JP2018136234A - 熱伝導性の推定方法、熱伝導性の推定装置、及びプログラム - Google Patents

熱伝導性の推定方法、熱伝導性の推定装置、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】少ない計算機資源及び計算時間で、物質の熱伝導性を推定することができる熱伝導性の推定方法などの提供。【解決手段】2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する熱伝導性の推定方法であって、化合物構造体における2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる複数の化合物構造体のそれぞれにおけるP値の平均値と、を用いて、計算値と平均値との相関を求める工程と、求められた複数の相関から、強い相関を選択する工程と、2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された強い相関に基づいて、2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する工程と、を含む。【選択図】図2

Description

本件は、熱伝導性の推定方法、熱伝導性の推定装置、及び前記推定方法を実行するプログラムに関する。
近年、種々のデバイス開発において内部で発生する熱をいかに効率よく制御するかということが問題となっている。例えば、様々なIT機器においてCPUなどから発生する熱を機器全体として効率良く逃がすために熱伝導率の高い材料を用いたい、あるいは、機器内部の局所的な熱流の方向を制御するために熱伝導率の低い材料を配置したい、といった要求がある。一例として、減じた熱抵抗を有する半導体デバイスが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、廃熱を回収しゼーベック効果により電気エネルギーを取り出す技術である熱電変換に用いる材料は、その性能向上のためにいかに熱伝導率を低減できるかということが問題となる。このような熱制御の重要性は、機器の小型化や高性能化に伴ってますます高まっている。
そのため、物質の熱伝導率を知ることは、非常に重要である。物質の熱伝導率は、シミュレーションにより計算することができる。しかし、数多くの物質の熱伝導率をシミュレーションにより計算しようとすると、一般的に計算コストが高いことに加えて、非常に多くの計算機資源と計算時間とが必要になるという問題がある。
特開2003−124407号公報
本件は、少ない計算機資源及び計算時間で、物質の熱伝導性を推定することができる熱伝導性の推定方法、及び熱伝導性の推定装置、並びに前記推定方法を実行するプログラムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
開示の熱伝導性の推定方法は、
2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する熱伝導性の推定方法であって、
前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める工程と、
求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する工程と、
前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する工程と、
を含む。
開示のプログラムは、
コンピュータに、2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める工程と、
求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する工程と、
前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する工程と、
を実行させる。
開示の熱伝導性の推定装置は、
2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する熱伝導性の推定装置であって、
前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める相関算出部と、
求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する相関選択部と、
前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する推定部と、
を有する。
開示の熱伝導性の推定方法によれば、少ない計算機資源及び計算時間で、物質の熱伝導性を推定することができる。
開示のプログラムによれば、少ない計算機資源及び計算時間で、物質の熱伝導性を推定することができる。
開示の熱伝導性の推定装置によれば、少ない計算機資源及び計算時間で、物質の熱伝導性を推定することができる。
図1は、振動数領域を決定するための方法の一例を説明するための図である。 図2は、開示の熱伝導性の推定方法の一例のフローチャートである。 図3は、開示の熱伝導性の推定装置の構成例である。 図4は、開示の熱伝導性の推定装置の他の構成例である。 図5は、開示の熱伝導性の推定装置の他の構成例である。 図6は、(Si層数,Ge層数)=(7,5)のユニットセルである。 図7は、(Si層数,Ge層数)=(7,5)のP値を表すグラフである。 図8は、SiとGeとの比率を変えたユニットセルの一覧である。 図9は、全振動数領域に関する、P値の平均値と、熱伝導性との相関を表すグラフである(その1)。 図10は、低振動数領域に関する、P値の平均値と、熱伝導性との相関を表すグラフである(その1)。 図11は、複数の振動数領域に関する、P値の平均値と、熱伝導性との相関を表すグラフである(その1)。 図12は、SiとGeとの比率を変えたユニットセルの一覧である。 図13は、複数の振動数領域に関する、P値の平均値と、熱伝導性との相関を表すグラフである(その2)。 図14は、全振動数領域に関する、P値の平均値と、熱伝導性との相関を表すグラフである(その2)。 図15は、低振動数領域に関する、P値の平均値と、熱伝導性との相関を表すグラフである(その2)。
(熱伝導性の推定方法)
開示の熱伝導性の推定方法は、2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する方法である。
本発明者らは、化合物構造体の熱伝導性を、少ない計算機資源及び計算時間で推定する方法について検討を行った。
熱伝導性と関係する指標として、基準振動解析によるフォノン計算で求められるParticipation Ratio値(以下、P値と呼ぶ)が挙げられる〔例えば、A. Bodapati et al., Phys. Rev. B 74, 245207 (2006)参照〕。前記P値は、あるフォノン振動モードλの空間的な局在性を表す指標であり、下記数式(1)により定義される。
ここで、Nはユニットセル内の全原子数、eiα,λはλ番目の基準振動の原子iのα方向の変位成分(α=x,y,z)である。Pλは、1/N(完全に局在化した状態)〜1(完全に非局在化した状態)までの値をとる。
一般にP値が小さいモード(つまり、より局在化したモード)は熱伝導率低減に寄与する。特に、低周波数領域でP値が小さいモードがより多く存在する場合、熱伝導率がより低くなる傾向にあると考えられる。基準振動解析により求められるモードは3N個存在し、これらのモードが全体として熱伝導率の値と大まかな相関があることが推測される。しかし、相関の程度は明らかではない。
そこで、本発明者は、相関の程度を、振動数の範囲を限定して得られるP値の平均値を用いることにより高めることで、熱伝導性の妥当な推定ができることを見出し、本発明の完成に至った。
開示の熱伝導性の推定方法は、相関を求める工程と、強い相関を選択する工程と、熱伝導性を推定する工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
<相関を求める工程>
前記相関を求める工程は、計算値と、平均値との相関を求める工程である。
前記相関は、複数求められる。
振動数領域の限定の仕方を変えて前記平均値を求めることにより、前記相関は、複数求められる。
<<計算値>>
前記計算値は、前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値である。
前記熱伝導率の計算値を求める方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分子動力学法、格子動力学法などが挙げられる。
なお、前記熱伝導率は、実測をしてもよいが、試料の作製等の手間を加味すると、シミュレーションにより求めることが好ましい。
前記計算値は、2種類以上の元素の比率を変えた多くの化合物構造体について求めることが、推定方法の妥当性が高くなる点で好ましいが、求める前記計算値の数(即ち、2種類以上の元素の比率を変えた化合物構造体の数)が多すぎると、前記計算値を求めるための計算機資源、及び計算時間が大きくなりすぎる。その点から、前記計算値を求める2種類以上の元素の比率を変えた化合物構造体の数としては、例えば、前記化合物構造体の種類に応じて適宜選択すればいよいが、5以上50以下が好ましく、5以上30以下が好ましく、5以上20以下が特に好ましい。
<<<化合物構造体>>>
本発明において、「化合物構造体」とは、化合物が特定の構造を構成してなる構造体を意味する。
前記化合物構造体としては、例えば、化合物半導体などが挙げられる。前記化合物半導体は、フォノンが主要な熱伝導の担い手のため、開示の推定方法の妥当性が高い。
前記化合物半導体としては、例えば、IV族化合物半導体、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体、I−III−IV族化合物半導体などが挙げられる。
前記IV族化合物半導体としては、例えば、SiC、SiGe、CSiGeなどが挙げられる。
前記III−V族化合物半導体としては、例えば、GaAs、AlP、AlAs、InP、InAs、GaSb、AlSb、GaInP、GaInAs、AlGaAsSb、GaInAsP、GaInPAsなどが挙げられる。
前記II−VI族化合物半導体としては、例えば、CdTe、CdSなどが挙げられる。
前記I−III−IV族化合物半導体としては、例えば、CuInSe、Cu(Ga,In)Seなどが挙げられる。
また、前記化合物構造体の構造としては、2種以上の元素のそれぞれの元素からなる薄膜を積層した積層構造などが挙げられる。
<<平均値>>
前記平均値は、P値から振動数領域を限定して求められる前記化合物構造体における前記P値の平均値である。
前記P値は、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標である。
前記P値は、前記化合物構造体について基準振動解析により算出された値である。
前記P値の平均値は、前記複数の化合物構造体のそれぞれについて求められる。
前記平均値は、算術平均値である。
前記P値は、前述のとおり、熱伝導性と関係する指標として知られる、基準振動解析によるフォノン計算で求められるParticipation Ratio値である〔例えば、A. Bodapati et al., Phys. Rev. B 74, 245207 (2006)参照〕。前記P値は、あるフォノン振動モードλの空間的な局在性を表す指標であり、下記数式(1)により定義される。
ここで、Nはユニットセル内の全原子数、eiα,λはλ番目の基準振動の原子iのα方向の変位成分(α=x,y,z)である。Pλは、1/N(完全に局在化した状態)〜1(完全に非局在化した状態)までの値をとる。
基準振動解析により求められるモードは3N個存在する。
前記P値は、通常、振動数毎に特定の値をとる。
前記P値を計算する際のNの数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、500〜10,000が好ましく、1,000〜3,000がより好ましい。
前記平均値を求める際の、限定される振動数領域としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記平均値を求める際の、前記限定される振動数領域は、一つであってもよいし、複数であってもよい。
例えば、前記限定される振動数領域は、最大3つの任意の振動数領域を選択するように設定された計算に基づいて決定される。その方法の一例を図1を用いつつ以下に説明する。
P値の平均をとる際の振動数(f)の領域は、次のような3つの領域とする(振動数の単位は[THz])。
(I) f1≦f≦f2
(II) f3≦f≦f4
(III) f5≦f≦f6
ここで、f1,f2,f3,f4,f5,f6は、特定の範囲fxmin〜fxmax(xは、1〜6を表す)をとり、図1に示す関係にある。それを、式で表すと、以下のようになる。
0≦f1min≦f2min≦f3min≦f4min≦f5min≦f6min
f1max≦f2max≦f3max≦f4max≦f5max≦f6max≦fmax
ここで、fmaxは、すべての構造のモードの中で最大の振動数を表す。
また、(I)〜(III)において、f>0が真のときに、その振動数領域を前記限定される振動数領域の一つとして採用する。
このような条件で、f1〜f6を独立して変化させ、f1,f2,f3,f4,f5,f6の各値の組合せにより、(I)〜(III)から最大3つの任意の振動数領域を選択する。
ここで、最大3つとしたのは、選択する振動数領域の数を多くしすぎると、選択される複数の振動数領域の組み合わせが非常に多くなり、対応する相関の数も非常に多くなり、計算に時間がかかる一方、実質的に全振動数領域を選択することに近づき、強い相関を有する前記限定された振動数領域を選択する効率が低下する恐れがあるためである。
<強い相関を選択する工程>
前記強い相関を選択する工程としては、求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複数の相関のそれぞれについて相関係数を求め、相関係数を対比して、相関係数が一番大きい相関を選択する工程などが挙げられる。
前記相関係数は、例えば、ピアソン相関係数が挙げられる。
強い相関を選択する際には、例えば、前記相関係数が0.80以上の相関であって、前記相関係数が一番大きい相関を選択することが好ましい。もし、複数の前記相関において、相関係数が0.80以上の相関がない場合には、新たに、異なる振動数領域を選択して前記計算値と前記平均値との相関を求めてもよい。
<熱伝導性を推定する工程>
前記熱伝導性を推定する工程としては、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記熱伝導性を推定する工程としては、例えば、選択された前記強い相関における線形回帰モデルに、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について求めた、前記振動数領域におけるP値の平均値を当てはめて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導率を求める工程が挙げられる。
前記線形回帰モデルは、例えば、Y=Xβ+ε(Yは目的変数、Xは説明変数、βは係数、εは擾乱項)で表される。ここで、目的変数(Y)は、熱伝導率であり、説明変数(X)は、P値の平均値である。
前記線形回帰モデルは、例えば、最小二乗法により求めることができる。
前記熱伝導性の推定方法の一例のフローチャートを図2に示す。
まず、熱伝導性を推定する対象の化合物構造体について、含有する2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体を作成する。
前記化合物構造体は、例えば、ユニットセルを設定し、ユニットセルに2種類以上の元素を所定の比率で配置することにより作成する。
前記ユニットセルには、例えば、周期境界条件を設定する。
この際、前記ユニットセル内の元素の配置は任意であるため、構造的な歪みが大きい場合がある。その際には、前記ユニットセルに対して構造緩和計算を行う。
続いて、前記複数の化合物構造体のそれぞれについて、P値の計算と、熱伝導率の計算とを行う。
P値の計算は、例えば、前記数式(1)により行う。
P値については、更に平均値を求める。この際に、全振動数領域におけるP値の平均値を求めるのではなく、特定の振動数領域を決定して、前記特定の振動数領域におけるP値の平均値を求める。決定される前記特定の振動数領域は、一つであってもよいし、複数であってもよい。決定される振動数領域が複数の場合には、求められる平均値は、複数の振動数領域の全てのP値の平均値である。
他方、熱伝導率の計算は、例えば、分子動力学法により行う。
続いて、複数の化合物構造体のそれぞれについて求められた、熱伝導率と、P値の平均値とを用いて、熱伝導率と、P値の平均値との相関を求める。前記相関は、例えば、相関係数を求めることにより行う。
続いて、求められた複数の相関を対比して、強い相関を選択する。強い相関は、例えば、予め設定した値を超える相関係数を強い相関として選択する方法などが挙げられる。
ここで、強い相関が選択されない場合には、特定の振動数領域を決定を、再度行う。
他方、強い相関が選択された場合には、その相関を用いて、熱伝導性を推定する対象の化合物構造体について、熱伝導性を推定する。
推定は、例えば、以下の方法により行う。
推定対象の化合物構造体について、前述の方法と同様にしてP値を求め、更に、強い相関が得られた振動数領域のP値の平均値を求める。強い相関について回帰を行い、線形回帰モデルを求める。求めた線形回帰モデルに推定対象の化合物構造体のP値の平均値を当てはめて、推定対象の化合物構造体の熱伝導率を算出する。
(プログラム)
開示のプログラムは、開示の前記熱伝導性の推定方法を実行するプログラムである。
前記プログラムは、使用するコンピュータシステムの構成及びオペレーティングシステムの種類・バージョンなどに応じて、公知の各種のプログラム言語を用いて作成することができる。
前記プログラムは、内蔵ハードディスク、外付けハードディスクなどの記憶媒体に記録しておいてもよいし、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、MOディスク(Magneto−Optical disk)、USBメモリ〔USB(Universal Serial Bus) flash drive〕などの記憶媒体に記録しておいてもよい。前記プログラムをCD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどの記憶媒体に記録する場合には、必要に応じて随時、コンピュータシステムが有する記憶媒体読取装置を通じて、これを直接、又はハードディスクにインストールして使用することができる。また、コンピュータシステムから情報通信ネットワークを通じてアクセス可能な外部記憶領域(他のコンピュータ等)に前記プログラムを記録しておき、必要に応じて随時、前記外部記憶領域から情報通信ネットワークを通じてこれを直接、又はハードディスクにインストールして使用することもできる。
(コンピュータが読み取り可能な記録媒体)
開示のコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、開示の前記プログラムを記録してなる。
前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、内蔵ハードディスク、外付けハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどが挙げられる。
(熱伝導性の推定装置)
開示の熱伝導性の推定装置は、相関算出部と、相関選択部と、推定部とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部を有する。
前記熱伝導性の推定装置は、2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する。
前記相関算出部では、前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める。
前記相関選択部では、求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する。
前記推定部では、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する。
前記熱伝導性の推定装置は、開示の前記熱伝導性の推定方法を実行する。
図3に、開示の熱伝導性の推定装置の構成例を示す。
熱伝導性の推定装置10は、例えば、CPU11、メモリ12、記憶部13、表示部14、入力部15、出力部16、I/Oインターフェース部17等がシステムバス18を介して接続されて構成される。
CPU(Central Processing Unit)11は、演算(四則演算、比較演算等)、ハードウエア及びソフトウエアの動作制御などを行う。例えば、CPUが、前記相関算出部、前記相関選択部、及び前記推定部に対応する。
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などのメモリである。前記RAMは、前記ROM及び記憶部13から読み出されたOS(Operating System)及びアプリケーションプログラムなどを記憶し、CPU11の主メモリ及びワークエリアとして機能する。
記憶部13は、各種プログラム及びデータを記憶する装置であり、例えば、ハードディスクである。例えば、前記計算値、前記P値、及び前記P値の平均値は、記憶部13に格納される。記憶部13には、更にCPU11が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OSなどが格納される。
前記プログラムは、記憶部13に格納され、メモリ12のRAM(主メモリ)にロードされ、CPU11により実行される。
表示部14は、表示装置であり、例えば、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置である。
入力部15は、各種データの入力装置であり、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス等)などである。
出力部16は、各種データの出力装置であり、例えば、プリンタである。
I/Oインターフェース部17は、各種の外部装置を接続するためのインターフェースである。例えば、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどのデータの入出力を可能にする。
図4に、開示の熱伝導性の推定装置の他の構成例を示す。
図4の構成例は、クラウド型の構成例であり、CPU11が、記憶部13等とは独立している。この構成例では、ネットワークインターフェース部19、20を介して、記憶部13等を格納するコンピュータ30と、CPU11を格納するコンピュータ40とが接続される。
ネットワークインターフェース部19、20は、インターネットを利用して、通信を行うハードウェアである。
図5に、開示の熱伝導性の推定装置の他の構成例を示す。
図5の構成例は、クラウド型の構成例であり、記憶部13が、CPU11等とは独立している。この構成例では、ネットワークインターフェース部19、20を介して、CPU11等を格納する。
以下、開示の技術について説明するが、開示の技術は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
Si結晶及びGe結晶の2種類の材料からなるSiGe積層構造について、Si及びGeの比率を変えて得られる熱伝導率と、P値との相関を求めた。
<P値の計算>
まず、図6に示す(Si層数,Ge層数)=(7,5)のユニットセルを作成し、前記数式(1)に従って、振動数0THz〜16THzの範囲でP値を得た。得られた結果を図7に示した。
なお、全原子数(N)=1,728であり、P値の個数は3N=5,184個である。
次に、SiとGeとの比率を変えた、図8に示す構造(Si層数,Ge層数)=(11,1), (10,2), (9,3), (8,4), (6,6), (5,7), (4,8), (3,9), (2,10), (1,11)についても、(Si層数、Ge層数)=(7:5)と同様にして、ユニットセルを作成し、前記数式(1)に従って、P値を求めた。求められたP値の個数は同じく、5,184個である。
<熱伝導率の計算>
次に、図8に示す構造(Si層数,Ge層数)=(11,1), (10,2), (9,3), (8,4), (7,5), (6,6), (5,7), (4,8), (3,9), (2,10), (1,11)について、分子動力学計算プログラムLAMMPSを用いて熱伝導率を求めた。
<相関>
<<全振動数領域(0≦f(THz)≦16)>>
各構造について求めた、熱伝導率と、P値の平均値とを、横軸をP値の平均値、縦軸を熱伝導率としたグラフにプロットした。結果を図9に示した。グラフ中の数値は、Geの層数を表す。以下のグラフにおいても同様である。
熱伝導率と、P値の平均値との相関性を求めたところ、相関係数R=0.23であり、相関性が低かった。また、最小二乗法による線形回帰(説明変数:P値の平均値、目的変数:熱伝導率)によって得られる線形回帰モデルを図9に直線で示した。
<<低振動数領域(0≦f(THz)≦8)>>
次に、P値の平均値を求める際の振動数領域を、低振動数領域に限定して、P値の平均値を求めた。
そして、各構造について求めた、熱伝導率と、P値の平均値とを、横軸をP値の平均値、縦軸を熱伝導率としたグラフにプロットした。結果を図10に示した。
熱伝導率と、P値の平均値との相関性を求めたところ、相関係数R=0.18であり、相関性が低かった。また、最小二乗法による線形回帰(説明変数:P値の平均値、目的変数:熱伝導率)によって得られる線形回帰モデルを図10に直線で示した。
<<振動数領域の変更>>
次に、P値の平均値を求める際の振動数領域を、任意に変更して、その際のP値の平均値と、熱伝導率との相関を求めた。
この例では、図1に示す方法により、3つの振動数領域を選択し、それらの振動数領域における総P値の平均値と、熱伝導率との相関を求めた。
そのところ、3つの振動数領域として、以下の3つの振動数領域を選択した際に、高い相関性が得られた。
(1)4.4≦f≦5.2
(2)8.4≦f≦8.6
(3)11.0≦f≦12.0
即ち、各構造について求めた、熱伝導率と、P値の平均値とを、横軸をP値の平均値、縦軸を熱伝導率としたグラフにプロットした。結果を図11に示した。
熱伝導率と、P値の平均値との相関性を求めたところ、相関係数R=0.85であり、相関性が高かった。また、最小二乗法による線形回帰(説明変数:P値の平均値、目的変数:熱伝導率)によって得られる線形回帰モデルを図11に直線で示した。
<熱伝導性の推定の確認>
以上の結果を踏まえ、相関係数R=0.85であった相関にもとづいて、図12に示す構造(Si層数,Ge層数)=(9,3)、(4,8)、(3,9)について、熱伝導率と、3つの振動数領域における総P値の平均値とを求め、図11にプロットを追加した。結果を図13に示した。追加したプロットは、グラフ中の番号で、3,8,9である。そのところ、線形回帰モデルに非常に近い位置にプロットされ、係る相関関係によれば、熱伝導率の推定が妥当であることが確認できた。
<他の相関における推定の確認>
図9の相関関係について、上記と同様にして、図12に示す構造(Si層数,Ge層数)=(9,3)、(4,8)、(3,9)について、熱伝導率と、P値の平均値とを求め、図9にプロットを追加した。結果を図14に示した。その結果、線形回帰モデルから離れた位置にプロットされ、係る相関関係によれば、熱伝導率の推定の妥当性が低いことが確認できた。
<他の相関における推定の確認>
図10の相関関係について、上記と同様にして、図12に示す構造(Si層数,Ge層数)=(9,3)、(4,8)、(3,9)について、熱伝導率と、P値の平均値とを求め、図10にプロットを追加した。結果を図15に示した。その結果、線形回帰モデルから離れた位置にプロットされ、係る相関関係によれば、熱伝導率の推定の妥当性が低いことが確認できた。
更に以下の付記を開示する。
(付記1)
2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する熱伝導性の推定方法であって、
前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める工程と、
求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する工程と、
前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する工程と、
を含むことを特徴とする熱伝導性の推定方法。
(付記2)
前記強い相関を選択する工程が、前記複数の相関のそれぞれについて相関係数を求め、前記相関係数を対比して、前記相関係数が一番大きい相関を選択する工程である付記1に記載の熱伝導性の推定方法。
(付記3)
前記振動数領域が、最大3つの振動数領域になるように選択される付記1から2のいずれかに記載の熱伝導性の推定方法。
(付記4)
前記熱伝導性を推定する工程が、選択された前記強い相関における線形回帰モデルに、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について求めた、前記振動数領域におけるP値の平均値を当てはめて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導率を求める工程である付記1から3のいずれかに記載の熱伝導率の推定方法。
(付記5)
前記化合物構造体が、化合物半導体である付記1から4のいずれかに記載の熱伝導性の推定方法。
(付記6)
前記化合物構造体の構造が、前記2種以上の元素のそれぞれの元素からなる薄膜を積層した積層構造である付記1から5のいずれかに記載の熱伝導性の推定方法。
(付記7)
コンピュータに、2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める工程と、
求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する工程と、
前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
(付記8)
前記強い相関を選択する工程が、前記複数の相関のそれぞれについて相関係数を求め、前記相関係数を対比して、前記相関係数が一番大きい相関を選択する工程である付記7に記載のプログラム。
(付記9)
前記振動数領域が、最大3つの振動数領域になるように選択される付記7から8のいずれかに記載のプログラム。
(付記10)
前記熱伝導性を推定する工程が、選択された前記強い相関における線形回帰モデルに、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について求めた、前記振動数領域におけるP値の平均値を当てはめて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導率を求める工程である付記7から9のいずれかに記載のプログラム。
(付記11)
前記化合物構造体が、化合物半導体である付記7から10のいずれかに記載のプログラム。
(付記12)
前記化合物構造体の構造が、前記2種以上の元素のそれぞれの元素からなる薄膜を積層した積層構造である付記7から11のいずれかに記載のプログラム。
(付記13)
2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する熱伝導性の推定装置であって、
前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める相関算出部と、
求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する相関選択部と、
前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する推定部と、
を有することを特徴とする熱伝導性の推定装置。
(付記14)
前記強い相関の選択が、前記複数の相関のそれぞれについて相関係数を求め、前記相関係数を対比して、前記相関係数が一番大きい相関を選択することにより行われる付記13に記載の熱伝導性の推定装置。
(付記15)
前記振動数領域が、最大3つの振動数領域になるように選択される付記13から14のいずれかに記載の熱伝導性の推定装置。
(付記16)
前記熱伝導性の推定が、選択された前記強い相関における線形回帰モデルに、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について求めた、前記振動数領域におけるP値の平均値を当てはめて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導率を求めることにより行われる付記13から15のいずれかに記載の熱伝導性の推定装置。
(付記17)
前記化合物構造体が、化合物半導体である付記13から16のいずれかに記載の熱伝導性の推定装置。
(付記18)
前記化合物構造体の構造が、前記2種以上の元素のそれぞれの元素からなる薄膜を積層した積層構造である付記13から17のいずれかに記載の熱伝導性の推定装置。
10 熱伝導性の推定装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶部
14 表示部
15 入力部
16 出力部
17 I/Oインターフェース部
18 システムバス
19 ネットワークインターフェース部
20 ネットワークインターフェース部
30 コンピュータ
40 コンピュータ

Claims (8)

  1. 2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する熱伝導性の推定方法であって、
    前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める工程と、
    求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する工程と、
    前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する工程と、
    を含むことを特徴とする熱伝導性の推定方法。
  2. 前記強い相関を選択する工程が、前記複数の相関のそれぞれについて相関係数を求め、前記相関係数を対比して、前記相関係数が一番大きい相関を選択する工程である請求項1に記載の熱伝導性の推定方法。
  3. 前記振動数領域が、最大3つの振動数領域になるように選択される請求項1から2のいずれかに記載の熱伝導性の推定方法。
  4. 前記熱伝導性を推定する工程が、選択された前記強い相関における線形回帰モデルに、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について求めた、前記振動数領域におけるP値の平均値を当てはめて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導率を求める工程である請求項1から3のいずれかに記載の熱伝導率の推定方法。
  5. 前記化合物構造体が、化合物半導体である請求項1から4のいずれかに記載の熱伝導性の推定方法。
  6. 前記化合物構造体の構造が、前記2種以上の元素のそれぞれの元素からなる薄膜を積層した積層構造である請求項1から5のいずれかに記載の熱伝導性の推定方法。
  7. コンピュータに、2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定させるプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める工程と、
    求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する工程と、
    前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する工程と、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
  8. 2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する熱伝導性の推定装置であって、
    前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める相関算出部と、
    求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する相関選択部と、
    前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する推定部と、
    を有することを特徴とする熱伝導性の推定装置。
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