以下、本発明に係る机システムの各種実施形態及び各種変形例について説明する。
「第一実施形態」
本発明に係る机システムの第一実施形態について、図1〜図4を用いて説明する。
本実施形態の机システムは、図1に示すように、天板11を有する机本体10と、机本体10を構成する複数の部品のうちいずれかの部品を他の部品に対して相対移動させる駆動機構21と、利用者Uに関する利用者情報を取得する情報取得器31と、駆動機構21の動作内容を手動操作で指示する操作端35と、駆動機構21を動作させる制御器100と、利用者Uに駆動機構21が動作する旨を知らせるスピーカ(駆動通知器)39を備えている。
机本体10は、前述の天板11と、天板11を受ける天板受け梁12と、天板11及び天板受け梁12を支える脚15と、を有する。本実施形態の机本体10は、天板11として、利用者Uが作業を行う作業天板11aと、専ら物が置かれる載置天板11bと、を有する。作業天板11aは、載置天板11bに対して前側に配置されている。天板受け梁12としては、作業天板11aを受ける作業天板受け梁12aと、載置天板11bを受ける載置天板受け梁12bと、を有する。作業天板11aは、図4(A)に示すように、その前端部を基準にしてその後端部が回動可能に作業天板受け梁12aに取り付けられている。言い換えると、作業天板11aは、その上面が水平な水平状態と、前端部を基準にして後端部が高くなっている傾斜状態とに変位可能に、作業天板受け梁12aに取り付けられている。一方、載置天板11bは、その上面が水平な状態で載置天板受け梁12bに固定されている。脚15は、設置床面に置かれる支柱台16と、支柱台16に固定され鉛直上方に延びる固定支柱17と、固定支柱17に対して上下方向に移動可能な移動支柱18と、を有する。作業天板受け梁12aは、その後端部が移動支柱18に固定され、載置天板受け梁12bは、その前端部が移動支柱18に固定されている。
駆動機構21は、固定支柱17に対して移動支柱18を上下動させることで、天板11を昇降させる昇降機構21aと、作業天板11aを作業天板受け梁12aに対して傾ける傾斜機構21bと、を有する。昇降機構21a及び傾斜機構21bは、いずれも、天板11を変位させるための駆動源としてのアクチュエータを有する。
情報取得器31は、利用者Uの各部の位置を検知する赤外線センサ31aと、利用者Uを撮像するカメラ31bと、を有する。赤外線センサ31a及びカメラ31bは、いずれも、センサ支持台32により、載置天板11bの前側の部分に固定されている。
操作端35は、昇降機構21aの動作内容を指示する昇降操作端35aと、傾斜機構21bの動作内容を指示する傾斜操作端35bと、を有する。昇降操作端35aは、昇降機構21aの動作量、つまり天板11の昇降量を指示できる。傾斜操作端35bは、傾斜機構21bの動作量、つまり作業天板11aの傾き量を指示できる。
制御器100は、図2に示すように、各種データが格納されている記憶部110と、カメラ31bを含む情報取得器31からのデータを解析して、利用者Uの存在の有無及び利用者Uの姿勢等を認識する画像解析部130と、画像解析部130での解析結果及び記憶部110に記憶されている各種データを用いて駆動機構21の動作内容を定める動作内容設定部140と、動作内容設定部140が定めた動作内容に従って駆動機構21に制御信号を出力する駆動指示部150と、を有する。
この制御器100は、コンピュータである。このため、記憶部110は、メモリ等の主記憶装置や、ハードディスクドライブ等の補助記憶装置で構成されている。また、画像解析部130、動作内容設定部140、及び駆動指示部150は、各種プログラム等の記憶されているメモリ等の記憶装置と、このプログラムを実行するCPUとを有して構成されている。
情報取得器31のカメラ31bは、情報取得器31の赤外線センサ31aにより机本体10の前に利用者Uの存在が認識されると駆動開始する。赤外線センサ31aは、この利用者Uの各部の位置、具体的には、頭部の高さ及び頭部までの水平距離等を検知する。画像解析部130は、この赤外線センサ31aにより取得されたデータ及びカメラ31bにより撮像された撮像データに基づいて、利用者Uの姿勢等を認識する。カメラ31b及び赤外線センサ31aは、上下に昇降する載置天板11b上に設けられている。このため、載置天板11bの昇降に伴なってカメラ31b及び赤外線センサ31aも昇降し、カメラ31bの撮像範囲や赤外線センサ31aのセンシング範囲が変化する。そこで、画像解析部130は、現状の載置天板11bの位置を参照して、カメラ31b及び赤外線センサ31aからのデータを床を基準にしたデータに置換した後、これらのデータを解析する。画像解析部130が認識する利用者Uの姿勢としては、例えば、利用者Uが立っている立位姿勢(図3(A)参照)、利用者Uが椅子に座っている椅子座り姿勢(図3(B)参照)、利用者Uが床の上に座っている床座り姿勢(図3(C)参照)、利用者Uの上半身が前に傾いている前かがみ姿勢(図4(A)参照)、利用者Uの瞼が閉じている瞼閉じ姿勢、利用者Uの頭が前に垂れ下がっている頭垂れ下がり姿勢(図4(B)参照)等がある。
記憶部110には、机本体10のホーム形態を示すデータが記憶されているホーム形態テーブル111と、画像解析部130の解析で得られる利用者Uの各種姿勢に応じた机本体10がとる形態が姿勢−形態関係として記憶されている姿勢−形態テーブル112と、が格納されている。
ホーム形態テーブル111には、机本体10のホーム形態を示すデータとして、床面からの作業天板11a又は載置天板11bの上面までの高さ寸法、及び作業天板11aの傾き量が記憶されている。ホーム形態における床からの作業天板11a又は載置天板11bの上面までの高さ寸法としては、例えば、70cmである。また、ホーム形態における作業天板11aの傾き量は、例えば、0°である。なお、ここでは、ホーム形態テーブル111には、床面からの作業天板11a又は載置天板11bの上面までの高さ寸法、及び作業天板11aの傾き量を記憶されているが、これらの替りに、昇降機構21aの駆動量や、傾斜機構21bの駆動量を記憶されていてもよい。
姿勢−形態テーブル112には、画像解析部130の解析で得られる利用者Uの各種姿勢が記憶されている姿勢欄112aと、姿勢毎の机本体10の形態が記憶されている形態欄112bとが設けられている。姿勢欄112aには、前述した、立位姿勢、椅子座り姿勢、床座り姿勢、前かがみ姿勢、瞼閉じ姿勢、頭垂れ下がり姿勢等が記憶されている。形態欄112bには、各姿勢毎の机本体10の形態の他に、この形態をとるための条件も併せて記憶されている。机本体10の形態としては、作業天板11aの上下方向の位置が立位姿勢の利用者Uに使いやすい上位置形態、作業天板11aの上下方向の位置が椅子座り姿勢の利用者Uに使いやすい中位置形態、作業天板11aの上下方向の位置が床座り姿勢の利用者Uに使いやすい下位置形態、作業天板11aが例えば5°程度傾いている傾斜形態、作業天板11aが傾いていない水平形態等がある。中位置形態における作業天板11aの上下方向の位置は、下位置形態における作業天板11aの上下方向の位置よりも高い。また、上位置形態における作業天板11aの上下方向の位置は、中位置形態における作業天板11aの上下方向の位置よりも高い。条件としては、該当姿勢が維持されている時間や、該当姿勢が予め定められた時間中に繰り返される回数等がある。
例えば、この姿勢−形態テーブル112の立位姿勢に対応する形態欄112bには、机本体10がとる形態として上位置形態が記憶され、その条件として立位姿勢が5秒以上継続し且つその継続時間が60分未満であるという条件が記憶されている。さらに、立位姿勢に対応する形態欄112bには、机本体10がとる形態として中位置形態が記憶され、その条件として立位姿勢が60分以上継続し且つその継続時間が65分未満であるという条件が記憶されている。すなわち、画像解析部130の解析で得られる利用者Uの姿勢が立位姿勢の場合、その姿勢が5秒以上継続していれば、机本体10がとる形態として上位置形態が提示される。さらに、立位姿勢が60分以上継続すれば、机本体10がとる形態として中位置形態が提示される。なお、立位姿勢が65分以上継続した場合、後述するように、その姿勢の維持時間を計測するタイマー142が0にリセットされる関係で、ここには、机本体10がとる形態の条件として、65分以上の条件は記憶されていない。
また、例えば、この姿勢−形態テーブル112の椅子座り姿勢に対応する形態欄112bには、机本体10がとる形態として中位置形態が記憶され、その条件として椅子座り姿勢が5秒以上継続し且つその継続時間が60分未満であるという条件が記憶されている。さらに、椅子座り姿勢に対応する形態欄112bには、机本体10がとる形態として上位置形態が記憶され、その条件として椅子座り姿勢が60分以上継続し且つその継続時間が65分未満であるという条件が記憶されている。すなわち、画像解析部130の解析で得られる利用者Uの姿勢が椅子座り姿勢の場合、その姿勢が5秒以上継続していれば、机本体10がとる形態として中位置形態が提示される。さらに、椅子座り姿勢が60分以上継続すれば、机本体10がとる形態として上位置形態が提示される。
この姿勢−形態テーブル112の前かがみ姿勢に対応する形態欄112bには、机本体10がとる形態として傾斜形態が記憶され、その条件として前かがみ姿勢が3分以上継続し且つその継続時間が60分未満であるという条件が記憶されている。さらに、前かがみ姿勢に対応する形態欄112bには、机本体10がとる形態として水平形態が記憶され、その条件として前かがみ姿勢が60分以上継続し且つその継続時間が65分未満であるという条件が記憶されている。すなわち、画像解析部130の解析で得られる利用者Uの姿勢が前かがみ姿勢の場合、その姿勢が3分以上継続していれば、机本体10がとる形態として傾斜形態が提示される。さらに、前かがみ姿勢が60分以上継続すれば、机本体10がとる形態として水平形態が提示される。
また、例えば、この姿勢−形態テーブル112の瞼閉じ姿勢に対応する形態欄112bには、机本体10がとる形態として上位置形態が記憶され、その条件として瞼閉じ姿勢が30秒以上継続するか、一定時間内に瞼閉じ姿勢が10回以上繰り返されるという条件が記憶されている。すなわち、画像解析部130の解析で得られる利用者Uの姿勢が瞼閉じ姿勢の場合、その姿勢が30秒以上継続するか、その姿勢が一定時間内に10回以上繰り返されれば、机本体10がとる形態として上位置形態が提示される。
動作内容設定部140は、画像解析部130の解析で得られた現在の利用者Uの姿勢を示す姿勢データが記憶される現姿勢記憶部141と、現姿勢記憶部141に姿勢データが記憶されると、この姿勢データが記憶されている時間を計測するタイマー142と、現姿勢記憶部141に特定の姿勢データが記憶される毎のその数をカウントするカウンター143と、を有する。現姿勢記憶部141には、利用者Uの各種姿勢のうちで同時に成立し得る複数の姿勢の姿勢データを記憶することができる。例えば、利用者Uの各種姿勢のうちで、椅子座り姿勢と前かがみ姿勢と瞼閉じ姿勢とは、同時に成立し得る。このため、現姿勢記憶部141には、これらの姿勢毎の姿勢データを記憶することができる。動作内容設定部140は、記憶部110に記憶されている各種データを用いて情報取得器31が取得した利用者情報が示す内容に応じた机本体10の形態を決定する。そして、この動作内容設定部140は、決定した形態を実現するための駆動機構21の動作内容を定め、この動作内容を駆動指示部150に出力する。
駆動指示部150には、動作内容設定部140が定めた駆動機構21の動作内容、及び操作端35からの駆動機構21の動作内容が入力する。駆動指示部150は、入力した動作内容に応じ制御信号を作成し、この制御信号を駆動機構21に出力する。駆動指示部150は、動作内容設定部140及び操作端35からの動作内容が重複入力した場合、操作端35から入力した動作内容を優先し、この動作内容に応じた制御信号を作成して、この制御信号を駆動機構21に出力する。駆動指示部150は、さらに、駆動機構21に制御信号を出力する前に、この制御信号が示す動作内容を示す音声データを作成し、この音声データをスピーカ39に出力する。
次に、以上で説明した机システムの動作について説明する。
机本体10の前に利用者Uが存在していない状態では、机本体10はホーム形態になっている。具体的に、例えば、ホーム形態テーブル111に、机本体10のホーム形態を示すデータとして、床面からの作業天板11a又は載置天板11bの上面までの高さ寸法として70cm、作業天板11aの傾き量として0°が記憶されている場合、机本体10はこの記憶内容に応じた形態になっている。
情報取得器31の赤外線センサ31aが利用者Uの存在を認識すると、カメラ31bが駆動を開始する。画像解析部130は、赤外線センサ31aで検知された利用者Uの各部の位置データ、及びカメラ31bにより撮像された撮像データに基づいて、利用者Uの姿勢を認識し、この姿勢を示す姿勢データ(外観情報)を動作内容設定部140に出力する。さらに、画像解析部130は、利用者Uの各部の位置、特に、利用者Uの頭の上下方向の位置データ(外観情報)も、動作内容設定部140に出力する。動作内容設定部140は、現姿勢記憶部141に姿勢データを記憶し、タイマー142による計測を開始する。動作内容設定部140は、画像解析部130から同一の姿勢データが出力されている限り、現姿勢記憶部141に同一の姿勢データを記憶し続ける。タイマー142は、現姿勢記憶部141に姿勢データが記憶されると、この姿勢データが記憶され始めてからの時間を計測する。
仮に、図3(A)に示すように、利用者Uが立位姿勢を継続して保持したとする。画像解析部130は、情報取得器31からのデータを解析して、利用者Uの姿勢が立位姿勢であると認識し、立位姿勢を示す姿勢データを動作内容設定部140に出力する。動作内容設定部140は、画像解析部130から立位姿勢を示す姿勢データが入力すると、この姿勢データを現姿勢記憶部141に記憶すると共に、タイマー142による計測を開始する。さらに、動作内容設定部140は、姿勢−形態テーブル112を参照して、立位姿勢に対する机本体10の形態、及びこの形態をとるための条件を取得する。具体的に、動作内容設定部140は、姿勢−形態テーブル112を参照して、立位姿勢に対する机本体10の形態として、上位置形態、及びその条件として立位姿勢が5秒以上継続し且つその継続時間が60分未満であるという条件を取得する。さらに、動作内容設定部140は、立位姿勢に対する机本体10の形態として、中位置形態、及びその条件として立位姿勢が60分以上継続し且つその継続時間が65分未満であるという条件を取得する。
動作内容設定部140は、現姿勢記憶部141に記憶されている姿勢データが立位姿勢を示しており、且つタイマー142が5秒経過を示すと、先に取得した上位置形態に関する条件を満たしたと判断し、机本体10の形態を上位置形態に決定する。動作内容設定部140は、先に画像解析部130から送られてきた利用者Uの頭の位置データを用いて、上位置形態として最適な作業天板11aの上下方向の位置を求める。動作内容設定部140は、頭の位置データが床からAcmであることを示すと、例えば、このAcmに0.6を掛けて、上位置形態として最適な作業天板11aの上下方向の位置を、床から(0.6×A)cmの位置とする。動作内容設定部140は、この作業天板11aの上下方向の位置を実現するための昇降機構21aの駆動量を求め、この駆動量を動作内容として、駆動指示部150に出力する。
駆動指示部150は、昇降機構21aの駆動量が入力すると、作業天板11aが上昇する旨の音声データを作成し、この音声データをスピーカ39に出力する。駆動指示部150は、その後、昇降機構21aに対して、駆動量に対応する制御信号を出力する。この結果、スピーカ39から「作業天板が上昇する」旨が出力された後、昇降機構21aが駆動して、作業天板11aが上昇して、所定の位置で停止する。具体的に、ホーム形態における作業天板11aの位置が床から70cmの位置であり、利用者Uの頭の位置が床からA=170cmの位置である場合、上位置形態における作業天板11aの位置は、床から102(=170×0.6)cmになる。すなわち、作業天板11aは、図3(A)に示すように、ホーム形態の位置から立位姿勢の利用者Uにとって使い易い位置に変位する。言い換えると、机本体10は、ホーム形態から立位姿勢の利用者Uにとって利用し易い上位置形態に変形する。
利用者Uがその後も立位姿勢を維持し、現姿勢記憶部141に立位姿勢を示す姿勢データが記憶されてから60分経過すると、動作内容設定部140は、先に取得した中位置形態に関する条件を満たしたと判断し、机本体10の形態を中位置形態に決定する。動作内容設定部140は、先に画像解析部130から送られてきた利用者Uの頭の位置データを用いて、中位置形態として最適な作業天板11aの上下方向の位置を求める。動作内容設定部140は、頭の位置データが床からAcmであることを示すと、例えば、このAcmに0.4を掛けて、中位置形態として最適な作業天板11aの上下方向の位置を、床から(0.4×A)cmの位置とする。動作内容設定部140は、この作業天板11aの上下方向の位置を実現するための昇降機構21aの駆動量を求め、この駆動量を動作内容として、駆動指示部150に出力する。
駆動指示部150は、昇降機構21aの駆動量が入力されると、作業天板11aが下降する旨の音声データを作成し、この音声データをスピーカ39に出力する。駆動指示部150は、その後、昇降機構21aに対して、駆動量に対応する制御信号を出力する。この結果、スピーカ39から「作業天板が下降する」旨が出力された後、昇降機構21aが駆動して、作業天板11aが下降して、所定の位置で停止する。具体的に、上位置形態における作業天板11aの位置が床から102cmの位置であり、立位姿勢の利用者Uの頭の位置が床からA=170cmの位置である場合、中位置形態における作業天板11aの位置は、床から68(=170×0.4)cmになる。すなわち、作業天板11aは、図1及び図3(B)に示すように、上位置形態の位置から利用者Uが椅子座り姿勢をとった場合に使い易い位置に変位する。言い換えると、机本体10は、上位置形態から利用者Uが椅子座り姿勢をとった場合に使い易い中位置形態に変形する。
利用者Uは、スピーカ39からの出力と机本体10の変形とにより、長時間にわたって立位姿勢を維持したことを認識する。
仮に、利用者Uは、スピーカ39から「作業天板が下降する」旨が出力され、机本体10が中位置形態に変形した後も、立位姿勢を継続し、現姿勢記憶部141に立位姿勢を示す姿勢データが記憶されてから65分経過したとする。制御器100の動作内容設定部140は、65分経過した時点でタイマー142を0にリセットし、この時刻から5秒経過すると、上位置形態に関する条件を満たしたと判断し、机本体10の形態を上位置形態に決定する。以降、制御器100は、先に説明した上位置形態に決定した場合と同様に動作する。この結果、机本体10は、中位置形態から上位置形態に変形する。
また、仮に、利用者Uは、スピーカ39から「作業天板が下降する」旨が出力され、机本体10が中位置形態に変形した後、この中位置形態に合わせて椅子に座る椅子座り姿勢をとったとする。
情報取得器31の赤外線センサ31aは、椅子座り姿勢の利用者Uの各部の位置データを取得し、カメラ31bは、この利用者Uを撮像する。画像解析部130は、赤外線センサ31aで検知された利用者Uの各部の位置データ、及びカメラ31bにより撮像された撮像データに基づいて、利用者Uの姿勢を椅子座り姿勢と認識し、この椅子座り姿勢を示す姿勢データを動作内容設定部140に出力する。動作内容設定部140は、現姿勢記憶部141に姿勢データを記憶し、タイマー142による計測を開始する。
さらに、動作内容設定部140は、姿勢−形態テーブル112を参照して、椅子座り姿勢に対する机本体10の形態、及びこの形態をとるための条件を取得する。具体的に、動作内容設定部140は、姿勢−形態テーブル112を参照して、椅子座り姿勢に対する机本体10の形態として、中位置形態、及びその条件として椅子座り姿勢が5秒以上継続し且つその継続時間が60分未満であるという条件を取得する。さらに、動作内容設定部140は、椅子座り姿勢に対する机本体10の形態として、上位置形態、及びその条件として椅子座り姿勢が60分以上継続し且つその継続時間が65分未満であるという条件を取得する。
動作内容設定部140は、現姿勢記憶部141に記憶されている姿勢データが椅子座り姿勢を示しており、且つタイマー142が5秒経過を示すと、先に取得した中位置形態に関する条件を満たしたと判断し、机本体10の形態を中位置形態に決定する。動作内容設定部140は、机本体10の形態が既に中位置形態になっているため、駆動指示部150に対して何ら指示しない。このため、机本体10は、中位置形態が維持される。
利用者Uがその後も椅子座り姿勢を維持し、現姿勢記憶部141に椅子座り姿勢を示す姿勢データが記憶されてから60分経過すると、動作内容設定部140は、先に取得した上位置形態に関する条件を満たしたと判断し、机本体10の形態を上位置形態に決定する。
以降、制御器100は、先に説明した上位置形態に決定した場合と同様に動作する。
前述したように、机本体10の前に利用者Uが存在していない状態が続き、机本体10がホーム形態になっているときに、情報取得器31の赤外線センサ31aが利用者Uの存在を認識すると、カメラ31bが駆動を開始する。このとき、画像解析部130は、赤外線センサ31aで検知された利用者Uの各部の位置データ、及びカメラ31bにより撮像された撮像データに基づいて、利用者Uの姿勢を椅子座り姿勢又は床座り姿勢と認識したとする。
画像解析部130は、この姿勢を示す姿勢データを動作内容設定部140に出力すると共に、椅子座り姿勢又は床座り姿勢の利用者Uの各部の位置データも、動作内容設定部140に出力する。動作内容設定部140は、現姿勢記憶部141に姿勢データを記憶し、タイマー142による計測を開始する。
さらに、動作内容設定部140は、姿勢−形態テーブル112を参照して、椅子座り姿勢又は床座り姿勢に対する机本体10の形態、及びこの形態をとるための条件を取得する。具体的に、現姿勢記憶部141に記憶されている姿勢データが椅子座り姿勢を示す場合、動作内容設定部140は、姿勢−形態テーブル112を参照して、椅子座り姿勢に対する机本体10の形態として、中位置形態、及びその条件として椅子座り姿勢が5秒以上継続し且つその継続時間が60分未満であるという条件を取得する。さらに、動作内容設定部140は、椅子座り姿勢に対する机本体10の形態として、上位置形態、及びその条件として椅子座り姿勢が60分以上継続し且つその継続時間が60分未満であるという条件を取得する。また、現姿勢記憶部141に記憶されている姿勢データが床座り姿勢を示す場合、動作内容設定部140は、姿勢−形態テーブル112を参照して、床座り姿勢に対する机本体10の形態として、下位置形態、及びその条件として床座り姿勢が5秒以上継続し且つその継続時間が60分未満であるという条件を取得する。さらに、動作内容設定部140は、床座り姿勢に対する机本体10の形態として、上位置形態、及びその条件として床座り姿勢が60分以上継続し且つその継続時間が60分未満であるという条件を取得する。
動作内容設定部140は、現姿勢記憶部141に記憶されている姿勢データが椅子座り姿勢又は床座り姿勢を示しており、且つタイマー142が5秒経過を示すと、先に取得した中位置形態又は下位置形態に関する条件を満たしたと判断し、机本体10の形態を中位置形態又は下位置形態に決定する。動作内容設定部140は、先に画像解析部130から送られてきた利用者Uの頭の位置データを用いて、中位置形態又は下位置形態として最適な作業天板11aの上下方向の位置を求める。動作内容設定部140は、この作業天板11aの上下方向の位置を実現するための昇降機構21aの駆動量を求め、この駆動量を動作内容として、駆動指示部150に出力する。
駆動指示部150は、昇降機構21aの駆動量が入力すると、作業天板11aが上昇又は下降する旨の音声データを作成し、この音声データをスピーカ39に出力する。駆動指示部150は、その後、昇降機構21aに対して、駆動量に対応する制御信号を出力する。この結果、スピーカ39から「作業天板が上昇する」旨、又は「作業天板が下降する」旨が出力された後、昇降機構21aが駆動して、作業天板11aが上昇又は下降して、所定の位置で停止する。すなわち、机本体10は、ホーム形態から、利用者Uが椅子座り姿勢をとった場合に使い易い中位置形態、又は、利用者Uが床座り姿勢をとった場合に使い易い下位置形態に変形する。
利用者Uがその後も椅子座り姿勢又は床座り姿勢を維持し、現姿勢記憶部141に椅子座り姿勢又は床座り姿勢を示す姿勢データが記憶されてから60分経過すると、動作内容設定部140は、先に取得した上位置形態に関する条件を満たしたと判断し、机本体10の形態を上位置形態に決定する。以降、制御器100は、先に説明した上位置形態に決定した場合と同様に動作する。この結果、机本体10は、中位置形態又は下位置形態から上位置形態に変形する。
利用者Uが、立位姿勢、椅子座り姿勢、床座り姿勢のいずれかの姿勢をとっているときに、図4(A)に示すように、作業天板11aを覗き込むように、上半身が前に傾いている前かがみ姿勢をとったとする。画像解析部130は、赤外線センサ31aで検知された利用者Uの各部の位置データ、及びカメラ31bにより撮像された撮像データに基づいて、利用者Uの姿勢が前かがみ姿勢であると認識する。
画像解析部130は、この前かがみ姿勢を示す姿勢データを動作内容設定部140に出力する。動作内容設定部140は、この姿勢データを現姿勢記憶部141に記憶し、タイマー142による計測を開始する。なお、動作内容設定部140は、既に現姿勢記憶部141に記憶されている床座り姿勢等の姿勢データを消去せずに残しておき、この床座り姿勢に関するタイマー142による計測も継続して実行する。さらに、動作内容設定部140は、姿勢−形態テーブル112を参照して、前かがみ姿勢に対する机本体10の形態、及びこの形態をとるための条件を取得する。具体的に、動作内容設定部140は、姿勢−形態テーブル112を参照して、前かがみ姿勢に対する机本体10の形態として、傾斜形態、及びその条件として前かがみ姿勢が3分秒以上継続し且つその継続時間が60分未満であるという条件を取得する。さらに、動作内容設定部140は、前かがみ姿勢に対する机本体10の形態として、水平形態、及びその条件として前かがみ姿勢が60分以上継続し且つその継続時間が65分未満であるという条件を取得する。
動作内容設定部140は、現姿勢記憶部141に記憶されている姿勢データが前かがみ姿勢を示しており、且つタイマー142が3分経過を示すと、先に取得した傾斜形態に関する条件を満たしたと判断し、机本体10の形態を傾斜形態に決定する。動作内容設定部140は、この傾斜形態を実現するための傾斜機構21bの予め定められた駆動量を記憶部110から取得し、この駆動量を動作内容として、駆動指示部150に出力する。
駆動指示部150は、傾斜機構21bの駆動量が入力すると、作業天板11aが傾斜する旨の音声データを作成し、この音声データをスピーカ39に出力する。駆動指示部150は、その後、傾斜機構21bに対して、駆動量に対応する制御信号を出力する。この結果、スピーカ39から「作業天板が傾斜する」旨が出力された後、傾斜機構21bが駆動して、作業天板11aが傾斜する。すなわち、机本体10は、作業天板11aが水平な水平形態から前かがみ姿勢の利用者Uにとって利用し易い傾斜形態に変形する。
仮に、机本体10の形態が傾斜形態になった後、利用者Uが前に屈まない姿勢(頭を上げた姿勢)を所定時間継続すると、動作内容設定部140は、現姿勢記憶部141に記憶されている前かがみ姿勢を示す姿勢データを消去した後、机本体10の形態を水平位置形態に決定する。動作内容設定部140は、この水平形態を実現するための傾斜機構21bの予め定められた駆動量を記憶部110から取得し、この駆動量を動作内容として、駆動指示部150に出力する。
駆動指示部150は、傾斜機構21bの駆動量が入力すると、作業天板11aが水平に戻る旨の音声データを作成し、この音声データをスピーカ39に出力する。駆動指示部150は、その後、傾斜機構21bに対して、駆動量に対応する制御信号を出力する。この結果、スピーカ39から「作業天板が水平に戻る」旨が出力された後、傾斜機構21bが駆動して、作業天板11aが水平になる。
仮に、机本体10の形態が傾斜形態になった後も、利用者Uが前かがみ姿勢を維持し、現姿勢記憶部141に前かがみ姿勢を示す姿勢データが記憶されてから60分経過すると、動作内容設定部140は、先に取得した水平置形態に関する条件を満たしたと判断し、机本体10の形態を水平位置形態に決定する。動作内容設定部140は、この水平形態を実現するための傾斜機構21bの予め定められた駆動量を記憶部110から取得し、この駆動量を動作内容として、駆動指示部150に出力する。
駆動指示部150は、傾斜機構21bの駆動量が入力すると、作業天板11aが水平に戻る旨の音声データを作成し、この音声データをスピーカ39に出力する。駆動指示部150は、その後、傾斜機構21bに対して、駆動量に対応する制御信号を出力する。この結果、スピーカ39から「作業天板が水平に戻る」旨が出力された後、傾斜機構21bが駆動して、作業天板11aが水平になる。
利用者Uは、スピーカ39からの出力と机本体10の変形とにより、長時間にわたって前かがみ姿勢を維持したことを認識する。
仮に、利用者Uは、スピーカ39から「作業天板が水平に戻る」旨が出力され、机本体10が水平形態に変形した後も、前かがみ姿勢を継続し、現姿勢記憶部141に前かがみ姿勢を示す姿勢データが記憶されてから65分経過したとする。制御器100の動作内容設定部140は、65分経過した時点でタイマー142を0にリセットし、この時刻から5秒経過すると、傾斜形態に関する条件を満たしたと判断し、机本体10の形態を傾斜形態に決定する。以降、制御器100は、先に説明した傾斜形態に決定した場合と同様に動作する。この結果、机本体10は、水平形態から傾斜形態に変形する。
また、仮に、利用者Uは、机本体10の形態が傾斜形態から水平形態になった後、利用者Uが前に屈まない姿勢(頭を上げた姿勢)をすると、動作内容設定部140は、現姿勢記憶部141に記憶されている前かがみ姿勢を示す姿勢データを消去する。
また、机本体10の形態が傾斜状態又は水平形態の際、机形態が上位置形態から中位置形態への変形条件、中位置形態や下位置形態から上位置形態へ変形条件を満たせば、これらの変形は行われる。
利用者Uが、立位姿勢、椅子座り姿勢、床座り姿勢のいずれかの姿勢をとっているときに、瞼を閉じている瞼閉じ姿勢をとったとする。画像解析部130は、赤外線センサ31aで検知された利用者Uの各部の位置データ、及びカメラ31bにより撮像された撮像データに基づいて、利用者Uの姿勢が瞼閉じ姿勢であると認識する。
画像解析部130は、この瞼閉じ姿勢を示す姿勢データを動作内容設定部140に出力する。動作内容設定部140は、この姿勢データを現姿勢記憶部141に記憶し、タイマー142及びカウンター143による計測を開始する。なお、動作内容設定部140は、既に現姿勢記憶部141に記憶されている床座り姿勢等の姿勢データを消去せずに残しておき、この床座り姿勢に関するタイマー142による計測も継続して実行する。さらに、動作内容設定部140は、姿勢−形態テーブル112を参照して、瞼閉じ姿勢に対する机本体10の形態、及びこの形態をとるための条件を取得する。具体的に、動作内容設定部140は、姿勢−形態テーブル112を参照して、瞼閉じ姿勢に対する机本体10の形態として、上位置形態、及びその条件として瞼閉じ姿勢が30秒以上継続するか、瞼閉じ姿勢が所定時間中に10回以上繰り返されるという条件を取得する。
動作内容設定部140は、現姿勢記憶部141に記憶されている姿勢データが瞼閉じ姿勢を示しており、且つタイマー142が30秒経過を示すと、先に取得した上位置形態に関する条件を満たしたと判断し、机本体10の形態を上位置形態に決定する。また、動作内容設定部140は、カウンター143により、現姿勢記憶部141に瞳閉じ姿勢を示す姿勢データが所定時間に10回以上記憶されたことが計測されると、先に取得した上位置形態に関する条件を満たしたと判断し、机本体10の形態を上位置形態に決定する。以降、制御器100は、先に説明した上位置形態に決定した場合と同様に動作する。この結果、机本体10は、中位置形態又は下位置形態であったならば、これらの形態から上位置形態に変形する。
利用者Uが、立位姿勢、椅子座り姿勢、床座り姿勢のいずれかの姿勢をとっているときに、図4(B)に示すように、頭が前側に垂れ下がっている頭垂れ下がり姿勢をとったとする。画像解析部130は、赤外線センサ31aで検知された利用者Uの各部の位置データ、及びカメラ31bにより撮像された撮像データに基づいて、利用者Uの姿勢が頭垂れ下がり姿勢であると認識する。
画像解析部130は、この姿勢を示す姿勢データを動作内容設定部140に出力する。動作内容設定部140は、この姿勢データを現姿勢記憶部141に記憶し、タイマー142及びカウンター143による計測を開始する。なお、動作内容設定部140は、既に現姿勢記憶部141に記憶されている床座り姿勢等の姿勢データを消去せずに残しておき、この床座り姿勢に関するタイマー142による計測も継続して実行する。さらに、動作内容設定部140は、姿勢−形態テーブル112を参照して、頭垂れ下がり姿勢に対する机本体10の形態、及びこの形態をとるための条件を取得する。具体的に、動作内容設定部140は、姿勢−形態テーブル112を参照して、頭垂れ下がり姿勢に対する机本体10の形態として、上位置形態、及びその条件として頭垂れ下がり姿勢が3分以上継続するか、頭垂れ下がり姿勢が所定時間中に5回以上繰り返されるという条件を取得する。
動作内容設定部140は、現姿勢記憶部141に記憶されている姿勢データが頭垂れ下がり姿勢を示しており、且つタイマー142が3分経過を示すと、先に取得した上位置形態に関する条件を満たしたと判断し、机本体10の形態を上位置形態に決定する。また、動作内容設定部140は、カウンター143により、現姿勢記憶部141に頭垂れ下がり姿勢を示す姿勢データが所定時間に5回以上記憶されたことが計測されると、先に取得した上位置形態に関する条件を満たしたと判断し、机本体10の形態を上位置形態に決定する。以降、制御器100は、先に説明した上位置形態に決定した場合と同様に動作する。この結果、机本体10は、中位置形態又は下位置形態であったならば、これらの形態から上位置形態に変形する。
動作内容設定部140は、如何なるときでも、昇降操作端35aや傾斜操作端35bが利用者Uにより操作されて、これら昇降操作端35a又は傾斜操作端35bから昇降機構21aの動作量又は傾斜機構21bの動作量が指示されると、この指示を優先して、昇降機構21a又は傾斜機構21bに動作量に応じた制御信号を出力する。このため、例えば、動作内容設定部140が姿勢−形態テーブル112を参照して机本体10の形態を決定した直後に、昇降操作端35aから昇降機構21aの動作量が指示されると、先に決定した机本体10の形態に関わらず、この昇降操作端35aからの指示内容に応じた駆動量を示す制御信号を昇降機構21aに出力する。
以上のように、本実施形態では、利用者Uの体型(身長等)や姿勢に応じて、机本体10が自動的に変形する。このため、本実施形態では、机本体10を変形させるための利用者Uの手間が省かれ、利便性を高めることができる。しかも、本実施形態では、机本体10が利用者Uの体型や姿勢にあった形態に変形するため、姿勢維持のための利用者Uの負担を軽減することができる。
また、本実施形態では、利用者Uが一定の姿勢を長時間維持していると、机本体10の形態が変形し、利用者Uに対して長時間にわって一定の姿勢を維持していることを認識させるので、利用者Uの健康促進を図ることもできる。さらに、利用者Uが瞼閉じ姿勢や頭垂れ下がり姿勢をとり、利用者Uが眠気を催している際には、机本体10の形態が変わるため、利用者Uの活性を図ることができる。
「第二実施形態」
本発明に係る机システムの第二実施形態について、図5〜図14を用いて説明する。
本実施形態の机システムは、図5に示すように、第一実施形態の机システムと同様、机本体10、駆動機構21、情報取得器31、操作端35、制御器100a、スピーカ(駆動通知器)39を備えている。さらに、本実施形態の机システムは、各情報を管理する情報管理装置200を備えている。
本実施形態の机本体10、駆動機構21、情報取得器31、操作端35、スピーカ39は、いずれも、第一実施形態のものと同一である。一方、本実施形態の制御器100aは、その機能構成が第一実施形態の制御器100と異なっている。
本実施形態の制御器100aは、図6に示すように、情報取得器31を構成する赤外線センサ31a及びカメラ31bからのデータを解析する画像解析部130と、駆動機構21を構成する昇降機構21a及び傾斜機構21bに制御信号を出力すると共にスピーカ39に音声データを出力する駆動指示部150と、利用者Uが所有している携帯電話等の個人情報発信機と通信する近距離通信部170と、情報管理装置200と通信ネットワークを介して通信するネットワーク通信部160と、を有する。
本実施形態の画像解析部130は、第一実施形態の画像解析部130と基本的に同じである。また、本実施形態の駆動指示部150も、第一実施形態の駆動指示部150と基本的に同じである。
近距離通信部170は、利用者Uが所有している携帯電話等の個人情報発信機300と通信することで、利用者U個人を識別する利用者識別子(以下、利用者IDとする)の情報を取得すると共に、個人情報発信機300が利用者Uの現在の心拍数等の生体情報を保持している場合には、この生体情報も取得する。また、個人情報発信機300が利用者Uの現時点までの歩数等の運動量情報を保持している場合には、この運動量情報も取得する。よって、本実施形態において、利用者情報を取得する情報取得器は、先に説明した赤外線センサ31a及びカメラ31bの他、この近距離通信部170を有している。
個人情報発信機300が携帯電話である場合には、近距離通信部170は、例えば、この携帯電話との間でIrDA(Infrared Data Association)で規格されている赤外線通信、又は、Bluetooth(登録商標)で規格されている無線通信等の近距離通信を行う。この際、赤外線センサ31aが利用者Uの存在を認識すると、近距離通信部170は、利用者Uの携帯電話に対して接続要求を送信する。近距離通信部170は、接続要求の送信に対して携帯電話から接続許可を受けた後、この携帯電話との通信を開始する。また、個人情報発信機300がRFID(Radio Frequency IDentifier)に代表されるようなICタグを用いた非接触通信機である場合には、近距離通信部170は、この非接触通信機が利用者Uによって近距離通信部170のそばに置かれることで、この非接触通信機との間で通信する。また、個人情報発信機300が磁気カード等の接触通信機である場合には、近距離通信部170は、この接触通信機が利用者Uによって近距離通信部170の読み取り部に接触させられることで、この接触通信機との間で通信する。
情報管理装置200は、各種データが格納されている記憶部210と、通信ネットワークを介して制御器100aと通信するネットワーク通信部260と、制御器100aから送られてきた各種データと記憶部210に格納されている各種データとを用いて駆動機構21の動作内容を定める動作内容設定部240と、を有する。
情報管理装置200は、制御器100aにとってのサーバとしての役目を担うコンピュータである。このため、記憶部210は、メモリ等の主記憶装置や、ハードディスクドライブ等の補助記憶装置で構成されている。また、動作内容設定部240は、各種プログラム等の記憶されているメモリ等の記憶装置と、このプログラムを実行するCPUとを有して構成されている。
記憶部210には、ホーム形態テーブル211、机利用実績テーブル213、姿勢−形態テーブル212、心拍数−形態テーブル214、歩数−形態テーブル215、予定内容−形態テーブル216、個人情報ファイル221が格納されている。個人情報ファイル221には、複数の利用者Uの利用者ID毎に当該利用者U個人の情報がテーブル形式で格納されている。この個人情報ファイル221には、在籍実績テーブル223、スケジュールテーブル224、身体情報テーブル225、優先順位テーブル226が格納されている。これらのテーブルのうち、ホーム形態テーブル211及び姿勢−形態テーブル212は、第一実施形態で説明した対応テーブルと同じである。
机利用実績テーブル213には、図7に示すように、机本体10毎の予め定められている机識別子(以下、机IDとする)が記憶されている机ID欄213aと、机IDが示す机本体10の過去の日時における利用の有無が記憶される利用実績欄213bと、が設けられている。
心拍数−形態テーブル214には、図8に示すように、心拍数の範囲が記憶されている心拍数範囲欄214aと、心拍数範囲毎の机本体10の形態が記憶されている形態欄214bとが設けられている。心拍数範囲欄214aには、正常範囲と、異常範囲とが記憶されている。形態欄214bには、正常範囲に対して現状維持が記憶され、異常範囲に対して中位置形態が記憶されている。
歩数−形態テーブル215には、図9に示すように、利用者Uの歩数範囲が記憶されている歩数範囲欄215aと、歩数範囲毎の机本体10の形態が記憶されている形態欄215bとが設けられている。歩数範囲欄215aには、目的歩数以上と、目的歩数未満とが記憶されている。形態欄215bには、目的歩数以上に対して現状維持が記憶され、目的歩数未満に対して上位置形態が記憶されている。
予定内容−形態テーブル216には、図10に示すように、利用者Uのスケジュール中に設定され得る各種予定内容が記憶されている予定内容欄216aと、予定内容毎の机本体10の形態が記憶されている形態欄216bとが設けられている。予定内容欄216aには、会議、来客、外出、出張、その他が記憶されている。形態欄216bには、会議、来客、外出及び出張に対して上位置形態が記憶され、その他に対して現状維持が記憶されている。
個人情報ファイル221中の在籍実績テーブル223には、図11に示すように、利用者IDで特定される利用者Uに関する過去の日時における在籍の有無が記憶されている。
個人情報ファイル221中のスケジュールテーブル224には、図12に示すように、利用者IDで特定される利用者Uに関する各日時における予定内容が記憶されている。
個人情報ファイル221中の身体情報テーブル225には、図13に示すように、利用者IDで特定される利用者Uの身長225a及び座高225b、机本体10の形態が上位置形態のときの利用者Uに合った作業天板11aの上下方向の位置225c、机本体10の形態が中位置形態のときの利用者Uに合った作業天板11aの上下方向の位置225d、机本体10の形態が下位置形態のときの利用者Uに合った作業天板11aの上下方向の位置225e、が記憶されている。作業天板11aの上下方向の位置は、机本体10が置かれる床から作業天板11aの距離で示される。机本体10の形態が上位置形態のときの利用者Uに合った作業天板11aの上下方向の位置等は、利用者Uの身長及び座高がこの身体情報テーブル225に設定された後、動作内容設定部240により、この身長及び座高に好ましい作業天板11aの上下方向の位置が自動設定させる。なお、ここでは、作業天板11aの上下方向の位置を記憶するが、この替りに、昇降機構21aの駆動量を記憶してもよい。個人情報ファイル221中の身体情報テーブル225には、さらに、利用者IDで特定さる利用者Uの正常心拍数範囲225f、利用者IDで特定さる利用者Uの時間帯毎の目標歩数225gが記憶されている。
優先順位テーブル226には、図14に示すように、動作内容設定部240が机本体10の形態を決定するにあたって用いるテーブルの優先順位が記憶されている。図14に示す例では、予定内容−形態テーブル216で決まる形態を最優先し、以下、心拍数−形態テーブル214、歩数−形態テーブル215、姿勢−形態テーブル212で優先する旨が記憶されている。
個人情報ファイル221内の各データは、各利用者U自身の意思に応じて、利用者U自身又は情報管理装置200の管理者等により、情報管理装置200に記憶される。このため、利用者Uがその記憶を望まない場合には、例えば、利用者IDが記憶されないこともある。また、身体情報テーブル225に記憶され得るデータのうち、正常心拍数範囲や目標歩数が記憶されていこともある。また、優先順位テーブル226が個人情報ファイル221内に設けられない場合もある。このため、記憶部210には、個人情報ファイル221以外に箇所に、予め優先順位が定められている同様の優先順位テーブル(図示されていない)が設けられており、利用者U個人の優先順位テーブル226が設定されていない場合に対応できるようになっている。
本実施形態の動作内容設定部240は、第一実施形態の動作内容設定部140と同様に、現姿勢記憶部241と、タイマー242と、カウンター243とを有している。
次に、以上で説明した机システムの動作について説明する。ここでは、個人情報ファイル221中の全てのテーブルにデータが記憶されている利用者Uに対する机システムの動作について説明する。
机本体10の前に利用者Uが存在していない状態では、第一実施形態と同様に、机本体10はホーム形態になっている。
情報取得器31の赤外線センサ31aが利用者Uの存在を認識すると、カメラ31bが駆動を開始する。さらに、近距離通信部170は、この利用者Uが所有する個人情報発信機300との通信を開始する。なお、個人情報発信機300が、前述したように、ICタグ等を用いた非接触通信機である場合や磁気カード等の接触通信機である場合には、近距離通信部170は、これら通信機が利用者Uによって近距離通信部170の読み取り部に近づけられる、又は接触させられることで、これらの通信機との通信を開始する。また、ここでは、個人情報発信機300には、この個人情報発信機300を所有している利用者Uの利用者ID、この利用者Uの本日の実績歩数、この利用者Uの現在の心拍数が保持され、これらの情報が制御器100aの近距離通信部170に送信されるものとする。
制御器100aの画像解析部130は、第一実施形態と同様、赤外線センサ31aで検知された利用者Uの各部の位置データ、カメラ31bにより撮像された撮像データに基づいて、この利用者Uの姿勢を認識し、この姿勢データをネットワーク通信部160に送る。近距離通信部170も、個人情報発信機300との通信で得られた利用者Uの各情報をネットワーク通信部160に送る。ネットワーク通信部160は、制御器100aが管理している机本体10を識別する机IDと関連付けて、画像解析部130からの姿勢データ及び近距離通信部170からの利用者Uの各種情報を利用者情報として、情報管理装置200のネットワーク通信部260へ、通信ネットワークを介して送る。
情報管理装置200のネットワーク通信部260は、制御器100aから机IDと共に利用者情報を受け取ると、この机ID及び利用者情報を動作内容設定部240に渡す。動作内容設定部240は、机IDを受け取ると、机利用実績テーブル213(図7参照)における該当机IDの利用実績欄213b中で、現時刻に対応する位置に利用開始を示すマークを付す。以降、この机IDが示す机本体10が利用されている限り、該当机IDの利用実績欄中には、机本体10の利用を示すマークを付し、この机IDが示す机本体10が利用されなくなると、該当机IDの利用実績欄中で、現時刻に対応する位置に利用終了を示すマークを付す。さらに、動作内容設定部240は、当該利用者IDの在籍実績テーブル223(図10参照)中で、現時刻に対応する位置に在籍開始を示すマークを付す。以降、この机IDが示す机本体10が利用されている限り、当該利用者IDの在籍実績テーブル223には、在籍を示すマークを付し、この机IDが示す机本体10が利用されなくなると、当該利用者IDの在籍実績テーブル223には、現時刻に対応する位置に在籍終了を示すマークを付す。なお、動作内容設定部240は、他の机IDで示される机本体10を当該利用者IDの利用者Uが利用する場合も、当該利用者IDの在籍実績テーブル223に在籍を示すマークを付す。
情報管理装置200の動作内容設定部240は、利用者情報を受け取ると、記憶部210に記憶されているデータに基づいて、机本体10の形態を決定し、この形態に応じた駆動機構21の動作内容を定めて、この動作内容をネットワーク通信部260に渡す。ネットワーク通信部260は、制御器100aのネットワーク通信部160へ、通信ネットワークを介して、この動作内容を送る。制御器100aの駆動指示部150は、ネットワーク通信部160から動作内容を受け取り、この動作内容に応じた音声データを作成して、この音声データをスピーカ39に出力する。さらに、駆動指示部150は、この動作内容に応じた制御信号を作成し、この制御信号を駆動機構21に出力する。
情報管理装置200の動作内容設定部240は、利用者情報(姿勢データ、利用者IDを含む利用者Uの情報)を受け取ると、現姿勢記憶部241に姿勢データを記憶し、タイマー242による計測を開始する。さらに、動作内容設定部240は、個人情報ファイル221中で当該利用者IDの個人情報ファイル221を取得する。
仮に、利用者Uが立位姿勢で机本体10の前に立ち、且つこの立位姿勢を保持したとする。この際、情報管理装置200の動作内容設定部240は、立位姿勢を示す姿勢データを制御器100aから受け付け、この姿勢データを現姿勢記憶部241に記憶すると共に、タイマー242による計測を開始する。さらに、動作内容設定部240は、第一実施形態と同様に、姿勢−形態テーブル212を参照して、立位姿勢に対する机本体10の形態、及びこの形態をとるための条件を取得する。具体的に、動作内容設定部240は、姿勢−形態テーブル212(図2参照)を参照して、立位姿勢に対する机本体10の形態として、上位置形態、及びその条件として立位姿勢が5秒以上継続し且つその継続時間が60分未満であるという条件を取得する。さらに、動作内容設定部240は、立位姿勢に対する机本体10の形態として、中位置形態、及びその条件として立位姿勢が60分以上継続し且つその継続時間が65分未満であるという条件を取得する。
動作内容設定部240は、現姿勢記憶部241に記憶されている姿勢データが立位姿勢を示しており、且つタイマー242が5秒経過を示すと、先に取得した上位置形態に関する条件を満たしたと判断し、机本体10の形態を上位置形態に決定する。動作内容設定部240は、当該利用者IDの身体情報テーブル225(図13参照)から上位置形態における作業天板11aの上下方向の位置を取得する。そして、動作内容設定部240は、この作業天板11aの上下方向の位置を実現するための昇降機構21aの駆動量を求め、この駆動量を動作内容として、ネットワーク通信部260に出力する。ネットワーク通信部260は、通信ネットワークを介して、この動作内容を制御器100aに送る。
制御器100aのネットワーク通信部160は、動作内容を情報管理装置200から受け付けると、この動作内容を制御器100aの駆動指示部150に渡す。駆動指示部150は、第一実施形態と同様に、昇降機構21aの駆動量を含む動作内容が入力すると、作業天板11aが上昇する旨の音声データを作成し、この音声データをスピーカ39に出力する。駆動指示部150は、その後、昇降機構21aに対して、駆動量に対応する制御信号を出力する。この結果、スピーカ39から「作業天板が上昇する」旨が出力された後、昇降機構21aが駆動して、作業天板11aが上昇して、所定の位置で停止する。なお、第一実施形態では、上位置形態における作業天板11aの位置は、床から利用者Uの頭の位置までの距離に基づいて定められた位置である。一方、本実施形態では、上位置形態における作業天板11aの位置は、当該利用者IDの身体情報テーブル225に記憶されている作業天板11aの位置である。
また、仮に、利用者Uが椅子座り姿勢や床座り姿勢で机本体10の前に至り、且つこの立位姿勢を保持したとする。この際、情報管理装置200の動作内容設定部240は、制御器100aから椅子座り姿勢又は床座り姿勢を示す姿勢データを受け付ける。その後、動作内容設定部240は、制御器100aから立位姿勢を示す姿勢データを受け付けた場合と同様に、机本体10の形態を決定し、この形態を実現するための駆動機構21の駆動量を求め、この駆動量を動作内容として、ネットワーク通信部260に出力する。ネットワーク通信部260は、通信ネットワークを介して、この動作内容を制御器100aに送る。
制御器100aのネットワーク通信部160は、動作内容を情報管理装置200から受け付けると、この動作内容を制御器100aの駆動指示部150に渡す。駆動指示部150は、先に説明した場合と同様に、駆動機構21の駆動量を含む動作内容が入力すると、作業天板11aが下降する等の机本体10が変形する旨の音声データを作成し、この音声データをスピーカ39に出力する。駆動指示部150は、その後、駆動機構21に対して、駆動量に対応する制御信号を出力する。この結果、スピーカ39から「作業天板が下降する」等の旨が出力された後、駆動機構21が駆動する。なお、本実施形態において、中位置形態や下位置形態における作業天板11aの位置は、当該利用者IDの身体情報テーブル225に記憶されている作業天板11aの位置である。
以上のように、上位置形態、中位置形態、又は下位置形態に机本体10がなった以降、利用者Uの姿勢が変わった場合、机本体10の変形態様は、第一実施形態の机本体10の変形態様と同じである。但し、上位置形態、中位置形態、及び下位置形態における作業天板11aの位置は、当該利用者IDの身体情報テーブル225に記憶されている作業天板11aの位置である。
ここで、制御器100aの近距離通信部170は、個人情報発信機300との通信で利用者Uの現時点までの歩数を取得するとする。また、机本体10を利用している利用者Uの個人情報ファイル221中に優先順位テーブル226が設定され、この優先順位テーブル226(図14参照)において、姿勢−形態テーブル212で決まる形態に対して、歩数−形態テーブル215で決まる形態の方を優先する旨が設定されているとする。
この場合、情報管理装置200の動作内容設定部240は、ネットワーク通信部260から当該机本体10を利用している利用者Uの現時点までの歩数を含む利用者情報を取得する。さらに、動作内容設定部240は、当該利用者IDの身体情報テーブル225(図13参照)から各時間帯の目標歩数を取得する。そして、動作内容設定部240は、歩数−形態テーブル215(図9参照)を参照して、身体情報テーブル225から得られた各時間帯の目標歩数と、利用者情報に含まれている歩数とから、机本体10の形態を決める。具体的に、利用者情報に含まれている歩数が現在の時刻を含む時間帯における目標歩数以上であれば、机本体10の形態を現状維持とする。また、利用者情報に含まれている歩数が現在の時刻を含む時間帯における目標歩数未満であれば、机本体10の形態を上位置形態とする。
仮に、姿勢−形態テーブル212で決まった形態が中位置形態であっても、歩数−形態テーブル215を用いて決まった形態が前述のように上位置形態である場合、動作内容設定部240は、机本体10の形態を上位置形態にする。この結果、動作内容設定部240は、この上位置形態を実現するための駆動機構21の駆動量を求め、この駆動量を動作内容として、ネットワーク通信部260に出力する。ネットワーク通信部260は、通信ネットワークを介して、この動作内容を制御器100aに送る。
制御器100aのネットワーク通信部160は、動作内容を情報管理装置200から受け付けると、この動作内容を制御器100aの駆動指示部150に渡す。駆動指示部150は、先に説明した場合と同様に、駆動機構21の駆動量を含む動作内容が入力すると、机本体10が変形する旨の音声データを作成し、この音声データをスピーカ39に出力する。駆動指示部150は、その後、駆動機構21に対して、駆動量に対応する制御信号を出力する。この結果、スピーカ39から例えば「運動不足です。このため、作業天板を上昇させます」等の旨が出力された後、駆動機構21が駆動する。以降、個人情報発信機300から得られる利用者Uの現時点までの歩数が目標歩数以上にならない限り、基本的に、机本体10の形態は、上位置形態が維持される。一方、個人情報発信機300から得られる利用者Uの現時点までの歩数が目標歩数以上になれば、基本的に、机本体10の形態は、姿勢−形態テーブル212で決まる形態になる。
また、制御器100aの近距離通信部170は、個人情報発信機300との通信で利用者Uの現時点の心拍数を取得するとする。さらに、机本体10を利用している利用者Uの個人情報ファイル221中に優先順位テーブル226が設定され、この優先順位テーブル226(図14参照)において、姿勢−形態テーブル212で決まる形態に対して、心拍数−形態テーブル214で決まる形態の方を優先する旨が設定されているとする。
この場合、情報管理装置200の動作内容設定部240は、ネットワーク通信部260から当該机本体10を利用している利用者Uの現時点の心拍数を含む利用者情報を取得する。さらに、動作内容設定部240は、当該利用者IDの身体情報テーブル225(図13参照)から正常心拍数範囲を取得する。そして、動作内容設定部240は、心拍数−形態テーブル214(図8参照)を参照して、身体情報テーブル225から得られた正常心拍数範囲と、利用者情報に含まれている現時点の心拍数とから、机本体10の形態を決める。具体的に、利用者情報に含まれている心拍数が正常心拍数範囲であれば、机本体10の形態を現状維持とする。また、利用者情報に含まれている心拍数が正常心拍数範囲外、つまり異常範囲であれば、机本体10の形態を中位置形態とする。
仮に、姿勢−形態テーブル212で決まった形態が上位置形態であっても、心拍数−形態テーブル214を用いて決まった形態が前述のように中位置形態である場合、動作内容設定部240は、机本体10の形態を中位置形態にする。この結果、動作内容設定部240は、この中位置形態を実現するための駆動機構21の駆動量を求め、この駆動量を動作内容として、ネットワーク通信部260に出力する。ネットワーク通信部260は、通信ネットワークを介して、この動作内容を制御器100aに送る。
制御器100aのネットワーク通信部160は、動作内容を情報管理装置200から受け付けると、この動作内容を制御器100aの駆動指示部150に渡す。駆動指示部150は、先に説明した場合と同様に、駆動機構21の駆動量を含む動作内容が入力すると、机本体10が変形する旨の音声データを作成し、この音声データをスピーカ39に出力する。駆動指示部150は、その後、駆動機構21に対して、駆動量に対応する制御信号を出力する。この結果、スピーカ39から例えば「心拍数が高いです。このため、作業天板を下降させます」等の旨が出力された後、駆動機構21が駆動する。以降、個人情報発信機300から得られる利用者Uの心拍数が正常心拍数範囲にならない限り、基本的に、机本体10の形態は、中位置形態が維持される。一方、個人情報発信機300から得られる利用者Uの心拍数が正常心拍数範囲になれば、基本的に、机本体10の形態は、姿勢−形態テーブル212で決まる形態になる。
なお、姿勢−形態テーブル212及び歩数−形態テーブル215で決まる形態に対して、心拍数−形態テーブル214で決まる形態の方を優先する旨が設定されている場合には、姿勢−形態テーブル212又は歩数−形態テーブル215で決まった形態が上位置形態であっても、心拍数−形態テーブル214を用いて決まった形態が中位置形態である場合、動作内容設定部240は、机本体10の形態を中位置形態にする。
また、机本体10を利用している利用者Uの個人情報ファイル221中にスケジュールテーブル224(図12参照)が設定され、このスケジュールテーブル224に本日のスケジュールが設定されているとする。さらに、机本体10を利用している利用者Uの個人情報ファイル221中に優先順位テーブル226が設定され、この優先順位テーブル226(図14参照)において、姿勢−形態テーブル212で決まる形態に対して、予定内容−形態テーブル216で決まる形態の方を優先する旨が設定されているとする。
この場合、動作内容設定部240は、当該利用者IDのスケジュールテーブル224から各時刻における予定内容を取得する。そして、動作内容設定部240は、予定内容−形態テーブル216を参照して、現在の時刻における予定内容に応じた机本体10の形態を決める。具体的に、現在の時刻における予定内容が、会議、来客、外出、出張等であれば、机本体10の形態を上位置形態とする。また、現在の時刻における予定内容が、会議、来客、外出、出張を除く他の内容であれば、机本体10の形態を現状維持とする。
仮に、姿勢−形態テーブル212で決まった形態が中位置形態であっても、予定内容−形態テーブル216を用いて決まった形態が前述のように上位置形態である場合、動作内容設定部240は、机本体10の形態を上位置形態にする。この結果、動作内容設定部240は、この上位置形態を実現するための駆動機構21の駆動量を求め、この駆動量を動作内容として、ネットワーク通信部260に出力する。ネットワーク通信部260は、通信ネットワークを介して、この動作内容を制御器100aに送る。
制御器100aのネットワーク通信部160は、動作内容を情報管理装置200から受け付けると、この動作内容を制御器100aの駆動指示部150に渡す。駆動指示部150は、先に説明した場合と同様に、駆動機構21の駆動量を含む動作内容が入力すると、机本体10が変形する旨の音声データを作成し、この音声データをスピーカ39に出力する。駆動指示部150は、その後、駆動機構21に対して、駆動量に対応する制御信号を出力する。この結果、スピーカ39から例えば「会議が始まります。このため、作業天板を上昇させます」等の旨が出力された後、駆動機構21が駆動する。以降、スケジュールテーブル224に格納されている現時点の予定内容としての会議が終了しない限り、基本的に、机本体10の形態は、上位置形態が維持される。一方、スケジュールテーブル224に格納されている現時点の予定内容が前述の他の内容であれば、基本的に、机本体10の形態は、姿勢−形態テーブル212で決まる形態になる。なお、会議が予定よりも早く終了した場合、この机本体10の利用者Uは、操作端35を操作することで、机本体10の形態を所望の形態にすることが可能である。
ここで、姿勢−形態テーブル212や心拍数−形態テーブル214等で決まる形態に対して、予定内容−形態テーブル216で決まる形態の方を優先する旨が設定されている場合には、姿勢−形態テーブル212又は心拍数−形態テーブル214等で決まった形態が中位置形態であっても、予定内容−形態テーブル216を用いて決まった形態が上位置形態である場合、動作内容設定部240は、机本体10の形態を上位置形態にする。
以上のように、本実施形態では、机本体10の形態を予め記憶されている利用者Uの体型に合う形態にすることができるので、利用者Uの姿勢維持のための負担を軽減することができる。
また、本実施形態では、利用者Uの生体に関する状態(心拍数)に応じて、利用者Uの運動量(歩数)に応じて、机本体10が変形するので、利用者Uの健康促進を図ることができる。
また、本実施形態では、利用者Uのスケジュールに応じて机本体10が変形するので、スケジュールに示されている予定内容の実行忘れを防ぐことができる。
また、本実施形態では、利用者の在籍状況や、複数の机本体10の利用状況を把握することができる。
なお、本実施形態の情報管理装置200は、動作内容設定部240を有しているが、この動作内容設定部240は、制御器100aが有していてもよい。また、本実施形態の制御器100aは、各種テーブルが記憶される記憶部を有していない。しかしながら、制御器100aは、本実施形態の情報管理装置200における記憶部210に記憶される全てのテーブル又は一部のテーブルが記憶される記憶部を有していてもよい。このように、制御器100aが、本実施形態の情報管理装置200における記憶部210に記憶される全てのテーブルが記憶される記憶部を有する場合、情報管理装置200を省略することができる。
「変形例」
以上の実施形態における机本体10の変形態様は、天板11の昇降による変形形態、天板11の傾斜による変形形態である。しかしながら、机本体10の変形態様は、天板11の昇降による変形形態と天板11の傾斜による変形形態とのうち、一方の変形形態のみであってもよい。また、机本体10の変形形態は、例えば、天板11の左右方向の幅が変わる変形形態であってもよい。
以上の実施形態で、机本体10の形態を決めるための各テーブル中の利用者Uの姿勢等と形態との関係は、一例であり、以上の実施形態に示したものに限定されない。例えば、姿勢−形態テーブル112,212において、瞼閉じ姿勢や頭垂れ下がり姿勢に対する机本体10の形態は、傾斜形態であってもよい。また、心拍数−形態テーブル214において、異常範囲に対する机本体10の形態は、下位置形態であってもよい。また、予定内容−形態テーブル216において、会議等に対する机本体10の形態は、傾斜形態であってもよい。
以上の実施形態の駆動通知器はスピーカ39である。しかしながら、机本体10の変形を利用者Uに知らせることができれば、例えば、ライトやディスプレイであってもよい。駆動通知器がライトである場合、ライトを点滅させる。また、駆動通知器がディスプレイである場合、ディスプレイに、変形の旨を表示させる。
以上の実施形態の制御器100,100aは、画像解析部130を有している。しかしながら、情報取得器31がこの画像解析部130を有してもよい。
以上の情報取得器31は、赤外線センサ31aとカメラ31bとを有しているが、利用者Uの姿勢を検知できれば、いずれか一方のみを有していてもよいし、他のセンサ等を有してもよい。