装置20の間隙21との距離H1が100〜500mmの範囲で制御できる。
電極スラリー2が電極シート1と共に引き上げられる電極スラリー2の表面2aから間隙21までの距離を確保することにより、その間に電極スラリー2の粘性、自重などの特性により電極シート1に付着する電極スラリー2の厚みが限定される。このため、ワイパー部材22aおよび22bに侵入する際の電極スラリー2の厚みがほぼ一定になり、ワイパー部材22aおよび22bにより電極スラリー2を所定の圧力で電極シート1に加圧し、均一な厚みになるように押し除けることができる。
電極シート(箔)1の一例は、リチウム電池用の電極体(積層体)を構成する正極シート(正極板、正極層)および負極シート(負極板、負極層)である。正極シートの一例はアルミ箔などであり、負極シートの一例は銅箔、ニッケル箔、ステンレス鋼箔、アルミ箔などである。スラリー状の電極材料(以降では電極スラリー)2の一例はリチウム電池用の活物質と、導電助剤と、バインダと、溶媒とを含むスラリー状の粒状物である。
正極活物質としては、例えばニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、コバルト酸リチウム(LiCoO2)などのリチウム複合酸化物や、カルコゲン(S、Se、Te)化物を挙げることができる。負極活性材としては、非晶質炭素、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、または黒鉛などのように、正極活物質のリチウムイオンを吸蔵および放出するものを挙げることができる。導電助剤としては、カーボンブラック、カーボンナノチューブなどが挙げられる。バインダ(結着剤)としては、有機溶剤を溶媒とするときはポリフッ化ビニリデンなどを挙げることができ、水を溶媒とする場合はスチレンブタジエンゴムなどを挙げることができる。電極シート1および電極スラリー2はリチウム電池用に限定されず、他のタイプの電池であってもよく、燃料電池用の電極シートおよびスラリーであってもよい。
特許文献1に示す浸漬方式(ディップ方式、ドブ漬け方式)で箔にスラリーを塗布した場合、一見すると、さも完全に塗布されたかのように見える。しかしながら、表面改質箔などの加工された箔(電極シート)1に塗布する場合、谷間(微細加工された凹部)や穿孔にエア噛み(空気が噛み込んだ状態)された僅かな空気が残ることが多い。そのような状態で、電極シートをドライヤー13において乾燥すると、残存した空気が膨張してディンプル(えくぼ、小さな窪み、気泡)を形成したり、残存した空気が破裂して電極シート1が部分的に剥き出しになることがある。さらに、塗布厚みが部分的に極めて薄くなったりすると、電極としての性能を低下させる恐れがある。
本例の塗布装置10は、間隙21を介して配置された一対のローラー22aおよび22bを含むローラーワイパー方式のワイパー装置20を含む。ローラーワイパー方式では、電極シート1が通過する間隙21を凸に湾曲した面24aおよび24bにより形成する。このため、箔(電極シート)1と、ローラー22aおよび22bの接線角度が緩やかな曲率を持つ。したがって、両面に電極スラリー2が塗布された電極シート1が間隙21を通過する際に、電極スラリー2が所定の厚みになるように余分な電極スラリー2を押し除けるとともに、電極シート1の谷間・穿孔中に電極スラリー2を「塗り込む力(塗布圧力)」を発揮し、エア噛みを防止する効果が得られる。
ワイパー装置20においては、駆動ユニット27によりローラー22aおよび22bを、電極シート1の引き上げ方向とは逆方向に回転させることが可能である。これにより、余分な電極スラリー2を除去するとともに、いっそう積極的に塗布圧力を増大できる。さらに、駆動ユニット27によりローラー22aおよび22bの回転速度を変化させることによって塗布圧力を自由に制御することが可能となる。駆動ユニット27によりローラー22aおよび22bを電極シート1の引き上げ方向と同じ方向に回転させることも可能であり、電極シート1の引き上げ速度とローラー22aおよび22bの回転速度との差により電極スラリー2を除去するとともに所望の塗布圧力を得ることも可能である。
現在、電極シート1として平滑箔(表面が平ら)は殆ど用いられなくなっており、表面改質箔、立体構造箔、穿孔箔といった表面に加工が施された電極シート1が一般的に用いられつつある。塗布装置10は、両面に同時に塗布が可能なディップ方式と、ローラーワイパー方式とを組み合わせたシステムを含み、この塗布装置10を用いることにより、高品質の電極シートを低コストで、さらに短時間で提供できる。
さらに、このワイパー装置20は、電極シート1に損傷を与えにくいというメリットを備えている。すなわち、塗工前の箔(電極シート)1はスリッターによって切り分けされている。スリッター後の電極シート1の両端は、応力の開放によって、どちらかの端が必ずフレア状(スカートやコートなどの、洋服の裾の朝顔形の広がりのような状態)になってしまう。特許文献1に開示されているような直線的に延びたブレードを使用する場合、電極シート1の両端のフレア状に変形した部分が、ブレードに引っ掛かり、電極シートの破断を招くことが多い。塗布工程において電極シート1が破断すると、電極シート1が無駄になるだけでなく、電極シート1を浸漬槽11、ドライヤー13などを通して巻き取る、通紙作業を一からやり直す必要性が生じる。そのため、電極シート1を浪費するとともに、作業時間も浪費され、非常に大きな損失になる。
ワイパー装置20においては、凸に湾曲した面24aおよび24bにより電極シート1が通過する間隙21が形成される。このため、電極シート1が通過する空間は、湾曲した面24aおよび24bにより構成され、電極シート1は、入り口から間隙(最終塗布部)21までは曲率が一定の滑らかな面24aおよび24bでガイドされる。したがって、電極シート1と面24aおよび24bとの間隔が徐々に狭くなるとともに、電極シート1と面24aおよび24bとのなす角度が徐々に(滑らかに)小さくなる。このため、電極シート1の両端のフレア状に変形した部分が間隙21を形成する面24aおよび24bに引っかかり、電極シート1が破断する恐れを極めて小さくできる。
電極シート1が破断するトラブルは、通紙作業においても発生する可能性があり、さらに、ブレードで電極スラリーを掻き落とす場合は、ブレード同士の僅かな間隙を下から上に通紙する作業は非常に困難な作業である。それに対し、ワイパー装置20は、電極シート1を通紙する際に、電極シート1の引上げ方向にローラー22aおよび22bを回転させることで、電極シート1がワイパー装置20に詰まったり、ワイパー装置20で破断する可能性をさらに小さくできる。このため、通紙作業のリスクと労力と作業時間とを軽減できる。
図2に、ワイパー装置20のさらに詳しい構成を示している。ワイパー装置20は、浸漬槽11の上に設置される。浸漬槽11は、電極シート1が通過する放物線に近い形状に断面が湾曲した槽であり、少ない量の電極スラリー2を蓄えた状態で電極シート1を浸漬させ、ディップコートできる。ワイパー装置20は、シリンダー、ボールネジなどを含む高さ調整機構40により支持されたテーブル45に搭載されている。ワイパー装置20は、数10μm程度の間隙21が形成されるように隣接して配置された一対のローラー22aおよび22bと、ローラー22aおよび22bをそれぞれ水平方向に動かして間隙21の寸法を制御する移動機構25aおよび25bとを含む。
移動機構25aおよび25bは、テーブル45の上に搭載された第1のステージ25cと、第1のステージ25cに搭載された第2のステージ25dとを含み、第2のステージ25dの上にローラー22aおよび22bの軸23aおよび23bが取り付けられている。第1のステージ25cおよび第2のステージ25dは、マイクロメータにより微細な移動距離を精度よく制御できる機構が採用されており、下側の第1のステージ25cは上側の第2のステージ25dの全体を水平方向に移動する。第2のステージ25dは水平方向に複数のマイクロメータが取り付けられており、ローラー22aおよび22bの水平方向の傾きを含めて、それらの間隙21のサイズ(幅)をμmの単位で制御する。
ローラー22aおよび22bの回転を制御する駆動ユニット27は、モーター27aと、モーター27aによりローラー22aを駆動するタイミングベルト27bと、ローラー22aおよび22bを同期して逆方向に回転させるタイミングギア27cとを含む。駆動ユニット27は、ローラー22aおよび22bの回転を独立して制御する機構を備えていてもよい。
ワイパー装置20は、さらに、ローラー22aおよび22bに付着した電極スラリー2を掻き落とすブレード26aおよび26bを含み、掻き落とされた電極スラリー2を浸漬槽11へ回収するためのガイドベーン26cを含む。
図3(a)に、異なるワイパー装置20のローラー22aおよび22bを示している。図3(b)に、一方のローラー22aを抜き出し、その長手方向の側面を示している。このワイパー装置20は、上記と同様に電極シート1に電極スラリー2を加圧塗布するとともに、電極シート1の両端に電極スラリー2が塗布されていない無地部を形成するものである。ローラー22aおよび22bの全体は円筒状であるが、両端に、ローラー22aおよび22bの凸に湾曲した面24aおよび24bから数10μm程度突き出た凸部28を設けている。このローラー22aおよび22bにおいては、両端に90度ピッチで軸方向に延びた剥離用のスポンジ28が取り付けられ、凸部28を形成している。
図3(a)に示すように、ローラー22aおよび22bを、中央部において数10μmまたは100μm程度の間隙21を挟んで配置すると、ローラー22aおよび22bから間隙21の方向に突き出た凸部28同士は接触した状態となる。したがって、このローラー22aおよび22bを通過する電極シート1においては、中央部分は間隙21を通過することにより電極スラリー2が所定の厚みとなるように押し除かれるとともに加圧塗布され、両端の部分は凸部28に密着した状態で挟まれて付着した電極スラリー2がほぼ完全に除去される。
図3(a)および(b)に示したローラー22aおよび22bにおいては、ローラー22aおよび22bの回転を止めて電極シート1を処理し、凸部28の除去性能が低下すると、ローラー22aおよび22bを90度回転することにより新たな凸部28で電極シート1を挟み込むことができる。凸部28は、ローラー22aおよび22bの一方の端または両端に断続的に設けられていてもよく、除去用のローラーの面を形成するように連続的に設けられていてもよい。ローラー22aおよび22bを逆方向または順方向に回転して電極スラリー2を加圧塗布する際は、スポンジなどによりローラー22aおよび22bの一方の端または両端に除去用に連続して突出した部分を形成しておくことが望ましい。
上述したように電極シート1の両端はフレア状になっている可能性が高いが、スポンジなどの弾性が高く電極シート1のフレア状の歪みに追従して容易に変形する部材を用いることにより破断するような不具合を未然に防止できる。凸部28は、他の樹脂製の部材あってもよい。
なお、ローラー22aおよび22bを回転しないタイプのワイパー装置20においては、ローラー22aおよび22bの代わりに、円柱の一部を取り出して凸に湾曲した面24aおよび24bを形成する部材を用いて間隙21を形成してもよい。ワイパー装置20の上流(浸漬槽11の側)に、ローラー22aおよび22bとは別に電極シート1の一方の端または両端から電極スラリー2を取り除いて無地を形成するワイパーを配置してもよい。しかしながら、ローラー22aおよび22bで電極スラリー2を押し除ける際に、電極シート1の両端の方向に電極スラリー2が拡散しやすい。したがって、無地部の形状が不安定になる可能性がある。ワイパー装置20の下流であると電極シート1に加圧塗布された電極スラリー2を除去するのが難しくなる。したがって、ローラー22aおよび22bに、無地部を形成する凸部28を設けておくことが望ましい。
1 電極シート、 2 電極スラリー
10 塗布装置、 11 浸漬槽
20 ワイパー装置、 21 電極シートが通過する間隙
22a、22b ローラー

Claims (8)

  1. 水平方向に延びた軸の周りに凸に湾曲した面を含む一対のワイパー部材であって、浸漬槽に溜められたスラリー状の電極材料を通過して鉛直方向に引き上げられた帯状の電極シートが通過する間隙を挟んで向かい合わせに前記凸に湾曲した面が配置された、一対のワイパー部材と、
    前記間隙の寸法を制御する機構とを有するワイパー装置。
  2. 請求項1において、さらに、
    前記一対のワイパー部材のそれぞれからスラリー状の電極材料を掻き取る一対のブレードを有するワイパー装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記一対のワイパー部材は、前記間隙を開けて配置された一対のローラーを含み、
    さらに、前記一対のローラーの回転を制御する機構を有する、ワイパー装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記一対のワイパー部材は、前記間隙の両側または一方の端に前記凸に湾曲した面からさらに突き出た凸部を含む、ワイパー装置。
  5. 請求項4において、前記凸部は弾性的に変形可能な部材を含む、ワイパー装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のワイパー装置と、
    前記浸漬槽と、
    前記ワイパー装置の上方に設置されたドライヤーと、
    電極シートを前記浸漬槽、前記ワイパー装置および前記ドライヤーを通過するように供給する供給装置とを有する塗布装置。
  7. 請求項6において、
    さらに、前記浸漬槽と前記ワイパー部材の前記間隙との距離を制御する機構を有する塗布装置。
  8. 請求項6または7において、さらに
    前記浸漬槽に溜められたスラリー状の電極材料の内部で帯状の電極シートをガイドするガイドローラーを有し、
    前記ガイドローラーと前記ワイパー部材の前記間隙との距離が100〜500mmの範囲である、塗布装置。
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