JP2016085678A - 熱解析方法、熱解析装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】熱解析の精度を向上させる。【解決手段】プロセッサ2は、基板4を複数の矩形領域5に分割する。さらに、プロセッサ2は、複数の矩形領域5のそれぞれにおいて、互いに直交する軸(x,y,z軸)の方向の等価熱伝導率λx,λy,λzと、その互いに直交する軸の間の方向での等価熱伝導率λxy+,λxy-,λzy+,λzy-,λzx+,λzx-を算出する。そして、プロセッサ2は、等価熱伝導率λx,λy,λz,λxy+,λxy-,λzy+,λzy-,λzx+,λzx-に基づき、熱解析を行う。【選択図】図1
Description
本発明は、熱解析方法、熱解析装置及びプログラムに関する。
近年、電子機器の高集積化、高機能化、小型化が進んでいる。このような電子機器において、電子部品等を搭載させる基板(例えば、プリント基板)の熱解析を精度良く行うことが求められている。
そこで、基板を複数の微小な矩形領域に分割し、さらに、各矩形領域において、互いに直交する軸(例えば、直交座標のx,y,z軸)の方向の等価熱伝導率を算出し、熱解析を行う手法が知られている。
なお、等価熱伝導率は、複数の材質を含む部品を、1つのブロックとみなして与えられる熱伝導率を意味する。
上記のような手法では、基板の熱解析の精度を向上させるためには、矩形領域の分割数を増やすことが考えられる。しかし、矩形領域の分割数を増加させると、熱解析におけるシミュレーションの計算負荷が増大してしまう。
そのため、計算負荷の制約から、矩形領域の分割数はあまり増加できず、基板の熱解析の精度を向上できないという課題があった。
発明の一観点によれば、コンピュータシミュレーションによって基板の熱解析を行う熱解析方法であって、プロセッサが、前記基板を複数の第1の矩形領域に分割し、前記プロセッサが、前記複数の第1の矩形領域のそれぞれにおいて、互いに直交する第1の軸と第2の軸の方向と、前記第1の軸と前記第2の軸の間の方向での第1の等価熱伝導率を算出し、前記プロセッサが、前記第1の等価熱伝導率に基づき、熱解析を行う、熱解析方法が提供される。
また、発明の一観点によれば、コンピュータシミュレーションによって基板の熱解析を行う熱解析方法であって、プロセッサが、前記基板を複数の第1の矩形領域に分割し、前記プロセッサが、前記複数の第1の矩形領域のそれぞれにおいて、互いに直交する第1の軸と第2の軸の方向での第1の等価熱伝導率を算出し、前記プロセッサが、前記複数の第1の矩形領域のうち、隣接する2つの矩形領域の前記第1の等価熱伝導率が等しいと判定したとき、前記2つの矩形領域を合成して第2の矩形領域を生成し、前記プロセッサが、合成した前記2つの矩形領域の前記第1の等価熱伝導率を、前記第2の矩形領域の第2の等価熱伝導率として用いて熱解析を行う、熱解析方法が提供される。
また、発明の一観点によれば、コンピュータシミュレーションによって基板の熱解析を行う熱解析装置であって、前記基板を複数の矩形領域に分割する分割部と、前記複数の矩形領域のそれぞれにおいて、互いに直交する第1の軸と第2の軸の方向と、前記第1の軸と前記第2の軸の間の方向での等価熱伝導率を算出する算出部と、前記等価熱伝導率に基づき、熱解析を行う熱解析部と、を有する熱解析装置が提供される。
また、発明の一観点によれば、コンピュータシミュレーションによって基板の熱解析を行う熱解析装置であって、前記基板を複数の第1の矩形領域に分割する分割部と、前記複数の第1の矩形領域のそれぞれにおいて、互いに直交する第1の軸と第2の軸の方向での第1の等価熱伝導率を算出する算出部と、前記複数の第1の矩形領域のうち、隣接する2つの矩形領域の前記第1の等価熱伝導率が等しいと判定したとき、前記2つの矩形領域を合成して第2の矩形領域を生成する合成部と、合成した前記2つの矩形領域の前記第1の等価熱伝導率を、前記第2の矩形領域の第2の等価熱伝導率として用いて熱解析を行う熱解析部と、を有する熱解析装置が提供される。
また、発明の一観点によれば、コンピュータシミュレーションによって基板の熱解析を行う処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記基板を複数の矩形領域に分割し、前記複数の矩形領域のそれぞれにおいて、互いに直交する第1の軸と第2の軸の方向と、前記第1の軸と前記第2の軸の間の方向での等価熱伝導率を算出し、前記等価熱伝導率に基づき、熱解析を行う、処理を前記コンピュータに実行させるプログラムが提供される。
また、コンピュータシミュレーションによって基板の熱解析を行う処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記基板を複数の第1の矩形領域に分割し、前記複数の第1の矩形領域のそれぞれにおいて、互いに直交する第1の軸と第2の軸の方向での第1の等価熱伝導率を算出し、前記複数の第1の矩形領域のうち、隣接する2つの矩形領域の前記第1の等価熱伝導率が等しいと判定したとき、前記2つの矩形領域を合成して第2の矩形領域を生成し、合成した前記2つの矩形領域の前記第1の等価熱伝導率を、前記第2の矩形領域の第2の等価熱伝導率として用いて熱解析を行う、処理を前記コンピュータに実行させるプログラムが提供される。
開示の熱解析方法、熱解析装置及びプログラムによれば、熱解析の精度を向上させることができる。
以下、発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
本実施の形態の熱解析方法は、コンピュータシミュレーションによって、プリント基板や多層配線基板(以下単に基板という)を熱解析するものである。
(第1の実施の形態)
本実施の形態の熱解析方法は、コンピュータシミュレーションによって、プリント基板や多層配線基板(以下単に基板という)を熱解析するものである。
図1は、第1の実施の形態の熱解析方法の一例を示す図である。
また、図2は、第1の実施の形態の熱解析装置の一例の機能ブロック図である。
熱解析方法は、以下のような熱解析装置1によって実行される。
また、図2は、第1の実施の形態の熱解析装置の一例の機能ブロック図である。
熱解析方法は、以下のような熱解析装置1によって実行される。
熱解析装置1は、例えば、コンピュータ1であり、プロセッサ2と記憶部3を有している。プロセッサ2は、記憶部3に記憶されているデータ及びプログラムに基づき、図2に示すような、分割部6、算出部7、熱解析部8の機能を実現する。
記憶部3は、プロセッサ2が実行するプログラムや、各種データを記憶する。例えば、記憶部3は、設計データD1、材料データD2を記憶する。
設計データD1は、本実施の形態の熱解析の対象となる基板の形状や、基板に含まれる配線パターン等の形状を示すCAD(Computer Aided Design)データを含むデータである。
設計データD1は、本実施の形態の熱解析の対象となる基板の形状や、基板に含まれる配線パターン等の形状を示すCAD(Computer Aided Design)データを含むデータである。
材料データD2は、基板に含まれる配線材料等の熱抵抗率や熱伝導率を含むデータである。
図2に示されているように、熱解析装置1は、分割部6、算出部7、熱解析部8を有する。
図2に示されているように、熱解析装置1は、分割部6、算出部7、熱解析部8を有する。
分割部6は、基板を複数の矩形領域に分割する。算出部7は、複数の矩形領域のそれぞれにおいて、互いに直交する第1の軸と第2の軸の方向と、第1の軸と第2の軸の間の方向での等価熱伝導率を算出する。熱解析部8は、算出部7が算出した等価熱伝導率に基づき、熱解析を行う。
以下、第1の実施の形態の熱解析方法を、図1を用いて説明する。なお、上記のように図2の分割部6、算出部7、熱解析部8の機能は、プロセッサ2により実現されるため、各処理の主体を、プロセッサ2として説明する。
まず、プロセッサ2は、記憶部3に記憶された設計データD1を読み出し、基板を複数の矩形領域に分割する(ステップS1)。
図1には、基板4のxy平面図が示されている。なお、配線等の図示は省略されている。基板4は、複数の配線層または絶縁層を有する多層配線基板であってもよい。以下では、直交座標のx、y、zを用いて、基板4の平面方向をxy方向、基板4の厚さ方向をz軸の方向とする。
図1には、基板4のxy平面図が示されている。なお、配線等の図示は省略されている。基板4は、複数の配線層または絶縁層を有する多層配線基板であってもよい。以下では、直交座標のx、y、zを用いて、基板4の平面方向をxy方向、基板4の厚さ方向をz軸の方向とする。
図1の例では、基板4は、x軸の方向に6分割、y軸の方向に5分割され、6×5個の複数の矩形領域5に分割されている。なお、図示が省略されているが、基板4は、z軸の方向にも所定数で分割されていてもよい。
次に、プロセッサ2は、記憶部3に記憶された材料データD2を読み出し、複数の矩形領域のそれぞれにおいて、互いに直交する軸(つまりx、y、z軸)の方向と、その互いに直交する軸の間の方向での等価熱伝導率を算出する(ステップS2)。
図1には、矩形領域5のxy平面図、zy平面図、zx平面図が示されている。以下の説明では、矩形領域5においても、基板4の位置を表すために用いる直交座標と同一の直交座標を用いるが、異なる直交座標を用いてもよい。
ステップS2の処理では、プロセッサ2は、図1の矩形領域5のxy平面図、zy平面図、zx平面図に示すように、x軸の方向の等価熱伝導率λx、y軸の方向の等価熱伝導率λy、z軸の方向の等価熱伝導率λzを算出する。
また、互いに直交する軸の間の方向での等価熱伝導率として、プロセッサ2は、等価熱伝導率λxy+,λxy-,λzy+,λzy-,λzx+,λzx-を算出する。
等価熱伝導率λxy+は、図1に示すようなxy平面の2つの対角線方向のうち、一方の方向(以下xy+方向という)の等価熱伝導率である。等価熱伝導率λxy-は、図1に示すようなxy平面の2つの対角線方向のうち、他方の方向(以下xy−方向という)の等価熱伝導率である。
等価熱伝導率λxy+は、図1に示すようなxy平面の2つの対角線方向のうち、一方の方向(以下xy+方向という)の等価熱伝導率である。等価熱伝導率λxy-は、図1に示すようなxy平面の2つの対角線方向のうち、他方の方向(以下xy−方向という)の等価熱伝導率である。
等価熱伝導率λzy+は、図1に示すようなzy平面の2つの対角線方向のうち、一方の方向(以下zy+方向という)の等価熱伝導率である。等価熱伝導率λzy-は、図1に示すようなzy平面の2つの対角線方向のうち、他方の方向(以下zy−方向という)の等価熱伝導率である。
等価熱伝導率λzx+は、図1に示すようなzx平面の2つの対角線方向のうち、一方の方向(以下zx+方向という)の等価熱伝導率である。等価熱伝導率λzx-は、図1に示すようなzx平面の2つの対角線方向のうち、他方の方向(以下zx−方向という)の等価熱伝導率である。
なお、互いに直交する軸の間の方向の等価熱伝導率として、必ずしも、上記のような各平面の対角線方向の等価熱伝導率を算出しなくてもよい。
ただ、各平面の対角線方向の等価熱伝導率を算出することで計算が容易になる。等価熱伝導率の算出例は後述する。
ただ、各平面の対角線方向の等価熱伝導率を算出することで計算が容易になる。等価熱伝導率の算出例は後述する。
以下、図3〜図6を用いて、配線パターンの違いによって異なる等価熱伝導率の例を説明する。なお、以下では、矩形領域のxy平面を示し、矩形領域のxy平面の左辺を辺A、下辺を辺B、右辺を辺C、上辺を辺Dとする。
図3は、矩形領域のxy平面の1つ目の例を示す図である。
矩形領域5aは、非配線部10a,10b,10c,10d、配線パターン11a,11b,11cを有している。
矩形領域5aは、非配線部10a,10b,10c,10d、配線パターン11a,11b,11cを有している。
図3に示すように、矩形領域5aでは、熱伝導率が非配線部10a〜10dよりも大きい、配線パターン11a〜11cが、辺Aと辺Cとをつなぐように配置されているため、x軸の方向の等価熱伝導率λxが、他の方向の等価熱伝導率よりも大きな値となる。
図4は、矩形領域のxy平面の2つ目の例を示す図である。
矩形領域5bは、非配線部12a,12b,12c,12d、配線パターン13a,13b,13cを有している。
矩形領域5bは、非配線部12a,12b,12c,12d、配線パターン13a,13b,13cを有している。
配線パターン13aは、辺Aと辺Dとをつなぐように配置されている。また、配線パターン13bは、辺A,Bの角部と辺C,Dの角部をつなぐように配置されている。また、配線パターン13cは、辺Bと辺Cとをつなぐように配置されている。
このような矩形領域5bでは、x方向の等価熱伝導率λxと、y方向の等価熱伝導率λyと、xy+方向の等価熱伝導率λxy+が、他の方向の等価熱伝導率よりも大きな値となる。
図5は、矩形領域のxy平面の3つ目の例を示す図である。
矩形領域5cは、非配線部14a,14b,14c,14d、配線パターン15a,15b,15cを有している。
矩形領域5cは、非配線部14a,14b,14c,14d、配線パターン15a,15b,15cを有している。
配線パターン15a〜15cは、辺Aと辺Dとをつなぐように配置されている。
このような矩形領域5cでは、xy+方向の等価熱伝導率λxy+が、他の方向の等価熱伝導率よりも大きな値となる。
このような矩形領域5cでは、xy+方向の等価熱伝導率λxy+が、他の方向の等価熱伝導率よりも大きな値となる。
図6は、矩形領域のxy平面の4つ目の例を示す図である。
矩形領域5dは、非配線部16a,16b,16c,16d,16e、配線パターン17a,17b,17c,17dを有している。
矩形領域5dは、非配線部16a,16b,16c,16d,16e、配線パターン17a,17b,17c,17dを有している。
配線パターン17a,17bは、辺Aと辺Dとをつなぐように配置されている。また、配線パターン17c,17dは、辺Cと辺Dとをつなぐように配置されている。
このような矩形領域5dでは、xy+方向の等価熱伝導率λxy+と、xy−方向の等価熱伝導率λxy-が、他の方向の等価熱伝導率よりも大きな値となる。
このような矩形領域5dでは、xy+方向の等価熱伝導率λxy+と、xy−方向の等価熱伝導率λxy-が、他の方向の等価熱伝導率よりも大きな値となる。
なお、矩形領域のzy平面、zx平面で算出される等価熱伝導率も、上記と同様に、配線パターンに応じて算出される。
次に、矩形領域における等価熱伝導率の算出方法を説明する。なお、以下では、矩形領域のxy平面での等価熱伝導率の算出例を説明するが、他の平面でも同様の算出が行われる。
次に、矩形領域における等価熱伝導率の算出方法を説明する。なお、以下では、矩形領域のxy平面での等価熱伝導率の算出例を説明するが、他の平面でも同様の算出が行われる。
図7は、矩形領域のxy平面での等価熱伝導率の算出例を説明する図である。
なお、図3〜図6と同様に、矩形領域のxy平面の、左辺を辺A、下辺を辺B、右辺を辺C、上辺を辺Dとする。
なお、図3〜図6と同様に、矩形領域のxy平面の、左辺を辺A、下辺を辺B、右辺を辺C、上辺を辺Dとする。
図7に示す矩形領域5eは、非配線部18a,18b、配線パターン19aを有している。
なお、以下では、矩形領域のx軸の方向の長さをLx、矩形領域のy軸の方向の長さをLy、矩形領域のz軸の方向の長さをLzとする。
なお、以下では、矩形領域のx軸の方向の長さをLx、矩形領域のy軸の方向の長さをLy、矩形領域のz軸の方向の長さをLzとする。
配線パターン19aは、図5に示した配線パターン15a〜15cと同様に、辺Aと辺Dとをつなぐように配置されているため、前述のように、xy+方向の等価熱伝導率λxy+が、他の方向の等価熱伝導率よりも大きな値となる。
xy+方向の等価熱伝導率λxy+の算出の際、プロセッサ2は、まず、配線パターン19aの熱抵抗値Rxy+を算出する。配線パターン19aの熱抵抗値Rxy+は、以下の式(1)により算出される。
式(1)において、x0は配線パターン19aのx軸の方向の長さ、x1は配線パターン19aのx軸の方向の幅、y1は配線パターン19aのy軸の方向の幅、y2は配線パターン19aのy軸の方向の長さを示す。また、rは配線パターン19aの配線材料の熱抵抗率を示す。
次に、プロセッサ2は、算出した熱抵抗値Rxy+の逆数に、矩形領域5eのxy+方向の長さ(Lx 2+Ly 2の平方根)を乗じ、矩形領域5eの辺A側の側面積と、辺D側の側面積の和(Lz(Lx+Ly))で割ることで、等価熱伝導率λxy+を算出する。すなわち、xy+方向の等価熱伝導率λxy+は、以下の式(2)で表される。
なお、x,y,z軸の方向、xy−方向、zy+方向、zy−方向、zx+方向、zx−方向の等価熱伝導率も、上記と同様の計算で算出できる。
図1の説明に戻る。プロセッサ2は、ステップS2の処理で算出した等価熱伝導率を用いて、基板4における熱の流れ等の熱解析を実行する(ステップS3)。
図1の説明に戻る。プロセッサ2は、ステップS2の処理で算出した等価熱伝導率を用いて、基板4における熱の流れ等の熱解析を実行する(ステップS3)。
以下、本実施の形態の熱解析方法の効果を説明する。
なお、以下では、説明を簡単にするために、非配線部分の熱伝導率は、ほぼ0とする。
図8は、xy平面における配線パターンの形状に応じた等価熱伝導率の算出例を示す図である。
なお、以下では、説明を簡単にするために、非配線部分の熱伝導率は、ほぼ0とする。
図8は、xy平面における配線パターンの形状に応じた等価熱伝導率の算出例を示す図である。
図8には、図3〜図6に示した、各xy平面における等価熱伝導率の算出例が示されている。
図8には、比較例として、x,y軸の方向で等価熱伝導率を算出した例(算出例1)と、本実施の形態の熱解析方法により、x,y軸の方向以外にも、xy+方向、xy−方向で等価熱伝導率を算出した例(算出例2)が示されている。
図8には、比較例として、x,y軸の方向で等価熱伝導率を算出した例(算出例1)と、本実施の形態の熱解析方法により、x,y軸の方向以外にも、xy+方向、xy−方向で等価熱伝導率を算出した例(算出例2)が示されている。
図3に示したような配線パターン形状である矩形領域5aのxy平面における等価熱伝導率は、算出例1では、x軸の方向の等価熱伝導率λxとして、Sxという値が得られ、y軸方向の等価熱伝導率λyは、ほぼ0となっている。一方、算出例2でも、x軸の方向の等価熱伝導率λxは、Sxとなり、y軸方向、xy+方向及びxy−方向の等価熱伝導率λy,λxy+,λxy-は、ほぼ0となっている。
図4に示したような配線パターン形状である矩形領域5bのxy平面における等価熱伝導率は、算出例1では、x軸の方向の等価熱伝導率λxとして、Sxという値が得られ、y軸方向の等価熱伝導率λyとして、Syという値が得られている。一方、算出例2でも、x軸の方向の等価熱伝導率λxはSxとなり、y軸方向の等価熱伝導率λyはSyとなるが、xy+方向の等価熱伝導率λxy+として、Sxy+という値が得られている。また、xy−方向の等価熱伝導率λxy-は、ほぼ0となっている。
図5に示したような配線パターン形状である矩形領域5cのxy平面における等価熱伝導率は、算出例1では、x,y軸の方向の等価熱伝導率λx,λyは、ともにほぼ0となっている。一方、算出例2でも、x,y軸の方向の等価熱伝導率λx,λyはともにほぼ0となるが、xy+方向の等価熱伝導率λxy+として、Sxy+という値が得られている。また、xy−方向の等価熱伝導率λxy-は、ほぼ0となっている。
図6に示したような配線パターン形状である矩形領域5dのxy平面における等価熱伝導率は、算出例1では、x,y軸の方向の等価熱伝導率λx,λyは、ともにほぼ0となっている。一方、算出例2でも、x,y軸の方向の等価熱伝導率λx,λyはともにほぼ0となるが、xy+方向の等価熱伝導率λxy+として、Sxy+という値が得られ、xy−方向の等価熱伝導率λxy-として、Sxy-という値が得られている。
上記のように、x,y軸方向しか考慮していない算出例1に基づく熱解析を行った場合、図5、図6のような配線パターン形状の場合、矩形領域5c,5dのxy平面では、熱の伝達がほぼないとみなされてしまう。これに対し、本実施の形態の熱解析方法での算出例2に基づく熱解析を行った場合は、図5、図6のような配線パターン形状であっても熱の伝達が考慮した解析が行われる。また、図4のような配線パターン形状の場合、算出例2に基づく熱解析を行った場合は、x,y軸方向以外にxy+方向の熱の伝達も考慮した解析が行われる。このため、精度の良い熱解析が可能となる。
以上のように、本実施の形態の熱解析方法では、基板を複数の矩形領域に分割し、各矩形領域において各軸方向以外に各軸間の方向での等価熱伝導率を算出して熱解析を行うことで、様々な配線パターンでの熱の伝わりを考慮できるようになる。そのため、熱解析の精度を向上できる。
なお、算出例1のように等価熱伝導率を求める場合、熱解析の精度を向上させるためには、矩形領域の分割数を増やすことが考えられる。例えば、算出例1では、図4に示したような矩形領域5bにおいて、配線パターン13aに伝わる熱を考慮した熱解析が行われない。配線パターン13aが辺Aと辺C、または辺Dと辺Bとを結ぶようになるまで矩形領域5bをより小さくすることで、配線パターン13aに伝わる熱を考慮した熱解析が行われる。しかし、その場合、矩形領域の分割数が増え、熱解析におけるシミュレーションの計算負荷等が増大してしまう。
これに対し、本実施の形態の熱解析方法では、上記のように、各軸方向以外に各軸間の方向での等価熱伝導率を算出することで、様々な形状の配線パターンでの熱の伝わりを考慮できるため、矩形領域の分割数を増やさなくても、高精度の熱解析が可能となる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態の熱解析方法も、コンピュータシミュレーションによって、基板を熱解析するものである。
本実施の形態の熱解析方法も、コンピュータシミュレーションによって、基板を熱解析するものである。
図9は、第2の実施の形態の熱解析方法の一例の流れを説明するフローチャートである。
設計データD1aは、本実施の形態の熱解析の対象となる基板の形状や、基板に含まれる配線パターン等の形状を示すCADデータを含むデータである。
設計データD1aは、本実施の形態の熱解析の対象となる基板の形状や、基板に含まれる配線パターン等の形状を示すCADデータを含むデータである。
材料データD2aは、基板に含まれる配線材料等の熱抵抗率や熱伝導率を含むデータである。
設計データD1a、材料データD2aは、例えば、図1に示す記憶部3に予め記憶されているものとして説明する。
設計データD1a、材料データD2aは、例えば、図1に示す記憶部3に予め記憶されているものとして説明する。
図10は、第2の実施の形態の熱解析装置の一例の機能ブロック図である。
図10に示されているように、熱解析装置1aは、分割部6a、算出部7a、熱解析部8aのほか、合成部9を有する。
図10に示されているように、熱解析装置1aは、分割部6a、算出部7a、熱解析部8aのほか、合成部9を有する。
分割部6aは、基板を複数の第1の矩形領域に分割する。算出部7aは、複数の第1の矩形領域のそれぞれにおいて、互いに直交する第1の軸と第2の軸の方向での等価熱伝導率を算出する。合成部9は、複数の第1の矩形領域のうち、隣接する2つの矩形領域の等価熱伝導率が等しいと判定したとき、その2つの矩形領域を合成して第2の矩形領域を生成する。熱解析部8aは、合成した2つの矩形領域の等価熱伝導率を、第2の矩形領域の等価熱伝導率として用いて熱解析を行う。
以下、第2の実施の形態の熱解析方法を、図9を用いて説明する。なお、図10の分割部6a、算出部7a、熱解析部8a、合成部9の機能は、図1に示したようなプロセッサ2により実現されるため、以下でも各処理の主体を、プロセッサ2として説明する。
まず、プロセッサ2は、ステップS10の処理を行う。この処理は、図1に示したステップS1の処理と同一である。例えば、プロセッサ2は、記憶部3に記憶された設計データD1aを読み出し、基板を複数の矩形領域に分割する。
次に、プロセッサ2は、記憶部3に記憶された材料データD2aを読み出し、複数の矩形領域のそれぞれにおいて、互いに直交する軸の方向での等価熱伝導率を算出する(ステップS11)。
互いに直交する軸の方向の等価熱伝導率として、プロセッサ2は、例えば、図1に示したように、矩形領域5において、x軸の方向の等価熱伝導率λx、y軸の方向の等価熱伝導率λy、z軸の方向の等価熱伝導率λzを算出する。
なお、等価熱伝導率は、第1の実施の形態の熱解析方法の説明で述べたように、配線パターンの熱抵抗率や矩形領域の大きさ等に基づき算出される。
次に、プロセッサ2は、複数の矩形領域のうち、隣接する2つの矩形領域の等価熱伝導率が等しいと判定したとき、その隣接する2つの矩形領域を合成する(ステップS12)。ここで、等価熱伝導率が等しいとは、2つの矩形領域間で各方向の等価熱伝導率が等しいことを意味している。つまり、2つの矩形領域のそれぞれにおけるx軸の方向の等価熱伝導率λxは互いに等しく、y軸の方向の等価熱伝導率λyも互いに等しい。以下の説明でも同じである。
次に、プロセッサ2は、複数の矩形領域のうち、隣接する2つの矩形領域の等価熱伝導率が等しいと判定したとき、その隣接する2つの矩形領域を合成する(ステップS12)。ここで、等価熱伝導率が等しいとは、2つの矩形領域間で各方向の等価熱伝導率が等しいことを意味している。つまり、2つの矩形領域のそれぞれにおけるx軸の方向の等価熱伝導率λxは互いに等しく、y軸の方向の等価熱伝導率λyも互いに等しい。以下の説明でも同じである。
なお、プロセッサ2は、隣接する2つの矩形領域の等価熱伝導率が、完全に一致していなくても、両者の差が所定の範囲内であれば、等しいものと判定する。例えば、隣接する2つの矩形領域の等価熱伝導率が、90%程度一致していれば、プロセッサ2は両者が一致しているものと判定する。
ステップS12の処理において、プロセッサ2は、例えば、xy平面における矩形領域の合成を行う際には、以下のステップS12a,S12bの処理を行う。なお、以下、等価熱伝導率と記載したときは、x軸方向の等価熱伝導率λxとy軸方向の等価熱伝導率λyを含むものとする。
ステップS12aの処理では、x軸の方向での矩形領域の合成処理が行われる。等価熱伝導率が等しいx軸の方向に隣接する矩形領域のペアがあるとき、プロセッサ2は、そのペアを合成するか否かを、そのペアに対してy軸の方向にあるすべてのペアにおいて、2つの矩形領域間で等価熱伝導率が等しいか否かにより決める。このように矩形領域の合成を行うことで、合成後の基板における矩形領域のx,y軸方向の分割位置がそろうようになる。そのため、例えば、矩形領域の頂点の座標を用いて熱解析を行う際、単独で存在する矩形領域の頂点が存在しなくなるため、効率よく熱解析を行うことができる。
例えば、以下のように合成処理が行われる。
図11は、矩形領域の合成処理の一例を説明する図である。
なお、図11に示す基板において、配線等は図示を省略している。
図11は、矩形領域の合成処理の一例を説明する図である。
なお、図11に示す基板において、配線等は図示を省略している。
図11に示す基板は、ステップS10の処理において、x軸の方向にM分割、y軸の方向にN分割され、M×N個の矩形領域に分割されている。
なお、以下では、x軸の方向にm番目、y軸の方向にn番目にある矩形領域を、矩形領域(m,n)と表す。
なお、以下では、x軸の方向にm番目、y軸の方向にn番目にある矩形領域を、矩形領域(m,n)と表す。
図11の例では、矩形領域(m,1)と矩形領域(m+1,1)の等価熱伝導率は等しいものとする。また、矩形領域(m,2)と矩形領域(m+1,2)、…、矩形領域(m,N−2)と矩形領域(m+1,N−2)の等価熱伝導率は等しいものとする。さらに、矩形領域(m,N−1)と矩形領域(m+1,N−1)、矩形領域(m,N)と矩形領域(m+1,N)の等価熱伝導率も等しいものとする。
上記の例の場合、矩形領域(m,1)と矩形領域(m+1,1)によるペアは、このペアに対してy軸の方向にあるすべてのペア内において、2つの矩形領域間で等価熱伝導率が等しいため合成される。
矩形領域(m,1)と矩形領域(m+1,1)によるペア、矩形領域(m,n)と矩形領域(m+1,n)によるペア、矩形領域(m,n+1)と矩形領域(m+1,n+1)によるペア等も、それぞれ合成される。
以上のようにして、x軸の方向での矩形領域の合成処理が行われる。
ステップS12bの処理では、y軸の方向での矩形領域の合成処理が行われる。等価熱伝導率が等しいy軸の方向に隣接する矩形領域のペアがあるとき、プロセッサ2は、そのペアを合成するか否かを、そのペアに対してx軸の方向にあるすべてのペア内において、2つの矩形領域間で等価熱伝導率が等しいか否かにより決める。なお、合成される矩形領域は、ステップS12aの処理で合成後のものも含む。
ステップS12bの処理では、y軸の方向での矩形領域の合成処理が行われる。等価熱伝導率が等しいy軸の方向に隣接する矩形領域のペアがあるとき、プロセッサ2は、そのペアを合成するか否かを、そのペアに対してx軸の方向にあるすべてのペア内において、2つの矩形領域間で等価熱伝導率が等しいか否かにより決める。なお、合成される矩形領域は、ステップS12aの処理で合成後のものも含む。
例えば、前述のようなステップS12aの処理により、図11において、矩形領域(m,n)と矩形領域(m+1,n)によるペアは合成されており、矩形領域(m,n+1)と矩形領域(m+1,n+1)によるペアも合成されている。これら合成されたペア同士は、x軸方向の位置が同じとなるy=nの矩形領域と、y=n+1の矩形領域によるペアの等価熱伝導率が、各ペア内ですべて等しい場合、さらに合成される。
以下、ステップS12の処理によるxy平面における矩形領域の合成例を2つ示す。
(合成例1)
図12は、合成前の基板における矩形領域の一例を示す図である。図13は、合成処理後の基板における矩形領域の一例を示す図である。また、図14は、合成処理後の熱解析の際の計算対象となる矩形領域の数の一例を示す図である。
(合成例1)
図12は、合成前の基板における矩形領域の一例を示す図である。図13は、合成処理後の基板における矩形領域の一例を示す図である。また、図14は、合成処理後の熱解析の際の計算対象となる矩形領域の数の一例を示す図である。
なお、図12〜図14に示す基板において、配線等は図示を省略している。なお、図11と同様に、図12において、x軸の方向にm番目、y軸の方向にn番目にある矩形領域を、矩形領域(m,n)と表す。
図12に示す合成前の基板は、ステップS10の処理により、x,y軸の方向にそれぞれ6分割され、6×6個の矩形領域に分割されている。
また、図12において、矩形領域(1,1)〜矩形領域(3,1)の等価熱伝導率は等しく、矩形領域(4,1)〜矩形領域(6,1)の等価熱伝導率も等しいものとする。さらに、矩形領域(2,2)〜矩形領域(5,2)、矩形領域(2,3)〜矩形領域(5,3)、矩形領域(2,4)〜矩形領域(5,4)、矩形領域(2,5)〜矩形領域(5,5)の等価熱伝導率は等しいものとする。また、矩形領域(1,3)〜矩形領域(1,5)の等価熱伝導率は等しく、矩形領域(6,2)〜矩形領域(6,4)の等価熱伝導率も等しいものとする。さらに、矩形領域(1,6)〜矩形領域(6,6)の等価熱伝導率は等しいものとする。
また、図12において、矩形領域(1,1)〜矩形領域(3,1)の等価熱伝導率は等しく、矩形領域(4,1)〜矩形領域(6,1)の等価熱伝導率も等しいものとする。さらに、矩形領域(2,2)〜矩形領域(5,2)、矩形領域(2,3)〜矩形領域(5,3)、矩形領域(2,4)〜矩形領域(5,4)、矩形領域(2,5)〜矩形領域(5,5)の等価熱伝導率は等しいものとする。また、矩形領域(1,3)〜矩形領域(1,5)の等価熱伝導率は等しく、矩形領域(6,2)〜矩形領域(6,4)の等価熱伝導率も等しいものとする。さらに、矩形領域(1,6)〜矩形領域(6,6)の等価熱伝導率は等しいものとする。
各矩形領域における等価熱伝導率が上記のような関係となっている場合、前述した、図9のステップS12a,S12bの処理により、図13に示すような合成結果が得られる。
これにより合成処理後の熱解析の際の計算対象となる矩形領域の数は、図14に示すように、4×5個となる。このように、矩形領域数が、合成前の図12に示す6×6個から、図14に示す4×5個へと削減されるため、後述のステップS13の処理による熱解析におけるシミュレーションの計算負荷が軽減され、熱解析処理が高速化される。
(合成例2)
図15は、合成前の基板における矩形領域の一例を示す図である。図16は、合成処理後の基板における矩形領域の一例を示す図である。また、図17は、合成処理後の熱解析の際の計算対象となる矩形領域の数の一例を示す図である。なお、図15〜図17に示す基板において、配線等は図示を省略している。また、図15において、x軸の方向にm番目、y軸の方向にn番目にある矩形領域を、矩形領域(m,n)と表す。
図15は、合成前の基板における矩形領域の一例を示す図である。図16は、合成処理後の基板における矩形領域の一例を示す図である。また、図17は、合成処理後の熱解析の際の計算対象となる矩形領域の数の一例を示す図である。なお、図15〜図17に示す基板において、配線等は図示を省略している。また、図15において、x軸の方向にm番目、y軸の方向にn番目にある矩形領域を、矩形領域(m,n)と表す。
図15に示す合成前の基板は、ステップS10の処理により、x,y軸の方向にそれぞれ6分割され、6×6個の矩形領域に分割されている。
また、図15において、矩形領域(1,1)、矩形領域(2,1)、矩形領域(1,2)、矩形領域(2,2)の等価熱伝導率は等しく、矩形領域(3,1)、矩形領域(4,1)、矩形領域(3,2)、矩形領域(4,2)の等価熱伝導率は等しいものとする。また、矩形領域(5,1)、矩形領域(6,1)、矩形領域(5,2)、矩形領域(6,2)、矩形領域(5,3)の等価熱伝導率は等しく、矩形領域(1,3)〜矩形領域(4,3)の等価熱伝導率は等しいものとする。さらに、矩形領域(6,3)〜矩形領域(6,5)の等価熱伝導率は等しく、矩形領域(1,4)〜矩形領域(3,4)、矩形領域(1,5)〜矩形領域(3,5)、矩形領域(1,6)〜矩形領域(3,6)の等価熱伝導率は等しいものとする。また、矩形領域(4,4)〜矩形領域(4,6)、矩形領域(5,4)〜矩形領域(5,6)の等価熱伝導率は等しいものとする。
また、図15において、矩形領域(1,1)、矩形領域(2,1)、矩形領域(1,2)、矩形領域(2,2)の等価熱伝導率は等しく、矩形領域(3,1)、矩形領域(4,1)、矩形領域(3,2)、矩形領域(4,2)の等価熱伝導率は等しいものとする。また、矩形領域(5,1)、矩形領域(6,1)、矩形領域(5,2)、矩形領域(6,2)、矩形領域(5,3)の等価熱伝導率は等しく、矩形領域(1,3)〜矩形領域(4,3)の等価熱伝導率は等しいものとする。さらに、矩形領域(6,3)〜矩形領域(6,5)の等価熱伝導率は等しく、矩形領域(1,4)〜矩形領域(3,4)、矩形領域(1,5)〜矩形領域(3,5)、矩形領域(1,6)〜矩形領域(3,6)の等価熱伝導率は等しいものとする。また、矩形領域(4,4)〜矩形領域(4,6)、矩形領域(5,4)〜矩形領域(5,6)の等価熱伝導率は等しいものとする。
各矩形領域における等価熱伝導率が上記のような関係となっている場合、前述した、図9のステップS12a,S12bの処理により、図15に示すような合成結果が得られる。
これにより合成処理後の熱解析の際の計算対象となる矩形領域の数は、図17に示すように、5×4個となる。このように、矩形領域数が、合成前の図15に示す6×6個から、図17に示す5×4個へと削減されるため、後述のステップS13の処理による熱解析におけるシミュレーションの計算負荷が軽減され、熱解析処理が高速化される。
なお、ステップS12a,S12bの処理は、順序を逆に行ってもよい。
また、zy平面、zx平面における矩形領域の合成も、上記のステップS12a,S12bの処理と同様にして行うことができる。
また、zy平面、zx平面における矩形領域の合成も、上記のステップS12a,S12bの処理と同様にして行うことができる。
例えば、zy平面における矩形領域の合成処理は、z軸の方向での矩形領域の合成処理と、y軸の方向での矩形領域の合成処理を含む。z軸の方向での矩形領域の合成処理の際、プロセッサ2は、等価熱伝導率が等しいz軸の方向に隣接する矩形領域のペアがあるとき、そのペアを合成するか否かを、そのペアに対してy軸の方向にあるすべてのペア内での等価熱伝導率が等しいか否かにより決める。y軸の方向での矩形領域の合成処理の際、プロセッサ2は、等価熱伝導率が等しいy軸の方向に隣接する矩形領域のペアがあるとき、そのペアを合成するか否かを、そのペアに対してz軸の方向にあるすべてのペア内での等価熱伝導率が等しいか否かにより決める。
ステップS12の処理後、プロセッサ2は、算出した等価熱伝導率を用いて、基板における熱の流れ等の熱解析を実行する(ステップS13)。熱解析の実行の際、合成によって得られた矩形領域の等価熱伝導率として、合成された2つの矩形領域における等価熱伝導率が用いられる。つまり、合成処理によって、2つの矩形領域の2つの等価熱伝導率が、1つの矩形領域の1つの等価熱伝導率として扱われることになる。
以上のように、本実施の形態の熱解析方法では、隣接する2つの矩形領域の等価熱伝導率が等しいとき、その2つの矩形領域を合成する処理が行われる。これにより、計算時の矩形領域の数が減り、熱解析の処理時間を短縮できる。
(第3の実施の形態)
以下に示す第3の実施の形態の熱解析方法は、第1の実施の形態の熱解析方法と第2の実施の形態の熱解析方法とを組み合わせたものである。
以下に示す第3の実施の形態の熱解析方法は、第1の実施の形態の熱解析方法と第2の実施の形態の熱解析方法とを組み合わせたものである。
図18は、第3の実施の形態の熱解析方法の一例の流れを説明するフローチャートである。以下の処理についても、図1に示したコンピュータ1のプロセッサ2が処理の主体であるものとして説明する。
設計データD1bは、本実施の形態の熱解析の対象となる基板の形状や、基板に含まれる配線パターン等の形状を示すCADデータを含むデータである。
材料データD2bは、基板に含まれる配線材料等の熱抵抗率や熱伝導率を含むデータである。
材料データD2bは、基板に含まれる配線材料等の熱抵抗率や熱伝導率を含むデータである。
また、設計データD1b、材料データD2bは、例えば、図1に示す記憶部3に予め記憶されているものとして説明する。
ステップS20の処理は、図9に示したステップS10の処理と同じであるため説明を省略する。
ステップS20の処理は、図9に示したステップS10の処理と同じであるため説明を省略する。
ステップS20の処理後、プロセッサ2は、記憶部3に記憶された材料データD2bを読み出し、複数の矩形領域のそれぞれにおいて、互いに直交する軸の方向の等価熱伝導率と、互いに直交する軸の間の方向での等価熱伝導率を算出する(ステップS21)。
互いに直交する軸の方向の等価熱伝導率としては、図1に示したように、x軸の方向の等価熱伝導率λx、y軸の方向の等価熱伝導率λy、z軸の方向の等価熱伝導率λzがある。また、互いに直交する軸の間の方向の等価熱伝導率としては、図1に示したように等価熱伝導率λxy+,λxy-,λzy+,λzy-,λzx+,λzx-がある。
なお、等価熱伝導率の算出方法の説明については、第1の実施の形態で行っているので、その説明を省略する。
次に、プロセッサ2は、複数の矩形領域のそれぞれにおいて、隣接する2つの矩形領域の等価熱伝導率が等しいと判定したとき、その隣接する2つの矩形領域を合成する(ステップS22)。ここで、等価熱伝導率が等しいとは、2つの矩形領域間で各方向の等価熱伝導率が等しいことを意味している。第2の実施の形態の熱解析方法と異なり、第3の実施の形態の熱解析方法では、上記のように、互いに直交する軸の間の方向での等価熱伝導率も算出されるため、ステップS22の処理では、その等価熱伝導率も考慮される。
次に、プロセッサ2は、複数の矩形領域のそれぞれにおいて、隣接する2つの矩形領域の等価熱伝導率が等しいと判定したとき、その隣接する2つの矩形領域を合成する(ステップS22)。ここで、等価熱伝導率が等しいとは、2つの矩形領域間で各方向の等価熱伝導率が等しいことを意味している。第2の実施の形態の熱解析方法と異なり、第3の実施の形態の熱解析方法では、上記のように、互いに直交する軸の間の方向での等価熱伝導率も算出されるため、ステップS22の処理では、その等価熱伝導率も考慮される。
なお、プロセッサ2は、隣接する2つの矩形領域の等価熱伝導率が、完全に一致していなくても、両者の差が所定の範囲内であれば、等しいものと判定する。例えば、隣接する2つの矩形領域の等価熱伝導率が、90%程度一致していれば、プロセッサ2は両者が一致しているものと判定する。
ステップS22の処理において、プロセッサ2は、例えば、xy平面における矩形領域の合成を行う際には、以下のステップS22a,S22bの処理を行う。
ステップS22aの処理では、x軸の方向での矩形領域の合成処理が行われる。プロセッサ2は、等価熱伝導率が等しいx軸の方向に隣接する矩形領域のペアがあるとき、そのペアを合成するか否かを、そのペアに対してy軸の方向にあるすべてのペア内での等価熱伝導率が等しいか否かにより決める。
ステップS22aの処理では、x軸の方向での矩形領域の合成処理が行われる。プロセッサ2は、等価熱伝導率が等しいx軸の方向に隣接する矩形領域のペアがあるとき、そのペアを合成するか否かを、そのペアに対してy軸の方向にあるすべてのペア内での等価熱伝導率が等しいか否かにより決める。
ステップS22bの処理では、y軸の方向での矩形領域の合成処理が行われる。プロセッサ2は、等価熱伝導率が等しいy軸の方向に隣接する矩形領域のペアがあるとき、そのペアを合成するか否かを、そのペアに対してx軸の方向にあるすべてのペア内での等価熱伝導率が等しいか否かにより決める。
なお、ステップS22a,S22bの処理は、順序を逆に行ってもよい。
また、zy平面、zx平面における矩形領域の合成も、上記のステップS22a,S22bの処理と同様にして行うことができる。
また、zy平面、zx平面における矩形領域の合成も、上記のステップS22a,S22bの処理と同様にして行うことができる。
その後、プロセッサ2は、算出した等価熱伝導率を用いて、基板における熱の流れ等の熱解析を実行する(ステップS23)。
以下、第3の実施の形態の熱解析方法の効果を図19、図20を用いて説明する。
以下、第3の実施の形態の熱解析方法の効果を図19、図20を用いて説明する。
図19は、第3の実施の形態の熱解析の対象となる基板の一例を示す図である。
図19に示す基板20は、非配線部21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g、配線パターン22a,22b,22c,22d,22e,22fを有する。また、基板20は、ステップS20の処理により、x軸の方向に4分割、y軸の方向に2分割され、4×2個の矩形領域に分割されている。
図19に示す基板20は、非配線部21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g、配線パターン22a,22b,22c,22d,22e,22fを有する。また、基板20は、ステップS20の処理により、x軸の方向に4分割、y軸の方向に2分割され、4×2個の矩形領域に分割されている。
図20は、等価熱伝導率の算出例と、矩形領域の合成例を示す図である。
図20には、比較例として、x軸の方向とy軸の方向の間での等価熱伝導率の算出を行わず、かつ、矩形領域の合成を行わない例(算出例a)が示されている。さらに、図20には、本実施の形態の熱解析方法により、x,y軸の方向以外にも、xy+方向、xy−方向で等価熱伝導率を算出し、かつ、矩形領域の合成を行った例(算出例b)が示されている。
図20には、比較例として、x軸の方向とy軸の方向の間での等価熱伝導率の算出を行わず、かつ、矩形領域の合成を行わない例(算出例a)が示されている。さらに、図20には、本実施の形態の熱解析方法により、x,y軸の方向以外にも、xy+方向、xy−方向で等価熱伝導率を算出し、かつ、矩形領域の合成を行った例(算出例b)が示されている。
なお、図20では、説明を簡単にするために、非配線部分の熱伝導率は、ほぼ0であるものとしている。また、図20では、図19に示す基板20において、x軸の方向にm番目、y軸の方向にn番目にある矩形領域を、矩形領域(m,n)と表している。
矩形領域(1,1)では、算出例a,bとも、x,y軸の方向の等価熱伝導率λx,λyがほぼ0となっている。これは、図19に示すように、矩形領域(1,1)では、配線パターン22d〜22fが、矩形領域(1,1)の下辺と右辺をつなぐように配置されており、x,y軸方向での熱の伝わりがほとんどないためである。
算出例bでは、矩形領域(1,1)について、さらに、xy+方向の等価熱伝導率λxy+とxy−方向の等価熱伝導率λxy-が算出されている。矩形領域(1,1)では、xy−方向での熱の伝わりがほとんどないため、等価熱伝導率λxy-の値は、ほぼ0となっている。一方、xy+方向については、配線パターン22d〜22fによる熱の伝わりがあるため、等価熱伝導率λxy+の値は、Sxy+という値になっている。このように、矩形領域(1,1)においては、配線パターン22d〜22fによる熱の伝わりは、算出例aでは考慮されていないが、算出例bでは考慮されている。
矩形領域(1,2)でも、算出例a,bとも、x,y軸の方向の等価熱伝導率λx,λyがほぼ0となっている。これは、図19に示すように、矩形領域(1,2)では、配線パターン22a〜22cが、矩形領域(1,2)の上辺と右辺をつなぐように配置されており、x,y軸方向での熱の伝わりがほとんどないためである。
算出例bでは、矩形領域(1,2)について、さらに、xy+方向の等価熱伝導率λxy+とxy−方向の等価熱伝導率λxy-が算出されている。矩形領域(1,2)では、xy+方向での熱の伝わりがほとんどないため、等価熱伝導率λxy+の値は、ほぼ0となっている。一方、xy−方向については、配線パターン22a〜22cによる熱の伝わりがあるため、等価熱伝導率λxy-の値は、Sxyーという値になっている。このように、矩形領域(1,2)においては、配線パターン22a〜22cによる熱の伝わりは、算出例aでは考慮されていないが、算出例bでは考慮されている。
矩形領域(2,1),(3,1),(4,1)では、配線パターン22d〜22fが、矩形領域(2,1)〜(4,1)の左辺と右辺をつなぐように配置されている。このため、配線パターン22d〜22fを通じて、熱が矩形領域のx軸の方向に伝わる。
さらに、矩形領域(2,1),(3,1),(4,1)における配線パターン22d〜22fの配線幅と配線長は等しい。これにより、算出例aでは、矩形領域(2,1)〜(4,1)ごとに、等しい値(Sx)のx軸の方向の等価熱伝導率λxが算出されている。また、y軸の方向の等価熱伝導率λyは、ほぼ0となっている。
これに対し、算出例bでは、算出例aと同様に、等価熱伝導率λxがSx、等価熱伝導率λyがほぼ0となるのに加えて、xy+方向とxy−方向の等価熱伝導率λxy+,λxy-が、ほぼ0となる。矩形領域(2,1)〜(4,1)では、xy+方向とxy−方向の熱の伝わりがほとんどないためである。
さらに、前述した図18のステップS22の処理により、矩形領域(2,1)〜(4,1)が合成されて1つの矩形領域となる。
矩形領域(2,2),(3,2),(4,2)に関しても、矩形領域(2,1)〜(4,1)と同じ等価熱伝導率が算出され、さらに、算出例bでは、矩形領域(2,2)〜(4,2)が合成されて1つの矩形領域となる。
矩形領域(2,2),(3,2),(4,2)に関しても、矩形領域(2,1)〜(4,1)と同じ等価熱伝導率が算出され、さらに、算出例bでは、矩形領域(2,2)〜(4,2)が合成されて1つの矩形領域となる。
以上のように、本実施の形態の熱解析方法では、各矩形領域において各軸方向以外に各軸間の方向での等価熱伝導率を算出して熱解析を行うことで、様々な配線パターンでの熱の伝わりを考慮できるようになる。そのため、熱解析の精度を向上できる。さらに、プロセッサ2は、隣接する2つの矩形領域の等価熱伝導率が等しいときは、その矩形領域を合成して、計算時の矩形領域の数を減らすので、熱解析の処理時間を短縮できる。
(ハードウェア構成例)
図1、図2及び図10に示した、熱解析装置1,1aは、以下のようなハードウェア構成のコンピュータでも実現できる。
図1、図2及び図10に示した、熱解析装置1,1aは、以下のようなハードウェア構成のコンピュータでも実現できる。
図21は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
コンピュータ30は、プロセッサ31によって装置全体が制御されている。プロセッサ31には、バス39を介してRAM(Random Access Memory)32と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ31は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ31は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはPLD(Programmable Logic Device)である。またプロセッサ31は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
コンピュータ30は、プロセッサ31によって装置全体が制御されている。プロセッサ31には、バス39を介してRAM(Random Access Memory)32と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ31は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ31は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはPLD(Programmable Logic Device)である。またプロセッサ31は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
RAM32は、コンピュータ30の主記憶装置として使用される。RAM32には、プロセッサ31に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM32には、プロセッサ31による処理に必要な各種データが格納される。
バス39に接続されている周辺機器としては、HDD(Hard Disk Drive)33、グラフィック処理装置34、入力インタフェース35、光学ドライブ装置36、機器接続インタフェース37及びネットワークインタフェース38がある。
HDD33は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込み及び読み出しを行う。HDD33は、コンピュータ30の補助記憶装置として使用される。HDD33には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、及び各種データが格納される。なお、補助記憶装置としては、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置を使用することもできる。
グラフィック処理装置34には、モニタ34aが接続されている。グラフィック処理装置34は、プロセッサ31からの命令にしたがって、画像をモニタ34aの画面に表示させる。モニタ34aとしては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
入力インタフェース35には、キーボード35aとマウス35bとが接続されている。入力インタフェース35は、キーボード35aやマウス35bから送られてくる信号をプロセッサ31に送信する。なお、マウス35bは、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
光学ドライブ装置36は、レーザ光等を利用して、光ディスク36aに記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク36aは、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク36aには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。
機器接続インタフェース37は、コンピュータ30に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース37には、メモリ装置37aやメモリリーダライタ37bを接続することができる。メモリ装置37aは、機器接続インタフェース37との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ37bは、メモリカード37cへのデータの書き込み、またはメモリカード37cからのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード37cは、カード型の記録媒体である。
ネットワークインタフェース38は、ネットワーク38aに接続されている。ネットワークインタフェース38は、ネットワーク38aを介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
以上のようなハードウェア構成によって、第1〜3の実施の形態の熱解析方法を実現することができる。
なお、コンピュータ30は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第1〜3の実施の形態の処理機能を実現する。コンピュータ30に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、コンピュータ30に実行させるプログラムをHDD33に格納しておくことができる。プロセッサ31は、HDD33内のプログラムの少なくとも一部をRAM32にロードし、プログラムを実行する。またコンピュータ30に実行させるプログラムを、光ディスク36a、メモリ装置37a、メモリカード37c等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ31からの制御により、HDD33にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ31が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
なお、コンピュータ30は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第1〜3の実施の形態の処理機能を実現する。コンピュータ30に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、コンピュータ30に実行させるプログラムをHDD33に格納しておくことができる。プロセッサ31は、HDD33内のプログラムの少なくとも一部をRAM32にロードし、プログラムを実行する。またコンピュータ30に実行させるプログラムを、光ディスク36a、メモリ装置37a、メモリカード37c等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ31からの制御により、HDD33にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ31が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
以上、実施の形態に基づき、本発明の熱解析方法、熱解析装置及びプログラムの一観点について説明してきたが、これらは一例にすぎず、上記の記載に限定されるものではない。
1 熱解析装置(コンピュータ)
2 プロセッサ
3 記憶部
4 基板
5 矩形領域
D1 設計データ
D2 材料データ
2 プロセッサ
3 記憶部
4 基板
5 矩形領域
D1 設計データ
D2 材料データ
Claims (12)
- コンピュータシミュレーションによって基板の熱解析を行う熱解析方法であって、
プロセッサが、前記基板を複数の第1の矩形領域に分割し、
前記プロセッサが、前記複数の第1の矩形領域のそれぞれにおいて、互いに直交する第1の軸と第2の軸の方向と、前記第1の軸と前記第2の軸の間の方向での第1の等価熱伝導率を算出し、
前記プロセッサが、前記第1の等価熱伝導率に基づき、熱解析を行う、
ことを特徴とする熱解析方法。 - 前記プロセッサは、前記複数の第1の矩形領域のうち、隣接する2つの矩形領域の前記第1の等価熱伝導率が等しいと判定したとき、前記2つの矩形領域を合成して第2の矩形領域を生成し、合成した前記2つの矩形領域の前記第1の等価熱伝導率を、前記第2の矩形領域の第2の等価熱伝導率として用いて熱解析を行うことを特徴とする請求項1に記載の熱解析方法。
- 前記プロセッサは、前記第1の軸の方向に隣接する前記2つの矩形領域の前記第1の等価熱伝導率が等しく、前記2つの矩形領域に対して前記第2の軸の方向に沿ってすべての、前記第1の軸の方向に隣接する矩形領域間での前記第1の等価熱伝導率が等しいと判定したとき、前記2つの矩形領域を合成して前記第2の矩形領域を生成する、ことを特徴とする請求項2に記載の熱解析方法。
- 前記第1の軸と前記第2の軸の間の方向は、前記複数の第1の矩形領域のそれぞれにおいて、前記第1の軸と前記第2の軸で規定される平面の対角線方向であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の熱解析方法。
- コンピュータシミュレーションによって基板の熱解析を行う熱解析方法であって、
プロセッサが、前記基板を複数の第1の矩形領域に分割し、
前記プロセッサが、前記複数の第1の矩形領域のそれぞれにおいて、互いに直交する第1の軸と第2の軸の方向での第1の等価熱伝導率を算出し、
前記プロセッサが、前記複数の第1の矩形領域のうち、隣接する2つの矩形領域の前記第1の等価熱伝導率が等しいと判定したとき、前記2つの矩形領域を合成して第2の矩形領域を生成し、
前記プロセッサが、合成した前記2つの矩形領域の前記第1の等価熱伝導率を、前記第2の矩形領域の第2の等価熱伝導率として用いて熱解析を行う、
ことを特徴とする熱解析方法。 - 前記第1の等価熱伝導率は、前記第1の軸と前記第2の軸の方向に加えて、前記第1の軸と前記第2の軸の間の方向についても算出される、ことを特徴とする請求項5に記載の熱解析方法。
- 前記プロセッサは、前記第1の軸の方向に隣接する前記2つの矩形領域の前記第1の等価熱伝導率が等しく、前記2つの矩形領域に対して前記第2の軸の方向に沿ってすべての、前記第1の軸の方向に隣接する矩形領域間での前記第1の等価熱伝導率が等しいと判定したとき、前記2つの矩形領域を合成して前記第2の矩形領域を生成する、ことを特徴とする請求項5または6に記載の熱解析方法。
- 前記第1の軸と前記第2の軸の間の方向は、前記複数の第1の矩形領域のそれぞれにおいて、前記第1の軸と前記第2の軸で規定される平面の対角線方向であることを特徴とする請求項6に記載の熱解析方法。
- コンピュータシミュレーションによって基板の熱解析を行う熱解析装置であって、
前記基板を複数の矩形領域に分割する分割部と、
前記複数の矩形領域のそれぞれにおいて、互いに直交する第1の軸と第2の軸の方向と、前記第1の軸と前記第2の軸の間の方向での等価熱伝導率を算出する算出部と、
前記等価熱伝導率に基づき、熱解析を行う熱解析部と、
を有することを特徴とする熱解析装置。 - コンピュータシミュレーションによって基板の熱解析を行う熱解析装置であって、
前記基板を複数の第1の矩形領域に分割する分割部と、
前記複数の第1の矩形領域のそれぞれにおいて、互いに直交する第1の軸と第2の軸の方向での第1の等価熱伝導率を算出する算出部と、
前記複数の第1の矩形領域のうち、隣接する2つの矩形領域の前記第1の等価熱伝導率が等しいと判定したとき、前記2つの矩形領域を合成して第2の矩形領域を生成する合成部と、
合成した前記2つの矩形領域の前記第1の等価熱伝導率を、前記第2の矩形領域の第2の等価熱伝導率として用いて熱解析を行う熱解析部と、
を有することを特徴とする熱解析装置。 - コンピュータシミュレーションによって基板の熱解析を行う処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記基板を複数の矩形領域に分割し、
前記複数の矩形領域のそれぞれにおいて、互いに直交する第1の軸と第2の軸の方向と、前記第1の軸と前記第2の軸の間の方向での等価熱伝導率を算出し、
前記等価熱伝導率に基づき、熱解析を行う、
処理を前記コンピュータに実行させるプログラム。 - コンピュータシミュレーションによって基板の熱解析を行う処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記基板を複数の第1の矩形領域に分割し、
前記複数の第1の矩形領域のそれぞれにおいて、互いに直交する第1の軸と第2の軸の方向での第1の等価熱伝導率を算出し、
前記複数の第1の矩形領域のうち、隣接する2つの矩形領域の前記第1の等価熱伝導率が等しいと判定したとき、前記2つの矩形領域を合成して第2の矩形領域を生成し、
合成した前記2つの矩形領域の前記第1の等価熱伝導率を、前記第2の矩形領域の第2の等価熱伝導率として用いて熱解析を行う、
処理を前記コンピュータに実行させるプログラム。
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JP2018136234A (ja) * | 2017-02-23 | 2018-08-30 | 富士通株式会社 | 熱伝導性の推定方法、熱伝導性の推定装置、及びプログラム |
JP2018169867A (ja) * | 2017-03-30 | 2018-11-01 | マツダ株式会社 | 熱輸送性能解析方法及び熱輸送性能解析装置 |
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2014
- 2014-10-28 JP JP2014219373A patent/JP2016085678A/ja not_active Withdrawn
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