JP2016087324A - 遊技機 - Google Patents

遊技機 Download PDF

Info

Publication number
JP2016087324A
JP2016087324A JP2014228513A JP2014228513A JP2016087324A JP 2016087324 A JP2016087324 A JP 2016087324A JP 2014228513 A JP2014228513 A JP 2014228513A JP 2014228513 A JP2014228513 A JP 2014228513A JP 2016087324 A JP2016087324 A JP 2016087324A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
board
communication
peripheral board
peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014228513A
Other languages
English (en)
Inventor
英史 大森
Hidefumi Omori
英史 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympia KK
Original Assignee
Olympia KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympia KK filed Critical Olympia KK
Priority to JP2014228513A priority Critical patent/JP2016087324A/ja
Publication of JP2016087324A publication Critical patent/JP2016087324A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Slot Machines And Peripheral Devices (AREA)

Abstract

【課題】可動体の可動体要素に設けられたために通信異常が生じやすい役物スレーブ基板のエラー復帰を、電源再投入を行うことなく実現する。
【解決手段】電源投入後の初期設定において役物スレーブ基板と通信できないときは、電源を再投入する。一度通信できた後は通信状況を監視し、通信状況が悪化したときは役物スレーブ基板についてエラー復帰処理を行う。電源投入後に通信が成功し、その後、役物スレーブ基板に通信異常が生じた際に、その周辺基板をリセットすることにより、その機能を復旧させることができる。電源を再投入することなく通信を復帰させることが可能となる。
【選択図】図23

Description

本発明は、演出に用いられる可動体要素、及び、可動体要素のバランスを崩さないように互いに同期して動作する複数の駆動部を含む可動体と、前記可動体要素に設けられた周辺基板(役物スレーブ基板)を備える遊技機に関する。
外周面に図柄が配列された複数の回胴を備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、遊技媒体(メダル)に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数の回胴の回転を開始させ、遊技者の停止操作契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数の回胴を停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数の回胴が停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組み合わせによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
遊技者の興趣を高める役割を担うデバイスとして、液晶表示装置や演出用表示ランプ(電飾)や、音響発生装置(サウンド装置、スピーカ)などさまざまな演出デバイスが遊技機には設けられている。また、可動部を備え、当該可動部の動きにより演出を行う可動役物(可動体)が設けられることもある。なお、以下の説明において、液晶表示装置、電飾、音響発生装置そのもののみならずそれらの制御装置を含めて「周辺基板」と表記することがある。
特開2005−046252号公報 遊技機が停電から再起動する際にバックアップデータを読み込み復旧を行なうが、再起動直後の電力不安定時に再度、停電してしまうことがあり、この再起動直後のバックアップデータをそのまま復旧に用いると信頼性の低いものとなる。従って、バックアップデータの生成は、電力状態が安定してから行うものとすることによって、バックアップデータの信頼性を高める。 特許第5393919号公報 サブ基板に音響制御部(ICチップ)が接続され、サブ基板からの音響命令に基づき音響制御部が音響を発生させており、音響命令が重なった場合、後からの命令前に、先の命令を停止させる停止命令を送る。
前述のさまざまな演出デバイス(周辺基板)は、遊技機の処理部(サブ基板)と電気的に通信を行っており、処理部の制御に従って動作している。ノイズなどの影響を受け、通信ができなくなると、電飾表示の更新などの演出が行われなくなる。これを正常な状態に戻す必要があるが、現在の遊技機では電源を再投入する以外に復帰させることができなかった。
しかし、電源の再投入は全ての演出デバイス(周辺基板)に影響を与えるので好ましくない。電源の再投入により現在のデータは失われるので、電飾が消灯したり、操作部が操作を受け付けなくなったり、演出処理で問題が生じる。これでは遊技者の興趣を損なうことにもなりかねない。不具合が生じている演出デバイス(周辺基板)が一部であるのなら、当該演出デバイス(周辺基板)を含む最小限のものに対してリセットすることが好ましい。
可動体の可動体要素に設けられた周辺基板(役物スレーブ基板)に通信異常が生じやすいという事実を考慮すると、特に、役物スレーブ基板について監視を行うことが好ましい。
この発明は、電源投入後に通信が成功した後において、通信異常が生じやすい特定の周辺基板(第2周辺基板)の通信異常の際に電源投入を行わずにその機能を復旧させることのできる遊技機を提供することを目的とする。
この発明は、演出に関する処理を実行する処理部と、前記演出に用いられる可動体要素、及び、前記可動体要素を動かす駆動部を含む可動体と、前記処理部の処理で得られた前記演出に係るデータを送信するデータ送信部と、前記演出に係る前記データを受信し前記駆動部の制御信号を生成する第1周辺基板と、前記演出に係る前記データを受信し前記演出を行う第2周辺基板とを備える遊技機において、
前記データ送信部と前記第1周辺基板及び前記第2周辺基板は共通の信号線に接続され、
前記データ送信部は、
前記データの送信とともに、少なくとも前記第2周辺基板の通信を監視するものであり、
電源投入後に通信が成功したかどうか判定し、前記第2周辺基板の通信が失敗したときは、前記第2周辺基板との通信に関する初期設定を行い、
電源投入後に少なくとも前記第2周辺基板の通信が成功した後において、前記第2周辺基板の通信が失敗したときに、少なくとも前記第2周辺基板をリセットするものであり、
前記第2周辺基板は、前記可動体要素に設けられているものである。
前記データ送信部は、例えば、電源投入後に少なくとも前記第2周辺基板の通信が成功した後において、少なくとも予め定められた時間よりも長く前記第2周辺基板と通信できないとき、通信が失敗したと判定する。
前記信号線は、前記第1周辺基板及び前記第2周辺基板を経由して前記データ送信部に戻され、
前記データ送信部は、前記信号線に前記第1周辺基板及び前記第2周辺基板への出力データとともに、予め定められた異常確認用データを送信し、
少なくとも前記第2周辺基板は、前記信号線を経由して、前記出力データに代えて予め定められた応答を前記データ送信部へ送信し、
前記データ送信部は、前記信号線を経由して戻された前記異常確認用データに基づき前記第1周辺基板及び前記第2周辺基板に係る通信路の異常を判定するとともに、前記第2周辺基板の前記応答に基づき前記第2周辺基板との通信の異常を判定し、
前記データ送信部は、前記通信路が異常でないと判定し、かつ、前記第2周辺基板との通信が異常であると判定したとき、前記第2周辺基板をリセットする、ようにしてもよい。
この発明によれば、電源投入後に通信が成功し、その後、特定の周辺基板(第2周辺基板)に通信異常が生じた際に、少なくとも特定の周辺基板をリセットすることにより、その機能を復旧させることができる。
前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図である。 前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図である。 スロットマシンのブロック図である。 スロットマシンの遊技処理のフローチャートである。 図5(a)はジョグダイヤルの斜視図、図5(b)はジョグダイヤルのブロック図、図5(c)はメイン基板のコマンド送信部のブロック図である。 サブ基板と周辺基板の通信系統の説明図である。 データ送信部のブロック図である。 周辺基板に関する処理の説明図である。 VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)の機能ブロック図である。 VDPにおける描画データ保存、描画実行及び表示の各処理の説明図(タイミングチャート)である。 サウンドコントローラのブロック図である。 音声データの説明図である。 周辺基板の制御におけるメイン処理と割込処理の関係の説明図である。 可動体の斜視図である。 可動体の正面図である(可動体要素の位置は上端)。 可動体の正面図である(可動体要素の位置は中間)。 可動体の正面図である(可動体要素の位置は下端)。 可動体の概略正面図である。 遊技機の動作を説明するための、シリアル通信部と周辺基板の接続に関するブロック図である(周辺基板は2つのみ表示し、他は省略)。 送信データ及び受信データの説明図である。 データ送信処理のフローチャートである。 データ受信処理のフローチャートである。 発明の実施の形態に係る役物スレーブ基板の通信監視処理フローチャートである。 発明の実施の形態に係る役物スレーブ基板の初期設定時の通信監視処理フローチャートである。 発明の実施の形態に係る役物スレーブ基板の通常時の通信監視処理フローチャートである。 発明の実施の形態に係る役物スレーブ基板の通常時の通信異常判定処理フローチャートである。 発明の実施の形態に係る役物スレーブ基板の通常時の通信異常判定処理フローチャートである(他の例)。
<遊技機の構造>
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。なお、以下の説明において、上、下、左又は右の方向は、特に断らない限り、スロットマシンに対向している遊技者から見た方向を指すものとする。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つのリールのそれぞれに対応して3つのストップボタン140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
液晶表示装置LCDの位置には可動体50が設けられている。図14等を参照して後に詳しく説明するが、可動体50は、水平に設けられ、その状態で上下することにより演出に用いられる可動体要素51、及び、可動体要素51のバランスを崩さないように互いに同期して動作する2つの駆動部(ステッピンモータ)56を備える。可動体要素51が水平を保つことは演出の品質上重要であり、可動体要素51が傾いたり、一端の動作が他端の動作に遅れることなどは避けなければならない(符号については図14等を参照されたい)。
可動体50の可動体要素51には電飾基板である役物スレーブ基板60Yが設けられている(図18参照)。役物スレーブ基板60Yは、可動体要素51の動きに伴ってそこに設けられた装飾を点滅させるものである。
ストップボタン140とメダル投入口132の間、具体的には、右端のストップボタン140の右上側、かつ、メダル投入口132の左側には、操作部としてのジョグダイヤルPANが設けられている。
ジョグダイヤルPANは、図5(a)に示すように、左右に回転可能に設けられたリング状の部分であるダイヤルJDと、当該リングの回転中心に設けられた押しボタンスイッチPHSWの2つの部分を備える。遊技者は、ジョグダイヤルPANのダイヤルJDを左右に回すことができるとともに、その中心頂部の押しボタンスイッチPHSWを押下することができる。図示しないが、当該押しボタンスイッチPHSWの内部には発光素子が設けられ、例えば、押下時に点灯する。ダイヤルJDは複数のステップ(例えばステップ数=30、その角度=12度)で回転するようになっている。ダイヤルJDの回転方向及び/又は回転量(角度)、並びに押しボタンスイッチのオンオフに応じて所定の演出が行われる。
ジョグダイヤルPANは、図5(b)に示すように、押しボタンスイッチPHSWとともに、ダイヤルJDの回転を検知するための2つのセンサ[1]JS1と[2]JS2を備えている。回転に応じてセンサ[1]JS1と[2]JS2はH/Lの2つのデジタル信号を出力する。これについては後にさらに説明を加える。
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個のリールからなるリールユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つのリール(第1リール〜第3リール)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転リールの図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の上側のリールユニット203との間には電源部205が設けられている。
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
図3は本実施の形態を適用し得る遊技機の一例としてのスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部(図2の電源部205)を備える。
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。すなわち、メイン基板10とサブ基板20はカシメにより一体となり取り付けられるとともに、メイン基板10とサブ基板20の全体を覆う一体のケースによりカバーされている。
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、回胴の回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
<メイン基板>
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134,ストップボタン140,リール(回胴)ユニット203、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(ローカル基板)が接続されている。周辺基板とは、サブ基板20により制御されるものであり、主に映像、光、音響により演出を行うものである。
なお、一部の周辺基板をサブ基板20と一体に設けるようにしてもよい。例えば、サブ基板20の内部に液晶制御基板200及び/又はスピーカ基板201を設けるようにできる。
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
リールユニット203は、3つの回胴40a〜40cと、これらをそれぞれ回転させるステッピングモータ155a〜155cと、それらの位置をそれぞれ検出する回胴位置検出器(インデックスセンサ)159a〜159cとを備える(なお、ステッピングモータ155a〜155cを単にモータ155あるいはモータと記すことがある)。
回胴制御手段1300は、回胴40a〜40cそれぞれが1回転する毎にインデックスセンサ159で検出される基準位置信号に基づいて、回胴40の基準位置(図示しないインデックスによって特定されるコマ)からの回転角度を求める(ステップモータの回転軸の回転ステップ数をカウントする)ことによって、現在の回胴40の回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、回胴40の基準位置からの回転角度を求めることにより、ストップボタン140の作動時における回胴40の位置を得ることができる。
なお、以下の説明において、任意のひとつ又は複数の回胴を示すときは符号40を使用し、3つの回胴をそれぞれ区別して示すときは符号40a〜40cを使用することにする。
ホッパ駆動部80は、ホッパ81の図示しない回転ディスクを回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
投入受付部(投入受付手段)1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1回胴〜第3回胴の回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1回胴〜第3回胴の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。スタートスイッチ134が押下され各回胴の回転が開始した時点(遊技開始時点)から3つのストップボタン140が押下され各回胴の回転が停止した時点(入賞した場合はメダル払い出しが完了した時点)(遊技終了時点)の間であって、メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10は、メダルの投入を受け付ける状態か否かに応じて、ベットスイッチBETの有効/無効を制御する。また、前記遊技終了時点から前記遊技開始時点までの間でベットスイッチBETは有効となるが、これ以外の期間においては(BETスイッチの押下が許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1100から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
抽選テーブル選択処理により、抽選の内容は所定の範囲内で設定可能(当選の確率を高くしたり低くしたりできる)であり、遊技機が設置されるホールなどにおいて店側により設定作業が行われる。
通常の遊技機は、BB,RB、小役等の抽選確率の異なる複数(例えば6つ)の抽選テーブルを予め備える。遊技機の抽選では、それら複数の抽選テーブルの中から1つが設定され、この設定された抽選テーブルに基づいて抽選による当たり/ハズレの判定がなされる。複数の抽選テーブルのうちどれを使用するかに関する設定を変更することを、設定の変更(以下、「設定変更」と記す)と称している。
従来、例えばスロットマシンのような遊技機では、設定値(通常1〜6)を変更する場合、遊技機の扉を開け、電源部に設けられた設定変更キースイッチに設定変更キーを挿入して当該キースイッチをオンにした状態で遊技機の電源を投入して設定変更可能な状態にし、設定変更ボタン(押ボタン)を1回押下するごとに、7セグメント表示器などに表示される設定値がインクリメントされて1〜6までの値を循環的に変化させ、所望する設定値が表示器に表示されたところでスタートスイッチを操作することで、所望する設定値を確定させている。
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
回胴制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1回胴〜第3回胴をステッピングモータにより回転駆動して、第1回胴〜第3回胴の回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中の回胴にそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1回胴〜第3回胴を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
また、回胴制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、その回胴停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1回胴〜第3回胴の各回胴を停止させる制御を行う。
すなわち、回胴制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1回胴〜第3回胴のうち押下されたボタンに対応する回胴の停止位置を決定して、決定された停止位置で回胴を停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1回胴〜第3回胴の停止位置を決定し、決定された停止位置で第1回胴〜第3回胴を停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1回胴〜第3回胴の位置(押下検出位置)と、第1回胴〜第3回胴の実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。滑りコマ数とは、回胴停止時にゲーム表示部から視認できる特定の図柄を基準位置としたときのストップボタン140の操作から対応する回胴の回転停止までの間に当該基準位置を通過する図柄の数をいう。回胴制御手段1300は、各ストップボタン140の操作から190ms以内という条件下で各回胴を停止させるため、滑りコマ数は0以上4以下の範囲内となっている(ただし、80回転/分、図柄数=21個の条件において)。抽選フラグの設定状態に応じて、第1回胴〜第3回胴の停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
前述のように、回胴制御手段1300は、回胴が1回転する毎にインデックスセンサ159で検出される基準位置信号に基づいて、回胴の基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在の回胴の回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップボタン140の作動時における回胴の位置を、回胴の基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
回胴制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とを回胴を停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)回胴を停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)回胴を停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止している回胴の停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各回胴の停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1回胴〜第3回胴を停止させる制御を行っている。
本実施形態の遊技機では、第1回胴〜第3回胴が、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中の回胴を停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各回胴の停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各回胴が停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
入賞判定手段1400は、第1回胴〜第3回胴の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1回胴〜第3回胴の全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。例えば、ストップボタン140の操作によって回胴を停止させた際に所定の出目が表示されるとリプレイの当選確率が変動する。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。
エラー処理部1700は、図示しない扉開閉検知センサ、メダルセンサS1及びS2及びメダル検出部82の出力に基づき遊技機のエラー判定を行い、エラーと判定したときにその旨を報知するとともに、遊技機を所定の状態(例えば、操作を受け付けない状態)にする。
図示しない扉開閉検知センサは、扉130が閉じられたことを検知するセンサであり、例えばマイクロスイッチや接点などの電気的スイッチである。当該スイッチは扉130が閉じられたときに、扉130の裏側にスイッチの作用部が当接することでオン(又はオフ)になり、扉130が開放されると作用部が離れてオフ(又はオン)になるものである。扉開閉検知センサは、フォトインタラプタのような光学式のものでもよい。メダルセンサS1及びS2及びメダル検出部82については前述した。
エラー処理部1700は、具体的には次のような動作を行う。
・図示しない扉開閉検知センサの出力に基づき扉130の開放を検知したとき、エラー処理を行う。
・メダルセンサS1及びS2の出力に基づきメダルの逆流(センサS1とS2の検知順序が反対になったこと)、メダル滞留(センサS1とS2の検知時間が予め定められた閾値よりも長いこと)などを検知したとき、エラー処理を行う。
・メダル検出部82の出力に基づきメダル詰まり(メダル検出部82の検知時間が予め定められた閾値よりも長いこと)、ホッパーエンプティ(ホッパ駆動部80を動作させているにもかかわらずメダル検出部82がメダルを検知しない)などを検知したとき、エラー処理を行う。
エラー処理部1700は、上記のようにエラーと判定したときにその旨を報知するとともに、遊技機を所定の状態(エラー状態)にするが、この状態は図示しないリセットスイッチにより解除される。リセットスイッチは、例えば電源部205のパネルに設けられる。
なお、サブ基板20で生じるエラーもある。このエラーでは遊技不能状態にはならないが、サブ基板20自身の処理によりエラーが生じたことを液晶表示装置などにより報知することができる。当該エラーは例えば不正なコマンドを受信したとき(暗号化されたコマンドが正しく復号化できなかったときを含む)に発生し、当該エラーは上記リセットスイッチにより解除される(メイン基板10からサブ基板20へリセットコマンドが送られる)。
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
リールユニット203は、3つの回胴40a〜40cを備えるが、3つの回胴40a〜40cそれぞれにひとつづつステッピングモータ155a〜155cが取り付けられている。ステッピングモータ155は、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンの回胴の回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
ステッピングモータは、各相の巻線への電流の与え方を変えることにより、特性を変えることができる(励磁モードが変わる)。二相型については次の通りである。
・一相励磁
常に巻線一相のみに電流を流す。位置決め精度は良い。
・二相励磁
二相に電流を流す。一相励磁の約2倍の出力トルクが得られる。位置決め精度は良く、停止したときの静止トルクが大きいため、停止位置を確実に保持できる。
・一−二相励磁
一相と二相を交互に切り替えて電流を流す。一相励磁・二相励磁の場合のステップ角度の半分にすることができるので、滑らかな回転を得られる。
なお、ステッピングモータを「駆動する」とは、当該モータを上記励磁により回転させることとともに、所望の位置で停止させその位置を保持するために各相を励磁することも含むものとする。
スロットマシンの回胴40a〜40cの駆動に関して、例えば、4相の基本ステップ角度1.43度のステッピングモータを使用し、パルスの出力方法として一−二相励磁を採用している。
10CGは、サブ基板20へ送るコマンドを送信するコマンド送信部である。このコマンドには、当選役の情報に関するコマンド、メダル投入枚数やクレジット枚数(貯留枚数)の情報に関するコマンドなどがある。コマンド送信部10CGは、具体的には、メイン基板10に搭載されたROMに予め書き込まれたプログラムをCPUが実行することで実現される。コマンド送信については、後に説明を加える。
次に、メイン基板10における遊技処理について図4を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、図4の処理が開始される。
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる。そして、次のステップS2に進む。
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
ステップS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始する。そして、次のステップS4に進む。
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
ステップS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
ステップS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
ステップS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
<メイン基板からサブ基板へのコマンド伝送>
サブ基板20はメイン基板10からコマンドをうけ、これに従って演出等の処理を行う。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
サブ基板20は、メイン基板10からのコマンドに従い、例えば、予め定められた画面を液晶表示装置LCDに表示させるためのコマンド(液晶表示装置用コマンド、描画コマンド)を生成する。例えば、アニメーションなどにより演出を行う際には、多数のコマンドを連続的に次々と送信する。
図3において、20CRは、メイン基板10から受けたコマンドを受信するコマンド受信部である。コマンド受信部20CRは、具体的には、サブ基板20に搭載されたROMに予め書き込まれたプログラムをCPUが実行することで実現される。
上記コマンドとして、サブ基板20側のソフトウエアで当選内容を示唆する演出を行うためのものがある。例えば、下記ATのように、出玉を得るための示唆を液晶表示装置に表示して遊技者の操作の便宜の提供(アシスト)を図っている。当該示唆は常時出されるわけではなく、特定の場合に出される。
遊技機は、液晶表示装置、スピーカや表示ランプ等からなる演出表示装置を備える。この演出表示装置はサブ基板20により制御され、遊技者に入賞等を報知したり、いわゆるアシストタイム(AT)において、一定ゲーム間に特定の小役を台自体が何らかのアクションを伴ってユーザに教えたりするためのものである。(アシストタイム(AT):特定の小役が成立しても遊技者がリールの図柄を揃えないと払い戻しがない。小役による払い出しを確実にするために、ビッグボーナス終了後(もしくは成立時)あるいはその他の任意の契機にアシストタイムを抽選し、これに当選すると一定ゲーム間は特定の小役を揃えさせるための操作を何らかのアクションを伴って遊技者に教えるという機能)
図5(c)は、本実施の形態に係るコマンド送信部10CGのブロック図である。
101は、送信する前記コマンドを受け入れるコマンドレジスタである。コマンドレジスタ101は、コマンドを受けたらすぐに送信データレジスタ102へ送る。コマンドレジスタ101はひとつのコマンドを一時的に蓄えるものである。
コマンドは、所定ビットのひとまとまりのデータ、例えば8ビット単位のデータのセットであって、所定のコマンド体系に基づき作成されているものである。
102は、受け入れた順番で複数のコマンドを記憶するとともに、受け入れた順番に従って出力する送信データレジスタ(送信FIFO)である。
103は、送信データレジスタ102からコマンドの出力を受けてこれをサブ基板20へ送信する送信用シフトレジスタである。
メイン基板10は、生成したコマンドをコマンドレジスタ101にセットすることでサブ基板20へ送信する。
コマンド受信部20CRは、メイン基板10から受けたコマンドを受信する。例えば、シリアルデータとして受けたコマンドを直列−並列変換器(シフトレジスタ)に入力し、一定のデータ(例えば8ビット)ごとに出力する。この出力されたデータがコマンドとしてサブ基板20のCPUに渡され、解釈・実行される。
<サブ基板>
サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(ローカル基板)が接続されている。さらに、可動体50を制御する可動体制御部(周辺基板)60と可動体50の可動体要素51に設けられ、可動体要素51を装飾する役物スレーブ基板(特定周辺基板)60Yが接続されている。
また、遊技者により操作される操作部PANの出力が接続されている。操作部PANは、例えばジョグダイヤルである。操作部PANからの信号は、図示しないI/Oを通じてサブ基板20のCPUに入力される。
なお、液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202、可動体制御部60などの周辺基板は、サブ基板20に設けられることもある(図3は、サブ基板20とは別個に周辺基板が設けられたブロック図を示すが、これに限定されない)。
図6は、サブ基板20とその周辺基板の接続の説明図である。図3に示すように、サブ基板20には、液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202、可動体制御部60、役物スレーブ基板60Yが接続されている。これらは、サブ基板20の周辺基板と言うべきものである。
これら複数の周辺基板は、図6のように接続されている(LED基板202と可動体制御部60、役物スレーブ基板60Yの表示は省略している)。すなわち、複数の周辺基板が共通のバス(通信回線、通信路)に接続され、当該バスを通じてサブ基板20と通信を行う。当該バスを流れる信号は、パラレル信号(例えば8ビットの線で信号を伝送するもの)あるいはシリアル信号(例えば、I2C(Inter-Integrated Circuit)のようにデータ線とクロック線の2本の線で信号を伝送するもの)である。以下の説明ではシリアル通信を例にとる。なお、図6の例ではサブ基板20から出た信号がサブ基板20に戻っているが、これは一例であり、一般的なバス構造のように接続端の反対側の端が開放されていてもよい。
液晶制御基板200はVDP(Video Display Processor)を内蔵し、スピーカ基板201はサウンドコントローラを内蔵している。VDPとサウンドコントローラについては後に説明する。
スピーカ基板201も、液晶制御基板200と同様に動作する。
以下の説明では、送信先を特定することなく、液晶制御基板200、スピーカ基板201などの任意の送信先について適用する動作であるとき、主に「周辺基板」という用語を用いる。どの周辺基板へのデータ送信であるか特定する必要があるときは、「液晶制御基板200」というように具体的に特定するものとする。
周辺基板へのデータ送信に際して、サブ基板20は0又は1のデータが複数集まったデータ(例えば8ビットのデータ)を単位として処理を行う。また、サブ基板20は周辺基板へ、これに所定の動作を行わせるためのコマンド(命令)を送信するが、本明細書において上記データにはコマンドを含む。なお、コマンドは、所定ビットのひとまとまりのデータ、例えば8ビット単位のデータのセットであって、所定のコマンド体系に基づき作成されているものである。
以下の説明では主に「データ」という用語を用いるが、周辺機器への命令であることを明確にするために「コマンド」という用語を用いることもある。
液晶制御基板200、スピーカ基板201などの周辺機器へデータを送るために、サブ基板20はデータ送信部20TXを備える。
図7は、データ送信部20TXの内部ブロック図を示す。データ送信部20TXは、具体的には、サブ基板20に搭載されたROMに予め書き込まれたプログラムをCPUが実行することで実現される。
2101は、周辺基板へ送信するデータを受け入れるデータレジスタ(コマンドレジスタ)である。データレジスタ2101は、データを受けたらすぐに送信データレジスタ2102へ送る。データレジスタ2101はひとつの単位のデータを一時的に蓄えるものである。なお、データの内容は公知であるので、送信されるデータがどのようなものであるかについての説明は省略する。
2102は、受け入れた順番で複数のデータを記憶するとともに、受け入れた順番に従って出力する送信データレジスタである。
2103は、送信データレジスタ2102からデータの出力を受けてこれを周辺基板へ送信する送信用シフトレジスタである。送信用シフトレジスタ103は、送信すべきデータをパラレルからシリアルへ変換する。
図8は、データ(コマンド)送信とこれを受けた液晶制御基板200とスピーカ基板201の動作の概略の説明図である。
サブ基板20は、液晶制御基板200とスピーカ基板201それぞれへ画像データと音声データを送る(符号PとR)。画像データを受けて液晶制御基板200は所定の画面を表示し(符号Q)、音声データを受けてスピーカ基板201は所定の音声を発生する(符号S)。音声に限らずBGM、効果音などその他の音響も発生するが、便宜上これらも音声に含める。音声・音声データは、音響・音響データと言える。特に断らない限り、本明細書において「音声」には、通常の意味の音声とともにBGM、効果音などその他の音響も含むものとする。
また、サブ基板20は、可動体制御部60へ可動体50の制御データを送る(符号TとU)。LED基板202、役物スレーブ基板60Yについても同様である。
図8からわかるように、サブ基板20によるコマンド送信−>周辺基板によるコマンドの実行・画面表示や音声発生などの提示、可動体要素の動作、発光素子の点滅という流れになっている。サブ基板20が制御できるのはどのようなコマンドをどの周辺基板へ、どのタイミングで送るということであり、画面表示や音声発生などの提示をどのタイミングで行え、ということは指定できない。このためコマンドの送信タイミングは、周辺基板ごとに適切に管理する必要がある。
<画面表示と音声発生に係る構成>
遊技機における画面表示と音声発生に係る構成について説明を加える。以下の説明においては便宜上、メモリ上に描画されたものを画像と表示し、メモリを読み出して液晶表示装置LCDに表示すべきものを画面と表記することにする。概ね、ビットマップで表現されたキャラクタなどのオブジェクトは画像であり、オブジェクトが背景上に配置されて1枚の絵となったものは画面である。
図9は、VDPの構造の概略図である。VDPは、液晶制御基板に設けられたLSIであり、CPUとのインタフェースI/F、CPUからのコマンドに従い画像を描画する描画エンジンE1、描画した画像を記憶するビデオメモリVRAM、及び、ビデオメモリVRAMに記憶された画像を読み出して液晶表示装置LCDへ送る表示エンジンE2を備える。これらの各要素は、内部のバスBUSに接続され、相互にデータを読み書きできるようになっている。インタフェースI/Fは、CPUからコマンドなどのデータを受けるとともに、表示エンジンE2などからの割り込み信号をCPUへ出力することもできる。このVDPは、例えば、XGAサイズの解像度(1024×768ピクセルの解像度)で毎秒60フレームの描画及び表示が可能である。
毎秒60フレーム(=60fps)で描画及び表示する場合、1フレームの時間は16.67msである。これをフレーム時間と記すことにする。また、2つの連続するフレームをVフレームと呼ぶことにする。フレーム×2=Vフレーム×1である。Vフレームの時間は33.33msであり、その画面更新レート(更新周波数)は30fpsである。フレーム、Vフレームは、表示の単位及び処理の単位であるが、以下の説明においては、当該フレーム、Vフレームにおけるデータ、処理結果(描画された画像)、液晶表示装置LCDに表示された画像を意味することがある。例えば、Vフレーム1などのように数字(符号)が付されている場合は、特定のVフレームを示すと共にこれに対応する描画データ、画像データ、表示データを意味することがある。
液晶表示装置LCDの制御は、描画データ(液晶表示装置に対するコマンド、動画デコード情報などを含む)の保存、描画データに基づく描画実行、描画された画像の表示実行の3段階で行われる。すなわち、CPUがVDPへ描画データを送り、VDPの描画エンジンE1が描画を実行し、表示エンジンE2が液晶表示装置LDCでの画像表示を行う。この3段階の処理はそれぞれ並列(独立)に実行される。画像表示までに3段階を要するため、ある画像が表示されているタイミング(Vフレーム)において、描画実行は次のVフレームで表示されるべき画像を描画し、描画データの保存は次の次のVフレームで表示されるべき画像を保存していることになる。その様子を図10に示す。
描画データの保存、描画実行、及び、表示実行は、ひとつのVフレームについて1回の周期で実行判定がなされる。言い換えれば、描画データの保存(第1処理)、描画実行(第2処理)、表示実行(第3処理)は、それぞれVフレームを単位として実行される(正確には、Vフレームに含まれるフレーム単位で処理が行われる、例えば、Vフレーム更新中にデータ入力があった場合、Vフレームの2つのフレームの一方において入力されたデータに係る描画データの保存、描画実行、表示実行が行われる)。したがって、本遊技機の液晶表示装置LCDの更新周波数は30fpsである。なお、これは原則であって、fpsは処理状況に応じて変化し得る。
描画データを保存してからその表示を実行するまでには、2つのVフレームに相当する時間を要する。例えば、図10では、符号T1で書き込んだ描画データは、それよりもVフレーム2つ分遅れた符号T3において表示される。ただし、描画データの保存、描画実行、表示実行はそれぞれ並列に実行されるため、液晶表示装置LCDの画像はVフレーム単位で更新される。図10の例では、表示に関して、符号T3,T4、・・・においてVフレーム1、Vフレーム2、・・・のように更新されている。
図11は、サウンドコントローラSCの内部ブロック図を示す。同図は概念図であり、動作の説明に必要な部分のみを示している。
SC1は、予め再生の順番が定められ、続けて再生される複数のサウンドデータを含むフレーズデータを予め記憶するフレーズデータ記憶部である。
SC2は、フレーズデータをデコードして音響を再生するデコーダである。デコーダは、所定のサウンドデータ(例えばWAV)を音響に戻すものであり、この処理は公知であるので説明は省略する。
SC3は、デコーダSC2で再生された音響の音量を調整する音量調整部である。音量調整部SC3はデジタル又はアナログ回路で構成される。その入力がデジタル信号のときはデジタル回路、例えば乗算器で構成され、ボリュームの値を音響デジタルデータに乗算することで音量を調整する。その入力がアナログ信号のときはアナログ回路、例えば増幅器で構成され、当該増幅器の増幅率(可変抵抗器)を変えることで音量を調整する。音量調整部SC3の出力はスピーカSPへ送られる。
図12(a)はフレーズデータ記憶部SC1の記憶内容の概略を示すものである。演出A,B,C,D,・・・のように複数の演出があるときそれぞれに対応してサウンドフレーズ(音声データ)を記憶している。サウンドフレーズの数には上限があり、例えば255個のサウンドフレーズを記憶することができる。
図12(b)は演出Aの音声データ(例えばWAV)の構造を示すものである。演出Aは3つのサウンド、すなわち第1サウンド(カットイン音)、第2サウンド(キャラボイス)、第3サウンド(発展音)から構成されている。
カットイン音とは、あるショット(場面)に別のショットを挿入するカットインに対応付けられているサウンドである。キャラボイスとは、画面に表示されているキャラクタの台詞のサウンドである。発展音とは、演出の最後に、別の演出に発展する場合に加えられるサウンドである。
サブ基板20はスピーカ基板201へ、例えば図12(b)の演出Aのカットイン音を再生するデータ、キャラボイスを再生するデータ、発展音を再生するデータをそれぞれ送信する。これら3つのデータ(コマンド)を受けて、サウンドコントローラSCが所定のサウンドを発生する。
<周辺基板の制御におけるメイン処理と割込処理の関係>
サブ基板が周辺基板である可動体制御部60を制御する場合、可動体50の制御対象であるモータやソレノイドなどに対して、サブ基板20からの図6の通信系を介して可動体制御部60へコマンドを送る。
周辺基板に対して、具体的には次のような処理を行う。
・動作させたい制御内容の動作テーブル(制御データ)のポインタを設定する。
・設定されたポインタからそのテーブルの終端まで実行する。また、動作状況に応じて変化する動作状況テーブル(例えばモータテーブル)を更新する。テーブルの処理を実行中にポインタが再設定された場合には、再設定された設定ポインタに実行を切り替える。
・テーブル更新状態を確認し、データテーブルのポインタ再設定などを行う。
上記処理を行うに際して、プログラムのメインルーチン(メイン処理)と割込処理ごとに役割を分担させている。この概念を図13に示す。この図は可動体の制御について示している。他の周辺基板についても同様である(周辺基板からサブ基板へのフィードバックがない場合もある)。実線は処理を示し、点線はパラメータを示す。図13の処理の全部がサブ基板20で行われること、その一部が周辺基板で行われることのいずれもある。
なお、メイン処理の処理間隔である第1周期と、割込処理の処理間隔である第2周期とは異なることが多い。例えば、第1周期>第2周期であり、一例として、第1周期=33.3ms(30fps)、第2周期=2.08ms(480fps)である。
PP1は、メイン処理から割込処理へのパラメータであり、解析実行すべき動作テーブルのアドレスを指定するテーブル設定ポインタである。割込処理はそのポインタに従って当該動作テーブルを解析し、当該動作テーブルの終端に到達するか、又は、次の動作テーブルの指定が行われるまで動作を継続する。
MP1は、テーブル設定ポインタPP1を指定するメイン処理である。
IP1は、テーブル設定ポインタPP1を受けて行われる割込処理である。
PP2は、割込処理からメイン処理へのパラメータであり、周辺基板での動作状態を示すモータテーブル更新状態である。これは、割込処理で可動体50の動作状況をメイン処理に伝えるためのステータス情報である。メイン処理はそのステータスを確認し、必要に応じて動作テーブルの再指定、動作の停止などの指示を行う。更新状態の一部(動作フラグ関係)は、動作テーブルの制御命令によりメイン処理側で操作可能である。
IP2は、モータテーブル更新状態を更新するための割込処理である。
MP2は、モータテーブル更新状態PP2を受けて行われるメイン処理である。
<可動体50>
発明の実施の形態に係る遊技機が備える可動体50について説明を加える。
図14は可動体50の斜視図を示す。
図15は可動体要素51が上昇位置(上昇限度)にある可動体50の正面図を示し、図16は可動体要素51がその上昇位置から少し下降した状態の可動体50の正面図を示し、図17は可動体要素51が下降位置(下降限度)にある可動体50の正面図を示す。
可動体50は液晶表示装置LCDの前面に設けられている。
可動体50は、上下する可動体要素51と、この可動体要素51を所定の位置で保持する保持手段61とを備えている。
可動体要素51は横方向に延在する横バー部52と、この横バー部52の両端部にそれぞれ設けられたスライド部材53,53とを備えている。なお、図示していないが、可動体要素51には、役物スレーブ基板60Yも設けられている。
また、可動体50は、左右一対の上下方向に延在するスライドレール54,54を備えている。スライドレール54,54は、左右に離間して平行に設けられており、このスライドレール54,54に沿ってスライド部材53,53が上下動可能となっている。これによって可動体要素51は上下動可能に設けられている。
なお、図14に示す状態では、可動体要素51は上昇位置に位置している。
可動体要素51の背面側には、当該可動体要素51を下部可動限界位置となる下降位置と上昇位置との間で上下動させる上下動駆動手段105が、可動体50の左右にそれぞれ設けられている。
この上下動駆動手段105は、ベース板金55に取り付けられたステッピングモータ56と、このステッピングモータ56によって図示しないギヤを介して回転されるプーリ57と、スライドレール54の下端部近傍に設けられたプーリ58と、プーリ57とプーリ58とに巻き掛けられたベルト59とを備えており、このベルト59の所定部位がスライド部材53に固定されている。したがって、ステッピングモータ56を正逆方向に回転させることによって、可動体要素51は上昇位置と下降位置との間を上下動するようになっている。
ステッピングモータ56によってベルト59を正方向に回転せることによって可動体要素51が下降する(可動体要素51の位置が図15から図16や図17のように変化する)。ステッピングモータ56の回転方向を反対にすると可動体要素51が上昇する。
図18(a)は、図14〜図17の可動体50を簡略化して示した正面図である。ステッピングモータ56及びベルト59はそれぞれ左右両側に設けられているので、左側のものには符号Lを、右側のものには符号Rを付し、両者を区別する。
図18(a)(b)の矢印で示すように、ベルト59L及び59Rを正方向に回転せることによって可動体要素51が下降するが、このときステッピングモータ56Lと56Rではその回転方向が異なる。図18(b)に示すようにステッピングモータ56Lは紙面上の正面から見て左に回転し、図18(c)に示すようにステッピングモータ56Rは紙面上の正面から見て右に回転する。
可動体要素51上には、役物スレーブ基板(第2周辺基板)60Yが設けられている。役物スレーブ基板60Yは、可動体要素51の装飾(例えば「WANTED」の文字)を照らすための発光素子60Y−Lを備えている。役物スレーブ基板60Yは、ワイヤハーネスWによりサブ基板20に接続されている。
可動体要素51と一緒に役物スレーブ基板60Yも上下するので、これに追従できるようにワイヤハーネスWには柔らかく細い電線が用いられている。なお、ワイヤハーネスWに代えて、ブラシなどの摺動部材が用いられることもある。細い電線は強度的に比較的弱く、また、電気抵抗が比較的高い。摺動部材についても同様のことが言える。
役物スレーブ基板60Yとは異なり、他の周辺基板60は動かない。このためその接続用のワイヤハーネスに丈夫で太い電線を使用できる。このため強度的・電気的に問題がなく、他の周辺基板60では通信に異常が発生することはほとんどないが、役物スレーブ基板60Yでは上記の理由で通信に異常の発生する可能性がある。
次に、発明の実施の形態に係る通信のエラー復帰処理について説明を加える。
<サブ基板と周辺基板の電気的な接続>
図19は、データ送信部20TXと周辺基板60の接続図(概念図)である。同図では、説明を簡単にするために、2つの周辺基板、すなわち役物スレーブ基板(周辺基板)60Yと操作部(ジョグダイヤル)PANの入力基板(周辺基板)60Iが接続されているものとする(液晶制御基板200、可動体制御部(第1周辺基板)60などは省略している)。役物スレーブ基板60Yは出力部60OUTと、この出力を受けて点滅する発光素子60Y−Lとを含み、入力基板60Iは、操作部(ジョグダイヤル)PANの信号を受ける入力部60INを含むものとする。データ送信部20TXと2つの役物スレーブ基板60Y及び入力基板60Iはチェイン接続かつループバック接続されている。
40S−O,−Iは、データ送信部20TXの出力端と入力端である。同様に、60Y−O,−Iは役物スレーブ基板60Yの出力端と入力端、60I−O,−Iは入力基板60Iの出力端と入力端である。同図において、隣接する基板の出力端と入力端はそれぞれ配線で接続されている。
出力部60OUTは、データ送信部20TXからの送信データ(図20(a)参照)を受けて、それに含まれるデータ(図20(a)の出力データ)を取得するものである。役物スレーブ基板60Yは、取得されたデータに基づき発光素子60Y−Lの点滅など所定の制御を行う。出力部60OUTは、シリアルデータをパラレルデータへ変換するシリアル−パラレル変換器(内部レジスタ)と、シリアル−パラレル変換器で変換したパラレルデータを受け入れるレジスタ(出力レジスタ)とを備える。シリアル−パラレル変換器は、例えば、役物スレーブ基板60Yで必要とするデータ数(例えば1バイト)に対応したDタイプのフリップフロップを直列に接続したもの(シフトレジスタ)である。レジスタも同様に複数のDタイプのフリップフロップを備えるものである。シリアル−パラレル変換器は、データ送信部20TXから受けたクロックに従って動作し、受けたシリアルデータを順番にフリップフロップに格納していく。出力部60OUTのレジスタは、データ送信部20TXから受けたラッチ信号に従って、変換したパラレルデータをシリアル−パラレル変換器から受け入れる。シリアル−パラレル変換器やレジスタは公知であるので、詳細な説明は省略する。
なお、役物スレーブ基板60Yは、データ送信部20TXへのACK(応答)としてデータ部分に所定の値をセット(上書き)している(この動作については下記の入力部60INの説明も参照されたい)。このACKに基づきデータ送信部20TXは役物スレーブ基板60Yが正常に動作しているか、通信が正常に行われているかを知ることができる。
入力部60INは、データ送信部20TXからの送信データ(図20(a)参照)を受けて、それに含まれるデータ(図20(a)の入力用ブランクデータ)を、予め用意した入力値(デバイスから出力される値)で置き換えるものである(言い換えれば、入力値を入力用ブランクデータに上書きする)。この結果、図20(a)の送信データは、同図(b)の受信データに変化する。例えば、ラッチ信号のL又はH(あるいはその立ち上がり又は立ち下がり)において、デバイスから出力される値で置き換えを行う。あるいは、入力部60INは、入力基板60Iが操作部(ジョグダイヤル)PANから収集したデータ(例えば1バイト)を保持するレジスタと(図示せず)、レジスタで保持しているデータ(パラレルデータ)をシリアルデータへ変換するパラレル−シリアル変換器(シフトレジスタ、図示せず)とを備えるようにしてもよい。このレジスタとパラレル−シリアル変換器も、Dタイプのフリップフロップを複数備えるものである。入力部60INのレジスタは、データ送信部20TXから受けたラッチ信号に従って、レジスタのパラレルデータをパラレル−シリアル変換器へ転送する。パラレル−シリアル変換器は、データ送信部20TXから受けたクロックに従って動作し、受けたパラレルデータを順番に出力していく。
データ送信部20TXは、送信データを生成する送信部40S−1(図7及びその説明参照)、クロック・ラッチ信号を生成する制御信号生成部40S−2、データを受信する受信部40S−3、受信したデータを解析する受信データ解析部40S−4及び受信したデータに基づき図19のループに異常があるかどうかを判定する異常判定部40S−5を含む。
データ送信部20TX、役物スレーブ基板(周辺基板)60Y,入力基板(周辺基板)60Iで扱うシリアルデータの単位を1バイトとした場合を例に取り説明する。
データ送信部20TXと、複数の周辺基板60はループバック構造で接続されているから、1バイトのデータを送信すると、1つ目の出力部60OUTに送信データが溜まり、押し出される形でそこに格納されていたデータが2つ目の入力部60INに送り出される。やがてデータが巡回し、そこにあったデータはデータ送信部20TXに戻される。図19の例では2バイトのデータを送信することで、全ての周辺基板60Yと60Iにデータが行き渡る。
図19において、「データ」はシリアルデータ信号又はそれが流れる線(以下同様)を示す。「クロック」はシリアル−パラレル変換器及びパラレル−シリアル変換器(シフトレジスタ)を動作させる信号である。ひとつのクロックでひとつのデータが伝送される。「ラッチ信号」とは出力部60OUTのシリアル−パラレル変換器からレジスタへ、及び、入力部60INのレジスタからパラレル−シリアル変換器へデータを転送するための信号である。「リセット信号」は、出力部60OUT及び入力部60INをリセットする信号である。リセット信号により出力部60OUT及び入力部60INは初期状態になる。
周辺基板60Y及び60Iとデータ送信部20TXとの通信に不具合が生じても、リセット信号により通信を再開できるようになる。しかし、図19に示すように、リセット信号は全ての周辺基板60Yと60Iに対して与えられるので、リセット信号により出力部60OUT及び入力部60INの両方が保持しているデータはいずれも失われる。このため、発光素子60Y−Lが消灯したり、操作部(ジョグダイヤル)PANの動きに反応しなくなり、演出処理で問題が生じる。頻繁にリセットすることは演出の品質を下げることになり、遊技者の興趣を損なうことにもなりかねない。
<サブ基板と周辺基板の間の送受信処理>
図20は、データ送信部20TXから役物スレーブ基板60Yへ送信するデータ(送信データ)と、データ送信部20TXが入力基板60Iから受信するデータ(受信データ)を示す。
図20(a)に示すように、送信データは、「出力データ」「入力用ブランクデータ」「異常確認用データ」の3種類から構成される。送信データは、予め定められた第1の割り込みのタイミングで送信される。
「出力データ」は、役物スレーブ基板60Yが制御するデバイスに対して出力されるデータである。例えば、LEDの輝度データ、可動体やソレノイドの制御データを含む。
「入力用ブランクデータ」は、入力基板60Iの入力部60INが入力値を取得した際に、これで置き換えられるべきデータである。入力用ブランクデータの初期値は、例えば「00H」である。
「異常確認用データ」は、ループバックが正常に行われているかどうかを判定するためのデータである。このデータは任意であるが、なるべく「1」「0」が混在しているデータが好ましい。
送信データ数は、遊技機が搭載するLEDや可動体、スイッチなどのデバイス数、具体的には、それらを制御する周辺基板の数によって変化する。送信データ数は、(出力部60OUT及び入力部60INの合計数)+1(異常確認用データ)となる。このときの単位はひとつのまとまりのデータ(ワード、例えば1バイト)である。出力部60OUT及び入力部60INの合計数よりひとつ多く送信することで、ひとつの送信データの送信を完了すると(言い換えれば、出力データと入力用ブランクデータが各周辺基板に行き渡ると)、その先頭である「異常確認用データ」はデータ送信部20TXにループバックされる。これにより、1回の送信で異常確認用データがデータ送信部20TXに必ず戻るようになり、送信データ毎にデータ伝送に異常があったかどうか確認することができる。
そして、出力データと入力ブランクデータの送信の順番は、データ送信部20TXの出力端から見たときの役物スレーブ基板60Y(出力部60OUT)と入力基板60I(入力部60IN)の接続の順番に対応している。
図19のように、データ送信部20TXの出力端から見たとき、そこから遠い順番に入力基板(周辺基板)60Iと役物スレーブ基板60Yの順で接続されている場合、送信データの送信の順番は、(異常確認用データ)(入力用ブランクデータ)(出力データ)の順となる。(異常確認用データ)は、常に先頭にあるものとする。
図20(b)に示すように、受信データは、送信データがループバック構造により巡回して受信された、「出力データ」「入力値」「異常確認用データ」の3種類から構成される。
受信データの順番は、送信データの順番に対応している。
「出力データ」は、送信データと同じものであり、前回出力していたデータである。データ送信部20TXにとっては不要なデータである。したがって、本来は、データ送信部20TXは「出力データ」を受信しなくてもよい。ただし、本発明の実施の形態では、役物スレーブ基板60Yは「出力データ」にデータ送信部20TXへの応答であるACKを書き込んでいるので、データ送信部20TXは「出力データ」を受信する。「出力データ」の部分のACKがあれば、データ送信部20TXは役物スレーブ基板60Yが正常に動作し、かつ、通信が正常に行われていると判定する。ACKは任意のデータであるが、予め定められているものとする。
「入力値」は、ラッチ信号を契機に入力部60INから入力された値であり、デバイス(PUSHスイッチ、インデックスセンサなど)からの信号・データを意味する。
「異常確認用データ」は、送信データのそれと同じものであり、送信したものと同じデータ(値)が受信できれば、他のデータも正常であるとみなす。「異常確認用データ」は全ての周辺基板及び通信路全体についてその動作が正常に行われているかどうかを判定するためのものである。これに対し、前述のACKは役物スレーブ基板60Yについて動作確認するためのものである。
受信データの数は、送信データの数と同じである。なお、「出力データ」「入力用ブランクデータ」つまり「出力データ」「入力値」の大きさと数並びにそれらの順番は、出力部60OUTと入力部60INの数とそれらの接続順序に対応している。出力部60OUTの数が増減すれば「出力データ」の大きさも増減し、入力部60INの数が増減すれば「入力用ブランクデータ」の大きさも増減する。接続順序が入れ替われば、「出力データ」「入力用ブランクデータ」の位置も入れ替わる。仮に、4つの周辺基板60がチェイン接続され、データ送信部20TXの出力端から見たとき、そこから遠い順番に、出力部60OUT、入力部60IN、出力部60OUT、入力部60INという順番で接続されているならば、送信データは「異常確認用データ」「出力データ」「入力用ブランクデータ」「出力データ」「入力用ブランクデータ」となる。
図21は、データ送信部20TXの送信部40S−1の処理の概要を示す。以下、この図を参照して説明を加える。
ST10:送信部40S−1は、予め定められた異常確認用データを用意する。
異常確認用データについては、既に説明した。
ST11:送信部40S−1は、出力部を備える周辺基板へのデータを準備する。
図19の例では、役物スレーブ基板60Y用の1つのデータを用意する。ST11で用意するデータの数は、出力部を備える周辺基板の数と同じである。
ST12:送信部40S−1は、入力部を備える周辺基板から値を得るためのブランクデータを準備する。
ブランクデータについては、既に説明した。
図19の例では、入力部を備える周辺基板はひとつであるので、1つのブランクデータを用意する。ST12で用意するデータの数は、入力部を備える周辺基板の数と同じである。
ST13:送信部40S−1は、異常確認用データ、入力ブランクデータ及び出力データを連結して送信データを生成する。
送信データの例は、図20(a)に示した。
ST14:送信部40S−1は、送信データを送信する。
図22は、データ送信部20TXの受信部40S−3の処理の概要を示す。以下、この図を参照して説明を加える。
ST20:受信部40S−3は、データを受信する。
戻されたシリアルデータを受信することで、入力部60INで入力された入力値を受け入れる。
ST21:受信データ解析部40S−4は、受信データから入力値を取り出す。
ST22:受信データ解析部40S−4は、入力値をデバイス毎のデータに変換する。
ST23:受信データ解析部40S−4は、デバイス毎に用意された所定長のバッファに格納する。
ST24:異常判定部40S−5は、通信異常判定・エラー復帰処理を行う。
この処理の詳細は後述する。
図23は、発明の実施の形態に係る役物スレーブ基板の通信監視処理を示す。同図は、電源投入以降の処理のうち、通信異常判定・エラー復帰処理に関するもののみを示し、これ以外の処理は省略している。
なお、図23〜図27のフローチャートの処理を行う主体は異常判定部40S−5である。以下の説明では処理主体の記載は省略する。
ST30:電源投入を受けて処理を開始する。
図23のST31及びST32の処理は電源投入時の初期設定に含まれている。
ST31:役物スレーブ基板60Yと通信する。
前述のように役物スレーブ基板60Yへ出力データを送り、またそこからACKを受ける。
あるいは、前述の異常確認用データに基づき役物スレーブ基板60Yを含む周辺基板全体の通信を監視する。
ST32:初期設定における通信が成功したかどうか判定する。
役物スレーブ基板60YからACKを受けたときは成功(YES)となる。また、異常確認用データが出力したときと同じ状態であれば成功(YES)となる。
そうでないときはNOとなる。NOのときは役物スレーブ基板60Yとの通信に関する初期設定を再度行う(ST31)。ここでNOとなるのは、役物スレーブ基板60YからACKを受けなかった場合、あるいは、異常確認用データが正しく戻ってこなかった(送信したものと一致していない)場合である。前者は、初期設定後において応答がないということは通信が全く成功せず、役物スレーブ基板60Yの重大な不具合の可能性を意味し、そのまま動作を継続することは好ましくない(初期設定をやり直したほうがよい)ので、初期設定を再度行うようにする。後者は、周辺基板の通信路自体に異常があるので、やはりそのまま動作を継続することは好ましくなく、初期設定を再度行う。なお、再度の初期設定に代えて電源再投入を行ってもよい(これも「初期設定」に含める)。
ST33:初期設定後の通常の通信の一貫として役物スレーブ基板60Yと通信する。
他の周辺基板とも通信を行うが、その説明は省略する。
ST34:通常の通信が成功したかどうか判定する。
役物スレーブ基板60YからACKを受けたときは成功(YES)となる。
そうでないときはNOとなる。NOのときは通信状況を監視する。
ST35:役物スレーブ基板60Yとの通信を継続し、通信状況を監視する。
この処理の詳細は後述する。
ST36:通信状況を予め定められた所定状況と比較し、所定状況よりも悪いかどうか判定する。
所定状況よりも悪いとき(YES)、エラー復帰処理を行う。そうでないとき(NO)、ST33に戻り通常の通信を行う。エラー復帰処理は行わない。
所定状況よりも悪いとは、例えば、予め定められた閾値以上の頻度で繰り返し通信異常が発生している状況や、通信異常が所定時間を超えて継続していることを言う。この処理の詳細は後述する。
ST37:エラー復帰処理を行う。
図19のリセット信号により周辺基板をリセットする。リセット信号が周辺基板ごとに独立しているときは、役物スレーブ基板60Yに対してのみリセット信号を送信する。こうすることで、正常に動作している他の周辺基板(例えば可動体制御部60)の動作を停止させることがなく、好ましい。
遊技機の試験において役物スレーブ基板60Yへの通信ができなくなることがあった。通信ができなくなると可動体要素51の電飾表示が更新されず、演出に不具合が生じる。このような場合、従来の遊技機では電源を再投入する以外に復帰することができなかった。
これに対し、発明の実施の形態に係る処理によれば、電源投入後に通信が成功していた場合において(図23のST32でYES)、その後に通信状況が悪化したとき(通信できなくなったとき)、少なくとも役物スレーブ基板60Yに対して復帰処理を行うようにしたので、遊技機の電源を再投入することなく役物スレーブ基板60Yとの通信を復旧することができるようになった。
なお、リセット信号による復帰に代えて、周辺基板への電源供給をオフオンすることにより復帰させるようにしてもよい。
発明の実施の形態において役物スレーブ基板60Yは可動体要素51に設けられ、このため役物スレーブ基板60YのワイヤハーネスWには柔らかく細い電線が用いられている。細い電線は強度的に比較的弱く、また、電気抵抗が比較的高いのでノイズ等の影響を受けやすく、役物スレーブ基板60Yとの通信状況は悪化しやすい。これを踏まえて、図23の処理は、役物スレーブ基板60Yとの通信の不具合の影響を最小限にできる点で、非常に優れている。
図24は通信異常判定処理を示す。この処理は、図25のST31及びST32に相当する。
ST310:エラーカウント数を0(初期値)に設定する。
ST311:受信データを受ける。
ループバックされた異常確認用データは、図示しない異常確認用データのバッファ(以下、「バッファ」と記す)に格納される。
ST312:受信確認用データをチェックする。
ST313:一致しているかどうか判定する。
受信した異常確認用データを、送信した予め定められた異常確認用データと比較し、一致しているものは「正常」、一致しないものは「異常」と判断する。例えば、そのようなフラグをセットする。「正常」であればYESとなり、図24の処理を抜ける。「異常」であればNOとなり、ST314に進む。
ST314:エラーカウント数を増加させる。
例えば、エラーカウント数を+1する。
ST315:エラーカウント数が4に達したかどうか判定する。
エラーカウント数が4に達していなければ(NO)、ST316〜ST318の処理を繰り返す。これらの処理はST311〜ST313と同じものである。
エラーカウント数が4に達した場合は(YES)、ST320に進み、エラーフラグをセットする。エラーフラグがセットされていると、図25のS32でNOとなる。
なお、閾値である「4」は言うまでもなく例示であり、これに限定されない。閾値として予め定められている1以上の整数であればよい。閾値を大きくすればリセット動作が行われる頻度は少なくなるがエラーを検知することが少なくなり、エラーの生じたままで通信を行ってしまう可能性が高くなる。閾値を小さくすればリセット動作が行われる頻度が高くなり、エラーの生じたままで通信を行う可能性を低くできる。閾値=1であれば受信確認用データに異常があったとき、ただちにエラーフラグがセットされる。
ST319:上記ST318で全て一致していたとき(正常であるとき)、エラーカウント数を減少させる。
ST320:エラーカウント数が0に戻ったかどうか判定する。
エラーカウント数が0でなければ(NO)、ST316に戻り上記処理を繰り返す。
エラーカウント数が0であれば(YES)、エラーフラグをセットすることなく、図24の処理を抜ける。これは、図25のS32でYESに相当する。
図24の処理は受信確認用データにより周辺基板の通信系統をチェックするものであるが、前述のように役物スレーブ基板60Yへ出力データを送り、またそこからACKを受けたことに基づき役物スレーブ基板60Yについてチェックを行うようにしてもよい。この場合、受信確認用データのチェックに代えて、図25のACKデータのチェックを行う。
図25は役物スレーブ基板60Yと正しく通信できているかどうか判定する処理を示す。この処理は、図25のST33及びST34に相当する。
ST330:受信データを受ける。
役物スレーブ基板60YからのACK(応答)は、図示しないACK用のバッファに格納される。
ST312:ACKデータをチェックする。
ST313:一致しているかどうか判定する。
役物スレーブ基板60YからはどのようなACKが返ってくるか予め定められている。予め定められているものと一致しているとき(YES)は通信を続ける。異常判定部40S−5はACKが予め定められた内容でないとき(ブランク、あるいは、出力データがそのまま返ってくることを含む)、不一致(NO)と判定し、図23のST35へと進む。
図26は役物スレーブ基板60Yとの通信状況を監視する処理である。通信状況が所定状況よりも悪いとき(例えば1秒異常通信できないとき)、エラー復帰処理ST37を実行させる。この処理は、図25のST35及びST36に相当する。
ST350:役物スレーブ基板60Yとの通信失敗(ST34でNO)を受けて図示しないカウンタに基づき計時を開始する。
ST351:受信データを受ける。
ST352:ACKデータをチェックする。
ST353:一致しているかどうか判定する。
一致しているとき(YES)は、ST356へと進みタイマをリセットし、図26の処理を抜ける。図23のST33に進む。
ST354:ST353で不一致であるとき(NO)は、計時が予め定められた閾値を上回っているかどうか判定する。
閾値以下であるとき(NO)は、ST351〜ST353を繰り返す。
閾値を超えたとき(YES)は、ST355へと進みエラーフラグをセットし、図26の処理を抜ける。図23のST37に進む。
図27は役物スレーブ基板60Yとの通信状況を監視する他の処理である。通信異常が所定回数を超えて(例えば4回以上)継続したときに、エラー復帰処理ST37を実行させる。この処理は、図25のST35及びST36に相当する。
処理内容は、図24及び図26と同様なので、その説明は省略する。
なお、図23のST33〜ST36(図25〜図27)は役物スレーブ基板との通信を監視する処理であったが、それらに代えて、あるいはそれらの処理とともに、異常確認用データに基づく通信路の監視を行うようにしてもよい。具体的には、図25〜図27においてACKのチェックに代えて、図24の受信確認用データのチェックを行うようにする。このチェックで異常が発生したときに、例えば全ての周辺基板をリセットする。
あるいは、データ送信部20TXは、戻された異常確認用データに基づき役物スレーブ基板60Y及び他の周辺基板(可動体制御部60、LED基板202など)との通信路の異常を判定するとともに、ACKのチェックにより役物スレーブ基板60Yとの通信の異常を判定する。そして、データ送信部20TXは、通信路が異常でないと判定し(異常確認データに異常がなく)、かつ、役物スレーブ基板60Yとの通信が異常であると判定したとき、役物スレーブ基板60Yをリセットするようにしてもよい。このケースは役物スレーブ基板60Yにのみ異常が発生した可能性が高く、役物スレーブ基板60Yのみをリセットすることが好ましい。
異常確認用データに基づく通信路の監視を追加することにより、(1)電源投入後の初期設定時における異常に対する再度の初期設定、(2)役物スレーブ基板との通信エラー発生時の役物スレーブ基板のリセットに加えて、(3)通信路全体の異常に対する周辺基板のリセットを行うことができるようになる。
すなわち、この発明の実施の形態によれば、電源投入後に通信が成功し、その後、特定の周辺基板(第2周辺基板)に通信異常が生じた際に、少なくとも特定の周辺基板をリセットすることにより、電源を再投入することなく通信を復帰させることが可能となる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
20 サブ基板(処理部)
20TX データ送信部
50 可動体
51 可動体要素
56、56L、56R ステッピングモータ(駆動部)
60 可動体制御部(第1周辺基板)
60Y 役物スレーブ基板(第2周辺基板)
200 液晶制御基板(周辺基板、演出デバイス)
201 スピーカ基板(周辺基板、演出デバイス)

Claims (3)

  1. 演出に関する処理を実行する処理部と、前記演出に用いられる可動体要素、及び、前記可動体要素を動かす駆動部を含む可動体と、前記処理部の処理で得られた前記演出に係るデータを送信するデータ送信部と、前記演出に係る前記データを受信し前記駆動部の制御信号を生成する第1周辺基板と、前記演出に係る前記データを受信し前記演出を行う第2周辺基板とを備える遊技機において、
    前記データ送信部と前記第1周辺基板及び前記第2周辺基板は共通の信号線に接続され、
    前記データ送信部は、
    前記データの送信とともに、少なくとも前記第2周辺基板の通信を監視するものであり、
    電源投入後に通信が成功したかどうか判定し、前記第2周辺基板の通信が失敗したときは、前記第2周辺基板との通信に関する初期設定を行い、
    電源投入後に少なくとも前記第2周辺基板の通信が成功した後において、前記第2周辺基板の通信が失敗したときに、少なくとも前記第2周辺基板をリセットするものであり、
    前記第2周辺基板は、前記可動体要素に設けられていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記データ送信部は、電源投入後に少なくとも前記第2周辺基板の通信が成功した後において、少なくとも予め定められた時間よりも長く前記第2周辺基板と通信できないとき、通信が失敗したと判定することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記信号線は、前記第1周辺基板及び前記第2周辺基板を経由して前記データ送信部に戻され、
    前記データ送信部は、前記信号線に前記第1周辺基板及び前記第2周辺基板への出力データとともに、予め定められた異常確認用データを送信し、
    少なくとも前記第2周辺基板は、前記信号線を経由して、前記出力データに代えて予め定められた応答を前記データ送信部へ送信し、
    前記データ送信部は、前記信号線を経由して戻された前記異常確認用データに基づき前記第1周辺基板及び前記第2周辺基板に係る通信路の異常を判定するとともに、前記第2周辺基板の前記応答に基づき前記第2周辺基板との通信の異常を判定し、
    前記データ送信部は、前記通信路が異常でないと判定し、かつ、前記第2周辺基板との通信が異常であると判定したとき、前記第2周辺基板をリセットすることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
JP2014228513A 2014-11-11 2014-11-11 遊技機 Pending JP2016087324A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014228513A JP2016087324A (ja) 2014-11-11 2014-11-11 遊技機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014228513A JP2016087324A (ja) 2014-11-11 2014-11-11 遊技機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016087324A true JP2016087324A (ja) 2016-05-23

Family

ID=56017372

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014228513A Pending JP2016087324A (ja) 2014-11-11 2014-11-11 遊技機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016087324A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017213082A (ja) * 2016-05-30 2017-12-07 京楽産業.株式会社 遊技機

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010000164A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Aruze Corp 遊技機
JP2011050477A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Sophia Co Ltd 遊技機
JP2011110240A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Olympia:Kk 遊技機
JP2013058845A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Denso Corp データ通信方法及びデータ通信システム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010000164A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Aruze Corp 遊技機
JP2011050477A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Sophia Co Ltd 遊技機
JP2011110240A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Olympia:Kk 遊技機
JP2013058845A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Denso Corp データ通信方法及びデータ通信システム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017213082A (ja) * 2016-05-30 2017-12-07 京楽産業.株式会社 遊技機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5974315B2 (ja) 遊技機
JP2017213273A (ja) 遊技機
JP6371948B2 (ja) 遊技機
JP2016150122A (ja) 遊技機
JP6268354B2 (ja) 遊技機
JP6233852B2 (ja) 遊技機
JP2013106736A (ja) 遊技機
JP6149330B2 (ja) 遊技機
JP2016087324A (ja) 遊技機
JP5895088B1 (ja) 遊技機
JP5577966B2 (ja) 遊技機
JP2019201772A (ja) 遊技機
JP6255578B2 (ja) 遊技機
JP6278811B2 (ja) 遊技機
JP6149331B2 (ja) 遊技機
JP5990732B2 (ja) 遊技機
JP6095179B2 (ja) 遊技機
JP6475785B2 (ja) 遊技機
JP6210094B2 (ja) 遊技機
JP6479072B2 (ja) 遊技機
JP6581913B2 (ja) 遊技機
JP2018161285A (ja) 遊技機
JP6131417B2 (ja) 遊技機
JP6383931B2 (ja) 遊技機
JP2016131762A (ja) 遊技機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180724

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180727

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180904

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190226