JP6770236B2 - 熱伝導性の推定方法、熱伝導性の推定装置、及びプログラム - Google Patents
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開示の熱伝導性の推定方法は、
2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する熱伝導性の推定方法であって、
前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める工程と、
求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する工程と、
前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する工程と、
を含む。
コンピュータに、2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める工程と、
求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する工程と、
前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する工程と、
を実行させる。
2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する熱伝導性の推定装置であって、
前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める相関算出部と、
求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する相関選択部と、
前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する推定部と、
を有する。
開示のプログラムによれば、少ない計算機資源及び計算時間で、物質の熱伝導性を推定することができる。
開示の熱伝導性の推定装置によれば、少ない計算機資源及び計算時間で、物質の熱伝導性を推定することができる。
開示の熱伝導性の推定方法は、2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する方法である。
熱伝導性と関係する指標として、基準振動解析によるフォノン計算で求められるParticipation Ratio値(以下、P値と呼ぶ)が挙げられる〔例えば、A. Bodapati et al., Phys. Rev. B 74, 245207 (2006)参照〕。前記P値は、あるフォノン振動モードλの空間的な局在性を表す指標であり、下記数式(1)により定義される。
一般にP値が小さいモード(つまり、より局在化したモード)は熱伝導率低減に寄与する。特に、低周波数領域でP値が小さいモードがより多く存在する場合、熱伝導率がより低くなる傾向にあると考えられる。基準振動解析により求められるモードは3N個存在し、これらのモードが全体として熱伝導率の値と大まかな相関があることが推測される。しかし、相関の程度は明らかではない。
前記相関を求める工程は、計算値と、平均値との相関を求める工程である。
振動数領域の限定の仕方を変えて前記平均値を求めることにより、前記相関は、複数求められる。
前記計算値は、前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値である。
なお、前記熱伝導率は、実測をしてもよいが、試料の作製等の手間を加味すると、シミュレーションにより求めることが好ましい。
本発明において、「化合物構造体」とは、化合物が特定の構造を構成してなる構造体を意味する。
前記化合物半導体としては、例えば、IV族化合物半導体、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体、I−III−IV族化合物半導体などが挙げられる。
前記IV族化合物半導体としては、例えば、SiC、SiGe、CSiGeなどが挙げられる。
前記III−V族化合物半導体としては、例えば、GaAs、AlP、AlAs、InP、InAs、GaSb、AlSb、GaInP、GaInAs、AlGaAsSb、GaInAsP、GaInPAsなどが挙げられる。
前記II−VI族化合物半導体としては、例えば、CdTe、CdSなどが挙げられる。
前記I−III−IV族化合物半導体としては、例えば、CuInSe2、Cu(Ga,In)Se2などが挙げられる。
前記平均値は、P値から振動数領域を限定して求められる前記化合物構造体における前記P値の平均値である。
前記P値は、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標である。
前記P値は、前記化合物構造体について基準振動解析により算出された値である。
前記平均値は、算術平均値である。
基準振動解析により求められるモードは3N個存在する。
前記P値は、通常、振動数毎に特定の値をとる。
前記平均値を求める際の、前記限定される振動数領域は、一つであってもよいし、複数であってもよい。
例えば、前記限定される振動数領域は、最大3つの任意の振動数領域を選択するように設定された計算に基づいて決定される。その方法の一例を図1を用いつつ以下に説明する。
P値の平均をとる際の振動数(f)の領域は、次のような3つの領域とする(振動数の単位は[THz])。
(I) f1≦f≦f2
(II) f3≦f≦f4
(III) f5≦f≦f6
ここで、f1,f2,f3,f4,f5,f6は、特定の範囲fxmin〜fxmax(xは、1〜6を表す)をとり、図1に示す関係にある。それを、式で表すと、以下のようになる。
0≦f1min≦f2min≦f3min≦f4min≦f5min≦f6min
f1max≦f2max≦f3max≦f4max≦f5max≦f6max≦fmax
ここで、fmaxは、すべての構造のモードの中で最大の振動数を表す。
また、(I)〜(III)において、f>0が真のときに、その振動数領域を前記限定される振動数領域の一つとして採用する。
このような条件で、f1〜f6を独立して変化させ、f1,f2,f3,f4,f5,f6の各値の組合せにより、(I)〜(III)から最大3つの任意の振動数領域を選択する。
ここで、最大3つとしたのは、選択する振動数領域の数を多くしすぎると、選択される複数の振動数領域の組み合わせが非常に多くなり、対応する相関の数も非常に多くなり、計算に時間がかかる一方、実質的に全振動数領域を選択することに近づき、強い相関を有する前記限定された振動数領域を選択する効率が低下する恐れがあるためである。
前記強い相関を選択する工程としては、求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複数の相関のそれぞれについて相関係数を求め、相関係数を対比して、相関係数が一番大きい相関を選択する工程などが挙げられる。
前記熱伝導性を推定する工程としては、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記線形回帰モデルは、例えば、最小二乗法により求めることができる。
まず、熱伝導性を推定する対象の化合物構造体について、含有する2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体を作成する。
前記化合物構造体は、例えば、ユニットセルを設定し、ユニットセルに2種類以上の元素を所定の比率で配置することにより作成する。
前記ユニットセルには、例えば、周期境界条件を設定する。
この際、前記ユニットセル内の元素の配置は任意であるため、構造的な歪みが大きい場合がある。その際には、前記ユニットセルに対して構造緩和計算を行う。
P値の計算は、例えば、前記数式(1)により行う。
P値については、更に平均値を求める。この際に、全振動数領域におけるP値の平均値を求めるのではなく、特定の振動数領域を決定して、前記特定の振動数領域におけるP値の平均値を求める。決定される前記特定の振動数領域は、一つであってもよいし、複数であってもよい。決定される振動数領域が複数の場合には、求められる平均値は、複数の振動数領域の全てのP値の平均値である。
他方、熱伝導率の計算は、例えば、分子動力学法により行う。
ここで、強い相関が選択されない場合には、特定の振動数領域を決定を、再度行う。
推定は、例えば、以下の方法により行う。
推定対象の化合物構造体について、前述の方法と同様にしてP値を求め、更に、強い相関が得られた振動数領域のP値の平均値を求める。強い相関について回帰を行い、線形回帰モデルを求める。求めた線形回帰モデルに推定対象の化合物構造体のP値の平均値を当てはめて、推定対象の化合物構造体の熱伝導率を算出する。
開示のプログラムは、開示の前記熱伝導性の推定方法を実行するプログラムである。
開示のコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、開示の前記プログラムを記録してなる。
前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、内蔵ハードディスク、外付けハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどが挙げられる。
開示の熱伝導性の推定装置は、相関算出部と、相関選択部と、推定部とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部を有する。
前記熱伝導性の推定装置は、2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する。
熱伝導性の推定装置10は、例えば、CPU11、メモリ12、記憶部13、表示部14、入力部15、出力部16、I/Oインターフェース部17等がシステムバス18を介して接続されて構成される。
前記プログラムは、記憶部13に格納され、メモリ12のRAM(主メモリ)にロードされ、CPU11により実行される。
入力部15は、各種データの入力装置であり、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス等)などである。
出力部16は、各種データの出力装置であり、例えば、プリンタである。
I/Oインターフェース部17は、各種の外部装置を接続するためのインターフェースである。例えば、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどのデータの入出力を可能にする。
図4の構成例は、クラウド型の構成例であり、CPU11が、記憶部13等とは独立している。この構成例では、ネットワークインターフェース部19、20を介して、記憶部13等を格納するコンピュータ30と、CPU11を格納するコンピュータ40とが接続される。
ネットワークインターフェース部19、20は、インターネットを利用して、通信を行うハードウェアである。
図5の構成例は、クラウド型の構成例であり、記憶部13が、CPU11等とは独立している。この構成例では、ネットワークインターフェース部19、20を介して、CPU11等を格納する。
Si結晶及びGe結晶の2種類の材料からなるSiGe積層構造について、Si及びGeの比率を変えて得られる熱伝導率と、P値との相関を求めた。
まず、図6に示す(Si層数,Ge層数)=(7,5)のユニットセルを作成し、前記数式(1)に従って、振動数0THz〜16THzの範囲でP値を得た。得られた結果を図7に示した。
なお、全原子数(N)=1,728であり、P値の個数は3N=5,184個である。
次に、図8に示す構造(Si層数,Ge層数)=(11,1), (10,2), (9,3), (8,4), (7,5), (6,6), (5,7), (4,8), (3,9), (2,10), (1,11)について、分子動力学計算プログラムLAMMPSを用いて熱伝導率を求めた。
<<全振動数領域(0≦f(THz)≦16)>>
各構造について求めた、熱伝導率と、P値の平均値とを、横軸をP値の平均値、縦軸を熱伝導率としたグラフにプロットした。結果を図9に示した。グラフ中の数値は、Geの層数を表す。以下のグラフにおいても同様である。
熱伝導率と、P値の平均値との相関性を求めたところ、相関係数R2=0.23であり、相関性が低かった。また、最小二乗法による線形回帰(説明変数:P値の平均値、目的変数:熱伝導率)によって得られる線形回帰モデルを図9に直線で示した。
次に、P値の平均値を求める際の振動数領域を、低振動数領域に限定して、P値の平均値を求めた。
そして、各構造について求めた、熱伝導率と、P値の平均値とを、横軸をP値の平均値、縦軸を熱伝導率としたグラフにプロットした。結果を図10に示した。
熱伝導率と、P値の平均値との相関性を求めたところ、相関係数R2=0.18であり、相関性が低かった。また、最小二乗法による線形回帰(説明変数:P値の平均値、目的変数:熱伝導率)によって得られる線形回帰モデルを図10に直線で示した。
次に、P値の平均値を求める際の振動数領域を、任意に変更して、その際のP値の平均値と、熱伝導率との相関を求めた。
この例では、図1に示す方法により、3つの振動数領域を選択し、それらの振動数領域における総P値の平均値と、熱伝導率との相関を求めた。
そのところ、3つの振動数領域として、以下の3つの振動数領域を選択した際に、高い相関性が得られた。
(1)4.4≦f≦5.2
(2)8.4≦f≦8.6
(3)11.0≦f≦12.0
即ち、各構造について求めた、熱伝導率と、P値の平均値とを、横軸をP値の平均値、縦軸を熱伝導率としたグラフにプロットした。結果を図11に示した。
熱伝導率と、P値の平均値との相関性を求めたところ、相関係数R2=0.85であり、相関性が高かった。また、最小二乗法による線形回帰(説明変数:P値の平均値、目的変数:熱伝導率)によって得られる線形回帰モデルを図11に直線で示した。
以上の結果を踏まえ、相関係数R2=0.85であった相関にもとづいて、図12に示す構造(Si層数,Ge層数)=(9,3)、(4,8)、(3,9)について、熱伝導率と、3つの振動数領域における総P値の平均値とを求め、図11にプロットを追加した。結果を図13に示した。追加したプロットは、グラフ中の番号で、3,8,9である。そのところ、線形回帰モデルに非常に近い位置にプロットされ、係る相関関係によれば、熱伝導率の推定が妥当であることが確認できた。
図9の相関関係について、上記と同様にして、図12に示す構造(Si層数,Ge層数)=(9,3)、(4,8)、(3,9)について、熱伝導率と、P値の平均値とを求め、図9にプロットを追加した。結果を図14に示した。その結果、線形回帰モデルから離れた位置にプロットされ、係る相関関係によれば、熱伝導率の推定の妥当性が低いことが確認できた。
図10の相関関係について、上記と同様にして、図12に示す構造(Si層数,Ge層数)=(9,3)、(4,8)、(3,9)について、熱伝導率と、P値の平均値とを求め、図10にプロットを追加した。結果を図15に示した。その結果、線形回帰モデルから離れた位置にプロットされ、係る相関関係によれば、熱伝導率の推定の妥当性が低いことが確認できた。
(付記1)
2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する熱伝導性の推定方法であって、
前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める工程と、
求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する工程と、
前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する工程と、
を含むことを特徴とする熱伝導性の推定方法。
(付記2)
前記強い相関を選択する工程が、前記複数の相関のそれぞれについて相関係数を求め、前記相関係数を対比して、前記相関係数が一番大きい相関を選択する工程である付記1に記載の熱伝導性の推定方法。
(付記3)
前記振動数領域が、最大3つの振動数領域になるように選択される付記1から2のいずれかに記載の熱伝導性の推定方法。
(付記4)
前記熱伝導性を推定する工程が、選択された前記強い相関における線形回帰モデルに、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について求めた、前記振動数領域におけるP値の平均値を当てはめて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導率を求める工程である付記1から3のいずれかに記載の熱伝導率の推定方法。
(付記5)
前記化合物構造体が、化合物半導体である付記1から4のいずれかに記載の熱伝導性の推定方法。
(付記6)
前記化合物構造体の構造が、前記2種以上の元素のそれぞれの元素からなる薄膜を積層した積層構造である付記1から5のいずれかに記載の熱伝導性の推定方法。
(付記7)
コンピュータに、2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める工程と、
求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する工程と、
前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
(付記8)
前記強い相関を選択する工程が、前記複数の相関のそれぞれについて相関係数を求め、前記相関係数を対比して、前記相関係数が一番大きい相関を選択する工程である付記7に記載のプログラム。
(付記9)
前記振動数領域が、最大3つの振動数領域になるように選択される付記7から8のいずれかに記載のプログラム。
(付記10)
前記熱伝導性を推定する工程が、選択された前記強い相関における線形回帰モデルに、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について求めた、前記振動数領域におけるP値の平均値を当てはめて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導率を求める工程である付記7から9のいずれかに記載のプログラム。
(付記11)
前記化合物構造体が、化合物半導体である付記7から10のいずれかに記載のプログラム。
(付記12)
前記化合物構造体の構造が、前記2種以上の元素のそれぞれの元素からなる薄膜を積層した積層構造である付記7から11のいずれかに記載のプログラム。
(付記13)
2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する熱伝導性の推定装置であって、
前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める相関算出部と、
求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する相関選択部と、
前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する推定部と、
を有することを特徴とする熱伝導性の推定装置。
(付記14)
前記強い相関の選択が、前記複数の相関のそれぞれについて相関係数を求め、前記相関係数を対比して、前記相関係数が一番大きい相関を選択することにより行われる付記13に記載の熱伝導性の推定装置。
(付記15)
前記振動数領域が、最大3つの振動数領域になるように選択される付記13から14のいずれかに記載の熱伝導性の推定装置。
(付記16)
前記熱伝導性の推定が、選択された前記強い相関における線形回帰モデルに、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について求めた、前記振動数領域におけるP値の平均値を当てはめて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導率を求めることにより行われる付記13から15のいずれかに記載の熱伝導性の推定装置。
(付記17)
前記化合物構造体が、化合物半導体である付記13から16のいずれかに記載の熱伝導性の推定装置。
(付記18)
前記化合物構造体の構造が、前記2種以上の元素のそれぞれの元素からなる薄膜を積層した積層構造である付記13から17のいずれかに記載の熱伝導性の推定装置。
11 CPU
12 メモリ
13 記憶部
14 表示部
15 入力部
16 出力部
17 I/Oインターフェース部
18 システムバス
19 ネットワークインターフェース部
20 ネットワークインターフェース部
30 コンピュータ
40 コンピュータ
Claims (8)
- 2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する熱伝導性の推定方法であって、
前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める工程と、
求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する工程と、
前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する工程と、
を含むことを特徴とする熱伝導性の推定方法。 - 前記強い相関を選択する工程が、前記複数の相関のそれぞれについて相関係数を求め、前記相関係数を対比して、前記相関係数が一番大きい相関を選択する工程である請求項1に記載の熱伝導性の推定方法。
- 前記振動数領域が、最大3つの振動数領域になるように選択される請求項1から2のいずれかに記載の熱伝導性の推定方法。
- 前記熱伝導性を推定する工程が、選択された前記強い相関における線形回帰モデルに、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について求めた、前記振動数領域におけるP値の平均値を当てはめて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導率を求める工程である請求項1から3のいずれかに記載の熱伝導性の推定方法。
- 前記化合物構造体が、化合物半導体である請求項1から4のいずれかに記載の熱伝導性の推定方法。
- 前記化合物構造体の構造が、前記2種以上の元素のそれぞれの元素からなる薄膜を積層した積層構造である請求項1から5のいずれかに記載の熱伝導性の推定方法。
- コンピュータに、2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める工程と、
求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する工程と、
前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。 - 2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する熱伝導性の推定装置であって、
前記化合物構造体における前記2種類以上の元素の比率を変えた複数の化合物構造体について求めた熱伝導率の計算値と、フォノン振動モードの空間的な局在性を表す指標であるP値であって前記複数の化合物構造体のそれぞれについて基準振動解析により算出されたP値から振動数領域を限定して求められる前記複数の化合物構造体のそれぞれにおける前記P値の平均値と、を用いて、前記計算値と前記平均値との相関を求める相関算出部と、
求められた複数の前記相関から、強い相関を選択する相関選択部と、
前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体について、前記振動数領域におけるP値の平均値を求め、選択された前記強い相関に基づいて、前記2種以上の元素を特定の比率で含む化合物構造体の熱伝導性を推定する推定部と、
を有することを特徴とする熱伝導性の推定装置。
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
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