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炭化珪素半導体装置の製造方法
この発明は、炭化珪素半導体装置の製造方法に関する。
近年、シリコン(Si)に代わる半導体材料の一つとして炭化珪素(SiC)が注目されている。炭化珪素のバンドギャップは、例えば炭化珪素の四層周期六方晶(4H−SiC)で3.25eVであり、シリコンのバンドギャップ(=1.12eV)に比べて3倍程度大きい。このため、半導体材料として炭化珪素を用いることにより、動作上限温度を高くすることができる。また、炭化珪素の絶縁破壊電界強度は、例えば4H−SiCで3.0MV/cmであり、シリコンの絶縁破壊電界強度(=0.25MV/cm)に比べて10倍程度大きい。このため、絶縁破壊電界強度の3乗に反比例するオン抵抗が低減され、定常状態での電力損失を低減することができる。
また、炭化珪素の熱伝導度は、例えば4H−SiCで4.9W/cmKであり、シリコンの熱伝導度(=1.5W/cmK)に比べて3倍程度高い。このため、炭化珪素を用いた半導体装置(以下、炭化珪素半導体装置とする)は、シリコンを用いた半導体装置(以下、シリコン半導体装置とする)よりも熱冷却効果が高く、冷却装置を小型化することができるという利点がある。また、炭化珪素半導体装置は、飽和ドリフト速度が2×107cm/sと大きいため、高速動作にも優れている。このように炭化珪素は、シリコンと比較して優れた物性値を有しているため、電力用半導体素子(以下、パワーデバイスとする)や高周波デバイス、高温動作デバイスなどへの応用が期待されている。
現在、炭化珪素半導体装置として絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、pnダイオード、ショットキーダイオード等が試作され、絶縁耐圧およびオン抵抗に関しては、シリコン半導体装置の特性を超えるデバイスが続出している。オン抵抗とは、通電時の順方向電流に対する順方向電圧の比(=順方向電圧/順方向電流)である。このような炭化珪素半導体装置の作製(製造)には、炭化珪素からなる半導体基板(以下、SiC基板とする)の内部の所定領域の導電型やキャリア濃度を制御する必要がある。
SiC基板の内部の所定領域の導電型やキャリア濃度を制御する方法として、熱拡散法やイオン注入法が公知である。熱拡散法は、シリコン半導体装置を作製するために広く用いられている。しかし、炭化珪素中では不純物の拡散係数は非常に小さいため、熱拡散法を用いてSiC基板の内部の所定領域の導電型やキャリア濃度を制御することは難しい。このため、炭化珪素半導体装置の作製には、通常、イオン注入法が用いられる。注入されるイオン種としては、n型半導体領域の形成には窒素(N)やリン(P)が用いられ、p型半導体領域の形成にはアルミニウム(Al)やボロン(B)が多く用いられている。
また、SiC基板の活性領域にイオン注入された不純物を活性化させるには、シリコン基板を用いた製造プロセスに比べて高温の熱処理が必要である。通常、このような高温熱処理をSiC基板に対して行った場合、SiC基板の表面(ひょう面)からシリコン原子が気化し、SiC基板の表面(ひょう面)が炭素(C)リッチになる。これにより、SiC基板の表面(ひょう面)に面荒れやステップバンチングが発生することが知られている。ステップバンチングとは、SiC基板の表面(ひょう面)の原子ステップが粗密化することにより、SiC基板の表面(ひょう面)に凹凸が生じてしまうことである。
熱処理により発生するSiC基板表面(ひょう面)の面荒れやステップバンチングを抑制する方法として、SiC基板上にダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond Like Carbon)膜や有機膜などの保護膜を形成した後に、不純物を活性化させるためのアニール処理(熱処理)を行うことで、SiC基板の表面(ひょう面)からシリコン原子が外方拡散することを抑制してSiC基板表面(ひょう面)の面荒れを抑制する方法が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
また、別の方法として、SiC基板のおもて面だけでなく裏面にも保護膜を形成した状態で熱処理を行うことにより、SiC基板表面(ひょう面)からシリコン原子が気化することを抑制してSiC基板表面(ひょう面)の面荒れを抑制するとともに、熱処理時にSiC基板にかかる熱応力を緩和する方法が提案されている(例えば、下記特許文献2参照。)。このように熱処理時にSiC基板表面(ひょう面)からシリコン原子が気化することによって生じるSiC基板表面(ひょう面)の面荒れを抑制する方法について様々な提案がなされている。
特開2001−068428号公報 特開2011−035257号公報
しかしながら、上記特許文献1,2では、高温熱処理によるSiC基板表面(ひょう面)の面荒れを抑制することができるが、高温熱処理時にSiC基板表面(ひょう面)からシリコン原子が気化することによって生じる裏面電極の剥離を抑制する方法については提案されていない。裏面電極の剥離とは、次のとおりである。図11は、従来の炭化珪素半導体装置の構造を示す断面図である。上述したように、不純物を活性化させるための高温熱処理を行うことにより、SiC基板101の表面(ひょう面)からシリコン原子や注入した不純物原子が気化し、SiC基板101の表面(ひょう面)付近に炭素原子が残るため、SiC基板101の表面(ひょう面)付近は炭素リッチな状態となる。
このSiC基板101の炭素リッチな表面(ひょう面)には、SiC基板101とのコンタクト(電気的接触部)がオーミックコンタクトとなるニッケルシリサイド層102を形成する。このとき、SiC基板101の炭素リッチな表面(ひょう面)に形成したニッケル層をシンタリング(熱処理)することにより、ニッケル層とSiC基板101とを反応させてニッケルシリサイド層102を生成する。このようにSiC基板101の炭素リッチな表面(ひょう面)にニッケルシリサイド層102を形成するため、ニッケルシリサイド層102の内部には、SiC基板101との界面付近に炭素原子102aが連続的に析出すると推測される。
炭素原子102aが析出する部分(以下、炭素析出層102aとする)は付着性に乏しいため、炭素析出層102aからニッケルシリサイド層102が剥離する。ニッケルシリサイド層102上には、例えばチタン(Ti)層103、ニッケル(Ni)層104および金(Au)層105が順に積層されてなる裏面電極積層体106を形成するが、上述したように炭素析出層102aからニッケルシリサイド層102が剥離するため、ニッケルシリサイド層102とともに裏面電極積層体106も剥離する。裏面電極の剥離とは、このようにニッケルシリサイド層102および裏面電極積層体106が剥離することにより、特性の良好な裏面電極を形成することができないことをいう。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、高温熱処理による炭化珪素基板表面(ひょう面)の面荒れやステップバンチングを抑制するとともに、裏面電極が剥離することを抑制することができ、かつ活性化率の高い不純物領域を形成することができる炭化珪素半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、SiC基板(ウェハ)へのイオン注入後、不純物活性化のための高温熱処理前に、スパッタリング法によりSiC基板のおもて面および裏面にカーボン保護膜を形成することにより、当該高温熱処理時にSiC基板の表面(ひょう面)からシリコン原子が気化(昇華)することを抑制することができ、SiC基板の表面(ひょう面)付近が炭素リッチな状態にならないことを見出した。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、次の特徴を有する。まず、炭化珪素からなる半導体基板に不純物を注入する第1工程を行う。次に、スパッタリング法により、前記半導体基板のひょう面に炭素を主成分とする保護膜を形成する第2工程を行う。次に、前記保護膜を形成した状態で前記半導体基板を熱処理し、前記不純物を活性化させる第3工程を行う。前記第3工程後、前記保護膜を除去する第4工程を行う。前記第4工程後、前記半導体基板の、前記保護膜によって保護されていたひょう面に金属電極を形成する第5工程を行う。そして、前記第2工程では、SP2混成軌道をとる炭素原子とSP3混成軌道をとる炭素原子とが混在し、かつ前記SP3混成軌道をとる炭素原子よりも前記SP2混成軌道をとる炭素原子の割合が多い前記保護膜を形成する。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第2工程では、前記半導体基板のおもて面および裏面にそれぞれ前記保護膜を形成することを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記保護膜の厚さは、10nm以上100nm以下であることを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第3工程において、前記熱処理の温度は、1600℃以上1900℃以下であることを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第3工程において、誘導加熱法、高周波加熱法、ランプ加熱法または真空熱電子衝撃法を用いた前記熱処理を行うことを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第5工程は、前記半導体基板のひょう面にチタンおよびニッケルを含む金属層を形成する工程と、熱処理により前記金属層と前記半導体基板とを反応させて、ニッケルシリサイドからなる前記金属電極を形成する工程を含むことを特徴とする。
上述した発明によれば、半導体基板(ウェハ)のおもて面へのイオン注入後、活性化のための高温熱処理前に、基板ひょう面をSP2結合が支配的な炭素を主成分とする保護膜によって保護することにより、高温熱処理により活性化率の高い不純物領域を形成するとともに、不純物活性化のための高温熱処理による基板ひょう面の面荒れやステップバンチングを防止することができる。また、不純物活性化のための高温熱処理時に基板ひょう面からシリコン原子が気化(昇華)することを抑制することができるため、基板のひょう面付近が炭素リッチな状態にならない。これにより、基板ひょう面に形成する金属電極の内部の、半導体基板との界面付近に付着性に乏しい炭素原子が連続的に析出することを防止することができる。このため、金属電極が剥離することを防止することができる。
本発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法によれば、高温熱処理による炭化珪素基板表面(ひょう面)の面荒れやステップバンチングを抑制するとともに、裏面電極が剥離することを抑制することができ、かつ活性化率の高い不純物領域を形成することができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を模式的に示す断面図である。 実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を模式的に示す断面図である。 実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を模式的に示す断面図である。 実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を模式的に示す断面図である。 実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を模式的に示す断面図である。 実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を模式的に示す断面図である。 実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を模式的に示す断面図である。 実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を模式的に示す断面図である。 実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を模式的に示す断面図である。 本発明にかかる半導体装置の製造工程において保護膜として用いるカーボン保護膜の形成条件を示す図表である。 従来の炭化珪素半導体装置の構造を示す断面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および−は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造について説明する。実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置は、炭化珪素(SiC)からなる半導体基板(以下、SiC基板(チップ)とする)とのコンタクト(電気的接触部)がオーミックコンタクトとなる裏面電極を備える。裏面電極は、SiC基板上にニッケルシリサイド層および裏面電極積層体が順に積層されてなる。裏面電極積層体は、ニッケルシリサイド層側から例えばチタン(Ti)層、ニッケル(Ni)層および金(Au)層が順に積層されてなる。SiC基板の内部には、素子構造に応じた半導体領域が設けられている。炭化珪素半導体装置の素子構造(おもて面電極やSiC基板の内部の半導体領域など)は、設計条件に応じて種々変更可能であるため、説明を省略する。
次に、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法について説明する。図1〜8は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を模式的に示す断面図である。SiC基板(チップ)の内部には素子構造に応じた1つ以上の半導体領域が形成されるが、ここでは、おもて面素子構造を構成するn型またはp型の半導体領域3を選択的に形成する場合を例に説明する。まず、図1に示すように、炭化珪素(SiC)からなる例えばn型の下地層(以下、SiC下地ウェハとする)1上に例えばn型のエピタキシャル層2を成長させたエピタキシャルウェハ(半導体基板)10を用意する。SiC下地ウェハ1およびエピタキシャル層2の導電型は素子構造に応じて種々変更される。
SiC下地ウェハ1は、例えば1×1018/cm3程度の不純物濃度を有する炭化珪素の四層周期六方晶(4H−SiC)ウェハである。SiC下地ウェハ1のおもて面は、例えば(0001)面に対して8°程度のオフ角を有していてもよい。エピタキシャル層2の不純物濃度および厚さは、例えば、それぞれ1×1016/cm3程度および10μm程度であってもよい。以下、エピタキシャルウェハ10のエピタキシャル層2側の面をおもて面とし、エピタキシャルウェハ10のSiC下地ウェハ1側の面を裏面とする。
次に、エピタキシャルウェハ10のおもて面に、おもて面素子構造を構成する半導体領域の形成領域を開口させたイオン注入用のマスク11を形成する。マスク11は、酸化膜であってもよいし、レジスト膜であってもよい。次に、図2に示すように、室温(例えば25℃程度)、または、高温(例えば500℃程度)にエピタキシャルウェハ10を加熱した状態で、マスク11をマスクとして例えばリン(P)や窒素(N)などのn型不純物またはボロン(B)やアルミニウム(Al)などのp型不純物のイオン注入12を行う。図2において、エピタキシャルウェハ10のおもて面近傍の点線は、イオン注入された不純物をあらわしている(図3,9においても同様)。
イオン注入12は、例えば350kV、250kV、180kV、100kV、70kVおよび30kVの加速電圧で複数回のイオン注入(多段イオン注入)を行い、総ドーズ量を5×1013/cm2程度としてもよい。次に、マスク11を除去する。このとき、マスク11が酸化膜である場合には例えばウェットエッチングなどによってマスク11を除去し、マスク11がレジスト膜である場合には例えば酸素(O2)ガスによるアッシング(灰化)などによってマスク11を除去する。
次に、図3に示すように、エピタキシャルウェハ10のおもて面および裏面にそれぞれ炭素を主成分とする保護膜(以下、カーボン保護膜とする)13−1,13−2を形成する。このとき、スパッタリング法により、SP2混成軌道をとる炭素原子とSP3混成軌道をとる炭素原子とが混在し、かつSP2結合が支配的なカーボン保護膜13−1,13−2を形成する。SP2結合が支配的とは、SP3混成軌道をとる炭素原子よりもSP2混成軌道をとる炭素原子の割合が多く、SP3混成軌道をとる炭素原子同士の結合(ダイアモンド構造)よりもSP2混成軌道をとる炭素原子同士の結合(グラファイト構造)が多いことである。
カーボン保護膜13−1,13−2を形成する順序は、例えば、エピタキシャルウェハ10のおもて面にカーボン保護膜13−1を形成した後に、エピタキシャルウェハ10の裏面にカーボン保護膜13−2を形成するのがよい。その理由は、おもて面へのスパッタリング装置内搬送ロボット等の物理的接触を避けるためである。このため、まずエピタキシャルウェハ10のおもて面にカーボン保護膜13−1を形成し、エピタキシャルウェハ10のおもて面を保護したのち、裏面へのカーボン保護膜13−2の形成を行う。カーボン保護膜13−1,13−2の厚さは、例えば10nm以上100nm以下程度であるのが好ましい。その理由は、10nm未満であると、スパッタリング法を用いて成膜した膜の面内均一性で保護膜として好ましくなく、100nmより大きいと、ウェハへ応力がかかり、ウェハ反りの問題が発生するからである。
次に、図4に示すように、高温熱処理により、カーボン保護膜13−1,13−2によって両面を保護した状態のエピタキシャルウェハ10を加熱し、エピタキシャルウェハ10に注入した不純物を活性化させる。これによって、エピタキシャル層2の内部に、エピタキシャル層2よりも不純物濃度の高いn型またはp型の半導体領域3を選択的に形成する。エピタキシャル層2に注入した不純物を活性化させるための高温熱処理の温度は、半導体領域3の活性率を高くすることができるために、例えば1600℃以上1900℃以下程度であるのが好ましい。
また、不純物活性化のための高温熱処理は、例えば、誘導加熱法、高周波加熱法、ランプ加熱法、真空熱電子衝撃法などを用いて行ってもよい。誘導加熱法とは、電磁誘導の原理を用いてウェハを加熱する方法である。高周波加熱法とは、高周波を用いてウェハを自己発熱させる方法である。ランプ加熱法とは、赤外線ランプなどを用いてウェハを加熱する方法である。真空熱電子衝撃法とは、真空雰囲気において、ヒータなどの加熱手段に熱電子を衝突させることで加熱手段を発熱させ、この発熱させた加熱手段によってウェハを加熱する方法である。
次に、図5に示すように、例えば酸素を用いたプラズマ処理によりカーボン保護膜13−1,13−2を除去する。カーボン保護膜13−1,13−2を除去する順序は、ウェハ裏面のカーボン保護膜13−2を除去した後に、ウェハおもて面のカーボン保護膜13−1を除去するのがよい。その理由は、エピタキシャルウェハ10のおもて面へのスパッタリング装置内搬送ロボット等の物理的接触を避けるためである。このため、まずエピタキシャルウェハ10の裏面のカーボン保護膜13−2を除去(このとき、エピタキシャルウェハ10のおもて面はカーボン保護膜13−1で保護されている)したのち、エピタキシャルウェハ10のおもて面のカーボン保護膜13−1の除去を行う。
次に、一般的な方法により、エピタキシャルウェハ10のおもて面側に所定のおもて面素子構造を形成する。次に、図6に示すように、例えばスパッタリング法などの金属成膜法により、エピタキシャルウェハ10の裏面にチタン膜4およびニッケル膜5を順に形成する。チタン膜4の厚さは、例えば60nmであってもよい。ニッケル膜5の厚さは、例えば36nmであってもよい。後述するニッケルシリサイド層6の場合は、成膜後のアニール処理でニッケルシリサイド層6の状態が決まるため、その前駆体である金属膜(チタン膜4およびニッケル膜5)の成膜手法は問わない。しかし、蒸着法よりもスパッタリング法の方が成膜した膜の付着強度が高いので、成膜後の膜剥がれ(金属膜の剥離)を防止することを重視した場合は、スパッタリング法を用いてニッケルシリサイド層6となる金属膜の成膜を行うのが好ましい。
なお、スパッタリング法の場合、金属膜の成膜中は基板(ウェハ)温度が高温になる。このため、金属膜の成膜終了後(室温に戻した際)に熱応力で膜剥がれが生じる虞があるが、この膜剥がれの現象はニッケルシリサイド層6の厚さを厚くする場合に発生し、本発明のような100nm以下の厚さのニッケルシリサイド層6を形成する場合には問題にならない。また、裏面電極層(後述する裏面電極積層体7)の場合は、裏面電極層を構成するニッケル層の厚さが厚い(下記実施例では400nm程度)ので、スパッタリング法を用いると、上記した熱応力変化が大きく、剥離が発生する虞がある。このため、裏面電極層を形成する場合は蒸着法を用いるのが好ましい。
次に、図7に示すように、チタン膜4およびニッケル膜5をシンタリング(焼結)するための例えば500℃程度の温度の熱処理を行い、ニッケル膜5をシリサイド化してニッケルシリサイド層6を形成する。次に、図8に示すように、例えば蒸着法などの金属成膜法により、ニッケルシリサイド層6上に例えばチタン膜、ニッケル膜および金膜を順に積層してなる裏面電極積層体7を形成する。その後、エピタキシャルウェハ10を個々のチップにダイシング(切断)することにより、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置が完成する。
以上、説明したように、実施の形態1によれば、エピタキシャルウェハのおもて面へのイオン注入後、不純物活性化のための高温熱処理前に、ウェハおもて面および裏面をSP2結合が支配的なカーボン保護膜によって保護することにより、高温熱処理により活性化率の高い不純物領域を形成するとともに、不純物活性化のための高温熱処理によるエピタキシャルウェハの表面(ひょう面)の面荒れやステップバンチングを防止することができる。また、不純物活性化のための高温熱処理時にエピタキシャルウェハの表面(ひょう面)からシリコン原子が気化(昇華)することを抑制することができるため、エピタキシャルウェハの表面(ひょう面)付近が炭素リッチな状態にならない。これにより、エピタキシャルウェハの裏面に形成するニッケルシリサイド層の内部の、エピタキシャルウェハとの界面付近に付着性に乏しい炭素原子が連続的に析出することを防止することができる。このため、裏面電極(ニッケルシリサイド層および裏面電極積層体)が剥離することを防止することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法について説明する。図9は、実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を模式的に示す断面図である。実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法が実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法と異なる点は、エピタキシャルウェハの裏面に不純物をイオン注入することにより、SiC基板(チップ)と裏面電極とのコンタクト抵抗を低減させている点である。ここでは、裏面素子構造を構成するn型またはp型の半導体領域を選択的に形成する場合を例に説明する。
実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置を製造するにあたって、まず、実施の形態1と同様に、イオン注入用のマスク(以下、第1マスクとする)を用いてエピタキシャルウェハ10のおもて面にn型またはp型の不純物をイオン注入(以下、第1イオン注入とする)した後、第1マスクを除去する(図1,2参照)。次に、図9に示すように、エピタキシャルウェハ10の裏面に、裏面素子構造を構成する半導体領域の形成領域を開口させたイオン注入用のマスク(以下、第2マスクとする)21を形成する。
次に、第2マスク21をマスクとしてn型不純物またはp型不純物のイオン注入(以下、第2イオン注入とする)22を行う。第2イオン注入22の方法は、例えば、第1イオン注入と同様であってもよい。次に、第2マスク21を除去する。第2マスク21の形成方法および除去方法は、第1マスクと同様であってもよい。その後、実施の形態1と同様に、エピタキシャルウェハ10のおもて面および裏面にカーボン保護膜を形成する工程以降の工程を順次行うことにより、実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置が完成する。
以上、説明したように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、従来技術では、第2イオン注入によりSiC基板の裏面側の格子構造が破壊され、SiC基板の裏面側が炭素リッチな状態となりやすく、裏面電極の剥離が発生しやすい傾向にあるが、実施の形態2によれば、エピタキシャルウェハの裏面への第2イオン注入後、不純物活性化のための高温熱処理前に、ウェハおもて面および裏面をSP2結合が支配的なカーボン保護膜によって保護するため、実施の形態1と同様に、裏面電極が剥離することを防止することができる。
(実施例)
次に、裏面電極(ニッケルシリサイド層6および裏面電極積層体7)の剥離の有無について検証した。図10は、本発明にかかる半導体装置の製造工程において保護膜として用いるカーボン保護膜の形成条件を示す図表である。まず、上述した実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法にしたがい、エピタキシャルウェハ10に不純物をイオン注入した後、スパッタリング法によりエピタキシャルウェハ10のおもて面および裏面に50nmの厚さのカーボン保護膜13−1,13−2を形成した後に、不純物活性化のための熱処理を行った試料を用意した(第1,2試料とする)。
また、比較として、イオンビーム蒸着法によりカーボン保護膜を形成した第3試料、プラズマ化学気相成長(CVD)法によりカーボン保護膜を形成した第4試料を用意した。第3,4試料のカーボン保護膜の形成方法以外の製造方法は、第1試料の製造方法と同様である。また、エピタキシャルウェハに不純物をイオン注入した後、エピタキシャルウェハのおもて面および裏面を保護せずに、エピタキシャルウェハに注入した不純物活性化のための熱処理を行った第5試料を用意した。第5試料の製造方法は、カーボン保護膜を形成しない以外は第1試料と同様である。
そして、第1〜5試料について、不純物活性化のための熱処理によってウェハ裏面に面荒れが生じたか否か(面荒れの有無)と、裏面電極が剥離したか否か(電極剥離の有無)を検証した。また、第1〜4試料について、エピタキシャルウェハのおもて面および裏面を保護するために形成したカーボン保護膜をX線光電子分光分析(ESCA)法により測定し、SP2混成軌道をとる炭素原子に対するSP3混成軌道をとる炭素原子の割合(=SP3/SP2、以下、SP3/SP2比とする)を算出した。その結果を図10に示す。
図10に示すように、第1,2試料においては、不純物活性化のための熱処理によるウェハ裏面の面荒れおよびステップバンチングが生じないこと、かつ、裏面電極の剥離が生じないことが確認された(面荒れ:無、電極剥離:無)。また、第1試料の作製時に形成されたカーボン保護膜13−1,13−2のSP3/SP2比は0.28〜0.85の範囲内であり、第2試料の作製時に形成されたカーボン保護膜13−1,13−2のSP3/SP2比は0.32〜0.55の範囲内であった。
一方、第3,5試料では、ウェハ裏面の面荒れおよびステップバンチングが生じること、かつ裏面電極の剥離が生じることが確認された(面荒れ:有、電極剥離:有)。第4試料では、ウェハ裏面の面荒れおよびステップバンチングが生じないことが確認されたが、裏面電極の剥離が生じることが確認された(面荒れ:無、電極剥離:有)。また、第3試料の作製時に形成されたカーボン保護膜のSP3/SP2比は2.5〜3.8の範囲内であり、第4試料の作製時に形成されたカーボン保護膜のSP3/SP2比は3.1〜4.3の範囲内であった。
また、スパッタリング法により形成されたカーボン保護膜はSP2結合が支配的であり、イオンビーム蒸着法およびプラズマCVD法により形成されたカーボン保護膜は、SP2混成軌道をとる炭素原子よりもSP3混成軌道をとる炭素原子の割合が多い(SP3結合が支配的である)ことが確認された。したがって、第1,2試料のようにスパッタリング法によりカーボン保護膜を形成することによって、SP2結合が支配的なカーボン保護膜13−1,13−2を形成することができることが確認された。そして、SP2結合が支配的なカーボン保護膜13−1,13−2によってエピタキシャルウェハ表面(ひょう面)を保護した状態で不純物活性化のための高温熱処理を行うことで、不純物活性化のための高温熱処理による面荒れおよびステップバンチングを改善するとともに、裏面電極の剥離を防止することができることが確認された。
以上において本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上述した各実施の形態にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法によって作製される炭化珪素半導体装置は、MOSFETや、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)、ショットキーダイオードなど、炭化珪素を用いた様々な構造の半導体デバイスにも適用可能である。すなわち、上述した各実施の形態において、素子構造を種々変更することで、基板(チップ)裏面側にオーミック電極を備えた様々な構成の炭化珪素半導体装置を作製することができる。また、上述した実施の形態では、SiC下地ウェハの表面(ひょう面)にSiCエピタキシャル層を積層したエピタキシャルウェハを用いて説明しているが、これに限らず、このエピタキシャルウェハと厚さの等しいSiCウェハを用いてもよい。また、上述した実施の形態では、半導体領域または半導体ウェハの導電型(n型、p型)を反転させても同様に成り立つ。
以上のように、本発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、炭化珪素半導体とのオーミックコンタクトを形成する金属電極を備えたパワー半導体装置に有用である。
1 SiC下地ウェハ
2 エピタキシャル層
3 半導体領域
4 チタン膜
5 ニッケル膜
6 ニッケルシリサイド層
7 裏面電極積層体
10 エピタキシャルウェハ
11,21 マスク
12,22 イオン注入
13−1,13−2 カーボン保護膜

Claims (6)

  1. 炭化珪素からなる半導体基板に不純物を注入する第1工程と、
    スパッタリング法により、前記半導体基板のひょう面に炭素を主成分とする保護膜を形成する第2工程と、
    前記保護膜を形成した状態で前記半導体基板を熱処理し、前記不純物を活性化させる第3工程と、
    前記第3工程後、前記保護膜を除去する第4工程と、
    前記第4工程後、前記半導体基板の、前記保護膜によって保護されていたひょう面に金属電極を形成する第5工程と、
    を含み、
    前記第2工程では、SP2混成軌道をとる炭素原子とSP3混成軌道をとる炭素原子とが混在し、かつ前記SP3混成軌道をとる炭素原子よりも前記SP2混成軌道をとる炭素原子の割合が多い前記保護膜を形成することを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  2. 前記第2工程では、前記半導体基板のおもて面および裏面にそれぞれ前記保護膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  3. 前記保護膜の厚さは、10nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  4. 前記第3工程において、前記熱処理の温度は、1600℃以上1900℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  5. 前記第3工程において、誘導加熱法、高周波加熱法、ランプ加熱法または真空熱電子衝撃法を用いた前記熱処理を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  6. 前記第5工程は、
    前記半導体基板のひょう面にチタンおよびニッケルを含む金属層を形成する工程と、
    熱処理により前記金属層と前記半導体基板とを反応させて、ニッケルシリサイドからなる前記金属電極を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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